JP4794730B2 - 液体容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【属する技術分野】
本発明は、インキ、マヨネーズ、ケチャップ、ソースなどの高粘度の液体を収容し、自吸式機械にかけるための液体容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、高粘度の液体を収容し自吸式機械にかけるための液体容器としては、例えばバッグインボックスがある。この液体容器は、段ボールや厚紙などで作製したほぼ四角形状又は筒形状の外箱に、内容物を排出可能又は充填及び排出ために厚肉の口部材を一側面に融着したフィルム体を収容したものであった。なお、口部は、前もって外箱から突出させているものと、使用時に外箱の一部分を開口して口部を引き出すものなどがある。この液体容器は、主としてソースや醤油、酒、現像液などの液体を収容する業務用容器として使われてきた。
【0003】
ところで、内容物が豚カツ用ソース、謄写版やシルクスクリーン印刷用のインキ、マヨネーズなどの粘度が高い内容物では、単に重力だけでは容器の口部から内容物を排出することが出来ないので、内容物を口部から吸引して排出していた。
【0004】
しかしながら、上述の従来のバッグインボックスなどの液体容器においては、内容物を口部から吸引排出すると、口部近傍の内容物がまず排出されるが、内容物の粘度が高いので、この排出された内容物の容積分を容器のフィルム体が変形して埋め、吸引力が口部から離れたところの内容物までは及ばないことがあった。従って、図10に示すように、液体容器(100)の外箱52内に収容されたフィルム体53は、a,b,c,dの順に変形して、口部材5近傍のフィルム体の一部分が吸引されて、口部材の口元を塞いでしまう問題があり、内容物の排出効率のバラツキが大きかった。このため、フィルム体の外表面の半分ほどの外箱の内面に貼着して、排出時にフィルム体が完全に折り込まれるようにする方法が考案されたが、十分な効果が得られなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者は、容器に高粘度の内容物を充填しても、内容物の吸引排出時にフィルム体が口部材の口元を塞ぐことなく確実に内容物が排出されて、内容物の残留量が2パーセント以下と極めて少ない液体容器の開発を行った。
【0006】
また、近年、量産する製品は、生産だけでなく、その廃棄をも含めて検討する必要が出てきている。特に、プラスチック容器は、その内容物の保護性及び便利性に優れるが故に広く使用されてきたが、内容物を排出後の空容器が廃棄処理しにくいと言う問題があった。それは、▲1▼容量が大きく、嵩張り、輸送や保管のコストが高くなる。▲2▼埋没廃棄しても微生物に分解されずに、いつまでも同じ形状や大きさで残る。▲3▼焼却処理すると、燃焼カロリーが大きいので炉を痛めやすい。などの社会的な問題があった。これらの問題の解決も併せて考慮して液体容器の開発を行った。
【0007】
なお、発明者は、単なるフィルムの袋で容器を作製し、充填・排出試験を行ったが、排出性にばらつきがあった。この排出のばらつきを起こす原因は、内容物の粘度が大きいため、排出時に内容物と共に口部近傍のフィルムが引き寄せられて、容器の口部材の口元がフィルムで塞がれてしまうことや、内容物と口部との間のフィルム同士がくっついてしまうことによるものである。また、容器が自由形状では、装置の容器収納ケースへの挿入性を悪く、吸引機の対応がしにくい問題もあった。
【0008】
本発明は、装置に挿着しやすく、高粘度の内容物を吸引排出しても内容物の排出効率が良好であり、輸送や保管のコストが安く、廃棄処理がし易い液体容器を提供するものである。
【0009】
すなわち、本発明の第1の発明は、内容物を充填したときに、外形がほぼ直方体状の箱形となり、前面に口部材を融着して取り付けて、内容物の充填及び吸引排出を可能にしたフィルム体の液体容器であって、連なった前面、上面、裏面、下面の4面を形成する厚肉なフィルムAと、左右の側面の2面を形成する薄肉なフィルムBとからなり、該2面のフィルムBは、それぞれ融着する面が外側になるように折り曲げて、前記4面の厚肉なフィルムAの内面に挿入された状態で、前記4面のフィルムAと周囲を融着することによって形成され、フィルムAの各面境界の稜線に、折り目加工を施し、かつ、前記口部材の口元側に肉厚な鍔部を設けるとともに、内側に伸びる突起を設け、前記前面の内面に前記鍔部の外側面を融着して前記口部材を取り付けて構成されており、この鍔部の外形が有する面積が前記前面の少なくとも20パーセント以上の面積であることを特徴とする液体容器である。
【0010】
次に、第2の発明は、前記口部材に設けた肉厚な鍔部の形状が、ほぼ四角形であること特徴とした請求項1記載の液体容器である。
【0011】
次に、第3の発明は、前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
その下端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されており、
前記下面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した下端の融着部を、前記下面とほぼ平行に折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器である。
【0012】
次に、第4の発明は、前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
その下端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、
貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されており、
前記下面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した下端の融着部を、前記下面とほぼ平行に裏面側方向へ折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器である。
【0013】
次に、第5の発明は、前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に上端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に上端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
その上端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体容器である。
【0014】
次に、第6の発明は、前記上面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した上端の融着部を、前記上面とほぼ平行に折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項5に記載の液体容器である。
【0015】
次に、第7の発明は、前記上面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した上端の融着部に、搬送、機械挿入用の把手孔を設けたことを特徴とする請求項5に記載の液体容器である。
【0016】
次に、第8の発明は、前記口部材の内側に少なくとも1カ所以上、フィルムBの厚みの20倍以上で100以下の高さをもつ突起を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体容器である。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の液体容器について、次に、図を用いて詳細に説明する。
本発明の一実施形態の液体容器100は、図1に示すように、前面1、上面4、裏面2、下面3の4面を例えばポリアマイド/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成などの積層フィルムである250μmの厚肉なフィルムAで作製するものであり、内容物を充填又は排出するための別体の口部材5を、前面の所定の位置に孔を明けて突出させて超音波シール法や熱融着シール法などで融着するものである。なお、フィルムAの厚みは、250μmに限定されるものではなく、容器の使用目的に合わせて150〜360μmで作製するものである。
【0018】
前述の4面に垂直な面を形成する図1に示す右側面6と左側面7の2面は、例えば2軸延伸ポリアマイド/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成などの積層フィルムである100μmの肉薄のフィルムBで作製するものであるが、このフィルムBは、油脂や水分などに対しバリア性を有し、容器での外側表面は融着しにくい材質で作製するものである。なお、フィルムBの厚みは、100μmに限定されるものではなく、容器の使用目的に合わせて50〜150μmで作製するものである。
【0019】
なお、フィルムBがフィルムAと同じ構成の場合には、フィルムBの厚みをフィルムAの厚みの半分以下にして置くことが好ましい。なぜならば、内容物を吸引排出するときに、フィルムBがフィルムAよりも先に内側に入り込んで折り畳まれ、それが、内容物の排出の誘導路を形成させる狙いがあることと、より隙間のない畳まれ方をさせるためである。要するに、フィルムBの腰をフィルムAよりも柔らかくさせる必要があるためである。
【0020】
図1に示す下面の融着部は、フィルムA2枚とフィルムB2枚の4枚のフィルムが融着され、下面に平行に折り曲げられている。これは、折り曲げ位置に作製時に折り癖を付けたものであり、また、本来融着されないフィルムB同士部分が融着されているように見えるのは、図2に示すように、部分的に重ね合わせたフィルムBに貫通孔(35〜44)(切り欠きも含む)を設け、その部分でフィルムA同士のポリエチレン層が接して融着するように設計されているからである。
【0021】
上述のフィルムBに設ける貫通孔(35〜44)は、図2に示すように、45度の傾斜融着部(26〜29,30〜33)に隣接するフィルムAの折り曲げ線と平行に融着させる融着部(14〜17)に設けるものである。この貫通孔は、3〜10平方ミリメートルの面積で、融着面の内側の境界線から十分に離れるように設定することが好ましい。
【0022】
また、図1に示す上面1の融着部は、下面3の融着部と同じように4枚のフィルムが融着され、上面に平行に折り曲げられるように設計されているが、下面より長くして、その融着部に大きな把手孔45を設けると、容器が持ちやすく、吸引装置に手で容器を挿入しやすくなる。なお、大きな把手孔の代わりに、小さな孔を設け、その孔に別体の取手を取り付けてもよい。
【0023】
