JP4784211B2 - インクジェットヘッド及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェットヘッド及びその製造方法に関する。
従来から、被記録媒体に対してインクを吐出して印刷するインクジェットヘッドとして、ノズル及び圧力室を含むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室内のインクに圧力を付加する圧電式のアクチュエータユニットを有するものがある。例えば、特許文献1に記載された圧電式のアクチュエータユニットは、圧力室を覆うようにヘッド基板に配置された振動板と、この振動板の表面に形成された金属導電層と、この金属導電層の表面の圧力室に対向する位置に端子を介して形成された圧電素子とを有する。さらに、各圧電素子の表面には端子が設けられており、この端子は異方性導電シートを介してフレキシブルケーブル等の配線部材に接続されている。そして、配線部材を介してある端子に電圧が印加されたときには、対応する圧電素子に電界が作用して圧電素子が変形し、この圧電素子の変形に伴って振動板も変形するため、圧力室内のインクに圧力が付加される。
また、特許文献2に記載されたインクジェットヘッドにおいては、共通電極としての振動板と、振動板の表面に複数の圧力室に夫々対向するようにパターニングされた圧電素子及び個別電極を有する。さらに、互いに隣接する圧力室を隔てる部分の上側の圧電素子上に個別電極に駆動電圧を供給する配線(導体部)が形成されて、複数の圧力室が形成されたヘッド本体(流路ユニット)の端に電気接点が集中的に設けられている。従って、これら接点に対する配線を容易にすると共に、複数の圧力室を密に配設できるようにしている。
特開平8−230182号公報 特許第3267937号明細書
前記特許文献1のアクチュエータユニットにおいては、複数の圧電素子を覆うように配線部材が配設されており、これら複数の圧電素子表面に夫々設けられた複数の端子に配線部材の端子が接続されている。そのため、配線部材に外力が作用したときなどに、配線部材が圧電素子の表面から剥がれやすく、圧電素子表面の端子と配線部材との間の電気的接続の信頼性が低くなる。また、高速印字及び高画質印字を実現しつつインクジェットヘッドを小型化するために、多数のノズルが高密度に配置され、それに伴って、多数のノズルに夫々対応する圧力室、圧電素子及び端子も高密度に配置される場合には、高密度に配置された複数の端子に接続される配線部材の配線間隔を小さくする必要があるため、配線部材の製造コストが高くなってしまう。
また、前記特許文献2のインクジェットヘッドにおいては、互いに隣接する圧力室を隔てる隔壁部分の圧電素子の上側に配線が引き回されている。そのため、共通電極としての振動板と配線との間に不必要な静電容量(寄生容量)が発生してしまう。また、圧力室と対向しない領域において圧電層が変形し、さらにその変形が圧力室と対向する領域の圧電層に変形を生じされる、いわゆるクロストークの原因となる。
本発明の目的は、圧電素子の表面の電極に電圧を印加する為の電気的接続の構成が簡単で且つその接続の信頼性が高いインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することである。また、本発明の目的は、寄生容量の低減が可能なインクジェットヘッド及びその製造方法を提供することである。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の第1の態様によれば、インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータは、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、前記圧電層は、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する領域が前記異方性導電層側に突出しているインクジェットヘッドが提供される。
本発明の液体移送デバイスは、振動板の表面に配線部が設けられているため、例えば、配線部を一方向に引き出すことができ、圧力室に対向する位置の圧電層に電界を作用させるための電気的接続の構成が簡単になり、さらにその接続の信頼性が高くなる。また、振動板の一方の面側に、圧力室と対向する領域においては導電性を有し、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層が設けられている。従って、圧力室と対向する領域の異方性導電層には配線部により駆動電圧が印加され、この領域の圧電層が変形する。一方、圧力室と対向しない領域においては、配線部と第1の電極との間に絶縁性の異方性導電層が介在しているため、配線部と第1の電極との間の短絡を防止できる。さらに、介在する絶縁性の異方性導電層により配線部と第1の電極との間の圧電層に寄生容量が発生してしまうことを抑制でき、より低電圧で圧電アクチュエータを駆動できるため、圧電アクチュエータの駆動効率が向上する。さらに、圧力室と対向しない領域の圧電層の変形を抑制してクロストークを低減できる。
