JP4799965B2 - 窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ - Google Patents

窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ Download PDF

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本発明は窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタに関する。
窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ(Heterostructure Field Effect Transistor、以下HFETと略称する)は、次世代の高温・高出力・高耐圧の超高周波トランジスタとして非常に有望であり、実用化に向けて現在盛んに研究が行われている。
現在、窒化物半導体であるGaNを用いたGaN系HFETにおいて通常採用されている素子構造上の特徴として、素子表面上に、表面パッシベーション膜(表面保護膜)として絶縁膜が堆積されていることが挙げられる。その目的は、GaN系HFETにおいては、素子表面を大気にさらしたままの状態において素子動作を行うと、電流コラプスと呼ばれる望ましくない現象(ドレイン電圧の増大やゲート電圧の負方向増大等の電圧印加履歴により、ドレイン電流が減少してしまう現象)が起こるので、この現象を、表面パッシベーション膜によって、低減・抑制するためである。
表面パッシベーション膜としては、現在、GaN系材料との間に良質な界面の形成が可能なSiN系絶縁膜(Siが典型例である)が通常用いられており、膜厚数10nmから200nm程度のSiを素子表面上に堆積することによって表面パッシベーション膜が形成されている(下記非特許文献1参照)。
Bruce M. Green, et al., IEEE Electron Device Lett., vol. 21, pp.267-270, June 2000.
ところで、HFETの素子特性のさらなる向上のためには、ソース・ゲート電極間領域およびゲート・ドレイン電極間領域(以下、略して単に「電極間領域」と呼ぶ)下のチャネル抵抗を低減することが有効である。このことは、高出力・高耐圧用に設計された、あるいは、スイッチング用に設計された、ソース・ゲート電極間距離およびゲート・ドレイン電極間距離の大きいHFETにおいては、特に重要である。また、今後、より高い利得を得る目的でHFETの障壁層(AlGaN/GaN HFETにおいてはAlGaN層)の膜厚を低減した場合においても、一般に電極間領域下のチャネル抵抗が大きくなり、利得増大の妨げとなってしまうため、前記抵抗を低減することが非常に重要になってくる。
このように、電極間領域下において低いチャネル抵抗を得ることは、今後、GaN系HFETの素子特性を向上させる上で非常に重要である。ここで、電極間領域においては、通常、上述の表面パッシベーション膜が堆積されるので、結局、堆積することによってより低いチャネル抵抗が得られる絶縁膜を表面パッシベーション膜として用いることが、素子特性を向上させる上で重要となる。
しかし、現在、表面パッシベーション膜としては、GaN系材料との間に良質な界面の形成が可能なゆえに電流コラプスの抑制効果の良好なSiN系絶縁膜が通常用いられており、堆積領域下のチャネル抵抗をより低減するという観点からの表面パッシベーション膜の開発は全く行われておらず、また、そのための指針も存在しない。
このような技術現状において、堆積領域下のチャネル抵抗をより低減するパッシベーション膜の開発を行うことは、極めて斬新な試みであり、今後の素子特性のさらなる向上に非常に重要である。
本発明は上記の試みに関連してなされたものであり、本発明が解決しようとする課題は、チャネル抵抗を大きく低減する表面パッシベーション膜を有する、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタを提供することである。
上記課題を解決するために、本発明においては、請求項1に記載のように、
窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、Al膜がこの順番に堆積され、前記Si膜の膜厚は0.28nm以上、4nm以下であり、前記Al膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、前記Si膜と前記Al膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタを構成する。
また、本発明においては、請求項2に記載のように、
窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、AlN膜がこの順番に堆積され、前記Si膜の膜厚は0.28nm以上、4nm以下であり、前記AlN膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、前記Si膜と前記AlN膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタを構成する。
また、本発明においては、請求項3に記載のように、
窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、SiO膜がこの順番に堆積され、前記Si膜の膜厚は2nm以上、4nm以下であり、前記SiO膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、前記Si膜と前記AlO膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタを構成する。
