JP4795913B2 - 磁気テープカートリッジ用ケース、及び磁気テープカートリッジ - Google Patents
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Description
コンピュータ等のデータを保存する媒体として用いられる前記磁気テープには、重要な情報が記憶されているため、テープジャミング等のトラブルが発生しないように、また、磁気テープが不用意に引き出されないように構成されている。
前記メモリ素子には、半導体のチップが設けられており、同梱された磁気テープに記録された情報等が電磁誘導等の非接触方式にて記録され、メモリ素子に記録された内容は同様に非接触方式にて読み出されることとなる。
また、特許文献2では、下ケース1bに形成され、メモリー基板20を予め規定された角度に支持するために、当該メモリ基板20の一方の面を支持する支持板25と、上ケース1aに形成され、支持板25によって前記角度が設定されたメモリ基板20が、下ケース1bの振動などで起立してしまった場合に、メモリ基板20の他方の面を前記角度と対向する角度で支持する押さえ板23とを有する構成をなしている。
また、メモリ素子が、磁気テープから脱出しなくとも、位置決めが確実になされないままで、磁気テープカートリッジの内部に形成された部材によって挟まれた場合には、製品として流通した初期に、記録不良などの問題が生じなくても、挟まれた際の損傷などでメモリ素子の表面上に形成された保護層の劣化が進み、記録不良などの問題が後に発生する虞があった。
このように、メモリ素子を載置する工程と、2つのケース部材とをねじによって接合する工程とにおける2つのケース部材の位置関係が逆であると、仮接合された2つのケース部材を反転させる工程が生じるため、前述の間隙が形成される可能性は高くなる。
ここで、前記間隙が形成されることを防止するために、仮接合された2つのケース部材が離間しないように挟持しながら反転させる工程を行うことも考えられるが、2つのケース部材を挟持する際に加えられる応力により、各ケース部材を損傷させる虞があるため、好ましくはなかった。
<1> 矩形をなす底面の周縁部に、該底面を囲繞するように壁部が立設されてなる第1のケース部材と、
矩形をなす底面の周縁部に、該底面を囲繞し、前記壁部の端面と当接可能な端面を有する壁部が立設されてなる第2のケース部材と、
前記第1のケース部材の壁部の端面と、第2のケース部材の壁部の端面とを接合させることによって、磁気テープを巻装したリールを収納する第1の収納部が形成され、
前記第1のケース部材の壁部の端面と、第2のケース部材の壁部の端面とを接合させることによって形成される前記第1の収納部と異なる第2の収納部に収納される略板形状をなすメモリ素子の一方の面が、前記第1のケース部材の底面に対して前記第1のケース部材の壁部方向に所定の仰角をなすように、前記メモリ素子の一方の面を保持する第1の支持部材と、
前記第2のケース部材の底面から前記第2の収納部側に立設され、前記メモリ素子の他方の面を保持する第2の支持部材とを有する磁気テープカートリッジ用ケースであって、
前記第2の支持部材は、前記第2のケース部材の底面に対して第2のケース部材の壁部方向に、前記所定の仰角と略同じ角度とされた俯角をなして前記メモリ素子の他方の面を保持する第1の支持面と、該第1の支持面よりも前記壁部側に形成され、前記俯角よりも大きな俯角をなし、前記壁部において端面よりも底面側に接続される第2の支持面とを有することを特徴とする磁気テープカートリッジ用ケースである。
該<1>に記載の磁気テープカートリッジ用ケースにおいては、該磁気テープカートリッジ用ケースに内蔵されるメモリ素子を、予め規定された角度に固定するために前記メモリ素子を挟持する第1の支持部材、及び第2支持部材のうち、第2の支持部材に、第2のケース部材の底面に対して前記予め規定された角度と同じ俯角をなす第1の支持面と、前記俯角よりも大の俯角をなす第2の支持面とが形成され、該第2の支持面が、前記第2の支持部材が形成される第2のケース部材の壁部に、該壁部の端面よりも底面側に接続されているので、第1の支持部材、及び第2支持部材によるメモリ素子の挟持状態が解除されたとき(第1のケース部材と第2のケース部材との間に間隙が形成されたとき)、メモリ素子は、まず、第1の支持面に沿って第2のケース部材の壁部方向に滑ることとなり、次いで、第1の支持面よりも急な角度に形成された第2の支持面に沿って滑り、該第2の支持面と、第2のケース部材の壁部とによって形成された溝部に滑落し、前記壁部に前記メモリ素子の一端面が当接するようにして収納されることになる。
