JP4798430B2 - 共押出多層フィルム及びそれを用いた紙ラミネートフィルム - Google Patents

共押出多層フィルム及びそれを用いた紙ラミネートフィルム Download PDF

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本発明は、易開封性に優れ、低温でもヒートシールが可能なシーラントフィルムとして用いることのできる共押出多層フィルムに関し、さらには、該共押出多層フィルム上に紙基材がラミネートされた紙ラミネートフィルムに関する。
最近、食品用ピロー包装袋には、意匠性向上を目的として、紙を基材とした紙ラミネートフィルムが用いられている。この紙ラミネートフィルムは、基材である紙とシーラントフィルムとを接着剤を介して積層接着(ラミネート)されたものであるが、基材が紙の場合、シーラントフィルムに一定以上の剛性がないと、シーラントフィルムに接着剤を塗布する際に、接着剤塗布不良やシーラントフィルムのシワを生じるラミネート不良が発生し、ラミネート加工適性が悪化する傾向があった。したがって、通常、紙ラミネートフィルム用のシーラントフィルムには、剛性の高い二軸延伸ポリプロピレン系フィルム(以下、「OPP」という。)が用いられていた。
しかし、OPPをシーラントフィルムとした紙ラミネートフィルムをピロー包装袋に用いた場合、低温シール性に劣るため、より高温でないと充分なシール強度が得られない問題があった。また、OPPは高温でシールすると、シール強度が高くなる傾向があり、易開封性に劣るため、開封時にシール部分以外の場所で破け、内容物が飛散する問題もあった。
そこで、易開封性を有するシーラントフィルムとして、ポリプロピレン系共重合体に低密度ポリエチレン10〜25%と、エチレン−プロピレンゴム及びエチレン−プロピレン−ブテン−1ゴムから選ばれた少なくとも1種を5〜15重量%含有し、かつ、該低密度ポリエチレン及び該ゴムの総和が30重量%以下であるヒートシール層と、プロピレン系重合体からなるラミネート層で構成された易開封複合フィルムが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、この易開封複合フィルムの140℃でのヒートシール強度は、0.65〜1.31kg/15mm(6.37〜12.84N/15mm)と比較的高い。そのため、ピロー包装袋用ラミネートフィルムのシーラントフィルムとして用いた場合、ラミネートフィルムの基材が、膜厚が厚く、剛性が高い場合は開封できるが、レーヨン紙、薄葉紙等の厚さが薄い紙基材のように剛性が低い場合、このシール強度では、ピロー包装袋の開封時に、開封時にシール部分以外の場所で破け、内容物が飛散する問題があった。また、この易開封複合フィルムの具体例として挙げられているものは、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体が主体であるため、剛性が比較的低く、紙とのラミネート性が充分ではなかった。
特開2001−277448号公報
本発明の課題は、ピロー包装用シーラントフィルムとして用いることができ、容易に手で開封できる易開封性を有し、低温でもヒートシール可能で、かつ紙基材とのラミネート加工性が良好な共押出多層フィルムを提供することである。
発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂を主成分とする表面層(A)と、低密度ポリエチレン及びエチレン−α−オレフィン共重合体からなる中間層(B)と、融点120℃〜145℃のプロピレン系共重合体及びブテン−1−α−オレフィン共重合体からなるシール層(C)との3層からなり、シール層(C)の厚さが0.5〜3μmである共押出多層フィルムを、紙ラミネートフィルム用シーラントフィルムとして用いると、紙とのラミネート加工適性が良好で、易開封性、低温ヒートシール性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とする表面層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)及びエチレン−α−オレフィン共重合体(b2)からなる中間層(B)と、融点120℃〜145℃のプロピレン系共重合体(c1)及びブテン−1−α−オレフィン共重合体(c2)からなるシール層(C)とからなり、前記表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が、(A)/(B)/(C)の順で積層されており、かつ前記シール層(C)の厚さが0.5〜3μmであることを特徴とする共押出多層フィルム及びそれを用いた紙ラミネートフィルムを提供するものである。
本発明の共押出多層フィルムは、従来のピロー包装用シーラントフィルムと比較して、容易に手で開封できる易開封性を有し、低温でもヒートシール可能で、かつ紙基材とのラミネート加工適性が良好なため、各種食品包装材用シーラントフィルムとして用いることができ、特に紙基材とラミネートして使用されるピロー包装用シーラントフィルムとして好適に用いることができる。
本発明の共押出多層フィルムは、表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が、(A)/(B)/(C)の順で積層されたものであるが、各層に用いる樹脂は以下のものである。