GaN系HFETにおいて、ソース・ゲート間領域内およびゲート・ドレイン間領域内に、薄いSi膜を堆積し、さらに、その上に、Al膜、AlN膜あるいはSiO膜を堆積してなる絶縁膜構造を表面パッシベーション膜として用いることによって、チャネル抵抗を大きく低減する表面パッシベーション膜を有する、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタを提供することが可能となる。
以下に、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタの一例として、GaN系HFETを対象とし、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明の特徴は、例えばGaN系HFETにおいて、HFETの表面上の、ソース・ゲート間領域内およびゲート・ドレイン間領域内に、薄いSi膜が堆積され、かつ、その上に、Si膜よりも大きなバンドギャップを有する絶縁膜である、Al膜、AlN膜、あるいはSiO膜が堆積されていることを特徴とする絶縁膜構造を、表面パッシベーション膜として用いることである。
本発明による作用を、図を用いて説明する。
図5は、従来型の表面パッシベーション膜が堆積されている、標準的なGaN系HFET(AlGaN/GaN HFET)の素子構造を模式的に示したものである。AlGaN/GaNヘテロ界面1近傍のGaN層2内には2次元電子ガスが存在してチャネルを形成しており、AlGaN障壁層3上には、ソース電極4、ゲート電極5、ドレイン電極6が形成されている。さらに、ソース・ゲート間領域7およびゲート・ドレイン間領域8(両者を合わせて電極間領域7、8と呼ぶ)においては、AlGaN障壁層3上に、従来型の表面パッシベーション膜として、Si膜が堆積されている。SiとAlGaNとの間には良好な界面が形成可能なため、Si膜による表面パッシベーションによって、電流コラプスが低減・抑制される。
図5において、トランジスタの真性領域はゲート電極5下の領域であり、HFETの真性の特性はこの領域の特性によって決定されるが、実際の素子特性の向上には、電極間領域7、8(特に、ソース・ゲー卜電極間領域7)下のチャネル抵抗を低減することが有効である。
図6は、AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域7、8内に表面パッシベーション膜が堆積されていない場合(すなわち、AlGaN表面が大気にさらされている場合)における電極間領域7、8下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面1における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示したものである。
また、図7は、AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域7、8内に表面パッシベーション膜としてSi膜が堆積されている場合(図5の場合)における電極間領域7、8下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面1における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示したものである。
以下に、図6および図7における2次元電子濃度の相異について述べる。
図7において、AlGaNとSiとの伝導帯下端のポテンシャルの位置は一般に異なり(すなわち、ポテンシャルの段差が存在し)、最も普通に用いられるAlGa1−XN/GaN(X=0.2〜0.4)HFETにおいては、図7に示されているように、Siの方がAlGaNよりもポテンシャルの位置が高くなる。これは、AlGa1−XN/GaN(X=0.2〜0.4)HFETにおいては、SiがAlGaNに比べてより大きなバンドギャップを有するためであり、この場合、図7のAlGaN/GaNヘテロ界面1におけるGaN層2の伝導帯下端の、フェルミ準位に対する相対位置は、図6の場合と比較して、一般により低い位置となる。その結果、図7においては、図6の場合に比べて、より高濃度の2次元電子ガスが蓄積する。すなわち、図7における2次元電子濃度は、図6の場合に比べて高くなる。2次元電子濃度が増大すると、一般に2次元電子移動度は低下するが、電子濃度増大の効果は電子移動度低下の効果よりも一般に大きく(効果の比率は必ずしも普遍的ではない)、その結果、2次元電子濃度が増大すると、チャネル抵抗(電子濃度と移動度の積に逆比例)は低減する。結局、図7の場合の方が図6の場合に比べて、チャネル抵抗が低くなる。すなわち、電極間領域7、8内に表面パッシベーション膜としてSi膜が堆積されたことにより、電極間領域7、8下のチャネル抵抗が低減する。
図1は、本発明に係る窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタの素子構造の一例として、表面パッシベーション膜が堆積されているGaN系HFET(AlGaN/GaN HFET)の素子構造を模式的に示したものである。図1においては、AlGaN障壁層3上にソース電極4、ゲート電極5およびドレイン電極6が形成され、ソース電極4とゲート電極5との間の領域であるソース・ドレイン間領域7と、ゲート電極5とドレイン電極6との間の領域であるゲート・ドレイン間領域8とにおけるAlGaN障壁層3の上に薄いSi膜が堆積され、その上に、Si膜よりも大きなバンドギャップを有する絶縁膜である、Al膜、AlN膜あるいはSiO膜が堆積されている。かかる特徴を有する表面パッシベーション膜が、本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜構造である。
