JP4804146B2 - 水系インク及びこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法と記録物 - Google Patents

水系インク及びこれを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法と記録物 Download PDF

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Description

本発明は、水系インク(以下インクともいう)、これを用いたインクジェット記録方法、該記録方法によって得られた記録物、及び、かかるインクを用いた機器類に関する。更に詳しくは、HLBが低い(例えば、インクに対し溶解性が非常に悪く、且つ含有されたインク保存状態で、分離や析出が発生する界面活性剤)ために、通常ではインクに使用出来ないか、或いは微量しか使用できなかった界面活性剤を、実用化する技術に関する。
従来から、得られる記録物の画像品位や、インクの定着性及び信頼性の向上を目的として、筆記具等に用いられるインクや、インクジェット記録用インク等については、様々な検討や報告が行われている。例えば、記録物の定着性を向上させる方法として、水溶性インクに、水溶性のアルコールを含有させる方法、更には、疎水性の強い、例えば、セロソルブ等の水溶性有機溶剤を含有させる方法等が提案されている。しかしながら、上記した化合物を多くインク中に含有させると、定着性は向上するものの記録物の品位が低下するという問題がある。更に、上記した化合物の使用は、インクの引火性や、人体に対する安全性についての問題を生じる恐れがある。
これに対して、特開平5−132643号公報には、インク中に水溶性の界面活性剤を含有させることで、記録物の定着性を向上させる方法が提案されている。これらは、安全性に対しては良好な方向と言えるが、記録物の定着性を向上させるためにインク中における含有量を増やすと、インクの粘度が高くなってしまう。例えば、インクジェット記録方法に用いた場合は、インクの吐出性をはじめとする信頼性が低下してしまう。又、定着性の更なる向上のために界面活性剤を多量にインク中に添加すると、被記録材表面へのインクの広がりが生じ、得られる記録物の画像品位を損ねてしまう場合がある。
これに対し、特開平6−256696号公報および特開2003−253599号公報には、親水性のある界面活性剤に疎水性の強い界面活性剤を併用することで、記録物の定着性を向上させる提案がなされている。ところが、インク中において、このような疎水性の強い界面活性剤を使用できる量は、極少量である。従って、従来の水溶性の界面活性剤を用いた方法に比べて、格段に定着性を向上させることはできていない。
又、特開平11−71543号公報、特開平8−183921号公報、特開平6−9911号公報、特開平6−220376号公報、特開平10−140058号公報、特開平5−125313号公報、特開平10−265727号公報、特開平9−279067号公報、特開平9−217031号公報、特開平6−256696号公報、特開平10−130551号公報および特開2001−262026号公報に、疎水性の化合物をインク中に用いる方法について、種々の提案がされている。この中で、特開平11−71543号公報では、水不溶性エチレンオキシド、プロピレンオキシド油類、水不溶性アルコール、水不溶性アルデヒド等の水不溶性物質を安息香酸、キシレンスルホン酸等の酸又は塩類及びレゾルシン等を用いて、また必要に応じて、2−ピロリドン、グリコールエステル等の共溶媒を用いてを溶解させる提案がなされている。しかしながら上記提案では、水不溶性物を酸又は塩類、エステル化合物、極性化合物を用いているため、人体の安全性に対し余り好ましくなかったり、インクの接触部材に対し部材からの内添物の溶質等を生じインクの安定性、信頼性に対しあまり好ましくない効果も生じてくる。更に、酸又はその塩類を多量に用いると、インク中や、例えば、インクジェット記録方法では、インク吐出孔周りに析出が発生しやすくなり、インク及び記録を行う際に信頼性を低下させる。特にインクジェット記録においては、吐出のインク滴が小さいため、影響が大きくなる場合がある。
上記特開平6−256696号公報および特開2003−253599号公報の場合を更に検討すると、水に対して疎水性の強い界面活性剤と類似の界面活性剤とを併用させた場合は、インクの環境変化、例えば、温度等の変化により、疎水性の強い界面活性剤がインクから分離し易くなるという問題もある。これは、水に対して疎水性の強い界面活性剤は、親水性である他の界面活性剤との間でミセルをつくることで、見かけ上、インク中に溶解されているが、このような系の曇点は、併用されている親水性のある界面活性剤のみを使用していた場合よりも低くなる。即ち、疎水性の強い界面活性剤の使用によって界面活性剤の不安定温度環境が低温から生じ、インク中で疎水性の強い界面活性剤の分離、又、インクの接する部材等への付着等の発生が生じやすくなり信頼性安定性を低下させてしまう。
加えて、近年、記録技術の高速化により、定着性の更なる向上を示すインクの用途は多方面に拡大する状況にあり、インクの安定性や信頼性に優れ、しかも、画像品位に優れた記録物を安定して得ることのできるインク及びインクジェット記録方法の開発が待望されている。
従って、本発明の目的は、上記課題を解決し、記録物の定着性が更に良好で、インクの安定性及び信頼性にも優れ、しかも、画像品位に優れる記録物を安定して得ることのできるインク、インクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器を提供することである。
本発明の他の目的は、HLBが低い(例えば、インクに対し溶解性が非常に悪く、且つ含有されたインク保存状態で、分離や析出が発生する)界面活性剤の多量使用を可能にする技術を提供することにある。
本発明の更に別の目的は、被記録剤へのインク定着性を良好にする反面、インクに対し溶解安定性、又分散安定性が非常に悪く、従来あまり使用されていなかった界面活性剤を、インク中で安定に溶解又は分散させ且つ含有量をも増大でき、結果として、被記録材へのインク定着性を向上でき、得られた記録画像品位を良好にするインク、インクジェット記録方法、かかるインクを用いた機器を提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、併用することで水に対して白濁又は半透明な分散状態のミセルを形成する2種以上の界面活性剤と、前記界面活性剤夫々が有する疎水性ユニットの疎水性よりも低い疎水性のアルキル基を備え、水溶解基が水酸基のみである化合物と、で構成されるマイクロミセルを有する水系インクであって、前記2種以上の界面活性剤が、夫々の疎水性ユニットが同じ構造で、HLBが6以上10未満の第1界面活性剤と、HLBが10以上15以下の第2界面活性剤と、を含み、かつ下記一般式(I)で示され、前記界面活性剤夫々が有する疎水性ユニットの疎水性よりも低い疎水性のアルキル基を備え、水溶解基が水酸基のみである化合物が、下記一般式(III)で示されることを特徴とする水系インクである。
Figure 0004804146
(上記一般式(I)において、A及びBは夫々独立して、水素原子、及び下記一般式(II A )及び(II B )から選択され、X A は、C n 2n+1 (nは、1〜10の整数)を、X B は、C m 2m+1 (mは、1〜10の整数)を表す。又、Y A は、開環したエチレンオキサイドユニット及び/又は開環したプロピレンオキサイドユニットを表し、a及びbは夫々独立して整数である。)
Figure 0004804146
Figure 0004804146