図2は、容器を構成する各フィルムの融着する部分を示している。フィルムAは、前面、背面、下面、上面を形成するが、フィルムA同士が融着しているのは、融着部8及び9のわずかな部分である。その他の融着部10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25では、フィルムAとフィルムBとが融着している。これらは、フィルムBが片方の面だけは融着しにくくなっているので、通常の220℃程度の融着温度では、フィルムA/フィルムB/フィルムB/フィルムAと重ねても、図3に示すように、フィルムB同士は融着しないため、フィルムA/フィルムBとフィルムB/フィルムAとが融着する。従って、本発明の容器を製造するには、口部材を前もって融着したフィルムAを作製しておけば、フィルムAとフィルムBを、単に、図2に示すように、重ねて配置(矢印で示す)して熱融着することによって、容易に容器を製造することができる。なお、今まで、1箇所このような融着をする製造方法は、スタンディングパウチの製造方法として知られていたが、このように、2箇所使用することによって、そのまま、外形が直方体状の箱型の容器を製造する方法は知られていなかった。
【0024】
この場合、図2に示すように、融着部8、9と融着部14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25との境部分から、45度の角度で、更に融着部26、27、28、29、30、31、32、33を設けることによって、より形状がはっきりして、内容物を充填したときに、容器が直方体状の箱型になりやすく、内容物が排出しにくい部分に入り込みにくくなり、また、排出するときに、フィルムBが先に折り畳まりやすくなる。
【0025】
図4は本実施形態の液体容器100の内容物を充填する前の形状を示す平面図である。折り目加工46及び47、折り癖48及び49は、たとえば、折り曲げた状態で加熱プレスするか、単に90〜120℃の加熱板を圧接してもよいが、4枚のフィルムが融着している部分の上端及び下端の折り曲げには、プレスの方が確実である。また、破線で示す貫通孔35、36、37、38、39、40、41、42、43、44は、内側のフィルムBに貫通孔が設けられており、その部分の外側のフィルムA同士が融着している部分である。なお貫通孔の形状は、円形、半円形にこだわることはなく、必要な任意の形状でよい。
【0026】
また、上述の液体容器100の下面3の図4に示す折り癖49を裏面側方向へ折り曲がるように折り癖を付けるのは、内容物を充填した液体容器の座りを良くし、また、内容物排出時の容器変形に対して悪さがしにくくなり、内容物の排出を良好にするためである。
【0027】
図5は、本実施形態の液体容器100の内容物を充填した後の満たん時の形状を示し、(a)は平面図で、(b)は正面図、(c)は右側面図である。内容物を吸引排出するには、容器に取り付けられた口部材5の鍔に、内容物吸引機の位置決め板を掛け、吸引ノズルを挿入する。吸引ノズル側面に設けたゴム製のOリングを、口部材の内側壁に押し当てて密閉性を確保するか、または、奥の孔明き壁に、ノズルを押し当てて外気を吸引するのを防ぐものである。
【0028】
図6及び図7は、図5の状態から内容物が吸引排出されたときの液体容器100の形状の変化を順に示し、(a)は平面図で、(b)は正面図で、(c)は右側面図である。図6は、内容物が排出途中の容器の形状であり、図7は、内容物が完全に排出されたときの液体容器100の形状である。図示された形状変化で分かるように、口部材5が内容物吸引機の位置決め板やその周りの壁によって固定されおり、口部材を融着している前面1が動かないため、薄肉で剛性の低いフィルムBからなる右側面6と左側面7が口部材側に吸引され、下面3が次第に前面1に向かって移動してくる。
【0029】
口部材は、通常、射出成形法によりポリエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いて、肉厚が0.6〜2.0mm程度に作製され、図1に示すように、液体容器100の前面1に貫通にして係止、固定される。なお、特にバリア性が必要な場合には、サンドイッチ成形の多層射出成形品を使用してもよい。口部材5に設けられる肉厚の鍔部は、図8(a)又は図9(a)に示すように、2段であり、口先側の鍔部54は、内容物の充填時又は排出時に口先を充填機や印刷機のノズルに押し当てるための鍔部であり、口元側の鍔部55は、液体容器の前面のフィルムAの内面に熱融着させるための鍔部である。鍔部を肉厚にするのは、必要な剛性を付与するためである。また、鍔部55の外周で考えた面積は、口部材を融着させる前面部分の全面積の20パーセント以上を必要とするものである。
すなわち、
口元側鍔部の外周の面積≧前面部分の全面積×0.2
である。なお、口元側の鍔部の形状は、通常、図8(a)及び(b)に示す正方形、図9(a)及び(b)に示す長方形であるが、本発明においては、特に鍔部の形状に捕らわれるものではなく、例えば、丸形、楕円形、多角形、あるいはその他の変形形状(意匠効果を考慮した形状)など任意の形状でよいが、4角形(矩形状)の方が変形を防止し易くて良い。また、図9(a)〜(b)に示すように中央寄りに鍔を拡げた形でもよい。また、口元側の鍔部の外周の面積は大きい程、変形せず、排出し易いが、大き過ぎると容器の重量が増大して環境問題にも良くないし、シールが行い難くなるので、20%〜50%程度が適当である。
【0030】
また、口部材5には、図8(a)に示すように、内側に突起50を設けたものである。この突起は、内容物を容器から吸引排出するときに、容器を形成するフィルムが口部を塞がないためのものであり、一カ所以上好ましくは2カ所以上に設けるものである。突起の高さは、フィルムBの剛性や内容物の粘度によって異なるが、フィルムBの厚みの20倍以上を必要とし、また、図8(b)に示す隙間51は100倍以下がよい。突起が大きすぎると、残肉が増加してしまう。基本的には、製品設計するときに、高さをフィルムBの20倍位、隙間を25倍位を標準とするものである。
【0031】