表面層(A)は、融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層である。このプロピレン系樹脂(a)としては、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレン−エチレンランダム共重合体、ポリエチレン−ポリプロピレンブロック共重合体、プロピレンとエチレン以外のα−オレフィンとのランダム共重合体等のプロピレン系共重合体などが挙げられる。これらのプロピレン系樹脂(a)は、前記表面層(A)中に80〜100質量%含有(その他の樹脂は0〜20質量%含有)することが好ましく、95〜100質量%含有(その他の樹脂は0〜5質量%含有)することがより好ましい。また、前記プロピレン系樹脂(a)の中でも、プロピレン単独重合体が好ましい。また、本発明で用いるプロピレン系樹脂(a)は、融点が150℃〜170℃のものであるが、融点が158〜165℃のものがより好ましい。
また、前記表面層(A)には、融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂(a)以外に、ラミネート加工性を損なわない範囲で、その他の樹脂として、例えば、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロプレン−α−オレフィン共重合体等のオレフィン系樹脂、オレフィン系樹脂フィルムの製造の際に発生するフィルム端部からなる回収物(以下、「回収物」という。)を用いることができる。
さらに、前記プロピレン系樹脂(a)に造核剤を配合すると、剛性が向上するため好ましい。この造核剤としては、プロピレン系樹脂に対して核となって結晶を成長させる効果を有するものであれば良く、例えば、パラ−t−ブチル安息香酸−アルミニウム塩、安息香酸のナトリウム塩、安息香酸のカリウム塩等の有機カルボン酸の金属塩;3−メチルブテン−1、ビニルシクロアルカン等の重合体からなる高分子核剤などが挙げられる。これらの造核剤の中でも、3−メチルブテン−1の重合体からなる高分子核剤は、耐熱性を向上させるのに最も効果があるので好ましい。この高分子核剤の配合量としては、質量基準で100〜800ppmが好ましい。
また、前記表面層(A)は、2層以上からなる多層構成であっても良く、例えば、表面側の表面層(A1)と中間層(B)側の表面層(A2)の2層からなる構成等が挙げられる。前記表面層(A)が多層構成の場合、各層はいずれも前記融点150℃〜170℃のプロピレン系樹脂(a)を主成分とする樹脂層であることが必要であるが、各層の組成は同一であっても、異なっていても良い。さらに、前記表面層(A2)には、前記回収物を一部再利用して用いることができる。表面層(A2)に回収物を用いる場合、回収物の表面層(A2)中の配合比率は、20質量%以下が好ましく、この範囲であれば、本発明の共押出多層フィルムの効果を損なうことはない。
中間層(B)は、低密度ポリエチレン(b1)及びエチレン−α−オレフィン共重合体(b2)からなる樹脂層である。低密度ポリエチレン(b1)としては、密度が0.910〜0.930g/cmのものが挙げられ、特に、密度が0.915〜0.925g/cmであるものが好ましい。
前記エチレン−α−オレフィン共重合体(b2)としては、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体、直鎖状低密度ポリエチレン等が挙げられる。これらの中でも、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体が好ましく、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体がより好ましい。エチレン−ブテン−1ランダム共重合体としては、ブテン−1由来成分の含有率が5〜20質量%の共重合体であることが好ましく、7〜15質量%の共重合体であることがより好ましい。また、これら共重合体の融点としては60〜145℃であることが好ましく、密度としては0.890〜0.930g/cmであることが好ましい。
また、前記中間層(B)で用いる前記低密度ポリエチレン(b1)と前記エチレン−α−オレフィン共重合体(b2)との配合比としては、前記表面層(A)との層間接着強度が適度に低くすることで易開封性が付与でき、さらに適度なシール強度を保持できることから、質量比で(b1)/(b2)が90/10〜30/70であることが好ましく、80/20〜40/60であることがより好ましく、さらに、70/30〜50/50であることが特に好ましい。
シール層(C)は、融点120℃〜145℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)及びブテン−1−プロピレンランダム共重合体(c2)からなる樹脂層である。本発明で用いるプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)は、融点120℃〜145℃のものであるが、融点が125〜135℃のものがより好ましい。また、プロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)の中でも、低温ヒートシール性、耐衝撃性、滑り性に優れるフィルムが得られることから、エチレン由来成分の含有率が2.5〜10質量%であるものが好ましく、エチレン由来成分の含有率が3〜8質量%であるものがより好ましい。
