以下、本発明に係る用紙パッケージ及び印刷装置について、具体化した第1実施形態及び第2実施形態に基づき図面を参照しつつ詳細に説明する。
先ず、第1実施形態から説明する。そこで、図1〜図3に基づいて、第1実施形態に係る用紙パッケージ9の概略構成から説明する。ここで、図1は、第1実施形態に係る印刷装置にセットする状態の用紙パッケージの上方からの斜視図、図2は、用紙パッケージの下方からの斜視図、図3は、用紙パッケージの識別マーク部分の拡大図である。
用紙パッケージ9は図1に示すように、例えばA6〜A7サイズ程度の小サイズのカットシート状の感熱紙(被印刷媒体。以下「用紙」と称する)7と、積層される状態の該用紙7の外側を覆うパッケージ材8とを有する。パッケージ材8には、折返し可能な蓋部8aが一体的に形成されている。図1に示されるのは当該蓋部8aが下面側に折り返された形で固定された状態であり、このとき用紙7は同図に示すように、その長手方向(搬送方向)の一端側の下面を露出させた状態となる。用紙パッケージ9はこの図1に示す状態で、後述する印刷装置1にセットされる。用紙パッケージ9の厚みは7mm程度である。
蓋部8aを上記の状態で固定させるために、蓋部8aの先を挿入するための第1切込み41がパッケージ材8の下面側に設けられている。尚、パッケージ材8の上面側の後述する舌部8bにも第2切込み42が形成され、図1の状態にある蓋部8aをパッケージ材8の上面側に折り返してその先を第2切込み42に挿入することで、当該蓋部8aが用紙7を覆った状態で固定することもできるようになっている。
用紙7の上面に位置する舌部8bは、用紙パッケージ9を印刷装置1にセットしたときに、後述する押圧板18(図5、図7、図8参照)と用紙7との間に介在されるようになっている。この構成で印刷装置1の給紙動作がされる際には、舌部8bと用紙7との間に適宜の摩擦力を発生させて、用紙7の一枚ごとの分離をスムーズに行うことができるようにしている。
図2は用紙パッケージ9を下面側から見た様子であり、この図2に示すように、パッケージ材8下面の用紙7が露出された側と反対側の一隅には、長方形状の識別マーク31が設けられている。この識別マーク31は、後述するように用紙パッケージ9を印刷装置1に正しい向きでセットした場合に、印刷装置1側に設けられた反射型フォトセンサ32(図6参照)の読取領域に位置するようにされている。この識別マーク31は、用紙7の幅方向に幅W、長手方向に長さLを有している。
この識別マーク31は図3に示すように3つの矩形状のビット表示部31a〜31cにより構成されており、3つのうち1〜2箇所が無反射処理部31dとして黒く着色される一方、残りの箇所は着色されずパッケージ材8に矩形の第一穴部31eが穿孔され、パッケージ材8に収納されている用紙7の色(白)が露出している。例えば、図2においては、表示部31a・31cが黒く着色されると共に、残りの表示部31bには矩形の第一穴部31eが穿孔され、パッケージ材8に収納されている用紙7の色(白)が露出している。この識別マーク31を付す方法としては、例えば印刷等の公知の方法によって黒の着色を行い、第一穴部31eはパッケージ材8の外形抜きを行うときに第一穴部31eを同時に穿孔する方法を採用すればよい。上記の印刷による黒及び用紙による白のパターンは、用紙パッケージ9の種類に応じて、予め定められている。用紙パッケージ9の種類は概ねパッケージ材8の内部に収納される用紙の種類(例えば、通常タイプの感熱紙、二色発色が可能な感熱紙、ラベル紙、二枚同時印字が可能な複写紙など)を表しているが、それに限らない。用紙パッケージのデザインの違い、初期の用紙枚数の違い等を表してもよい。印刷装置1はこのパターンを反射型フォトセンサ32(後述)によって読み取ることにより、用紙7の種類を自動的に識別するようになっている。
図2において、用紙パッケージ9の下面の、識別マーク31の対角線上の一隅において、少なくとも識別マーク31と同じ幅W・長さLの大きさだけ用紙7が露出するようにさたエラーマークEが形成されている。尚、第1実施形態では、後で詳述するように、反射型フォトセンサ32が全て白と読み取るマークをエラーマークとしているので、パッケージ材8が白であったり、収容されている用紙が白であったりする場合は、特にエラーマークを施す必要はなく、用紙パッケージ9を間違った向きにセットしたときに、反射型フォトセンサ32に対応する位置にくる可能性のある部分が、白であれば問題ない。用紙7、あるいはパッケージ材8が有色の場合は、エラーマークを印刷等により幅W・長さLの大きさで白部分とし、エラーマークを形成する。また図1に示すように、用紙パッケージ9の上面側においても、用紙パッケージ9を上下逆さとした場合に前記識別マーク31およびエラーマークEと同じ位置にくる隅では、それぞれ少なくとも識別マーク31と同じ幅W・長さLの大きさだけパッケージ材8が露出するようにされ、エラーマークEを形成している。尚、第1実施形態では、印刷装置1に用紙パッケージ9が装着されていなかったり、用紙パッケージ9に用紙7が無くなったりした場合、反射型フォトセンサ32が全て黒を検出するように構成されている。
次に、印刷装置1の概略構造を、図4〜図8を参照しながら説明する。ここで、図4は、印刷装置の斜視図、図5は、印刷装置の側面断面図、図6は印刷装置の用紙パッケージを装着する装着部の斜視図、図7は、用紙パッケージを装着する装着部に用紙パッケージを装着した状態を示す側面断面図、図8は、印刷装置の用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
印刷装置1は図4に示すように、平面視で長方形状(A6〜A7サイズ程度の大きさ)とされ、かつ、厚みが略2cmあるいはそれ以下となる、コンパクトな構成とされている。印刷装置1の本体ケース2は、枠体3の下面を下カバー4で覆うと共に、上面の一部を上カバー5で覆って形成されている。
