JP4793871B2 - 4サイクルエンジン - Google Patents

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Description

本発明は、シリンダヘッドに形成される吸、排気通路の構造と、ピストンとシリンダヘッドとの間に形成されるスキッシュエリアの構造とが互いに関連する4サイクルエンジンに関するものである。
上記4サイクルエンジンには、従来、下記特許文献1の特に図1,2に示されるものがある。この公報のものによれば、シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路がシリンダヘッドに形成されている。また、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成されている。一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路が上記シリンダヘッドに形成されている。また、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成されている。また、上死点におけるピストンの上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアが形成されている。
上記エンジンの運転時の吸気行程において、上記各吸気開口が開かれ、大気側の空気が上記吸気通路を通り燃焼室に吸入される。そして、このように吸入される空気と、別途供給される燃料とにより生成された混合気が圧縮行程を経た後、爆発行程で上記燃焼室において燃焼に供される。そして、この燃焼による熱エネルギーが動力に変換され、出力される。次に、排気行程において、上記各排気開口が開かれ、上記燃焼により生じた燃焼ガスは、排気として上記排気通路を通りシリンダの外部の大気側に排出される。
上記圧縮行程において、上記ピストンが上死点に達するとき、上記スキッシュエリアで圧縮され押し出された混合気により、勢いよく流動するスキッシュ流が生成される。そして、このスキッシュ流により、燃焼室の混合気が混合されて、濃度がより均一にされ、これにより、エンジン性能の向上が図られている。
ところで、上記したように、吸気通路の下流端は燃焼室の後部側(吸気側)に形成されている。このため、上記吸気通路を通り燃焼室に吸入されて間もない燃焼室の後部側の混合気は、この燃焼室の前部側(排気側)で温められた混合気よりも、低温になりがちである。そして、このように、燃焼室の後部側における混合気が低温であると、その後の爆発行程におけるこの混合気の燃焼時の火炎伝播が遅くなりがちとなる。この結果、燃焼室の後部側において、ノッキングが発生するおそれを生じる。
ここで、上記従来の技術では、スキッシュエリアの後部における第1隙間寸法は、上記スキッシュエリアの前部における第2隙間寸法よりも大きくされている。このため、上記従来の技術では、次の作用が生じると考えられる。
即ち、上記圧縮行程において、ピストンが上死点に達するとき、上記スキッシュエリアの後部で生成され前方に向かって流動するスキッシュ流よりも、スキッシュエリアの前部で生成され後方に向かって流動するスキッシュ流のほうが強力となる。この結果、上記燃焼室の前部側における高温の混合気が、上記燃焼室の後部側における低温の混合気に供給されて、この混合気に混合させられる。これにより、燃焼室における混合気の温度がより均一にされ、燃焼時の火炎伝播が部分的に遅くなる、ということが防止されて、ノッキングの発生がより防止される、と考えられる。
特開2002−115549号公報
ところで、上記従来の技術では、スキッシュエリアの前部の左右各部分で生じるスキッシュ流はそれぞれ単に後方に向かって流動しがちとなる。このため、燃焼室における混合気の混合が不十分となって、混合気の濃度と温度とを共により均一にさせる、ということができなくなるおそれがある。よって、その後の爆発行程における混合気の燃焼時に、この混合気の一部において火炎伝播に遅れが生じるおそれがある。つまり、上記従来の技術には、ノッキングの発生を防止する上で、改善の余地が残されている。
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、本発明の目的は、エンジンの爆発行程において、燃焼室での混合気の燃焼時に、この混合気の各部における火炎伝播に遅れが生じないようにして、ノッキングの発生をより確実に防止できるようにすることである。
請求項1の発明は、シリンダ2の軸心3を縦向きとしたこのシリンダ2の平面視(図1,2,8)で、ある水平な一方向を前方(Fr)としたとき、大気側をシリンダ2の燃焼室11に連通させる吸気通路12の下流端が上記燃焼室11の後部側に位置するよう上記吸気通路12をシリンダヘッド6に形成すると共に、上記吸気通路12の下流端が左右方向で複数の吸気開口20−22となるよう形成し、一方、上記燃焼室11を大気側に連通させる排気通路13の上流端が上記燃焼室11の前部側に位置するよう上記排気通路13を上記シリンダヘッド6に形成すると共に、上記排気通路13の上流端が左右方向で複数の排気開口28となるよう形成し、上死点におけるピストン8の外縁部の上面と上記シリンダヘッド6の下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリア62を形成した4サイクルエンジンおいて、