図1においては、薄いSi膜の堆積により、Si膜とAlGaN障壁層3との間に、界面準位密度の低い良好な半導体/絶縁膜ヘテロ界面が形成可能となり、その結果、主たる膜厚を占める絶縁膜がAl膜、AlN膜あるいはSiO膜のいずれの場合でも、表面パッシベーション膜構造全体として、良好な半導体/絶縁膜ヘテロ界面が形成可能となる。すなわち、本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜によって、従来型のSi膜による表面パッシベーション膜と同様に、電流コラプスが低減・抑制される。
図2は、AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域7、8(ソース・ゲート間領域7とゲート・ドレイン間領域8とを合わせてこのように呼ぶ)内に本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜が堆積されている場合(図1の場合)における電極間領域7、8下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面1(チャネル)における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示したものである。図2を、従来型の表面パッシベーション膜が用いられている図7と比較すると、図2においては、AlGaN/GaNヘテロ界面1におけるGaN層2の伝導帯下端の、フェルミ準位に対する相対位置が、図7の場合と比較して、より低い位置となっており、その結果、図2においては2次元電子濃度がより高くなっている。これは、従来型の表面パッシベーション膜であるSi膜(図7)に比べて、本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜における主たる膜厚を占める絶縁膜であるAl膜、AlN膜あるいはSiO膜が、より大きなバンドギャップを有するためである。したがってまた、図2において、AlGaN/GaNヘテロ界面1におけるGaN層2の伝導帯下端の、フェルミ準位に対する相対位置を、より低い位置にする効果は、Si膜の上に堆積されている絶縁膜のバンドギャップが大きいほど大きく、その場合に、2次元電子濃度もより高くなり、チャネル抵抗もより低くなる。本発明に係るHFETに関連する絶縁膜あるいは半導体膜、すなわち、SiO膜、Al膜、AlN膜、Si膜、GaN膜のバンドギャップ(バンドギャップエネルギー)の値を、図3に示す。
以上のように、GaN系HFETにおいて、HFETの表面上の、ソース・ゲート間領域7内およびゲート・ドレイン間領域8内に、
(i)薄いSi膜が堆積されていることによって、良好な半導体(AlGaN)/絶縁体(Si)界面の形成が可能となる結果、電流コラプスが低減・抑制され、かつ、前記の薄いSi膜の上に、
(ii)Si膜よりも大きなバンドギャップを有する絶縁膜である、Al膜、AlN膜、あるいはSiO膜が堆積されていることによって、2次元電子濃度が増大する結果、チャネル抵抗が低減される。このように、図1に模式的に示される本発明に係るGaN系HFETにおける表面パッシベーション膜によって、その堆積によって堆積領域下のチャネル抵抗をより低減することが可能な、表面パッシベーション膜が提供される。以上により、本発明による作用がすべて示された。
[実施の形態例1]
図1において、HFETの表面上の、ソース・ゲート間領域7内およびゲート・ドレイン間領域8内の
に、Si膜、Al膜がこの順番に堆積されていることを特徴とする表面パッシベーション膜構造を形成した。ここで、Si膜の膜厚は0.28nm(0.5原子層)以上、4nm以下、Al膜の膜厚は4nm以上、200nm以下、Si膜とAl膜の合計膜厚は8nm以上、200nm以下とした。かかる表面パッシベーション膜は、プラズマ・スパッタ法その他の方法によって堆積が可能である。
また、一般に、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、さらに、上記の、膜厚数値を含めた特徴を有する表面パッシベーション膜が前記障壁層上に形成されていれば、本発明の効果が現れる。
図4は、表面パッシベーション膜の堆積によるチャネル抵抗の変化の、絶縁膜厚依存性を模式的に示したものであり、本発明に係るHFETのSi/Al膜を従来型のHFETのSi膜の場合とともに示してある。図の縦軸は、チャネル抵抗比、すなわち、表面パッシベーション膜が有る場合のチャネル抵抗を表面パッシベーション膜が無い場合のチャネル抵抗で割った値を示し、横軸は、絶縁膜厚、すなわち、表面パッシベーション膜全体の厚さを示している。表面パッシベーション膜がSi膜である場合の絶縁膜厚依存性が点線で表され、表面パッシベーション膜がSiとAlとの積層膜である場合の絶縁膜厚依存性が実線で表されている。
いずれのパッシベーション膜の場合も、膜厚の増大とともにチャネル抵抗が低下し、8〜10nm程度の膜厚でほぼ飽和するが、Si/Al膜の方がSi膜の場合よりもチャネル抵抗がより低減されている様子が示されている。(定量的には、チャネル抵抗の低減率は、HFETの層構造およびパッシベーション膜の堆積法等の詳細によって異なる。)
