JP4809374B2 - 太陽電池モジュール用裏面保護基板、並びに、太陽電池モジュール及び発電装置 - Google Patents

太陽電池モジュール用裏面保護基板、並びに、太陽電池モジュール及び発電装置 Download PDF

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Description

本発明は、曲げ剛性、絶縁性および軽量性に優れた太陽電池モジュール用裏面保護基板、および、それを用いた太陽電池モジュールおよび発電装置に関する。
地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンでかつ枯渇のおそれが無いエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
太陽電池モジュールは、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を太陽電池モジュール用保護基板でカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護基板(表面保護シート)/封止樹脂層/太陽電池セル/封止樹脂層/太陽電池モジュール用保護基板(裏面保護基板)という積層構造になっている。この結果、太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分等の屋外での使用にも適したものとなっている。
太陽電池モジュール用裏面保護基板としては、基板としてある程度の剛性をもつこと、湿分のバリア性に優れること等から、従来、表面を絶縁化処理したアルミニウム等の金属板が広く用いられていた。しかし、表面の絶縁層はコスト等の制限から十分に厚いものとすることが難しく、その結果、摩擦、衝撃等が加わった場合、絶縁層が破損して絶縁破壊に繋がるおそれがあった。また金属板を用いる場合、特に大型の太陽電池モジュールの設計をするには金属板の厚みを増す必要があるが、重量が増えてしまう問題があった。このことが、従来の太陽電池モジュールの製造や使用の条件を制限していた。
表面を絶縁化処理した金属に代えて、絶縁性に優れ、柔軟性に富む有機高分子からなるフィルムを太陽電池モジュール用裏面保護基板として使用することが検討されている。有機高分子を用いれば高い絶縁性を実現することができる一方で、機械的特性が必ずしも十分でない場合があり、金属を用いた場合よりも大きなたわみが生ずる傾向があるため、その対策が必要である。機械的特性の向上のためには、例えば、有機高分子中に強化繊維を添加することが提案されている(例えば、特開2001−68695号公報、特開2001−68701号公報参照)。
特開2001−68695号公報 特開2001−68701号公報
しかし、従来の強化繊維を添加した有機高分子からなる裏面保護シートの機械的特性は、目的との関係で必ずしも十分ではなく、機械的特性の向上、とりわけたわみを有効に抑制することが望まれていた。
発明者らは、鋭意検討の結果、特定の層構造を有し、かつ、曲げ剛性、面積あたり重量、および絶縁破壊電圧が特定の範囲にある構造体からなる太陽電池モジュール用裏面保護基板が、機械的特性に優れ、たわみが有効に抑制され、その結果太陽電池モジュール用裏面保護としての使用に適していることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本件第1発明は、
(1)縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A層)、縦弾性係数が10kgf/mm2以上500kgf/mm2未満である層(B層)、および縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A’層)の少なくとも3層を有する構造体を含む太陽電池モジュール用裏面保護基板であって、該構造体の面積あたりの重量が0.5kg/m2以上10kg/m2以下であ前記A層、B層、およびA’層がこの順に積層され、前記A層およびA’層の縦弾性係数が、前記B層の縦弾性係数の10倍以上であり、前記A層およびA’層の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂および強化繊維を含有し、且つ、前記強化繊維の容積含有率が30%以上85%以下である複合材料層であり、前記B層が、樹脂発泡体からなる層である、太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、太陽電池モジュールに関する。なお、ここで「からなる」とは、当該太陽電池モジュール用裏面保護基板の全部が当該構造体で構成されている場合、および、当該太陽電池モジュール用裏面保護基板の一部が当該構造体で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。
以下、(2)から(22)は、それぞれ本発明の好ましい実施形態の1つである。
(2 記A層およびA’層の縦弾性係数が、15倍以上100倍以下である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)に記載の太陽電池モジュール
) 前記B層が、前記熱可塑性樹脂と略同一の熱可塑性樹脂を含有する、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)または(2)に記載の太陽電池モジュール
) 前記熱可塑性樹脂が、プロピレン系(共)重合体である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(3)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
) 前記B層が、プロピレン系(共)重合体を含有する、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
) 前記強化繊維が、ガラス繊維または炭素繊維である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(5)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
) 前記強化繊維がカップリング剤で処理されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(6)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
) 前記強化繊維の少なくとも一部が複数本集束されて一方向に配列されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(7)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
) 更に、TMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下である素材を含んでなる層(C層)を含み、且つ、前記A層、B層、A’層、およびC層がこの順に積層されており、更に、前記C層の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(A)に従って導かれる、前記C層のフィルム係数Fc(10-6kgf/mm℃)が、下式(B)の関係を満たす、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(1)から(8)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
式(A):FC=EC×CTEC×hC
式(B):1000(10-6kgf/mm℃)≦FC≦10000(10-6kgf/m
m℃)
10) 前記C層が、プロピレン系(共)重合体を含んでなる、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(9)に記載の太陽電池モジュール
11) 前記プロピレン系(共)重合体が、97モル%以上のプロピレンより導かれる構成単位を有し、かつ、アイソタクチック構造を有する、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(10)に記載の太陽電池モジュール
12) 前記C層が、実質的に延伸されていない、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(10)または(11)に記載の太陽電池モジュール
13) 前記C層が、硬化型接着剤又は架橋可能な樹脂によって前記A’層に接着されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(9)から(12)のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
14) 前記C層が、架橋可能なエチレン−酢酸ビニル共重合体を含んでなる層によって、前記A’層に接着されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、上記(9)から(12)のいずれか1項に記載太陽電池モジュール
(17) 前記(1)から(16)に記載の太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、太陽電池モジュール。
15) 太陽電池モジュール用表面保護シート(I)、封止材層(II)、太陽電池セル(III)、封止材層(IV)、および、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)がこの順に直接または間接に積層されてなる、上記(1)から(14)にいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
16) 前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)が更にTMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下及び縦弾性係数が100kgf/mm2以上である素材を含んでなる層(C層)を含み、且つ、前記A層、B層、A’層、およびC層がこの順に積層されており、前記A層が前記封止材層(IV)側に位置する、上記(15)に記載の太陽電池モジュール。
17) 前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚さhI(mm)と、前記C層の厚さhc(mm)とが、0.5≦hC/hI≦2.0の条件を満たす、上記(16)に記載の太陽電池モジュール。
