JP4799987B2 - インクジェット用インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット用インク組成物に関するものであり、さらに詳しくは、酸性基を含有する高分子化合物を用いることで、白色インクの沈降を抑制し、インクジェットノズルのつまりを解消したインクジェット用インク組成物に関するものである。
白色インクの性能として、高い隠蔽性と着色力が必須である。なぜなら、有色媒体への印刷では、隠蔽性が低いと印刷媒体の色が透け、色再現性が劣る結果となる。よって、まず白色インクが塗布され、その上に他色インクが塗布される。よって、白色インクの使用量は他色に比べて多く、確実に需要が増加している。白色インクの塗布方法としては、スクリーン印刷がよく用いられているが、平面印刷に限られること、微細な描写が困難であることなどの問題点がある。
一方、インクジェット用インクは、従来の印刷方式に比べて簡便かつコンパクトであること、また非接触型印刷であることから、立体的な媒体への印刷が可能となり、更に利用が拡大している。
インクジェット方式による白色インクの塗布により、従来のスクリーン印刷による問題点は解決され、立体媒体への印刷、また微細な描写が可能となっている。
しかしながら、インクジェット方式による印刷では、インク粘度が低いことが要求されている。そのため、インクジェット用白色インクは分散安定性に劣り、顔料が沈降しやすいという問題がある。この沈降した顔料が凝固して、インクジェットノズルにつまりが発生し、印刷画像が不鮮明となったり、あるいは印刷ぬけが生じることがあり、低粘度であり、分散安定性に優れたインクジェット用白色インクが待ち望まれている。
一方、分散安定性を向上させたインクジェット用白色インクとして、シリカとアルミナの比重を特定し、かつ酸性基を有する高分子分散剤を含有する方法が提案されているが(例えば、特許文献1参照)、この方法では安定しにくく、製造が困難である。このように良好な分散安定性を有するインクジェット用白色インクは、未だ得られていない。
特開2005−59857号公報
本発明が解決しようとする課題は、インクの分散安定性を向上し、顔料の沈降を抑制することで、ノズルつまりを解消する白色のインクジェット用インク組成物を提供することにある。
以上の説明からも明らかなように、インクの分散安定性を向上し、顔料の沈降を抑制することで、ノズルつまりを解消するためには、顔料に対する分散剤の吸着効率を高め、光硬化性化合物中に安定に分散させなければならない。
すなわち、本発明は分散剤中に特定の酸性基を導入し、顔料への分散剤の吸着効率を高め、インクの分散安定性を向上させることを特徴とし、これにより、顔料の沈降を抑制し、ノズルつまりが解消される。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、分散剤中にスルホン酸基を導入することで、顔料への分散剤の吸着効率を高め、インクの分散安定性をより向上させることに成功し、これにより、顔料の沈降を抑制、ノズルつまりが解消される。また、長期の保存、或いは、繰り返し温度変化を経た後でも低粘度でインクジェットノズルにつまりが生じないインク組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
<1> 白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とするインクジェット記録用インク組成物であって、前記白色顔料が、アルミナ、亜鉛、ジルコニア及び塩基性有機化合物から選ばれるいずれか一種で処理された酸化チタンであり、前記高分子分散剤がスルホン酸基を有し、前記スルホン酸基が−SO M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを示す)を含む極性基含有長鎖ポリオールから導入されてなることを特徴とするインクジェット用インク組成物である。
<2> 前記光硬化性化合物として、オキシラン基及びオキセタン基の少なくとも一方を有するカチオン重合性化合物、またはアクリル基及びメタクリル基の少なくとも一方を有するラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする<1>に記載のインクジェット用インク組成物である。
<3> 前記酸化チタンが、アルミナ処理酸化チタンである<1>又は<2>に記載のインクジェット用インク組成物である。
<4> 前記極性基含有長鎖ポリオールの分子量が、500〜5000である<1>〜<3>のいずれか一つに記載のインクジェット用インク組成物である。
本発明では、インクの分散安定性を向上し、顔料の沈降を抑制することで、ノズルつまりを解消する白色のインクジェット用インク組成物を提供することができる。該インクジェット用インク組成物は、分散安定性が良好なので、ノズルつまりを解消し、被記録媒体への密着性にも優れ、良好な文字又は画像を被記録媒体(印刷紙など)に記録することができる。
以下本発明の詳細について説明する。
本発明のインクジェット用インク組成物(以下、「本発明のインク組成物」という場合がある。)は、白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とするインクジェット記録用インク組成物であって、前記高分子分散剤がスルホン酸基を有することを特徴とする。ここで、「白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とする」とは、本発明のインク組成物における白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤の総含有量が90質量%以上であることを意味する。
先ず、本発明に好ましく使用される白色顔料について述べる。
白色顔料としては、特に限定されるものではなく、一般に市販されているすべての無機白色顔料、有機白色顔料、または中空粒子を用いることができる。さらに、顔料を、分散媒として不溶性の樹脂等に分散させたもの、あるいは顔料表面に樹脂をグラフト化したもの等を用いることもできる。
前記無機白色顔料の具体例としては、塩基性炭酸鉛(2PbCO3Pb(OH)2、いわゆる、シルバーホワイト)、酸化亜鉛(ZnO、いわゆる、ジンクホワイト)、酸化チタン(TiO2、いわゆる、チタンホワイト)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3、いわゆる、チタンストロンチウムホワイト)、などが挙げられる。
ここで、酸化チタンは他の無機白色顔料と比べると比重が小さく、屈折率が大きく化学的、物理的にも安定であるため、顔料としての隠蔽力や着色力が大きく、さらに、酸やアルカリ、その他の環境に対する耐久性にも優れている。したがって、白色顔料としては酸化チタンが好ましい。
酸化チタンは、一般に未処理で使用されることは少なく、シリカ、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、有機物処理が行われ、処理方法によって耐候性や親油水性が異なる。本発明においてはアルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物処理されたものが好ましい。混合処理が行われた酸化チタンに関しては、アルミナ、亜鉛、ジルコニア、塩基性有機物による処理量が50%以上であることが好ましい。もちろん、必要に応じて他の無機白色顔料(列挙した白色顔料以外であってもよい。)を使用してもよい。
前記有機白色顔料は、前記無機白色顔料に比べて比重が小さいため、粘度の低い分散物中で安定に存在することができる。該有機白色顔料の具体例としては、ハッコーケミカル社製シゲノックスシリーズ(商品名)などが挙げられる。
前記中空粒子は、粒子内の空隙部の光散乱により高い隠蔽性を発揮するとともに、無機白色顔料に比べて比重が小さく、粘度の低い分散物中で安定に存在することができる。無機、有機、無機有機混合中空粒子の利用が可能である。該中空粒子の具体例としては、市販品として、日産化学工業社製 オプトビーズシリーズ、JSR社製SXシリーズ、松本油脂製薬製マイクロスフェアーMFLシリーズなどが挙げられる。
前記白色顔料の粒子の平均粒径は、0.05〜1.0μmであることが好ましく、最大粒径は5μm以下、好ましくは1μm以下となるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を設定することが好ましい。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