枠体3の上面側のうち前記上カバー5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図5に示すように用紙パッケージ9が装着される装着部6が形成される。この装着部6には、上述した用紙パッケージ9を、図7に示すように収容可能としている。
前記装着部6の上方は蓋体10にて覆われ、この蓋体10は図5に示すように回動自在とされる。本体ケース2側には図示しないロック機構が設けられており、前述のように装着部6に用紙パッケージ9をセットした状態で、図7に示すように蓋体10を閉じてロックできるようになっている。
装着部6の一側の端部には、用紙分離部11としてのピックアップローラ12および分離ブロック13等が配置されている。また、上カバー5の下方には、後に詳述する印刷機構部14としてのサーマルヘッド15、プラテンローラ16、ペーパーガイド17が配置される。
また、装着部6の他側の一隅においては、その底部に反射型フォトセンサ32が図6に示すように設けられている。この反射型フォトセンサ32は、前述のビット表示部31a〜31cの数に対応して、3つのセンサ32a〜32cが列設された構成となっている。そして、各センサ32a〜32cから光を照射してその反射の度合いを測定することで、前記識別マーク31の表示部31a〜31cの状態(黒か白か)を読み取るようになっている。
用紙分離部11を説明する。図8に示すように、前記装着部6の、前記印刷機構部14に近い側の端部には、ピックアップローラ12と分離ブロック13とが設けられている。前記蓋体10の装着部6側を向く内面には、押圧板18が回動自在に支持されている。この押圧板18と蓋体10との間にはコイル状の付勢バネ19が介在され、押圧板18に対し、該押圧板18を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。
上述した用紙パッケージ9は、図7に示すように、印字面を下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙7のうち、最も下側に位置する用紙7の下面をパッケージ材8から一部露出させた状態で、装着部6にセットされる。そして、前記蓋体10を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ19により下方へ付勢される押圧板18が、パッケージ材8の舌部8bを介して、用紙7の前記露出した部分をピックアップローラ12側へ押し付け、該用紙7の下面を該ピックアップローラ12に接触させる。
前記ピックアップローラ12に近接させて分離ブロック13が設けられ、この分離ブロック13は、ピックアップローラ12の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面13aを備えている。
この構成でピックアップローラ12が用紙送りモータ59(図9参照)によって回転駆動することにより、該ピックアップローラ12に接触する最下層の用紙7に搬送力が加えられる。そして、前記分離ブロック13の分離案内面13aの分離作用とあいまって、最下層に位置する一枚の用紙7のみが分離されて送り出される。
印刷機構部14を説明する。分離ブロック13に隣接してプラテンローラ16が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてペーパーガイド17が配置される。図8の拡大図に示すように、このペーパーガイド17には、前記プラテンローラ16の外周面に沿うように、断面が横向き略「U」字状となるような凹湾曲状の摺接面17aが形成されている。該ペーパーガイド17と本体ケース2との間には押圧コイルバネ20が設けられており、前記摺接面17aをプラテンローラ16の外周面に向けて付勢するようになっている。
この構成において、前述の用紙分離部11で分離された用紙7は、ピックアップローラ12により搬送されて、分離ブロック13の下端と、用紙の向きをプラテンローラ16側へ向けるためのガイド板21の間を通過する。
用紙7はこのガイド板21により案内され、プラテンローラ16の下面側から、該プラテンローラ16とペーパーガイド17との間に送られる。そして用紙7は、プラテンローラ16の外周面とペーパーガイド17の摺接面17aとの間で保持されつつ、プラテンローラ16の用紙送りモータ59(図9参照)による回転駆動により横向きU字状に反転されながら搬送され、印字面を上側に向けながらプラテンローラ16の上面側に至る。
プラテンローラ16の上面側に位置する前記サーマルヘッド15は、印字部たる発熱体部15aを有している。該サーマルヘッド15は回動軸15bまわりに回動可能に設けられて、前記発熱体部15aがプラテンローラ16の上面に接離可能とされている。
尚、このようにサーマルヘッド15を回動自在に構成したのは、前記プラテンローラ16とペーパーガイド17との間で用紙7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルヘッド15が作業の邪魔にならないようにするためである。
サーマルヘッド15には捩りコイルバネタイプのスプリング22の一端が係止されて、該サーマルヘッド15の発熱体部15aがプラテンローラ16上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。
この構成で、前述のように印字面を上側に向けながらプラテンローラ16により送られてくる用紙の上面にサーマルヘッド15の発熱体部15aが接触し、この接触する箇所において用紙7に印字がなされる。
サーマルヘッド15はラインヘッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙7に対し、該用紙7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙7の幅に略等しく設定されている。
このようにサーマルヘッド15を印刷ヘッドとして用いるのは、被記録媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリボンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、印刷装置1をコンパクトに構成できるからである。
