JP4807687B2 - 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法 - Google Patents

塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法 Download PDF

Info

Publication number
JP4807687B2
JP4807687B2 JP2000610442A JP2000610442A JP4807687B2 JP 4807687 B2 JP4807687 B2 JP 4807687B2 JP 2000610442 A JP2000610442 A JP 2000610442A JP 2000610442 A JP2000610442 A JP 2000610442A JP 4807687 B2 JP4807687 B2 JP 4807687B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suspension
aqueous solution
pharmaceutical composition
basic
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000610442A
Other languages
English (en)
Inventor
秀一 初代
昇 長藤
秀一 松田
裕介 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shionogi and Co Ltd filed Critical Shionogi and Co Ltd
Priority to JP2000610442A priority Critical patent/JP4807687B2/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4807687B2 publication Critical patent/JP4807687B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/14Particulate form, e.g. powders, Processes for size reducing of pure drugs or the resulting products, Pure drug nanoparticles
    • A61K9/16Agglomerates; Granulates; Microbeadlets ; Microspheres; Pellets; Solid products obtained by spray drying, spray freeze drying, spray congealing,(multiple) emulsion solvent evaporation or extraction
    • A61K9/1682Processes
    • A61K9/1688Processes resulting in pure drug agglomerate optionally containing up to 5% of excipient

