JP4786594B2 - 潤滑油用エステルの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反応後に未反応のカルボン酸を除去する脱酸工程を含む潤滑油用エステルの製造方法に関し、特に冷凍機油用の潤滑油として好適に使用される潤滑油用エステルの製造方法に関する。
従来、潤滑油用基油には入手が容易な鉱物油が用いられていた。しかし、近年、使用条件の過酷化や省エネルギー対応機器の増加、さらには環境中に拡散された場合の影響低減などの潤滑油への要求性能の高度化に対し、鉱物油は潤滑性、耐熱性、酸化安定性、低温流動性、生分解性などの性能が不十分となってきた。
そのため鉱物油の代替品として、潤滑性、耐熱性、酸化安定性、低温流動性、生分解性に優れたPOE系(ポリオールエステル)と呼ばれる、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のヒンダードアルコールのエステルが潤滑油用基油に用いられるようになった。
なかでも、冷凍機油用潤滑油は、冷凍機の冷媒が塩素を含まない水素含有フロン冷媒に移行していることに伴い、このような冷媒に対応できるものが要望されている。例えば、特許文献1には、炭素数15以下で3価以上の多価アルコールと、炭素数2〜18の1価脂肪酸等とを原料として得たエステルを主成分とする水素含有フロン冷媒用潤滑油が開示されている。
一方、通常、工業用グレードの多価アルコールとカルボン酸とを反応させて得られたヒンダードアルコールエステルは着色しており、また反応に用いた酸が残存しているため、脱色、脱酸処理が施される。
例えば、特許文献2には、着色度の低い冷凍機油用基油を得るために、原料としてモノペンタエリスリトール含有量の高いペンタエリスリトールを用いる製造方法が提案されている。その際、ペンタエリスリトールとカルボン酸とを反応させて得られたエステルを含む反応生成物から、減圧により脱酸した後、脱色のための吸着剤と脱酸のための吸着剤を一括添加して、脱色、脱酸を行っている。
また、特許文献3には、吸着剤の使用量を低減しても十分な脱酸、脱色が達成される簡易な潤滑油用エステルの製造方法として、脂肪族多価アルコールと飽和脂肪族モノカルボン酸とを反応させて得られた反応生成物から、未反応の酸を除去する第一の脱酸工程と、脱酸された反応生成物を脱色する工程と、脱色された反応生成物から再び酸を除去する第二の脱酸工程とを有する潤滑油用エステルの製造方法が提案されている。また、第二の脱酸工程に関して、酸吸着剤と共にろ過助剤が添加され、ろ過操作により未反応の酸をろ過分離するプロセスが開示されている。
特開平3−127992号公報 特開2001−107067号公報 特開2005−170998号公報
しかしながら、以上の従来技術のように、酸吸着剤を用いて未反応の酸を吸着後にろ過分離する処理のみでは、特に、原料である飽和脂肪族モノカルボン酸の炭素数が大きくなると、得られたエステルを長期保管した後に、酸価が上昇し、エステルが劣化することが判明した(このような酸価上昇のメカニズムは、現在まで知られていなかった。)。
そこで、本発明の目的は、得られたエステルを長期保管した場合でも、酸価の上昇が少なく、エステルの劣化も生じにくい潤滑油用エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、特に、飽和脂肪族モノカルボン酸の炭素数が大きくなると、ろ過分離時の温度も高くする必要があり、またエステルとの親和性も高くなる可能性があるため、生成した塩のろ液中への溶解性が大きくなり、得られたエステルを長期保管した後に、残存する塩から酸が遊離して酸価が上昇すると考えた。このため、分離工程のろ液中に含まれる未反応のカルボン酸塩を吸着除去等する方法を試みたところ、長期保管した場合でも、酸価の上昇が少ない製品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の潤滑油用エステルの製造方法は、多価アルコールとカルボン酸とを反応させるエステル化工程と、未反応のカルボン酸を除去する脱酸工程とを含む潤滑油用エステルの製造方法であって、当該脱酸工程が、少なくとも未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する分離工程と、その分離工程を経たエステル中に残存するカルボン酸塩を除去する塩除去工程とを含むものである。
本発明の製造方法によると、分離工程において未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離・除去することができ、更に、この工程を経たエステル中に残存するカルボン酸塩を除去する塩除去工程を含むため、得られたエステルを長期保管した場合でも、酸の遊離による酸価の上昇が少なくなり、エステルの劣化も生じにくくなると考えられる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明の潤滑油用エステルの製造方法は、多価アルコール〔以下、(A)成分という〕とカルボン酸〔以下、(B)成分という〕とを反応させるエステル化工程と、未反応のカルボン酸を除去する脱酸工程とを含むものである。