また、前記白色顔料のインク組成物中での含有量は、隠蔽性付与、安定性保持の点で、5〜30質量%であることが好ましく、10〜25質量%であることがより好ましい。
本発明において、顔料の分散には、例えばボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ニーダー、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル等の分散装置を用いることができる。
また、本発明において、顔料などの諸成分の分散媒としては、溶剤を添加してもよく、無溶媒で、低分子量成分である前記カチオン重合性化合物を分散媒として用いてもよい。しかし、本発明のインク組成物は、放射線硬化型のインクであり、インクを被記録媒体上に適用後、硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。これは、硬化されたインク画像中に、溶剤が残留すると、耐溶剤性が劣化したり、残留する溶剤のVOC(Volatile Organic Compound)の問題が生じるためである。
このような観点から、分散媒としては、光硬化性化合物を用い、なかでも、最も粘度が低い光硬化性化合物を選択することが分散適性やインク組成物のハンドリング性向上の観点から好ましい。
本発明のインク組成物は、高分子分散剤を含む。非水分散系では、立体反発による分散安定化が有効であり、高分子化合物を分散剤(高分子分散剤)として用いることで、高い分散安定性が得られる。しかしながら、高分子分散剤は、インク組成物粘度を上昇させる懸念があるため、顔料に効率よく吸着するととともに、吸着力が強いことが望まれる。しかし、一般的に、高分子分散剤は、吸着効率が悪く、吸着力も弱いため、使用量が多くなり、高粘度化などの弊害をもたらす場合がある。
本発明において使用する高分子分散剤(高分子化合物)は、スルホン酸基を有し、このスルホン酸基によって顔料へ高効率で吸着することによって、インク組成物の分散性を向上させる。また、本発明におけるスルホン酸基には、更にアミノ基を有するスルファミン酸基を含むものとする。本発明において使用する高分子分散剤がスルファミン酸基を有する場合も同様に、インク組成物の分散性を向上させるという効果が得られる。
高分子分散剤を作製する際のスルホン酸基の導入方法として、極性基含有長鎖ポリオールを用いることができる。極性基含有長鎖ポリオール成分は−SO3M(ここでMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウムを示す)を含むものが用いられる。
この場合のポリオール骨格構造としてはポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが用いられる。具体的には、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ナトリウムスルホテレフタル酸、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオール、2−カリウムスルホ−1,4−ブタンジオール、ビス(2−ヒドロキシエチル)ホスフィン酸ナトリウム、ナトリウムスルホコハク酸などの極性基をもつジカルボン酸またはグリコールを他のグリコール、ジカルボン酸とともに脱水縮合して得られる極性基含有ポリエステルポリオール、上記極性基含有ジオールを開始剤としてε−カプロラクトンなどのラクトンを開環重合して得られる極性基含有ポリエステルポリオールや極性基含有ジオールにエチレンオキシド、プロピレンオキシドなどのアルキレンオキシドを付加した極性基含有ポリエーテルジオールなどが挙げられる。
前記ポリエステルポリオールに用いられる他のグリコールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の脂肪族グリコールやシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールが挙げられる。
また、他のジカルボン酸としてはコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの脂肪族あるいは芳香族ジカルボン酸が用いられる。
好ましい極性基含有長鎖ポリオールとしては、例えば5−ナトリウムスルホイソフタル酸/イソフタル酸/ネオペンチルグリコールを脱水縮合して得たポリエステルポリオール、5−カリウムスルホイソフタル酸のエチレンオキシド付加物を開始剤としてε−カプロラクトンを開環重合したポリエステルポリオール、2−ナトリウムスルホ−1,4−ブタンジオールにプロピレンオキシドを付加したポリエーテルポリオールなどが挙げられる。これらポリオールの分子量は500〜5000が好ましく、600〜2500がより好ましい。このポリオールを用いて化合物中に極性基を導入すると化合物分子中の極性基の分布が小さくなり、分散性、分散安定性が向上する。分子量が大きすぎると化合物中に導入できる極性基量が少なくなり分散性が低下する場合があり、多くなると極性基間の会合により溶液の粘度が上昇し分散性が低下する場合がある。
本発明に使用される高分子分散剤は、上記極性基含有長鎖ポリオールと、有機ジイソシアネート、ジオールによる付加重合により得ることもできる。
前記有機ジイソシアネート化合物の例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシアネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げることができる。ジイソシアネート化合物は、高分子分散剤中に50質量%以下の範囲で含有されていることが好ましく、さらに好ましくは40質量%以下の範囲である。
前記ジオールの例としては、長鎖ジオールである、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールPなどの環状ジオールにポリエチレンオキド及び又はポリプロピレンオキシドを付加して得られるポリエーテルポリオールなどが挙げられる。ビスフェノールAのプロピレンオキシド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシド付加物、水素化ビスフェノールAのプロピレンオキシドも利用可能である。
また、本発明に用いられる高分子分散剤の重量平均分子量は200,000以下であることが好ましく、100,000以下であることがより好ましい。発明に用いられる高分子分散剤の重量平均分子量が200,000以上であると溶剤への溶解性が低下し、分散性が低下する場合がある。
更に、短鎖ジオールを、上記長鎖ジオールと併用することができる。該短鎖ジオールとしては、具体的に、エチレングリコール、1,3−プロピレンジオール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオール等が挙げられる。
本発明に使用される高分子分散剤としては、下記化合物が具体例として挙げられる。
Figure 0004799987
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また、スルホン酸基の導入方法として、極性基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることができる。該酸性基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、市販のビニルスルホン酸塩、アリルスルホン酸塩、p−スチレンスルホン酸塩、4−スルホブチルメタクリレート塩、メタクリルオキシベンゼンスルホン酸塩、アリルオキシベンゼンスルホン酸塩などが利用できる。さらに、一般には反応性乳化剤として使用されている、日本乳化剤(株)社製アントックスMS−60、アントックスMS−2N、花王(株)社製ラムテルS−180、ラムテルS−180Aを用いて、酸性基を導入することもできる。
スルホン酸塩基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーとしては、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマー、芳香族ビニル系モノマー、エチレン性不飽和ニトリル系モノマー、アルキルビニルエーテル系モノマー、ビニルエステル系モノマー、エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物などが挙げられる。