本発明の第2の態様に従えば、インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータは、前記流路ユニットの表面に前記複数の圧力室を覆うように配置され、且つ、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、前記振動板の前記複数の圧力室と夫々対向する領域は、前記異方性導電層側に突出しているインクジェットヘッドが提供される。
本発明の第3の態様に従えば、インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、前記圧電アクチュエータは、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、前記圧電層は、前記振動板と反対側の部分においてその面と平行な方向に張り出した張出部を有するインクジェットヘッドが提供される。
本発明の第の態様に従えば、インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、前記流路ユニットの前記一表面に、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板を配置する振動板積層工程と、前記振動板の前記一方の面において、前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部を形成する配線工程と、前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って異方性導電層を連続的に形成する異方性導電層形成工程と、前記異方性導電層の前記振動板と反対側の面に圧電層を形成する圧電層形成工程と、前記圧電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を前記振動板に相対して押圧して、前記異方性導電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を圧縮する圧縮工程と、前記圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って第1の電極を連続的に形成する第1電極形成工程と、を有し、前記圧電層は、前記振動板と反対側の部分においてその面と平行な方向に張り出した張出部を有し、前記圧縮工程において、前記複数の圧力室と夫々対向する領域に形成された圧電層が前記異方性導電層から突出する状態を維持しつつ、圧電層を押圧するインクジェットの製造方法が提供される。
本発明の液体移送デバイスの製造方法によると、振動板の表面に配線部が設けられているため、圧力室に対向する位置の圧電層に電界を作用させるための電気的接続の構成が簡単で且つその接続の信頼性が高くなる。また、圧力室と対向する領域の異方性導電層の部分を押圧することにより、この部分の異方性導電層は導電性を有するとともに、それ以外の部分は導電性を有しなくなるため、配線部と第1の電極との間の短絡を防止できる。さらに、配線部と第1の電極との間の圧電層に寄生容量が発生してしまうのを抑制でき、より低電圧で圧電アクチュエータを駆動できるため、圧電アクチュエータの駆動効率が向上する。
本発明の第5の態様に従えば、インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、少なくとも一方の面において絶縁性を有し、前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域が突出した振動板を、突出していない面が対向するように前記流路ユニットの前記一表面に配置する振動板積層工程と、前記振動板の前記一方の面において、前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部を形成する配線工程と、前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って異方性導電層を連続的に形成する異方性導電層形成工程と、前記異方性導電層の前記振動板と反対側の面に圧電層を形成する圧電層形成工程と、前記圧電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を前記振動板側に相対して押圧して、前記異方性導電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を圧縮する圧縮工程と、前記圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って第1の電極を連続的に形成する第1電極形成工程と、を有するインクジェットの製造方法が提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係るインクジェットヘッドの実施形態について説明する。
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について説明する。図1に示すシリアルプリンタ50において、インクジェットヘッド1は、図面左右方向に往復移動するキャリッジ5の下部に配置され、紙送りローラ6によって矢印方向に排出されてくる紙4に向かってインクを吐出する。このようなインクジェットヘッド1は、図2に示すように、内部にインク流路が形成された流路ユニット2と、この流路ユニット2の上面に積層された圧電アクチュエータ3とを備えている。