このように、第1の支持面よりも大の俯角をなす第2の支持面が形成され、該第2の支持面が、第2のケース部材の壁部と共に溝部を形成するため、第1の支持部材と、第2の支持部材とによる挟持状態が解除されたメモリ素子が、第1の支持面、及び第2の支持面を滑った後、前記溝部に収納されることとなるので、メモリ素子が磁気テープカートリッジ用ケースの外に出てしまうことがない。
また、メモリ素子が第2の支持面に当接し、かつ第1の支持面と、第1の支持部材との間にメモリ素子の一部が介在している状態において、第1の支持部材、及び第2支持部材によってメモリ素子が再び挟持されたとき(第1のケース部材と第2のケース部材とが再び接合されたとき)には、該メモリ素子は、第2の支持面から起き上がり、第1の支持面と、第1の支持部材との間にメモリ素子が挟持されることとなり、結果として、予め規定された角度にメモリ素子を再び固定することができる。
<2> 第1の支持面に載置されたときのメモリ素子の重心が、該第1の支持面よりも第2のケース部材の壁部側である前記<1>に記載の磁気テープカートリッジ用ケースである。
該<2>に記載の磁気テープカートリッジ用ケースにおいては、第1の支持部材と第2の支持部材とによって挟持されたときのメモリ素子の重心が、第1の支持面よりも第2のケース部材の壁部側であることにより、第1の支持部材と、第2の支持部材(第1の支持面)とによってメモリ素子が挟持されなくなったときに、メモリ素子100の重心が、メモリ素子100と、第2の支持部材30との接地面(第1の支持面30a)より壁面3b側にあることによって、メモリ素子100の重心が、回転モーメントを生み、第2の支持面30bに沿って壁面3b側に滑落し易くなる。
したがって、第1の支持部材、及び第2の支持部材によってメモリ素子が挟持されなくなったとき、即ち、第1のケース部材と、第2のケース部材とが離間したときに、メモリ素子が第2の支持面を滑落して溝部に案内されやすくなる。
<3> 第2の支持面が、複数の支持面からなる前記<1>から<2>のいずれかに記載の磁気テープカートリッジ用ケースである。
<4> 前記<1>から<3>のいずれかに記載の磁気テープカートリッジ用ケースと、
第1の収納部に収納され、磁気テープを巻装したリールとを有することを特徴とする磁気テープカートリッジである。
<5> 第1のケース部材の底面に対して、一方の面が前記第1のケース部材の壁部方向に所定の仰角をなすように、略板形状をなすメモリ素子が第2の収納部内に設置された前記<4>に記載の磁気テープカートリッジである。
図1は、本発明の一実施形態における磁気テープカートリッジの構成を示す分解斜視図である。
図1に示すように、本実施形態における磁気テープカートリッジ1は、矩形をなし、開口部が形成された底面2aの周縁部に、該底面2aを囲繞するように壁部2bが立設されてなる第1のケース部材2と、矩形をなす底面3aの周縁部に、該底面3aを囲繞するように壁部3bが立設されてなる第2のケース部材3とから構成された磁気テープカートリッジ用ケースと、壁部2bと壁部3bとを対向させ、接合することによって、底面2a、及び底面3aのそれぞれに形成された隔壁Spによって形成される第1の収納部S1に回転可能に収納され、磁気テープ10を巻装したリール4と、壁部2bと壁部3bとを対向させ、接合したときに、隔壁Spと、壁部2b,3bとによって、第1の収納部S1とは別に区画された第2の収納部S2に収納される非接触式メモリ素子(Memory In Cartridge、以下、MICとする。)100とを有する。
なお、図示はしないが、本発明に係る磁気テープカートリッジ用ケースにおいて、第1のケース部材2と、第2のケース部材3とを接合するための接合手段であるねじ、及びねじ孔のうち、ねじ孔は、第2のケース部材3に数箇所形成されており、第1のケース部材2には、固定手段である前記ねじの頭部を係止する貫通孔が前記ねじ孔に対応して形成されている。