前記エチレン性不飽和カルボン酸エステル系モノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート系モノマー、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート系モノマー等が挙げられる。尚、本発明において、「(メタ)アクリル」或いは「(メタ)アクリレート」等の記載は、「アクリル」及び「メタクリル」、或いは「(メタ)アクリレート」及び「(メタ)アクリレート」等を意味するものとする。
前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの中でもメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、前記アルキル(メタ)アクリレート系モノマーのアルキル基は、更に置換基を有するアルキル基でもよく、アラルキル基が好ましい。このような化合物の具体例としてはベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド付加物(メタ)アクリレート等が挙げられる。この中でも、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
前記アルコキシアルキル(メタ)アクリレート系モノマーとしては、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、不飽和カルボン酸エステル系モノマーとして、グリシジル(メタ)アクリレートなども挙げられる。
前記芳香族ビニル系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、モノクロルスチレン、p−メチルスチレン、ヒドロキシメチルスチレン等が挙げられる。
前記エチレン性不飽和ニトリル系モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−エチルプロペンニトリル、2−プロピルプロペンニトリル、2−クロロプロペンニトリル、2−ブテンニトリルなどが挙げられる。
前記アルキルビニルエーテル系モノマーとしては、アリルグリシジルエーテル、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酢酸イソプロペニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ピバリン酸ビニルなどを挙げることができる。
前記エチレン性不飽和多価カルボン酸無水物としては、無水マレイン酸、無水イタコン酸などが挙げられる。
これらスルホン酸塩基を含有するモノマーと共重合可能なモノマーは1種又は2種以上を併用することができる。これらの中でも、エチレン性不飽和カルボン酸系モノマーが好ましく、アルキル(メタ)アクリレート系モノマーが更に好ましい。
前述の(メタ)アクリレート系モノマーを共重合成分として含む共重合体には、縮重合性基として−COOM(Mはアルカリ金属またはアンモニウム塩を表す。)や水酸基を持たせてもよい。−COOMの導入をする場合には、例えば、スルホン酸塩基を含有するモノマー、及びこれらと共重合可能なモノマーを共重合させたアクリル系共重合体に−COOMを反応により付加して合成することができる。
また、共重合可能な極性基含有化合物をスルホン酸塩基を含有するモノマー、及びこれらと共重合可能なモノマーとともに共重合したものでも良い。−COOMを含む共重合可能な化合物としては、具体的には(メタ)アクリル酸、マレイン酸の塩類を使用することができる。
前記水酸基を持たせた共重合可能なモノマーの例としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、ヒドロキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル等の(メタ)アリルエーテル類、(メタ)アリルアルコール等が挙げられる。ビニルアルコールモノマーについては酢酸ビニルを共重合し、溶媒中で苛性アルカリによってケン化反応することにより導入できる。
さらに、スルホン酸基の導入方法としては、ポリビニルアルコールなどの水酸基含有ポリマーに、Cl−(CH2n−SO3M、Cl−(CH2n−OSO3M等と反応させてもよい。ここでMは前述のMと同様である。
本発明において使用する高分子分散剤の添加量は、顔料に対して1〜10質量%の範囲が好ましく、特に1〜4質量%の範囲が好ましい。前記高分子分散剤の添加量が顔料に対して1〜10質量%の範囲であると、顔料への吸着性及び分散性がより向上し、かつ、高分子化合物のためのインク組成物が高粘度化も起らず、界面活性剤作用でインク組成物の表面張力が低下し、インクジェットによる塗出不良が起ることもない。
さらに、本発明おいて使用する高分子分散剤は、分散媒である光硬化性化合物に溶解しなければならない。高分子分散剤が不溶の状態で使用すると、顔料への吸着が不十分となり、分散性不良となる場合がある。
本発明のインク組成物は、光硬化性化合物を含む。本発明に用いられる光硬化性化合物としては、一般に知られている光硬化性基を有する化合物であれば、特に限定されるものではなく、モノマー、オリゴマー、ポリマーの種を問わず、公知の光硬化性化合物であれば問題なく使用することができる。また、光硬化性化合物は反応速度や、インク物性、硬化膜物性等を調整する目的で1種または複数を混合して用いることができる。
光硬化性化合物としては、ラジカル重合性化合物またはカチオン重合性化合物を用いることが好ましい。
前記ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどのようなものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態を持つものが含まれる。このようなラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
本発明のインク組成物においては、前記ラジカル重合性化合物として、(メタ)アクリレートを含むラジカル重合性化合物が好適に用いられる。前記(メタ)アクリレートとしては、例えば、下記の化合物を挙げることができる。
単官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、tert−オクチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−n−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−エチヘキシルジグリコール(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−クロロエチル(メタ)アクリレート、4−ブロモブチル(メタ)アクリレート、シアノエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ブトシキメチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、アルコキシメチル(メタ)アクリレート、アルコキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、2,2,2−テトラフルオロエチル(メタ)アクリレート、1H,1H,2H,2Hパーフルオロデシル(メタ)アクリレート、4−ブチルフェニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2,4,5−テトラメチルフェニル(メタ)アクリレート、4−クロロフェニル(メタ)アクリレート、フェノキシメチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジロキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジロキシプロピル(メタ)アクリレート、
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、トリメトキシシリルプロピル(メタ)アクリレート、トリメチルシリルプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシド(メタ)アクリレート、オリゴエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、オリゴプロピレンオキシドモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイロキシチルコハク酸、2−メタクリロイロキシヘキサヒドロフタル酸、2−メタクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、ブトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性フェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性クレゾール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、ポリエチレンオキサイド変性ノニルフェノール(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性−2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、オリゴエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