18) 前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の縦弾性係数EI(kgf/mm2)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)線膨張係数CTEI(10-6/℃)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚みhI(mm)とから下式(1)に従って導かれる、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)と、
前記C層の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(2)に従って導かれる、前記C層のフィルム係数FC(10-6kgf/mm℃)と前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)との比(FC/FI)が、下式(3)の関係を満たす、上記(16)または(17)に記載の太陽電池モジュール。
式(1):FI=EI×CTEI×hI
式(2):FC=EC×CTEC×hC
式(3):0.7≦FC/FI≦1.3
19) 上記()から(18のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールを有する発電装置。
また、本件第2発明は、
20) 太陽電池モジュール用表面保護シート(I)、封止材層(II)、太陽電池セル(III)、封止材層(IV)、および、積層構造を有する太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)がこの順に直接または間接に積層されてなり、
前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の縦弾性係数EI(kgf/mm2)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の線膨張係数CTEI(10-6/℃)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚みhI(mm)とから下式(1)に従って導かれる、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)と、
前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)の前記封止材層(IV)と接する側と逆の面側の層(C層)の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(2)に従って導かれる、前記C層のフィルム係数FC(10-6kgf/mm℃)との比(FC/FI)が、下式(3)の関係を満たす、太陽電池モジュールに関する。
式(1):FI=EI×CTEI×hI
式(2):FC=EC×CTEC×hC
式(3):0.7≦FC/FI≦1.3
さらに、本件第3発明は、
21) 少なくとも3層を積層した積層体を含み、
前記積層体が、少なくとも一層の熱可塑性樹脂および強化繊維を含有する複合材料層と、樹脂発泡体からなる層とを有する太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、太陽電池モジュールに関する。
本発明によれば、機械的特性に優れ、たわみが有効に抑制された太陽電池モジュール用裏面保護基板を提供することが出来る。基板のたわみが少ないと、モジュール設置の際の施工性が大幅に改善できる、またその際に起こり得るモジュールへのたわみに伴う応力付加が低減できる、さらにモジュール設置後のたわみを抑止することで、施工後に発生する積雪や強風時にかかるモジュールへの応力付加も低減できる。この様な太陽電池モジュール用保護基板を用いて作製された太陽電池モジュール、および発電装置は、強度、軽量性、寿命、安定性等に優れ、屋外での使用に特に好適であり、実用上高い価値を有する。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュール用裏面保護基板の一例の構造を簡略に示す断面図である。 本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュール用裏面保護フィルムのたわみ、および曲げ剛性の測定法の一例を示す図である。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A層)、縦弾性係数が10kgf/mm2以上500kgf/mm2未満である層(B層)、および縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A’層)の少なくとも3層を有する構造体を含む太陽電池モジュール用裏面保護基板であって、該構造体の面積あたりの重量が0.5kg/m2以上10kg/m2以下である、太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、太陽電池モジュールである。本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、該構造体の絶縁破壊電圧が10kV以上であることが好ましい。また、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、該構造体の幅1000mmあたりの曲げ剛性が1.0×106〜10×106kgf・mm2以上であることが好ましい。
上記の特定の縦弾性係数を有する複数の層からなる層構造を有し、かつ、面積あたり重量が上記の特定の範囲にある構造体からなる太陽電池モジュール用裏面保護基板は、機械的特性に優れ、特にたわみが有効に抑制されるので、特に大型の太陽電池モジュール用裏面保護基板として好適である。また、軽量化も容易で、太陽電池を正常に、安定的に動作させることも容易である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を順次説明する。
(A層、B層、およびA’の3層を有する構造体)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体は、少なくとも縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下であるA層、縦弾性係数が10kgf/mm2以上500kgf/mm2未満であるB層および縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下であるA’層の3層を有する。
これら3層を有することで、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体のそれ以外の要件である特定の面積あたりの重量を維持しながら、たわみが有効に抑制された太陽電池モジュール用裏面保護基板を、比較的容易に製造することができる。
A層、B層、およびA’層の積層の順番には特に制限は無いが、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板の上側および下側の両方に十分な曲げ剛性を発現するためには、A層、B層、A’層の順に積層されていることが好ましい。上記A層、B層、およびA’層がこの順に積層されていることは、反りの発生を防止する観点からも好ましい。
A層とA’層は同一の厚み及び物性を有する層であっても、異なっていても良いが、構造や製造プロセスを簡略にし、低コスト化を図る観点からは、A層とA’層とが同一のものであることが好ましい。また、太陽電池モジュール用裏面保護基板の反りを防止する観点からも、A層とA’層とが同一、あるいは少なくとも略同一の縦弾性係数および厚みを有することが好ましい。例えば、A層の厚み/A’層の厚みは、0.5〜2.0の範囲内にあることが好ましく、A層の縦弾性係数/A’層の縦弾性係数は、0.5〜2.0の範囲内にあることが好ましい。この様な条件を満たすとき、太陽電池モジュール用裏面保護基板の積層成形時のそりを有効に防止することができる。更にA層の線膨張係数/A’層の線膨張係数は、0.5〜2.0の範囲内にあることが好ましい。この様な条件を満たすとき、温度変化によるそりの発生を、有効に防止することができる。これらの範囲を越える場合には、積層体の製造時において、反りを防止するための対策が必要となる場合もある。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体は、少なくともA層、B層およびA’層の3層を有していれば良く、それ以外の層を有していても良いし、有していなくても良い。構造体を簡略にし、低コスト化を図る観点からは、A層、B層およびA’層以外の層を有さずA層、B層およびA’層の3層が直接接合されていることが好ましく、構造体に多くの機能を付与する等の観点からは、A層、B層およびA’層以外の層を有していることが好ましい。A層、B層およびA’層以外の層としては、例えば、接着剤層、ガスバリア層、意匠層等を挙げることができるが、これらには限定されない。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体においては、上記A層、B層、およびA’層がこの順に積層され、A層およびA’層の縦弾性係数が、B層の縦弾性係数の10倍以上である。A層およびA’層の縦弾性係数が、B層の縦弾性係数の10倍以上であると、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体において、高い剛性と、軽量性(特定の面積あたりの重量)とを実現することも容易となるので好ましい。A層およびA’層の縦弾性係数は、より好ましくはB層の縦弾性係数の15〜100倍であり、特に好ましくはB層の縦弾性係数の20〜100倍である。
(曲げ剛性)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体は、例えば厚み3mmのとき、幅1000mmあたり0.5×106〜10×107kgf・mm2の曲げ剛性を有することが好ましい。曲げ剛性が上記範囲にあると、太陽電池モジュール用裏面保護基板の反り、たわみを抑制するにあたって効果的であり、好ましい。
当該構造体の前記厚み3mmのときの幅1000mmあたりの曲げ剛性は、好ましくは1.0×106〜10×106kgf・mm2、さらに好ましくは1.5×106〜10×106kgf・mm2である。