上記シリンダ2の軸心3と上記一方向(Fr)とに直交する方向に沿った視線による上記ピストン8の外観上の側面視(図3)で、このピストン8の上端が上記シリンダ2の軸心3に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリア62の後端部62aにおける第1隙間寸法T1を上記スキッシュエリア62の前端部62bにおける第2隙間寸法T2よりも大きくし、上記スキッシュエリア62の前後方向の中途部62cにおける第3隙間寸法T3を上記第1、第2隙間寸法T1,T2のいずれか一方の隙間寸法に合致させたものである。
請求項2の発明は、シリンダ2の軸心3を縦向きとしたこのシリンダ2の平面視(図1,2,8)で、ある水平な一方向を前方(Fr)としたとき、大気側をシリンダ2の燃焼室11に連通させる吸気通路12の下流端が上記燃焼室11の後部側に位置するよう上記吸気通路12をシリンダヘッド6に形成すると共に、上記吸気通路12の下流端が左右方向で複数の吸気開口20−22となるよう形成し、一方、上記燃焼室11を大気側に連通させる排気通路13の上流端が上記燃焼室11の前部側に位置するよう上記排気通路13を上記シリンダヘッド6に形成すると共に、上記排気通路13の上流端が左右方向で複数の排気開口28となるよう形成し、上死点におけるピストン8の外縁部の上面と上記シリンダヘッド6の下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリア62を形成した4サイクルエンジンおいて、
上記シリンダ2の軸心3と上記一方向(Fr)とに直交する方向に沿った視線による上記ピストン8の外観上の側面視(図3)で、このピストン8の上端が上記シリンダ2の軸心3に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリア62の後端部62aにおける第1隙間寸法T1を上記スキッシュエリア62の前端部62bにおける第2隙間寸法T2よりも大きくし、上記スキッシュエリア62の前後方向の中途部62cにおける第3隙間寸法T3を上記第1隙間寸法T1よりも小さく第2隙間寸法T2よりも大きくしたものである。
請求項3の発明は、請求項1、もしくは2の発明に加えて、上記スキッシュエリア62の隙間寸法T1−T3が、上記シリンダ2の径方向においてこのシリンダ2の軸心3に向かうに従い大きくなるようにしたものである。
請求項4の発明は、特に、図8に例示するように、シリンダ2の軸心3を縦向きとしたこのシリンダ2の平面視(図8)で、ある水平な一方向を前方(Fr)としたとき、大気側をシリンダ2の燃焼室11に連通させる吸気通路12の下流端が上記燃焼室11の後部側に位置するよう上記吸気通路12をシリンダヘッド6に形成すると共に、上記吸気通路12の下流端が左右方向で複数の吸気開口20−22となるよう形成し、一方、上記燃焼室11を大気側に連通させる排気通路13の上流端が上記燃焼室11の前部側に位置するよう上記排気通路13を上記シリンダヘッド6に形成すると共に、上記排気通路13の上流端が左右方向で複数の排気開口28となるよう形成し、上死点におけるピストン8の外縁部の上面と上記シリンダヘッド6の下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリア62を形成し、上記吸気通路12が上記シリンダ2の後方域から上記燃焼室11に向かって延びるようにし、上記シリンダ2の軸心3を通り前後方向に延びる仮想線53を設定したとき、上記吸気通路12が、後方に向かうに従い上記仮想線53の一方の側方に向けて、この仮想線53からより大きく離れるようにした4サイクルエンジンにおいて、
上記シリンダ2の軸心3と上記一方向(Fr)とに直交する方向に沿った視線による上記ピストン8の外観上の側面視(図3)で、このピストン8の上端が上記シリンダ2の軸心3に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリア62の後端部62aにおける第1隙間寸法T1を上記スキッシュエリア62の前端部62bにおける第2隙間寸法T2よりも大きくし、上記スキッシュエリア62の前後方向の中途部62cにおける左右の第3隙間寸法T3を互いに相違させたものである。
請求項5の発明は、請求項1から4のうちいずれか1つの発明に加えて、上記吸気通路12が、その上流側を形成する一本の主通路16と、上記吸気通路12の下流側を形成して上記主通路16の下流端から上記燃焼室11に向かって分岐する3本の第1−第3分岐通路17−19とを備え、上記燃焼室11に向かって開口する上記第1−第3分岐通路17−19の第1−第3吸気開口20−22をそれぞれ開閉可能とする第1−第3吸気弁23−25を設けた4サイクルエンジンにおいて、