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

技術分野
塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法に関する。
背景技術
医薬組成物を製造する過程において、噴霧乾燥法(スプレードライ法)はよく使用されている。噴霧乾燥法に関するものとして、特開昭63−20302において、キトサンの酸性水溶液を噴霧乾燥する方法が開示されている。また、特開昭63−210101において、キトサンの酸性水溶液を噴霧乾燥した後、塩基性溶液で中和する方法が開示されている。これらの技術は、キトサン粒子の粒子径を細かくあるいは均一にする技術であり、キトサンを溶解させた酸性水溶液を使用することを特徴とする技術である。すなわち、これらの開示には、懸濁液が有用である旨や懸濁液の懸濁分散性に関する開示や示唆はない。
疎水性医薬化合物を製剤化する過程において、特に噴霧乾燥法を使用する場合は、水系懸濁液の調製が必要とされる。水系懸濁液の調製の際、直接、疎水性医薬化合物を水に加え攪拌すると、微小な気泡が生じ、フォーミング層(ケーキ層)を形成するため、水系懸濁液の調製が困難となる。また、形成したフォーミング層は安定であるため、容易に脱泡されない。
疎水性医薬化合物を起泡させずに懸濁させる方法には、1)減圧下に懸濁させる方法、2)有機溶媒を使用する方法が知られている。
上記の1)の方法においては、特別な設備を必要とし、2)の方法においては、爆発の危険性や、溶媒の残留等の問題がある。
発明の開示
本発明は、疎水性医薬化合物を起泡させずに懸濁させることを特徴とする医薬組成物の製造法を提供するものである。従来技術において問題とされていた特別な設備を必要とせず、爆発の危険や溶媒の残留する恐れのない製造法を提供する。
本発明者らは、疎水性医薬化合物を起泡させずに懸濁分散させることを特徴とする医薬組成物の製造法を開発するために、鋭意研究した結果、疎水性医薬化合物の性質に着目し、疎水性医薬化合物が塩基性である場合は、塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させることによって、フォーミング層の形成を抑制し、通常の攪拌操作で懸濁および分散が可能となることを見出した。
さらに、上記の塩基性疎水性医薬化合物を酸性懸濁液に懸濁し分散させた後に、塩基性水溶液で中和しても、フォーミング層を形成することもなく、懸濁および分散できることを見出した。得られた懸濁液は中性であるため、製剤設備の壁面を腐食することもなく、製剤化(造粒など)に適した懸濁液である。
このように、本発明は、塩基性疎水性医薬化合物を、いったん、酸性水溶液に懸濁し分散させた後、塩基性水溶液で中和させることにより、塩基性疎水性医薬化合物を、直接、水(精製水等)に懸濁させた場合に生じる微少な気泡の生成、さらにはフォーミング層の形成を抑制するものである。
また、高温雰囲気中に化合物の懸濁液を噴霧して乾燥し、乾燥顆粒などを得る場合(噴霧乾燥法、スプレードライ法)においては、懸濁分散性の改善された懸濁液の調製は必須であり、本発明により得られる懸濁液は有用である。
本発明は、
1) 塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させる工程、および該懸濁分散工程により得られた酸性懸濁液を塩基性水溶液で中和させる工程を含む医薬組成物の製造法、
2) 塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させる工程、該懸濁分散工程により得られた酸性懸濁液を塩基性水溶液で中和させる工程、および該中和工程により中和された懸濁液を高温雰囲気中に噴霧して乾燥させる工程を含む医薬組成物の製造法、
3) フォーミング層の形成を防止するためのものである上記1)または2)記載の医薬組成物の製造法、
4) 懸濁分散性を改善するためのものである上記1)または2)記載の医薬組成物の製造法、
5) 酸性水溶液が、リンゴ酸水溶液、クエン酸水溶液、またはリン酸水溶液である上記1)〜4)のいずれかに記載の医薬組成物の製造法、
6) 塩基性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である上記1)〜5)のいずれかに記載の医薬組成物の製造法、
7) 塩基性疎水性医薬化合物が、ピリジン類、イミダゾール類、またはアルキルアミン類である上記1)〜6)のいずれかに記載の医薬組成物の製造法、
8) 塩基性疎水性医薬化合物が、5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル カーバメートである上記1)〜7)のいずれかに記載の医薬組成物の製造法、
9) 医薬組成物が、懸濁液、乾燥顆粒、錠剤、またはドライシロップ剤である上記1)〜8)のいずれかに記載の医薬組成物の製造法、
