JP5072211B2 - 太陽電池封止材、太陽電池封止用シート、およびそれらを用いた太陽電池モジュール。 - Google Patents

太陽電池封止材、太陽電池封止用シート、およびそれらを用いた太陽電池モジュール。 Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池素子を外気から遮断するために用いられる太陽電池封止材に関し、更に詳しくは、透明性、柔軟性等の性質に優れるうえに、プロセス安定性に優れ、これを用いて太陽電池モジュールを製造する際に有利である太陽電池封止材に関する。
本発明は、さらに、この様な太陽電池封止材を用いた太陽電池封止用シート、および、それら封止材および/または封止用シートを用いた太陽電池モジュールに関する。
地球環境問題、エネルギー問題等が深刻さを増す中、クリーンでかつ枯渇のおそれが無いエネルギー源として、太陽電池が注目されている。太陽電池を建物の屋根部分等の屋外で使用する場合、太陽電池モジュールの形で使用することが一般的である。
太陽電池モジュールは、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池セルを軟質透明樹脂からなる太陽電池封止材で挟み積層し、さらに表裏両面を太陽電池モジュール用保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/太陽電池封止用シート/太陽電池セル/太陽電池封止用シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という積層構造になっている。この結果、太陽電池モジュールは、耐候性を有し、建物の屋根部分等の屋外での使用にも適したものとなっている。
従来、太陽電池封止用シートを構成する材料(太陽電池封止材)としては、その透明性、柔軟性等から、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が広く用いられていた(例えば、特許文献1参照。)。エチレン−酢酸ビニル共重合体を太陽電池封止材に使用する場合、十分な耐熱性を付与するために架橋処理を行うのが一般的であるが、架橋処理には1〜2時間程度の比較的長時間を要するため、太陽電池モジュールの生産速度、生産効率を低下させる原因となっていた。また、EVAが分解して発生する酢酸ガス等の成分が、太陽電池素子に影響を与える可能性が懸念されていた。
上述の技術的課題を解決するための方策の1つとして、太陽電池封止材の少なくとも一部にエチレン・α−オレフィン共重合体を使用することを挙げることができ、また、エチレン・α−オレフィン共重合体を使用した太陽電池封止材についての提案も存在する(特許文献2参照)。しかし、特許文献2は、封止材としての好ましい特性(耐熱性、透明性、柔軟性、耐プロセス安定性等)を得るための、エチレン・αオレフィン共重合体の使用形態につき、何らの具体的な指針も開示していない。これは、特許文献2に開示の技術が架橋処理を前提とするものであり、架橋処理と併せて所望の物性を達成しようとするものである為と考えられる。
特開平8−283696号公報 特開2000−091611号公報
本発明の目的は、上述の背景に鑑み、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた太陽電池封止材において、(必ずしも架橋を伴わずに)所望の物性を得るための指針を明確にし、耐熱性、透明性、柔軟性、プロセス安定性等の諸特性に優れるとともに、必要に応じて架橋を省略して生産性を改善することの可能な、太陽電池封止材を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の密度範囲にあるエチレン・α−オレフィン共重合体を、特定の重量比において結晶性ポリプロピレン系樹脂と組み合わせて用いることにより、耐熱性、透明性、柔軟性、プロセス安定性に優れ、かつ、必要に応じて架橋を省略して生産性を改善することの可能な、太陽電池封止材が得られることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、
(1)結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)70〜5重量部、および、密度が0.85〜0.87g/cm 3 であるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)30〜95重量部((A)と(B)との合計は、100重量部。)を含んでなる、太陽電池封止材に関する。
以下、(2)から(8)は、それぞれ本発明の好ましい実施形態の1つである。
(2)上記エチレン/α−オレフィン共重合体(B)が、炭素数4以上のαオレフィンから導かれる構成単位を有している、上記(1)に記載の太陽電池封止材。
(3)上記エチレン/α−オレフィン共重合体(B)が、エチレンから導かれる構成単位を30〜70モル%、および、炭素数4以上のαオレフィンから導かれる構成単位を合計70〜30モル%有する、上記(2)に記載の太陽電池封止材。
(4)損失正接(tanδ)の温度変化により測定したガラス転移点ピークを2以上有する、上記(1)に記載の太陽電池封止材。
(5)さらにシランカップリング剤(C)を含んでなる、上記(1)から(4)のいずれか1項に記載の太陽電池封止材。
(6)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の太陽電池封止材を用いて得られた、太陽電池用封止シート。
(7)上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の太陽電池封止材、および/または、上記(6)に記載の太陽電池用封止シートを用いて得られた、太陽電池。