前記ブテン−1−プロピレンランダム共重合体(c2)は、ブテン−1とプロピレンとを必須成分として共重合したものであるが、中でも該共重合体中のブテン−1由来成分の含有率が50〜99質量%のものが好ましく、60〜90質量%のものがより好ましく、70〜80質量%のものが特に好ましい。ブテン−1由来成分の含有率がこの範囲のものを用いると、低温ヒートシール性が向上するため好ましい。
前記シール層(C)で用いる融点120℃〜145℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)とブテン−1−プロピレンランダム共重合体(c2)との質量比(c1)/(c2)は、90/10〜30/70が好ましく、80/20〜40/60がより好ましく、70/30〜50/50が特に好ましい。
前記中間層(B)の厚さは、0.5〜3μmが好ましく、特に包装袋の易開封性を向上するためには、1.0〜2.5μmであることがより好ましい。また、前記ヒートシール層(C)の厚さは、0.5〜3μmであるが、特に包装体の易開封性を向上するためには、1.0〜2.5μmであることがより好ましい。
また、本発明の共押出多層フィルムの全体の厚さは、特に限定されないが、通常20〜50μmが好ましく、中でも25〜40μmがより好ましい。また、前記中間層(B)と前記シール層(C)の合計の厚さは、1〜6μmが好ましいが、特に包装袋とした場合に適度なシール強度が得られ、易開封性も良好なフィルムが得られることから、中間層(B)とシール層(C)の合計の厚さは2〜5μmであることがより好ましい。
さらに、本発明の共押出多層フィルムが、表面層(A1)/表面層(A2)/中間層(B)/シール層(C)の順に積層された4層フィルムである場合、表面層(A2)には共押出多層フィルムの製造の際に発生するフィルム端部からなる回収物を一部再利用する場合があるため、フィルム全体の厚さに対する表面層(A2)の厚さの比率は、通常40〜80%が好ましく、さらに好ましくは50〜75%である。
本発明の共押出多層フィルムをシーラントフィルムとして用いてラミネートフィルムとする場合、該共押出多層フィルムの表面層(A)上に接着性樹脂や接着剤を介して基材をラミネートしてラミネートフィルムとすることができる。本発明の共押出多層フィルムは、厚さが薄く、剛性が低い基材に対するシーラントフィルムとして好適であるため、この基材としては、例えば、クラフト紙、上質紙、純白、奉書紙、グラシン、レーヨン紙、化繊紙等が好ましい。また、紙に似た基材として、不織布等にも適用できる。ラミネート方法としては、ドライラミネーション、ウェットラミネーション、ノンソルベントラミネーション、押出ラミネーション等が挙げられる。これらのラミネート方法の中でも、ドライラミネーションが好ましい。ドライラミネーションに用いる接着剤としては、例えば、ポリエーテル−ポリウレタン系接着剤、ポリエステル−ポリウレタン系接着剤等が挙げられる。
本発明の共押出多層フィルムは、そのまま用いても良いが、印刷による商品訴求力向上のために表面層(A)にコロナ放電処理をしても良い。また、本発明の共押出多層フィルムの各層の中には、必要に応じて酸化防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、着色剤、シリカなどの添加剤等を適宜添加しても良い。
本発明の共押出多層フィルムの製造方法は、共押出成形法であればよく、特に限定されないが、例えば、3台以上の押出機を用いて溶融押出する、共押出多層ダイス法、フィードブロック法等の公知の共押出法により溶融状態で積層した後、インフレーション、Tダイ・チルロール法等の方法で長尺巻フィルムに加工する方法が好ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。なお、例中の部及び%は、特に断りのない限りすべて質量基準である(ただし、1%接線モジュラスを除く。)。
(実施例1)
表面層(A)用樹脂として、プロピレン単独重合体(以下、「HOPP」という。)〔密度:0.900g/cm、融点:162℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):9g/10分〕に、造核剤として3−メチルブテン−1の重合体を質量基準で400ppmを添加した混合物を用いた。また、中間層(B)用樹脂として、低密度ポリエチレン(以下、「LDPE」という。)〔密度:0.910g/cm、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):8g/10分〕60部と、エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(以下、「EBR」という。)〔ブテン−1由来成分含有率:10%、密度:0.880g/cm、融点:67℃、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):3.5g/10分〕40部との混合物を用いた。さらに、シール層(C)用樹脂として、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、「COPP(1)」という。)〔エチレン由来成分含率:7.0%、密度:0.900g/cm、融点:132℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):7g/10分〕60部と、ブテン−1−プロピレン共重合体〔ブテン−1由来成分含有率:72質量%、密度:0.900g/cm、融点:75℃、MFR(測定温度190℃、荷重21.18N):4g/10分〕40部との混合物を用いた。各層用樹脂をそれぞれ4台の押出機に供給し、表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)の平均厚さが、それぞれ27μm、1.5μm及び1.5μmとなるように共押出して、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例1)