前記分離ブロック13には、プラテンローラ16の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面13bが形成されている。
この構成において、サーマルヘッド15の発熱体部15aにより印字がなされた後の用紙7は、この排紙ガイド面13bにより案内されて、図4に示すように、本体ケース2の上カバー5と前記蓋体10とがなす隙間から、蓋体10の上側へ排紙される。
次に、印刷装置1の回路構成について図9に基づき説明する。ここで、図9は、印刷装置の要部の回路構成を示す回路ブロック図である。
図9に示すように、印刷装置1の制御回路部50は、CPU51、CG(キャラクタジェネレータ)ROM52、ROM53、RAM54、入出力インターフェース(I/F)55、及び通信用インターフェース(I/F)56、EEPROM61等を備えている。また、CPU51、CGROM52、ROM53、RAM54、入出力インターフェース(I/F)55、通信用インターフェース(I/F)56、及びEEPROM61は、バス線57により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。
ここに、CGROM52には各キャラクタに対応するドットパターンデータが記憶されている。また、ROM53は各種のプログラムを記憶させておくメモリであり、印字制御プログラム等の印刷装置1の制御上必要な各種のプログラムが記憶されている。そして、CPU51はかかるROM53に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算を行なう。また、ROM53には、多数の文字等のキャラクタのそれぞれについて、各キャラクタの輪郭線を規定する輪郭線データ(アウトラインデータ)が各書体(ゴシック系書体、明朝体系書体等)毎に分類されてコードデータに対応して記憶されている。このアウトラインデータに基づいてドットパターンデータがRAM54のイメージバッファ上に展開される。また、EEPROM61は、電気的に内容を書き換えることができるROMであり、電源を切ってもデータ保持が可能な不揮発性メモリである。この特徴を利用して各種可変要求のあるパラメータを記憶する。
また、RAM54はCPU51により演算された各種の演算結果を一時的に記憶させておくためのメモリである。例えば、サーマルヘッド15を介して用紙7に印字する際に印字データが一時記憶される印字バッファがある。また、RAM54には、テキストメモリ、送受信バッファ等の各種のメモリが設けられている。
また、入出力I/F55には、用紙パッケージ9の有無と逆差しの検出及び用紙7の有無と種類を検出するためのセンサ32a〜32cを有する反射型フォトセンサ32が接続されたA/Dコンバータ62と、サーマルヘッド15を駆動する為の駆動回路58と、ピックアップローラ12及びプラテンローラ16を駆動して用紙7を搬送する用紙送りモータ59を駆動する為の駆動回路60とが夫々接続されている。
また、通信用I/F56は、例えば、USB(Universal Serial Bus)インターフェースから構成され、上流のコンピュータ装置と双方向データ通信が可能になっている。
次に、上述のように構成された印刷装置1において、印刷装置1の反射型フォトセンサ32が用紙パッケージ9の有無と逆差しの検出及び用紙7の有無と種類を検出すると共に、その検出結果によって印刷処理及びエラー処理を行う流れを図10〜図14に基づいて説明する。ここで、図10〜図13は、印刷装置の反射型センサが用紙の有無と種類を検出し、その検出結果によって印刷処理及びエラー処理を行うフローチャートである。図14は、フローチャートのステップ32における識別マーク判定処理の結果対応表である。これら図10〜図13のフローチャートにて示されるプログラムは、ROM53の記憶領域に記憶されており、CPU51によって実行される。
先ず、図14に基づいて、表33に示す識別マーク判定処理の結果対応表について説明する。
表33のKは、識別マーク判定処理の結果の分類(用紙の種類等)を示しており、0〜7の8分類がある。また、SB1〜SB3は、用紙パッケージ9に設けられている識別マーク31を、センサ32a〜32cに対応する反射型フォトセンサ32によって読み取り、そのアナログ出力をAD変換して得た値を所定の閾値で振り分けしてビット構成とした用紙検出センサ値SB1〜SB3である。また、数字0は、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が閾値未満である状態を示している(黒の着色部は反射光無しのため閾値未満になる。)。また、数字1は、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が閾値以上である状態を示している(用紙7の白は反射光が有るため閾値以上になる。)。また、表33のK=0である上側のNGは、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が全て閾値未満であるので、用紙7が無いか用紙パッケージ9がセットされていない状態を示している(用紙7が無いか用紙パッケージ9がセットされていない場合は、反射光が無いので閾値未満になる。)。また、表33のK=7である下側のNGは、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が全て閾値以上であるので、用紙パッケージ9の逆差しの状態を示している(用紙パッケージ9の逆差しの場合は、用紙7や用紙パッケージ9の反射光が有るので閾値以上になる。)。そして、表33のK=1〜6のOKは、ビット表示部31a〜31c、第一穴部31eを備えた用紙パッケージ9及び用紙7が有ることにより、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が閾値未満と閾値以上の組み合わせになるので、その組み合わせによって用紙パッケージ9の種類を判別できることを示している。これにより、用紙パッケージA〜用紙パッケージFの6種類の用紙パッケージ9が判別できることになる。この閾値は、EEPROM61に記憶しており、印刷装置1と用紙パッケージ9または用紙7の最適化により補正することが可能である(補正には通信用I/F56を利用する)。