一方、当該構造体の厚みが8mmのときは、幅1000mmあたりの曲げ剛性は、通常2.0×106〜10×108kgf・mm2、好ましくは3.0×106〜10×107kgf・mm2、さらに好ましくは5.0×106〜10×107kgf・mm2である。
当該構造体の曲げ剛性は、A層とA’層とを同一の層とした場合、その構造体の形状と積層厚み構成から次式により予測することができる。
曲げ剛性EI=b(Ea(h3−c3)+Eb・c3)/12(kgf・mm2
Ea:A層の縦弾性係数(kgf/mm2
Eb:B層の縦弾性係数(kgf/mm2
h:構造体全体の厚み(mm)
c:B層のみの厚み(mm)
b:構造体の幅(mm)
但し、実際の構造体の曲げ剛性はA層およびA’層とB層との接着強度の影響を受け、接着強度が低下すると、上記予測値より低下する。したがって、A層およびA’層とB層との接着性を向上させることは、実用上高い価値を有する。
曲げ剛性の実測値は、基板の片持ち支持におけるたわみ量の測定から以下のように算出できる。
曲げ剛性EI=PL4/8δ(kgf・mm2
P:等分布荷重(kgf/mm)
L:はりの長さ(mm)
δ:最大たわみ量(mm)
(面積あたり重量)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体は、0.5〜10kg/m2の面積あたり重量を有する。面積あたり重量が上記範囲にあると、太陽電池モジュール用裏面保護基板の、たわみの抑制において有効であるので、好ましい。また、面積あたり重量が10kg/m2以下であるので、太陽電池モジュール用裏面保護基板の軽量化、さらには、太陽電池モジュールの軽量化に貢献できるので、実用上高い価値を有する。
当該構造体の面積あたり重量は、好ましくは0.5〜7kg/m2、さらに好ましくは0.5〜5kg/m2である。
当該構造体の面積あたり重量は、構造体の重量を測定することにより算出できる。
(絶縁破壊電圧)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を構成する構造体は、10kV以上の絶縁破壊電圧を有することが好ましい。絶縁破壊電圧が上記範囲にあると、このような裏面保護基板を用いた太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セルおよび/またはその配線等と外部との電気的絶縁を保つことが容易になり、太陽電池モジュールの正常、かつ、安定的な動作を確保できるので、好ましい。
当該構造体の絶縁破壊電圧は、好ましくは15〜50kV、さらに好ましくは20〜40kVである。
当該構造体の絶縁破壊電圧は、公知の絶縁破壊電圧測定装置により測定することができる。
(プリプレグ(好ましいA層およびA’層))
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、上記A層およびA’層の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂および強化繊維を含有し、かつ、前記強化繊維の容積含有率が30%から85%である複合材料層である。この様な複合材料層を、以下本明細書では、プリプレグとも呼ぶ。プリプレグは、その強化繊維が一方向に連続な長繊維から成るものであることが好ましい。
プリプレグ以外では、縦弾性係数に優れた樹脂フィルム、特に延伸した樹脂フィルムをA層および/またはA’層に好ましく使用することができる。ポリイミドフィルムを延伸して得られたフィルムは、高い縦弾性係数を有するので、特に好ましい。
(熱可塑性樹脂)
本発明において好ましく使用される、熱可塑性樹脂および強化繊維を含有するプリプレグに用いられる熱可塑性樹脂としては、例えばポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、AS樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂(ポリアクリロニトリル・ポリスチレン・ポリアクリル酸エステル)、ポリメチルメタクリレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアリレート等を挙げることが出来るが、これらに限定はされない。中でも、ポリプロピレン等のプロピレン系(共)重合体は、耐熱性、リサイクル性に優れ、比較的低コストで入手することができるので好ましい。これら熱可塑性樹脂は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
上記熱可塑性樹脂として好ましく用いられるプロピレン系(共)重合体は、その(共)重合成分としてプロピレンを含有していれば良く、それ以外に特に制限は無いが、耐熱性、機械的強度等の観点から、結晶性ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。ここで「結晶性」とは、結晶化度が30%以上であることをいう。結晶化度は、定法の広角X線回折により求めることができる。
結晶性ポリプロピレン系樹脂は、上記の「結晶性」の条件を満たし、かつ、プロピレンから導かれる構成単位を有するものであれば良く、それ以外に特に制限はない。例えば、プロピレン単独重合体またはプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられるが、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種類単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。
これらのα−オレフィンから導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下の割合で含有されていても良いし、されていなくとも良い。例えば、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン含量が20〜70重量%のプロピレン/エチレンブロック共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%のプロピレン/エチレンランダム共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%でブテン−1のようなα−オレフィン含量が0.5〜20重量%のプロピレン/エチレン/α−オレフィン三元共重合体等を好ましく用いることができる。
結晶性ポリプロピレン系樹脂は、ASTM D 1238に準拠して230℃、荷重2.16kgfで測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜500g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分の範囲にあることが望ましい。
結晶性ポリプロピレン系樹脂の示差走査熱量計で観測される融点は通常110℃以上であり、好ましくは120〜165℃、より好ましくは110〜150℃である。
結晶性ポリプロピレン系樹脂はアイソタクチック構造、シンジオタクチック構造のどちらも用いることができるが、アイソタクチック構造の方が耐熱性などの点で好ましい。また必要に応じて複数の結晶性ポリプロピレン系樹脂を併用することができ、例えば融点や剛性の異なる2種類以上の成分を用いることもできる。
また、結晶性ポリプロピレン系樹脂としては、耐熱性に優れるホモポリプロピレン(通常プロピレン以外の共重合成分が3mol%以下である公知のものが好ましい)、耐熱性と柔軟性のバランスに優れるブロックポリプロピレン(通常3〜30重量%のノルマルデカン溶出ゴム成分を有する公知のものが好ましい)、さらには柔軟性と透明性のバランスに優れるランダムポリプロピレン(通常示差走査熱量計DSCにより測定される融解ピークが100℃以上、好ましくは110℃〜150℃の範囲にある公知のものが好ましい)を、所望の物性を得られるように選択して、または併用して用いることが可能であり、また、好ましい。
このような結晶性ポリプロピレン系樹脂は、例えばマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および電子供与体からなるチーグラー触媒系、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いメタロセン触媒系でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα−オレフィンとを共重合することにより、製造することができる。
(強化繊維)
上記プリプレグに用いられる強化繊維としては、例えばガラス繊維、炭素繊維、ホウ素繊維、金属繊維、(炭化ケイ素繊維等の)セラミック繊維、ポリエステル繊維、塩化ビニル・アクリロニトリル共重合体繊維、ポリビニルアルコール繊維、アラミド繊維等を挙げることができるが、これらに制限されない。この中でも、ガラス繊維および炭素繊維は、これらを用いて作製したプリプレグが優れた強度および寸法安定性を有しているので、特に好ましい。この様な強化繊維は、1種類を単独で使用しても良いし、2種以上を組み合わせて使用しても良い。ガラス繊維は通常各種の表面処理を行い、樹脂との密着性を向上させることが行われる。表面処理は、後述のカップリング剤と集束剤とを組み合わせて行うことが好ましい。
(ガラス繊維)
本発明において好ましく用いられるガラス繊維には特に制限はなく、ガラス繊維強化材料用に通常使用されるガラス繊維を適宜使用することができる。好ましいガラス繊維の例として、Eガラス、Dガラス、Sガラス、NEガラス等を挙げることができるが、これらには限定されない。これらのガラス繊維は、目的とする成形物の用途や性能により適宜選択され、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用しても良い。より好適な繊維としては、重量%で、SiO2:50〜60%、B23:15〜30%、Al23:8〜20%を含有するガラス繊維を挙げることができる。該ガラス繊維は、さらにTiO2、Li2O、Na2O、K2O、CaOなどの他の成分を含有していてもよく、それぞれ0〜10%程度(CaOの場合は、0〜15%程度)含有させることが可能である。
(炭素繊維)
本発明において好ましく用いられる炭素繊維は、炭素繊維及び黒鉛繊維の両方を含む概念である。この炭素繊維は、通常「プレカーサー」と称されるポリアクリロニトリル、ピッチ等の繊維状物を炭化するか、或はグラファイト温度に加熱することにより得られ、なかでも引張強度4500MPa以上、伸度1.7%以上の高強度・高伸度の炭素繊維が好適に用いられる。また、炭素繊維の表面を電解酸化、オゾン酸化することにより、表面に水酸基、カルボン酸基などの官能基を導入したものも好適に用いることができる。