(上記一般式(III)において、R 1 、R 2 及びR 3 は、夫々独立に、水素原子、炭素数1〜16のアルキル基を表わす。(X)、(Y)及び(Z)は、夫々独立に、OH、又はD−OHを表わし、Dは、開環したエチレンオキサイド及び/又は開環したプロピレンオキサイドを表す。)
この本発明によれば、従来行われていた、溶解性の良好な界面活性剤をインクに添加する方法と異なり、インク中に溶解性の悪い界面活性剤をマイクロミセル形態で、あたかも溶解している様に安定に分散させることにより、前記マイクロミセルを含有した水系インクは、記録物の定着性が格段に良好になり、更に、インクの安定性及び信頼性が更に優れ、しかも、画像品位に優れる記録物を安定して得ることのできるインク、インクジェット記録方法、及びかかるインクを用いた機器類を提供することができる。
前記2種以上の界面活性剤は、夫々の疎水基からなるユニットが同じ構造で、HLBが6以上10未満の第1界面活性剤とHLBが10以上15以下の第2界面活性剤と、を有することで、上記インクをより透明なマイクロミセルを形成できるので好ましい。この2種以上の界面活性剤は、末端に水酸基を有するエチレンオキサイドを水溶性基としている界面活性剤であることで、優れた浸透性を得ることができるので更に好ましい。無論、このインクには色材を含むことで、優れた色材画像を形成できる。最も好ましい発明は、少なくとも夫々の疎水基からなるユニットが同じ構造で、HLBが6以上10未満の第1界面活性剤とHLBが10以上15以下の第2界面活性剤と、前記疎水基からなるユニットとは異なり、前記ユニットよりも低い疎水性の疎水基と水酸基のみからなる親水部を持つ化合物と、を有し、前記第1、2界面活性剤と前記化合物とを含むマイクロミセルを有していることを特徴とする水系インクである。
本発明は、従来では使用が困難な不溶性、或いはHLBが小さい界面活性剤をマイクロミセル化することで利用可能にし、環境温度変化、もしくは熱エネルギーを利用するインクジェット吐出方式に有効に利用でき、その界面活性剤が画像化もしくは紙面上で単独挙動を示すことで得られる定着性向上等の利点をも得ることができる。
次に、好ましい発明の実施の形態を挙げて、本発明をより詳細に説明する。本発明者等は、記録物の定着性を向上させ、且つ、インクの安定性及び信頼性が良好で、しかも良好な品位の記録物が得られるインクを開発するために、多種多様なメカニズムを考え、更に、多種多様な色材やインク組成について検討及び確認を行ってきた。その結果、従来では考えられてこなかったインクの構成成分として、疎水性成分が、ある条件下で、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤に、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物を組み合わせることで、水に対してあたかも溶解しているがごとく透明な単一相に分散し、更に、熱によって分散性が影響を受けにくいマイクロミセルが形成されることを知見した。また、前記マイクロミセルを水系インク中に用いると、記録物品位が良好で、インクが安定であり、更に、得られる記録物の定着性が良好なものになる、という新たな事実にたどりつき本発明に至った。
即ち、水に対して分散するマイクロミセルを含む水系インクであって、前記マイクロミセルが、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤と、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物と、から成るマイクロミセルであることを特徴とする水系インクを用いると、被記録材上にインクを付与した場合に、インクの定着性及び得られる記録物の品位が良好で、且つ、インク及び記録物の安定性及び信頼性に優れ、更に、かかるインクは、インクジェット記録に用いた場合に、特に良好な結果を示すことがわかった。加えて、上記の構成を有する本発明にかかるインクは、特に、記録物の定着性向上とインクの信頼性という観点から捉えた場合に、従来のインクを用いた場合と比べて格段に向上することがわかった。
本発明で使用する「マイクロミセル」とは、水不溶性化合物を、界面活性剤特有のミセル形成の特性を利用することで、水相に添加された水不溶性化合物が、気液界面に浮いたり、底に沈殿したりせずに、あたかも水相中に溶解しているがごとく透明なミセルの形成分散し、且つ、熱によるミセル形成の崩壊が生じにくいミセルのことである。また、前記マイクロミセルは、色材と反応性は有せず、インク等の液媒体中では、実質的には、単独で存在するものである。
このマイクロミセルは、一般的な樹脂成分により水不溶性化合物を透明に分散させるマイクロエマルジョン、及び水不溶性化合物を界面活性剤でミセル分散させるものとは異なる。即ち、上記マイクロエマルジョンやミセル分散は、水不溶性化合物を水にあたかも溶解している様に分散させるが、熱による安定性は悪く、故に熱エネルギーをインクに作用させて記録を行うインクジェット記録方法には好ましくない。又また、水不溶性化合物の量にミセル分散させるための界面活性剤量が比例しているため、水不溶性化合物を多く必要とする場合、前記界面活性剤も多くなってしまい、ミセルが巨大化したり、乳化状態になり、インクに用いた場合、インクの粘度の増加、表面張力の低下引き起こし安くなり、インクジェット記録に用いた場合、インクの吐出性を悪化させる場合が多々ある。
これに対して、本発明の、水に対して分散するマイクロミセルを含む水系インクであって、前記マイクロミセルが、併用することで、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤と、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物と、から成るマイクロミセルであることを特徴とする水系インクは、紙面上での定着、浸透性が良好で、熱による安定性も良好である。また、ミセルの巨大化や乳化状態を形成しないため、マイクロミセルを用いたインクを、インクジェット記録に用いても吐出性等に対し問題を引き起こさない。以下に、本発明を説明する。先ず、一般的に記録物の定着性向上を目的として浸透剤として、界面活性剤をインクの安定性や信頼性の面から良好な溶解性を得ることを重要視した場合は、親水性の強い化合物を使用するため、格段に良好な定着性を得ることはできない。一方、定着性を最重要視した場合は、疎水性の強い化合物を用いることになり、これによって格段に良好な定着性を得ることができるが、インク中で疎水性の強い化合物が沈殿や分離を生じてしまい、インクの信頼性や、安定性は低下してしまう。
このような現状に対して、本発明者らは、被記録材について、又、世の中にある多種多様の化合物、インクについて再度考察、詳細な検討を重ねた。その結果、例えば、コピー紙等の普通紙表面は、記録物の画像品位向上のために疎水性を持たせており、水溶性インクを使用した場合に、水溶液の浸透が制御されるように構成されている。本発明者らは、以上のことから、良好なインクの定着性を達成するためには、水系インク中に疎水性の強い化合物を含有させることで、被記録材表面の疎水性部分を親水化する必要があるとの結論に達した。
しかしながら、通常、疎水性の強い化合物を水系インクに添加すると、疎水性が強まれば強まるほどインク中で不安定になり、分離してしまうことが生じる。又、疎水性の強い化合物を、親水性の強い化合物と併用することでミセル化し、可溶化する方法もあるが、ミセルを取り巻く水分子は、温度上昇等によりミセルとの結びつきが弱まってしまうため、ミセルが安定性を保つために巨大化したり、又は、安定性のために疎水性の強い化合物と分離してしまい、この結果、インクの信頼性の低下や、浸透性の低下を招く。