したがって、本実施例において第1のケース部材2と、第2のケース部材3とを接合する場合には、第1のケース部材2を下側にして、MIC100を設置し、壁部2aと、壁部3aとを当接させて第1のケース部材2と、第2のケース部材3とを仮接合させた後、仮接合された第1のケース部材2、及び第2のケース部材3を反転させて第2のケース部材3を下側にして、第1のケース部材2に形成された貫通孔にねじを挿嵌させ、該ねじの頭部を前記貫通孔に係止させつつ、前記貫通孔に対応した前記ねじ孔にねじを螺合させることによってなされることとなる。
リール4は、第1のリール部材5と、第2のリール部材6とを超音波溶着により結合して形成された単一のリールであり、該リール4には、磁気テープ10が巻装されている。
第1のリール部材5は、外周に磁気テープ10が巻回される円筒状のリールハブ5aと、リールハブ5aの下端外周から径方向に張り出したフランジ部5bとを合成樹脂により一体成型したものである。
リールハブ5aの底部外面には、リール4を回転駆動するマグネット式の回転駆動手段を接合させるためのリールプレート7が取り付けられている。
また、リールハブ5aの底部内面には、ブレーキボタン8に形成された制止用ギア8aと係合して不使用時の回転を拘束する制止用ギア5a1が刻設されている。
また、リールハブ5aには、開口部5a2が形成されており、この開口部5a2に、磁気テープカートリッジ1を使用する外部記憶装置等の記録再生装置(図示せず)に設けられたドライブ解除スピンドルが挿通されることによって、ブレーキボタン8を上方に移動せしめる。
したがって、本発明の磁気テープカートリッジ1を使用しないときには、ブレーキボタン8は、コイルばね9によって、第1のケース部材2側に付勢された状態でリールハブ5aの内部に装着されており、ブレーキボタン8の制止用ギア8aと、リールハブ5aの制止用ギア5a1とが咬み合って、リール4の回転が防止されている。
一方、本発明の磁気テープカートリッジ1を使用するときには、前述したように、記録再生装置のドライブ解除スピンドル(図示せず)が、ブレーキボタン8を押圧することにより、ブレーキボタン8をコイルばね9の付勢力に抗して第2のケース部材3側へ移動させ、これにより、制止用ギア8aと、制止用ギア5a1との係合が解除され、リール4が回転自在の状態とされる。
開口部50には、壁部3bに沿った方向の矢印Dに示す方向に移動可能なスライドドア51が取り付けられている。スライドドア51は、不図示のバネにより、開口部50を閉じる方向に付勢されている。
その後、スライドドア51が開かれて、リーダピン11が、前記記録再生装置のテープ走行路の所定位置に引き込まれ、磁気テープ10へのデータの読み書きが可能となる。
第1のケース部材2は、具体的には、矩形をなす底面2aと、該底面2aの周縁部を囲繞するように立設された壁部2bとによって構成され、底面2aには、壁部2bの内側に隔壁Spが形成されると共に、円形の開口部が形成されている。
なお、第1の収納部S1は、第1のケース部材2に隔壁Spをもって形成された領域S11と、第2のケース部材3に隔壁Spをもって形成された領域S12(図4参照)とによって形成される。
図2は、MIC100の構成を示す図である。図2に示すように、MIC100は、矩形の板状部材からなり、MIC100自体に記録された情報の読み書きを、一方の面100a側から電磁誘導等の手法により非接触で行うことができるものである。
そして、記録再生装置に設けられた読取手段が、MIC100に対して問題なく情報の読み書きを行うことができるように、MIC100は、一方の面100aが、第1のケース部材2の底面に対して所定の角度(例えば、45°)をなすように支持部材20(図3A参照)によって保持される。
ここで、図2に示すように、MIC100において、一方の面100aの反対側の面を他方の面100bとし、一方の面100aと、他方の面100bとを連結する4つの面を、上端面100c、左端面100d、右端面100e、及び下端面100fとする。