エステル化工程は、好ましくは(A)成分として、脂肪族多価アルコールを用い、好ましくは(B)成分として、飽和脂肪族モノカルボン酸を用い、両者を反応させてエステルを含む反応生成物を得る工程であり、従来の方法に準じて行うことができる。
脂肪族多価アルコールとしては、具体的には、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−イソプロピル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ジ(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)エーテル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールエタン、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール等のヒンダード多価アルコール、あるいは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン等の多価アルコールが挙げられる。
これらの脂肪族多価アルコールの炭素原子数は、生成エステルの粘度の観点から2〜15が好ましく、2〜10がさらに好ましい。また、分子中のヒドロキシ基によっても生成エステルの粘度を調整でき、この観点から分子中にヒドロキシ基を2〜8個含むことが好ましい。
さらに、耐熱性の観点からはヒンダード多価アルコールが優れており、とくに、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが好ましい。
その他の(A)成分としては、脂環族多価アルコール、芳香族多価アルコール等を使用することが可能である。以上の(A)成分は、2種以上を併用することもできる。
また、好ましい(B)成分である飽和脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数5〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸が使用可能であるが、特に、冷凍機油用途では、冷媒と混合した場合の粘度を適度に保つ等、高い潤滑性を確保する観点から、炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましい。このような高級脂肪酸を用いる場合、前述したように、従来の方法では分離対象物のエステル中への溶解性が大きくなり、得られたエステルを長期保管した後に酸価が上昇する傾向があるため、本発明の製造方法が特に有効となる。
炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸の具体例としては、カプリン酸、イソデカン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、ヤシ油脂肪酸、パーム油脂肪酸、牛脂脂肪酸等を1種以上用いることができ、取扱上、常温(25℃)液体の脂肪酸(イソデカン酸、イソステアリン酸、ヤシ油脂肪酸)が好ましい。
炭素数のより小さい飽和脂肪族モノカルボン酸としては、酪酸、バレリン酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸等の直鎖飽和脂肪族モノカルボン酸や、イソ酪酸、イソバレリン酸、ピバリン酸、2−エチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、3−エチルヘキサン酸、2−メチルヘプタン酸、シクロヘキシル酢酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、2−メチルオクタン酸等の分岐鎖飽和脂肪族モノカルボン酸が挙げられる。
また、(B)成分として、不飽和脂肪族モノカルボン酸を使用することも可能であり、特に、冷凍機油用途では、冷媒と混合した場合の粘度を適度に保つ等、高い潤滑性を確保する観点から、炭素数10〜24の不飽和脂肪族モノカルボン酸が好ましい。このような不飽和脂肪族モノカルボン酸としては、カプロレイン酸、ウンデセン酸、ラウロレイン酸、トリデセン酸、ミリストレイン酸、ペンタデセン酸、パルミトレイン酸、ヘプタデセン酸、オレイン酸、バセニン酸、ゴンドイン酸等が好ましい。
その他の(B)成分としては、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を使用することが可能である。以上の(B)成分は2種以上を併用することもできる。
エステル化工程では、(A)成分と(B)成分の反応は、エステル化の反応速度を上げる観点から、(B)成分が過剰となる条件で行うことが好ましく、具体的には、(A)と(B)とを(B)/(A)=1.05〜1.5の当量比で反応させることが好ましく、更に1.1〜1.3の当量比で反応させることがより好ましい。
なお、この当量比は、(A)成分〔複数の場合、全(A)成分〕の水酸基1個あたりの(B)成分〔複数の場合、全(B)成分〕のカルボキシル基の個数である。