10) 上記1)〜9)のいずれかに記載の方法で製造された医薬組成物、
に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明は、塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させた後、塩基性水溶液で中和させ、得られた懸濁液を高温雰囲気中に噴霧して乾燥させることを特徴とする医薬組成物の製造法であるが、例えば、次のような工程が挙げられる。また、これらの工程を図1に示す。
(A)水(精製水)に各種酸を加え、酸性水溶液を得る。
(B)上記(A)で得られた酸性水溶液に、塩基性疎水性医薬化合物を加え、分散させる。
(C)上記(B)で得られた懸濁液に、塩基性水溶液を加え中和し、懸濁液を得る。
(D)上記(C)で得られた懸濁液を高温雰囲気中に噴霧して乾燥させ、乾燥顆粒を得る。
(E)上記(D)で得られた乾燥顆粒に各種添加剤を加えて、製剤化する。
(A)の工程においては、水に酸を加えても、酸に水を加えてもよい。
本発明に使用する酸は、一般的な酸(有機酸:リンゴ酸、クエン酸、乳酸、酢酸など、無機酸:塩酸、リン酸など)を意味するが、酸としては、特にリンゴ酸、クエン酸、リン酸などが好ましい。
一般に塩基性疎水性医薬化合物を水に溶解させるには、塩基性疎水性医薬化合物に対して、1当量の酸を使用し、塩を形成させることが必要であると考えられる。しかし、本発明においては、酸性水溶液は、塩基性疎水性医薬化合物を溶解するために使用するのではなく、懸濁および分散の改善のために使用するものである。従って、酸性水溶液に含まれる酸の量は、塩基性疎水性医薬化合物に対して、0.01〜0.5当量、好ましくは、0.04〜0.2当量使用される。
(B)の工程においては、(A)の工程で得られた酸性水溶液に塩基性疎水性医薬化合物を加えるため、中性水溶液に加えた場合と異なり、フォーミング層を形成することもなく、分散性のよい懸濁液を得ることができる。また(A)の工程で加える酸の量を適切に設定することにより、(B)の工程で、水溶液ではなく懸濁液を調製することができる。
本発明における塩基性疎水性医薬化合物とは、薬理学的活性を有する塩基性を示す疎水性有機化合物を意味するが、特にピリジン類、イミダゾール類、またはアルキルアミン類などが好ましい。ピリジン類とは、ピリジン環を有する疎水性有機化合物を意味する。イミダゾール類としては、イミダゾール環を有する疎水性有機化合物を意味する。特にイミダゾール環およびピリジン環を共に有する疎水性有機化合物が好ましい。アルキルアミン類とは、アルキルアミノ基を有する疎水性有機化合物を意味する。
イミダゾール類とは、例えば、式(I):
Figure 0004807687
(式中、Rはアルキル、置換されていてもよいアラルキル、または置換されていてよいヘテロアラルキル、Rはカルバモイルオキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アセトキシアルキル、またはシアノアルキル、Rはエチルまたはイソプロピル、Rはアルキルまたはハロゲンであり、Xは−S−または−CH−である。)で示される化合物である。これらの化合物は、抗HIV薬として有用であり、WO96/10019に開示されている。
アルキルとは、C−Cの直鎖状または分岐状のアルキル基を意味し、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、またはtert−ブチルが挙げられる。
アラルキルとは、上記「アルキル」にアリール(フェニル、ナフチルなど)が置換した基を意味し、例えば、ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチルなどが挙げられる。
ヘテロアラルキルとは、上記「アルキル」にヘテロアリール(ピリジルなど)が置換した基を意味し、例えば、ピコリル、ピリジルエチル、ピリジルプロピルなどが挙げられる。
カルバモイルオキシアルキル、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、アセトキシアルキル、およびシアノアルキルとは、それぞれ、上記「アルキル」にカルバモイルオキシ、ヒドロキシ、アミノ、アセトキシ、シアノが置換した基を意味し、例えば、カルバモイルオキシメチル、カルバモイルオキシエチル、カルバモイルオキシプロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノメチル、アセトキシメチル、シアノメチル、またはシアノエチルなどが挙げられる。好ましいのは、カルバモイルオキシメチル、ヒドロキシメチル、アミノメチルである。
式(I)で示される化合物において、Rが置換されていてもよいピコリルである場合は、化合物(I)はイミダゾール類であり、かつピリジン類であると言うことができる。例えば、化合物(I−1):5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル カーバメートなどが挙げられる。