まず、流路ユニット2について説明する。図3は、図2のインクジェットヘッド1の右半分の概略平面図である。また、図4は図3のIV−IV線断面図、図5は図3のV−V線断面図、図6は図3のVI−VI線断面図である。図3〜図6に示すように、流路ユニット2はキャビティプレート10、ベースプレート11、マニホールドプレート12、及びノズルプレート13を備えており、これら4枚のプレート10〜13が積層状態で接着されている。このうち、キャビティプレート10、ベースプレート11及びマニホールドプレート12は略矩形のステンレス鋼製の板である。そのため、これら3枚のプレート10〜12に、後述するマニホールド17や圧力室14等のインク流路をエッチングにより容易に形成することができるようになっている。また、ノズルプレート13は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂材料により形成され、マニホールドプレート12の下面に接着される。あるいは、このノズルプレート13も、3枚のプレート10〜12と同様にステンレス鋼等の金属材料で形成されていても良い。
図3に示すように、キャビティプレート10には、平面に沿って配列された複数の圧力室14が形成されている。これら複数の圧力室14は、流路ユニット2の表面(後述する振動板30が接合されるキャビティプレート10の上面)において開口している。尚、図3には、複数の圧力室14のうちの一部(10個)が示されている。各圧力室14は、平面視で略楕円形状に形成されており、その長軸方向がキャビティプレート10の長手方向に平行になるように配置されている。
ベースプレート11の平面視で圧力室14の長軸方向両端部に重なる位置には、夫々連通孔15,16が形成されている。また、マニホールドプレート12には、マニホールドプレートの短手方向(図3の上下方向)に2列に延び、平面視で圧力室14の図3における右半分と重なるマニホールド17が形成されている。このマニホールド17には、キャビティプレート10に形成されたインク供給口18を介してインクタンク(図示省略)からインクが供給される。また、平面視で圧力室14の図3におけるインク供給口18に近い側の端部と重なる位置には、連通孔19も形成されている。さらに、ノズルプレート13には、平面視で複数の圧力室14の図3におけるインク供給口18に近い側の端部と重なる位置に、複数のノズル20が夫々形成されている。ノズル20は、例えば、ポリイミド等の高分子合成樹脂の基板にエキシマレーザー加工を施すことにより形成される。
そして、図4に示すように、マニホールド17は連通孔15を介して圧力室14に連通し、さらに、圧力室14は、連通孔16,19を介してノズル20に連通している。このように、流路ユニット2内には、マニホールド17から圧力室14を経てノズル20に至る個別インク流路が形成されている。
次に、圧電アクチュエータ3について説明する。図2〜図6に示すように、圧電アクチュエータ3は、流路ユニット2の表面に配置された振動板30と、この振動板30の表面に形成された絶縁層31と、絶縁層31の表面に形成され、複数の圧力室14に夫々対応する複数の個別電極(第2の電極)32と、個別電極32が形成された絶縁層31の表面に、複数の圧力室14に亙って連続的に形成された異方性導電層53と、複数の圧力室14と夫々対向するように、異方性導電層53の表面に形成された複数の圧電層33と、これら複数の圧電層33の上面33a及び複数の圧電層33が形成されていない領域における異方性導電層53の表面である上面53a(単に上面53aと呼ぶ)に連続して形成され、複数の個別電極32に亙って共通に設けられた共通電極(第1の電極)34とを備えている。
振動板30は、平面視で略矩形状のステンレス鋼の板であり、複数の圧力室14の開口を塞ぐようにキャビティプレート10の上面に積層された状態で接合されている。ここで、振動板30が比較的弾性率の高いステンレス鋼で形成されているため、後述するようにインクの吐出動作の際に圧電層33が変形したときに、振動板30の剛性の高さによって、圧電アクチュエータ3の応答性が高くなる。また、この振動板30は、同じくステンレス鋼で形成されたキャビティプレート10の表面に接合されるため、振動板30とキャビティプレート10の熱膨張係数が等しくなり、両者の接合強度が向上する。さらに、流路ユニット2内のインクは、インクに対する耐食性に優れるステンレス鋼で形成された振動板30と流路ユニット2に接触する。そのため、どのようなインクを選択しても流路ユニット2内あるいは振動板30に局部電池が形成される虞がなく、インクの選択が腐食面で制約されることがないため、インク選択の自由度が大きくなる。
この振動板30の表面には、アルミナ、ジルコニア、あるいは、窒化ケイ素等の弾性率が高いセラミックス材料によって形成され、その表面が平面である絶縁層31が形成されている。絶縁層31の形成方法としては、エアロゾルデポジション法(AD法)、ゾルゲル法、CVD法、あるいは、スパッタ法が挙げられる。このように、絶縁層31が弾性率の高いセラミックス材料で形成されているため、アクチュエータの剛性が上がり応答性がより高くなる。このように、振動板30の表面に絶縁層31が形成されているため、振動板30が絶縁材料ではなく上述した好適な材料であるステンレス鋼で形成されている場合でも、絶縁層31を介して振動板30の上に複数の個別電極32を形成することが可能になる。
