JP4787412B2 - 薄膜基板の形成方法およびその方法によって形成された薄膜基板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、薄膜基板の形成方法およびその方法によって形成された薄膜基板に関し、さらに詳しくは半導体装置や液晶光変調装置あるいはMEMS(Microelectromechanical system)に適用可能な微細構造体などを製造するための薄膜基板の形成(製造)方法と、その方法によって形成された薄膜基板の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜トランジスタやその他の薄膜素子あるいはMEMSを製造するための基板として、シリコンウェハやガラス基板または石英基板が多く用いられてきた。これらの基板は、厚さが数百μmから数mm程度であることが多い。
また、とくに薄い基板としては、これらの基板をさらに研磨したものが用いられることがあり、一例として、厚さ10μm程度のシリコンウェハが Virginia Semiconductor Inc.(1501 Pow-hatan Street Fredericksburg, VA 22401, USA)などから入手可能である。
また、数μm以下の薄膜基板としては、ガラス基板上にスピンキャスト法により形成した、ポリイミドなどの高分子フィルムを薄膜基板として用いる場合もある。
さらに、シリコンウェハやガラス基板上に、直接スパッタリング法や化学的気相成長法(CVD法)で膜形成した金属酸化物などの薄膜も、薄膜基板として用いられることがある。
【0003】
別のアプローチとしては、支持基板上に支持体を設けて、その上に機能性の構造体もしくはその構造体の基板となる薄膜を形成することが行われている。
この支持基板から隔てて構造体を構成する従来の技術として、例えば、米国特許第4,956,619号に記載されているような、空間光変調器の可動ミラーを形成するのに用いられる製造方法がある。
この従来の構造体の製造方法を、図44から図47の平面図を用いて、その構造体の製造工程を図44のG−G線における断面に相当する断面図で示す図48から図51を用いて説明する。
始めに、図48に示すように、基板201上にスピンコートにより一部が犠牲層となるスぺーサ層203を塗布し、そのスぺーサ層203上に金属層205を膜形成する。その金属層205は、反射板とするために銅を添加したアルミ合金で形成される。
さらに、光変調器のピクセルとなるフラップ101を金属層205によって形成するため、フォトリソグラフィにより金属層205をパタン化する。そして、図44および図48に示すように、金属層205にフラップ101を形成するためのプラズマエッチング・アクセスギャップ105と、プラズマエッチング・アクセス孔103を設ける。
【0004】
次に、酸素を主成分にしたプラズマエッチングにより、図49の空隙部107を形成する。その空隙部107を形成した平面図を図45に示す。
この空隙部107は、プラズマエッチング・アクセス孔103、およびプラズマエッチング・アクセスギャップ105から活性種が導入されることにより、スペーサ層203のポジ型フォトレジストが等方的にエッチングされることにより形成される。
さらに、エッチングを進めると、空隙部107は図46および図50に示すように広がる。そして、図47および図51に示すように、フラップ101を基板201から浮かせてスペーサ層203で保持された構造を形成できるまで、エッチングを行う。以上の工程で、フラップ101を基板201から浮かせた構造体を形成することができる。
【0005】
同様な光変調器用の構造体を実現するほかの方法として、米国特許第4,592,628号に記載されている例がある。
この方法では、犠牲層となるスペーサ層にシリコン(Si)を用い、薄膜構造体にシリコンを酸化したシリカ(SiO2)を用いて、開口部から例えば、ピロカテコール・エチレンジアミン(Pyrocatechol ethylenediamine)のような、シリコンだけを選択エッチングするエッチャントを使用するウェットエッチング法を用いて、スペーサ層の一部を除去している。
さらに、支持基板上に支持体を設けて、その上に機能性の構造体もしくは構造体の基板となる薄膜を形成するために犠牲層を用い、開口部からのエッチングで犠牲層を取り除く他の方法として、日本の特開平10−107339号公報に、犠牲層を蒸気相エッチング法で取り除く方法が述べられている。
しかしながら、従来、薄膜トランジスタやその他の薄膜素子あるいはMEMSを形成するために用いられているシリコンウェハやガラス基板または石英基板は、厚さが数百μmから数mm程度であることが多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、これらの基板を用いて、例えば基板上に形成した素子や構造体を熱処理しようとする場合、基板上の被熱処理物は数μm以下の厚さの薄膜で構成されていることが多く、熱容量は非常に小さいにも関わらず、被熱処理物から基板に熱が逃げるために効率的な加熱処理ができないといった問題や、金属薄膜を基板上に形成して配線を形成する場合に、誘電率が空気や真空よりも少なくとも数倍以上大きい誘電体膜で絶縁・保持しなければならず、そのため高周波回路では配線に大きな浮遊容量が付加されてしまうという問題もあった。
【0007】
以上の問題は、シリコンウェハやガラス基板等の上に直接、無機や有機物の薄膜を形成した基板でも同様に生じる。
さらに、特に薄い基板としては、これらの基板をさらに研磨した例えば厚さ10μm程度のシリコンウェハがあるが、機械的に弱いためにハンドリングや搬送に特別に注意をする必要があるし、物理的にさらに薄くすることは困難であるため、応用範囲が限定されてしまう原因となっている。
そこで、薄膜の機能を最大限に活かした方法として、例えば、DMD(デジタル・マイクロミラー・デバイス)などの立体構造をもつMEMSの作製方法で行われているように、支持基板上に支持体を設けて、その上に機能性の構造体もしくは構造体の基板となる薄膜を形成する手法を応用することが考えられる。
しかし、現在までのところ提案されている手法は、犠牲層となるスペーサ層の上に薄膜を形成し、その薄膜上に設けた開口部を通して、プラズマエッチングやウェットエッチングまたは蒸気相エッチングにより犠牲層を取り除く方法を用いている。
【0008】
その場合、犠牲層のエッチングは開口部分から主に横方向だけに進行するため、多数の開口部が必要になる。通常は、一つの開口部分によって取り除くことのできる犠牲層の面積は、横方向のエッチング速度が遅いため、実用的には数1000μm2程度である。