上記第1−第3分岐通路17−19のうち、長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを、他の吸気弁のそれよりも早くしたものである。
なお、この項において、上記各用語に付記した符号は、本発明の技術的範囲を後述の「実施例」の項や図面の内容に限定解釈するものではない。
本発明による効果は、次の如くである。
請求項1の発明は、シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成した4サイクルエンジンおいて、
上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法を上記第1、第2隙間寸法のいずれか一方の隙間寸法に合致させている。
このため、エンジンの圧縮行程において、上記ピストンが上死点に達するとき、上記スキッシュエリアの後端部で生成され前方に向かって流動するスキッシュ流よりも、スキッシュエリアの前端部で生成され後方に向かって流動するスキッシュ流のほうが強力となる。この結果、上記燃焼室の前部側における高温の混合気が、上記燃焼室の後部側における低温の混合気に供給されて、この混合気に混合させられる。これにより、燃焼室における混合気の温度がより均一にされ、その後の爆発行程における混合気の燃焼時の火炎伝播が部分的に遅くなる、ということが防止されて、ノッキングの発生がより防止される。
しかも、上記したように、スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法を上記第1、第2隙間寸法のいずれか一方の隙間寸法に合致させている。
このため、上記ピストンが上死点に達するとき、上記スキッシュエリアの各中途部で生成された各スキッシュ流は、上記スキッシュエリアの後端部と前端部とで生成されたスキッシュ流にほぼ直交するよう、かつ、互いに対向するよう流動する。よって、上記スキッシュエリアの各部で生成される各スキッシュ流は互いに十分に混合させられることとなる。この結果、この混合気の濃度と温度とがより均一にさせられて、ノッキングの発生が、より確実に防止される。
請求項2の発明は、シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成した4サイクルエンジンおいて、
上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法を上記第1隙間寸法よりも小さく第2隙間寸法よりも大きくしている。
このため、前記請求項1と同様の作用効果が生じる。
請求項3の発明は、上記スキッシュエリアの隙間寸法が、上記シリンダの径方向においてこのシリンダの軸心に向かうに従い大きくなるようにしている。
このため、上記スキッシュエリアの各部で生成されるスキッシュ流は、上記シリンダの軸心に向かわされがちとなって、互いに対向し、混合気の混合がより確実に行われる。よって、ノッキングの発生が更に確実に防止される。
請求項4の発明は、シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成し、上記吸気通路が上記シリンダの後方域から上記燃焼室に向かって延びるようにし、上記シリンダの軸心を通り前後方向に延びる仮想線を設定したとき、上記吸気通路が、後方に向かうに従い上記仮想線の一方の側方に向けて、この仮想線からより大きく離れるようにした4サイクルエンジンにおいて、
上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における左右の第3隙間寸法を互いに相違させている。
ここで、上記したように、吸気通路が仮想線の一方の側方に向けて離れるようにした場合には、上記吸気通路を通り燃焼室に吸入される吸気のうち、上記一方の側方の吸気開口を流動する吸気の流量と、他方の側方の吸気開口を流動するそれとは、互いに相違しがちとなる。そして、上記吸気の流量が多い側の燃焼室の側部では混合気が低温となりがちである。
そこで、上記の場合には、混合気が低温となりがちな燃焼室の側部に向かって、より多くのスキッシュ流が流動するよう上記したように左右第3隙間寸法を互いに相違させればよい。このようにすれば、上記した低温となりがちな混合気に、より高温の混合気が混合させられる。これにより、燃焼室における混合気の温度がより均一にされて、ノッキングの発生が、より確実に防止される。
請求項5の発明は、上記吸気通路が、その上流側を形成する一本の主通路と、上記吸気通路の下流側を形成して上記主通路の下流端から上記燃焼室に向かって分岐する3本の第1−第3分岐通路とを備え、上記燃焼室に向かって開口する上記第1−第3分岐通路の第1−第3吸気開口をそれぞれ開閉可能とする第1−第3吸気弁を設けた4サイクルエンジンにおいて、