そこで、本発明者らは、疎水性の強い化合物を、親水性の強い化合物と併用することで形成されるミセルについて、ミセルの水溶液中での状態や、水への溶解或いは分散に寄与する各官能基について、再度、検討及び考察を行った結果、以下のことがわかった。
(1)ミセルとは、疎水部分を基点に複数の化合物が集まり、親水部分が水分子と水素結合を行い、水に溶解、分散しているものである。
(2)通常、疎水部分と親水部分とが、類似構造を有するものの方がミセルを造り易い。
(3)親水部分は、温度上昇等によって水和力が弱まると、ミセルの溶解、分散が一気に壊れたり、ミセルが安定化のために巨大化する。
(4)通常、用いられている水和基は、エチレンオキサイドを用いている。
そして、以上に列挙した事柄を、多角的な観点から再度検討した結果、本発明のインクの構成に至った。
本発明者らは、本発明にかかる水系インクは、下記に説明するような具体的なメカニズムによって、水系インクの安定性及び信頼性、更には、得られる記録物の定着性が良好なものになるものと予想している。一般に、疎水性の強い化合物を、親水性の強い化合物と共に用いることでミセル化し、可溶化する方法の場合、図1及び図2のようになると想像している。しかしながら、例えば、この系の温度が上昇していくと、図3及び図4のように、ミセルを取り巻いていた水分子とミセルとの結合が弱まり、ミセルを維持し難くなり、図5及び図6に示したように、引き付ける水分子の数を増やすためにミセルが巨大化したり[図6参照]、疎水性の強い化合物を分離させることで安定性を保つ[図5参照]。これに対して、本発明のインクの構成によれば、図7に示したように、親水性基を水酸基のみとする低疎水性の化合物を、ボールにペレットを打ち込むようにした構成のミセルが得られ、ミセルの有する親水性基の密度を高くなり、安定で、温度変化にも強いマイクロミセルが形成されるものと予想している。
又、良好な定着性に対しては、図8のように、例えば、印字品位を良好にするために表面を疎水性にしているコピー紙等にインクが付着されると、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上で組み合わされた界面活性剤が、コピー紙の疎水部分に積極的に付着することで、インクの浸透方向を親水化することで、良好な定着が得られるのではないかと予想している。一方、図中のインク水滴中に透明に溶解しているマイクロミセル状態の界面活性剤は、水との親和性が強いため、コピー紙の疎水部分に付着し難く、次のインク水滴中にある色材の定着性に貢献できる状態にある。
更に、良好な記録画像品位に対しては、水に透明に溶解している界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせは、界面活性剤の疎水部への付着性のバラツキにより図9に示したようにインクが紙面上で不規則に滲むのに対し、本発明のインクは、図10に示したように、インクが、被記録材面に付与されると、併用することでインク中の水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上で組み合わされた界面活性剤が、被記録材面及び内部の疎水部に積極的に付着していくために、ばらつきのない均一に近い滲みを発生させるだけでなく、空隙のある被記録材内部に対しても浸透を促進させることで、インクの浸透を良好にさせて、被記録材表面で形成される記録品位を良好にするものと考えられる。
本発明のインクを構成する水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤が、疎水基が同じ構造である水不溶性の第1の界面活性剤とHLBが10以上の第2の界面活性剤の組み合わせであると、インク中の他の成分による影響を受けたり、或いは与えたりし難いため本発明の効果が良好に発現する。又、このような組み合わせにおいて、また、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤が、ノニオン性界面活性剤で構成されていても、インク中の他の成分による影響を受けたり、或いは与えたりし難いため、より好ましい。
又、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤の組み合わせと、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物との組み合わせ等を含む本発明のインクから、色材成分を除いてクリアーインク状態が、白濁又は半透明な分散状態にならず、透明であることが好ましい。このような状態は、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤とアルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物の組み合わせにより形成される集合体が、マイクロミセル状態であることを意味しており、かかる状態は、温度等の外的要因に対して非常に安定で強固なミセル状態であるので、本発明のインクは、信頼性が向上するばかりでなく、先に述べた種々の効果が良好に発現されたものとなる。
更には、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤と、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物との組み合わせに於いて、インク中に用いられる含有量に調整された混合水溶液が透明であると、インク中で分離、析出が発生しにくく、インクの安定性を得やすいため好ましい。
本発明者らの更なる検討によれば、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤の組み合わせが、疎水基が同じ構造である水不溶性の第1の界面活性剤とHLBが10以上の第2界面活性剤との組み合わせにおいて、界面活性剤の組み合わせが、HLBの値が10であるか否かを境界条件とすることが、本発明の効果の発現をより良好にすることがわかった。更には、HLBが10以上13以下の化合物と、HLBが6以上10未満の化合物を組み合わせることが特に有効である。又、HLBが10以上のものの曇点が50℃以上であるものを使用することも、効果を良好にする。
また、疎水基が同じ構造である水不溶性の第1界面活性剤とHLBが10以上の第2界面活性剤の組み合わせで、前記界面活性剤の構造中に、不飽和基を有していると、マイクロミセル形成を良好に形成しやすく、特にアセチレン結合基を有している界面活性剤を使用することが好ましい。
又、組み合わされる界面活性剤の親水性ユニットが、開環したエチレンオキサイド、又は開環したエチレンオキサイドと開環したプロピレンオキサイドの組み合わせで構成されている界面活性剤を使用することが、インクの安定性を容易に発現させる上では好ましい。特に末端に水酸基を有するエチレンオキサイドを水溶性基として有するものが好ましい。
更に、好ましい界面活性剤としては、下記に示した一般式(I)を満足する化合物であること好ましい。
Figure 0004804146
(上記一般式(I)において、A及びBは夫々独立して、水素原子、及び下記一般式(IIA)及び(IIB)から選択され、XAは、Cn2n+1(nは、1〜10の整数)を、XBは、Cm2m+1(mは、1〜10の整数)を表す。又、YA及びYBは、開環したエチレンオキサイドユニット及び/又は開環したプロピレンオキサイドユニットを表し、a及びbは夫々独立して整数である。)
Figure 0004804146
上記一般式(I)中のAとBが同じものからなる構造のものを使用することも好ましい形態の一つである。更に、一般式(I)中の、Cn2n+1において、nが5〜7のいずれかの整数からなるものを使用することも好ましい。