(8)上記(7)に記載の太陽電池モジュールを用いて得られた、発電設備。
本発明によれば、耐熱性、透明性、柔軟性、プロセス安定性に優れた太陽電池封止材を得ることができる。この太陽電池封止材は、必要に応じて架橋を省略して生産性を改善することの可能であり、上記の優れた諸特性に加えて、優れた経済性を具備する。
以下、本発明を詳細に説明する。
結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)
ここで「結晶性」とは、結晶化度が30%以上であることをいう。結晶化度は定法の広角X線解析により求めることができる。
結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)は、上記の「結晶性」の条件を満たし、かつ、プロピレンから導かれる構成単位を有するものであれば良く、それ以外に特に制限はない。
例えば、プロピレン単独重合体またはプロピレンと少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとの共重合体を挙げることができる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα-オレフィンとしては、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられるが、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα-オレフィンが好ましい。これらのα−オレフィンは、1種類単独で用いても良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。これらのα-オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。
これらのα-オレフィンから導かれる構成単位は、ポリプロピレン中に通常20モル%以下、好ましくは15モル%以下の割合で含有されていても良いし、されていなくとも良い。例えば、ポリプロピレンホモポリマー、エチレン含量が20〜70重量%のプロピレン/エチレンブロック共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%のプロピレン/エチレンランダム共重合体、エチレン含量が0.5〜12重量%,ブテン−1のようなα−オレフィン含量が0.5〜20重量%のプロピレン/エチレン/α−オレフィン三元共重合体等を好ましく用いることができる。
結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)は、ASTM D 1238 に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が0.001〜500g/10分、好ましくは0.01〜50g/10分の範囲にあることが望ましい。
結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)の示差走査熱量計で観測される融点は通常110℃以上であり、好ましくは120〜165℃、より好ましくは110〜150℃である。
結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)はアイソタクチック構造、シンジオタクチック構造のどちらも用いることができるがアイソタクチック構造の方が耐熱性などの点で好ましい。また必要に応じて複数の結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)を併用することができ、例えば融点や剛性の異なるの2種類以上の成分を用いることもできる。
また、結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)としては、耐熱性に優れるホモポリプロピレン(通常プロピレン以外の共重合成分が3mol%以下である公知のものが好ましい)、耐熱性と柔軟性のバランスに優れるブロックポリプロピレン(通常3〜30wt%のノルマルデカン溶出ゴム成分を有する公知のものが好ましい)、さらには柔軟性と透明性のバランスに優れるランダムポリプロピレン(通常示差走査熱量計DSCにより測定される融解ピークが100℃以上、好ましくは110℃〜150℃の範囲にある公知のものが好ましい)を、所望の物性を得られるように選択して、または併用して用いることが可能であり、また、好ましい。
このような結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)は、例えばマグネシウム、チタン、ハロゲンおよび電子供与体を必須成分として含有する固体触媒成分と有機アルミニウム化合物および電子供与体からなるチーグラー触媒系、またはメタロセン化合物を触媒の一成分として用いメタロセン触媒系でプロピレンを重合あるいはプロピレンと他のα―オレフィンとを共重合することにより製造することができる。
エチレン/αオレフィン共重合体(B)
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)に用いられるα−オレフィンには特に制限はなく、エチレンと共重合することが可能なα−オレフィンを適宜使用することができる。通常は、単素数が3〜20のαオレフィンを、1種類単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。中でも好ましいのは、炭素数が4以上であるαオレフィンであり、特に好ましいのは、炭素数4〜8のものである。この様なα−オレフィンとして、例えば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3,3−ジメチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が用いられる。なかでも、入手の容易さから1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが好ましい。なお、本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)は、2種以上組み合わせて用いられてもよい。また本発明の目的を損なわない範囲において、エチレンと、α−オレフィン以外の共重合成分を含んでいても良い。