さらに、この絶縁層31の表面には、圧力室14よりも一回り小さい楕円形の平面形状を有する複数の個別電極32がスクリーン印刷等によって形成されている。個別電極32は、平面視で対応する圧力室14の中央部に重なる位置に形成されている。個別電極32は金などの導電性材料からなる。尚、隣接する個別電極32は絶縁層31により互いに電気的に絶縁されている。
絶縁層31の表面において、複数の個別電極32の一端部(図3における右端部)からは、夫々、個別電極32の長軸方向に平行に複数の配線部35が延びており、これら複数の配線部35の端部には夫々端子部36が形成されている。これら複数の端子部36の高さ位置は全て同じである。そして、複数の個別電極32に夫々対応する複数の端子部36には、複数の個別電極32に対して選択的に駆動電圧を供給するドライバIC(駆動装置)37の出力端子37aが半田等の導電性ろう材からなるバンプ38を介して接合され、ドライバIC37は絶縁層31の表面に配置されている。このように、個別電極32と同一平面上に形成された配線部35により、複数の個別電極32とドライバIC37とをコストの高いFPC等の配線部材を介さずに直接接続できるため、電気的接続のコストを低減でき、また、電気的接続の信頼性も高くなる。
さらに、絶縁層31上には、ドライバIC37の入力端子37bと接合される複数の接続端子40も形成されている。そして、これら複数の接続端子40とドライバIC37の入力端子37bとを半田等からなるバンプ39を介して夫々接合することにより、ドライバIC37とこのドライバIC37を制御する制御装置(図示省略)とを接続端子40を介して容易に接続することができる。
複数の個別電極32が形成された絶縁層31の表面には、熱硬化性のエポキシ樹脂の中に導電性粒子を分散させた封止樹脂である異方性導電フィルム(ACF(Anisotropic Conductive Film))からなる異方性導電層53が形成されている。この異方性導電層53は、複数の圧力室14と夫々対向する絶縁層31上の領域(個別電極32が形成された領域を含む)の全てに亙って連続した1つの層として形成されている。尚、異方性導電層53は絶縁層31の表面に1枚のフィルム状のACFを転写する構成であっても、複数枚のACFを隙間なく連続して転写する構成であっても良い。また、ペースト状の異方性導電ペースト(ACP(Anisotropic Conductive Paste))を一様に塗布したものであっても良い。
異方性導電層53の表面であって、複数の個別電極32と夫々対向する領域には、チタン酸鉛とジルコン酸鉛との固溶体であり強誘電体であるチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を主成分とする複数の圧電層33が形成されている。ここで、本実施形態においては、圧電層33は圧力室14と対向する領域の一部である個別電極32に対向する領域のみに形成された構成としている。このように、圧電層33が形成される領域は、複数の圧力室14と夫々対向する複数の領域の一部(ここでは、個別電極32に対向する領域)である場合を含む。尚、圧電層33は圧力室14と対向する領域の全範囲に亙って形成されていても良いことはいうまでもない。圧電層33は、グリーンシートを1100℃程度で焼成することにより形成された圧電シートを、所定の大きさにレーザーカットすることで形成され、圧電層33の上面33aから加熱されながら絶縁層31方向へ押圧されることによって異方性導電層53上に転写されている。圧電層33が加熱・押圧されることにより、圧電層33と絶縁層31との間の異方性導電層53は圧縮され、異方性導電層53内の複数の導電性粒子は圧縮されている。つまり、異方性導電層53は、圧力室14と対向する領域の一部となる領域において圧縮されることになる。そして、圧縮された導電性粒子はそれぞれが互いに接触し、且つ、個別電極32と圧電層33に押し付けられることで、個別電極32と圧電層33とを導通させている。即ち、圧電層33と絶縁層31との間の異方性導電層53は導電性を有している。加熱・押圧された異方性導電層53は圧縮された状態で硬化している。一方、複数の個別電極32と対向しない領域の異方性導電層53は、加熱・押圧されていないため内部にある複数の導電性粒子同士が接触していない。よって、導電性を有さず、絶縁性を有して自然硬化している。複数の圧電層33は、その上面33aが異方性導電層53の上面53aに対して突出した状態で固定されている。このように、加熱・押圧されて圧縮された異方性導電層53は導電性を有して個別電極32と圧電層33とを導通させているため、後述のインク吐出動作の際に圧電層33に電界を作用させて変形させることが可能となる。更に、複数の個別電極32と対向しない領域には圧電層33がなく、その変形に起因して、後述のインク吐出動作の際に個別電極32と対向する領域の圧電層33に変形を生じさせることがないため、クロストークを確実に低減可能である。