このように(B)成分を過剰に用いることで、後述するように、脱酸工程により除去された(B)成分を、エステル化工程における(B)成分として循環使用する際に有利となる。
エステル化工程での(A)成分と(B)成分の反応の一例を挙げれば、(A)成分と(B)成分の当量比が上記範囲である場合に、反応温度200〜260℃、反応時間5〜12時間、反応圧力13〜101kPaである。
例えば、(A)成分がペンタエリスリトールの場合、窒素気流下、常圧で230〜260℃で5〜12時間反応させ、水酸基価が5mgKOH/g以下となるまで反応を行うことが挙げられる。本発明における水酸基価はJIS K0070 7.2に基づいて測定される値である。
エステル化工程におけるエステル化反応の完了は、反応生成物中の水酸基価を目安とすることができ、好ましくは反応生成物の水酸基価が5mgKOH/g以下、より好ましくは反応生成物の水酸基価が4mgKOH/g以下となるまで反応を行うことである。
脱酸工程では、エステル化工程により得られた反応生成物から、未反応の(B)成分を除去する。脱酸工程で行う処理としては、少なくとも未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する分離処理と、その分離工程を経たエステル中に残存するカルボン酸塩を除去する塩除去処理とを含み、必要に応じて減圧留去による減圧処理、水蒸気吹き込みによる共沸除去処理、加熱による蒸発処理、吸着剤による吸着除去処理、塩形成等による沈殿除去処理などが挙げられる。これらの脱酸処理は、いずれの順序で行うことも可能であり、複数の脱酸処理を併用することも可能である。
また、本発明では、脱酸工程に加えて、脱色剤を用いた脱色処理などを必要に応じて追加することができる。
本発明では、好ましくは、最初に、反応生成物を減圧処理して(B)成分を反応生成物から除去する減圧処理を行う。減圧処理は、反応生成物を減圧雰囲気にさらすことにより行うことができる。除去した(B)成分は、回収してエステル化工程の反応原料、即ち(B)成分として再利用することができる。
減圧処理における反応生成物からの未反応の(B)成分の除去は、反応生成物中の酸価を目安に行うことができるが、(B)成分の炭素数が大きくなるほど、減圧処理による除去が困難となる。従って、(B)成分として、炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸を用いる場合、減圧処理における酸価を目安としては、減圧処理に要する時間および後の処理との関係を考慮して、好ましくは反応生成物の酸価が0.5〜2mgKOH/g、より好ましくは0.7〜1.5mgKOH/gとなるまで減圧処理を行う。この際、脱酸効率を向上させる目的で減圧処理時に水蒸気吹き込みによる共沸除去処理を併用してもよい。
なお、炭素数10未満の飽和脂肪族モノカルボン酸を用いる場合、反応生成物の酸価として0.5mgKOH/g以下の値を減圧処理の目安とするのが好ましい。本発明における酸価はJIS K0070 3.1に基づいて測定される値である。
減圧処理における圧力は、処理速度と減圧操作のし易さの観点から、0.05〜3kPaが好ましく、0.1〜1kPaがより好ましい。
本発明の製造方法は、未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する分離工程を含むものである。この分離工程は、減圧処理してない反応生成物に対して行うことも可能であるが、減圧処理した反応生成物に対して分離工程を行うのが、分離工程の除去効率を高める観点から、好ましい。また、この分離工程は、減圧処理を行いながら実施することが、両者の併用処理により除去効率を高める観点から、より好ましい。
分離工程では、未反応のカルボン酸の捕捉可能な無機系酸捕捉剤を反応生成物と接触させることで、未反応のカルボン酸を分離することができる。反応生成物との接触は、無機系酸捕捉剤の充填層に反応生成物を通過させる方法などでも可能であるが、好ましくは、無機系酸捕捉剤を反応生成物に添加・混合した後、ろ過操作、遠心分離、沈降分離などで固液分離を行う。
本発明では、動力エネルギー、処理速度の観点から、ろ過操作により固液分離を行うのがより好ましい。ろ過操作時には、分離効率を高めるために、ろ過助剤を用いることも可能である。また、ろ過操作の温度は、(B)成分として、炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸を用いる場合、処理速度、無機系酸捕捉剤の分解抑止などの観点から、60〜100℃が好ましく、75〜85℃がより好ましい。
無機系酸捕捉剤は、一般に金属成分を含有しており、未反応のカルボン酸を金属塩(錯体を含む)として捕捉したり、インターカレートなどによってアニオンとして捕捉したり、イオン交換によって捕捉するなど、種々の機構でカルボン酸を捕捉(吸着を含む)することができる。何れの場合においても、カルボン酸の金属塩が生成する場合があり、塩形成されたものは、微量であるがエステル中に溶解し、これを除去する必要がある。
