JP4802504B2 - 変速装置およびそれを用いた車両用可変舵角装置 - Google Patents
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Description
前記トルク伝達要素は、同軸上にローラとギアを一体的に形成したギア付きローラを、複数個有し、
これらのギア付きローラのローラ同士によるトルク伝達経路とギア同士によるトルク伝達経路とを並列に形成し、
常用操作域である低トルク域では前記ローラ同士によるトルク伝達経路のみにて前記入出力間でのトルク伝達を行い、
前記常用操作域を超えた高トルク域では、前記ギア同士によるトルク伝達経路のみにて前記入出力間でのトルク伝達を行うようにした。
一方、常用操作域を超える高トルク域では、ローラ同士間が大きく滑るが、ギアの歯同士が接触してギア同士によるトルク伝達経路にて入出力間でのトルクの伝達を行う。すなわち、このようにローラにギアの遊び以上のすべりが発生した場合、ギアによる噛み合いにてトルク伝達が確保されるというギアによる補償作用が達成される。
また、ギアによるトルク伝達時、トルク伝達方向が変更された場合は、低トルク域であればローラ同士によるトルク伝達経路のみにて入出力間でのトルクの伝達を行い、高トルク域であれば過渡的にローラがトルク伝達を受け持った後、ギアの歯同士が接触してギア同士による伝達経路のみにて入出力間でのトルクの伝達を行い、トルク伝達方向が変更された場合には過渡的にローラ同士のトルク伝達経路によるトルク伝達で歯同士の打音等の発生を防止できる。
すなわち、トルク伝達要素をギア付きローラとすることで、ローラとギアの相互補償作用により、円滑なトルク伝達と確実なトルク伝達とを両立できる。
図1は、本発明の車両用可変舵角装置を適用した車両操舵装置の構成を示すシステムブロック図である。
可変舵角機構20は、同軸上にローラとギアを一体的に形成したギア付きローラであり、太陽ギア12付き太陽ローラ13と、遊星ギア4付き遊星ローラ5を支持するキャリア3と、リングギア7付きリングローラ8と、を有する遊星機構であり、遊星ギア4付き遊星ローラ5は、太陽ギア12付き太陽ローラ13とリングギア7付きリングローラ8とに噛み合いながら接している。
[低トルク入力時のトルク伝達経路]
図3に、走行時の常用操舵トルク域(低トルク域)における可変舵角機構20の作動を示す。
入力フランジ1からの入力トルクによって、太陽ローラ13と太陽ギア12は同期して回転する。太陽ローラ13の回転に伴い遊星ローラ5が回転する。遊星ローラ5の回転により、キャリア3および出力軸15が回転する。
摩擦伝達であるローラは、ローラのすべりに伴ってトルクを伝達する特性を有する。そして、すべり率の小さな領域では、すべりと伝達トルクが比例する弾性領域となる。
図5に、高トルク域における可変舵角機構20の作動を示す。
入力フランジ1からの入力トルクによって、太陽ローラ13と太陽ギア12は同期して回転し、太陽ローラ13の回転に伴い遊星ローラ5が回転する。このとき、太陽ローラ13と遊星ローラ5の間のすべりが大きくなると、太陽ギア12と遊星ギア4が接触して回転する。
操舵開始初期の低トルク領域では、弾性領域、すなわちすべりと伝達トルクが比例関係にある領域で、ローラによりトルクが伝達される。伝達トルクが徐々に大きくなり、すべりが増加して歯車が接触すると、すべりは停止し、歯車によるトルクの伝達が開始される。従って、可変舵角機構20の伝達トルク特性は、図6の太線で示すような特性となる。
ギアのみでトルク伝達経路を形成すれば、遊びや片当たりの問題があり、トルク伝達方向が変更される場合に、打音や振動が発生し、音振性能が低い。また、ローラのみでトルク伝達経路を形成すると、すべりの問題があり、すべりの大きな領域ではトルク伝達効率が悪化する。
実施例1の車両操舵装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
図7は、実施例2の可変舵角機構20aを組み込んだステアリングの構成図である。