最近では、シリコンウェハやガラス基板などの上に形成する半導体集積回路(IC)や回路基板、さらにはMEMSなどは大規模大型化・高密度化する傾向にあり、比較的大きな面積の薄膜を基板として使用することも多いが、薄膜に多数の開口部を設けたのでは、そのような用途には使用できなくなる。
この発明は上記のような問題を解決し、数mm2もしくは10mm2以上の大きな面積の薄膜基板でも支持基板から浮かして支持した状態で形成できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、支持基板上に配列した支持体上に支持基板から離して形成する薄膜基板の形成方法であって、上記の目的を達成するため、
支持基板上に導電性材料により所定形状の支持体を形成する工程と、
その支持基板上に樹脂材料からなる犠牲層を形成する工程と、
上記支持体の頭部が露出するように上記犠牲層を平坦化する工程と、
その平坦化した犠牲層上に、タンタルの酸化物(TaOx)を主成分とする絶縁材料からなる薄膜基板をスパッタリングにより形成する工程と、
その薄膜基板を介して、全圧が100Paから1500Paの圧力で、酸素又は酸素原子を含んだ反応ガスを用いたプラズマ選択エッチングにより前記犠牲層を除去する工程とを有する。
上記薄膜基板を五酸化タンタル(Ta 2 O 5 )で形成するとよい。
あるいは、上記薄膜基板をタンタルの酸化物(TaOx)に代えてシリコンの酸化物(SiOx)を主成分とする絶縁材料で形成してもよい。
【0010】
上記薄膜基板の形成方法において、上記薄膜基板を形成する工程と上記犠牲層を除去する工程との間に、上記犠牲層上に形成した薄膜基板に、上記プラズマ選択エッチングの結果生じる揮発性ガスの排出口となる開口部を形成する工程を有するようにしてもよい。
上記支持体を円柱,角柱等の柱状に形成するか、あるいは直方体等の壁状に形成するとよい。
上記支持体を導電性材料で形成すると、プラズマ選択エッチングにより犠牲層を除去する工程で、エッチングを促進することができる。
上記支持基板上に所定形状の支持体を形成する工程で、上記支持基板上に金属膜を形成し、その金属膜をフォトリソグラフィとエッチングにより所定形状の支持体に形成するようにするとよい。
上記犠牲層をアクリル系樹脂を主成分とする材料、あるいはフォトレジスト材料で形成するとよい。
【0011】
この発明による薄膜基板のさらに好ましい形成方法は、
支持基板上にスパッタリング法により金属膜を形成する工程と、
その金属膜をフォトリソグラフィとエッチングにより所定形状の支持体に形成する工程と、
上記支持基板上にスピンコート法によりアクリル系樹脂を主成分とする樹脂材料を塗布して犠牲層を形成する工程と、
上記支持体の頭部が露出するようにその犠牲層をプラズマ処理によりエッチバックして平坦化する工程と、
その平坦化した犠牲層上に、タンタルの酸化物(TaOx)又はシリコンの酸化物(SiOx)を主成分とする絶縁材料からなる薄膜基板をスパッタリングにより形成する工程と、
その薄膜基板を介して全圧が100Paから1500Paの圧力で、酸素または酸素原子を含んだ反応性ガスを主成分とするプラズマ選択エッチングにより上記犠牲層を除去する工程とを有する。
【0012】
この薄膜基板の形成方法においても、上記薄膜基板を形成する工程と犠牲層を除去する工程との間に、上記犠牲層上に形成した薄膜基板に、上記プラズマ選択エッチングの結果生じる揮発性ガスの排出口となる開口部を形成する工程を有するようにしてもよい。
上記支持基板として、シリカ(SiO2)を主成分とする材料、またはシリコン(Si)を主成分とする材料で形成された支持基板を使用するとよい。
さらに、上記支持基板として、シリカ(SiO2)またはシリコン(Si)を主成分とする材料で形成した基板上に金属酸化物薄膜を形成した支持基板を使用するようにしてもよい。
この場合も、上記支持体を柱状あるいは壁状に形成するとよい。
また、上記薄膜基板を五酸化タンタル(Ta 2 O 5 )で形成するとよい。あるいは、上記薄膜基板をタンタルの酸化物(TaOx)に代えてシリコンの酸化物(SiOx)を主成分とする材料で形成してもよい。
上記支持基板上に金属膜を形成する工程では、該金属膜をモリブデン(Mo)を主成分とする材料で形成するとよい。
【0013】
さらに、この発明による薄膜基板の形成方法は、前述と同様な各工程によって、支持基板上に所定形状の支持体と犠牲層を形成し、その犠牲層を支持体の頭部が露出するように平坦化した後、その平坦化した犠牲層上に二酸化シリコンを斜め蒸着することによって多孔質膜を形成し、その多孔質膜を介して、前述と同様なプラズマ選択エッチングにより上記犠牲層を除去した後、上記多孔質膜上に絶縁材料によって薄膜基板を形成するようにしてもよい。
このようにすれば、多孔質膜を介してプラズマ選択エッチングを行うため、エッチング速度を上げ、上記犠牲層の除去に要する時間を短縮でき、且つ薄膜基板の支持を確実にすることができる。
そして、この発明は、上述した各薄膜基板の形成方法によって形成された薄膜基板も提供する。
【0014】
この発明による薄膜基板の形成方法は、薄膜基板の支持体となる支持基板上に、薄膜基板を支持するための支持体と、薄膜基板を支持基板から浮かせて形成するための犠牲層とを形成し、それを平坦化する。そして、上記最後に説明した方法を除いては、その犠牲層上に薄膜基板を形成し、その薄膜基板を介して所定の条件でプラズマ選択エッチングを行って、犠牲層だけを選択的に除去する。
このとき、犠牲層の選択エッチングは薄膜を通して進行するため特に開口部を設ける必要はないが、設けるとしても僅かでよい。したがって、形成する薄膜基板の面積には殆ど制限がなく、例えば数10mm角以上の大面積の薄膜基板を支持基板から支持体によって浮かせて形成することができる。
薄膜基板を通して進む犠牲層の選択エッチングの詳しいメカニズムについてはまだ不明な点が多いが、発明者等は次のように考えている。
犠牲層の構成材料にポジ型フォトレジストやアクリル系樹脂などの有機膜を用いた場合、酸素を含むガスでプラズマ選択エッチングが可能である。例えば、エッチングガスとして酸素でアクリル系樹脂からなる犠牲層をエッチングすることを考える。
【0015】
平行平板型電極構造を持ったエッチングチャンバで13.56MHzのRF電源を用いて酸素ガスを励起してエッチングすると、数100Paの圧力の場合等方的にエッチングが進行する。このときのエッチングの活性種としては酸素イオンや中性の原子状酸素や酸素ラジカルが考えられる。