次に、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物の構造が下記の一般式(III)で示される化合物を使用すれば、本発明の効果が容易に奏される。
Figure 0004804146
(上記一般式(III)において、R1、R2及びR3は、夫々独立に、水素原子、炭素数1〜16のアルキル基を表わす。(X)、(Y)及び(Z)は、夫々独立に、OH、又はD−OHを表わし、Dは、開環したエチレンオキサイド及び/又は開環したプロピレンオキサイドを表す。)
又、上記一般式(III)で示される構造を有する化合物が水溶性であることも好ましい。上記一般式(III)において、(X)、(Y)及び(Z)がOHであることが、信頼性の点で特に好ましい。又、一般式(III)において、R1及びR3が水素原子であることも、安定な集合体を形成する上で特に好ましい。疎水基が同じ構造である水不溶性の第1界面活性剤及びHLBが10以上の第2界面活性剤の疎水性ユニットとの組み合わせとアルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物との組み合わせにおいて、疎水基が同じ構造である水不溶性の第1の界面活性剤とHLBが10以上の第2の界面活性剤と、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物の疎水性ユニットとが異なっていると、本発明の効果をより良好にする。これらの疎水性ユニットが異なること及び化合物の親水部が水酸基のみのであることで、安定性が向上する。集合体の親水性の密度が高くなるためではないかと予想している。この化合物の親水部が水酸基のみであることは、マイクロミセルの分散安定化を向上する要因となっている。
本発明の水系インクは、更に、色材を溶解又は分散状態で含有される。上記でいう溶解又は分散状態の色材としては、例えば、化合物や色材自身が水に溶解・分散するもの(例えば、染料や親水性基を有する顔料)、及び色材を内包、含有したカプセルかしたものをさす。但し、顔料分散のような、樹脂等を分散剤として用いて色材を分散させる手法はあてはまらない。このタイプは、インク中に樹脂が分散されたような状態になるため、前記したメカニズムの効果が出にくいだけでなく、インクの信頼性に対してもあまり好ましい選択とは言えないからである。以下、上記したような液媒体中での色材の状態を、断りのない限り全て「溶解」と表現する。
本発明のインク中に含有させる色材としては、水可溶解基が化学的反応で結合している分散色材がインクの安定性の面から好ましい。水可溶解基が化学的反応で結合していないもの、例えば水可溶解基を有する高分子分散剤が物理的吸着しているものは、界面活性剤の影響で剥がれてしまう可能性が大きいからである。
又、本発明の水系インク水溶解色材を用いてもよいが、状況によって、水分散色材ほど効果が見られないこともある。その場合、被記録材に直接染着する色材(直接染料等)を用いる事、又は、構造中にアゾ基を有している色材を用いても良い。
又、カルボキシル基又はその塩の基を親水性基として有している構造の色材を用いることが好ましい。更には、色材の親水性基としてカルボキシル基又はその塩の基のみを有する色材を用いることが好ましい。特に、カルボキシル基は、スルホン基に比べて水との親和力が弱いため、カルボキシル基を有する色材を用いることで、本発明の水系インクの効果を良好に発現できる。
色材としては、具体的には、例えば、ダイレクトブラック168、ダイレクトブラック154等の、直接性の強いジス又はトリスアゾ色材、ダイレクトイエロー142、ダイレクトイエロー86、ダイレクトレッド227、ダイレクトレッド80等の二量体構造の色材、ダイレクトブルー199等の含金属色材、及び、下記に示すような、遊離酸の形で一般式(A)〜(C)で示される色材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
遊離酸の形で下記一般式(A)で表わされる色材:
Figure 0004804146
[一般式(A)中、Pcは含金属フタロシアニン核、R1、R2及びR3は各々独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アラルキル基又は置換アラルキル基を表す。Lは2価の有機連結基を表す。Xは、夫々独立に、カルボニル基又は下記(2)〜(4)式で示される基を表す。
Figure 0004804146
(上記(2)〜(4)式中の各Zは夫々独立に、NR45、SR6又はOR6を表し、(3)式中のYは、H、Cl、上記Z、SR7又はOR7を表し、(4)式中のEは、Cl又はCNを表す。R4、R5、R6及びR7は各々独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基を表し、R4及びR5は、窒素原子と共に5又は6員環を形成する。)Gは、1又は2個のCOSH又はCOOHで置換された無色有機残基を表し、t+qは3又は4である。]
遊離酸の形で下記一般式(B)で表わされる色材:
Figure 0004804146
[上記一般式(B)式中、Jは下記式を表す。
Figure 0004804146
一般式(A)中、Ar1及びAr2は、各々独立に、アリール基又は置換アリール基であって、Ar1とAr2の少なくとも1つが独立にCOOHとCOSHから選ばれる置換基を1個以上有する。R1及びR2は独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基又は置換アルケニル基を表し、Lは2価の有機連結基を表し、nは0又は1を表す。Xは夫々独立に、カルボニル基、又は下記(2)、(3)又は(4)式で示される基を表す。
Figure 0004804146
(上記(2)〜(4)式中のZは夫々独立に、NR34、SR5又はOR5を表し、(3)式中のYは夫々独立に、H、Cl、上記のZ、SR6又はOR6を表し、(4)式中のEは夫々独立に、Cl又はCNを表す。R3、R4、R5及びR6は夫々独立に、H、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、置換アルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、置換アラルキル基を表し、R3又はR4は窒素原子と共に5又は6員環を形成する。)又、一般式(B)で表される化合物は、少なくともSO3Hと同数のCOOH又はCOSHから選ばれた基を有する。]
遊離酸の形で下記一般式(C)で表わされる色材:
Figure 0004804146
[上記一般式(C)中、Ar及びAr1は夫々独立に、アリール基又は置換アリール基を示し、Ar及びAr1の少なくとも1つは、スルホン基、カルボキシル基及びチオカルボキシル基からなる群から選ばれる置換基を有する。J及びJ1は夫々独立に、下記一般式(2)、(3)又は(4)で示される。
Figure 0004804146
(上記式(2)中、R5は、独立に、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、CN、ウレイド基及びNHCOR6から選択される。該R6は、水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基及び置換アラルキル基から選択される。式(3)中、Tは、アルキル基を示し、Wは、水素原子、CN、CONR1011、ピリジウム基及びカルボキシル基から選択される。R10及びR11は夫々独立に、水素原子、アルキル及び置換アルキル基から選択される。mは、炭素数2〜8のアルキレン鎖を示し、式(4)中、Bは、水素原子、アルキル基及びカルボキシル基から選択される。