ピリジン類としては、ニコチンアミド、ニケタミド、イソニアジド、ニアラミド、エチオナミド、またはプロチオナミドなどが挙げられる。
アルキルアミン類としては、例えば、ピンドロール、ノスカピンなどが挙げられる。
以下にこれらの化学構造を示す。
Figure 0004807687
(C)の工程においては、(B)で得られた懸濁液を塩基性水溶液で中性にすることによって、設備の腐食などを防ぐことができる。このような工程を経て得られた本懸濁液は中性であるにもかかわらず、攪拌してもフォーミング層を形成することはなく、本発明の目的である懸濁分散性の優れた懸濁液を得ることができる。
塩基性水溶液とは、一般的な塩基を水に溶解したものを意味するが、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素ナトリウムなどが挙げられる。特に水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
(D)の工程によって、乾燥顆粒を得ることができる。また、本発明で使用する噴霧乾燥法(スプレードライ法)自体は一般的な方法であればよく、通常の噴霧乾燥装置(スプレードライ装置)を使用すればよい。
(E)の工程によって、錠剤、ドライシロップ剤など各種の医薬組成物を得ることができる。また、本発明は、上記(A)〜(E)の工程が特徴であるため、添加剤を含んでいる必要はないし、他の添加剤を含んでいてもよい。
医薬組成物とは、製剤化過程または製剤化後のものを意味し、例えば、懸濁液、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、ドライシロップ剤(小児用ドライシロップ剤)などが挙げられる。すなわち、(C)で得られた懸濁液や、(D)で得られた顆粒剤も本発明の医薬組成物に包含され、これらを用いて製造される他の錠剤、カプセル剤、ドライシロップ剤なども本発明の医薬組成物に包含される。水溶液に直接疎水性医薬化合物を加えて製剤化した場合に比べ、本発明によって製剤化した医薬組成物である錠剤、ドライシロップ剤(小児用ドライシロップ剤など)は、溶出性、懸濁分散性、安定性などが、著しく改善されていた。
また、先に述べたように、従来は、塩基性疎水性医薬化合物の製剤化において、起泡やフォーミング層の形成のために、噴霧乾燥法を使用することができなかったが、本発明を実施することにより、塩基性疎水性医薬化合物を噴霧乾燥法で製剤化することができる。また、本発明によって製剤化された医薬組成物である錠剤、ドライシロップ剤などは、噴霧乾燥法を使用せずに製剤化した製剤(通常の造粒法など)に比べ、バイオアベイラビリティーが著しく改善されていた。
錠剤、ドライシロップ剤(小児用ドライシロップ剤)に関する製造工程を、それぞれ図2、図3に示す。図中の用語は、以下の意味である。(PVP K30:ポリビニルピロリドン K30 アクチゾル:クロスカルメロースナトリウム アエロジル:軽質無水珪酸)
図2は錠剤の製造フローチャートである。精製水、各種酸、PVP K30を混ぜて溶解し、そこへ塩基性疎水性医薬化合物を加え、懸濁させた。次にNaOH水溶液を加えて中和し、懸濁液を得た。この懸濁液を噴霧乾燥(スプレードライ)し、乾燥顆粒を得た。StMg、アクジゾルを加えて滑混し、製錠顆粒を得た。得られた製錠顆粒を打錠して錠剤を得た。
図3はドライシロップ剤の製造フローチャートである。精製水、リンゴ酸、PVP K30を混ぜて溶解し、そこへ塩基性疎水性医薬化合物を加え、懸濁させた。次にNaOH水溶液を加えて中和し、懸濁液を得た。この懸濁液を噴霧乾燥(スプレードライ)し、乾燥顆粒を得た。そこへ、アエロジルとシリコン樹脂からなるシリコン樹脂吸着末、安息香酸ナトリウム、粉糖、キサンタンガムを混合してドライシロップ剤を得た。
結合剤として、PVP K30を使用しているが、特に限定したものではなく、水溶性の結合剤であれば何でも使用可能である。例えば、HPC,Dextrinなどが使用できる。
崩壊剤として、アクチゾルを使用しているが、通常使用される崩壊剤、例えば、LHPC,CMC−Caなどでもよい。
StMgは滑沢剤として、キサンタンガムは粘稠化剤として、アエロジルは吸着剤として、シリコン樹脂は消泡剤、懸濁化剤として、粉糖は甘味剤、矯味剤として使用したが、特に限定したものではない。
実施例
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。本実施例に使用した酸性水溶液は、リンゴ酸水溶液、クエン酸水溶液、およびリン酸水溶液である。本実施例に使用した塩基性水溶液は、NaOH水溶液である。本実施例に使用した塩基性疎水性医薬化合物は、化合物(I−1)、ピンドロール、およびノスカピンである。化合物(I−1)は、5−(3,5−ジクロロフェニル)チオ−4−イソプロピル−1−(4−ピリジル)メチル−1H−イミダゾール−2−イルメチル カーバメートである。