図4において、Si膜とAl膜の合計膜厚は、チャネル抵抗が低減の飽和値に80%以上に近づく膜厚(チャネル抵抗飽和最低膜厚)である、8nm以上が必要であるが、大気や水分に対する素子の保護という観点からみても、200nmを超える膜厚は不要である。また、Si/Al膜(SiとAlとの積層膜)が、その直下の半導体層との間に、良好な半導体/絶縁体(Si)界面の形成を可能とするためには、Si膜の膜厚が、0.28nm(0.5原子層)以上であることが必要である。一方、Si/Al膜におけるSi膜が、チャネル抵抗飽和最低膜厚である8nmの1/2、すなわち4nmを超えると、Al膜堆積の効果(チャネル抵抗の低減効果)が弱められてしまうため、Si膜の膜厚は、4nm以下であることが必要である。また逆に、Si/Al膜において、Al膜堆積の効果(チャネル抵抗の低減効果)を有効に得るためには、Al膜が、チャネル抵抗飽和最低膜厚である8nmの1/2、すなわち4nm以上であることが必要である。このように、Si/Al表面パッシベーション膜に対する要請として、Si膜の膜厚は、0.28nm(0.5原子層)以上4nm以下、Al膜の膜厚は、4nm以上200nm以下、Si膜とAl膜の合計膜厚は、8nm以上200nm以下であることが、必要とされる。
本実施の形態例として、高出力高周波用に設計されたAl0.3Ga0.7N/GaN HFET上に、1nmのSi膜、20nmのAl膜をこの順番に堆積した絶縁膜構造を、表面パッシベーション膜として用いたところ、従来構造の表面パッシベーション膜(100nmのSi膜)を用いた場合に比べて、表面パッシベーション膜下のチャネル抵抗は25%低減され、その結果、ソース抵抗が20%低減された。
さらに、本実施の形態例による副次効果として、Al膜が、従来構造のSi膜よりも大きな絶縁耐圧を有する結果、ドレイン耐圧が、従来構造の場合に比べて、30%増大した。
[実施の形態例2]
図1において、HFETの表面上の、ソース・ゲート間領域7内およびゲート・ドレイン間領域8内に、Si膜、AlN膜がこの順番に堆積されていることを特徴とする表面パッシベーション膜構造を形成した。ここで、Si膜の膜厚は、0.28nm(0.5原子層)以上4nm以下、AlN膜の膜厚は、4nm以上200nm以下、Si膜とAlN膜の合計膜厚は、8nm以上200nm以下とした。かかる表面パッシベーション膜は、プラズマ・スパッタ法その他の方法によって堆積が可能である。なお、本実施の形態例における絶縁膜厚に対する要請の根拠は、実施の形態例1と全く同様である。
また、一般に、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、さらに、上記の、膜厚数値を含めた特徴を有する表面パッシベーション膜が前記障壁層上に形成されていれば、本発明の効果が現れる。
本実施の形態例を実施の形態例1と比較すると、主絶縁膜であるAlN膜のバンドギャップがAl膜のそれよりも小さい(図3参照)ため、チャネル抵抗の低減効果は、本実施の形態例の方が実施の形態例1よりも小さくなるという不利益を有する。しかし本実施の形態例は、良質のAlN膜の堆積に必要な堆積条件の制御が、良質のAl膜の堆積するために必要な堆積条件の制御よりも一般に容易であるという、絶縁膜堆積上の利点を有する。
本実施の形態例として、高出力高周波用に設計されたAl0.3Ga0.7N/GaN HFET上に、1nmのSi膜、20nmのAlN膜をこの順番に堆積した絶縁膜構造を、表面パッシベーション膜として用いたところ、従来構造の表面パッシベーション膜(100nmのSi膜)を用いた場合に比べて、表面パッシベーション膜下のチャネル抵抗は20%低減され、その結果、ソース抵抗が15%低減された。さらに、本実施の形態例による副次効果として、AlN膜が、従来構造のSi膜よりも大きな絶縁耐圧を有する結果、ドレイン耐圧が、従来構造の場合に比べて、30%増大した。
[実施の形態例3]
図1において、HFETの表面上の、ソース・ゲート間領域内およびゲート・ドレイン間領域内に、Si膜、SiO膜がこの順番に堆積されていることを特徴とする表面パッシベーション膜構造を形成した。ここで、Si膜の膜厚は、2nm以上4nm以下、SiO膜の膜厚は、4nm以上200nm以下、Si膜とSiO膜の合計膜厚は、8nm以上200nm以下とした。かかる表面パッシベーション膜は、プラズマ・スパッタ法その他の方法によって堆積が可能である。
また、一般に、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、さらに、上記の、膜厚数値を含めた特徴を有する表面パッシベーション膜が前記障壁層上に形成されていれば、本発明の効果が現れる。
本実施の形態例における絶縁膜厚に対する要請で、実施の形態例1および実施の形態例2と唯一異なる点は、Si膜の膜厚が、2nm以上である点である。これは、Si膜の膜厚が2nm未満であると、素子作製プロセスにおいて、SiO膜から酸素(O)原子がSi膜を通過して半導体層中に拡散・混入し、その結果、電子移動度の低下によってチャネル抵抗が増大してしまうので、それを防ぐための条件である。このように、Si膜の膜厚を2nm以上にすることで、上記の酸素原子の半導体層中への拡散・混入を低減・抑制し、実施の形態例1および実施の形態例2と同様に、チャネル抵抗の低減効果を得ているのが、本実施の形態例である。
本実施の形態例を実施の形態例1および実施の形態例2と比較すると、チャネル抵抗の低減効果は、実施の形態例2と同程度(したがって実施の形態例1よりやや小さい)である。これは、主絶縁膜であるSiO膜が、Al膜およびAlN膜のバンドギャップよりも大きい(図3参照)という有利な点(したがって、より高い電子濃度が得られる)と、上述の、酸素(O)原子の拡敵・混入によって電子移動度が低下するという不利な点とが相殺する結果である。本実施の形態例においては、半導体産業において最も一般的な絶縁膜であるSiO膜を主絶縁膜としており、したがって、実施の形態例2に比べてもさらに、絶縁膜の堆積条件の制御が容易になるという、絶縁膜堆積上の利点を有する。