実施例1でシール層(C)用樹脂として用いたCOPP(1)及びブテン−1−プロピレン共重合体に代え、プロピレン−ブテン1ランダム共重合体〔ブテン−1由来成分含有率:25%、密度:0.900g/cm、融点:127℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):7g/10分〕を用いた以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例2)
実施例1で表面層(A)として用いたHOPPに代え、プロピレン−エチレンランダム共重合体(以下、「COPP(2)」という。)〔密度:0.900g/cm、融点:140℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):9g/10分〕を用いた以外は実施例1と同様に行い、厚さ30μmの4層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例3)
表面層(A)用樹脂としてHOPPを用い、中間層(B)用樹脂としてHOPP70部と、COPP(2)30部との混合物を用いた。また、シール層(C)用樹脂として、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体〔ブテン由来成分含有率:25%、密度:0.900g/cm、融点:127℃、MFR(測定温度230℃、荷重21.18N):7g/10分〕を用いた。各層用樹脂をそれぞれ3台の押出機に供給し、表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)の平均厚さが、それぞれ4.2μm、21.6μm及び4.2μmとなるように共押出して、厚さ30μmの3層からなる共押出多層フィルムを得た。次いで、得られた共押出多層フィルムの表面層(A)の表面を、実施例1と同様に表面エネルギーが36mN/mになるようにコロナ放電処理を施した。
(比較例4)
共押出多層フィルムではなく、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「ヒートシーラブルOPP」という。)〔厚さ:25μm〕を単独で用いた。
実施例、比較例で得られた共押出多層フィルム又はヒートシーラブルOPPについて、1%接線モジュラス、ラミネート加工性、シール強度、シール強度の温度依存性、易開封性、センターシール強度、センターシール強度の温度依存性の測定又は評価を、以下のように行った。
(1%接線モジュラスの測定)
ASTM D−882に基づき、23℃における1%接線モジュラス(単位:MPa)を、フィルム製造時の押出方向(以下、「MD」という。)と押出方向に直交する方向(以下、「CD」という。)について、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕を用いて測定した。
(ラミネート加工性の評価)
紙を基材とする紙ラミネートフィルムの場合、シーラントフィルムに接着剤を塗布する際に、シーラントフィルムが一定以上の1%接線モジュラス(剛性)を有していないと、接着剤塗布不良やシーラントフィルムのシワの発生により、ラミネート不良が発生しやすくなる。そこで、ラミネート加工性を、上記で得た1%接線モジュラスの値から、以下の基準で評価した。
○:1%接線モジュラスが900MPa以上。
△:1%接線モジュラスが700MPa以上、900MPa未満。
×:1%接線モジュラスが700MPa未満。
(ヒートシール強度の測定)
上記で得られた共押出多層フィルム又はヒートシーラブルOPP2枚をシール層同士が接するように重ね合わせ、温度100〜150℃(10℃きざみ)、圧力0.2MPaで幅10mmのシールバーにより、1.0秒間ヒートシールした後、放冷し、次いでヒートシールしたフィルムから15mm幅の試験片を切り取り、23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、その最大荷重をシール強度(単位:N/15mm)とした。
(シール強度の温度依存性の評価)
低温ヒートシール性を表す一つの指標としてシール強度の温度依存性を評価した。シール強度の温度依存性は、ヒートシール温度(100〜150℃の10℃きざみ)におけるシール強度の最大値と最小値との差を求め、以下の基準で評価した。
○:最大値と最小値との差が2N/15mm未満。
×:最大値と最小値との差が2N/15mm以上。
(易開封性)
上記で得られた共押出多層フィルム又はヒートシーラブルOPPのレーヨン紙とのラミネート品を用い、シール層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW−3400/B αV」〕にセットし、底部の上シールバー温度140℃、下シールバー温度140℃、センター(背貼り部)シール温度を140℃、製袋速度60個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作製した。この包装袋について易開封性について次の基準で評価した。