このような無機系酸捕捉剤としては、ハイドロタルサイト類、活性アルミナ、活性白土、水酸化アルミニウム、アニオン交換能を有する合成ゼオライト、金属酸化物系イオン吸着体等が挙げられる。なかでも、脂肪酸に対する捕捉能力、捕捉容量、ろ過による除去性の観点から、ハイドロタルサイト類が好ましい。
ハイドロタルサイト類としては、一般式:
〔(M2+1−x(M3+(OH)x+〔(An−x/n・mHO〕x−
〔M2+は2価金属、M3+は3価金属、An−はn価(nは1以上の整数)のアニオンを表し、xは、0<x≦0.33の範囲にあり、mは正の数である。〕に示すものが挙げられる。
この一般式において、M2+の例としてはMg2+、Mn2+、Fe2+、Co2+、Ni2+、Cu2+、Zn2+等、M3+の例としては、Al3+、Fe3+、Cr3+、Co3+、In3+等が挙げられる。またAn−の例としては、OH、F、Cl、Br、NO 、CO 、SO 、Fe(CN) 3−、CHCOO、シュウ酸イオン、サリチル酸イオン等が挙げられ、特に好ましい例としてはCO 、OHが挙げられる。
ハイドロタルサイト類の具体例としては、Mg0.75Al0.25(OH)(CO0.125・0.5HOで示される天然ハイドロタルサイト、Mg4.5Al(OH)13CO・3.5HO、Mg4.3Al(OH)12.6CO等で示される合成ハイドロタルサイトが挙げられる。
また、金属酸化物系イオン吸着体としては、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の酸化物より選ばれる少なくとも1種と、3価および4価元素の酸化物より選ばれる少なくとも1種よりなる少なくとも2種の酸化物を主成分とするイオン吸着体が挙げられる。
ここで、アルカリ金属酸化物としては、NaO、KO等が挙げられ、アルカリ土類金属酸化物としてはMgO、CaO等が挙げられ、更に3価および4価元素の酸化物としては、Al、SiO、TiO等が挙げられる。
これら酸化物より選ばれる少なくとも2種の酸化物を主成分とするイオン吸着体として、具体的には2.5MgO・Al・nHO、2MgO・6SiO・nHO、Al・9SiO・nHO、Al・NaO・2CO・nHO、Mg0.7Al0.31.15、Mg0.75Al0.251.125等が挙げられる。
無機系酸捕捉剤は、未反応のカルボン酸を十分に捕捉する観点から、反応生成物に対して、0.2〜2重量%の割合、特に0.5〜1重量%の割合で用いられることが好ましい。
分離工程を経た後の分離物の酸価は、製品エステルの酸価を低下させる観点から、0.02mgKOH/g以下が好ましく、0.01mgKOH/g以下がより好ましい。
本発明の製造方法は、前記の分離工程を経たエステル中に残存するカルボン酸塩を除去する塩除去工程を含むものである。本発明のように、未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する場合、生成した塩が少なからずエステル中に溶解して分離されずに残存し、特に、原料である飽和脂肪族モノカルボン酸の炭素数が大きくなると、その傾向が大きくなると考えられる。このため、分離工程の後に塩除去工程を実施することにより、長期保管すると酸を遊離し易いカルボン酸塩がエステル中に少なくなり、長期保管した後の酸価の上昇を防止できると考えられる。
カルボン酸塩の除去は、吸着剤を用いた吸着処理、水を用いた抽出処理、イオン交換樹脂を用いた除去処理などで行うことが可能であるが、吸着剤を用いてカルボン酸塩を吸着した後に、これを固液分離して除去する塩除去工程が好ましい。
固液分離は、ろ過操作、遠心分離、沈降分離などで行うことができる。ろ過操作時には、分離効率を高めるために、ろ過助剤を用いることも可能である。また、ろ過操作の温度は、(B)成分として、炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸を用いる場合、処理速度の観点から、60〜100℃が好ましく、75〜85℃がより好ましい。
カルボン酸塩を吸着可能な吸着剤としては、活性炭、合成ゼオライトが挙げられるが、エステルからの吸着の選択性の観点から、活性炭が好ましい。
活性炭とは大部分が炭素質の炭であり、吸着性は高い。活性炭としては、例えば木材、褐炭、泥炭などを活性化剤として塩化亜鉛やリン酸などで処理して乾留するか、あるいは木炭などを水蒸気で活性化して得られるものが挙げられる。これらは、通常は粉状あるいは粒状であり、いずれも使用することができる。活性炭の製造過程の結果として、化学賦活炭は酸性を示し、本来水蒸気賦活炭は塩基性を示す。
吸着剤の添加量は、エステル中のカルボン酸塩を十分に捕捉する観点から、分離工程を経た反応生成物に対して、0.2〜2重量%の割合、特に0.5〜1重量%の割合で用いられることが好ましい。
本発明の製造方法は、得られる潤滑油用エステルの酸価が0.02mgKOH/g以下であることが好ましく、0.01mgKOH/g以下であることがより好ましい。また、製造後に常温(25℃)で2カ月保管したのちの酸価が、0.02mgKOH/g以下であることが好ましく、0.01mgKOH/g以下であることがより好ましい。