本実施の形態例として、高出力高周波用に設計されたAl0.3Ga0.7N/GaN HFET上に、2nmのSi膜、20nmのSiO膜をこの順番に堆積した絶縁膜構造を、表面パッシベーション膜として用いたところ、従来構造の表面パッシベーション膜(100nmのSi膜)を用いた場合に比べて、表面パッシベーション膜下のチャネル抵抗は20%低減され、その結果、ソース抵抗が15%低減された。さらに、本実施の形態例による副次効果として、SiO膜が、従来構造のSi膜よりも大きな絶縁耐圧を有する結果、ドレイン耐圧が、従来構造の場合に比べて、30%増大した。
以上に説明したように、本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜によって、その堆積によって堆積領域下のチャネル抵抗をより低減することが可能となる。また、本発明の副次効果として、Al膜、AlN膜、あるいはSiO膜が、従来構造のSi膜よりも大きな絶縁耐圧を有する結果、ドレイン耐圧が、従来構造の場合に比べて増大する。
本発明に係る、表面パッシベーション膜が堆積されている、GaN系HFET(AlGaN/GaN HFET)の素子構造を模式的に示した図である。 AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域内に本発明に係るHFETの表面パッシベーション膜が堆積されている場合(図1の場合)における電極間領域下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示した図である。 本発明に係るHFETに関連する絶縁膜あるいは半導体膜のバンドギャップの値を示す図である。 表面パッシベーション膜の堆積によるチャネル抵抗の変化の、絶縁膜厚依存性を模式的に示した図である。 従来型の表面パッシベーション膜が堆積されている、標準的なGaN系HFET(AlGaN/GaN HFET)の素子構造を模式的に示した図である。 AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域内に表面パッシベーション膜が堆積されていない場合における電極間領域下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示した図である。 AlGaN/GaN HFETにおいて、電極間領域内に表面パッシベーション膜としてSi膜が堆積されている場合(図5の場合)における電極間領域下のポテンシャル形状を、AlGaN/GaNヘテロ界面における2次元電子の蓄積の様子とともに、模式的に示した図である。
符号の説明
1:AlGaN/GaNヘテロ界面、2:GaN層、3:AlGaN障壁層、4:ソース電極、5:ゲート電極、6:ドレイン電極、7:ソース・ゲート間領域、8:ゲート・ドレイン間領域。

Claims (3)

  1. 窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、
    障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、
    前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、Al膜がこの順番に堆積され、
    前記Si膜の膜厚は0.28nm以上、4nm以下であり、
    前記Al膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、
    前記Si膜と前記Al膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ。
  2. 窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、
    障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、
    前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、AlN膜がこの順番に堆積され、
    前記Si膜の膜厚は0.28nm以上、4nm以下であり、
    前記AlN膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、
    前記Si膜と前記AlN膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ。
  3. 窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタにおいて、
    障壁層上にソース電極、ゲート電極およびドレイン電極が形成され、
    前記ソース電極と前記ゲート電極との間の領域と、前記ゲート電極と前記ソース電極との間の領域とにおける前記障壁層の上にSi膜、SiO膜がこの順番に堆積され、
    前記Si膜の膜厚は2nm以上、4nm以下であり、
    前記SiO膜の膜厚は4nm以上、200nm以下であり、
    前記Si膜と前記AlO膜との合計膜厚は8nm以上、200nm以下であることを特徴とする、窒化物半導体を用いたヘテロ構造電界効果トランジスタ。
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