図4〜図6に示すように、複数の圧電層33の上面33a及び異方性導電層53の上面53aには、複数の個別電極32に共通の共通電極34が段差を有しながら連続的に形成されている。図3に示すように、共通電極34からは1本の配線部41が延びており、この配線部41は絶縁層31の表面に亙って延在するように形成されている。また、この配線部41の端部に設けられた端子部42は、ドライバIC37の端子(図示せず)と接している。これにより、共通電極34は、この配線部41及びドライバIC37を介して接地され、グランド電位に保持されている。この共通電極34も金などの導電性材料からなる。共通電極34、配線部41及び端子部42は、スクリーン印刷、蒸着法、あるいは、スパッタ法等を用いて形成される。尚、端子部42の高さ位置は、端子部36の高さ位置と同じである。このように形成された共通電極34と複数の配線部35との間に、絶縁性を有する異方性導電層53が介在しているため、共通電極34と配線部35とが短絡することがない。さらに、配線部35に電圧が印加されたときに共通電極34と配線部35との間に寄生容量を生じさせることもなく、圧電アクチュエータ3の駆動効率が向上する。
共通電極34は全ての個別電極32に亙って形成されているために、共通電極34をドライバIC37に接続する配線部41は1本で済む。そのため、共通電極34をドライバIC37に接続するためにわざわざFPC等の配線部材を使用する必要もなく、また、端子数が1つしかないことから導電性ペーストなどを用いて電気的な接続を容易に行うことができ、その接続の信頼性も高いものとなる。
図3において、複数の個別電極32に対応する複数の端子部36と共通電極34に対応する1つの端子部42とが、共に、絶縁層31の表面に形成されているため、これらの端子部36,42の高さ位置を全て同じにすることができる。従って、ドライバIC37の出力端子とこれら端子部36,42との接合作業が容易になり、接合後の電気的接続の信頼性も高くなる。さらに、複数の端子部36と1つの端子部42とを全て絶縁層31の表面に形成するにあたり、絶縁層31の表面に複数の配線部35と1本の配線部41を形成するだけでよいため、スルーホールなどの複雑な構造を採ることのない簡単な配線構造で、端子部36,42の高さ位置を一致させることができる。
配線部41が共通電極34から絶縁層31に亙って一度に形成されている場合には、段差にかかる部分の厚さが薄くなるため、図3に示すように、この部分に補強部43を設けて、その信頼性を高めることができる。
次に、インク吐出時におけるインクジェットヘッド1の作用について図4を用いて説明する。ドライバIC37に複数の配線部35を介して夫々接続された複数の個別電極32に対して、ドライバIC37から選択的に駆動電圧が供給されると、駆動電圧が供給された圧電層33下側の個別電極32とグランド電位に保持されている圧電層33上側の共通電極34との電位が異なった状態となり、両電極32,34の間に挟まれた圧電層33に上下方向の電界が生じる。すると、圧電層33のうち、駆動電圧が印加された個別電極32の直上の部分が、分極方向である上下方向と直交する水平方向に収縮する。ここで、圧電層33の下側の絶縁層31及び振動板30はキャビティプレート10に対して固定されているため、両電極32,34の間に挟まれた圧電層33の部分が圧力室14側に凸となるように変形し、この圧電層33の部分的な変形に伴い、振動板30の圧力室14を覆う部分も圧力室14側に凸となるように変形する。すると、圧力室14内の体積が減少するためにインク圧力が上昇し、圧力室14に連通するノズル20からインクが吐出される。
次に、インクジェットヘッド1の製造方法について図7を用いて説明する。図7は図6の要部Aの拡大図であって、インクジェットヘッドの製造過程を工程順に表した断面図である。まず、ステンレス製の3枚のプレート10〜12を拡散接合等により接合する。
<振動板積層工程>
図7(a)において、キャビティプレート10の上面に、圧力室14の開口を塞ぐように振動板30を拡散接合等により接合する。更に、この振動板30の上面にアルミナ、ジルコニア、あるいは窒化ケイ素等のセラミックス材料からなる絶縁層31を連続的に形成する。この絶縁層31を形成する方法として、例えば、超微微粒子材料を高速で衝突させて堆積させるエアロゾルデポジション法(AD法)を用いれば、非常に薄く緻密な層を形成することができる。その他、ゾルゲル法、あるいは、スパッタ法、CVD法を用いて絶縁層31を形成することもできる。
<配線工程>
図7(b)において、絶縁層31の表面であって、圧力室14の中央部に対向する位置に、個別電極32をスクリーン印刷により形成する。また、個別電極32と同時に、図面垂直方向に延在する配線部35(図3,図4参照)、配線部35の端部であってドライバIC37のバンプに接続される端子部36(図3,図4参照)、ドライバIC37の入力端子37aと接合される複数の接続端子40(図3,図4参照)、共通電極34をドライバIC37に接続するための配線部41及びその端子部42(図3,図4参照)を夫々スクリーン印刷により形成する。このとき、例えば、絶縁層31の表面に導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、パターニングされた個別電極32、配線部35、端子部36、接続端子40、配線部41及び端子部42を一度に形成することができる。あるいは、メッキ法、スパッタ法又は蒸着法などにより、絶縁層31の全面に導電層を形成してから、レーザーやマスク、レジスト法等により導電層を部分的に除去して、個別電極32、配線部35、端子部36、接続端子40、配線部41及び端子部42をパターニングしてもよい。
<異方性導電層形成工程>