又、式(C)中の、R1、R2、R3及びR4は夫々独立に、水素原子、アルキル及び置換アルキル基から選択され、Lは、2価の有機結合基を示し、nは、0又は1を示し、Xは独立に、カルボニル基又は下記一般式(5)、(6)又は(7)で示される。
Figure 0004804146
(上記式(5)〜(7)中、Zは、OR7、SR7及びNR89から選択され、Yは、水素原子、Cl、CN及びZから選択され、Eは、Cl及びCNから選択される。R7、R8及びR9は夫々独立に、水素原子、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキル基、置換アルキル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基又は置換アラルキル基を示し、更に、R8又はR9は、これらが結合された窒素原子と共に5又は6員環を形成する場合もある。)
且つ、一般式(C)の化合物がスルホン基をもたない場合は、少なくとも2個のカルボキシル基及びチオカルボキシル基から選ばれる基を有し、一般式(C)の化合物は、スルホン基と少なくともスルホン基と同数のカルボキシル基及びチオカルボキシル基から選ばれる基を有する。]
上記のような色材の使用量については特に制限されないが、一般的には、インクの全質量に対して0.1〜15質量%の範囲が好適で、より好適には0.1〜10質量%である。
インクの安定性の面から、本発明の水系インクは、更に、インク中に一価アルコールが併用されているものであることが好ましい。一価アルコールは、例えば、ガソリンの水抜きのように、水と油を混合する効果を有している。このことは、先に説明したメカニズムを発現させる際のインクの安定性の面から、一価アルコールがインクに併用されている形態が好ましいものであることを示している。更に、一価アルコールは、被記録材上にインクを付与した場合に、蒸発や、被記録材中への浸透に対して良好な効果があるため、本発明の効果をより良好に発現させるものとして有効である。一価アルコールの本発明のインク中への含有量としては、インク全質量に対して0.1〜20質量%、好ましくは、0.5〜10質量%である。本発明のインク成分として使用することのできる一価アルコールの具体例としては、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等が挙げられる。
更に、本発明の水系インクは、保水剤が併用されていてもよい。保水剤としては、尿素及び尿素誘導体から選択される化合物を用いることが好ましい。尿素及び尿素誘導体をインク中に含有させると、インクの安定性が良好になる。更に、尿素及び尿素誘導体から選択される化合物は、溶剤助剤としての効果もあるので、インクの安定性に対しても好ましい。
更に、例えば、被記録材が上質紙等であった場合、上質紙の水分保水性により本発明の定着性向上の効果を発現し易くなる。即ち、被記録材中の水分が保持されることにより、インクと被記録材界面でのなじみ時間を早くさせることで、定着性を良好にするのではないかと予測している。
尿素誘導体としては、環状化合物ではない化合物が好ましく、例えば、尿素のアルキル誘導体及び尿素のエチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサイド付加物から選ばれた少なくとも1種、又は、上記誘導基の少なくとも2個で誘導された化合物から適宜に選択して用いることが好ましい。但し、インクを構成する各成分の量や種類によって選択は変わる。又、水溶性であるものを使用することが好ましい。上記使用量については特に制限されないが、一般的には、インクの全質量に対して0.1〜15質量%の範囲で含有させることが好適であり、更には0.1〜10質量%の範囲で含有させることが好適である。
本発明の水系インクは、必要に応じて、更に、水溶性有機溶剤、界面活性剤、防錆剤、防腐剤、防カビ剤、酸化防止剤、還元防止剤、蒸発促進剤、キレート化剤、水溶性ポリマー及びpH調整剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
本発明の水系インクに使用する液媒体としては、先に述べたように水を用いることが好ましいが、更に、水溶性有機溶剤を添加して水との混合物を用いることも好ましい。この際に用いることのできる具体的な水溶性有機溶剤の例としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン等のケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド、2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等の環状アミド化合物及びスクシンイミド等のイミド化合物等が挙げられる。
又、使用する水溶性有機溶剤としては、溶解度パラメーターが、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみであるの溶解度パラメーター値よりも大きいものを使用することが好ましい。このようにすれば、インク状態での気液界面を含めた安定性が好ましい方向になるからである。このような化合物として、上記の中でも特に、常温で液体であるグリコール化合物を使用することが好ましい。又、本発明のインクに含有させるこれらの水溶性有機溶剤の使用量については、特に限定されないが、一般的には、インク全質量に対して0.1〜15質量%の範囲が好適であり、より好ましくは0.1〜10質量%である。
上記したような水溶性有機溶剤の含有量は、一般には、インクの全質量に対して質量%で1%〜40%が好ましく、より好ましくは3%〜30%の範囲である。又、インク中の水の含有量は、30〜95質量%の範囲で使用される。30質量%より少ないと色材の溶解性等が悪くなり、インクの粘度も高くなるため好ましくない。一方、水が95質量%よりも多いと蒸発成分が多過ぎて、十分な固着特性を満足することができない。
本発明の水系インクは、表面張力が40dyn/cm(mN/m)以下であることが好ましい。先に説明したメカニズムの発現のためには、例えば、液滴が記録後に広がりを有するものの方が、本発明の効果を発現するものとして好ましいからである。又、本発明のインクのpHは、インクの安定性の面から8以上であることが好ましい。
更に、本発明の水系インクは、先に列挙したような色材の有するイオン性親水基の対イオンとして、複数の対イオン成分を併有しているのが好ましい。例えば、複数のアルカリ金属イオンを併用する、又はアルカリ金属イオンとアンモニウムイオンとを併用することが好ましい。本発明のインクをインクジェット記録に用いた場合、両者が併用されていると、インクの安定性及びインクの吐出性が良好になる。アルカリ金属イオンとしては、Li+、Na+及びK+等を挙げることができる。
以上のようにして構成される本発明の水系インクは、通常の文具用のインクとしても用いることができるが、インクジェット記録で用いられる際に、特に効果的である。インクジェット記録は、文具のように筆圧で被記録材に記録するのとは違い、インク滴を紙等の被記録材表面に着弾させて、インク滴自身の浸透、広がりで記録を行い記録される方式であり、インク滴の界面状態が記録品位に大きな影響を及ぼすからである。インクジェット記録方法としては、インクに力学的エネルギーを作用させて液滴を吐出する記録方法、及びインクに熱エネルギーを加えてインクの発泡により液滴を吐出するインクジェット記録方法があるが、本発明のインクは、特に、熱エネルギーによるインクの発泡現象によりインクを吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適用する場合に好適であり、吐出が極めて安定となり、サテライトドットの発生等が生じないという特徴がある。但し、この場合には、インクの熱的な物性値(例えば、比熱、熱膨張係数、熱伝導率等)を調整する場合もある。