実施例1(化合物(I−1)の錠剤の製造法)
精製水1600gにPVP K30 100gを溶解させた後、リンゴ酸50gを溶解させた。その酸性溶液を攪拌しながら化合物(I−1)を分散させた。その懸濁液に13%NaOH水溶液230gを添加し中和した。
得られた懸濁液をL−8型スプレードライヤーを用いて、噴霧乾燥して顆粒を得た。その顆粒700gにアクジゾル21gとStMg28gを添加混合し製錠末を得、18.5×7.9mmのカプレット型の杵を装着したロータリー打錠機(LIBRA 836BK−AWCZ)を用いて、1錠当たり631.3mg、厚み5.0mmの錠剤を得た。
得られた錠剤の組成を表1に示す。
Figure 0004807687
実施例2(化合物(I−1)の小児用ドライシロップ剤の製造法)
精製水1600gにPVP K30 100gを溶解させた後、リンゴ酸50gを溶解させた。その酸性溶液を攪拌しながら化合物(I−1)を分散させた。その懸濁液に13%NaOH水溶液230gを添加し中和した。
得られた懸濁液をL−8型スプレードライヤーを用いて、噴霧乾燥して顆粒を得た。その顆粒236gに粉糖743g、キサンタンガム15g、安息香酸ナトリウム4g、シリコン吸着末2gを添加混合し、小児用ドライシロップ剤を得た。
得られた小児用シロップの組成を表2に示す。
Figure 0004807687
実施例3(化合物(I−1)の懸濁液の製造法)
実施例3−1(リンゴ酸処方)
精製水800gにPVP K30 50gを溶解させた後、リンゴ酸25gを溶解させた。その酸性溶液を攪拌しながら化合物(I−1)を分散させた。その懸濁液に13%NaOH水溶液115gを添加し中和し、懸濁液を得た。
実施例3−2(クエン酸処方)
実施例3−1の酸性水溶液のかわりに、クエン酸水溶液を使用した。
実施例3−3(リン酸処方)
実施例3−1の酸性水溶液のかわりに、リン酸水溶液を使用した。
参考例3−4(酸なし処方)
酸を使用せずにおこなった。
実施例4(ピンドロールの懸濁液の製造法)
実施例3−1の化合物(I−1)のかわりに、ピンドロールを使用して同様におこなった。
実施例5(ノスカピンの懸濁液の製造法)
実施例3−1の化合物(I−1)のかわりに、ノスカピンを使用して同様におこなった。
試験例1(溶出安定性)
実施例1で得られた化合物(I−1)の錠剤の溶出安定性を試験した。まず、実施例1で得られた錠剤をガラス瓶に入れ、密栓した状態で60℃の条件下2週間保存した。このサンプルについて局方の溶出試験を行った。結果を図4に示す。
試験例2(含量・外観安定性)
実施例1で得られた化合物(I−1)の錠剤の含量・外観安定性を試験した。具体的には、実施例1で得られた錠剤をガラス瓶に入れ、密栓した状態で60℃の条件下2週間保存したものと、実施例1で得られた錠剤をガラス製のシャーレの上に静置し、3570Lxの光を168時間照射(照射エネルギー量;600,000Lx・h)したものについて、局方の含量試験を行った。外観変化については、上記の保存前後の着色変化をカラーアナライザー(TC−180MK II 東京電気)で測定した。
結果を表3に示す。
Figure 0004807687
試験例3(物理安定性)
実施例2で得られた化合物(I−1)の小児用ドライシロップ剤の物理安定性を試験した。具体的には、実施例2で得られたドライシロップ剤1000mgを50ccの遠沈管に入れ、そこに精製水50mlを加えて軽く振とうした時の顆粒の分散状態を目視により確認した。この分散液を2日間静置(室温)保存した後、再度振とうし、分散状態を目視により確認した。
結果を表4に示す。
Figure 0004807687
試験例4(酸の種類を変えた場合の懸濁液の薬物分散性・原薬分散性)
実施例3−1〜3−4で得られた化合物(I−1)の懸濁液の薬物分散性・原薬分散性を試験べく、懸濁液調製時に原薬の分散性を目視により確認した。
処方例および試験の結果を表5に示す。
Figure 0004807687
試験例5(塩基性薬物の懸濁液の薬物分散性・原薬分散性)
実施例3−1、4、および5で得られた懸濁液の薬物分散性・原薬分散性を試験例4と同様に試験した。
処方例および試験の結果を表6に示す。
Figure 0004807687
産業上の利用可能性
本発明によって、塩基性疎水性医薬化合物を起泡させずに懸濁させることができ、懸濁液の調製が容易になる。さらに、懸濁液が中性であるため、製剤設備の壁面の腐食を防止することができる。また、本発明によって得られた医薬組成物は、溶出性、懸濁分散性、安定性が改善されている。さらにバイオアベイラビリティーも著しく改善されている。
【図面の簡単な説明】
図1 本発明の工程の概略図である。
図2 本発明を使用した錠剤の製造法の工程図である。
図3 本発明を使用した小児用ドライシロップ剤の製造法の工程図である。
図4 本発明の医薬組成物の溶出安定性を表した図(グラフ)である。