図7(c)において、絶縁層31の上面に、複数の圧力室14と夫々対向する絶縁層31上の領域(個別電極32が形成された領域を含む)の全てに亙って連続した1つの層である異方性導電層53を形成する。異方性導電層53を形成する方法としては、1枚のフィルム状のACFを転写、或いは複数枚のACFを隙間なく連続して転写する方法であっても良いし、ペースト状のACPを一様に塗布する方法であっても良い。個別電極32及び配線部35は絶縁層31と異方性導電層53に挟まれた状態となるが、端子部36は異方性導電層53からはみ出した状態にされるため、絶縁層31の表面に配置されるドライバIC37にバンプ38を介して接続可能である。また、接続端子40、配線部41及び端子部42も異方性導電層53によって覆われない。
<圧電層形成工程>
図7(d)において、PZTのグリーンシートを焼成することにより形成された圧電シートを所定の大きさにレーザーカットして成る圧電層33を、異方性導電層53の表面であって、個別電極32に対向する位置に転写する。
<圧縮工程>
図7(e)において、押圧板55を用いて、圧電層33の上面33aから絶縁層31方向に向かって圧電層33を押圧する。圧電層33の押圧は圧電層33を加熱しながら行われる。また、圧電層33の押圧は、複数の圧力室14と夫々対向する複数の領域(複数の個別電極32と夫々対向する領域)に形成された複数の圧電層33が異方性導電層53から突出した状態を維持しつつ行われる。すると、異方性導電層53は個別電極32と圧電層33とで挟まれた複数の部分において圧縮され、これにともなって、各部分の異方性導電層53内の複数の導電性粒子も圧縮される。このようにして圧縮された導電性粒子を介して個別電極32と圧電層33とが導通する。また、加熱・押圧された異方性導電層53は硬化する。押圧された圧電層33は、その上面33aが異方性導電層53から突出した状態で固定される。このように、圧電層33をその上面33aが異方性導電層53の上面53aに対して突出した状態を維持しつつ押圧するため、複数の個別電極32と対向しない領域の異方性導電層53が押圧されてしまうことがなく、圧電層33の上面33aに異方性導電層53がせり上がって付着することもない。個別電極32と圧電層33とで挟まれていない領域の異方性導電層53は絶縁性を有して自然硬化する。尚、個別電極32と圧電層33とで挟まれていない領域の異方性導電層53を加熱することで、その硬化を早めても良い。
<第1電極形成工程>
図7(f)において、複数の個別電極32に共通の共通電極34を、異方性導電層53の上面53a及び圧電層33の上面33aに、段差を有しながら連続的に形成する。共通電極34を形成する方法としては、スクリーン印刷、蒸着法、あるいは、スパッタ法等が挙げられる。
その後、図4に示すように、絶縁層31上にドライバIC37を配置し、このドライバIC37の出力端子37aをバンプ38を介して端子部36及び端子部42に接合するとともに、ドライバIC37の入力端子37bをバンプ39を介して接続端子40に接合する。最後に、マニホールドプレート12の下面にノズルプレート13を接着する。
以上、説明したように、本実施形態のインクジェットヘッド1においては、複数の圧力室14と対向する絶縁層31の表面に複数の個別電極32が夫々設けられ、複数の個別電極32と対向する異方性導電層53の表面に圧電層33が夫々設けられ、個別電極32と対向する領域においては圧電層33が加熱・押圧されることで圧縮された異方性導電層53が導電性を有し、個別電極32と対向しない領域においては圧縮されない異方性導電層53が絶縁性を有する構成にされている。これにより、圧力室14(より具体的には個別電極32)と対向する領域においては、駆動電圧が印加される個別電極32と、圧電層33を挟んで設けられた共通電極34との間の電位差で圧電層33を変形させることができる。また、圧力室14(より具体的には個別電極32)と対向しない領域においては、絶縁層31上に形成された配線部35と共通電極34との間に寄生容量が発生することを抑制できるため、圧電アクチュエータ3の駆動効率を向上させることができる。また、配線部35と共通電極34との短絡が絶縁性を有する異方性導電層53により防止される。さらに、圧力室14と対向しない領域においては、圧電層33が形成されておらず、変形が生じることがないため、圧力室14と対向する領域の圧電層33に生じるクロストークを低減できる。
また、個別電極32と同一平面上(絶縁層31上)に形成された配線部35により、複数の個別電極32とドライバIC37とをコストの高いFPC等の配線部材を介さずに直接接続できるため、電気的接続のコストを低減でき、また、電気的接続の信頼性も高くできる。
また、圧電層33が異方性導電層53から突出しているため、圧力室14と対向しない領域の異方性導電層53を押圧して導電性を生じさせてしまうことがない。また、圧電層33の表面に異方性導電層53がせり上がって付着することもないため、共通電極を全面的に形成できる。
本実施例において行った各工程の順序は本実施例で示した順序に限定されない。例えば、配線工程の後に振動板積層工程を行ってもよく、配線工程、異方性導電層形成工程、圧電層形成工程の後に振動板積層工程を行ってもよい。
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態について図8を用いて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。図8は図6に対応する断面図である。第2実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、圧電層133の面に垂直な方向の断面形状が、振動板30側(下側)ほど広がる台形である点である。この構成によれば、第1実施形態で説明した第1電極形成工程において、異方性導電層53の上面53aに対して突出した上面133aを有する圧電層133の側面133bが斜めになっているため、異方性導電層53の上面53a、圧電層133の上面133a及び側面133bに、共通電極34を段差を有しながら連続的に形成させることが容易になる。その他の構成、作用、効果については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態について図9を用いて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。図9は図6に対応する断面図である。第3実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、圧電層233が振動板30と反対側の部分(図面上側)において、面に平行な方向に張り出した張出部233cを有している点である。この構成によれば、第1実施形態で説明した圧縮工程において、圧電層233を加熱・押圧する際に、圧電層233の上面233aに異方性導電層53がせり上がって付着しにくくなる。その他の構成、作用、効果については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態について図10を用いて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。図10は図6に対応する断面図である。第4実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、圧電層333の側面333bに撥水膜54が形成されている点である。撥水膜54は、第1実施形態で説明した圧電層形成工程において、圧電シートを焼成してレーザーカットして成る圧電層333を異方性導電層53に転写する前段階で、圧電層333の側面333bに貼付、塗布等により形成される。この構成によれば、第1実施形態で説明した圧縮工程において、圧電層333を加熱・押圧する際に、圧電層333の側面333bの撥水膜54に接触する異方性導電層53ははじかれ、圧電層333の上面333aに異方性導電層53がせり上がって付着しにくくなる。その他の構成、作用、効果については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態について図11を用いて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。図11は図6に対応する断面図である。第5実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、圧電層433と異方性導電層53との間に電極(第3の電極)56が形成されている点である。電極56は、第1実施形態で説明した圧電層形成工程において、圧電層433を異方性導電層53に転写する前に、圧電層433の異方性導電層53に接する面に予め形成しておく。電極56は、圧電シートを所定の大きさにレーザーカットする前に、圧電シートの表面に導電性ペーストをスクリーン印刷やスパッタ法、あるいは蒸着法等により形成する。あるいは、メッキ法、スパッタ法又は蒸着法などにより、圧電シートをカットしたものの全面に導電層を形成してから、レーザーやマスク、レジスト法等により異方性導電層53に接する面以外の面の導電層を除去することによって電極56を形成してもよい。この構成によれば、電極56を介して圧電層433に確実に電界を生じさせることができる。
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態について図12を用いて説明する。尚、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付記してその説明を省略する。図12は図6に対応する断面図である。第6実施形態の構成が第1実施形態と異なる点は、圧電層533が、複数の圧力室14の夫々と対向する領域を含むように異方性導電層53の上に形成された連続した1つの層として形成されており、複数の個別電極32と夫々対向する領域における厚みの方が、それ以外の領域における厚みよりも大きい点と、共通電極534が圧電層533の表面に段差無く形成されている点である。