図3Aは、図1におけるA−A断面図(第2の収納部S2における断面図)である。また、図3Bは、第2の収納部S2における第1の支持部材20の構成を示す斜視図であり、図3Cは、図3Bにおいて、第1の支持部材20にMIC100を載置したときの状態を示す斜視図である。
図3A、及び図3Bに示すように、第2の収納部S2には、側面視で三角形状をなす板状の第1の支持部材20が対をなして形成されている。
このように、第1の支持部材20の斜面20aが、第1のケース部材2の底面2aに対して仰角θ1に傾斜してなることによって、第1の支持部材20の斜面20aに載置されたMIC100の他方の面100bが第1のケース部材2の底面2aに対して所定の角度θ1に傾斜することとなり、結果として、一方の面100aが、第1のケース部材2の底面2aに対して所定の角度θ1に傾斜して設置される形状をなしている。
なお、本実施形態において、前記所定の角度θ1を45°としている。また、第1の支持部材20は、その側面形状を、底面2aの一部、壁部2bの一部、及び前記斜面20aから構成しているため、直角二等辺三角形状をなすこととなる。
更に、図3Bに示すように、第2の収納部S2には、所定の角度に傾斜して支持されたMIC100の左端面100d、及び右端面100eを支持する位置決め部材22が、底面2aから第2の収納部S2に向けて突出するように設置されている。
即ち、位置決め部材21は、傾斜して設置されたMIC100の下端面100f部を支持することで、前記傾斜方向におけるMIC100の位置決めを担う位置決め部材として機能し、位置決め部材22は、傾斜して設置されたMIC100の下端面100f部を支持することで、前記傾斜方向と直交する方向におけるMIC100の位置決めを担う位置決め部材として機能している。
ここで、MIC100の下端面100fは、第1の支持部材20にMIC100を載置したときに、底面2aに最も近い面を指し、MIC100の左端面100d、及び右端面100eは、下端面100f、及び第1の面100aに連結するMIC100における両側端面を指す。
図4は、第2のケース部材3の構成を示す斜視図である。図4に示すように、第2のケース部材3は、矩形をなす底部3aと、該底部3aの周縁部に立設された壁部3bとからなる。底面3aには、壁部3bの内側に隔壁Spが形成されている。
第2のケース部材3には、第1のケース部材2と重ね合わせたときに、第1のケース部材2の領域S11と共に、大の収納部S1を形成しうる領域S12が形成され、第1のケース部材2の領域S21と共に、第2の収納部S2を形成しうる領域S22が形成されている。
また、第2のケース部材3の領域S12には、第1のケース部材2と同様に、開口部50が形成されている。
そして、第2のケース部材3の領域S22には、底面3aから板形状をなす第2の支持部材30が立設されている。この第2の支持部材30は、第1のケース部材2と、第2のケース部材3とを重ね合わせたときに、一方の面100aが第1の支持部材20で支持されたMIC100の他方の面100bを支持する支持部材である。
図5Aは、支持部材30の構成を示す側面図であり、図5Bは、支持部材30の構成を示す斜視図であり、図5Cは、支持部材30と、該支持部材30によって他方の面100bが支持されるMIC100との位置関係を示す側面図である。
図5A、及び図5Bに示すように、MIC100の他方の面100bを支持する第2の支持部材30は、第2のケース部材3の壁部3bに向けて傾斜する第1の支持面30a、及び第2の支持面30bと、側面30c,30cと、背面30dとを有してなる。
第1の支持面30aは、背面30dの頂部から壁部3bに向かって下り傾斜する支持面の一部であり、底面3aに対して、角度θ1の俯角をなす。即ち、第1の支持面30aは、第1の支持部材20の底面2aに対する仰角θ1と同じ角度の俯角を底面3aに対してなしている。
また、第2の支持面30bも、背面30dの頂部から壁部3bに向かって下り傾斜する支持面の一部であり、第2の支持面30bが底面3aに対してなす俯角θ2は、第1の面30aの俯角θ1よりも大に設定される。