上記第1−第3分岐通路のうち、長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを、他の吸気弁のそれよりも早くしている。
ここで、長さがより大きい分岐通路を流動する吸気の圧力損失はより大きくなりがちである。このため、この吸気の燃焼室への吸入タイミングは他の分岐通路を流動する吸気に比べて遅れがちとなる。そこで、上記のように長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを早くするようにしたのであり、このため、上記の長さが大きい分岐通路を流動する吸気を、他の分岐通路を流動する他の吸気に対し大きくは遅れることなく燃焼室に吸入させることができる。
よって、各分岐通路をそれぞれ流動する各吸気をほぼ同時に燃焼室に吸入させることができる。この結果、上記各吸気の燃焼室への吸入タイミングに差異がある場合に比べて、流れの方向がより明確であり、かつ、流速がより速いという、いわゆる“強いタンブル流”の混合気を燃焼室に得ることができて、総合的に高い充填効率を得ることができる、という「効果」が生じる。
即ち、上記発明によれば、エンジンの吸入行程において“強いタンブル流”の混合気を得ることができると共に、その後の圧縮行程において濃度と温度とがより均一な混合気を得ることができるため、エンジン性能上極めて有益である。
本発明の4サイクルエンジンに関し、エンジンの爆発行程において、燃焼室での混合気の燃焼時に、この混合気の各部における火炎伝播に遅れが生じないようにして、ノッキングの発生をより確実に防止できるようにする、という目的を実現するため、本発明を実施するための最良の形態は、次の如くである。
即ち、シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路がシリンダヘッドに形成されている。また、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成されている。一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路が上記シリンダヘッドに形成されている。また、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成されている。上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアが形成されている。
上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端は、上記シリンダの軸心に直線的に直交させられている。上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法が上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくされている。また、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法が上記第1、第2隙間寸法のいずれか一方の隙間寸法に合致させられている。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例1を添付の図1−7に従って説明する。
図1−5において、符号1は自動二輪車などの車両に用いられる4サイクル単気筒エンジンである。なお、説明の便宜上、矢印Frの方向を前方として以下説明する。
上記エンジン1は、不図示のクランク軸を支承するクランクケースから上方に突出するシリンダ2を備えている。このシリンダ2は、上記クランクケースから上方に突出し、軸心3が縦向きのシリンダ孔4が形成されたシリンダ本体5と、このシリンダ本体5の上端面に取り付けられて上記シリンダ孔4の上端開口を閉じるシリンダヘッド6と、このシリンダヘッド6の上面側を閉じるようこのシリンダヘッド6に取り付けられるシリンダヘッドカバー7と、上記シリンダ孔4に軸方向に摺動可能となるよう嵌入され、不図示の連接棒により上記クランク軸と連動連結されるピストン8とを備えている。上記シリンダ孔4の軸心3は、上記シリンダ2の軸心に相当する。
上記シリンダ本体5の上部、シリンダヘッド6、および上死点の近傍に位置するピストン8により囲まれた空間が燃焼室11とされている。この燃焼室11に対応する上記シリンダヘッド6の下面は円錐台凹形状とされ、いわゆるペントルーフとされている。上記シリンダヘッド6の後部には、大気側を上記燃焼室11に連通させる吸気通路12が形成されている。この吸気通路12は、上記シリンダ2の後上方域から上記燃焼室11に向かって延びている。また、上記シリンダヘッド6の前部には、上記燃焼室11を大気側に連通させる排気通路13が形成されている。この排気通路13は上記燃焼室11から上記シリンダ2の前上方域に向かって延びている。