実施例2の可変舵角機構20aは、実施例1に示したものと同一形状の遊星機構を対称配置したものであり、コラムアッパ18側を第1遊星機構A、コラムロア22側を第2遊星機構Bと呼ぶことにする。なお、遊星機構の細部構造については、実施例1と同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
コラムアッパ18からの入力トルクは、第1遊星機構Aのキャリア3から太陽ローラ13へ伝達される。続いて、シャフト30を介して第2遊星機構Bの太陽ローラ13へ伝達され、キャリア3からコラムロア22へと出力される。
実施例2の車両操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2),(3),(5)に加え、下記の効果が得られる。
図9は、実施例3の可変舵角機構20bを示す構造図であり、実施例3の可変舵角機構20bは、第1遊星機構Aと第2遊星機構Bの配置で実施例2と異なる。
コラムアッパ18からの入力トルクは、第1遊星機構Aの太陽ローラ13からキャリア3へ伝達される。続いて、シャフト31を介して第2遊星機構Bのキャリア3へ伝達され、太陽ローラ13からコラムロア22へと出力される。
実施例3の車両操舵装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)の効果に加え、下記の効果が得られる。
図10は、実施例4の可変舵角機構20cを示す構造図である。
実施例4の可変舵角機構20cは、第1遊星機構Aと第2遊星機構Bの太陽ローラ13,13同士を、フレキシブルなケーブル28を用いたケーブル式コラムで連結した点で、実施例2と異なる。
コラムアッパ18からの入力トルクは、第1遊星機構Aのキャリア3から太陽ローラ13へ伝達される。続いて、ケーブルコラム29aからケーブル28を介してケーブルコラム29bへと伝達され、第2遊星機構Bの太陽ローラ13からキャリア3、コラムロア22へと出力される。
実施例4の車両操舵装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)と実施例2の(6)の効果に加え、下記の効果が得られる。
図11は、実施例5の可変舵角機構20dを示す構造図である。
実施例5の可変舵角機構20dは、第1遊星機構Aと第2遊星機構Bのキャリア3,3同士を、フレキシブルなケーブル28を用いたケーブル式コラムで連結した点で、実施例3と異なる。
コラムアッパ18からの入力トルクは、第1遊星機構Aの太陽ローラ13からキャリア3へ伝達される。続いて、ケーブルコラム29aからケーブル28を介してケーブルコラム29bへと伝達され、第2遊星機構Bのキャリア3から太陽ローラ13、コラムロア22へと出力される。
実施例5の車両操舵装置にあっては、実施例1の(1),(2),(3),(5)と実施例3の(7)の効果に加え、下記の効果が得られる。
図12は、実施例6の変速装置の構成図である。
変速装置は、入出力間のトルク伝達系に設けられ、同軸上にローラとギアを一体的に形成したギア付きローラである。変速装置は、遊星ギア4付き遊星ローラ5を支持するキャリア(図示せず)と、太陽ギア12付き太陽ローラ13と、リングギア7付きリングローラ8とからなる遊星機構を備えている。そして、遊星ギア4付き遊星ローラ5は、太陽ギア12付き太陽ローラ13とリングギア7付きリングローラ8とに噛み合いながら接している。
変速装置は、各ギア付きローラの摩擦力によって力を伝達するころがり伝動装置であり、図13に示すように、トルク伝達系の入力側と連結された駆動側ローラと、トルク伝達系の出力側と連結された従動側ローラとの間に油膜を形成し、ローラの表面速度差に伴い油膜に発生するせん断応力によってトルクを伝達する。
α=(V1−V2)/V1 …(1)
V1'=(r1'/r1)V1
V2'=(r2'/r2)V2 …(2)
r1'r2/r1r2'=1−αk …(3)
0<αk<αr ・・・(4)
この変速装置を、例えば、可変操舵角装置に用いる場合を想定する。