また、本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)のα−オレフィン含量は20mol%以上70mol%以下であることが好ましい。α−オレフィン含量が20mol%以上だと、エチレン/α−オレフィン系共重合体(B)と共に用いる結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)との相溶性が良好であり、柔軟性、透明性、耐衝撃性の改良効果において、バランスの高いポリプロピレン系樹脂組成物を得ることができる。70mol%以下であると、得られる樹脂組成物のべたつきを抑制することができ、実用上の価値が高い。さらに詳しくは、炭素数が4以上のα−オレフィンを用いる場合には、エチレンから導かれる構成単位を30〜70モル%、および、炭素数4以上のα−オレフィンから導かれる構成単位を合計70〜30モル%有することが好ましい。炭素数4以上のα−オレフィンの含有量が上記範囲内にあると、透明性、耐熱性、耐白化性のバランスの点で、好ましい。
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)の結晶化度は30%未満であれば良く、それ以外に特に制限は無いが、結晶化度が10%以下であると、透明性の観点から特に好ましい。
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)は、その密度が0.85〜0.87g/cm 3 の範囲内にある。密度がこの範囲内であると、柔軟性に優れる封止剤が得られるという好ましい効果がある。密度は、密度勾配管を用いることによって、測定することができる。密度は、好ましくは0.85〜0.86g/cm 3 さらに好ましくは、0.851〜0.858g/cm 3 、特に好ましくは、0.855〜0.859g/cm 3 である。
また、本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)の分子量は特に制限されるものではないが、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定した数平均分子量がポリエチレン換算で5000〜1000000であることが好ましく、さらに好ましくは10000〜600000である。この数平均分子量が5000〜1000000の範囲では本発明の組成物の特性の改質効果が大きくなるとともに、表面のべたつきの問題を効果的に抑えることができる。
本発明において用いられるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)の分子量分布(Mw/Mn)には特に制限はないが、3以下であることが好ましい。一般に、分子量分布が小さくなると組成分布も狭くなることが知られており、組成分布が狭いとエチレン/α−オレフィン共重合体(B)と結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)との相溶性が向上することが期待できる。組成分布の指標としてGPCにより分画した高分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)に対する低分子量留分10%中の平均α−オレフィン含量(モル%)の比を用いることができるが、両者の比が1.2以下のときに透明性、機械的強度特性に優れたものが得られ易く、特に好ましい。
以上述べたエチレン/α−オレフィン共重合体の製造方法は特に限定されず、チタン系触媒、バナジウム系触媒またはメタロセン系の触媒など種々の触媒を用いて製造することができる。中でも、上述の分子量、分子量分布および組成分布を満たしたエチレン/α−オレフィン共重合体を得ることが容易なメタロセン系の触媒を用いることが好ましい。
シランカップリング剤(C)
本発明の太陽電池封止材は、さらに、シランカップリング材(C)を含んでいることが望ましい。シランカップリング材の配合量としては、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン/α−オレフィン共重合体(B)との合計100重量部に対して、シランカップリング剤が0.1〜5重量部となるように配合することが望ましい。
カップリング剤は、通常ガラス、プラスチック等に対する接着性を向上させることを主たる目的として配合される。本発明では、カップリング剤としては、本発明の太陽電池封止材とガラス、ポリエステル樹脂等の他の層との接着性を向上できるものであれば特に制限無く用いることができるが、シラン系、チタネート系、クロム系の各カップリング剤が好ましく用いられる。特にシラン系のカップリング剤(シランカップリング剤)が好適に用いられる。
シランカップリング剤(C)については公知のものが使用でき、特に制限はないが具体的には、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β-メトキシーエトキシシラン)、γ-グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどが使用できる。