これら炭素繊維は商業的にも入手可能であり、その銘柄に特に限定は無いが、例えば東レ(株)製のトレカ(登録商標)を好ましく使用することができる。
(カップリング剤)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、前記強化繊維がカップリング剤で処理されていることが好ましい。カップリング剤の使用形態の一例として、まず、前記強化繊維がガラス繊維である場合の好ましいカップリング剤について説明する。
ガラス繊維の場合のカップリング剤は、組み合わせる樹脂に応じて最適なものを選ぶことが望ましい。以下、その具体例を例挙する。プリプレグにおいて組み合わせて使用する熱可塑性樹脂がナイロン樹脂であれば、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン等を使用することが好ましい。ポリカーボネート樹脂であれば、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン等を使用することが好ましい。ポリエチレンテレフタレートまたは、ポリブチレンテレフタレート、であれば、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル−トリメトキシシラン、γ−グリシドキシ−プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピル−トリメトキシシラン等を使用することが好ましい。ポリエチレンまたはポリプロピレンであれば、ビニルトリメトキシシラン、ビニル−トリス−(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシラン等を使用することが好ましい。ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアリレート、フッ素樹脂であれば、上述したカップリング剤も当然使用出来るが、その外に、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリエトキシシラン等を使用することも好ましい。
ガラス繊維以外を補強繊維として用いる時は、アミン硬化型のエポキシ樹脂をカップリング剤として処理する場合が多く、その具体例としてはビスフェノール−A−エピクロルヒドリン樹脂、エポキシノボラック樹脂、脂環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、グリシジルエステル型樹脂等を挙げることができる。但し、熱可塑性樹脂は一般的に溶融温度が高く、通常のカップリング剤は熱分解するので、全くカップリング剤を使用しない場合もある。カップリング剤を繊維表面に施す方法の好ましい例につき、以下に説明する。一つの方法としては、繊維を溶融してモノフィラメントを引き出す際に、集束剤とカップリング剤とに界面活性剤を添加して水溶液としたものをモノフィラメントに噴霧した後、100℃程度の温度で乾燥して処理する。他の方法として、集束剤を除去した繊維に、集束剤及びカップリング剤を0.1〜3重量%溶解した液を、浸漬、噴霧塗布等の手段により完全に含浸させる。このカップリング剤溶液を含んだ繊維を60〜120℃で乾燥し、カップリング剤を繊維表面に反応させる。乾燥時間は溶媒が揮散してしまう時間で充分であり、15〜20分間位である。カップリング剤を溶解する溶媒は、使用する表面処理剤に応じて、pH2.0〜12.0位に調整した水を用いる場合と、エタノール、トルエンアセトン、キシレン等の有機溶剤を単独で、或は混合して使用する場合とがある。
(強化繊維の整列)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、前記強化繊維の少なくとも一部が複数本集束されて一方向に配列されていることが好ましい。強化繊維が一方向に配列されていることにより、繊維方向の弾性率は強化繊維の弾性率を最大限に効率よく引き出す結果となる。
強化繊維を複数本集束して一方向に配列する方法については、例えば、特公平04−042168号公報、特開平7−178859号公報等に記載されているが、これらに限定されるものではない。また、本発明においては、次に示す方法で、強化繊維を集束、配列することが特に好ましい。
(プリプレグの製造方法)
熱可塑性樹脂を一方向に引き揃えた補強繊維に含浸させてプリプレグとすることは、本発明においてプリプレグを製造する方法として、特に好ましいものの1つである。最も一般的な方法は以下の通りである。一つは、溶剤に可溶な樹脂であれば、その樹脂を溶液化して補強繊維に含浸させ、その後脱泡しながら溶媒を除去し、プリプレグとする方法である。
もう一つは、樹脂を加熱溶融して補強繊維に含浸し、脱泡し、冷却してプリプレグとする方法である。プリプレグの製造法としては、例えば特公平04−042168号公報に開示されている方法が挙げられる。この方法により、ガラス繊維の場合は例えば太さ13μmのモノフィラメントの表面をγ−メタクリロキシ−プロピルトリメトキシシランで処理し、それを1800本集束して撚りのないヤーンとし、そのヤーンを80本均一な張力で引張ながら一方向に整列させて、樹脂をヤーンに絡ませて、その樹脂を熱ロールでしごきながら、ヤーンに含浸させてプリプレグを製造することが出来る。この様にして製造したプリプレグは、繊維と熱可塑性樹脂の密着性に優れ、繊維含有率も30〜90容量%と要求に応じて変えることが出来、厚みも0.1〜1.0mmで製造することが出来る。
(含有量比)
本発明において好ましく用いられるプリプレグの強化繊維含有率は、30容量%以上85容量以下であることが好ましい。強化繊維含有率が30容量%以上であれば十分な強度を確保することができ、また85容量%以下であれば強化繊維に対して十分な量の樹脂が存在し、強化繊維と樹脂の密着性が低下による強度の低下を抑制することができる。強化繊維含有率は、より好ましくは、35〜80容量%であり、さらに好ましくは、40〜75容量%である。
本発明において好ましく用いられるプリプレグは、熱可塑性樹脂および強化繊維を含有するが、それ以外の成分を含んでいても良い。具体的な例としては、既に述べたカップリング剤および集束剤に加えて、熱可塑性樹脂以外の各種樹脂および/またはゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、発泡剤、架橋剤、架橋助剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を適宜含有することができる。
(樹脂発泡体(好ましいB層))
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板においては、上記B層が、樹脂発泡体からなる層である。上記B層が、樹脂発泡体からなる層であると、太陽電池モジュール用裏面保護基板の軽量化およびその結果として太陽電池モジュールの軽量化が可能であり、たわみの防止にも有効であるという利点がある。
樹脂発泡体を構成する樹脂には特に制限はなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれも使用することができるが、成形の容易さ、リサイクルの容易さ等から、熱可塑性樹脂が好ましい。樹脂発泡体に使用可能な熱可塑性樹脂に特に制限はないが、プリプレグに用いることができる熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。これら樹脂発泡体を構成する樹脂は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
具体的に本発明で好ましく使用される樹脂発泡体としてはポリプロピレン発泡体等のプロピレン系(共)重合体発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリスチレン発泡体又はポリプロピレン発泡体を外層に有するポリスチレン発泡体等が挙げられるが、これらには限定されない。この中でも、コスト、強度、耐熱性等の観点から、プロピレン系(共)重合体発泡体が特に好ましい。
上記熱可塑性樹脂として好ましく用いられるプロピレン系(共)重合体は、その(共)重合成分としてプロピレンを含有していれば良く、それ以外に特に制限は無いが、耐熱性、機械的強度等の観点から、結晶性ポリプロピレン系樹脂であることが好ましい。結晶性ポリプロピレン系樹脂の詳細、その好ましい形態の詳細は、プリプレグに用いることができる熱可塑性樹脂についての説明において、既に詳述した。
熱溶着の容易性、高い剛性およびそれによるたわみの防止、産業廃棄物の処理の容易性等の点からは、前記積層体は、B層(樹脂発泡体)に用いられる樹脂とA層及びA’層(プリプレグ)に用いられる樹脂が、共に熱可塑性樹脂で構成される複合構造体が好ましく、A層及びA’層とB層とが同一または略同一の熱可塑性樹脂で構成される複合構造体(例えば、双方がプロピレン系(共)重合体で構成されている複合構造体)がさらに好ましい。
ここで、「略同一」とは、双方の樹脂が熱接着を実施した際に界面間である程度の混合現象が生じ、少なくとも接着前の界面が消失するに至る結果をもたらす関係にあることをいう。双方の樹脂が、溶融時に互いに相溶すれば、この様な現象が生ずる。
樹脂発泡体は独立気泡でも連通気泡から成るものでも良い。独立気泡のものを使用すると強度は向上する。発泡倍率は通常100倍以下のものが用いられるが、その倍率は軽量化と成型性のバランスにより選ばれ、2〜50倍が好ましい。また、樹脂発泡体は架橋体でも無架橋体でもよい。更に、面の表面の近くに存在する樹脂発泡体の発泡倍率の方が、中心層に近い樹脂発泡体の発泡倍率より低いような場合に対して本発明は好適に適用し得る。