二官能の(メタ)アクリレートの具体例として、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ブチルエチルプロパンジオール(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングルコールジ(メタ)アクリレート、オリゴエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチル−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールFポリエトキシジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、オリゴプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、2−エチル−2−ブチルプロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
三官能の(メタ)アクリレートの具体例として、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンのアルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、イソシアヌル酸アルキレンオキサイド変性トリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ヒドロキシピバルアルデヒド変性ジメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
四官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、プロピオン酸ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
五官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
六官能の(メタ)アクリレートの具体例として、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、フォスファゼンのアルキレンオキサイド変性ヘキサ(メタ)アクリレート、カプトラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
本発明においては、上記のラジカル重合性化合物として、(a)少なくとも1種の三官能以上の(メタ)アクリレートと、(b)単官能(メタ)アクリレート及び二官能(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種とを含むように構成することが、粘度調整や架橋密度の調整、硬化後の物性制御(強度、接着性など)の点で好ましい。この場合(a):(b)の混合比(モル比)は15:85〜40:60が好ましく、20:80〜50:50がさらに好ましい。
また、列挙した前記化合物以外のラジカル重合性化合物の例として、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、更に種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等が挙げられる。具体的には、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、ジアセトンアクリルアミド等のアクリル酸誘導体、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、更に具体的には、「架橋剤ハンドブック」(山下晋三編、1981年大成社)、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(加藤清視編、高分子刊行会(1985年))、「UV・EB硬化技術の応用と市場」(ラドテック研究会編、79頁(1989年)、シーエムシー)、「ポリエステル樹脂ハンドブック」(滝山栄一郎著、日刊工業新聞社(1988年))等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性乃至架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。
ラジカル重合性化合物のインク組成物中の含有量は、インク組成物の総量に対して5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%が更に好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
カチオン重合性化合物は、重合性の程度やインク組成物の物性等を調整する目的で任意に選択可能である。中でも、重合速度や汎用性の観点から、オキシラン化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル類、またはスチレン類などが好ましい。これらは単独で用いることもでき、2種以上併用してもよい。以下にそれらの例を示す。
[オキシラン化合物]
オキシラン化合物としては、芳香族エポキシド、脂環式エポキシドなどが挙げられる。芳香族エポキシドとしては、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルが挙げられ、例えば、ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られるシクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましく挙げられる。脂肪族エポキシドとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテルに代表されるポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのオキシラン化合物のなかでも、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが、硬化速度に優れるという観点から好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。
またオキシラン化合物のうち官能基数が少ないものは、上述したように溶解性及び粘度の調整作用も同時に兼ね備えることができるため、好ましい。
本発明で用いられるオキシラン化合物の具体例としては、単官能エポキシドとして、例えば、フェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、1,2−ブチレンオキサイド、1,3−ブタジエンモノオキサイド、1,2−エポキシドデカン、エピクロロヒドリン、1,2−エポキシデカン、スチレンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、3−メタクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−アクリロイルオキシメチルシクロヘキセンオキサイド、3−ビニルシクロヘキセンオキサイド等が挙げられる。