シランカップリング剤(C)の配合量は、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン/α−オレフィン共重合体(B)との合計100重量部に対してシランカップリング剤(C)が通常0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部である。カップリング剤の配合量が上記範囲にあると、接着性を十分に改善しながら、フィルムの透明性、柔軟性等に悪影響を与えないため好ましい。
ラジカル開始剤
また、シランカップリング剤に代表されるカップリング剤はラジカル開始剤を用いる事により、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)および/または、エチレン/α−オレフィン共重合体(B)とグラフト反応させてガラスとのより強固な接着力を発現することが可能となる。本発明で好ましく用いられるラジカル開始材は、上記エチレン系共重合体をカップリング剤でグラフトすることが可能なものであれば良く、その種類には特に制限はない。中でも、有機過酸化物は、ラジカル開始剤として特に好ましく用いられる。この場合、有機過酸化物の量は上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン/α−オレフィン共重合体(B)との合計100重量部に対して0〜5重量部程度が望ましい。
有機過酸化物としては公知のものが使用でき、特に制限はないが、好ましい具体例としては、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3-テトラメチルブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t-アミルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-アミルパーオキシ)シクロヘキサン、t-アミルパーオキシイソノナノエート、t-アミルパーオキシノルマルオクトエート、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、1,1-ジ(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキシルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t-アミル-パーオキシベンゾエート、t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソノナノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、2,2-ジ(ブチルパ-オキシ)ブタン、n-ブチル-4,4-ジ(t-ブチルパ-オキシ)プチレート、メチルエチルケトンパ-オキサイド、エチル3,3-ジ(t-ブチルパ-オキシ)ブチレート、ジクミルパ-オキサイド、t-ブチルクミルパ-オキサイド、ジ-t-ブチルパ-オキサイド、1,1,3,3-テトララメチルブチルハイドロパ-オキサイド、アセチルアセトンパ-オキサイド等が挙げられる。
耐候安定剤
本発明の太陽電池封止材には、さらに各種の耐候安定剤を含有することがきる。耐候安定剤の配合量は、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)とエチレン/α−オレフィン共重合体(B)との合計100重量部に対して、0〜5重量部であることが好ましい。耐候性安定剤の配合量が上記範囲にあると、耐候安定性を向上する効果を十分に確保し、かつ、太陽電池封止材の透明性やガラスとの接着性の低下を防ぐことができるので好ましい。
耐候安定剤としては、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤等から選ばれる1種または2種以上の化合物を使用することができる。
紫外線吸収剤としては、具体的には、2-ヒドロキシ-4メトキシベンゾフェノン、2-2-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4-カルボキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-N-オクトキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系、2-(2-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアリゾール系、フェニルサルチレート、p-オクチルフェニルサルチレート等のサリチル酸エステル系のものが用いられる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系のものが好ましく使用される。また、酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系やホスファイト系のものが使用される。
その他の成分
本発明の太陽電池封止材は、以上詳述した諸成分以外の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲において、適宜含有することができる。例えば、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)またはエチレン/α−オレフィン共重合体(B)以外の各種ポリオレフィン、例えば密度が0.87g/cm 3 より大であるエチレン・αオレフィン共重合体(B')やスチレン系やエチレン系ブロック共重合体などが挙げられる。これらは、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)およびエチレン/α−オレフィン共重合体(B)の合計量100重量部に対して0.0001重量部〜50重量部、好ましくは0.001重量部〜40重量部含有されていても良い。またポリオレフィン以外の各種樹脂、および/または各種ゴム、可塑剤、充填剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤、難燃剤、及び分散剤等から選ばれる1種類または2種類以上の添加剤を適宜含有することができるが、これらに限定されない。