樹脂発泡体の製造方法には特に制限はなく、従来公知の化学発泡剤を適宜使用することができる。例えば、アゾジカルボンアミド(ADCA)、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホニルヒドラジド、p−トルエンスルホニルセミカルバジド、トリヒドラジノトリアジンなどの有機系熱分解型発泡剤、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウムなどの無機系熱分解型発泡剤を適宜使用することができるが、これらに限定されない。また、物理発泡剤も適宜使用することが可能であり、例えば、メタノール、エタノール、プロパン、ブタン、ペンタン等の低沸点有機溶剤の蒸気;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、フロン、三フッ化窒素等のハロゲン系不活性溶剤の蒸気;二酸化炭素、窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、アスタチン等の不活性ガスなどが挙げられるが、これらにも限定されない。中でも、不活性ガスを用いる方法が特に好ましい。不活性ガスによる発泡は、製造時の安全面、環境面で好ましく、また化学発泡による発泡体を用いた場合の加熱による二次発泡の可能性がない。二次発泡は、基板の寸法の変化と外観上の問題を発生するリスクがある。
樹脂発泡体には、樹脂発泡体を構成する樹脂、および、発泡剤以外の各種添加剤を適宜含有することができる。例えば、架橋剤、架橋助剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を適宜含有することができる。
(積層体の構成、製造方法)
A層またはA’層として好ましく用いられるプリプレグと、B層として好ましく用いられる樹脂発泡体とを接合する方法には特に制限はなく、接着剤塗布による接着、または熱融着のいずれも実施できる。接着剤塗布の場合は、予め接着剤を塗布して接着する方法と、塗布型のホットメルト系接着剤を塗布して乾燥した後に加熱ロールまたは熱プレスで挟んで接着する方法、またはフィルムタイプのホットメルト系接着剤を挟んで加熱ロールまたは熱プレスで挟んで接着する方法等が例示できる。中でも熱融着は、特別な接着性樹脂を必要としないこと、比較的短時間で接合が可能であること、また十分に高い接着強度が得られること等から、好ましい接合方法である。
プリプレグと樹脂発泡体とを熱融着により接合する方法の一例を以下に示す。例えば、積層したプリプレグを溶融温度以上に、樹脂発泡体を溶融温度未満に同時に加熱し、次いでプリプレグと発泡体を重ね合わせて、60〜80℃に加熱されているプレス中で3kgf/cm2以下の圧力で加圧し冷却すると共に一体化を行い積層体とする。この時に、プリプレグ積層体のプリプレグ層間に存在する空気を脱気する必要があり、通常は、プリプレグを構成する樹脂の融点以上に加熱し3kgf/cm2以下の圧力で加圧して脱気を行う。この範囲の圧力であれば、樹脂発泡体が圧壊することもないので、樹脂発泡体と一体化する工程でこの脱気を行うことが出来る。当然のことながら、脱気をあらかじめ行い冷却し積層板としたものを使用しても差し支えは無い。プリプレグと発泡体の加熱は、プリプレグと樹脂発泡体とをお互いに接触させない状態で加熱することも、樹脂発泡体の上にプリプレグを乗せてお互いが接触した状態で加熱することも出来る。樹脂発泡体の発泡倍率が高い場合は、容易に熱で発泡体が溶けるので溶融したプリプレグが蓄熱した熱で発泡体の表面が容易に溶けて一体化し得るので、プリプレグと樹脂発泡体とを接触させずに加熱条件を変えて別々に加熱することが望ましい。一方、発泡倍率が低い場合は、樹脂発泡体に熱が伝導しにくいので溶融プリプレグが蓄熱している熱では樹脂発泡体表面を溶融出来ないために、プリプレグと樹脂発泡体とを接触させて、同時に加熱し樹脂発泡体の表面を溶かしながら加熱する方法をとることが望ましい。
プリプレグと樹脂発泡体との一体化は、通常プリプレグが溶融状態にある間に行うので、加熱を行うステップから一体化を行うステップへ短時間で移行する様な装置的な工夫が望まれる。そのような装置の一例として、プリプレグと樹脂発泡体とを一体化するプレス内に、プレス内に出入り可能なプリプレグと、樹脂発泡体とをクランプして支持する装置と、プレス内に出入り可能なプリプレグと樹脂発泡体を加熱する熱板と、を装備した設備が挙げられる。この設備を使用して積層体を成形する手順は、プレス盤面外にクランプを引き出し、プリプレグと発泡体を装着した後クランプ装置をプレス盤面内に入れ、次いで熱板をプレス盤面中に入れプリプレグと樹脂発泡体を加熱し、加熱の終了後プレス盤面外に熱板を引き出し、プレスを締めてプリプレグと発泡体を接触させながら溶融一体化させる。このとき、クランプはプレス盤面に触れると同時に順次材料を離し、プレス盤面外に退避する機構を供えている必要がある。表面材とプリプレグの一体化は発泡体とプリプレグの一体化と同様に、プリプレグが溶融状態にある間に、一体化することが出来る。
(太陽電池モジュール用裏面保護基板の構成)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、少なくともA層、B層およびA’層の3層を有していれば良いが、構造体に多くの機能を付与する等の観点からは、A層、B層およびA’層以外の層を有していることが好ましい。A層、B層およびA’層以外の層としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層等を設けることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層等を設けることができる。
A層、B層およびA’層の3層とそれ以外の層との位置関係には特に制限はなく、発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、A層、B層およびA’層以外の層は、A層およびB層、またはB層およびA’層の間に設けられても良いし、太陽電池モジュール用裏面保護基板の最外層に設けられても良いし、それ以外の箇所に設けられても良い。A層、B層およびA’層以外の層の層数に特に制限はなく、任意の数の層を設けることができるし、設けなくともよい。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、更に、TMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下である素材を含んでなる層(C層)を有していてもよい。TMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下であると耐熱性が高く、本発明の効果を十分に発揮することができる。上記変形率は、3%以下が好ましく、2%以下であることがさらに好ましい。
太陽電池モジュール用裏面保護基板がC層を有する場合、A層、B層、A’層、およびC層がこの順に積層されていることが好ましい。更に、前記C層の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(A)に従って導かれる前記C層のフィルム係数Fc(10-6kgf/mm℃)が、下記式(B)の関係を満たすことが好ましい。
式(A):FC=EC×CTEC×hC
式(B):1000(10-6kgf/mm℃)≦FC≦10000(10-6kgf/mm℃)
前記C層のフィルム係数Fcは、1000(10-6kgf/mm℃)≦FC≦10000(10-6kgf/mm℃)であることが好ましく、2000(10-6kgf/mm℃)≦FC≦5000(10-6kgf/mm℃)であることがさらに好ましい。上記関係を満たすことで、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を用いて太陽電池モジュールを構成したときに、太陽電池モジュール用裏面保護基板と後述する太陽電池モジュール用表面保護シートとの間の線膨張率の差(熱応力)に起因すると考えられる反りを防止する効果が得られる。
上記C層に含まれる素材は、縦弾性係数が100kg/mm2以上であることが好ましい。また、モジュール組み立て時に加熱した際の耐熱性の観点から、TMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下であることが好ましい。
上記C層に含まれる素材としては、ポリオレフィン類、ポリスチレン類、ポリカーボネート、ポリエステル類、ポリアミド類、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルニトリル、液晶ポリマー、ポリエーテルケトン類、熱可塑性ポリイミドなどが挙げられ、具体的には、プロピレン系(共)重合体が好ましく、これらの2種以上からなるポリマーアロイなどでも構わない。さらに、前記プロピレン系(共)重合体が、97モル%以上のプロピレンより導かれる構成単位を有し、かつ、アイソタクチック構造を有することが好ましい。
また、上記C層は、実質的に延伸を施していないものが好ましい。上記C層が実質的に延伸されていると、分子配向により縦弾性率が大きくなる一方で線膨張係数が極端に小さくなるため、それらの積は未延伸品と比較して小さくなる。つまりC層のフィルム係数を全体として上記の範囲内にするためにはフィルムを厚くする必要があるが、延伸品は本来厚手のものが得にくく、フィルム係数FCの調整に困難が生じるためである。
上記C層を上記A’層上に形成する際には、樹脂又は接着剤を用いて上記A’層に上記C層を接着してもよく、特に硬化型接着剤又は架橋可能な樹脂を用いるのが好ましい。C層及びA’層の接着に用いることのできる樹脂または接着剤としては、ホットメルト系接着剤、反応系接着剤、溶液系接着剤などが挙げられる。
前記ホットメルト系接着剤は、熱可塑製樹脂のフィルムや不織布などを用い、被着体の間で溶融される接着剤である。このようなホットメルトタイプの接着剤としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル部分鹸化物−有機酸グラフト四元共重合体などのエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性樹脂などのエチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリビニルブチラール、あるいは無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのカルボキシル基含有ポリオレフィン、エチレンテレフタレート−変性アルキレンエーテルテレフタレートブロック共重合体などのポリエステル変性樹脂などが好適に用いられる。
さらに好ましくは、エチレン−酢酸ビニル共重合体やエチレン−α−オレフィン共重合体などのエチレン共重合体に有機過酸化物などの開始剤を配合し、熱架橋可能としたものがより好適である。具体的には、架橋剤添加エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムである「ソーラーエバ」(商品名、三井化学ファブロ(株)製)などを好適に用いることができる。