また、多官能エポキシドとして、例えば、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノールSジグリシジルエーテル、エポキシノボラック樹脂、水添ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールSジグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、ビニルシクロヘキセンオキサイド、4−ビニルエポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシル−3’,4’−エポキシ−6’−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エチレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ−2−エチルヘキシル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル類、1,1,3−テトラデカジエンジオキサイド、リモネンジオキサイド、1,2,7,8−ジエポキシオクタン、1,2,5,6−ジエポキシシクロオクタン等が挙げられる。
[オキセタン化合物]
本発明におけるオキセタン化合物としては、オキセタン環を有する化合物を指し、特開2001−220526、同2001−310937、同2003−341217の各公報に記載されるような、公知オキセタン化合物を任意に選択して使用できる。
本発明のインク組成物に使用しうるオキセタン環を有する化合物としては、その構造内にオキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましく、上述したように、なかでもインク組成物の粘度と粘着性の観点から、オキセタン環を1個有する化合物を使用することが好ましい。このような化合物を使用することで、インク組成物の粘度をハンドリング性の良好な範囲に維持することが容易となり、また、硬化後のインクの被記録媒体との高い密着性を得ることができる。
本発明で用いられるオキセタン化合物の具体例は、単官能オキセタンとして、例えば、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン、3−(メタ)アリルオキシメチル−3−エチルオキセタン、(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチルベンゼン、4−フルオロ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、4−メトキシ−〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、〔1−(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)エチル〕フェニルエーテル、イソブトキシメチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、イソボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−エチルヘキシル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、エチルジエチレングリコール(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンタジエン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルオキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラヒドロフルフリル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−テトラブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−トリブロモフェノキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、2−ヒドロキシプロピル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ブトキシエチル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタクロロフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタブロモフェニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ボルニル(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等が挙げられる。
また多官能オキセタンとしては、例えば、3,7−ビス(3−オキセタニル)−5−オキサ−ノナン、3,3’−(1,3−(2−メチレニル)プロパンジイルビス(オキシメチレン))ビス−(3−エチルオキセタン)、1,4−ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、1,2−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]エタン、1,3−ビス[(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル]プロパン、エチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジシクロペンテニルビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、テトラエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリシクロデカンジイルジメチレン(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、トリメチロールプロパントリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、1,4−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ブタン、1,6−ビス(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)ヘキサン、ペンタエリスリトールトリス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ポリエチレングリコールビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジペンタエリスリトールテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールペンタキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、ジトリメチロールプロパンテトラキス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、PO変性水添ビスフェノールAビス(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル、EO変性ビスフェノールF(3−エチル−3−オキセタニルメチル)エーテル等の多官能オキセタンが挙げられる。
[ビニルエーテル類]
前記ビニルエーテル類としては、単官能ビニルエーテルの例として、例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテル、4−メチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、ジシクロペンテニルビニルエーテル、2−ジシクロペンテノキシエチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、ブトキシエチルビニルエーテル、メトキシエトキシエチルビニルエーテル、エトキシエトキシエチルビニルエーテル、メトキシポリエチレングリコールビニルエーテル、テトラヒドロフリフリルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールビニルエーテル、クロルエチルビニルエーテル、クロルブチルビニルエーテル、クロルエトキシエチルビニルエーテル、フェニルエチルビニルエーテル、フェノキシポリエチレングリコールビニルエーテル等が挙げられる。