太陽電池封止材
本発明の太陽電池封止材は、上記結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)70〜5重量部、および、上記エチレン/α−オレフィン共重合体(B)30〜95重量部((A)と(B)との合計は、100重量部。)を含んでいる。前記(A)、(B)の配合量が上記の範囲にあると、シートの成形性が良好であるとともに得られる太陽電池封止用シートの耐熱性、透明性、柔軟性等が良好となり、好ましい。結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)が70重量部以下なので、組成物の柔軟性が良好であり、また5重量部以上なので、強度の低下を防止できて好ましい。ブレンド比は、この範囲内において、目的とする使用形態、要求物性に応じて任意に変えることができる。
本発明の太陽電池封止材の製造方法としては通常用いられている方法が利用できるが、ニーダー、ロール、バンバリミキサー、押出機等により溶融ブレンドすることにより製造することが好ましい。
本発明の太陽電池封止材は、その損失正接(tanδ)の温度変化により測定したガラス転移点ピークを2以上有することが望ましい。ガラス転移点ピークが2以上あると、低温特性、特に低温衝撃強度に優れるという点で、好ましい。損失正接の温度変化は、レオメトリック社製RDS-IIを用いて、幅10mm、長さ38mm間でのトーションモード(ねじり)で、昇温速度2℃/minで−100℃〜100℃まで10rad/sにて測定することができる。
さらに、本発明の太陽電池封止材は、正接損失の最大値が、0.1以上であることが望ましい。正接損失の最大値が0.1以上であると、柔軟性に優れるため太陽電池素子を傷つけることがなく好ましい。正接損失は、より好ましくは0.1〜3、さらに好ましくは、0.2〜2である。
太陽電池用封止シート
本発明の太陽電池封止材を用いて得られた太陽電池用封止シートは、本発明の好ましい実施形態の1つである。この太陽電池用封止シートは、本発明の太陽電池封止材からなる層を、少なくとも1層有する。なお、ここで、「からなる」とは、当該層の全部が当該太陽電池封止材で構成されている場合、当該層の一部が当該太陽電池封止材で構成されている場合、の双方を含む趣旨である。
上記の本発明の太陽電池封止材からなる層の厚みは、通常0.01mm〜1mm、好ましくは、0.05〜0.8mmである。厚みがこの範囲内であると、ラミネート工程における、ガラス、太陽電池セルの破損が抑制でき、かつ、十分な光線透過率を確保することにより高い光発電量を得ることができるので好ましい。
本発明の太陽電池封止材からなる層の成形方法には特に制限は無いが、公知の各種の成形方法(キャスト成形、押出しシート成形、インフレーション成形、射出成形、圧縮成形、カレンダー成形等)を採用することが可能である。また、その表面にはエンボス加工を施すことが可能であり、エンボス加工によりこの層の表面を装飾することで封止シート同士、または、封止シートと他のシート等とのブロッキングを防止し、さらに、エンボスが、ラミネート時の太陽電池素子等に対するクッションとなって、これらの破損を防止するので好ましい。
本発明の太陽電池封止材からなる層は、厚み0.5mm以下の試料で測定したときの内部ヘイズが1%〜60%、好ましくは1%〜40%の範囲にあることが望ましい。
本発明の封止剤からなる層は、厚さ0.5mmのときの光線透過率(トランス)が75%以上、好ましくは80%以上であることが望ましい。このような光線透過率を有すると、発電効率の低下が少なく本発明において好適に使用できる。なお、上記光線透過率の測定にあたっては、フィルム表面の凹凸による影響を除去するために、PET等の表面が平滑な離形フィルムで保護しながら160℃以上で加熱加圧後、冷却して得られた所望の厚みのサンプルについて、上記PET等のフィルムを除去した後に測定を行う。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池用封止シートは、本発明の太陽電池封止材からなる層を少なくとも1層有していれば良い。従って、本発明の太陽電池封止材からなる層の層数は、1層であっても良いし、2層以上であっても良い。構造を単純にしてコストを下げる観点、および、層間での界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点等からは、1層であることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態である太陽電池用封止シートは、本発明の太陽電池封止材からなる層のみで構成されていても良いし、本発明の太陽電池封止材を含有する層以外の層(以下、「その他の層」とも言う)を有していても良い。
その他の層の例としては、目的で分類するならば、表面または裏面保護のためのハードコート層、接着層、反射防止層、ガスバリア層、防汚層等を設けることができる。材質で分類するならば、紫外線硬化性樹脂からなる層、熱硬化性樹脂からなる層、ポリオレフィン樹脂からなる層、カルボン酸変性ポリオレフィン樹脂からなる層、フッ素含有樹脂からなる層、環状オレフィン(共)重合体からなる層、無機化合物からなる層等を設けることができる。