犠牲層上にスパッタリングで形成した、五酸化タンタル(Ta2O5)等の絶縁材料からなる薄膜基板は、酸素プラズマでエッチングされることはないが、その薄厚が数100nm以下である場合、薄膜が充分薄いため酸素プラズマでエッチングを行うと、プラズマ中の活性種はその一部が薄膜基板を透過し、その透過した活性種の一部が犠牲層まで到達してその樹脂の最表面と反応を開始する。
その結果CO2ガスやH2Oガスなどの反応生成物が薄膜基板と樹脂との界面に発生する。界面では固体のアクリル系樹脂からガスに変化するため大幅な体積の膨張が起り、その圧力が駆動力となって、薄膜基板を通して反応生成物が薄膜基板外に放出される。
圧力が平衡状態となると、薄膜基板外から薄膜基板を通してプラズマ中の活性種が樹脂表面に供給されるため、その樹脂と活性種が反応を起し、エッチングが進行する。薄膜基板と樹脂との界面で生じたわずかな隙間がだんだん広がり、空隙が構成される。
【0016】
また、発明者等は薄膜基板を保持するために形成する支持体を、たとえばモリブデン(Mo)などの導電性材料で形成した場合には、エッチングは特に支持体の近傍から高速に進行することを見い出している。
この現象は、絶縁物を支持体に用いた場合には観察されないことから、プラズマ放電中に帯電した支持体が何らかの作用で支持体の近傍の活性種の濃度を向上する働きをし、支持体の近傍の薄膜基板を通した活性種の供給速度を速める結果生じるものと推定している。
その結果、支持体に導電性材料を用いた場合には、支持体に絶縁性材料を用いた場合と比較して、エッチング速度が大幅に向上する。したがって、特に大面積の薄膜基板を形成する場合に適している。
また、犠牲層のエッチングを薄膜基板を通して行うため、薄膜基板の厚さが薄い方がエッチング速度は速くなる。
エッチング速度はまた、導入ガスの圧力を高めた方が速くなる。例えば、絶縁性の支持体を用いた構造の場合、約70Pa以下では薄膜基板を通したエッチングは殆ど進行しないが、約100Pa以上数kPa程度までは、圧力にほぼ比例するようにエッチング速度が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いてこの発明を実施するための最良の形態における薄膜基板の形成方法およびその方法によって形成された薄膜基板について説明する。
〔第1の実施形態:図1から図18〕
この発明の第1の実施形態を図1から図18を用いて説明する。
まず、この発明による薄膜基板の形成方法の第1の実施形態によって形成された薄膜基板の構成を、図1から図3によって説明する。図1はその薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
この図1に示す薄膜基板5は、支持基板1上に配列された円柱状の支持体3上に配置されており、その薄膜基板5は支持基板1との間に空隙7を設け、支持基板1から離して(浮かせて)、多数の円柱状の支持体3によって保持されている。
図2はこの薄膜基板の一部分を示す平面図であり、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。
この例では、支持基板1上に多数の円柱状の支持体3を正方配列している。この円柱状の支持体3の大きさと間隔の代表的な値として、直径および間隔は1μm以下から数百μmで、高さは1μm以下から数十μmでよい。なお、この支持体3は、角柱状等の任意の断面形状の柱状であってもよい。
【0018】
次に、図4から図10を用いてこの発明の薄膜基板の形成方法の第1の実施形態を説明する。これは、上述した薄膜基板を形成する方法であり、支持体3を直径8μmで高さ2.5μmの円柱形状とし、18μmのピッチで正方配列する場合の具体例で詳しく説明する。図4〜図10は、その薄膜基板の形成方法の各工程を示す図3と同様な断面図である。
始めに、マグネトロンスパッタリング装置を用いてモリブデン(Mo)をターゲットにしたスパッタリング法により、図4に示すように、ガラス基板からなる支持基板1上に、モリブデンからなる支持体材料13を2.5μmの膜厚に形成する。
このときの条件は、次のようにする。
【0019】
次に、通常のフォトリソグラフィ処理により、図5に示すように、支持体材料13上にポジ型のレジスト9を支持体3の形状及び配列位置に合わせて形成する。
そして、このレジスト9をマスクとして、平行平板型の13.56MHz励起RFエッチング装置を用いて、六弗化硫黄(SF6)を主成分とするガスによるドライエッチングにより、支持体材料13のモリブデン(Mo)をエッチングして、図6に示すように、多数の円柱状の支持体3を、支持基板1上に配列形成する。
このときの条件は、次のようにする。
【0020】
次に、図7に示すように、円柱状の支持体3の頭部が完全に埋没するように、スピンコート法により犠牲層15となる樹脂材料を約3.5μmの厚さに塗布する。
この樹脂材料としては、アクリル系のネガ型レジストである新日鉄化学製のV−259PAを用いる。その塗布条件は、600rpmで15秒である。さらに大気中で温度220℃で90分焼成を行ない、約2.8μmの犠牲層15を形成する。
そして、図8に示すように、この犠牲層15を支持体3の頭部が丁度露出するまで、酸素を主成分とするガスでエッチバックして平坦化を行う。
このときの条件は、次のようにする。
【0021】
次いで、図9に示すように、平坦化した犠牲層15と支持体3の頭部を覆うように、五酸化タンタル(Ta2O5)からなる絶縁性の薄膜基板5を、Ta2O5をターゲットとする13.56MHzの反応性RFスパッタリングによって、約200nmの厚さに形成する。
このときの条件は、次のようにする。
【0022】
最後に、図10に示すように、酸素プラズマにより薄膜基板5を介してプラズマエッチングを行い、犠牲層15を選択的にエッチングして除去し、支持基板1との間に空隙7を設けて薄膜基板5を形成する。エッチング装置は平行平板型の13.56MHz励起RFエッチング装置を用いる。
このときの条件(プラズマ選択エッチング条件)の典型的な例を示す。
以上の工程により、この実施形態による薄膜基板5が完成する。
【0023】
この発明による薄膜基板の形成方法においては、特に支持体3に導電性材料を用いた場合の犠牲層15のプラズマ選択エッチングに特徴があるので、ここで図11から図18を用いて、プラズマ選択エッチングについてさらに詳しく説明する。
図11は、前述したこの発明の実施形態による薄膜基板の形成工程における、犠牲層15を除去する前の段階(図9に示した状態)における平面図であり、図12は図11のC−C線に沿う断面図である。
この段階では、支持基板1上に多数の支持体3が方形配列で形成され、その各支持体3間の隙間は完全に平坦化した犠牲層15で埋められている。さらに、その犠牲層15および支持体3上に薄膜基板5が形成されている。