ところで、従来の用紙パッケージ9の種別検出を用紙の有無の検出を行わずに3ビットの反射型フォトセンサ32で行っていたとすると8通りの用紙パッケージ9の種類を検出することができる。実際にはK=0とK=7の2通りを異常処理のために開けておくとすると6通りである。これは本発明においても同様である。ところで、用紙パッケージ9の内部に収納された用紙7の有無を検出するためにセンサを追加して4ビットにした場合、検出できる用紙パッケージ9の種類は追加した1ビットが用紙7の有無を検出する専用ビットであるために6通りのままであるが、本発明によれば、追加した1ビットを用紙パッケージ9の種類検出にも使用できるので、16通りの用紙パッケージ9の種類を検出することができる。実際には4つのセンサによって読み出した結果が全て0と全て1の2通りを異常処理のために開けておくとすると14通りであるが、用紙7の有無を検出する専用のセンサを追加する場合と比較した時、同じセンサ数であるにもかかわらず2倍以上の用紙パッケージ9の種類を検出できる。尚、用紙7が無いことや、用紙パッケージ9がセットされていないことを検出するために反射光を返さないように構成する必要がある。用紙パッケージ9の厚みは薄すぎないことが望ましい。また、用紙パッケージ9の内面や蓋体10の裏面は黒に着色されていると尚よい。しかしながら、前述の閾値の設定を変えることにより最適化した状態で印刷装置1は使用される。そのため、多少の反射光は許容される。
続いて、図10のメイン処理のフローチャートを説明する。ステップ(以下、Sと略記する)1では、印刷装置1に設けられている図示しない電源キーがONされると、RAM54に記憶されている各種のデータが初期化される。そして、S2に進む。
S2では、印刷装置1に設けられている図示しない電源キーに対して、電源キーのOFF操作が有ったか否かが判断される。電源キーのOFF操作が有ったと判断された場合(S2:YES)は、S5に進む。
S5では、印刷装置1のOFF処理を行い、プログラムを終了する。
ここでS2に戻って説明する。S2では、印刷装置1に設けられている図示しない電源キーに対して、電源キーのOFF操作が有ったか否かを判断しているが、電源キーのOFF操作が無かったと判断された場合(S2:NO)は、S3に進む。
S3では、コンピュータ装置からの送信データが印刷装置1の通信用I/F56を経由してデータ受信が有ったか否かが判断される。データ受信が無かったと判断された場合(S3:NO)は、S2に戻り、以下のステップを繰り返す。データ受信が有ったと判断された場合(S3:YES)は、S4に進む。
ここで、一旦図10を参照してのメイン処理の説明を中断し、S4において呼び出されるコマンド処理について図11を参照して説明する。
先ず、図11のS11では、S3においてデータ受信が有ったと判断されたので、その受信したデータが印刷データであるか否かが判断される。受信したデータが印刷データであると判断された場合(S11:YES)は、S15に進む。
S15では、印刷イメージ処理が行われる。印刷イメージ処理は、ラスタ印刷制御の場合、1ライン分の印刷データ(イメージデータ)をRAM54の印刷バッファに蓄積する。また、ESC/P印刷制御の場合、印刷データ(ベクトルデータ)に含まれている印刷される文字のキャラクタコードから文字のイメージデータを発生し、印刷データにより指定された位置にそれを配置するなどして、RAM54の印刷バッファ上に印刷イメージを作成する処理を行う。そして、図10のメイン処理に戻ると共にS2に戻り、その後のステップを繰り返す。
ここでS11に戻って説明する。S11では、S3においてデータ受信が有ったと判断されたので、その受信したデータが印刷データであるか否かを判断しているが、受信したデータが印刷データでないと判断された場合(S11:NO)は、S12に進む。
S12では、受信したデータが印刷開始コマンドであるか否かが判断される。受信したデータが印刷開始コマンドでないと判断された場合(S12:NO)は、S13に進む。
S13では、その他のそれぞれのコマンドに対応するコマンド処理が行われる。そして、図10のメイン処理に戻ると共にS2に戻り、その後のステップを繰り返す。
ここでS12に戻って説明する。S12では、受信したデータが印刷開始コマンドであるか否かを判断しているが、受信したデータが印刷開始コマンドであると判断された場合(S12:YES)は、S14に進む。
ここで、一旦図11を参照してのコマンド処理の説明を中断し、S14において呼び出される印刷動作制御処理について図12を参照して説明する。
先ず、図12のS21では、電源として使用する電池が有るか否かが判断される。電源として使用する電池が無いと判断された場合(S21:NO)は、S27に進む。電源として使用する電池があると判断された場合(S21:YES)は、S22に進む。
S22では、電池の充電容量が所定容量以上になっているか否かが判断される。電池の充電容量が所定容量以上になっていないと判断された場合(S22:NO)は、S27に進む。電池の充電容量が所定容量以上になっていると判断された場合(S22:YES)は、S23に進む。
S23では、印刷装置1または印刷装置1に使用されているサーマルヘッド15の温度を検出し、所定の温度以下になっているか否かが判断される。所定の温度以下になっていないと判断された場合(S23:NO)は、S27に進む。所定の温度以下になっていると判断された場合(S23:YES)は、S24に進む。