本発明の太陽電池封止材からなる層と、その他の層との位置関係には特に制限はなく、発明の目的との関係で好ましい層構成が適宜選択される。すなわち、その他の層は、2以上の本発明の太陽電池封止材からなる層の間に設けられても良いし、太陽電池用封止シートの最外層に設けられても良いし、それ以外の箇所に設けられても良い。本発明の太陽電池封止材からなる層の片面にのみその他の層が設けられても良いし、両面にその他の沿うが設けられても良い。その他の層の層数に特に制限はなく、任意の数のその他の層を設けることができるし、その他の層を設けなくともよい。
構造を単純にしてコストを下げる観点、および、界面反射を極力小さくし光を有効に活用する観点等からは、その他の層を設けず、本発明の太陽電池封止材からなる層のみで、太陽電池用封止シートを作製すればよいし、目的との関係で必要又は有用なその他の層があれば、適宜そのようなその他の層を設ければよい。
他の層を設ける場合の本発明の太陽電池封止材からなる層と他の層との積層方法については特に制限はないが、キャスト成形機、押出しシート成形機、インフレーション成形機、射出成形機等の公知の溶融押出機を用いて共押出して積層体を得る方法、あるいはあらかじめ成形された一方の層上に他方の層を溶融あるいは加熱ラミネートして積層体を得る方法が好ましい。また、適当な接着剤(たとえば、無水マレイン酸変性ポリオレフィン樹脂(たとえば、三井化学社製のアドマー、三菱化学社製のモディックなど)、不飽和ポリオレフィンなどの低(非)結晶性軟質重合体、エチレン/アクリル酸エステル/無水マレイン酸3元共重合体(たとえば、住化シーディエフ化学製のボンダインなど)をはじめとするアクリル系接着剤、エチレン/酢酸ビニル系共重合体またはこれらを含む接着性樹脂組成物など)を用いたドライラミネート法あるいはヒートラミネート法などにより積層してもよい。接着剤としては、120°C〜150°C程度の耐熱性があるものが好ましく使用され、ポリエステル系あるいはポリウレタン系接着剤などが好適なものとして例示される。また、両層の接着性を改良するために、たとえば、シラン系カップリング処理、チタン系カップリング処理、コロナ処理、プラズマ処理等を用いても良い。
本発明の太陽電池用封止シートは、厚み0.5mm以下の試料で測定したときの内部ヘイズが1%〜60%、好ましくは5%〜50%の範囲にあることが望ましい。
太陽電池モジュール
本発明の太陽電池封止材および、本発明の好ましい実施形態である太陽電池封止用シートは、上述のような優れた特性を有する。従って、かかる太陽電池封止材および/または太陽電池封止用シートを用いて得られた太陽電池モジュールは、本発明の効果を活用することが可能であり、本発明の好ましい実施形態の1つである。
太陽電池モジュールは、通常、多結晶シリコン等により形成された太陽電池素子を太陽電池用封止シートで挟み積層し、さらに表裏両面を保護シートでカバーした構造になっている。すなわち典型的な太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用保護シート(表面保護シート)/太陽電池用封止シート/太陽電池素子/太陽電池用封止シート/太陽電池モジュール用保護シート(裏面保護シート)という構成になっている。尤も、本発明の好ましい実施形態の1つである太陽電池モジュールは、上記の構成には限定されず、本発明の目的を損なわない範囲で、上記の各層の一部を適宜省略し、又は、上記以外の層を適宜設けることができる。典型的には、接着層、衝撃吸収層、コーティング層、反射防止層、裏面再反射層、光拡散層等を設けることができるがこれらに限定されない。これらの層を設ける位置には特に限定はなく、そのような層を設ける目的、および、そのような層の特性を考慮のうえ、適切な位置に設けることができる。
太陽電池モジュール用表面保護シート
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいて好ましく用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートには特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、耐候性、撥水性、耐汚染性、機械強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露における長期信頼性を確保するための性能を具備することが好ましい。また、太陽光を有効に活用するために、光学ロスの小さい、透明性の高いシートであることが好ましい。
上記太陽電池モジュールに好適に用いられる太陽電池モジュール用表面保護シートの材料としては、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、環状オレフィン(共)重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等からなる樹脂フイルムの他、ガラス基板などが挙げられる。
樹脂フィルムとして特に好適なのは、透明性、強度、コスト等の点で優れたポリエステル樹脂、とりわけポリエチレンテレフタレート樹脂である。
また、特に耐侯性の良いフッ素樹脂も好適に用いられる。具体的には、四フッ化エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニル樹脂(PVF)、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、ポリ四フッ化エチレン樹脂(TFE)、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、ポリ三フッ化塩化エチレン樹脂(CTFE)がある。耐候性の観点ではポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性および機械的強度の両立では四フッ化エチレン−エチレン共重合体が優れている。また、封止材層等の他の層を構成する材料との接着性の改良のために、コロナ処理、プラズマ処理を表面保護シートに行うことが望ましい。また、機械的強度向上のために延伸処理が施してあるシート、例えば2軸延伸のポリプロピレンシートを用いることも可能である。