Claims (8)

  1. 塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させる工程、および該懸濁分散工程により得られた酸性懸濁液を塩基性水溶液で中和させる工程を含み、該酸性水溶液がリンゴ酸水溶液、クエン酸水溶液、またはリン酸水溶液である、医薬組成物の製造法。
  2. 塩基性疎水性医薬化合物を酸性水溶液に懸濁し分散させる工程、該懸濁分散工程により得られた酸性懸濁液を塩基性水溶液で中和させる工程、および該中和工程により中和された懸濁液を高温雰囲気中に噴霧して乾燥させる工程を含む医薬組成物の製造法。
  3. 酸性水溶液が、リンゴ酸水溶液、クエン酸水溶液、またはリン酸水溶液である請求項2記載の医薬組成物の製造法。
  4. フォーミング層の形成を防止するためのものである請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物の製造法。
  5. 懸濁分散性を改善するためのものである請求項1〜3のいずれかに記載の医薬組成物の製造法。
  6. 塩基性水溶液が、水酸化ナトリウム水溶液または水酸化カリウム水溶液である請求項1〜5のいずれかに記載の医薬組成物の製造法。
  7. 塩基性疎水性医薬化合物が、ピリジン環を有する疎水性有機化合物、イミダゾール環を有する疎水性有機化合物、またはアルキルアミン基を有する疎水性有機化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の医薬組成物の製造法。
  8. 医薬組成物が、懸濁液、乾燥顆粒、錠剤、またはドライシロップ剤である請求項1〜7のいずれかに記載の医薬組成物の製造法。
JP2000610442A 1999-04-12 2000-04-06 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法 Expired - Fee Related JP4807687B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000610442A JP4807687B2 (ja) 1999-04-12 2000-04-06 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10404199 1999-04-12
JP1999104041 1999-04-12
PCT/JP2000/002213 WO2000061109A1 (fr) 1999-04-12 2000-04-06 Procede de production de composition medicamenteuse renfermant un compose medicamenteux hydrophobe basique
JP2000610442A JP4807687B2 (ja) 1999-04-12 2000-04-06 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP4807687B2 true JP4807687B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=14370147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000610442A Expired - Fee Related JP4807687B2 (ja) 1999-04-12 2000-04-06 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6858230B1 (ja)
EP (1) EP1172097B1 (ja)
JP (1) JP4807687B2 (ja)
AT (1) ATE275392T1 (ja)
DE (1) DE60013583T8 (ja)
WO (1) WO2000061109A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TWI232102B (en) * 2001-07-17 2005-05-11 Shionogi & Co A pharmaceutical formulation for injection
AR034985A1 (es) 2001-08-08 2004-03-24 Takeda Chemical Industries Ltd Compuesto biciclico; produccion y uso del mismo
JP2005189461A (ja) * 2003-12-25 2005-07-14 Ricoh Co Ltd ベルト定着装置,画像形成装置及びその画像形成装置において使用するトナー
JPWO2006059716A1 (ja) * 2004-12-03 2008-06-05 武田薬品工業株式会社 固形製剤
KR20160013068A (ko) * 2013-05-15 2016-02-03 토비라 쎄라퓨틱스, 인크. 세니크리비록 조성물 및 이들을 만들고 이용하는 방법
CA2914468A1 (en) 2013-07-18 2015-01-22 Sandoz Ag Powder mixtures for antibiotic dry syrup formulations