本発明の製造方法により得られるエステルは酸価が低く、潤滑油用基油として好適に使用することができる。たとえば、冷凍機油、グリース油、作動油油、エンジン油などの潤滑油用の基油として用いることができ、とくに冷凍機油に適する。特に、二酸化炭素冷媒用の冷凍機油として好適であり、二酸化炭素冷媒と共に用いた場合に、潤滑性、冷媒相溶性、安定性、電気絶縁性などが良好になり易い。なお、基油としての該エステルに、酸化防止剤、防錆剤等の添加剤を適宜配合することにより、潤滑油、特に冷凍機油を製造することができる。
以下、本発明を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)酸価
酸価はJIS K0070 3.1に基づいて測定した。
(2)水酸基価
酸価はJIS K0070 7.2に基づいて測定した。
実施例1
はじめに5Lの四つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、および冷却器付き脱水管を取り付けた。次に原料のペンタエリスリトール380g、イソステアリン酸3800g(ペンタエリスリトールの水酸基1当量に対してカルボキシル基が1.15当量)を、前記の四つ口フラスコに入れ、0.3NL/m/kgの窒素ガス吹き込み下で、250℃まで昇温を行い、四つ口フラスコ内の水分を系外に除去しながら、水酸基価が3mgKOH/gとなるまでエステル化反応を行った。
次に、冷却器付き脱水管を脱酸管及び受器に付け替え、0.1kPaの減圧下で酸価が2.0mgKOH/gとなるまで未反応のイソステアリン酸を減圧除去したあと、さらに水蒸気を毎時50gずつ吹き込み、酸価が1.0mgKOH/gとなるまでイソステアリン酸の共沸除去処理を行うことでペンタエリスリトールエステルを得た。
続いて、そのエステルを80℃まで冷却し、無機系酸捕捉剤(協和化学工業(株)製、ハイドロタルサイト類、商品名:キョーワード500SH)を1.0重量%添加し、0.7kPaの減圧下で、1時間撹拌した後、東洋濾紙製No2濾紙及び昭和化学工学製ラジオライト#900を用いて80℃でろ過して、酸価が0.01mgKOH/gまで低下したペンタエリスリトールエステルを得た(分離工程)。
これに、活性炭(武田薬品製カルボラフィン)を1.0重量%添加し、0.7kPaの減圧下で、1時間撹拌した後、東洋濾紙製No2濾紙及び昭和化学工業製ラジオライト#900を用いて80℃でろ過して、残存塩を除去したペンタエリスリトールエステルを得た(塩除去工程)。このペンタエリスリトールエステルを常温で2カ月保管し、酸価を測定したところ、0.01mgKOH/gであり、上昇が全く見られなかった。
比較例1
はじめに5Lの四つ口フラスコに撹拌機、温度計、窒素ガス吹き込み管、および冷却器付き脱水管を取り付けた。次に原料のペンタエリスリトール380g、イソステアリン酸3800g(ペンタエリスリトールの水酸基1当量に対してカルボキシル基が1.15当量)を、前記の四つ口フラスコに入れ、0.3NL/m/kgの窒素ガス吹き込み下で、250℃まで昇温を行い、四つ口フラスコ内の水分を系外に除去しながら、水酸基価が3mgKOH/gとなるまでエステル化反応を行った。次に、冷却器付き脱水管を脱酸管及び受器に付け替え、0.1kPaの減圧下で酸価が2.0mgKOH/gとなるまで未反応のイソステアリン酸を減圧除去したあと、さらに水蒸気を毎時50gずつ吹き込み、酸価が1.0mgKOH/gとなるまでイソステアリン酸の共沸除去処理を行うことでペンタエリスリトールエステルを得た。
続いて、そのエステルを80℃まで冷却し、無機系酸捕捉剤(協和化学工業(株)製、ハイドロタルサイト類、商品名:キョーワード500SH)を1.0重量%添加し、0.7kPaの減圧下で、1時間撹拌した後、東洋濾紙製No2濾紙及び昭和化学工学製ラジオライト#900を用いて80℃でろ過して、酸価が0.01mgKOH/gまで低下したペンタエリスリトールエステルを得た(分離工程)。このペンタエリスリトールエステルを常温で2カ月保管し、酸価を測定したところ、0.50mgKOH/gであり、酸価の著しい上昇が見られた。
実施例2
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにイソデカン酸を用いて表1の仕込条件(当量比1.20)でエステル化反応を行い、減圧脱酸条件の圧力を0.7kPaとしたこと以外は、実施例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例2
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにイソデカン酸を用いて表1の仕込条件(当量比1.20)でエステル化反応を行い、減圧脱酸条件の圧力を0.7kPaとしたこと以外は、比較例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例3