反応系の接着剤としては、硬化剤を用いる2液型のタイプや、熱・水分・紫外線などの外的要因による1液型のタイプがある。前記反応系の接着剤としては、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系、シリコーン系などのモノマーが挙げられる。具体的には、主剤として「タケラックA−310」(商品名、三井化学ポリウレタン(株)製)、硬化剤として「タケネートA−3」(商品名、三井化学ポリウレタン(株)製)を用いたウレタン系接着剤などが好適に用いられる。
溶液系の接着剤としては、ウレタンやクロロプレンゴム、スチレン−ブタジエンゴムなどのポリマーまたはプレポリマーを有機溶媒に溶解させたものが挙げられる。具体的にはマレイン化ポリオレフィンを主成分とする「ユニストールP−401」(商品名、三井化学(株)製)などが挙げられる。
上記接着剤は、硬化型接着剤を用いると熱可塑タイプに比して反りの矯正効果は大きい。
上記接着剤の中では、作業性の観点から、ホットメルトタイプの接着剤が好ましく、モジュール反り矯正の観点から硬化・架橋するものがさらに好ましい。前記C層は、架橋可能なエチレン−酢酸ビニル共重合体を含んでなる層によって、前記A’層に接着されていることが好ましい。具体的には、上述の「ソーラーエバ」を用いてC層とA’層とを接着することが好ましい。
また、上記C層には表面処理を施すことができる。前記表面処理としては、コロナ放電、UVオゾン処理、フレーム処理、サンドブラスト処理、プライマー処理等が挙げられる。例えば、コロナ放電、UVオゾン処理、フレーム処理などによればC層の表面粗度の向上やC層の表面に官能基生成させることが可能であり、また、サンドブラストなどによってC層に表面処理を施すと、表面粗度向上を図ることができるため、これらの処理によって接着強度を増すことができる。
上記C層を、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を製造する際に予めA’層に対して熱融着させておき、それを供することも可能である。しかしこの場合、C層の熱収縮によってモジュールを組み立てる前から逆反りが発生し易くなる場合もある。したがって、この観点からは、接着層を設け、全部材一括で組立工程を通過させることが好ましい。
(太陽電池モジュール)
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、太陽電池モジュール用保護基板に適する優れた機械的特性を有し、特にたわみ、そりを有効に抑制できる。また、必要に応じて優れた寸法安定性、軽量性、防湿性、耐擦過性、絶縁破壊強度等をも具備させることが可能である。従って、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する太陽電池モジュールは、優れた特性を有し、本発明の特に好ましい実施形態の1つである。
(太陽電池モジュール用裏面保護基板の使用方法)
典型的な太陽電池モジュールは、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルをエチレンビニルアセテート(EVA)等からなる封止用樹脂層で挟み積層し、さらに表裏両面を保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/封止材層/太陽電池セル/封止材層/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護基板)という構成になっている(なお、上記の典型的な構成に該当しなくとも、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板が太陽電池セルを裏面側から何らかの形で保護していれば、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板としての使用であることは言うまでもない)。
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、太陽電池モジュールの太陽電池セルを保護する裏面保護基板として好ましく使用することができる。裏面保護基板は、特に1辺の長さが1mを超えるような大型モジュールの場合たわみの抑制の必要性が高く、外部からの衝撃が加わるおそれが大きく、また、軽量化の要請も強いので、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を、特に好ましく用いることができる。
上述のように本発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用表面保護シート(I)、封止材層(II)、太陽電池セル(III)、封止材層(IV)、および、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)がこの順に直接または間接に積層されてなることが好ましい。
この際、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)は、C層としてTMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下及び縦弾性係数が100kgf/mm2以上である素材を含んでなる層を有し、且つ、前記A層、B層、A’層、およびC層がこの順に積層されていることが好ましい。前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)は、前記A層が前記封止材層(IV)側に位置するように積層されることが好ましい。即ち、前記A層は、前記封止材層(IV)と直接または間接に積層される。
また、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚さhI(mm)と、前記C層の厚さhc(mm)とが、0.5≦hC/hI≦2.0の条件を満たすことが好ましい。上記hC/hIが上述の関係を満たすと、両者の厚みが極端に異なる場合とは異なり、反り防止効果の要件を満たし易くなる。上記hC/hIは、0.7≦hC/hI≦1.5の条件を満足することが好ましく、0.8≦hC/hI≦1.2の条件を満足することが更に好ましい。
さらに、本発明の太陽電池モジュールは、下記式(1)および(2)に従って導かれる特定の係数が、下記式(3)の関係を満たすことが好ましい。
式(1):FI=EI×CTEI×hI
式(2):FC=EC×CTEC×hC
式(3):0.7≦FC/FI≦1.3
具体的には、
前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の縦弾性係数EI(kgf/mm2)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)線膨張係数CTEI(10-6/℃)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚みhI(mm)とから下式(1)に従って導かれる、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)と、
前記C層の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(2)に従って導かれる、前記フィルム係数FC(10-6kgf/mm℃)との比(FC/FI)が、上式(3)の関係を満たすことが好ましい。
これら各要素が上記式(3)の関係を満足すると、モジュール組み立て工程の加熱・冷却過程で発生する反りを防止することが可能であり、不良率の低減に寄与することができる。
尚、上記関係は、太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)として、本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板を用いた場合のみではなく、単に積層構造を有する太陽電池モジュール用裏面保護基板を用いた場合にも効果を奏することができる。
即ち、太陽電池モジュール用表面保護シート(I)、封止材層(II)、太陽電池セル(III)、封止材層(IV)、および、積層構造を有する太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)がこの順に直接または間接に積層されてなる太陽電池モジュールであれば、
前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の縦弾性係数EI(kgf/mm2)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の線膨張係数CTEI(10-6/℃)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚みhI(mm)とから下式(1)に従って導かれる、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)と、
前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)の前記封止材層(IV)と接する側と逆の面側の層(C層)の縦弾性係数をEC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(2)に従って導かれる、前記C層のフィルム係数FC(10-6kgf/mm℃)との比(FC/FI)が、下式(3)の関係を満たすことで、モジュール組み立て工程の加熱・冷却過程で発生する反りを防止することができる。
式(1):FI=EI×CTEI×hI
式(2):FC=EC×CTEC×hC
式(3):0.7≦FC/FI≦1.3
本発明の太陽電池モジュール用裏面保護基板は、曲げ剛性、軽量性、絶縁保護特性などに優れるので、この様な保護基板を有する太陽電池モジュールは、軽量、堅牢で、野外等での使用に適し、かつ、長寿命となることが期待される。
(太陽電池モジュール用表面保護シート)
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいて用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートには特に制限はない。但し、表面保護シートは、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を具備することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。上記太陽電池モジュールに好適に用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートの材料としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体等からなる樹脂フィルムの他、ガラス基板などが挙げられる。