上記吸気通路12は、その上流側を形成する1本の主通路16と、上記吸気通路12の下流側を形成して上記主通路16の下流端から上記燃焼室11の後部に向けて分岐する3本の第1−第3分岐通路17−19とを備えている。これら第1−第3分岐通路17−19の下流端は、上記燃焼室11の後部に向かって開口する第1−第3吸気開口20−22とされ、これら第1−第3吸気開口20−22は左右方向に並設されている。上記第1−第3吸気開口20−22を上記燃焼室11側から開閉可能に閉じる第1−第3吸気弁23−25が設けられている。また、これら各吸気弁23−25を閉弁動作させるよう付勢するばね26が設けられている。
上記排気通路13は、この排気通路13の上流側を形成して、上記燃焼室11の前部から前方に向けて延出する左右一対の分岐通路27を備えている。これら各分岐通路27の上流端は、上記燃焼室11の前部に向かって開口する左右一対の排気開口28とされている。これら各排気開口28を上記燃焼室11側から開閉可能に閉じる2つの排気弁29が設けられている。また、これら各排気弁29を閉弁動作させるよう付勢するばね30が設けられている。
上記各吸気弁23−25と排気弁29とを適宜開、閉弁動作させる動弁装置33が設けられている。この動弁装置33は、上記シリンダヘッド6とシリンダヘッドカバー7との間に形成されたカム室34に設けられる吸気カム軸35と排気カム軸36とを備えている。これら吸気カム軸35と排気カム軸36とは、それぞれ左右に延びる軸心38,39回りに回転可能となるよう上記シリンダヘッド6に支持されている。上記吸気カム軸35と排気カム軸36とはタイミングチェーンを有するチェーン巻掛装置40により前記クランク軸に連動連結されている。
上記吸気カム軸35は、上記軸心38回りに回転可能な軸本体42と、この軸本体42に一体的に突設され、それぞれリフター43を介し上記第1−第3吸気弁23−25にカム係合する3つの第1−第3カムノーズ44−46とを備えている。一方、上記排気カム軸36も、それぞれリフター47を介し上記各排気弁29にカム係合している。
上記吸気通路12の上流端側には、燃料供給装置である気化器48が設けられている。また、上記シリンダ2のほぼ軸心3上で、上記シリンダヘッド6に点火プラグ49が取り付けられている。この点火プラグ49の放電部50は、上記軸心3の近傍、かつ、上記燃焼室11の上端部に配置されている。
上記エンジン1を、より具体的に説明する。
上記シリンダ2の平面視(図1)で、上記第1−第3吸気開口20−22は、上記燃焼室11の後部側に形成され、上記各排気開口28は上記燃焼室11の前部側に形成されている。上記シリンダ2の軸心3を通り前後方向に延びる仮想線53の一側方Rに上記第1吸気開口20が形成されている。一方、上記仮想線53の他側方Lに上記第3吸気開口22が形成されている。また、上記第1吸気開口20と第3吸気開口22とは、前後方向で互いにほぼ同じところに位置し、これら第1、第3吸気開口20,22よりも後方で、上記仮想線53上に上記第2吸気開口21、主通路16、および第2分岐通路18が形成されている。上記第1、第3分岐通路17,19は、後方に向かうに従い上記仮想線53に接近して主通路16の下流端に向かうよう傾斜している。
図1−4において、上記ピストン8の上面60は、ほぼ全体的にシリンダ2の軸心3に直交する平坦面とされている。上死点における上記ピストン8の外縁部の上面60と上記シリンダヘッド6の下面61との間には、これら上、下面60,61間の隙間寸法T1−T3が小さいスキッシュエリア62が形成されている。上記スキッシュエリア62の各部では、上、下面60,61は互いにほぼ平行に延びている。また、上記スキッシュエリア62の各隙間寸法は、0.3mm−0.9mm程度である。
上記スキッシュエリア62の後端部62aにおける第1隙間寸法T1は、上記スキッシュエリア62の前端部62bにおける第2隙間寸法T2よりも大きくされている。また、上記スキッシュエリア62の前後方向の左右各中途部62cにおける各第3隙間寸法T3は、互いにほぼ同じとされ、かつ、上記第1、第2隙間寸法T1,T2のいずれか一方に合致させられている。なお、上記第3隙間寸法T3は、上記第1隙間寸法T1よりも小さくし、第2隙間寸法T2よりも大きくしてもよい。
図2において、上記スキッシュエリア62よりもシリンダ2の軸心3側におけるピストン8の上面には、このピストン8が上死点に達し、かつ、上記吸気弁23−25と排気弁29とがそれぞれ開弁動作したときに、これら各弁23−25,29の下端部を嵌脱可能に嵌入させる嵌入孔65が形成されている。これにより、上死点に達した上記ピストン8の上面と開動作した各弁23−25,29とが互いに干渉し合う、ということが防止され、かつ、燃焼室11の最小容積をより小さくさせることにより、混合気55の圧縮比の向上が図られている。
図1−6において、上記エンジン1の運転時には、上記クランク軸に動弁装置33が連動する。そして、この動弁装置33の吸気カム軸35と排気カム軸36とが上記各吸気弁23−25と各排気弁29とにカム係合することにより、これら各吸気弁23−25と各排気弁29とがそれぞれ適宜開、閉弁動作させられる。