太陽電池モジュール用表面保護シートとしてガラスを用いる場合には、波長350乃至1400nmの光の全光線透過率が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。かかるガラス基板としては赤外部の吸収の少ない白板ガラスを使用するのが一般的であるが、青板ガラスであっても厚さが3mm以下であれば太陽電池モジュールの出力特性への影響は少ない。また、ガラス基板の機械的強度を高めるために熱処理により強化ガラスを得ることができるが、熱処理無しのフロート板ガラスを用いてもよい。また、ガラス基板の受光面側に反射を抑えるために反射防止のコーティングをしても良い。
太陽電池モジュール用裏面保護シート
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいて用いられる太陽電池モジュール用裏面保護シートには特に制限はないが、太陽電池モジュールの最表層に位置するため、上述の表面保護シートと同様に、耐候性、機械強度等の諸特性を求められる。従って、表面保護シートと同様の材質で太陽電池モジュール用裏面保護シートを構成しても良い。すなわち、表面保護シートにおいて用いることができる上述の各種材料を、裏面保護シートにおいても、用いることができる。特に、ポリエステル樹脂、およびガラスを好ましく用いることができる。
また、裏面保護シートは、太陽光の通過を前提としないため、表面保護シートで求められていた透明性は必ずしも要求されない。そこで、太陽電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは、温度変化による歪、反りを防止するために、補強板を張り付けても良い。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊維強化プラスチック)板等を好ましく使用することができる。
太陽電池素子
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおける太陽電池素子は、半導体の光起電力効果を利用して発電できるものであれば特に制限はなく、たとえば、シリコン(単結晶系、多結晶系、非結晶(アモルファス)系)太陽電池、化合物半導体(3−5族、2−6族、その他)太陽電池、湿式太陽電池、有機半導体太陽電池などを用いることができる。この中では発電性能とコストとのバランスなどの観点から、多結晶シリコン太陽電池が好ましい。
シリコン、化合物半導体とも、太陽電池素子として優れた特性を有しているが、外部からの応力、衝撃等により破損しやすいことで知られている。本発明の太陽電池封止材は、柔軟性に優れているので、太陽電池素子への応力、衝撃等を吸収して、太陽電池素子の破損を防ぐ効果が大きい。従って、本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールにおいては、本発明の太陽電池封止材からなる層が、直接太陽電池素子と接合されていることが望ましい。
また、太陽電池封止材が熱可塑性を有していると、一旦太陽電池モジュールを作製した後であっても、比較的容易に太陽電池素子を取り出すことが可能であり、リサイクル性に優れている。本発明の太陽電池封止材の必須成分は熱可塑性を有しているので、太陽電池封止材全体としても熱可塑性を付与することが容易であり、リサイクル性の観点からも好ましい。
発電設備
本発明の好ましい実施形態である太陽電池モジュールは、生産性、発電効率、寿命等に優れている。このため、この様な太陽電池モジュールを用いた発電設備は、コスト、発電効率、寿命等に優れ、実用上高い価値を有する。
上記の発電設備は、家屋の屋根に設置する、キャンプなどアウトドア向けの移動電源として利用する、自動車バッテリーの補助電源として利用する等の、屋外、屋内を問わず長期間の使用に好適である。
[実施例]
以下、本発明を、実施例を用いて、より具体的に説明する。但し、本発明の範囲は、いかなる意味においても実施例により制限されない。
(測定方法)
以下の実施例、比較例中においては、以下の方法で、諸特性の測定を行った。
・ 密度
190℃、2.16kg荷重におけるMFR測定後のストランドを、1時間かけて室温まで徐冷したのち、密度勾配管法により測定した。
・組成
定法の13C−NMR測定を行い、得られたスペクトルからポリマーの組成を算出した。
・損失正接(tanδ)
レオメトリック社製RDS-IIを用いて、幅10mm、長さ38mm間でのトーションモード(ねじり)で、昇温速度2℃/minで−100〜100℃まで10rad/sにて測定した。
・透明性(内部ヘイズ)
厚さ1mmの試験片を所定のセルに充填されたベンジルアルコールの中に浸漬させて、日本電色工業(株)製のデジタル濁度計「NDH-20D」にて測定した。
・柔軟性
JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで23℃にて測定した。
・耐熱性
JIS K7196に準拠し、厚さ1mmの試験片を用いて、昇温速度5℃/minで1.8mmφの平面圧子に2Kg/cmの圧力をかけ、TMA曲線より、針進入温度(℃)を求めた。
・プロセス安定性
シート成形時の厚みの安定性を3時間目視にて観察し、評価した。
○:厚み変動なく安定 ×:厚み変動があり不良

・ガラス密着性