更に、本発明の水系インクは、インクジェット用ヘッドに対するマッチングを良好にする面から、インク自体の物性として25℃における表面張力が30〜40dyn/cm(mN/m)、粘度が15cP(mPa・s)以下、好ましくは10cP(mPa・s)以下、より好ましくは5cP(mPa・s)以下に調整されることが望ましい。従って、上記物性にインクを調整し、且つ、普通紙における記録を可能とするためには、本発明のインク中に含有される水分量としては50質量%以上98質量%以下、好ましくは60質量%以上95質量%以下とするのが好適である。
本発明の水系インクは、インクジェット吐出方式のヘッドに用いられ、又、そのインクが収納されているインク収納体(記録ユニット、インクカートリッジ等)としても、或いは、その充填用のインクとしても有効である。特に、本発明は、インクジェット記録方式の中でもバブルジェット(登録商標)方式の記録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもたらすものである。
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4,723,129号明細書、同第4,740,796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、インクが保持されているシートや液路に対応して配置された電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を超える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応して、インク内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介してインクを吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優れたインクの吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4,463,359号明細書、同第4,345,262号明細書に記載されているようなものが適している。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4,313,124号明細書に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことができる。
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4,558,333号明細書、米国特許第4,459,600号明細書を用いた構成或いは、特許第2962880号公報、特許第3246949号公報、更には特開平11−188870号公報に記載されている大気連通方式の吐出方式にも本発明は有効である。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通する吐出孔を電気熱変換体の吐出部とする構成(特開昭59−123670号公報等)に対しても、本発明は有効である。更に、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによって、その長さを満たす構成や一体的に形成された一個の記録ヘッドとしての構成のいずれでも良いが、本発明は、上述した効果を一層有効に発揮することができる。
加えて、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、或いは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。又、本発明は、適用される記録装置の構成として設けられる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャピング手段、クリーニング手段、加圧或いは吸引手段、電気熱変換体或いはこれとは別の加熱素子或いはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードである。
以上、説明した本発明の好ましいインクジェット記録方法形態について、以下にまとめて示す。先ず、本発明の水系インクは、インク滴を記録信号に応じてオリフィスより吐出させて被記録材に記録を行って記録物を得るインクジェット記録方法において、前記インクが水に対して分散するマイクロミセルを含む水系インクであって、前記マイクロミセルが、水に対して白濁又は半透明な分散状態になる2種以上の界面活性剤と、アルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物と、から成るマイクロミセルであることを特徴とする水系がポリアセテート、ポリオレフィンからなる群より選択された化合物により形成されているインク保持体やインク収容体に収められていることを特徴とするインクジェット記録方法であることが好ましい。また、特に好ましいのは、インク保持体やインク収容体はポリプロピレンで形成されているのが良い。
本発明の水系インク滴を記録信号に応じてオリフィスより吐出させて被記録材に記録を行って記録物を得るインクジェット記録方法は、インクとして、上記に挙げた好ましい形態を有する本発明のインクを用いることを特徴とする。本発明のインクジェット記録方法は、オリフィスより吐出させるためのインクに熱エネルギーを作用させて、インク滴を吐出させるタイプのものが好ましい。又、オリフィスより吐出させるインク滴が、50ng以下、好ましくは、35ng以下、更に好ましくは25ng以下である方が、本発明の効果が一段と良好になる。ただし、被記録材、記録環境等による影響も大きいため、状況に応じて対処する必要がある。
又、本発明の好ましい別の形態としては、インクを収容したインク収容部、該インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニットであって、インクが、上記に挙げた好ましい形態を有する本発明のインクを少なくとも1種のインクであることを特徴とする記録ユニットが挙げられる。本発明の記録ユニットの好ましいものとしては、ヘッド部が、熱エネルギーを作用させてインク滴を吐出させる構成を有する形態のもの、インク収容部が、ポリオレフィンで形成されている形態のもの、インク収容部が、内部にインク保持体を有している形態のもの、該インク保持体が、ポリビニルアセテート及びポリオレフィンからなる群から選択された少なくとも1種で形成されている形態のものが挙げられる。
更に、本発明の記録ユニットの好ましいものとしては、インク保持体が、多孔質体である形態のもの、インク保持体が、多層構造体を有する形態のもの、該多層構造体の多層配列方向が、インク収容部のインク廃出方向に配列している形態のもの、インク保持体が、繊維集合体である形態のもの、該繊維集合体が、インク収容部のインク廃出方向に配列されている、又、これらのインク保持体が、インク収容部と接触面を有している形態のものが挙げられる。
又、本発明の好ましい別の形態としては、インクを収容したインク収容部を備えたインクカートリッジであって、インクが、上記に挙げた好ましい形態を有する本発明のインクを少なくとも1種のインクであることを特徴とするインクカートリッジが挙げられる。その好ましいものとしては、インク収容部が、ポリオレフィンで形成されている形態のもの、インク収容部が、内部にインク保持体を有している形態のもの、該インク保持体が、ポリビニルアセテート及びポリオレフィンからなる群から選択された少なくとも1種で形成されている形態のもの、インク保持体が、無機化合物のポリマーで構成されている形態のものが挙げられる。