○:手で簡単に開封可能なもの。
△:手で開封が困難なもの。
×:手で開封が不可能なもの。
(センターシール強度の測定)
上記で得られた共押出多層フィルム又はヒートシーラブルOPPのレーヨン紙又はクラフト紙とのラミネート品を用い、シール層が内側になるようにして横ピロー包装機〔フジキカイ株式会社製「FW−3400/B αV」〕にセットし、底部の上シールバー温度140℃、下シールバー温度140℃、センター(背貼り部)部分のシール温度を130、140、150℃の3水準とし、製袋速度60個/分の条件で、ピロー包装袋(縦180mm、横150mm)を作製した。得られたピロー包装袋のセンターシール部の中央部から15mm幅の試験片を切り取り、23℃、引張速度300mm/分の条件で、テンシロン引張試験機〔株式会社エー・アンド・デー製〕で引き剥がす時の最大荷重を測定し、その最大荷重をセンターシール強度(単位:N/15mm)とした。
(センターシール強度の温度依存性の評価)
低温ヒートシール性を表す一つの指標としてセンターシール強度の温度依存性を評価した。センターシール強度の温度依存性は、130〜150℃(10℃きざみ)における最大値と最小値との差を求め、以下の基準で評価した。
○:最大値と最小値の差が1N/15mm未満。
×:最大値と最小値の差が1N/15mm以上。
(センターシール強度の評価)
シール温度140℃におけるセンターシール強度が内容物を保持するのに充分な強度かどうかについて、以下の基準で評価した。
○:センターシール強度が3N/15mm以上。
×:センターシール強度が3N/15mm未満。
上記の測定及び評価で得られた結果を表1に示す。
Figure 0004798430
表1に示した結果から以下のことが分かった。
実施例1は、本発明の共押出多層フィルムを用いた例であるが、紙とのラミネート加工性が良好で、低温ヒートシール性に優れ、かつ易開封性が良好であることが分かった。
比較例1は、シール層に融点120℃〜145℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体を含まず、プロピレン−ブテン−1ランダム共重合体のみを用いた共押出多層フィルムの例であるが、低温ヒートシール性が不充分で、センターシール強度も不充分であることが分かった。
比較例2は、表面層に融点が150℃未満のプロピレン系樹脂であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(融点140℃)を用いた共押出多層フィルムの例であるが、紙とのラミネート加工性が不良であることが分かった。
比較例3は、中間層に低密度ポリエチレンではなく、プロピレン単独重合体を用いた共押出多層フィルムの例であるが、紙とのラミネート加工性、低温ヒートシール性、易開封性が不充分で、センターシール強度も不充分であることが分かった。
比較例4は、ヒートシーラブルOPPを用いた例であるが、低温ヒートシール性、易開封性が不充分で、クラフト紙とのラミネートフィルムにおけるセンターシール強度も不充分であることが分かった。




Claims (6)

  1. 融点150℃〜170℃のプロピレン単独重合体(a)を80〜100質量%含有する表面層(A)と、低密度ポリエチレン(b1)及びエチレン−ブテン−1ランダム共重合体(b2)からなる中間層(B)と、融点120℃〜145℃のプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)及びブテン−1−プロピレンランダム共重合体(c2)からなるシール層(C)とからなり、前記表面層(A)、中間層(B)及びシール層(C)が、(A)/(B)/(C)の順で積層されてなる共押出多層フィルムの表面層(A)上に紙基材がラミネートされたことを特徴とする紙ラミネートフィルム。
  2. 前記中間層(B)で用いる前記低密度ポリエチレン(b1)と前記エチレン−ブテン−1ランダム共重合体(b2)との質量比(b1)/(b2)が80/20〜40/60の範囲である請求項1記載の紙ラミネートフィルム。
  3. 前記シール層(C)で用いるプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)が、エチレン由来成分の含有率が3〜8質量%である請求項1又は2記載の紙ラミネートフィルム。
  4. 前記ブテン−1−プロピレン共重合体(c2)中のブテン−1由来成分の含有率が50〜99質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の紙ラミネートフィルム。
  5. 前記シール層(C)で用いるプロピレン−エチレンランダム共重合体(c1)とブテン−1−プロピレンランダム共重合体(c2)との質量比(c1)/(c2)が80/20〜40/60の範囲である請求項1〜4の何れか1項記載の紙ラミネートフィルム。
  6. 前記紙基材がレーヨン紙またはクラフト紙であり、ピロー包装袋用である請求項1〜5の何れか1項記載の紙ラミネートフィルム。
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