また、支持面30bは、複数形成されてもよい。壁部3bに対する第2の支持面30bの接続位置を固定し、支持面30bが複数形成される場合、第2の支持面30bを構成する支持面が多くなればなるほど、壁部3bに接続される第2の支持面30bにおける俯角が大きくなり、溝部3cの領域を拡大できるといった効果を奏する。
ここで、前記「第1の支持面30aにMIC100を載置したとき」のMIC100の位置とは、第1のケース部材2に設けられた位置決め部材21,22に当接するように、第1の支持部材20にMIC100を載置し、第1のケース部材2と、第2のケース部材3とを重ね合わせて仮接合し、第1の支持部材20と、第2の支持部材30とによってMIC100を挟持させた後、仮接合された第1のケース部材2、及び第2のケース部材3を反転させたときのMIC100の位置である。
図6A〜Hは、本発明に係る磁気テープカートリッジの実施形態において、第1のケース部材2と、第2のケース部材3とが離間したときのMICの設置態様を示す図である。
まず、図6Aに示すように、第1のケース部材2の底面2aを下にした状態で、第1の支持部材20の支持面(斜面)20a(図3B参照)に一方の面100aが当接するように、MIC100を載置する。このとき、MIC100の下端面100fは、位置決め部材21によって斜面方向の移動が制限されるように支持される。また、図示はしないが、MIC100の左端面100d、及び右端面100eは、位置決め部材22によって斜面方向と直交する方向の移動が制限されるように支持される。
このようにして、MIC100は、その一方の面100aが底面2aに対してθ1の角度をなすように設置される。
なお、本発明において、「仮接合」及び「接合」とは、第1のケース部材2の壁部2bの(上)端面と、第2のケース部材3の壁部3bの(上)端面とを当接することである。
このとき、第1の支持部材20と、第2の支持部材30の第1の支持面30aとの間隔が、内蔵するMIC100の厚さと略同じ寸法となるように、第1の支持部材20、及び第2の支持部材30の第1の支持面30aの高さ寸法が設計されている。
したがって、一方の端面100aが第1の支持部材20に付勢され、他方の端面100bが第2の支持部材30に付勢され、左端面100d、及び右端面100eが位置決め部材22によって位置決めされ、及び下端面100fが位置決め部材21によって位置決めされることとなり、MIC100は、上端面100cを除いた各端面が位置決めされることになる。
このとき、図6Dに示すように、弾性体(図示せず)の付勢力によって、第1のケース部材2の壁部2bの端面と、第2のケース部材3の壁部3bの端面とが離間してしまったと仮定すると、その離間した瞬間は、MIC100は、第2の支持部材30の第1の支持面30aに載置された状態となる。
即ち、第1のケース部材2の壁部2bの端面と、第2のケース部材3の壁部3bの端面とが離間してしまったとき、従来であれば、壁部2bの端面と、壁部3bの端面とが離間することによって形成された間隙からMIC100が飛び出してしまうなどの問題や、壁部2bの端面と、壁部3bの端面との間にMIC100が挟まってしまうなどの問題が生じる虞があったが、本発明に係る磁気テープカートリッジ1は、MIC100が溝部3cに案内されるので、MIC100を外部に出すことなく、一時的に溝部3cに収納しておくことが可能である。
即ち、壁部2bの端面と、壁部3bの端面とが離間することによって、第2の支持部材30の屈曲部31においてバランスを崩したMIC100は、外部へ離脱することなく、溝部3cに案内されて、壁部2bの端面と、壁部3bの端面とが再び接合されることで、図6Hに示すように、磁気テープカートリッジ1において、MIC100が適正な位置に設置されることとなる。
本発明の他の実施形態として、図7に示すように、他方の面100bが複数の俯角θ2,θ3で形成されてもよい。例えば、第2の支持部材30に形成される支持面が、予め規定され、第1の支持部材20が底面2aに対してなす仰角θ1と略同じ俯角θ1を底面3aに対してなす第1の支持面30aと、前記角度θ3よりも大の俯角θ3をなす支持面30b1と、前記角度θ2よりも大の俯角θ2をなす支持面30b2とが形成されていてもよい。