このような状態で、薄膜基板5の表面側から、酸素を主成分とするガスによるプラズマ選択エッチング条件によってドライエッチングをおこなうと、図13の平面図に示すように、円柱状の支持体3の外周形状に相似な形に、支持体3の周囲から犠牲層15のエッチングが始まり、空隙7が形成される。
【0024】
このとき、図13のC−C線に沿う断面図である図14に示すように、エッチングは支持体3の周囲の薄膜基板5に近い側から進行して、空隙7を形成する。
さらに、エッチングを続けると、図15の平面図およびそのC−C線に沿う断面図である図16に示すように、空隙7がさらに拡大する。
さらに、エッチングを継続すると、図17に示すように、隣り合った支持体3近傍の空隙7同士が繋がってエッチングが進行する。
その後エッチングをさらに続けると、図18に示すように犠牲層15が完全に除去され、空隙7によって支持基板1から隔てられた薄膜基板5が形成される。
以上の説明によって明らかなように、この発明による薄膜基板の形成(製造)方法によれば、犠牲層15のプラズマ選択エッチングは、薄膜基板5を通した活性種と揮発性反応生成物の交換によって起こる。また特に、支持体3に導電性材料を用いたときには、支持体3の周辺から高速に選択エッチングが進行する。
その結果、この発明による薄膜基板の形成方法によって形成された薄膜基板には、特に開口部を必要としないため、大面積の支持基板から浮かせた構造の薄膜基板を容易に形成することができる。
【0025】
〔第2の実施形態:図19から図21〕
次に、この発明の第2の実施形態を図19から図21を用いて説明する。
図19は、この発明による薄膜基板の形成方法の第2の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。図20はその平面図、図21は図20のB−B線に沿う断面図である。これらの図において、図1〜図3と同じ部分には同一の符号を付してある。
前述した第1の実施形態では、薄膜基板を支持する支持体を円柱状に形成していた。しかし、この支持体の形状は円柱状でなくてもよい。そこで、この第2の実施形態では、この支持体を直方体の壁状に形成した例を説明する。
すなわち、この第2の実施形態では、図19〜図21に示すように、ガラス基板である支持基板1上に、モリブデン(Mo)等の導電材料による支持体4を直方体の壁状に形成して、一定間隔で配列する。その壁状の支持体4上に、薄膜基板5を支持基板10との間に空隙7を設けて形成する。
したがって、薄膜基板5は空隙7により、直方体の支持体4と接触する部分以外は、支持基板1から浮いた構造となる。
なお、この薄膜基板の形成方法の各工程は、支持体4を直方体の壁状にした他は、前述した第1の実施形態と同様であるから、その説明を省略する。
【0026】
〔第3の実施形態:図22から図24〕
次に、この発明の第3の実施形態を図22から図24を用いて説明する。これらの図において、図8から図10と同じ部分には同一の符号を付してある。
この第3の実施形態の薄膜基板の形成方法は、平坦化した犠牲層15上に直接薄膜基板5を形成せずに、まず多孔質膜17を形成し、その多孔質膜17を介してプラズマ選択エッチングによって犠牲層15を除去した後、その多孔質膜17上に所要の薄膜基板5を形成することを特徴とする。
この実施形態の場合も、第1の実施形態について図4から図8によって説明した各工程と同様にして、ガラス基板からなる支持基板1上に、モリブデン(Mo)等の導電性材料により円柱状の支持体3を配列形成し、その支持基板1上にアクリル系のネガ型レジスト等の樹脂材料からなる犠牲層15を形成して、その犠牲層15を支持体3の頭部が露出するように平坦化する。
次いで、図22に示すように、その平坦化した犠牲層15と支持体3の上面全体に、薄膜基板より薄い多孔質膜17を形成する。この多孔質膜17は、例えば二酸化シリコン(SiO2)を斜め蒸着することによって形成することができる。
【0027】
その後、この多孔質膜17を介して、第1の実施形態の場合と同様なプラズマ選択エッチングを行って、図23に示すように犠牲層15を除去する。この場合も、導電性材料からなる支持体3の周囲で多孔質膜17に近い部分から犠牲層15のエッチングが進行するが、非孔質の薄膜基板5を介してプラズマ選択エッチングを行う場合と比べて、多孔質膜17を通して活性種と揮発性反応生成物の交換が容易になるため、エッチング速度が速くなる。
そして、犠牲層15を完全に除去した後、図24に示すように、多孔質膜17上の全面に、絶縁性の薄膜基板5を五酸化タンタル(Ta2O5)等によるスパッタリングによって、約200nmの厚さに形成する。
この実施形態によれば、犠牲層15を除去する際のエッチング速度を速くすることができ、薄膜基板5の支持も多孔質膜17より確実にすることができる。
なお、支持体の形状は円柱状に限らず、前述の実施形態の場合と同様に、角柱その他の柱状、あるいは直方体の壁状など、任意の形状に変更することができる。
【0028】
〔第4の実施形態:図25から図39〕
次に、この発明の第4の実施形態について、図25から図39を用いて説明する。
図25は、この発明による薄膜基板の形成方法の第4の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図であり、図26は同じくその薄膜基板の一部分を示す平面図、図27は図26のD−D線に沿う断面図である。これらの図において、図1から図3と対応する部分には同一の符号を付している。
まず、この第4の実施形態による薄膜基板の形成(製造)方法によって形成された薄膜基板の支持構造を、図25から図27を用いて説明する。
この薄膜基板5は、図25に示すように、ガラス基板である支持基板1上に配列形成された多数の支持体3によって、支持基板1との間に所定の空隙を設けて浮かせて保持されており、四辺において支持基板1との間に開口部11を形成している。
図26および図27はその開口部11を含む一部を拡大して示しており、支持体3は円柱状で、支持基板1上に正方配列されている。支持体3の大きさと間隔の代表的な値としては、円柱の直径および間隔は1μm以下から数百μmで、高さは1μm以下から数十μmでよい。
【0029】
次に、この第4の実施形態の薄膜基板の形成方法について説明するが、支持基板1上に多数の円柱状の支持体3を配列形成し、その支持基板1上に樹脂材料による犠牲層15を形成した後、それを支持体3の頭部が露出するように平坦化し、その犠牲層15および支持体3の上面全体に薄膜基板5を形成するまでの各工程は、第1の実施形態について、図4から図9によって説明した各工程と同じであるから、説明を省略する。