樹脂フィルムとして特に好適なのは、透明性、強度、コスト等の点で優れたポリエステル樹脂、とりわけポリエチレンテレフタレート樹脂である。
また、特に耐侯性の良いフッ素樹脂も好適に用いられる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。また、封止材層等の他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面保護シートに行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
太陽電池モジュール用表面保護シートとしてガラスを用いる場合には、波長350乃至1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。かかるガラス基板としては赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために、反射防止のコーティングをしても良い。
(封止材層)
本発明の太陽電池モジュールは、通常、太陽電池セルをはさんで配置される封止材層を有する。封止材層の材質には特に制限はないが、太陽電池セルとよく密着し、太陽電池セルと表面または裏面保護層とを積層させる際の温度で溶融軟化する樹脂で構成されることが好ましい。積層温度は、通常150℃未満、好ましくは120℃以下で行われる。こうした封止材層に好ましく使われる樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート三元共重合体、エチレン−酢酸ビニル部分鹸化物−有機酸グラフト四元共重合体などのエチレン−酢酸ビニル共重合体の変性樹脂などのエチレン−酢酸ビニル系共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体などのオレフィン系共重合体、ポリビニルブチラール、あるいは無水マレイン酸グラフトポリエチレンなどのカルボキシル基含有ポリオレフィン、エチレンテレフタレート−変性アルキレンエーテルテレフタレートブロック共重合体などのポリエステル変性樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
これらの中でもエチレン−酢酸ビニル共重合体が、その柔軟性、透明性、耐熱性等から好ましく用いられる。封止材層に用いられるエチレン−酢酸ビニル共重合体には特に制限はなく、例えば従来公知のエチレン−酢酸ビニル共重合体を適宜使用することができる。さらに好ましくは、有機過酸化物などの開始剤を配合し、熱架橋可能としたものがより好適である。具体的には、架橋剤添加エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムである「ソーラーエバ」(商品名、三井化学ファブロ(株)製)などを好適に用いることができる。
また、上記の各種樹脂の中でも、オレフィン系共重合体は透明性、柔軟性に優れた樹脂を得ることが容易である上に、架橋せずに封止材として使用できる場合があるので、製造コスト等の観点から、封止材層に好ましく使用することができる。
後述のシリコン、化合物半導体とも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃等により破損しやすいことで知られている。太陽電池封止材層に柔軟性に優れた素材を用いれば、太陽電池素子への応力、衝撃等を吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐ効果が大きい。さらに、本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいては、太陽電池封止材層が、直接太陽電池セルと接合されていることが望ましい。
また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池セルを取り出すことが可能であり、リサイクル性に優れている。
(太陽電池セル)
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池セルは、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池セルが好ましい。
(発電装置)
本発明の特に好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、そりが有効に防止され、さらに機械的強度、軽量性、寿命等に優れている場合が多い。このため、この様な太陽電池モジュールを用いた発電装置は、優れた耐衝撃性、重量、寿命等を付与することが容易で、実用上高い価値を有する。
上記の発電装置は、家屋の屋根に設置する、キャンプなどアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用する等の、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
[実施例]
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明する。なお、本発明はいかなる意味においても、これらの実施例に限定されるものではない。
上述の説明及び後述の実施例および比較例において、試料等の諸物性は次のようにして測定した。
・曲げ剛性:得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板について、幅1000mm、長さ1400mmにカットし、長さ方向片側400mm分を固定支持した片持ちばりとして、基板の最大たわみ量δを測定した。次いで、次式により曲げ剛性EIを算出した。
曲げ剛性EI=PL4/8δ(kgf・mm2
P:等分布荷重(kgf/mm)
L:はりの長さ(1000mm)
δ:最大たわみ量(mm)
・面積あたり重量:得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板について、幅1000mm、長さ1400mmの基板の重量を重量計により測定し、これから単位面積あたり重量を算出した。
・絶縁破壊強度:得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板を100×100mmにカットした試験片をJIS C2110に準拠し、山崎産業社製絶縁破壊試験機HAT−300−100RHO型にて電圧上昇速度2kV/sで測定した。電極は、上部が直径20mmの球面型、下部は直径25mmの円形断面のものを用いた。
・たわみ:上記曲げ剛性の測定法において説明した方法にて測定した。
・縦弾性係数:太陽電池モジュール用裏面保護基板に用いる各層について、引張試験機を用い、引張速度10mm/min、チャック間60mmで試験を行い、初期弾性率(ヤング率)を測定して縦弾性係数とした。
・反り:得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板を250×250mmにカットし、後述する構成(実施例4〜9)で模擬モジュールを作成し、得られた模擬モジュールの4隅の浮き上がり量を測定してその平均を反りとした。
<太陽電池モジュール用裏面保護基板>
[実施例1]
A層として、ガラス繊維強化複合シートL15(プレグロン(登録商標)、三井化学(株)製、厚み:0.25mm、縦弾性係数:1600kgf/mm2、ガラス繊維含量:50容量%、面積あたり重量:300g/m2)、B層としてPP3倍発泡シート(商品名パロニアボード、三井化学ファブロ(株)製、縦弾性係数:50kgf/mm2、厚み8mm、面積あたり重量:2.9kg/m2)、A’層に前記ガラス繊維強化複合シートL15を用い、これら3層のシートを重ねて熱プレス成形機にて220℃で予熱時間2分の条件で熱融着し、更に冷却して長さ1400mm、幅1000mm、厚み8.4mmの太陽電池モジュール用裏面保護基板を得た。この太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は3.5kg/m2と軽く、たわみは75mmと小さく、曲げ剛性は5.8×106kgf・mm2で優れていた。また絶縁破壊電圧は35kVで、太陽電池の絶縁保護基板としては十分な値であった。
[実施例2]
A及びA’層として、ガラス繊維強化複合シートP30(プレグロン(登録商標)、三井化学(株)製、厚み:0.45mm、縦弾性係数:3300kgf/mm2、ガラス繊維含量:50容量%、面積あたり重量:600g/m2)を用いた他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面保護基板を作製した。この太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は4.1kg/m2と軽く、たわみは15mmと非常に小さく、曲げ剛性は3.4×107kgf・mm2で優れていた。また絶縁破壊電圧は35kVで、太陽電池の絶縁保護基板としては十分な値であった。
[実施例3]
B層として、PP4.5倍発泡シート(商品名セルプランライト、三井化学ファブロ(株)製、縦弾性係数:25kgf/mm2、厚み19mm、面積あたり重量:4.2kg/m2)を用いた他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面保護基板を作製した。得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は4.8kg/m2と軽く、たわみは10mmと非常に小さく、曲げ剛性は6.0×107kgf・mm2で優れていた。また絶縁破壊電圧は39kVで、太陽電池の絶縁保護基板としては十分な値であった。
[比較例1]
AおよびA’層として、PP未延伸シート(商品名スーパーピュアレイ、出光ユニテック(株)製、縦弾性係数:216kgf/mm2、厚み0.2mm、面積あたり重量:200g/m2)を用いた他は、実施例1と同様に太陽電池モジュール用裏面保護基板を作製した。得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は3.3kg/m2と軽かったが、たわみは253mmと大きく、曲げ剛性は1.6×106kgf・mm2であり、厚み8mm程度の太陽電池モジュール用裏面保護基板としては曲げ剛性が不足していた。一方絶縁破壊電圧は33kVで、太陽電池の絶縁保護基板としては十分な値であった。