ここで、一旦図12を参照してのコマンド処理の説明を中断し、S24において呼び出される用紙パッケージ/用紙の有無判定処理について図13を参照して説明する。
先ず、図13のS31では、用紙パッケージ9に設けられている識別マーク31を、センサ32a〜32cに対応する反射型フォトセンサ32によって読み取り、そのアナログ出力をAD変換して得た値を所定の閾値で振り分けしてビット構成とした用紙検出センサ値SB1〜SB3を取得する。そして、S32に進む。
S32では、S31で取得された用紙検出センサ値SB1〜SB3を図14の表33に基づいて用紙7の種類及び状態を判定処理する。図14の表33によれば、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)のK=0のときは、判定結果がNGとなって、用紙無しの可能性があるとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(001)のK=1のときは、判定結果がOKとなって、用紙Aがセットされているとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(010)のK=2のとき(図2、図3の状態)は、判定結果がOKとなって、用紙Bがセットされているとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(011)のK=3のときは、判定結果がOKとなって、用紙Cがセットされているとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(100)のK=4のときは、判定結果がOKとなって、用紙Dがセットされているとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(101)のK=5のときは、判定結果がOKとなって、用紙Eがセットされているとなり、また、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(110)のK=6のときは、判定結果がOKとなって、用紙Fがセットされているとなり、そして、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(111)のK=7のときは、判定結果がNGとなって、用紙が逆差しされている可能性があるとなる。このように判定してS33に進む。
S33では、用紙パッケージ9に設けられている識別マーク31を、センサ32a〜32cに対応する反射型フォトセンサ32によって読み取り、そのアナログ出力をAD変換して得た値を所定の閾値で振り分けしてビット構成とした用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0であるか否かが判別される。用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0であると判別された場合(S33:YES)は、S36に進む。用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0でないと判別された場合(S33:NO)は、S34に進む。
S34では、用紙パッケージ9に設けられている識別マーク31を、センサ32a〜32cに対応する反射型フォトセンサ32によって読み取り、そのアナログ出力をAD変換して得た値を所定の閾値で振り分けしてビット構成とした用紙検出センサ値SB3〜SB1が(111)(識別マーク31が全て白)のK=7であるか否かが判別される。用紙検出センサ値SB3〜SB1が(111)(識別マーク31が全て白)のK=7であると判別された場合(S34:YES)は、S36に進む。用紙検出センサ値SB3〜SB1が(111)(識別マーク31が全て白)のK=7でないと判別された場合(S34:NO)は、S35に進む。
S35では、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常(OK)にセットされているので、セットされた用紙7の情報を次のステップに伝達する準備をする。そして、図12の印刷動作制御処理に戻ると共にS25に進む。
S36では、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6にセットされていなかったり、用紙パッケージ9内の用紙7が用紙切れだったり、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に逆差しだったりする異常(NG)な状態であるので、その状態の情報を次のステップに伝達する準備をする。そして、図12の印刷動作制御処理に戻ると共にS25に進む。
ここで、図12の印刷動作制御処理に戻り、S25のステップから説明する。
S25では、図13の用紙パッケージ/用紙の有無判定処理によって得られた情報に対して、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常(OK)な状態にセットされている情報であるか否かが判断される。用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常(OK)な状態にセットされている情報でないと判断された場合(S25:NO)は、S27に進む。用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常(OK)な状態にセットされている情報であると判断された場合(S25:YES)は、S26に進む。
S26では、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常(OK)な状態にセットされている情報で有ると共に、用紙7の情報も含まれているので、その情報に基づいて印刷条件を設定して、RAM54の印刷バッファに記憶されているデータの印刷処理を行う。そして、図11のコマンド処理に戻り、更に図10のメイン処理に戻ると共にS2に戻って、その後のステップを繰り返す。