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6262827A (ja) * 1985-09-12 1987-03-19 Fuji Boseki Kk 超微小球状キトサンの製造方法
JPH02235905A (ja) * 1989-02-09 1990-09-18 Hoechst Ag 活性キトサンの製造方法および活性キトサンをキトサン誘導体の製造に使用する方法
EP0813863A2 (en) * 1996-06-18 1997-12-29 Solchem Italiana S.p.A. A method for the preparation of stable aqueous suspensions, useful in pharmaceutical compositions

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ATE144781T1 (de) 1986-06-06 1996-11-15 Union Carbide Corp Saure dekristallisierung von hochkristallin chitosan oder teilentacetylierten chitin
JPH0623202B2 (ja) 1986-07-11 1994-03-30 大日精化工業株式会社 キトサン粒体の製造方法
JPS6327501A (ja) * 1986-07-22 1988-02-05 Fuji Boseki Kk 極微粉末無機質含有キチン・キトサン微小粒状体
JPS63210101A (ja) 1987-02-26 1988-08-31 Fuji Boseki Kk キトサン又はキチン多孔質超微小粒状体の製造方法
US5534502A (en) * 1990-11-06 1996-07-09 Nippon Shinyaku Co. Ltd. Process for producing fat emulsion
CA2083842A1 (en) * 1991-03-27 1992-09-28 Hisayuki Nakayama Method for preparation of an aqueous suspension
JP3105031B2 (ja) * 1991-08-01 2000-10-30 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 ソーマチンの甘味減少防止法
CN1093535C (zh) 1994-09-26 2002-10-30 盐野义制药株式会社 咪唑衍生物
US5716642A (en) * 1995-01-10 1998-02-10 Nano Systems L.L.C. Microprecipitation of nanoparticulate pharmaceutical agents using surface active material derived from similar pharmaceutical agents

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6262827A (ja) * 1985-09-12 1987-03-19 Fuji Boseki Kk 超微小球状キトサンの製造方法
JPH02235905A (ja) * 1989-02-09 1990-09-18 Hoechst Ag 活性キトサンの製造方法および活性キトサンをキトサン誘導体の製造に使用する方法
EP0813863A2 (en) * 1996-06-18 1997-12-29 Solchem Italiana S.p.A. A method for the preparation of stable aqueous suspensions, useful in pharmaceutical compositions

Also Published As

Publication number Publication date
ATE275392T1 (de) 2004-09-15
US6858230B1 (en) 2005-02-22
EP1172097A1 (en) 2002-01-16
DE60013583T8 (de) 2006-06-08
DE60013583T2 (de) 2006-03-02
WO2000061109A1 (fr) 2000-10-19
EP1172097B1 (en) 2004-09-08
EP1172097A4 (en) 2002-08-07
DE60013583D1 (de) 2004-10-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4656027A (en) Pharmaceutical mixture
CA2552463C (en) New compositions containing quinoline compounds
EP0164959B1 (en) Pharmaceutical composition in sustained release unit dose form and process for its preparation
JPH0237327B2 (ja)
JP3987282B2 (ja) 粒状化結晶性イブプロフェンで被覆した粒子
JP2007522258A (ja) 塩酸タムスロシンの経口投与用組成物及びその徐放性顆粒製剤
RU2281757C2 (ru) Фармацевтическая композиция
JP4447166B2 (ja) 硫酸モルヒネマイクロ顆粒剤、製法および医薬調製物
JP4807687B2 (ja) 塩基性疎水性医薬化合物の医薬組成物の製造法
JP2004131393A (ja) 易溶出性製剤
JPS58116414A (ja) ニカルジピン持続性製剤用球形顆粒およびその製造法
JP4295629B2 (ja) 固体分散体組成物
ES2809254T3 (es) Microcápsulas de piperaquina y composiciones que las contienen
JP2000281561A (ja) 新規溶媒法固体分散体製剤
JP2009510034A (ja) 苦味活性成分の口腔内崩壊錠
JPH0328404B2 (ja)
AU2020352037A1 (en) Granule having masked unpleasant taste and method for producing same
KR860001147B1 (ko) 지속성 니카르디핀 제제용 조성물의 제조방법
JPH07173065A (ja) 速溶性の医療用アルギン酸ナトリウム造粒物およびその製造法
JPS615010A (ja) 水素添加麦角アルカロイド徐放性製剤及びその製法
DK2654723T3 (en) Solid pharmaceutical dosage forms comprising tadalafil and processes for their preparation
JPH06211695A (ja) ピリドンカルボン酸含有製剤
Alghabban et al. Taste masking of prifinium bromide in orodispersible tablets
JP2004018491A (ja) プロスタグランジン含有経鼻投与製剤組成物
JP4226116B2 (ja) テプレノン含有顆粒の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061225

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100730

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110802

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110809

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees