JP4810098B2 - 紙葉類処理装置における処理データ転送方法および紙葉類処理装置 - Google Patents

Description

本発明は、紙幣等の有価証券を１枚ずつ搬送しながら検査することにより、再使用する紙幣と再使用しない紙幣とに区分し、再使用する紙幣は所定枚数ごとに施封し、再使用しない紙幣は裁断される紙葉類処理装置における処理データ転送方法に関する。

従来、紙葉類処理装置は、紙葉類を処理する機器本体とこの機器本体を管理する情報処理機器から構成される。機器本体で処理する紙葉類の枚数や状態を確認し、情報処理機器でその確認した処理結果のデータ管理を行っている。（特許文献１）
このような装置では、裁断（累計）枚数等のデータの場合、データの改竄防止のため、暗号化が行われている。

たとえば、機器本体による裁断（累計）枚数等のデータ（計数情報）とＭＡＣ（Ｍｅｓｓａｇｅ Ａｕｔｈｅｎｔｉｃａｔｉｏｎ Ｃｏｄｅ）とが、情報処理機器に送信される。情報処理機器は受信した計数情報とＭＡＣとをデータベースに保存し、計数情報をＩＣカードに送信する。すると、ＩＣカードが受信した計数情報により暗号化キーを用いてＭＡＣを計算して応答として情報処理機器へ返す。これにより、情報処理機器はそのＩＣカードからのＭＡＣと機器本体からのＭＡＣとを比較して一致している事を確認していた。

もし、ＩＣカード及びＩＣカードのパスワードが盗まれてしまうと以下の２つの問題点が発生していた。

１）データベースの計数情報を改ざんした後にＩＣカードに計数情報を送付する事によりＭＡＣの正解を得る事が可能となる。正解のＭＡＣを用いてデータベース上の機器本体が計算したＭＡＣを改ざんし、再度ＩＣカードで監査を行うと監査結果が正解となってしまう問題点があった。

２）ＩＣカードに送付するデータを順次変えて行くことによりＭＡＣを計算する暗号化キーの推定が可能となる問題点があった。
特開２００２−２６０１４０

この発明は、紙葉類を処理する機器本体とこの機器本体を管理する情報処理機器から構成される紙葉類処理装置において、機器本体による裁断枚数等の計数情報の改ざんを確実に防止できる紙葉類処理装置における処理データ転送方法を提供することを目的とする。

この発明の実施形態に係る紙葉類処理装置における処理データ転送方法によれば、供給される紙葉類を鑑査し、その鑑査結果に基づき上記紙葉類を区分し、前記鑑査結果により再使用不能な紙葉類を裁断し、前記鑑査された紙葉類の枚数および裁断された紙葉類の枚数を計数する機器本体と、この機器本体からの少なくとも上記裁断した紙葉類の枚数を含む処理結果の処理データをデータベースに登録することにより管理する情報処理機器と、を備える紙葉類処理装置における処理データ転送方法であって、前記機器本体による計数情報と、この計数情報と前記機器本体に保存された暗号化鍵とを用いて作成したＭＡＣと、を前記機器本体から前記情報処理機器に送信し、前記情報処理機器は前記機器本体から送信された計数情報とＭＡＣとをデータベースに登録するとともにＩＣカードへ送信し、前記ＩＣカードは、受信した計数情報と、上記暗号化鍵と同一であって前記ＩＣカード内に保存された暗号化鍵とを用いて外部から見えないＭＡＣを計算し、前記ＩＣカード内で、前記算出したＭＡＣと前記機器本体から送られたＭＡＣとを比較して一致しているか否かを判定し、前記ＩＣカードから、前記ＭＡＣが一致しているか否かの比較結果を示すイエス／ノーの応答を前記情報処理機器へ返送し、前記情報処理機器は、前記ＩＣカードからのＭＡＣの比較結果であるイエス／ノーを監査結果として出力することを特徴とする。

この発明によれば、紙葉類を処理する機器本体とこの機器本体を管理する情報処理機器から構成される紙葉類処理装置において、機器本体による裁断枚数等の計数情報の改ざんを確実に防止できる紙葉類処理装置における処理データ転送方法を提供できる。

以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。

図１に海外の金融機関向けの紙葉類処理システムとしての鑑査機のシステム構成図を示す。

すなわち、紙葉類処理システムは、供給される紙葉類（紙幣）を鑑査して、その鑑査結果に基づき上記紙葉類を区分する機器本体１とこの機器本体１からの少なくとも上記区分した紙葉類の枚数を含む処理結果の処理データをデータベース２に登録することにより管理する情報処理機器（ＰＣ）３から構成される紙葉類処理装置４が、インサーネット５を介して複数台接続されており、このインサーネット５を介してサーバ６が接続されている。

機器本体１は、紙葉類としての有価証券を１枚ずつ搬送しながら、有価証券の真偽判定を行ない、真券については更に正損判定を行なうことにより、正券と損券とに区分し、正券は所定枚数ごとに施封処理し、損券は再使用できないように裁断処理するとともに、少なくともその裁断処理した有価証券の枚数を含む処理結果の処理データを出力する。

機器本体１は、その全体を制御する主制御部（制御メイン）１１を有している。主制御部１１は、副制御部１２および判定用制御部１３からのデータを集中的に処理し、最終的に情報処理機器３とデータをやり取りすることで、本装置をなり立たせる機能を実現するようになっている。

情報処理機器３は、機器本体１の動作モードを指示して動作させ、適宜、機器本体１の動作状況を監視するとともに、機器本体１から出力される処理データの集計をデータベース２を用いて行なったり、各業務ごとの集計結果を印刷したりする。情報処理機器３は、ＵＳＢ（ユニバーサルシリアルバス）ケーブル２１、２２を介して機器本体１とＩＣカードリーダライタ２４に接続されている。

サーバ６は、インサーネット５を介して紙葉類処理装置４の情報処理機器３と接続され、データベース７を用いて、処理データの集計等の機能を有している。また、サーバ６は、後述するＩＣカードリーダ・ライタ３１の制御をも行なう。サーバ６は、ＵＳＢ（ユニバーサルシリアルバス）ケーブル３２を介してＩＣカードリーダライタ３１に接続されている。

このような構成において、図２に示すフローチャートと図３に示す情報の流れを参照しつつ計数情報の監査処理について説明する。

まず、機器本体１において紙葉類を鑑査する（ＳＴ１）。すなわち、機器本体１は、紙葉類としての有価証券を１枚ずつ搬送しながら、有価証券の真偽判定を行ない、真券については更に正損判定を行なうことにより、正券と損券とに区分し、正券は所定枚数ごとに施封処理し、損券は再使用できないように裁断処理するとともに、少なくともその裁断処理した有価証券の枚数を含む処理結果の処理データを出力する。

これにより、主制御部１１は計数情報を作成すると共に、内部メモリ（図示しない）に保存されている暗号化鍵と計数情報の累計、日付、時刻、カウント値等を用いてＭＡＣを作成する（ＳＴ２）。主制御部１１は計数情報の累計、日付、時刻、カウンタ及びＭＡＣを情報処理機器３へ送信する（ＳＴ３）。情報処理機器３は主制御部１１から送信された計数情報を情報処理機器３内のデータベース２に保存すると共にサーバ６のデータベース７にも保存する（ＳＴ４）。

また、業務終了後に情報処理機器３において計数情報の監査を行う際、情報処理機器３はＩＣカードリーダライタ２４を用いてＩＣカードＣに計数情報の累計、日付、時刻、カウント値等とＭＡＣを送信する（ＳＴ５）。

これにより、ＩＣカードＣは内部のメモリに保存されている暗号化鍵（上記主制御部１１の暗号化鍵と同じ）を使用して計数情報の累計、日付、時刻、カウンタ等を用いてＭＡＣを計算し、情報処理機器３から送信されたＭＡＣと計算したＭＡＣとが一致するかを内部の制御素子により比較し、この比較結果を監査結果として出力する（ＳＴ６）。このＩＣカードＣからの監査結果（Ｙｅｓ／Ｎｏ）はＩＣカードリーダライタ２４を用いて情報処理機器３に送信する（ＳＴ７）。これにより、情報処理機器３で監査結果を表示する
（ＳＴ８）。

また、サーバ６においても情報処理機器３と同様にＩＣカードＣを用いて計数情報の監査を行うことができる。

上記したように、裁断データからＭＡＣを計算することにより紙葉類鑑査機における裁断データのセキュリティが向上する。紙葉類鑑査機において、ＩＣカード内で計算したＭＡＣを外部から見えなくすることにより、計数情報の改ざんを防ぐ。

また、紙葉類鑑査機において以下の効果が期待できる。ＩＣカードが計算したＭＡＣはＩＣカードの外部からは見えないのでＰＣ内のデータベースにある計数データを改ざんしたとしてもＩＣカードを用いて正解のＭＡＣを計算することができない。

したがって、改ざんすればＩＣカードを用いて監査を行うと必ず監査結果がＮｏになる。また、ＩＣカードに送付するデータを順次変えて行くことによりＭＡＣを計算する暗号化キーの推定を防ぐことができる。さらに、ＩＣカードとそのパスワードが盗まれた時でも計数情報の改ざんを防止する事が可能となる
これにより、紙葉類鑑査機における、裁断（累計）枚数の暗号化によるデータの改ざんを防止できる。

この発明の一実施形態を説明するための紙葉類処理システムの概略構成を示すブロック図。 計数情報の監査処理を説明するためのフローチャート。 計数情報の監査処理を説明するための図。

符号の説明

Ｃ…ＩＣカード １…機器本体 ２…データベース ３…情報処理機器 ４…紙葉類処理装置 ５…インサーネット ６…サーバ ７…データベース １０…ＵＳＢケーブル １１…主制御部 １２…副制御部 １３…判定用制御部 ２１…ＵＳＢケーブル ２３…ＩＣカードリーダライタ

Claims (2)

1. 供給される紙葉類を鑑査し、その鑑査結果に基づき上記紙葉類を区分し、前記鑑査結果により再使用不能な紙葉類を裁断し、前記鑑査された紙葉類の枚数および裁断された紙葉類の枚数を計数する機器本体と、この機器本体からの少なくとも上記裁断した紙葉類の枚数を含む処理結果の処理データをデータベースに登録することにより管理する情報処理機器と、を備える紙葉類処理装置における処理データ転送方法であって、
   前記機器本体による計数情報と、この計数情報と前記機器本体に保存された暗号化鍵とを用いて作成したＭＡＣと、を前記機器本体から前記情報処理機器に送信し、
   前記情報処理機器は前記機器本体から送信された計数情報とＭＡＣとをデータベースに登録するとともにＩＣカードへ送信し、
   前記ＩＣカードは、受信した計数情報と、上記暗号化鍵と同一であって前記ＩＣカード内に保存された暗号化鍵とを用いて外部から見えないＭＡＣを計算し、
   前記ＩＣカード内で、前記算出したＭＡＣと前記機器本体から送られたＭＡＣとを比較して一致しているか否かを判定し、
   前記ＩＣカードから、前記ＭＡＣが一致しているか否かの比較結果を示すイエス／ノーの応答を前記情報処理機器へ返送し、
   前記情報処理機器は、前記ＩＣカードからのＭＡＣの比較結果であるイエス／ノーを監査結果として出力する
   ことを特徴とする紙葉類処理装置における処理データ転送方法。
2. 供給される紙葉類を鑑査し、その鑑査結果に基づき上記紙葉類を区分し、前記鑑査結果により再使用不能な紙葉類を裁断し、前記鑑査された紙葉類の枚数および裁断された紙葉類の枚数を計数し、前記計数情報と、この計数情報および前記機器本体に保存された暗号化鍵に基づいて作成したＭＡＣと、を送信する機器本体と、
   前記機器本体を管理し、前記機器本体からの少なくとも上記裁断した紙葉類の枚数を含む計数情報および前記機器本体から送られた前記ＭＡＣをデータベースに登録し、前記計数情報およびＭＡＣをＩＣカードに送信する情報処理器と、
   前記ＩＣカード内で、前記機器本体から送られた計数情報および前記暗号化鍵と同一の暗号化鍵であって前記ＩＣカードに保存された暗号化鍵とに基づいて外部から見えないＭＡＣを算出し、前記ＩＣカード内で、前記算出されたＭＡＣと前記機器本体から送られたＭＡＣとを比較し、一致しているか否かを判定し、前記ＩＣカードから、前記ＭＡＣが一致しているか否かの比較結果を示すイエス／ノーの応答を前記情報処理機器へ返送する算出器と、を備え、
   前記情報処理器は、前記ＩＣカードから受けたＭＡＣの比較結果であるイエス／ノーを監査結果として出力することを特徴とする紙葉類処理装置。

Images