実施例1において、活性炭の代わりにゼオライト(水澤化学社製、Y−520、孔径5Å)を用いて塩除去工程を実施したこと以外は、実施例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例3
実施例3において、塩除去工程を実施しないこと以外は、実施例3と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例4
実施例1において、無機系酸捕捉剤として、キョーワード500SHを用いる代わりにキョーワード2000W(協和化学工業(株)製、MgOとAlとの固溶体)0.5重量%を用いて酸の除去工程を実施したこと以外は、実施例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例4
比較例1において、無機系酸捕捉剤として、キョーワード500SHを用いる代わりにキョーワード2000W(協和化学工業(株)製、MgOとAlとの固溶体)0.5重量%を用いて酸の除去工程を実施したこと以外は、比較例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例5
実施例1において、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例5
比較例1において、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例6
実施例1において、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例6
比較例1において、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例7
実施例1において、ペンタエリスリトールの代わりにジペンタエリスリトールを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でジペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
比較例7
比較例1において、ペンタエリスリトールの代わりにジペンタエリスリトールを用いて表1の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でジペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表1に示す。
実施例8
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例8
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例9
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例9
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例10
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例10
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにオレイン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)でエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例11
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにカプリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で230℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例11
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにカプリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で230℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例12
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにカプリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で230℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例12
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにカプリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で230℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例13