S27では、印刷装置1の電源として使用する電池が無かったり、印刷装置1の電源として使用する電池の充電容量が所定容量以上になっていなかったり、印刷装置1または印刷装置1に使用されているサーマルヘッド15の温度が所定の温度以下になっていなかったり、用紙パッケージ9が印刷装置1の装着部6に対して正常な状態にセットされていなかったりする異常な状態をエラーとして上流のコンピュータ装置に伝達したり、印刷装置1の機能を停止したりするエラー処理を行う。尚、印刷装置1におけるエラー表示としては、印刷装置1に設けられた図示しないLEDを使って表示してもよい。その場合、エラーの種類によって点滅のパターンを変えるとなおよい。そして、図11のコマンド処理に戻り、更に図10のメイン処理に戻ると共にS2に戻って、その後のステップを繰り返す。
以上詳細に説明した通り第1実施形態に係る用紙パッケージ9は、パッケージ材8の表面には複数の領域からなると共に、各領域には光の無反射処理部31dか、用紙7による光の反射を取得するために穿孔された第一穴部31eを備えた識別マーク31が設けられている。この識別マーク31を構成する無反射処理部31dを備える領域と用紙7による光の反射を取得する第一穴部31eを備える領域との組み合わせは用紙パッケージ9の種類に対応している。この用紙パッケージ9を印刷装置1にセットしたときに、用紙パッケージ9に用紙7がある場合には、印刷装置1に設けられた複数の反射型フォトセンサ32を介して、無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光ありとして識別マーク31における反射光のありなしの組み合わせを読み取らせることによって印刷装置1に用紙パッケージ9の種類を判別させる。そして、用紙パッケージ9に用紙7がない場合には、無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光なしとして識別マーク31の全てを反射光なしと読み取らせることによって印刷装置1に用紙パッケージ9には用紙7が無いことを判別させるようにしている。これらの構成により、用紙パッケージ9からは、従来通り用紙パッケージ9の種類を検出することができながら、専用のセンサを設けること無しに、用紙パッケージ9の内部に収納された用紙7の有無を検出することができる。用紙パッケージ9は、このように印刷装置1に専用部品の追加をさせることなく、用紙パッケージ9に開ける第一穴部31eも型で同時に製作してしまうので、印刷装置1と共にコストアップせずに機能をアップすることができる。
更に、例えば従来の用紙パッケージ9の種別検出を用紙の有無の検出を行わずに3ビットの反射型フォトセンサ32で行っていたとすると8通りの用紙パッケージ9の種類を検出することができる。実際には全て白(反射光有り)と全て黒(反射光なし)の2通りを異常処理のために開けておくとすると6通りである。これは本発明においても同様である。ところが、従来では用紙パッケージ9の内部に収納された用紙7の有無を検出するためにセンサを追加して4ビットにしても検出できる用紙パッケージ9の種類は追加した1ビットが用紙7の有無を検出する専用ビットであるために6通りのままであるが、本発明によれば、追加した1ビットを用紙パッケージ9の種類検出にも使用できるので、16通りの用紙パッケージ9の種類を検出することができる。実際にはそこから先程同様、全て白と全て黒の2通りを異常処理のために除くと14通りである。検出可能な用紙パッケージ9の種類は、同じセンサ数であるにもかかわらず2倍以上とすることができる。
また、用紙パッケージ9は、用紙パッケージ9が印刷装置1に逆向きにセットされたときに、印刷装置1に設けられた複数の反射型フォトセンサ32と対向する位置に対して光の反射処理部であるエラーマークEを設け、複数の反射型フォトセンサ32を介して、全て反射光ありと読み取らせることによって用紙パッケージ9が印刷装置1に逆向きにセットされたことを印刷装置1に判別させるように構成している。これにより、印刷装置1がユーザに対して逆差しである旨の警告を発生することができ、ユーザが用紙パッケージ9を差し直すことにより、用紙パッケージ9の逆差しによる印刷トラブルを未然に防止することができる。
また、用紙パッケージ9は、パッケージ材8の表面に設けられている識別マーク31の内、無反射処理部31dには黒の着色がなされている。これにより、黒は最も光が反射し難い色であることにより、識別マーク31の黒の領域を反射型フォトセンサ32によって読み取り、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が所定の閾値に対して大きなマージンを持って黒と判定されるので、反射型フォトセンサ32の読み取りミスを確実に無くすことができる。
また、用紙パッケージ9は、パッケージ材8の内面に黒の着色を施している。これにより、黒は最も光が反射し難い色であることにより、乱反射を押さえられる。そして、用紙7のない用紙パッケージ9において識別マーク31の第一穴部31eが備えられた領域を反射型フォトセンサ32によって読み取り、反射型フォトセンサ32のアナログ出力をAD変換した値が所定の閾値に対して大きなマージンを持った値になるので、反射型フォトセンサ32の読み取りミスを確実に無くすことができる。