[比較例2]
AおよびA’層としてPP3倍発泡シート(商品名パロニアボード、三井化学ファブロ(株)製、縦弾性係数:50kgf/mm2、厚み3mm、面積あたり重量:1kg/m2)、B層としてガラス繊維強化複合シートL15(プレグロン(登録商標)、三井化学(株)製、厚み0.25mm、縦弾性係数:1600kgf/m2、ガラス繊維50容量%)とした他は実施例1と同様に実施した。得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は2.3kg/m2と軽かったが、たわみは625mmと大きく、曲げ剛性は4.6×105kgf・mm2と低く、太陽電池モジュール用裏面保護基板としての曲げ剛性が不足していた。
[比較例3]
ガラス繊維強化複合シートL15(プレグロン(登録商標)、三井化学(株)製、厚み0.25mm、縦弾性係数:1600kgf/mm2、ガラス繊維50容量%)40枚を熱プレス成型機にて予熱温度220℃で2分予熱後、プレス成形して厚み8.6mmの太陽電池モジュール用裏面保護基板を得た。得られた太陽電池モジュール用裏面保護基板の単位面積あたりの重量は12kg/m2と重く、たわみも298mmと大きく太陽電池モジュール用裏面保護基板としての曲げ剛性が不足していた。
<太陽電池モジュール>
[実施例4]
B層の厚みを3mmとし、大きさを250×250mmとした以外は実施例1と同様にして、太陽電池モジュール用裏面保護基板を得た。次に、厚さ3mmのガラス板上に(このガラス板は単なる支持台であり、最終構成には残らない)、表面保護フィルムとしてポリカーボネート製フィルム(帝人化成(株)製の商品名パンライトL−1225Zを用いて発明者らが作製、厚み:0.18mm、封止材として架橋剤添加エチレン−酢酸ビニル共重合体フィルムを2枚(商品名ソーラーエバSC−50B、三井化学ファブロ(株)製、厚み:600μm)、上記の太陽電池モジュール用裏面保護基板、接着層として封止材と同じSC−50Bを1枚、C層として表面保護フィルムと同じポリカーボネート製フィルムをこの順序で下から重ね、2重真空方式の真空ラミネータ装置(商品名、(株)エヌ・ピー・シー製)を用いて減圧3分間および加圧10分間のラミネ−ションを行った。装置の温度設定は124℃とした。つまり使用時とは上下が逆の状態で積層し、ラミネーションにより一体化した。このようにして、模擬モジュールを得た。本来は光電変換素子であるシリコンセルが2枚の封止材の間に挟まる形で包埋されるが、ここでは簡易テストであるため含まない。ラミネート後にガラス板から模擬モジュールを切り離し、上下を逆にして空気恒温槽に移し、140℃で40分間の熱処理を行い(EVAの架橋工程)、金網を空中に渡して設けた冷却台上で放冷した。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は1.00であり、模擬モジュールの反りは0.0mmであった。
[実施例5]
C層としてアイソタクチック構造のホモポリプロピレンからなるキャストポリプロピレンフィルム((株)プライムポリマー製の商品名プライムポリプロF−107BVを用いて発明者らが作製、厚み:0.2mmを用いた以外は実施例4と同様にして、模擬モジュールを得た。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は1.02であり、模擬モジュールの反りは−0.5mmであった。
[実施例6]
C層としてアイソタクチック構造のホモポリプロピレンからなるキャストポリプロピレンフィルム((株)プライムポリマー製の商品名プライムポリプロF−107BVを用いて発明者らが作製、厚み:0.1mmを用いた以外は実施例4と同様にして、模擬モジュールを得た。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は0.51であり、模擬モジュールの反りは1.0mmであった。
[実施例7]
C層としてアイソタクチック構造のホモポリプロピレンからなるキャストポリプロピレンフィルム((株)プライムポリマー製の商品名プライムポリプロF−107BVを用いて発明者らが作製、厚み:0.3mmを用いた以外は実施例4と同様にして、模擬モジュールを得た。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は1.52であり、模擬モジュールの反りは−1.0mmであった。
[実施例8]
C層としてエチレンを共重合成分として含むランダムポリプロピレンフィルム((株)プライムポリマー製の商品名プライムポリプロF−327BVを用いて発明者らが作製、厚み:0.2mm)を用いた以外は実施例4と同様にして、模擬モジュールを得た。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は1.11であったが、TMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4.3%であり、模擬モジュールの反りは1.1mmであった。
[実施例9]
C層としてポリエチレンナフタレートフィルム(帝人デュポンフィルム株式会社製、商品名:テオネックスQ51、厚み:0.19mm)を用いた以外は実施例4と同様にして、模擬モジュールを得た。
表1に示すように、得られた模擬モジュールのC層と表面保護シートとのフィルム係数比は0.40であり、模擬モジュールの反りは2.4mmであった。

Figure 0004809374
符号の説明
1 A層
2 B層
3 A’層
4 L:はりの長さ
5 δ:最大たわみ量

Claims (12)

  1. 縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A層)、縦弾性係数が10kgf/mm2以上500kgf/mm2未満である層(B層)、および縦弾性係数が500kgf/mm2以上10000kgf/mm2以下である層(A’層)の少なくとも3層を有する構造体を含む太陽電池モジュール用裏面保護基板であって、該構造体の面積あたりの重量が0.5kg/m2以上10kg/m2以下であ前記A層、B層、およびA’層がこの順に積層され、前記A層およびA’層の縦弾性係数が、前記B層の縦弾性係数の10倍以上であり、前記A層およびA’層の少なくとも一方が、熱可塑性樹脂および強化繊維を含有し、且つ、前記強化繊維の容積含有率が30%以上85%以下である複合材料層であり、前記B層が、樹脂発泡体からなる層である、太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、太陽電池モジュール
  2. 前記A層およびA’層の縦弾性係数が、前記B層の縦弾性係数の15倍以上100倍以下である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1に記載の太陽電池モジュール
  3. 前記B層が、前記熱可塑性樹脂と略同一の熱可塑性樹脂を含有する、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール
  4. 前記熱可塑性樹脂が、プロピレン系(共)重合体である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
  5. 前記B層が、プロピレン系(共)重合体を含有する、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
  6. 前記強化繊維が、ガラス繊維または炭素繊維である、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
  7. 前記強化繊維がカップリング剤で処理されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1から6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
  8. 前記強化繊維の少なくとも一部が複数本集束されて一方向に配列されている、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板を有する、請求項1から7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール
  9. 太陽電池モジュール用表面保護シート(I)、封止材層(II)、太陽電池セル(III)、封止材層(IV)、および、前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)がこの順に直接または間接に積層されてなる、請求項1から8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記太陽電池モジュール用裏面保護基板(V)が更にTMA測定時の30℃から100℃の区間における変形量が4%以下及び縦弾性係数が100kgf/mm2以上である素材を含んでなる層(C層)を含み、且つ、前記A層、B層、A’層、およびC層がこの順に積層されており、前記A層が前記封止材層(IV)側に位置する、請求項9に記載の太陽電池モジュール。
  11. 前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の縦弾性係数EI(kgf/mm2)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の線膨張係数CTEI(10-6/℃)と、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)の厚みhI(mm)とから下式(1)に従って導かれる、前記太陽電池モジュール用表面保護シート(I)のフィルム係数FI(10-6kgf/mm℃)と、
    前記C層の縦弾性係数EC(kgf/mm2)と、前記C層の線膨張係数CTEC(10-6/℃)と、前記C層の厚みhC(mm)とから下式(2)に従って導かれる、前記C層のフィルム係数FC(10-6kgf/mm℃)との比(FC/FI)が、下式(3)の関係を満たす、請求項または10に記載の太陽電池モジュール。
    式(1):FI=EI×CTEI×hI
    式(2):FC=EC×CTEC×hC
    式(3):0.7≦FC/FI≦1.3
  12. 請求項から11のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールを有する発電装置。
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