更に、本発明の記録カートリッジの好ましいものとしては、インク保持体が、多孔質体である形態のもの、インク保持体が、多層構造体を有する形態のもの、該多層構造体の多層配列方向が、インク収容部のインク廃出方向に配列している形態のもの、インク保持体が、繊維集合体である形態のもの、該繊維集合体が、インク収容部のインク廃出方向に配列されている、又、これらのインク保持体が、インク収容部と接触面を有している形態のものが挙げられる。
又、本発明の好ましい別の形態としては、インクを収容したインク収容部と、該インクをインク滴として吐出させるためのヘッド部とを備えたインクジェット記録装置であって、インクが、上記に挙げた好ましい形態を有する本発明のインクを少なくとも1種のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置が挙げられる。その好ましいものとしては、記録ユニットが、上記に挙げた本発明の記録ユニットの少なくとも1種の記録ユニットである形態のものが挙げられる。
更に、本発明の好ましい別の形態としては、インク滴を吐出させるための記録ユニット、インクを収容したインク収容部を有するインクカートリッジ、及び、該インクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するためのインク供給部を備えたインクジェット記録装置にであって、インクが、上記に挙げた好ましい形態を有する本発明のインクを少なくとも1種のインクであることを特徴とするインクジェット記録装置が挙げられる。その好ましいものとしては、記録ユニットが、上記に挙げた本発明の記録ユニットの少なくとも1種の記録ユニットである形態のもの、又、インクカートリッジが、上記に挙げた本発明のインクカートリッジの少なくとも1種のである形態のものインクジェット記録装置が挙げられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部及び%とあるものは、特に断りない限り質量基準である。
<ブラック顔料分散体Aの作成>
表面積230m2/gでDBP吸油量70ml/100gのカーボンブラック10gと、p−アミノ−N−安息香酸3.41gと、純水72gとをよく攪拌した後、硝酸1.62gを滴下しながら70℃で攪拌した。十分に攪拌した後、純水5gに対し亜硝酸ナトリウム1.07gを溶解させたものを加え、更に1時間攪拌した。次に、得られたスラリーを濾紙(商品名;東洋濾紙No.2;アドバンティス社製)で濾過し、濾過した顔料粒子を十分に水洗した後、90℃のオーブンで乾燥させ、更にこの顔料に純水を足して顔料濃度10質量%の顔料水溶液(Bk顔料分散体A)を作成した。以上の方法によりカーボンブラックの表面に下記化学式に示す基を導入した。
Figure 0004804146
<ブラック顔料分散体Bの作成>
5.3gの水に5gの濃塩酸を溶かした溶液を5℃においてアントラニル酸1.58gを加えた。これにアイスバスで撹拌することにより常に10℃以下に保たれた状態で、5℃の8.7gの水に1.78gの亜硝酸ナトリウムを加えた溶液を加えた。これに更に15分撹拌後、表面積が320m2/gで、DBP吸油量が120ml/100gのカーボンブラック20gを混合した状態のまま加え、更に15分撹拌した。得られたスラリーを濾紙(商品名;東洋濾紙No.2;アドバンティス社製)で濾過し、濾過した顔料粒子を十分に水洗し、110℃のオーブンで乾燥させ、更にこの顔料に水を足して顔料濃度10質量%の顔料水溶液を作成した。以上の方法によりカーボンブラックの表面に下記化学式に示す基を導入した。
Figure 0004804146
<実施例1〜7、比較例1〜8>
下記の表1に示す配合にて、実施例1〜7、及び比較例1〜8の各インクを作成した。その際、下記表1、表2に示す各成分を混合し、十分に攪拌して溶解及び/又は分散させた後、ポアサイズ0.1μmのフロロポアフィルター(商品名:住友電工(株)製)にて加圧濾過し、夫々のインクを調製した。
表中のアルキル基を有し且つ水溶解基が水酸基のみである化合物としては、下記のものを用いた。また、表中の数値の単位は質量%である。
Figure 0004804146
Figure 0004804146
Figure 0004804146
<評価>
(クリアーインクの外観評価)
先ず、上記の表1及び表2に示した実施例1〜7及び比較例1〜8のインク組成から、夫々色材を除いたクリアーインクを作製した。次に、得られたクリアーインクを透明なガラス容器に移し、水温25℃の環境下での外観を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:クリアーインクが濁っておらず、気液界面付近でも分離していなかった。又、吸光度計で測定しても吸収は認められなかった。
×:クリアーインクが濁っている、及び/又は気液界面付近で分離相が認められた。
(曇点の測定)
上記クリアーインクの外観評価で作製した透明なガラス容器に入ったインクを、水を満たしたウォーターバスに入れ、水温を25℃から95℃まで徐々に上げていき、その過程での曇点の発現状況を観察し、下記の基準で評価した。
○:曇点が観察されず。
△:昇温の過程でわずかな濁りが発現した。
×:昇温の過程で明確な濁りが発現した。
(定着性の評価1)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、温度25℃、湿度55%の環境下で、市販のコピー紙に各種パターンを印字後、印字部分を手で擦った時の印字部分の汚れ具合を目視で観察し、下記の基準で評価した。
○:印字後0.2秒で印字部分の汚れがなかった。
△:印字後0.5秒で印字部分の汚れがなかった。
×:印字後1.0秒で印字部分の汚れがなかった。
××:印字後1.0秒で印字部分が汚れた。
(定着性の評価2)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、温度30℃、湿度80%の高温高湿環境下で、市販のコピー紙に各種パターンを印字後、印字部分を手で擦った時の印字部分の汚れ具合を観察し、下記基準で評価した。
○:印字後0.2秒で印字部分の汚れがなかった。
△:印字後0.5秒で印字部分の汚れがなかった。
×:印字後1.0秒で印字部分の汚れがなかった。
××:印字後1.0秒で印字部分汚れた。
(安定性の評価1)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、透明なガラス容器に移し、25℃環境下で1ヶ月間放置し、下記基準で評価した。
○:沈殿物、浮遊物、色調の変化が見られなかった。
△:沈殿物及び/又は浮遊物が僅かに認められたが、色調の変化は見られなかった。
×:沈殿物及び/又は浮遊物が多く認められた。
(安定性の評価2)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、透明なガラス容器に移し、5℃環境下で1ヶ月間放置し、下記基準で評価した。
○:沈殿物、浮遊物、色調の変化が見られなかった。
△:沈殿物及び/又は浮遊物が僅かに認められたが、色調の変化が見られなかった。
×:沈殿物及び/又は浮遊物が多く認められた。
(安定性の評価3)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、透明なガラス容器に移し、60℃環境下で1ヶ月間放置し、下記基準で評価した。