可変舵角装置には、運転者によるハンドルからの操舵入力および路面からの反力が入力される。しかし、路面からの反力に比べ、ハンドルからの操舵入力の力(操舵力)および角速度(操舵角速度)が大きいことから、ハンドルからの操舵入力を主な駆動源とみなす。よって、ハンドル側を駆動側として上述の式(2)〜(4)を適用し、ハンドル側の歯車ピッチ円径をローラの外径に対し小さく、タイヤ側の歯車ピッチ円径を同ローラの外径に対し大きく設定する。
θ(t)=∫KTR(T(τ)・|ω(τ)−TK・ω(τ))dτ| …(5)
ただし、KTR=CTR×αr/Tmax ,CTR:入力−太陽増速比,Tmax:定格トルク,TK:すべり率αkのときの伝達トルクである。
(イ)の期間では、ローラの外径とギアの歯車ピッチ円径が等しい場合に比べ、ローラの外径と歯車ピッチ円径の比を適切に設定した可変舵角機構では位相のずれが負の方向になる。(ロ)の期間では、正の向きに位相のずれが生じ、初期位置に近くなっていく。(ハ)の期間において、位相のずれは増加するが、操舵角速度が小さいため増加量は少ない。また、同方向への操舵に対し、トルクの大小により歯の位相のずれる方向が変化するため、全体として推移のピークが低くなっている。ここで、仮にαk<0とすると、αk=0の場合より広い範囲で位相のずれが増加する。αk>αrとすると、全域で歯車の位相ずれが負の方向に進み、歯車の歯が逆側に当たってしまうことになる。よって、ローラの外径とギアの歯車ピッチ円径の比を適切な範囲内で設定することによって、歯の位相のずれを抑え、操舵力の常用域において歯車の歯が当たる確率を減らすことができる。
V2=(1−αk)V1 …(6)
の速度差に固定される。ハンドル側が駆動源である場合、ローラはその速度差からTkのトルクを伝達することになる。Tkを超えた分のトルクは、歯車によって伝達される。
遊星ローラのみを用いた変速装置を可変舵角機構に適用した場合、転がりによって力の伝達を行うため、がたつきや騒音のない機構を構成できるが、ローラは定格トルクを大きく上回る過大入力があった場合に、ローラ面が大きくすべってしまうという問題点があった。
そこで、定格トルクを超える入力があった場合にすべりを抑制する機構として、ローラに平行して歯の噛み合いのゆるい遊星歯車を取り付ける機構が考えられるが、ローラは力の伝達を行っている際、常にある程度のすべりを発生させており、ローラによる力の伝達を続けているうちに、通常の操舵の範囲で歯当たりが発生するという問題がある。
これに対し、実施例6の変速装置では、歯車部分の速度差を適切な範囲内で設定することで、歯車の位相のずれを少なくでき、歯当たりの確率を低くできる。また、操舵後に路面からの反力によって前輪方向を戻す際に、ハンドル操舵時と歯車の歯のずれる方向を逆方向にすることができ、歯が当たる確率を低くできる。
太陽ローラ、遊星ローラを支持するキャリア、リングローラからなるギア付きローラでは、リングローラが発生させる圧接力により、太陽ローラ−遊星ローラ間およびリングローラ−遊星ローラ間に油膜を形成し、その油膜に発生するせん断応力によってトルクを伝達する。
上述したように、太陽ローラ−遊星ローラ間とリングローラ−遊星ローラ間でローラのすべり率が異なり、歯の位相ずれの量も異なる。そのため、歯当たりに至るまでの時間が異なることに起因して、どちらか一方のみに歯当たりが発生する。しかし、その場合も、ローラとギアとが一体的に形成されているため、一方はギアによってトルクを伝達し、他方はローラによってトルクを伝達することで、トルク伝達経路が確保され、通常と同じようにトルク伝達が可能である。
実施例6の変速装置にあっては、下記に列挙する効果が得られる。
図21は、実施例7の可変舵角機構20eを示す構造図であり、実施例7の可変舵角機構20eは、第2遊星機構Bのローラ列のトルク伝達容量を、第1遊星機構Aのローラ列のトルク伝達容量よりも大きく設定した点で実施例2と異なる。
Tmax'=Tmax×β1 …(7)
[舵角比制御モータによる位相ずれ]
既に実施例6で述べたように、遊星ローラは力の伝達を行っているとき、常にある程度のすべりが発生しており、ローラによる力の伝達を続けているうちに、駆動側ローラと従動側ローラの位相差が進行し、歯車の歯が当たるようになってしまう。特に、舵角比制御モータと連結された遊星機構のローラの方が、位相の進行が早く、他方の遊星機構のローラよりも先に歯車の歯が接触するようになる。