特に、図6において、図中、TDCはピストン8の上死点、INは吸気弁23−25の弁動作、EXは排気弁29の弁動作を示している。この図6によれば、クランク角(時間)の進行に伴い、上記吸、排気弁23−25,29の各リフト量が増大して開弁動作させられ、リフト量が減少することにより閉弁動作させられる。
上記エンジン1の吸気行程において、上記各吸気弁23−25の開弁により、大気側の空気と、上記気化器48により供給された燃料とが上記吸気通路12を通り燃焼室11に吸入される。そして、上記吸気行程に続く圧縮行程の後の爆発行程において、上記のように吸入される空気と燃料とにより生成された混合気55が上記燃焼室11において燃焼に供される。この燃焼による燃焼ガスは、排気行程において、排気56として上記排気通路13を通り大気側に排出される。上記の場合、吸気通路12を通り燃焼室11に吸入される空気や燃料による混合気55の慣性力により、上記混合気55がタンブル流となるよう上記吸気通路12が形成されている。
上記第1−第3分岐通路17−19のうち、長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングが、他の吸気弁のそれよりも早くされている。具体的には、上記各吸気弁23−25がそれぞれ開弁動作している期間(約300°)やリフト量は互いに同じであるが、上記第1、第3吸気弁23,25の各開弁動作(図6中実線)は、上記第2吸気弁24の開弁動作(図6中二点鎖線)よりも全体的に少しの期間(5−10°)だけ早められている。
上記のように、各吸気弁23−25の開弁動作の開始タイミングを早くさせたり、遅くさせたりすることは、上記吸気カム軸35の周方向における上記第1−第3カムノーズ44−46の相対的な位置を適正に定めることにより得られる。
上記構成によれば、第1−第3分岐通路17−19のうち、長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを、他の吸気弁のそれよりも早くしている。
ここで、長さがより大きい分岐通路を流動する吸気57の圧力損失はより大きくなりがちである。このため、この吸気57の燃焼室11への吸入タイミングは他の分岐通路を流動する吸気57に比べて遅れがちとなる。そこで、上記のように長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを早くするようにしたのであり、このため、上記の長さが大きい分岐通路を流動する吸気57を、他の分岐通路を流動する他の吸気57に対し大きくは遅れることなく燃焼室11に吸入させることができる。
よって、各分岐通路をそれぞれ流動する各吸気57をほぼ同時に燃焼室11に吸入させることができる。この結果、上記各吸気57の燃焼室11への吸入タイミングに差異がある場合に比べて、流れの方向がより明確であり、かつ、流速がより速いという、いわゆる“強いタンブル流”の混合気55を燃焼室11に得ることができて、総合的に高い充填効率を得ることができ、つまり、エンジン1の燃費をより向上させることができる、という「効果」が生じる。
より具体的には、上記したように、第1、第3吸気開口20,22よりも後方に第2吸気開口21と主通路16とが形成されている。このため、上記第1、第3吸気開口20,22に対応する第1、第3分岐通路17,19は、上記第2吸気開口21に対応する第2分岐通路18に比べて長くなりがちであり、これにより、上記第1、第3分岐通路17,19を流動する吸気57の圧力損失がより大きくなりがちである。
そこで、上記したように、第1、第3吸気開口20,22を開閉する第1、第3吸気弁23,25の各開弁動作の開始タイミングを、第2吸気弁24のそれよりも早くしている。このため、上記したように、第1、第3分岐通路17,19を流動する吸気57の圧力損失がより大きいとしても、これら吸気57を、上記第2分岐通路18を流動する吸気57に対し大きくは遅れることなく上記燃焼室11に吸入させることができる。よって、上記した具体的構成において、前記「効果」と同様の効果が生じる。
なお、上記第1吸気弁23と第3吸気弁25との各開弁動作の開始タイミングは、ほぼ同時であってもよいが、いずれかが多少早くてもよい。
また、前記したように、スキッシュエリア62の後端部62aにおける第1隙間寸法T1を上記スキッシュエリア62の前端部62bにおける第2隙間寸法T2よりも大きくし、上記スキッシュエリア62の前後方向の中途部62cにおける第3隙間寸法T3を上記第1、第2隙間寸法T1,T2のいずれか一方の隙間寸法に合致させている。
このため、エンジン1の圧縮行程において、上記ピストン8が上死点に達するとき、上記スキッシュエリア62の後端部62aで生成され前方に向かって流動するスキッシュ流Sよりも、スキッシュエリア62の前端部62bで生成され後方に向かって流動するスキッシュ流Sのほうが強力となる。この結果、上記燃焼室11の前部側における高温の混合気55が、上記燃焼室11の後部側における低温の混合気55に供給されて、この混合気55に混合させられる。これにより、燃焼室11における混合気55の温度がより均一にされ、その後の爆発行程における混合気55の燃焼時の火炎伝播が部分的に遅くなる、ということが防止されて、ノッキングの発生がより防止される。