また、印刷装置1は、パッケージ材8の表面には複数の領域からなると共に、各領域には光の無反射処理部31dか、用紙7による光の反射を取得するために穿孔された第一穴部31eを備えた識別マーク31が設けられている用紙パッケージ9を使用する。この識別マーク31を構成する無反射処理部31dを備える領域と用紙7による光の反射を取得する第一穴部31eを備える領域との組み合わせは用紙パッケージ9の種類に対応している用紙パッケージ9を使用する。また、印刷装置1は、用紙パッケージ9がセットされる装着部6と、装着部6にセットされた用紙パッケージ9から識別マーク31を読み取る複数の反射型フォトセンサ32を備えている。そして、この複数の反射型フォトセンサ32を介して、用紙パッケージ9に用紙7がある場合には、無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光ありとして識別マーク31を読み取ることによって用紙パッケージ9の種類を判別すると共に、用紙パッケージ9に用紙7がない場合には無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光なしとして識別マーク31を読み取ることによって用紙パッケージ9に用紙7がないことを判別するCPU51、反射型フォトセンサ32を備えている。これらの構成により、印刷装置1は、従来通り用紙パッケージ9の種類を検出することができながら、専用のセンサを設けること無しに、用紙パッケージ9の内部に収納された用紙7の有無を検出することができる。また、印刷装置1は、このように印刷装置1に専用部品の追加をさせることなく、用紙パッケージ9側に開ける第一穴部31eも型で同時に製作してしまうので、用紙パッケージ9と共にコストアップせずに機能をアップすることができる。
また、印刷装置1は、エラー信号を出力する制御回路部50によって構成されるエラー出力手段を備え、CPU51、反射型フォトセンサ32によって構成される判別手段は、複数の反射型フォトセンサ32を介して、用紙パッケージ9に用紙7がない場合に、無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光なしと識別マーク31を読み取ることにより、用紙パッケージ9に用紙7がないと判別し、エラー出力手段は、判別手段が用紙パッケージ9に用紙7がないと判別した場合、エラー信号を出力する。このエラー信号によって、上流のコンピュータ装置においては、表示部に用紙パッケージ9に用紙7がない旨の警告を表示したり、印刷装置1では、印刷装置1の機能を停止したり、印刷装置1に設けられた図示しないLEDを点滅させたりしてユーザに知らせる(点滅のパターンはエラーの種類によって変更する)。これにより、ユーザは印刷を開始する前に速やかな用紙パッケージ9の交換が可能となる。
そして、印刷装置1は、エラー信号を出力する制御回路部50によって構成されるエラー出力手段を備え、用紙パッケージ9が装着部6に逆向きにセットされたときでも複数の反射型フォトセンサ32と対向する位置に光の反射処理部であるエラーマークEを設けることにより、用紙パッケージ9が装着部6に逆向きにセットされた場合、複数の反射型フォトセンサ32がエラーマークEを全て反射光ありと読み取ることにより、CPU51、反射型フォトセンサ32によって構成される判別手段が、用紙パッケージ9が装着部6に対して逆向きにセットされたと判別するので、エラー出力手段は、エラー信号を出力する。このエラー信号によって、上流のコンピュータ装置においては、表示部に用紙パッケージ9が装着部6に逆向きにセットされている旨の警告を表示したり、印刷装置1では、印刷装置1の機能を停止したり、印刷装置1に設けられた図示しないLEDを点滅させたりしてユーザに知らせる(点滅のパターンはエラーの種類によって変更する)。これにより、ユーザが用紙パッケージ9を差し直すことが事前にできるので、用紙パッケージ9の逆差しによる印刷トラブルを未然に防止することができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は第1実施形態と殆ど同じであって、用紙パッケージが異なる。以下では、第1実施形態と異なる部分を中心に図15、図16を参照して説明する。ここで、図15は、第2実施形態に係る用紙パッケージの下方からの斜視図、図16は、用紙パッケージの識別マーク部分の拡大図である。尚、第1実施形態と同じ構成には第1実施形態と同じ符号を付して説明する。
図15に示すように、パッケージ材8下面の用紙7が露出された側と反対側の一隅には、長方形状の識別マーク31が設けられている。この識別マーク31は、用紙パッケージ9を印刷装置1に正しい向きでセットした場合に、印刷装置1側に設けられた反射型フォトセンサ32(図6参照)の読取領域に位置するようにされている。この識別マーク31は、用紙7の幅方向に幅W、長手方向に長さLを有している。
この識別マーク31は図16に示すように、第一部分9aに3つの矩形状のビット表示部31a〜31cにより構成されており、3つのうち1〜2箇所が無反射処理部31dとして黒く着色される一方、残りの箇所は着色されずパッケージ材8に矩形の第一穴部31eが穿孔され、パッケージ材8に収納されている用紙7の色(白)が露出している。例えば、図16においては、表示部31a・31cが黒く着色されると共に、残りの表示部31bには矩形の第一穴部31eが穿孔され、パッケージ材8に収納されている用紙7の色(白)が露出している。この識別マーク31を付す方法としては、例えば印刷等の公知の方法によって黒の着色を行い、第一穴部31eはパッケージ材8の外形抜きを行うときに第一穴部31eを同時に穿孔する方法を採用すればよい。上記の印刷による黒及び用紙による白のパターンは、用紙パッケージ9の種類に応じて、第1実施形態と同様に予め定められている。印刷装置1はこのパターンを反射型フォトセンサ32によって読み取ることにより、用紙7の種類を自動的に識別するようになっている。
更に、図16に示すように第一部分9aと対向する第二部分9bには、第一部分9aの表示部31bに穿孔されている第一穴部31eと対向する位置に第二穴部34が穿孔されている。この第二穴部34もパッケージ材8の外形抜きを行うときに同時に穿孔される。そして、この第二穴部34は、用紙パッケージ9の用紙7が無くなったときに、表示部31bの第一穴部31eから入射された反射型フォトセンサ32を構成するセンサ32bの光を透過させて無反射状態とする。そのため、センサ32bの閾値に対して大きなマージンを持つことになる。この表示部31bの第一穴部31eから入射された反射型フォトセンサ32を構成するセンサ32bの光が透過された無反射状態と、表示部31a・31cが黒く着色されていることによる無反射状態は、図14の表33における用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0の用紙無しに相当する。