○:沈殿物、浮遊物、色調の変化が見られなかった。
△:沈殿物及び/又は浮遊物が僅かに認められたが、色調の変化が見られなかった。
×:沈殿物及び/又は浮遊物が多く認められた。
(吐出性の評価1)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、実験室環境で、英数文字をインクカートリッジを使い切るまで連続印字し、下記基準で評価した。
○:印字に乱れがなく、最後まできれいに印字できた。
△:印字に若干の乱れが認められたが、その状態で、最後まで印字できた。
×:印字に乱れが認められ、最後まできれいな印字はできなかった。
(吐出性の評価2)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、30℃環境下で、英数文字をインクカートリッジを使い切るまで連続印字し、下記基準で評価した。
○:印字に乱れがなく、最後まできれいに印字できた。
△:印字に若干の乱れが認められたが、その状態で、最後まで印字できた。
×:印字に乱れが認められ、最後まできれいな印字はできなかった。
(吐出性の評価3)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、15℃環境下で、英数文字を連続印字し、下記基準で評価した。
○:印字に乱れがなく、最後まできれいに印字できた。
△:印字に若干の乱れが認められたが、最後まで印字することはできた。
×:印字に乱れが認められ、最後まで印字することはできなかった。
(放置後の吐出性の評価)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、実験室環境下に1ヶ月間放置した後、英数文字を印字し、放置前の印字と比較して、下記基準で評価した。
○:印字に乱れがなく、きれいに印字でき、放置前と遜色なかった。
△:放置前と比べ、印字に若干の乱れが認められた。
×:放置前と比べ、印字に乱れが多数認められた。
(印字品位評価)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF600(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、実験室環境下で、各種パターンを印字し、下記基準で評価した。
○:インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)用の正規品インクと比べ、遜色なかった。
△:インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)用の正規品インクと比べ、若干滲みが認められた。
×:インクジェットプリンターBJF800(製品名:キヤノン(株)製)用の正規品インクと比べ、滲み度合い多かった。
(耐水性の評価)
表1及び表2に示した組成の実施例1〜7及び比較例1〜8のインクを、インクジェットプリンターBJF600(製品名:キヤノン(株)製)に搭載し、実験室環境下で、各種パターンを印字し、印字後1時間放置後、水道水を印字面にかけ、印字面の汚れを下記基準で評価した。
○:印字面が汚れず、きれいなままであった。
△:印字面に若干の汚れが生じたが、判読に支障はなかった。
×:印字面が非常に汚れ、判読しづらかった。
Figure 0004804146
尚、実施例の曇点の評価は、マイクロミセルが形成されているか否かの判定にもなる。前述したように、HLBが10以上13以下の界面活性剤と、HLBが6以上10未満の界面活性剤とを組み合わせた実施例1乃至6が更に好ましいことが表3から理解できる。
Figure 0004804146
尚、比較例の曇点は、クリアーインク状態で、既ににごった状態であるため、測定不要であるので、測定していない。
この出願は2003年12月11日に出願された日本国特許出願第2003−412848号からの優先権を主張するものであり、その内容を引用してこの出願の一部とするものである。
図1は界面活性剤がミセル化し、可溶化した状態の模式図である。 図2は界面活性剤がミセル化し、可溶化した状態の模式図である。 図3は界面活性剤がミセル化し、可溶化した状態で、温度が上昇し、水分子とミセルの結合か弱まった状態を表す模式図である。 図4は界面活性剤がミセル化し、可溶化した状態で、温度が上昇し、水分子とミセルの結合か弱まった状態を表す模式図である。 図5は界面活性剤によるミセルが巨大化した状態を表す模式図である。 図6は界面活性剤によるミセルが分離した状態を表す模式図である。 図7は本発明を表す模式図である。 図8は疎水性の強い化合物が、被記録材表面の疎水部に優先的に付着し、インクの浸透方向が親水化される機構の模式図である。 図9は従来のインクにおける、インクの被記録材への着弾後に、疎水性ユニット部が均一な面を形成しにくく、インクが不規則に滲むことの模式図である。 図10は本発明のインクにおける、インクの被記録材への着弾後に、疎水性ユニット部が均等な面を形成することにより、インクが均一に滲むことの模式図である。

Claims (8)

  1. 併用することで水に対して白濁又は半透明な分散状態のミセルを形成する2種以上の界面活性剤と、前記界面活性剤夫々が有する疎水性ユニットの疎水性よりも低い疎水性のアルキル基を備え、水溶解基が水酸基のみである化合物と、で構成されるマイクロミセルを有する水系インクであって、
    前記2種以上の界面活性剤が、夫々の疎水性ユニットが同じ構造で、HLBが6以上10未満の第1界面活性剤と、HLBが10以上15以下の第2界面活性剤と、を含み、かつ下記一般式(I)で示され、
    前記界面活性剤夫々が有する疎水性ユニットの疎水性よりも低い疎水性のアルキル基を備え、水溶解基が水酸基のみである化合物が、下記一般式(III)で示されることを特徴とする水系インク。
    Figure 0004804146
    (上記一般式(I)において、A及びBは夫々独立して、水素原子、及び下記一般式(II A )及び(II B )から選択され、X A は、C n 2n+1 (nは、1〜10の整数)を、X B は、C m 2m+1 (mは、1〜10の整数)を表す。又、Y A は、開環したエチレンオキサイドユニット及び/又は開環したプロピレンオキサイドユニットを表し、a及びbは夫々独立して整数である。)
    Figure 0004804146
    Figure 0004804146
    (上記一般式(III)において、R 1 、R 2 及びR 3 は、夫々独立に、水素原子、炭素数1〜16のアルキル基を表わす。(X)、(Y)及び(Z)は、夫々独立に、OH、又はD−OHを表わし、Dは、開環したエチレンオキサイド及び/又は開環したプロピレンオキサイドを表す。)
  2. 更に色材を有する請求項1に記載の水系インク。
  3. 前記色材が、水分散色材である請求項に記載の水系インク。
  4. 前記色材が、水可溶化基として遊離酸の状態でカルボキシル基を有する色材である請求項に記載の水系インク。
  5. 請求項1乃至のいずれかに記載された水系インクを記録信号に応じてオリフィスよりインク滴として吐出させて被記録材に記録を行って記録物を得ることを特徴とするインクジェット記録方法。
  6. エネルギーを作用させて前記インク滴を吐出させる請求項に記載のインクジェット記録方法。
  7. 請求項1乃至のいずれかに記載された水系インクを収納するインク収容部を備えたことを特徴とするインクカートリッジ。
  8. 請求項1乃至のいずれかに記載された水系インクを被記録材上に付与させて形成されたことを特徴とする記録物。
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