また、内容物が吸引排出されて折り畳まれたときに、注出口が当たるフィルムBの部分に、図2に示すように、補強材34(2点鎖線で示す)を重ねて置くと、部分的に剛性が高められ、注出口をフィルムBが塞がないようになり、内容物の排出が安定する。フィルムBに重ねる補強材は、フィルム、厚紙などでよく、また、補強材は、フィルムBの内側又は外側に融着や接着などの手段で貼着すればよい。
【0032】
次に、口元側の鍔部の形状又は面積を変えた口部材を取り付けた4種類の液体容器を作製し、内容物としてマヨネーズを充填し、排出試験を行って各容器の内容物残存量を測定した。その測定結果を、表1に示す。
【0033】
【表1】
Figure 0004794730
【0034】
表1に示したように、口元側鍔部の外周の面積が、容器の前面部分の全面積80cm2 ×0.2=16cm2 より大きい3種類の本発明の実施形態の液体容器は、内容物の残存量が少なく、また、そのバラツキも少なく再現性が高かった。
【0035】
本発明の液体容器は、主として、粘度の高い液体、例えば、マヨネーズ、チョコレート、インキ、ケチャップ、液体洗剤、衣料柔軟剤、ペンキ、接着剤、蜂蜜などに使用する容器であり、基本的には、容器から内容物を機械的に吸引排出するものを対象とするものである。
【0036】
フィルムAは、ドライラミネーション、ウエットラミネーション、エクストルージョンラミネーションなどのラミネート加工法で作製されるものであるが、ポリアマイド/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、ポリアマイド/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリアマイド/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/ポリアマイド/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン構成、2軸延伸ポリプロピレン/ポリアマイド/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成などの積層フィルムを容器の使用目的に合わせて使用することができる。なお、変性ポリエチレンは、無水マレイン酸変性ポリエチレンなどである。
【0037】
また、フィルムBは、2軸延伸ポリアマイド/ポリエチレン構成、2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成、2軸延伸ポリアマイド/エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物/変性ポリエチレン構成、2軸延伸ポリプロピレン/ポリアマイド/変性ポリエチレン/ポリエチレン構成などの積層フィルムを容器の使用目的に合わせて使用することができる。フィルムBは、フィルムAより剛性が小さい方がよい。それは、柔らかくすることによって、内容物が排出されるときに、フィルムAよりも先に内側に入り込むことによって、折り畳み易くするためである。剛性を小さくするには、剛性のあるバリア層、すなわち、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物やポリアマイドの層を薄くすることや、上記の2軸延伸層を薄くすることや、軟らかいポリプロピレン材質にするものである。また、フィルムの総厚を薄くすることによって剛性を小さくしてもよい。
【0038】
また、本発明の液体容器は、注出口以外の部分を平らにして、体積を小さくすることができる。内容物の充填前は、容器を平らな形状にして保管や輸送ができるので、保管費用や輸送費用が安価である。従って、充填工場に専用の容器製造工場を設置する必要がなく、イニシャルコストを小さくできる。
【0039】
図2に示す融着部14、15、16、17は、この部分のフィルムBの一部を切り欠いて貫通孔を設けるか、幅を狭くして、両側のフィルムA同士を融着すると、容器の形状が保ち易くなる。本実施形態の液体容器100では、図4に示すように、貫通孔35、36、37、38、39、40、41、42、43、44を設けた。また、把手孔45を設けたが、この加工は、融着を完了したのちに、後加工で行った方が仕上がりが綺麗で好ましい。
【0040】
なお、本発明の液体容器は、容器を横に傾けて使用しても、ほとんど同じような効果が得られるので、その様な用途には、単に口部材の融着位置や取手の位置を変更して対応することができる。
【0041】
また、本発明の液体容器は、前面の幅>左右の側面の幅の関係にある場合には、基本的には、前面、裏面、上面、下面をフィルムAで作製するが、前面の幅<左右の側面の幅の場合で、前面の高さ>上下の側面の奥行きであれば、前面、裏面、左側面、右側面をフィルムAで作製するものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明の液体容器は、粘度の高い内容物に使用するものであり、内容物の自動充填機や自動吸引機に使用でき、内容物を吸引排出するときに、注出口が容器を形成するフィルム体で塞がれることがなく、内容物の排出状態が良好であり、排出残量が少ない。把手を設けることができ、容器が持ちやすく、吸引装置に手で容器を挿入しやすい。
【0043】
また、本発明の液体容器の空容器は、平らな形状にすることができ、内容物充填前及び内容物排出後の容器の保管や輸送に場所を取らないので、保管費用や輸送費用が安価である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の液体容器の内容物を充填したときの外観を示す説明図である。
【図2】本発明の一実施形態の液体容器を形成する各フィルムの口部材位置、融着部位置、貫通孔位置、把手孔位置を示す説明図である。