但し、第1の実施形態においては、直径が8μmで高さが2.5μmの円柱状の支持体3をピッチ18μmの正方配列で形成したが、この第4の実施形態では、円柱状の支持体3の高さを1.5μmにした点だけが相違する。
図9に示した状態から、通常のフォトリソグラフィ処理により、図28に示すように、薄膜基板5上にポジ型のレジスト19を薄膜基板5の所定の仕上げ形状に合わせて形成する。
そして、このレジスト19をエッチングマスクとして使用し、平行平板型13.56MHz励起RFエッチング装置を用いて、六弗化硫黄(SF6)を主成分とするガスによるドライエッチングにより、五酸化タンタンル(Ta2O5)からなる薄膜基板5をエッチングして、図29に示すように薄膜基板5を所定形状に整形する。
【0030】
さらに、このレジスト19をエッチングマスクとするエッチングを連続して行い、整形された薄膜基板5の外側部分の支持体と犠牲層15もエッチング除去する。
このときのエッチング条件は、次のとおりである。
引き続き、レジスト19の剥離をドライアッシングで行う。
このときの条件は、次のとおりである。
【0031】
次に、酸素プラズマにより薄膜基板5を通して犠牲層15のプラズマ選択エッチングを行い、図30に示すように、支持基板1との間に空隙7を設けて支持体3に保持された薄膜基板5を形成する。
このときのプラズマ選択エッチングは、始めは薄膜基板5を介して進行するが、空隙7が犠牲層15の上部に形成されて隣り合った空隙7同士が連通し、さらに開口部11とも繋がる。すると、選択エッチングで生じた犠牲層15と活性種との反応生成物が開口部11を通しても効率的に排出されるようになる。このときのエッチング装置は、平行平板型13.56MHz励起RFエッチング装置を用いる。
このときの条件(プラズマ選択エッチング条件)の典型的な例は、次のとおりである。
以上の形成方法により、図25に示した薄膜基板5が完成する。
【0032】
この実施形態においても、支持体3に導電性材料を用いた場合の犠牲層15のプラズマ選択エッチングと、開口部11の作用に特徴があるので、図31から図38を用いて、プラズマ選択エッチングについてさらに詳しく説明する。
図31は、上述したこの実施形態による薄膜基板の形成方法において、犠牲層15を除去する前の状態を示す薄膜基板5の開口部11の近傍の平面図であり、図32は図31のF−F線に沿う断面図である。
支持基板1上に円柱状の支持体3が形成され、その各支持体3の隙間は完全に平坦化した犠牲層15で埋められている。さらに、その犠牲層15および支持体3上に薄膜基板5が形成されている。そして、薄膜基板5の一部をエッチングすることによって開口部11が形成されている。
この状態から、前述したように酸素を主成分とするガスによるプラズマ選択エッチング条件により、薄膜基板5を介して犠牲層15のドライエッチングを行うと、図33の平面図に示すように、支持体3の外周形状に相似な形に支持体3の周囲から犠牲層15のエッチングが始まり、空隙7が形成される。
【0033】
開口部11の近傍では、さらに開口部11を通した横方向エッチングも同時に進行する。このとき、図34の断面図に示すように、エッチングは導電性の支持体3の周囲の薄膜基板5に近い側から進行して、空隙7を形成する。また、開口部11からは活性種が流入するため、横方向にもエッチングが進み、空隙7を形成する。
この段階のエッチングでは、空隙7のうち開口部11の近傍以外の場所では、犠牲層15のエッチングは、前述したように薄膜基板5を介してだけ進行する。
したがって、開口部11の近傍以外の空隙7の内部では、活性種と犠牲層15の樹脂材料の反応によってガスが生じて、各々の空隙7内に閉じ込められた状態となっている。この樹脂材料から気体への体積増加のため、薄膜基板5の外部と比較し高圧力となっている。この圧力が駆動力となり、反応生成ガスは薄膜基板5を通して外部に放出され、エッチングが進行する。
さらにエッチングを続けると、図35の平面図および図36の断面図に示すように、空隙7がさらに拡大する。選択エッチングは支持体3の周囲で高速に進行するが、支持体3同士の距離が充分接近していれば、薄膜基板5全体のエッチング速度も高速にできる。
【0034】
この結果、隣り合った支持体3の周囲に形成された空隙7同士が連通する。一度空隙7同士が連通すると、空隙7で発生していて高圧力となった反応生成ガスは、薄膜基板5を介して外部に拡散するだけでなく、開口部11側にガスの圧力を駆動力として一気に流れ始める。開口部11は反応生成ガスに対する煙突のような一種の排出口として働く。
さらにエッチングを継続すると、図37に示すように、開口部11に近い側の支持体3の近傍の空隙7に残る犠牲層15の残渣が、開口部11から遠い側の犠牲層15の残渣より先に消滅するように、エッチングが進行する。
そして、エッチングをさらに続けると、図38に示すように、犠牲層15は完全に除去され、空隙7で支持基板1から隔てられた薄膜基板5が形成される。
ここで、この薄膜基板の形成方法において、支持体3に導電性材料を用いたときの、薄膜基板5を介しての犠牲層15の選択エッチングの増速エッチング効果について、発明者らの行った実験をもとに説明する。
【0035】
図39は、比較のため開口部を介してのみ犠牲層のエッチングが進行するように作製した薄膜基板の模式図である。支持基板1上に全面犠牲層25を1.5μmの厚さに形成し、その上に薄膜基板5をスパッタリングで形成した。
支持基板1はガラス基板とし、全面犠牲層25にはアクリル系のネガ型レジストである新日鉄化学製のV−259PAを用いた。そのネガ型レジストによって全面犠牲層25を厚めに形成した後、エッチバックしその膜厚を1.5μmとするまでの工程は、柱を形成しないこと以外は前述した第4の実施形態で述べたこの発明による薄膜基板の形成方法と同様である。
薄膜基板5には、膜厚約800nmのTa2O5を用いる。膜厚を約800nmとすることで、薄膜基板5を介して進行するエッチングレートを押さえた。さらに、開口部11を設けた。
全面犠牲層25は、薄膜基板5と相似の形状となるように、薄膜基板5に引き続いてエッチングをおこなった。
このときにエッチング時間を制御して、薄膜基板5の開口部11のエッジから全面犠牲層25のエッチングフロント25aまでのエッチング距離dが1μm以下となるようにした。
【0036】