印刷装置1がK=0を検出してエラー処理を行う方法は、図13のS33において、用紙パッケージ9に設けられている識別マーク31を、センサ32a〜32cに対応する反射型フォトセンサ32によって読み取り、そのアナログ出力をAD変換して得た値を所定の閾値で振り分けしてビット構成とした用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0であるか否かを判別する。この場合、用紙検出センサ値SB3〜SB1が(000)(識別マーク31が全て黒)のK=0であると判別されるので(S33:YES)、S36に進み、用紙パッケージ9内の用紙7が用紙切れの異常(NG)な状態であるので、その状態の情報を次のステップに伝達する準備をして、図12のS25を経由してS27のエラー処理を行う。このエラー処理は、用紙パッケージ9の用紙7が無い異常な状態をエラーとして上流のコンピュータ装置に伝達したり、印刷装置1の機能を停止したりする。また、印刷装置1では、印刷装置1に設けられた図示しないLEDを使い、エラーの種類によって点滅のパターンを変えながらエラー表示を行う。その他の動作及び処理は、第1実施形態と同じであるのでここではその説明を省略する。
以上説明した通り第2実施形態に係る用紙パッケージ9は、パッケージ材8からなり識別マーク31を有する用紙パッケージ9の第一部分9aと、パッケージ材8からなり第一部分9aに対向する用紙パッケージ9の第二部分9bとを備え、第二部分9bは識別マーク31の第一穴部31eに対向する位置に第二穴部34を備えている。これにより、用紙7のない用紙パッケージ9において識別マーク31の第一穴部31e及び第二穴部34を、反射型フォトセンサ32の光が透過してしまうことにより、反射型フォトセンサ32を介して読み取った値が所定の閾値に対して大きなマージンを持って反射光なしと判定されるので、反射型フォトセンサ32の読み取りミスを確実に無くすことができる。
印刷装置1は、エラー信号を出力する制御回路部50によって構成されるエラー出力手段を備える。CPU51、反射型フォトセンサ32によって構成される判別手段は、第一穴部31eと第二穴部34を備えている用紙パッケージ9が装着部6に装着されたときに、複数の反射型フォトセンサ32を介して、用紙パッケージ9に用紙7がない場合に、無反射処理部31dを反射光なし、第一穴部31eを反射光なしと識別マーク31を読み取ることにより、用紙パッケージ9に用紙7がないと判別する。エラー出力手段は、判別手段が用紙パッケージ9に用紙7がないと判別した場合、エラー信号を出力する。これにより、印刷装置1がユーザに対して用紙7切れである旨の警告を直ちに発生することができるので、ユーザは印刷が開始する前に速やかな用紙パッケージ9の交換が可能となる。
尚、本発明は第1実施形態及び第2実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。
第1実施形態及び第2実施形態においては、識別マーク31を構成する領域は、3つの四角い領域が1列に密着して並んでいるが、識別マーク31を構成する領域はいくつでもよい。各領域の形状は何でもよい。丸でも四角以外の多角形でもよい。各領域の配置は何でもよい。複数列になっていても、所定の形状に配置されていても、千鳥配置でもよい。各領域は互いに密着していなくとも間隔が開いていてもよい。等間隔であることもない。
第1実施形態においては、識別マーク31は、黒色の領域と第一穴部31eを備えた領域とからなり、用紙7は一般的な白色の用紙であり、複数の反射型フォトセンサ32a〜32cにより識別マーク31を検出することにより用紙パッケージ9の種類と用紙7の有無を検出している。その際、反射型フォトセンサ32a〜32cを介して全部が黒と検出されたことにより用紙なしを検出していた。用紙パッケージ9に収納される用紙7のうち、最後の一枚を黒色の用紙にしてもよい。それにより、用紙7が無くなったことを印刷装置1が検出できるし、ユーザも容易に分かる。
それに対し、用紙7が比較的濃度の濃い有色(赤、青、緑、茶等)の用紙である場合、識別マーク31を、白色の領域と第一穴部31eを備えた領域とからなるようにし、複数の反射型フォトセンサ32a〜32cにより識別マーク31を検出することにより用紙パッケージ9の種類と用紙7の有無を検出するように構成してもよい。その場合、反射型フォトセンサ32a〜32cを介して全部が白(反射あり)と検出されたことにより用紙なしを検出する。その際は、用紙パッケージ9の内面を白とするか、アルミ箔を貼ることにより、光が反射するようにする。用紙パッケージ9の内面からの反射光が弱くなるので反射型フォトセンサ32a〜32cを構成するLEDから発せられる光の明るさに応じて用紙パッケージ9は厚みを考慮して比較的薄く設計する必要がある(例えば、用紙パッケージ9の厚みは7mm以下)。エラーマークEは、全領域を白ではなく黒または用紙7と同じ程度かそれよりも濃い色で全部着色するようにする。
また、用紙7を比較的濃度の濃い有色の用紙とし、識別マーク31を、白色の領域と第一穴部31eを備えた領域とからなるように構成した場合、用紙パッケージ9に収納される用紙7のうち、最後の一枚を白色の用紙にしてもよい。それにより、用紙7が無くなったことを印刷装置1が検出できるし、ユーザも容易に分かる。そうすることにより、必ずしも用紙パッケージ9の厚みを薄くする必要はなくなる。
第1実施形態及び第2実施形態の用紙パッケージ9のパッケージ材8は、1枚の紙からなり折り曲げることにより構成されているが、紙以外の樹脂などにより構成されていてもよい。用紙パッケージ9は、印刷装置に装着される用紙パッケージに限定されない。
また、第2実施形態においては、第二部分9bに設ける穴は第二穴部34だけでなく、第二穴部34を含むような穴であればよく、例えば第二部分9b全体を穴としてもよい。