これに対し、実施例7では、モータ27を連結した第2遊星機構Bのローラ列のトルク伝達容量を、第1遊星機構Aのローラ列のトルク伝達容量よりも大きく設定した。これにより、第2遊星機構Bの駆動側ローラと従動側ローラ間の圧接力が増大し、第1遊星機構Aよりも少ないスリップ率で同一トルクを伝達できる。
第1遊星機構Aにおいて、駆動側ローラのピッチ円直径をr、回転角速度をωとすると、駆動側ローラの表面速度V1は、下記の式(8)で表される。
V1=πrω …(8)
p=πr/z …(9)
ここで、歯厚をgとすると、ピッチ円上の歯の隙間iは、
i=p−g …(10)
となる。
α1=αr×T1/Tmax …(11)
となる。
ここで、Tmaxは定格トルク、αrは定格トルクTmaxでのすべり率である。
L1=α1×V1 …(12)
従って、駆動側歯車と従動側歯車が接触開始する回転数VLは、
VL=i/L1 …(13)
となる。
V1'=πr'ω×β …(8)'
p'=πr'/z …(9)'
ここで、歯厚をgとすると、ピッチ円上の歯の隙間i'は、
i'=p'−g …(10)'
となる。
α1'=αr×T1/Tmax' …(11)'
となる。
L1'=α1'×V1' …(12)'
従って、駆動側歯車と従動側歯車が接触開始する回転数VL'は、
VL'=i/L1' …(13)'
となる。
V1'=πrω×β=βV1 …(14)
となる。
L1'=α1'×βV1 …(12)'
従って、駆動側歯車と従動側歯車が接触開始する回転数VL'は、
VL'=i/L1'=i/α1'βV1 …(13)'
となるから、第1遊星機構Aの駆動側歯車と従動側歯車が接触する回転数VLと、第2遊星機構Bの駆動側歯車と従動側歯車が接触する回転数VL'を同じにする(VL=VL'とする)ためには、
α1=α1'β …(15)
であるから、
αr×T1/Tmax=β×αr×T1/Tmax' …(16)
となり、下記の式(7)'、
Tmax'=Tmax×β …(7)'
を満足するように、第1遊星機構Aの各ローラの直径と第2遊星機構Bの各ローラの直径を設定することで、第1遊星機構Aと第2遊星機構Bは、ほぼ同時に駆動側歯車と従動側歯車とが接触することとなる。
実施例7の車両操舵装置にあっては、実施例1の効果(1),(2),(3),(5)と、実施例2の効果(6)に加え、下記の効果が得られる。
図22は、実施例8の可変舵角機構構成20fを示す構造図であり、実施例8の可変舵角機構20fは、舵角比制御モータとして、中空モータを用いた点で実施例1と異なる。
図24は、実施例9の可変舵角機構20gを示す構造図であり、実施例9の可変舵角機構20gは、ウォームホイールとウォームギアに代えて、平歯車または、はすば歯車を用いてリングローラとモータとを連結した点で実施例1と異なる。
図25は、実施例10の可変舵角機構20hを示す構造図であり、実施例10の可変舵角機構20hは、第1遊星機構Aのリングギア付きリングローラを、リングギア付きリングローラとアウタレースとを一体化させた一体化リングローラ37とした点で、実施例2と異なる。この一体化リングローラ37は、図外のケースに固定されている。なお、モータ27を連結した第2遊星機構Bのリングギア7付きリングローラ8は、実施例2と同様、ニードルベアリング16を介して、アウタレース9に支持されている。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、各実施例に基づいて説明したが、具体的な構成については、各実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
B 第2遊星機構
1 入力フランジ
2 ベアリング
3 キャリア
4 遊星ギア
5 遊星ローラ
6 ニードルローラベアリング
7 リングギア
8 リングローラ
9 アウタレース
10 ウォームホイール
11 ウォームギア
12 太陽ギア
13 太陽ローラ
14 ベアリング
15 出力軸
16 ニードルローラベアリング