次に、このように準備した比較用薄膜基板と第4の実施形態で述べたこの発明の薄膜基板の形成方法によって形成した、円柱状のモリブデン(Mo)を支持体3として、その直径を8μmとして高さを1.5μmとし、ピッチ18μmの正方配列した、一辺が3mmの正方形(3mm角)で厚さ200nmの五酸化タンタル(Ta2O5)からなる薄膜基板を、同時に同一チャンバで酸素プラズマによってドライエッチングを行った。
このときの条件(プラズマ選択エッチング条件)は、次のとおりである。
【0037】
エッチング時間を30分とした結果、比較用薄膜基板では、図39に示す開口部11のエッジからエッチングフロント25aまでのエッチング距離dは約30μmであった。一方、この発明の薄膜基板の形成方法によって作製した3mm角の薄膜基板では、犠牲層15を完全に除去することができた。
したがって、この発明の薄膜基板の形成方法における選択エッチングのメカニズムとして、横方向エッチングは支配的でないことが判る。
以上の説明で明らかなように、この発明の薄膜基板の形成方法によれば、犠牲層15の選択エッチングは、主として薄膜基板5を通しての活性種と揮発性反応生成物の交換によって起こる。
また特に、支持体3に導電性材料を用いたときは、支持体3の周辺から高速に選択エッチングは進行する。さらに、開口部11が反応生成ガスの排出速度を高めるガスの排出口の働きを行い、高速に選択エッチングが進行する。
この結果、この発明による薄膜基板の形成方法によって形成された薄膜基板には、特に多数の開口部を必要としない。そのため、支持基板から浮かせた構造の大面積の薄膜基板を形成することができる。
【0038】
〔第5の実施形態:図40〕
次に、この発明による薄膜基板の形成方法の第5の実施形態によって形成された薄膜基板について、図40によって説明する。この図40において、図25と対応する部分には同一の符号を付している。
この図40に示す薄膜基板5は、支持基板1上に円柱状の支持体3を形成し、空隙7を設けて、支持体3で保持するように薄膜基板5を配置している。
さらに、薄膜基板5上に所定の形状と大きさの開口部21を形成している。この例では、開口部21の形状が正方形の場合を示したが、これは矩形や円形あるいは帯状など他の形状でもよい。
【0039】
この実施形態による薄膜基板の形成方法は、前述したこの発明の第4の実施形態による薄膜基板の形成方法と、開口部の形状が異なる以外は同様である。また、開口部21の作用も、前述の実施形態における開口部11と同様に、犠牲層の選択エッチング工程における反応生成ガスの排出口としての働きが主である。
したがって、開口部21を通した横方向エッチングに頼らずに、選択エッチングは薄膜基板5を介して進行するため、開口部21の面積や数は少なくてよい。
例えば、支持体3の直径を8μmとして、ピッチを18μmとした正方配列の支持体3のアレイによて支持する薄膜基板を作製した場合、開口部21を正方形としたとき、一辺は1μm以下から数μmで、薄膜基板の100μm×100μmあたり1個程度設けるだけでも、エッチング速度の向上に充分効果がある。
【0040】
〔第6の実施形態:図41から図43〕
これまでの説明では、上述した第4の実施形態および第5の実施形態では、薄膜基板を支持する支持体を円柱形状とした。しかし、この発明による薄膜基板の形成方法では、支持体の形状は円柱状でなくともよい。
薄膜基板を支持する支持体を直方体の壁状とした、この発明の第6の実施形態について、図41から図43によって説明する。
図41は、その第6の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す斜視図であり、図25と対応する部分には同一の符号を付している。
この薄膜基板5は、支持基板1上に直方体の壁状の支持体4が一定間隔で配列形成され、その支持体上に薄膜基板5が形成されている。そして、この薄膜基板5の四辺と支持基板1との間に開口部11が形成されている。
図42は図41に示した薄膜基板の開口部11の近傍の一部を拡大して示す平面図、図43は図42におけるE−E線に沿う断面図である。
薄膜基板5は、空隙7により支持体4と接触する部分以外は支持基板1から離れて浮いている。この場合の薄膜基板5の形成方法も、支持体4を直方体の壁状にした点以外は前述した第4の実施形態の場合と同様であるから、その説明を省略する。
【0041】
〔その他の変更例〕
この発明による薄膜基板の形成(製造)方法において、支持基板としては前述したガラス基板の他に、石英基板やシリコンウェハーを用いることもできる。すなわち、支持基板としては、シリコン(Si)を主成分とする材料、あるいは二酸化珪素(SiO2)を主成分とする材料で形成された支持基板を使用するとよい。
また、支持基板として金属製の支持体との密着性を向上するために、前述したガラス基板や石英基板またはシリコンウェハー等のシリコン(Si)あるいはシリカ(SiO2)を主成分とする材料で形成した基板上に、五酸化タンタル(Ta2O5)等の金属酸化物薄膜を形成したものを用いることもできる。
この発明による薄膜基板の形成方法において、犠牲層を形成する材料としてフォトレジスト材料を用いることもできる。例えば、ポジ型レジスト材料のTFR−H(東京応化工業株式会社製)を使用することができる。それによって、犠牲層の不要な部分を除去することもフォトリソグラフィ処理によって容易にできる。
【0042】
また、薄膜基板を支持する支持体を導電性材料で形成する場合、その材料としてモリブデン(Mo)以外にも、アルミニウム(Al),タングステン(W),タンタル(Ta),チタン(Ti)などの金属材料や、TaNX等の窒素を微量ドープした金属材料、またはITOやSnO2あるいはZnOといった半導体導電性材料なども用いることができる。
薄膜基板の材料としては、五酸化タンタル(Ta2O5)等のタンタルの酸化物の他に、酸化シリコン(SiO),シリカ(SiO2)等のシリコンの酸化物、二酸化チタン(TiO2)やSi3N4などのいずれかを主成分とする絶縁性材料を用いることができる。
犠牲層を除去する際のプラズマ選択エッチングガスとして、酸素(O2)の他に、六弗化硫黄(SF6)を微量添加したO2や、CF4を微量添加したO2あるいはN2Oなども用いることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、この発明の薄膜基板の形成方法によれば、単純な工程で支持基板から浮かせた大面積の薄膜基板を形成することができ、その薄膜基板は種々の用途に使用可能になる。
例えば、高周波用のLSIや、薄膜基板として薄膜状のシリコン単結晶を形成し、それを使用したTFTなどの半導体素子、高感度温度センサやヒートシンク、MEMSなど多方面への適用が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明による薄膜基板の形成方法の第1の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