太陽電池用の上部透明保護材である透明ガラス板とPETフイルムとの間に、0.5mm厚みの上記シートサンプルを挟んで真空ラミネーター内に仕込み、160℃に温調したホットプレート上に載せて15分間加熱し、ガラス板/シートサンプル/PETフイルムの積層体を作成した。この積層体について、ガラスとシートサンプル間を手で剥がしてその剥がれ具合を観察し、下記3段階で評価した。
○:接着性良好 △:やや接着不足 ×:接着性不良

(使用した材料)
以下の実施例および比較例において、サンプルの作製に使用した樹脂の種類、製法、物性等は、以下のとおりである。
(A−1)結晶性ポリプロピレン系樹脂
三井化学(株)製、アイソタクティックポリプロピレンF327D(MFR=7g/10min、Tm=139℃、結晶化度38%)を使用した。
(B−1)エチレン・αオレフィン共重合体
充分に窒素置換した容量2リットルの攪拌機付きSUS製オートクレーブに、23℃でヘキサン845mlを挿入した。このオートクレーブに、攪拌機を回し、かつ氷水で冷却しながら1-ブテンを155ミリリットルを挿入した。次に、オートクレーブを内温60℃まで加熱し、さらに、全圧が8kgとなるようにエチレンで加圧した。オートクレーブの内圧が8kgになったところで、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)の1.0mM/mlデカン溶液を1.0ml窒素で圧入した。続いて、予め調製しておいた、メチルアルミノキサンをAl換算で0.3mM、rac−ジメチルシリレン−ビス[1−(2−メチル−4−フェニル−インデニル)]ジルコニウムジクロリドを0.001mMの量で含む0.3mlのトルエン溶液を、窒素でオートクレーブに圧入し、重合を開始した。
その後30分間、オートクレーブを内温60℃になるように温度調整し、かつ圧力が8kgとなるように直接的にエチレンの供給を行った。重合開始30分後、オートクレーブにポンプでメタノール5mlを挿入し重合を停止し、オートクレーブを大気圧まで脱圧した。反応溶液に2lのアセトンを攪拌しながら注いだ。
得られた溶媒を含むゴム鞠状の重合体を130℃、13時間、600torrで乾燥したところ、エチレン含量59mol%、ブテン含量41mol%、
密度=0.859g/cm、Mw/Mn=2.4、MFR=1g/10min、結晶化度0%であるエチレン・1−ブテン共重合体47gが得られた。これを以下の実施例にて使用した。
(B’−2)エチレン・αオレフィン共重合体
三井化学(株)製、エチレン・ブテン共重合体(密度=0.885g/cm、C2含量88mol%、C4含量12mol%、MFR=4g/10min、結晶化度13%)を使用した。
(C−1)シランカップリング剤
γーメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(KBM503 信越化学(株)製)を使用した。
[実施例1]
(A−1)結晶性ポリプロピレン系樹脂30重量部と、(B−1)エチレン・αオレフィン共重合体70重量部とのブレンド物から、シート成形機を用いて200℃にて、厚み0.5mmのシートを作製した。
得られたシートの物性は、表1のとおりであった。
[実施例2]
(A−1)結晶性ポリプロピレン系樹脂30重量部、(B−1)エチレン・αオレフィン共重合体50重量部、および(B’−2)エチレン・αオレフィン共重合体20重量部からなるブレンド物から、シート成形機を用いて200℃にて、厚み0.5mmのシートを作製した。
得られたシートの物性は、表1のとおりであった。
[実施例3]
(A−1)結晶性ポリプロピレン系樹脂30重量部、および(B−1)エチレン・αオレフィン共重合体70重量部の合計量100重量部に対して、(C−1)シランカップリング剤0.5重量部を含有するブレンド物から、シート成形機を用いて200℃にて、厚み0.5mmのシートを作製した。
得られたシートの物性は、表1のとおりであった。
[比較例1]
(A−1)結晶性ポリプロピレン系樹脂30重量部(B’−2)と、エチレン・αオレフィン共重合体70重量部とからなるブレンド物から、シート成形機を用いて200℃にて、厚み0.5mmのシートを作製した。
得られたシートの物性は、表1のとおりであった。

Claims (8)

  1. 結晶性ポリプロピレン系樹脂(A)70〜5重量部、および、密度が0.85〜0.87g/cm 3 であるエチレン/α−オレフィン共重合体(B)30〜95重量部((A)と(B)との合計は、100重量部。)を含んでなる、太陽電池封止材。
  2. 上記エチレン/α−オレフィン共重合体(B)が、炭素数4以上のαオレフィンから導かれる構成単位を有している、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  3. 上記エチレン/α−オレフィン共重合体(B)が、エチレンから導かれる構成単位を30〜70モル%、および、炭素数4以上のαオレフィンから導かれる構成単位を合計70〜30モル%有する、請求項2に記載の太陽電池封止材。
  4. 損失正接(tanδ)の温度変化により測定したガラス転移点ピークを2以上有する、請求項1に記載の太陽電池封止材。
  5. さらにシランカップリング剤(C)を含んでなる、請求項1から4のいずれか1項に記載の太陽電池封止材。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池封止材を用いて得られた、太陽電池用封止シート。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池封止材、および/または、請求項6に記載の太陽電池用封止シートを用いて得られた、太陽電池モジュール。
  8. 請求項7に記載の太陽電池モジュールを用いて得られた、発電設備。
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