17 ステアリングハンドル
18 コラムアッパ
19 操舵角センサ
20 可変舵角機構
20a〜20m 可変舵角機構
21 転舵角センサ
22 コラムロア
23 転舵装置
24 操向輪
25 電子制御装置
26 車速センサ
27 モータ
27a 平歯車
27b 係合穴
28 ケーブル
29a,29b ケーブルコラム
30 シャフト
31 シャフト
32 中空モータ
32a ロータ
33 係合溝
34 ロック機構
34a ソレノイド
34b 支軸
34c ストッパ
35 平歯車
36 ロックピン機構
36a ソレノイド
36b ロックピン
37 一体化リングローラ
Claims (16)
- 入出力間のトルク伝達系に、回転によりトルクを伝達するトルク伝達回転要素を設けた変速装置において、
前記トルク伝達要素は、同軸上にローラとギアを一体的に形成したギア付きローラを、複数個有し、
これらのギア付きローラのローラ同士によるトルク伝達経路とギア同士によるトルク伝達経路とを並列に形成し、
常用操作域である低トルク域では前記ローラ同士によるトルク伝達経路のみにて前記入出力間でのトルク伝達を行い、
前記常用操作域を超えた高トルク域では、前記ギア同士によるトルク伝達経路にて前記入出力間でのトルク伝達を行うようにしたことを特徴とする変速装置。 - 請求項1に記載の変速装置において、
前記ギア付きローラは、太陽ギア付き太陽ローラと、遊星ギア付き遊星ローラを支持するキャリアと、リングギア付きリングローラと、を有し、前記遊星ギア付き遊星ローラが太陽ギア付き太陽ローラとリングギア付きリングローラとに、それぞれ前記ギア同士噛み合いながら前記ローラ同士が接する遊星機構であることを特徴とする変速装置。 - 請求項2に記載の変速装置において、
前記遊星機構は、各歯車のピッチ円上における歯面間クリアランスを、前記低トルク域での前記ローラ同士間のスリップ量よりも大きく設定したことを特徴とする変速装置。 - 請求項2または請求項3に記載の変速装置において、
前記遊星機構は、駆動側となるギアの歯車ピッチ円径を、このギアと一体的に形成したローラの外径よりも小さく設定し、かつ、従動側となるギアの歯車ピッチ円径を、そのギアと一体的に形成したローラの外径よりも大きく設定したことを特徴とする変速装置。 - 請求項4に記載の変速装置において、
前記駆動側ローラの外径をr 1 、前記従動側ローラの外径をr 2 、前記駆動側のギアの歯車ピッチ円径をr 1 '、前記従動側ギアの歯車ピッチ円径をr 2 'とし、前記ローラの定格トルクが得られる前記ローラのすべり率をα r としたとき、
前記ローラのすべり率α k が、
r 1 'r 2 /r 1 r 2 '=1−α k
の式を満たし、かつ
0<α k <α r
の範囲内にあるように、
前記外径r 1 、r 2 、および歯車ピッチ円径をr 1 '、r 2 'を設定したことを特徴とする変速装置。 - 操舵入力軸と操舵出力軸との間に設けられ、ステアリング操舵角に対する操向輪転舵角の比である舵角比を可変する車両用可変舵角装置において、
舵角比制御モータを連結する変速装置として、請求項2ないし請求項5のいずれか1項に記載の変速装置を備えることを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 操舵入力軸と操舵出力軸との間に設けられ、ステアリング操舵角に対する操向輪転舵角の比である舵角比を可変する車両用可変舵角装置において、
舵角比制御モータを連結する変速装置として、請求項4または請求項5に記載の変速装置を備え、
前記リングギア付きリングローラを、前記舵角比制御モータと連結し、
前記操舵入力軸と連結した、前記太陽ギアまたは前記遊星ギアのうちの一方を、駆動側のギアとし、
前記操舵出力軸と連結した、前記太陽ギアまたは前記遊星ギアのうちの他方を、従動側のギアとしたことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項6または請求項7に記載の車両用可変舵角装置において、
前記太陽ギア付き太陽ローラと操舵入力軸を連結し、
前記キャリアと操舵出力軸を連結し、