しかも、上記したように、スキッシュエリア62の前後方向の中途部62cにおける第3隙間寸法T3を上記第1、第2隙間寸法T1,T2のいずれか一方の隙間寸法に合致させている。
このため、上記ピストン8が上死点に達するとき、上記スキッシュエリア62の各中途部62cで生成された各スキッシュ流Sは、上記スキッシュエリア62の後端部62aと前端部62bとで生成されたスキッシュ流Sにほぼ直交するよう、かつ、互いに対向するよう流動する。よって、上記スキッシュエリア62の各部62a−62cで生成される各スキッシュ流Sは互いに十分に混合させられることとなる。この結果、この混合気55の濃度と温度とがより均一にさせられて、ノッキングの発生が、より確実に防止される。
図7は、上記エンジン1についての実験結果を示している。即ち、上記エンジン1による結果(図中実線)と、従来の5バルブのエンジンによる結果(図中一点鎖線)とを比較した場合、気化器48の各スロットル開度(%)において、それぞれ概ね出力(kw)が向上することがわかる。
なお、図4中一点鎖線で示すように、上記スキッシュエリア62の隙間寸法T1−T3が、上記シリンダ2の径方向においてこのシリンダ2の軸心3に向かうに従い大きくなるようにしてもよい。
上記のようにすれば、上記スキッシュエリア62の各部で生成されるスキッシュ流Sは、上記シリンダ2の軸心3に向かわされがちとなって、互いに対向し、混合気55の混合がより確実に行われる。よって、ノッキングの発生が更に確実に防止される。
即ち、上記構成によれば、エンジン1の吸入行程において“強いタンブル流”の混合気55を得ることができると共に、その後の圧縮行程において濃度と温度とがより均一な混合気55を得ることができるため、エンジン性能上極めて有益である。
なお、以上は図示の例によるが、上記左右吸気開口を左右一対のみとして、エンジン1を4バルブとしてもよい。また、燃料供給装置は燃料噴射弁によるものであってもよい。
以下の図8は、実施例2を示している。この実施例2は、前記実施例1と構成、作用効果において多くの点で共通している。そこで、これら共通するものについては、図面に共通の符号を付してその重複した説明を省略し、異なる点につき主に説明する。また、これら実施例における各部分の構成を、本発明の目的、作用効果に照らして種々組み合せてもよい。
本発明をより詳細に説明するために、その実施例2を添付の図8に従って説明する。
図8において、上記主通路16は、後方に向かうに従い上記仮想線53の一方の側方である他側方Lに向けて、この仮想線53からより大きく離れるよう屈曲されている。また、上記第1吸気弁23の開弁動作の開始タイミングは、上記第3吸気弁25のそれよりも早くされている。
ここで、上記したように、主通路16は、後方に向かうに従い上記仮想線53の他側方Lに向けて、この仮想線53からより大きく離れることとされている。このため、上記第1吸気開口20に対応する第1分岐通路17は、上記第3吸気開口22に対応する第3分岐通路19に比べて長くなりがりがちであり、これにより、上記第1分岐通路17を流動する吸気57の圧力損失がより大きくなりがちである。
そこで、上記したように、第1吸気開口20を開閉する第1吸気弁23の開弁動作の開始タイミングを、第3吸気弁25のそれよりも早くしている。このため、上記したように、第1分岐通路17を流動する吸気57の圧力損失がより大きいとしても、この吸気57を、上記第3分岐通路19を流動する吸気57に対し大きくは遅れることなく上記燃焼室11に吸入させることができる。よって、上記した具体的構成において、前記「効果」と同様の効果が生じる。
なお、上記第2吸気弁24と第3吸気弁25との各開弁動作の開始タイミングは、ほぼ同時であってもよいが、図例では、第2分岐通路18よりも第3分岐通路19が長いため、上記第3吸気弁25の開弁動作の開始タイミングを第2吸気弁24のそれよりも少し早くすることが好ましい。
また、上記ピストン8の左右各外縁部の上面60に対応する左右の各第3隙間寸法T3は互いに相違させられている。
ここで、上記したように、吸気通路12が仮想線53の一方の側方(他側方L)に向けて離れるようにした場合には、上記吸気通路12を通り燃焼室11に吸入される混合気55(吸気57)のうち、一側方Rの第1吸気開口20を流動する混合気55(吸気57)の流量と、他側方Lの第3吸気開口22を流動するそれとは、互いに相違しがちとなる。そして、上記混合気55(吸気57)の流量が多い側の燃焼室11の側部では混合気55が低温となりがちである。
そこで、上記の場合には、混合気55が低温となりがちな燃焼室11の側部に向かって、より多くのスキッシュ流Sが流動するよう上記したように左右第3隙間寸法T3を互いに相違させればよい。このようにすれば、上記した低温となりがちな混合気55に、より高温の混合気55が混合させられる。これにより、燃焼室11における混合気55の温度がより均一にされて、ノッキングの発生が、より確実に防止される。