また、多官能ビニルエーテルの例として、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ポリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ブチレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、ビスフェノールAアルキレンオキサイドジビニルエーテル、ビスフェノールFアルキレンオキサイドジビニルエーテルなどのジビニルエーテル類;トリメチロールエタントリビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ジペンタエリスリトールペンタビニルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、エチレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加トリメチロールプロパントリビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジトリメチロールプロパンテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、エチレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテル、プロピレンオキサイド付加ジペンタエリスリトールヘキサビニルエーテルなどの多官能ビニルエーテル類等が挙げられる。
[スチレン類]
前記スチレン類の具体的な例として、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、クロルメチルスチレン、メトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロルスチレン、ジクロルスチレン、ブロムスチレン、ビニル安息香酸メチルエステル、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−エチルスチレン、4−エチルスチレン、3−プロピルスチレン、4−プロピルスチレン、3−ブチルスチレン、4−ブチルスチレン、3−ヘキシルスチレン、4−ヘキシルスチレン、3−オクチルスチレン、4−オクチルスチレン、3−(2−エチルヘキシル)スチレン、4−(2−エチルヘキシル)スチレン、アリルスチレン、イソプロペニルスチレン、ブテニルスチレン、オクテニルスチレン、4−t−ブトキシカルボニルスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン等が挙げられる。
本発明においては、上記のカチオン重合性化合物として、オキシラン化合物と、オキセタン化合物から選択される少なくとも1種とを含むように構成することが、硬化速度の点で好ましい。この場合オキシラン化合物:オキセタン化合物の混合比(モル比)は90:10〜10:90が好ましく、70:30〜30:70がさらに好ましい。また。オキセタン化合物とスチレン類を90:10〜50:50の混合比で用いることも好ましい。
カチオン重合性化合物のインク組成物中の含量は、インク組成物の総量に対して5〜95質量%が好ましく、10〜90質量%がさらに好ましく、50〜90質量%が特に好ましい。
本発明のインク組成物は光開始剤を含む。該光開始剤は、光硬化性化合物が硬化できる公知慣用のものがいずれも使用できる。光開始剤としては、ラジカル重合開始剤またはカチオン重合開始剤を用いることができ、ラジカルまたはカチオン重合性化合物と組み合わせて用いることが好ましい。
本発明のインク組成物は、前記光開始剤として、光酸発生剤を含むことが好ましい。この光酸発生剤(以下、「光カチオン重合開始剤」ともいう)とは、活性光線又は活性放射線の照射により酸を発生してカチオン重合を開始する化合物をいい、公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
光カチオン重合開始剤は、以下に挙げるものを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。光カチオン重合開始剤のインク組成物中の含量は0.1〜20質量%が好ましく、0.5質量%〜10質量%の範囲であることがより好ましい。光カチオン重合開始剤の含量が0.1%以下になると酸の発生量が低下するため硬化性が低下する場合があり、また光カチオン重合開始剤の含量が20%以上になると硬化物の脆性や残存開始剤による酸の発生が問題となる場合がある。
本発明における光カチオン重合開始剤としては、たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの光カチオン重合開始剤又は、それと同等の作用を有する基若しくは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
[その他の成分]
以下に、本発明のインク組成物に、必要に応じて含有可能な種々の添加剤について述べ
る。
[重合禁止剤]
本発明においては、光カチオン重合開始剤による重合を効果的に進行させるために、カチオン性重合以外の重合の進行を禁止する重合禁止剤を併用することが好ましい。適当な重合禁止剤としてはフェノール系水酸基含有化合物およびキノン類、N−オキシド化合物類、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、ピロリジン 1−オキシル フリーラジカル化合物類、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン類、及びカチオン染料類からなる群より選択される化合物である。好ましい重合禁止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、レゾルシノール、カテコール、t−ブチルカテコール、ハイドロキノン、ベンゾキノン、4,4−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよびその誘導体、ジ−t−ブチルニトロキシド、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−N−オキシドおよびその誘導体等、ピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−オキソ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシルフリーラジカル、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−アセトアミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−マレイミド−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、4−ホスホノキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 1−オキシル フリーラジカル、3−カルボキシ−2,2,5,5−テトラメチルピロリジン 1−オキシル フリーラジカル、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン第一セリウム塩、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミンアルミニウム塩、クリスタルバイオレット、メチルバイオレット、エチルバイオレット及びビクトリアピュアブルーBOH等が挙げられる。重合禁止剤の添加量は、インク組成物の質量に対して0.01〜5質量%が好ましい。
〔紫外線吸収剤〕
得られる画像の耐候性向上、退色防止の観点から、紫外線吸収剤を用いることができる

紫外線吸収剤としては、例えば、特開昭58−185677号公報、同61−190537号公報、特開平2−782号公報、同5−197075号公報、同9−34057号公報等に記載されたベンゾトリアゾール系化合物、特開昭46−2784号公報、特開平5−194483号公報、米国特許第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系化合物、特公昭48−30492号公報、同56−21141号公報、特開平10−88106号公報等に記載された桂皮酸系化合物、特開平4−298503号公報、同8−53427号公報、同8−239368号公報、同10−182621号公報、特表平8−501291号公報等に記載されたトリアジン系化合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号に記載された化合物やスチルベン系、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤、などが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成分の0.01〜10質量%程度である。
〔酸化防止剤〕