このように、第2の支持面30bが複数の俯角を形成することによって、壁部3bに対する第2の支持面30bの接続位置を固定し、第2の支持面30bを構成する支持面が多くなればなるほど、壁部3bに接続される第2の支持面30bにおける俯角が大きくなり、溝部3cの領域を拡大できるといった効果を奏する。
ここで、本発明における俯角θ2は、第1の支持面30aと、第2の支持面30bとの境界部分である屈曲部31と、第2の支持面30b、及び第2のケース部材3の壁部3bの接点とを結ぶ仮想線(図8〜10中表示)が、第2のケース部材3の底面3aに対してなす角度を意味している。
したがって、本発明の第2の支持面30bの断面形状は、第1の支持面30aの俯角θ1に対して第2の支持面の俯角θ2が大である条件を満たしていれば、特に制限されることはなく、目的に応じて適宜選択される。
2 第1のケース部材
3 第2のケース部材
4 リール
5 第1のリール部材(下リール部材)
6 第2のリール部材(上リール部材)
7 リールプレート
8 ブレーキボタン
9 コイルばね
10 磁気テープ
11 リーダピン
20 第1の支持部材
21 位置決め部材
22 位置決め部材
30 第2の支持部材
31 屈曲部
50 開口部
51 スライドドア
52 凹部
100 MIC
S1 第1の収納部
S2 第2の収納部
Claims (5)
- 矩形をなす底面の周縁部に、該底面を囲繞するように壁部が立設されてなる第1のケース部材と、
矩形をなす底面の周縁部に、該底面を囲繞し、前記壁部の端面と当接可能な端面を有する壁部が立設されてなる第2のケース部材と、
前記第1のケース部材の壁部の端面と、第2のケース部材の壁部の端面とを接合させることによって、磁気テープを巻装したリールを収納する第1の収納部が形成され、
前記第1のケース部材の壁部の端面と、第2のケース部材の壁部の端面とを接合させることによって形成される前記第1の収納部と異なる第2の収納部に収納される略板形状をなすメモリ素子の一方の面が、前記第1のケース部材の底面に対して前記第1のケース部材の壁部方向に所定の仰角をなすように、前記メモリ素子の一方の面を保持する第1の支持部材と、
前記第2のケース部材の底面から前記第2の収納部側に立設され、前記メモリ素子の他方の面を保持する第2の支持部材とを有する磁気テープカートリッジ用ケースであって、
前記第2の支持部材は、前記第2のケース部材の底面に対して第2のケース部材の壁部方向に、前記所定の仰角と略同じ角度とされた俯角をなして前記メモリ素子の他方の面を保持する第1の支持面と、該第1の支持面よりも前記壁部側に形成され、前記俯角よりも大きな俯角をなし、前記壁部において端面よりも底面側に接続される第2の支持面とを有し、第1の支持面に載置されたときのメモリ素子の重心が、該第1の支持面よりも第2のケース部材の壁部側であり、
前記第1のケース部材と前記第2のケース部材が離間した場合には、メモリ素子が前記第2の支持部材の前記第1の支持面及び前記第2の支持面を滑り溝部に収納され、かつ前記第1のケース部材と前記第2のケース部材が再接合した場合には、メモリ素子が溝部に収納された状態から起き上がり前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の前記第1の支持面とで保持されることを特徴とする磁気テープカートリッジ用ケース。 - 少なくとも一つの屈曲部が第2の支持部材の第1の支持面の上端から第2の支持面の下端までの中間点よりも上部にある請求項1に記載の磁気テープカートリッジ用ケース。
- 第2の支持面が、複数の支持面からなる請求項1から2のいずれかに記載の磁気テープカートリッジ用ケース。
- 請求項1から3のいずれかに記載の磁気テープカートリッジ用ケースと、
第1の収納部に収納され、磁気テープを巻装したリールとを有することを特徴とする磁気テープカートリッジ。 - 第1のケース部材の底面に対して、一方の面が前記第1のケース部材の壁部方向に所定の仰角をなすように、略板形状をなすメモリ素子が第2の収納部内に設置された請求項4に記載の磁気テープカートリッジ。
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