実施例1を示し、エンジンの部分平面簡略図である。 実施例1を示し、ピストンを含めたエンジンの部分平面簡略図である。 実施例1を示し、エンジンの部分側面断面図である。 実施例1を示し、図3の部分拡大断面部分破断図であって、ピストンが上死点に達したときの図である。 実施例1を示し、エンジンの部分正面断面図である。 実施例1を示し、吸、排気弁の開、閉弁動作を示すグラフ図である。 実施例1を示し、気化器のスロットル開度、エンジン回転数、および出力に関し実験結果を示すグラフ図である。 実施例2を示し、図1に相当する図である。
1 エンジン
2 シリンダ
3 軸心
4 シリンダ孔
5 シリンダ本体
6 シリンダヘッド
8 ピストン
11 燃焼室
12 吸気通路
13 排気通路
16 主通路
17 第1分岐通路
18 第2分岐通路
19 第3分岐通路
20 第1吸気開口
21 第2吸気開口
22 第3吸気開口
23 第1吸気弁
24 第2吸気弁
25 第3吸気弁
28 排気開口
33 動弁装置
35 吸気カム軸
38 軸心
42 軸本体
43 リフター
44 第1カムノーズ
45 第2カムノーズ
46 第3カムノーズ
48 気化器
49 点火プラグ
50 放電部
53 仮想線
55 混合気
56 排気
57 吸気
60 上面
61 下面
62 スキッシュエリア
62a 後端部
62b 前端部
62c 中途部
R 一側方
L 他側方
T1 第1隙間寸法
T2 第2隙間寸法
T3 第3隙間寸法
S スキッシュ流

Claims (5)

  1. シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成した4サイクルエンジンおいて、
    上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法を上記第1、第2隙間寸法のいずれか一方の隙間寸法に合致させたことを特徴とする4サイクルエンジン。
  2. シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成した4サイクルエンジンおいて、
    上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における第3隙間寸法を上記第1隙間寸法よりも小さく第2隙間寸法よりも大きくしたことを特徴とする4サイクルエンジン。
  3. 上記スキッシュエリアの隙間寸法が、上記シリンダの径方向においてこのシリンダの軸心に向かうに従い大きくなるようにしたことを特徴とする請求項1、もしくは2に記載の4サイクルエンジン。
  4. シリンダの軸心を縦向きとしたこのシリンダの平面視で、ある水平な一方向を前方としたとき、大気側をシリンダの燃焼室に連通させる吸気通路の下流端が上記燃焼室の後部側に位置するよう上記吸気通路をシリンダヘッドに形成すると共に、上記吸気通路の下流端が左右方向で複数の吸気開口となるよう形成し、一方、上記燃焼室を大気側に連通させる排気通路の上流端が上記燃焼室の前部側に位置するよう上記排気通路を上記シリンダヘッドに形成すると共に、上記排気通路の上流端が左右方向で複数の排気開口となるよう形成し、上死点におけるピストンの外縁部の上面と上記シリンダヘッドの下面との間に、これら上、下面間の隙間寸法が小さいスキッシュエリアを形成し、上記吸気通路が上記シリンダの後方域から上記燃焼室に向かって延びるようにし、上記シリンダの軸心を通り前後方向に延びる仮想線を設定したとき、上記吸気通路が、後方に向かうに従い上記仮想線の一方の側方に向けて、この仮想線からより大きく離れるようにした4サイクルエンジンにおいて、
    上記シリンダの軸心と上記一方向とに直交する方向に沿った視線による上記ピストンの外観上の側面視で、このピストンの上端が上記シリンダの軸心に直線的に直交するようにし、上記スキッシュエリアの後端部における第1隙間寸法を上記スキッシュエリアの前端部における第2隙間寸法よりも大きくし、上記スキッシュエリアの前後方向の中途部における左右の第3隙間寸法を互いに相違させたことを特徴とする4サイクルエンジン。
  5. 上記吸気通路が、その上流側を形成する一本の主通路と、上記吸気通路の下流側を形成して上記主通路の下流端から上記燃焼室に向かって分岐する3本の第1−第3分岐通路とを備え、上記燃焼室に向かって開口する上記第1−第3分岐通路の第1−第3吸気開口をそれぞれ開閉可能とする第1−第3吸気弁を設けた4サイクルエンジンにおいて、
    上記第1−第3分岐通路のうち、長さがより大きい分岐通路に対応する吸気弁の開弁動作の開始タイミングを、他の吸気弁のそれよりも早くしたことを特徴とする請求項1から4のうちいずれか1つに記載の4サイクルエンジン。
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