インク組成物の安定性向上のため、酸化防止剤を添加することができる。酸化防止剤としては、ヨーロッパ公開特許、同第223739号公報、同309401号公報、同第309402号公報、同第310551号公報、同第310552号公報、同第459416号公報、ドイツ公開特許第3435443号公報、特開昭54−48535号公報、同62−262047号公報、同63−113536号公報、同63−163351号公報、特開平2−262654号公報、特開平2−71262号公報、特開平3−121449号公報、特開平5−61166号公報、特開平5−119449号公報、米国特許第4814262号明細書、米国特許第4980275号明細書等に記載のものを挙げることができる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜1質量%程度である。
〔溶剤〕
本発明のインク組成物には、被記録媒体との密着性を改良するため、極微量の有機溶剤を添加することも有効である。
溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、耐溶剤性やVOCの問題が起こらない範囲での添加が有効であり、その量はインク組成物全体に対し0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜3質量%の範囲である。
〔高分子化合物〕
本発明のインク組成物には、膜物性を調整するため、その他の化合物としての各種高分子化合物を添加することができる。該その他の化合物としての高分子化合物としては、スチレン系重合体、アクリル系重合体、環状エーテル重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、シェラック、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類、その他の天然樹脂等が使用できる。また、これらは2種以上併用してもかまわない。これらのうち、スチレン系モノマー、アクリル系のモノマー、環状エーテルの共重合が好ましい。さらに、高分子結合材の共重合組成として、「環状エーテル基含有モノマー」、「ビニルエーテル基含有モノマー」を構造単位として含む共重合体も好ましく用いられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.01〜10.0質量%程度である。
〔界面活性剤〕
本発明のインク組成物には、表面張力を調製し、インクジェットインクの吐出性を改善するため、界面活性剤を添加することができる。該界面活性剤としては、特開昭62−173463号、同62−183457号の各公報に記載されたものが挙げられる。例えば、ジアルキルスルホコハク酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、脂肪酸塩類等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、アセチレングリコール類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩類、第4級アンモニウム塩類等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。なお、前記界面活性剤の代わりに有機フルオロ化合物を用いてもよい。前記有機フルオロ化合物は、疎水性であることが好ましい。前記有機フルオロ化合物としては、例えば、フッ素系界面活性剤、オイル状フッ素系化合物(例、フッ素油)及び固体状フッ素化合物樹脂(例、四フッ化エチレン樹脂)が含まれ、特公昭57−9053号(第8〜17欄)、特開昭62−135826号の各公報に記載されたものが挙げられる。
添加量は目的に応じて適宜選択されるが、一般的には、インク組成物の0.001〜5.0質量%程度である。
この他にも、必要に応じて、例えば、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのワックス類、ポリオレフィンやPET等の被記録媒体への密着性を改善するために、重合を阻害しないタッキファイヤーなどを含有させることができる。
タッキファイヤーとしては、具体的には、特開2001−49200号公報の5〜6pに記載されている高分子量の粘着性ポリマー(例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルキル基を有するアルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数3〜14の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸と炭素数6〜14の芳香族アルコールとのエステルからなる共重合物)や、重合性不飽和結合を有する低分子量粘着付与性樹脂などである。
本発明のインク組成物は、射出性を考慮し、射出時の温度において、インク粘度が50mPa・s以下であることが好ましく、更に好ましくは30mPa・s以下であり、上記範囲になるように適宜組成比を調整し決定することが好ましい。なお、25℃でのインク粘度は、10〜300mPa・s、好ましくは10〜100mPa・sである。室温での粘度を高く設定することにより、多孔質な被記録媒体を用いた場合でも、被記録媒体中へのインク浸透を防ぎ、未硬化モノマーの低減、臭気低減が可能となり、更にインク液滴着弾時のドット滲みを抑えることができ、その結果として画質が改善される。25℃におけるインク粘度が10mPa・s未満では、滲み防止効果が小さく、逆に500mPa・sより大きいと、インク液のデリバリーに問題が生じる場合がある。
本発明のインク組成物の表面張力は、好ましくは20〜30mN/m、更に好ましくは23〜28mN/mである。ポリオレフィン、PET、コート紙、非コート紙など様々な被記録媒体へ記録する場合、滲み及び浸透の観点から、20mN/m以上が好ましく、濡れ性の点では30mN/m以下が好ましい。
本発明のインク組成物は、インクジェット記録用のインクとして好適に用いることができる。インクジェット記録方式には特に制限はなく、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出する電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出する音響型インクジェット方式、インクを加熱して気泡を形成し、発生した圧力を利用するサーマル型インクジェット方式、等のいずれであってもよい。なお、前記インクジェット記録方式には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式、が含まれる。
前記のうち、ピエゾ素子を用いたドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)のインクジェット記録用インクとして好適である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
[高分子化合物(高分子分散剤)1溶液の調製]
5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩25質量%とエステルグリコール75質量%(ESG三菱ガス化学製)を窒素気流下、240℃にてエステル化を行い、スルホン酸Na含有ポリエステルを得た。
次に、攪拌機を具備し、予め窒素置換した容器に、スルホン酸Na合有ポリエステル2.5質量%とBPX1000(旭電化社製)13.4質量%をシクロヘキサノン70.0質量%に溶解し、ジ−n−ジブチルスズラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。さらに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート14.1質量%を加え、90℃にて6時間加熱反応し、高分子化合物1溶液を得た。
[インク組成物の作製]
下記の配合比で、顔料、光開始剤、増感色素、光硬化性化合物3種と、前記高分子化合物1溶液を分散機で分散し、インク組成物を作製した。
・顔料(アルミナ処理酸化チタン(粒子表面アルミナ処理率60%))
15.0質量%
・カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
(DPCA60、SARTOMER社製;重合性化合物) 56.3質量%
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート
(HDDA、ダイセル・ユーシービー社製;重合性化合物) 15.0質量%