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにラウリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で240℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例13
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにラウリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにネオペンチルグリコールを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で240℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でネオペンチルグリコールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
実施例14
実施例1において、イソステアリン酸の代わりにラウリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で240℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、実施例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例14
比較例1において、イソステアリン酸の代わりにラウリン酸を用い、ペンタエリスリトールの代わりにトリメチロールプロパンを用いて表2の仕込条件(当量比1.15)で240℃にてエステル化反応を行ったこと以外は、比較例1と全く同じ条件でトリメチロールプロパンエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
比較例15
比較例1において、無機系酸捕捉剤1.0重量%を添加する代わりに、同じ無機系酸捕捉剤1.0重量%と活性炭(武田薬品製カルボラフィン)1.0重量%とを同時に添加して酸の除去工程を実施したこと以外は、比較例1と全く同じ条件でペンタエリスリトールエステルを得た。その最終酸価と、常温で2カ月保管した後の酸価とを、各種条件と併せて表2に示す。
Figure 0004786594
Figure 0004786594
表1〜2の結果が示すように、実施例1〜14の製造方法によると、得られたエステルを長期保管した場合でも、いずれも酸価の上昇が少ない潤滑油用エステルを製造することができる。これに対して、塩除去工程を実施しない比較例1〜14の製造方法では、得られたエステルを長期保管した場合、いずれも酸価の上昇が顕著であった。また、無機系酸捕捉剤と活性炭とを併用して酸の除去工程を実施した比較例15の製造方法でも、カルボン酸塩の除去が不十分となるため、得られたエステルを長期保管した場合、他の比較例と同様に酸価の上昇が顕著であった。

Claims (7)

  1. 多価アルコールとカルボン酸とを反応させるエステル化工程と、未反応のカルボン酸を除去する脱酸工程とを含む潤滑油用エステルの製造方法であって、
    前記脱酸工程が、減圧除去工程を含み、さらに、当該減圧除去工程の後に
    少なくとも未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する分離工程と、
    その分離工程を経た後の分離物に含まれる前記分離工程で生じるカルボン酸の塩を、活性炭又はゼオライト(但し、アニオン交換能を有する合成ゼオライトを除く)により吸着処理する工程とを含む潤滑油用エステルの製造方法。
  2. 無機系酸捕捉剤が、ハイドロタルサイト又は金属酸化物系イオン吸着体である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記多価アルコールが炭素数2〜15の脂肪族多価アルコールである請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 前記カルボン酸が炭素数10〜24の飽和脂肪族モノカルボン酸である請求項1〜3いずれか記載の製造方法。
  5. 多価アルコールとカルボン酸とを1.05〜1.5の当量比(多価アルコール/カルボン酸)で反応させる請求項1〜4いずれか記載の製造方法。
  6. 得られる潤滑油用エステルの酸価が0.02mgKOH/g以下である請求項1〜いずれか記載の製造方法。
  7. 多価アルコールとカルボン酸とを反応させるエステル化工程および未反応のカルボン酸を除去する脱酸工程を少なくとも施すことにより得られる潤滑油用エステルの酸価を抑制する方法であって、
    少なくとも未反応のカルボン酸を無機系酸捕捉剤で捕捉して分離する分離工程と、
    その分離工程を経た後の分離物に含まれる前記分離工程で生じるカルボン酸の塩を、活性炭又はゼオライト(但し、アニオン交換能を有する合成ゼオライトを除く)により吸着処理する工程とを含む、潤滑油用エステルの酸価を抑制する方法。
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