前記リングギア付きリングローラを舵角比制御モータと連結したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項6または請求項8に記載の車両用可変舵角装置において、
前記舵角比制御モータは、モータ出力軸に設けたウォームギアと、前記リングギア付きリングローラの外周に設けたウォームホイールとを介して、前記リングギア付きリングローラの回転を制御し、モータ停止時には、リングギア付きリングローラを回転不能とすることを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項6または請求項9に記載の車両用可変舵角装置において、
前記変速装置は、第1遊星機構と第2遊星機構の2つの遊星機構を備え、
前記第1遊星機構のキャリアと操舵入力軸を連結し、
前記第1遊星機構と第2遊星機構の太陽ギア付き太陽ローラ同士を連結し、
前記第2遊星機構のキャリアと操舵出力軸を連結し、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のどちらか一方のリングギア付きリングローラに舵角比制御モータを連結したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項6または請求項9に記載の車両用可変舵角装置において、
前記変速機構は、第1遊星機構と第2遊星機構の2つの遊星機構を備え、
前記第1遊星機構の太陽ギア付き太陽ローラと操舵入力軸を連結し、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のキャリア同士を連結し、
前記第2遊星機構の太陽ギア付き太陽ローラと操舵出力軸を連結し、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のどちらか一方のリングギア付きリングローラに舵角比制御モータを連結したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項10に記載の車両用可変舵角装置において、
前記第1遊星機構と第2遊星機構の太陽ギア付き太陽ローラ同士を、ケーブルまたはロッドで連結したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項11に記載の車両用可変舵角装置において、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のキャリア同士を、ケーブルまたはロッドで連結したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項10ないし請求項13のいずれか1項に記載の車両用可変舵角装置において、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のうち、前記舵角比制御モータを連結した遊星機構の遊星ローラ列のトルク伝達容量を、他方の遊星ローラ列のトルク伝達容量よりも大きく設定したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項10ないし請求項14のいずれか1項に記載の車両用可変舵角装置において、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のうち、前記舵角比制御モータを連結した遊星機構のローラの定格トルクを、他方のローラの定格トルクに舵角比制御における基準増速比を乗算した値に設定したことを特徴とする車両用可変舵角装置。 - 請求項10ないし請求項15のいずれか1項に記載の車両用可変舵角装置において、
前記第1遊星機構と第2遊星機構のうち、
前記舵角比制御モータを連結した遊星機構のリングギア付きリングローラは、ニードルベアリングを介してアウタレースに支持され、
他方の遊星機構のリングギア付きリングローラを、前記アウタレースと一体化した一体化リングローラとしたことを特徴とする車両用可変舵角装置。
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