【図2】 同じくその薄膜基板の一部分を示す平面図である。
【図3】 図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】 この発明による薄膜基板の形成方法の第1の実施形態を説明するための一工程を示す図3と同様な断面図である。
【図5】 その次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図6】 そのさらに次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図7】 そのさらに次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図8】 そのさらに次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図9】 そのさらに次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図10】 そのさらに次の工程を示す図3と同様な断面図である。
【図11】 図9に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための平面図である。
【図12】 図11のC−C線に沿う断面図である。
【図13】 図9に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図11と同様な平面図である。
【図14】 図13のC−C線に沿う断面図である。
【図15】 図9に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図11と同様な平面図である。
【図16】 図15のC−C線に沿う断面図である。
【図17】 図9に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図16と対応する断面図である。
【図18】 図9に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図16と対応する断面図である。
【図19】 この発明による薄膜基板の形成方法の第2の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
【図20】 同じくその薄膜基板の一部分を示す平面図である。
【図21】 図20のB−B線に沿う断面図である。
【図22】 この発明による薄膜基板の形成方法の第3の実施形態における第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図23】 同じく第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図24】 同じく第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図25】 この発明による薄膜基板の形成方法の第4の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
【図26】 同じくその薄膜基板の一部分を示す平面図である。
【図27】 図26のD−D線に沿う断面図である。
【図28】 この発明による薄膜基板の形成方法の第4の実施形態における第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図29】 同じく第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図30】 同じく第1の実施形態と異なる工程を示す図3と同様な断面図である。
【図31】 図29に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための平面図である。
【図32】 図31のF−F線に沿う断面図である。
【図33】 図29に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図31と同様な平面図である。
【図34】 図33のF−F線に沿う断面図である。
【図35】 図29に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図31と同様な平面図である。
【図36】 図35のF−F線に沿う断面図である。
【図37】 図29に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図36と対応する断面図である。
【図38】 図29に示した状態からの犠牲層に対するプラズマ選択エッチングの詳細を説明するための図36と対応する断面図である。
【図39】 この第4の実施形態における開口部からの横方向エッチング量を求めるための比較用薄膜基板の支持構造を示す模式的な斜視図である。
【図40】 この発明による薄膜基板の形成方法の第5の実施形態によって形成された矩形状の開口部を持つ薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
【図41】 この発明による薄膜基板の形成方法の第6の実施形態によって形成された薄膜基板を支持部材と共に示す概略斜視図である。
【図42】 同じくその薄膜基板の一部分を示す平面図である。
【図43】 図42のE−E線に沿う断面図である。
【図44】 空間光変調器の可動ミラーを形成するのに用いられる従来の構造体の製造方法の一工程を示す平面図である。
【図45】 その次の工程を示す図44と対応する平面図である。
【図46】 そのさらに次の工程を示す図44と対応する平面図である。
【図47】 そのさらに次の工程を示す図44と対応する平面図である。
【図48】 図44のG−G線に沿う断面図である。
【図49】 図45における図44のG−G線に沿う断面に相当する断面図である。
【図50】 図46における図44のG−G線に沿う断面に相当する断面図である。
【図51】 図47における図44のG−G線に沿う断面に相当する断面図である。
【符号の説明】
1:支持基板 3,4:支持体
5:薄膜基板 7:空隙
9,19:レジスト 11,21:開口部
13:支持体材料 15:犠牲層
25:全面犠牲層 25a:エッチングフロント
Claims (23)
- 支持基板上に配列した支持体上に前記支持基板から離して形成する薄膜基板の形成方法であって、
支持基板上に導電性材料によって所定形状の支持体を形成する工程と、