・1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトンとビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイドとの混合物
(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製;光重合開始剤) 11.5質量%
・高分子化合物:前記高分子化合物1溶液 1.2質量%
・酸素補足剤(ST−1、Chem First Chemicals社製)
1.0質量%
(実施例2)
[高分子化合物(高分子分散剤)2溶液の調製]
5−スルホイソフタル酸ジメチルエステルNa塩25質量%と2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール75質量%を窒素気流下、240℃にてエステル化を行い、スルホン酸Na含有ポリエステルを得た。
次に、攪拌機を具備し、予め窒素置換した容器に、スルホン酸Na含有ポリエステル2.5質量%とプラクセル210(ダイセル社製)13.4質量%をシクロヘキサノン70.0質量%に溶解し、ジ−n−ジブチルスズラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。さらにヘキサメチレンジイソシアネート14.1質量%を加え、90℃にて6時間加熱反応し、高分子化合物2溶液を得た。
更に、高分子化合物1溶液の代わりに、高分子化合物2溶液を用いたこと以外実施例1と同様にして、インク組成物を作製した。
(比較例1)
[高分子化合物(高分子分散剤)3溶液の調製]
アジピン酸と2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールより得られたポリエステルポリオール2.5質量%とBPX1000(旭電化社製)13.4質量%をシクロヘキサノン70.0質量%に溶解し、ジ−n−ジブチルスズラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。さらに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート14.1質量%を加え、90℃にて6時間加熱反応し、酸性基を含まない高分子化合物3溶液を得た。
更に、高分子化合物1溶液の代わりに、高分子化合物3溶液を用いたこと以外実施例1と同様にして、インク組成物を作製した。
(比較例2)
[高分子化合物(高分子分散剤)4溶液の調製]
ジメチロールプロピオン酸1.0質量%とBPX1000(旭電化社製)14.9質量%をシクロヘキサノン70.0質量%に溶解し、ジ−n−ジブチルスズラウレート60ppmを加え更に15分間溶解した。さらに、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート14.1質量%を加え、90℃にて6時間加熱反応し、カルボキシル基を含む高分子化合物4溶液を得た。
更に、高分子化合物1溶液の代わりに、高分子化合物4溶液を用いたこと以外実施例1と同様にして、インク組成物を作製した。
実施例1及び2、比較例1及び2のインク組成物の粘度、分散性、沈降性、再分散性、隠蔽性、吐出安定性、硬化性、密着性、耐候性評価を下記の方法により評価した。
[インク組成物の評価]
(1.粘度)
各インク組成物の40℃における粘度をE型粘度計(東機産業製)を用いて測定し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:30mPas未満
B:30mPas以上、100mPas未満
C:100mPas以上(吐出上問題のあるレベル)
(2.分散性)
光学顕微鏡を用いて、分散性を観察し、下記基準で評価した。その結果を表1に示す。
A:1μm以上の粒子なし。
B:1μm以上の粒子あり。
(3.沈降性)
50mlガラス容器中、室温で1ヶ月放置後の顔料の沈降状態を目視により評価した。沈降量の少ない順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
(4.再分散性)
遠心分離機(回転数5000rpm、30分)にて強制沈降を行った後、一定攪拌を行い、再分散性を評価した。再分散性の良好な順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
(5.吐出安定性)
各インクを用いて、インクジェットプリンタで60分連続印字した後、問題なく吐出できるものをA、一部サテライトを生じる場合をB、ノズル欠が生じる場合をCとして評価した。その結果を表1に示す。
得られたインク組成物をインクジェットプリンタ(印字密度300dpi、打滴周波数4kHz、ノズル数64)でアート紙上に印字してから、Deep UVランプ(ウシオ製、SP−7)で15mJ/cm2のエネルギーとなる条件で露光し、印字サンプルを得た。印字後10分経ったサンプルを、下記評価項目について評価した。
(6.硬化性)
印字面をタックフリーテストにて評価した。硬化皮膜を指で触れて、べたつきが無い場合をA、僅かにべたつきがある場合をB、著しくべたつく場合をCとして評価した。その結果を表1に示す。また、Aの評価の中で、Deep UVランプによる露光エネルギーを7.5mJ/cm2にすること以外は同様にして作成した印字サンプルを評価した場合でも、べたつきが無い場合をSとして評価した。
(7.密着性)
硬化皮膜に、碁盤目状にカッターで切れ目をいれた後、その表面に粘着テープを貼り付け、ついで、粘着テープを剥離した際の基材上の硬化皮膜の残存状態を目視観察した。剥離が見られない場合をA、一部剥離が見られた場合をB、著しく剥離がみられた場合をC、硬化が不十分で評価できないものをDとして評価した。その結果を表1に示す。
(8.隠蔽性)
黒紙にバーコーターで塗布し、硬化後塗膜の隠蔽性を目視により評価した。隠蔽性の良好な順に、3、2、1とする3段階評価を行った。その結果を表1に示す。
(9.耐光性)
前記画像を形成した写真用紙に、ウエザーメーター(アトラスC.165)を用いて、キセノン光(100000lx)を3日間照射し、キセノン照射前後の画像濃度を反射濃度計(X−Rite310TR)を用いて測定し、色素残存率として評価した。尚、前記反射濃度は1.0に固定し測定した。色素残存率が80%以上の場合をA、80%未満をB、70%未満をCとして3段階で評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004799987
表1に示されるように、スルホン酸基を有する高分子化合物(高分子分散物)を用いた本実施例のインク組成物は、低粘度、分散性良好、沈降抑制、再分散性良好であり、インク安定性に優れている。さらに、塗膜の硬化性、耐候性を保持しつつ、密着性及び隠蔽性に関して、良好な評価を得ることができた。このことより本実施例のインク組成物は、
インクの安定性に優れ、良好な画像を形成でき、硬化性や被記録媒体との密着性に優れていることがわかる。また、このようなインク組成物では、目詰まりが少なく、装置へのインク供給が安定している。これに対して、比較例のインク組成物は、インクの安定性(分散性、沈降性、再分散性)に劣り、吐出安定性を満足させることができなかった。

Claims (4)

  1. 白色顔料、高分子分散剤、光硬化性化合物、及び光開始剤を主成分とするインクジェット記録用インク組成物であって、
    前記白色顔料が、アルミナ、亜鉛、ジルコニア及び塩基性有機化合物から選ばれるいずれか一種で処理された酸化チタンであり、
    前記高分子分散剤がスルホン酸基を有し、前記スルホン酸基が−SO M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属又はアンモニウムを示す)を含む極性基含有長鎖ポリオールから導入されてなることを特徴とするインクジェット用インク組成物。
  2. 前記光硬化性化合物として、オキシラン基及びオキセタン基の少なくとも一方を有するカチオン重合性化合物、またはアクリル基及びメタクリル基の少なくとも一方を有するラジカル重合性化合物を含むことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット用インク組成物。
  3. 前記酸化チタンが、アルミナ処理酸化チタンである請求項1又は請求項2に記載のインクジェット用インク組成物。
  4. 前記極性基含有長鎖ポリオールの分子量が、500〜5000である請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のインクジェット用インク組成物。
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