【図3】本発明の液体容器の作製における融着時のフィルムの重ね合わせ状態を示す説明図である。
【図4】本発明の一実施形態の液体容器の内容物を充填する前の形状を示す平面図である。
【図5】本発明の一実施形態の液体容器の満たん時の形状を示し、(a)は平面図で、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図6】本発明の一実施形態の液体容器の内容物が排出途中の形状を示し、(a)は平面図で、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図7】本発明の一実施形態の液体容器の内容物が完全に排出されたときの形状を示し、(a)は平面図で、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図8】(a)は、一実施形態の口部材の断面図であり、(b)は、その底面図である。
【図9】(a)は、他の一実施形態の口部材の断面図であり、(b)は、その底面図である。
【図10】従来のバックインボックスにおける外箱内に収納されたフィルム体の内容物排出に伴う形状の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1……前面
2……裏面
3……下面
4……上面
5……口部材
6,7……側面
8〜33……融着部
34……補強材
35〜44……貫通孔
45……把手孔
46,47……折り目加工
48,49……折り癖
50……突起
51……隙間
52……外箱
53……フィルム体
54,55……鍔部
100……液体容器

Claims (8)

  1. 内容物を充填したときに、外形がほぼ直方体状の箱形となり、前面に口部材を融着して取り付けて、内容物の充填及び吸引排出を可能にしたフィルム体の液体容器であって、連なった前面、上面、裏面、下面の4面を形成する厚肉なフィルムAと、左右の側面の2面を形成する薄肉なフィルムBとからなり、該2面のフィルムBは、それぞれ融着する面が外側になるように折り曲げて、前記4面の厚肉なフィルムAの内面に挿入された状態で、前記4面のフィルムAと周囲を融着することによって形成され、フィルムAの各面境界の稜線に、折り目加工を施し、かつ、前記口部材の口元側に肉厚な鍔部を設けるとともに、内側に伸びる突起を設け、前記前面の内面に前記鍔部の外側面を融着して前記口部材を取り付けて構成されており、この鍔部の外形が有する面積が前記前面の少なくとも20パーセント以上の面積であることを特徴とする液体容器。
  2. 前記口部材に設けた肉厚な鍔部の形状が、ほぼ四角形であること特徴とした請求項1記載の液体容器。
  3. 前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
    その下端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されており、
    前記下面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した下端の融着部を、前記下面とほぼ平行に折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。
  4. 前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に下端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
    その下端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、
    貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されており、
    前記下面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した下端の融着部を、前記下面とほぼ平行に裏面側方向へ折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項1又は2記載の液体容器。
  5. 前記液体容器が、2枚のフィルムAと、左側面用フィルムBと、右側面用フィルムBとを構成材料として、左側面用フィルムBを二つ折りすると共に上端に貫通孔を設け、かつ、右左側面用フィルムBを二つ折りすると共に上端に貫通孔を設け、これら二つ折りされた両側面用フィルムBを2枚のフィルムAの間に挟んで、その上端、下端及び左右の側端で融着して構成された容器であり、
    その上端の融着部においては、前記貫通孔を通してフィルムA同士が融着されており、貫通孔以外の部位ではフィルムAとフィルムBとが融着されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の液体容器。
  6. 前記上面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した上端の融着部を、前記上面とほぼ平行に折り曲がるように折り癖を付けたことを特徴とする請求項5に記載の液体容器。
  7. 前記上面のフィルムA同士及びフィルムAとフィルムBとを融着した上端の融着部に、搬送、機械挿入用の把手孔を設けたことを特徴とする請求項5に記載の液体容器。
  8. 前記口部材の内側に少なくとも1カ所以上、フィルムBの厚みの20倍以上で100以下の高さをもつ突起を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体容器。
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