前記支持板上に樹脂材料からなる犠牲層を形成する工程と、
前記支持体の頭部が露出するように前記犠牲層を平坦化する工程と、
その平坦化した犠牲層上に、タンタルの酸化物(TaOx)を主成分とする絶縁材料からなる薄膜基板をスパッタリングにより形成する工程と、
その薄膜基板を介して、全圧が100Paから1500Paの圧力で、酸素又は酸素原子を含んだ反応ガスを用いたプラズマ選択エッチングにより前記犠牲層を除去する工程と
を有することを特徴とする薄膜基板の形成方法。 - 前記薄膜基板を、タンタルの酸化物(TaOx)に代えてシリコンの酸化物(SiOx)を主成分とする絶縁材料で形成する請求項1に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記薄膜基板を五酸化タンタル(Ta2O5)で形成する請求項1に記載の薄膜基板の形成方法。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法において、
前記薄膜基板を形成する工程と前記犠牲層を除去する工程との間に、
前記犠牲層上に形成した薄膜基板に、前記プラズマ選択エッチングの結果生じる揮発性ガスの排出口となる開口部を形成する工程を有することを特徴とする薄膜基板の形成方法。 - 前記支持体を柱状に形成する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持体を壁状に形成する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持体をモリブデンを主成分とする電導電性材料で形成する請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法において、
前記支持基板上に所定形状の支持体を形成する工程が、前記支持基板上に金属膜を形成し、その金属膜をフォトリソグラフィとエッチングにより所定形状の支持体に形成する工程である薄膜基板の形成方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法において、
前記犠牲層を形成する工程で、該犠牲層をアクリル系樹脂を主成分とする材料で形成する薄膜基板の形成方法。 - 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法において、
前記犠牲層を形成する工程で、該犠牲層をフォトレジスト材料で形成する薄膜基板の形成方法。 - 支持基板上に配列した支持体上に前記支持基板から離して形成する薄膜基板の形成方法であって、
支持基板上にスパッタリング法により金属膜を形成する工程と、
その金属膜をフォトリソグラフィとエッチングにより所定形状の支持体に形成する工程と、
前記支持基板上にスピンコート法によりアクリル系樹脂を主成分とする樹脂材料を塗布して犠牲層を形成する工程と、
前記支持体の頭部が露出するように前記犠牲層をプラズマ処理によりエッチバックして平坦化する工程と、
その平坦化した犠牲層上に、タンタルの酸化物(TaOx)を主成分とする絶縁性材料からなる薄膜基板をスパッタリングにより形成する工程と、
その薄膜基板を介して、全圧が100Paから1500Paの圧力で、酸素または酸素原子を含んだ反応性ガスを用いたプラズマ選択エッチングにより前記犠牲層を除去する工程と
を有することを特徴とする薄膜基板の形成方法。 - 前記薄膜基板を、タンタルの酸化物(TaOx)に代えてシリコンの酸化物(SiOx)を主成分とする絶縁材料で形成する請求項11に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記薄膜基板を五酸化タンタル(Ta 2 O 5 )で形成する請求項11に記載の薄膜基板の形成方法。
- 請求項11乃至13のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法において、
前記薄膜基板を形成する工程と前記犠牲層を除去する工程との間に、
前記犠牲層上に形成した薄膜基板に、前記プラズマ選択エッチングの結果生じる揮発性ガスの排出口となる開口部を形成する工程を有する薄膜基板の形成方法。 - 前記支持基板として、シリカ(SiO2)を主成分とする材料で形成された支持基板を使用する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持基板として、シリコン(Si)を主成分とする材料で形成された支持基板を使用する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持基板として、シリカ(SiO2)を主成分とする材料で形成した基板上に金属酸化物薄膜を形成した支持基板を使用する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持基板として、シリコン(Si)を主成分とする材料で形成した基板上に金属酸化物薄膜を形成した支持基板を使用する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持体を柱状に形成する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持体を壁状に形成する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 前記支持基板上に金属膜を形成する工程で、該金属膜をモリブデン(Mo)を主成分とする材料で形成する請求項11乃至14のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法。
- 支持基板上に配列した支持体上に前記支持基板から離して形成する薄膜基板の形成方法であって、
支持基板上に導電性材料によって所定形状の支持体を形成する工程と、
前記支持板上に樹脂材料からなる犠牲層を形成する工程と、
前記支持体の頭部が露出するように前記犠牲層を平坦化する工程と、
その平坦化した犠牲層上に、二酸化シリコンを斜め蒸着することによって多孔質膜を形成する工程と、
その多孔質膜を介して、全圧が100Paから1500Paの圧力で、酸素又は酸素原子を含んだ反応ガスを用いたプラズマ選択エッチングにより前記犠牲層を除去する工程と、
該工程後に、前記多孔質膜上に絶縁性材料によって薄膜基板を形成する工程と
を有することを特徴とする薄膜基板の形成方法。 - 請求項1乃至22のいずれか一項に記載の薄膜基板の形成方法によって形成された薄膜基板。
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