圧電層533は凹凸を有する圧電シートを焼成することによって形成される。圧電層533の複数の個別電極32と夫々対向する領域(厚みが大きい領域)の厚さとそれ以外の領域(厚みが小さい領域)の厚さとは、厚みが小さい領域が異方性導電層53に当接したときに、厚みが大きい領域が異方性導電層53を十分に圧縮した状態になるように調整されている。また、共通電極534は、第1実施形態で説明した第1電極形成工程で形成する構成であってもよいが、本実施形態においては、圧電層形成工程の後に圧電層533の凹凸のある面とは反対の面に共通電極534を形成する工程を追加することで、第1電極形成工程を省略可能である。この構成によれば、第1実施形態で説明した圧縮工程において圧電層533を押圧したときに、厚みが大きい領域によって圧縮された異方性導電層53は導電性を有するが、厚みが小さい領域が当接した異方性導電層53は圧縮されずに絶縁性を有したままである。よって、第1実施形態と同様に、複数の個別電極32と夫々対向する領域である厚みが大きい領域においては、駆動電圧が印加される個別電極32と、圧電層533を挟んで設けられた共通電極534との間の電位差で圧電層533を変形させることができるとともに、個別電極32と対向しない領域である厚みが小さい領域においては、絶縁層31上に形成された配線部35と共通電極534との間に寄生容量が発生することを抑制でき、さらに、介在する絶縁性の異方性導電層53により配線部35と共通電極534との短絡が防止される。また、個別電極32と共通電極534との間には絶縁性の異方性導電層53が介在しているため、圧電層533の厚みが小さい領域に変形が生じることがなく、個別電極32と対向する領域の圧電層533に生じるクロストークを低減することもできる。しかも、共通電極534に段差が無いため、共通電極534を形成するのが簡単である。その他の構成、作用、効果については第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
また、第6実施形態において、圧電層533は凹凸の無い平板状であってもよい。この場合は、圧電層533において、複数の圧力室14の夫々と対向する領域のみを加熱・押圧することにより、複数の圧力室14の夫々と対向する領域の異方性導電層53を圧縮・導通させ、それ以外の領域の異方性導電層53を圧縮させずに絶縁させる、即ち、圧電層533を部分的に凹状に変形させることで、複数の圧力室14の夫々と対向する領域のみが駆動電圧により変形する圧電層533とすることができる。
[第7実施形態]
本発明の第7実施形態について、図13を用いて説明する。本実施形態における振動板630は、個別電極632が形成されている部分に断面が矩形状の凸部が形成されている。第6実施形態では圧電層に凸部が形成されていたが、本実施形態は、振動板630に凸部が形成されている点と圧電層633が平坦である点を除いて、第6実施形態と同様である。
振動板630の個別電極632が形成されている部分は凸部であるため、圧縮工程において、この凸部と当接する領域の異方性導電層653は十分に圧縮され導電性を有する一方、振動板630の凸部以外の部分と当接する異方性導電層は強く圧縮されないため絶縁性を有したままとなる。振動板630に形成される凸部の高さは、異方性導電層653を加熱・押圧した際に、凸部と当接する部分の異方性導電層653だけが十分圧縮された状態となって導電性を有することができる高さである。
本実施形態において、押圧板を用いて圧電層633の上面633aから絶縁層631に向かって圧電層633を押圧することによって異方性導電層653に圧力を加えたが、圧力室14内に圧力を加えることによって、振動板630を圧電層側に湾曲させて異方性導電層653を押圧することもできる。このとき、圧力室14内に気体又は液体を充填させてそこに圧力を加えることによって、圧力室14内に圧力を加えることができる。この場合においても、振動板630に形成される凸部の高さは、異方性導電層653が押圧される際に、凸部と当接する部分の異方性導電層653だけが十分圧縮された状態となって導電性を有することができる高さである。
[第8実施形態]
本実施形態では、図14に示すように、個別電極932は大きな厚みを有する。本実施形態は、個別電極932が大きな厚みを有する点と圧電層933が平坦である点を除いて、第6実施形態と同様である。
本実施形態では、個別電極932を厚くすることによって、個別電極932に対向する異方性導電層953の部分のみを押圧することができる。この場合、圧電層933及び振動板930には第6及び第7実施形態のような凸部を設ける必要はなく、平坦で連続した圧電層933及び振動板930を用いることができるので、製造コストを軽減できる。また、圧電層933及び振動板930が平坦であるため、共通電極934及び絶縁層931を形成する工程も容易となる。個別電極の厚さは通常0.8μm程度であるが、これを1μm以上、特に2μm以上に厚くすることによって、圧電層又は振動板に凸部を形成する場合と同様の効果がある。
[第9実施形態]
本実施形態では、図15及び図16に示す液体移送装置700について説明する。図15に示すように、液体移送装置700は同じ構造を持つ3つの液体移送ユニット700a〜700cを有し、これらの3つの液体移送ユニット700a〜700cが共通のマニホールド717を介して並列に接続されている。マニホールド717は、キャビティプレート712に形成された液体供給口720に連通する。
図16に示すように、液体移送ユニット700bは流路ユニット702及び圧電アクチュエータ703を有する。流路ユニット702はキャビティプレート710、ベースプレート711、マニホールドプレート712及び第2ベースプレート713を有する。これらの4枚のプレートは全て金属製であり、これらの金属板組を積層して形成される流路ユニット702の上には、圧電アクチュエータ703が配置される。圧電アクチュエータ703は、金属製であって一面に絶縁層731が形成された振動板730、圧力室714に対応する位置に形成される個別電極732、配線部735、圧電層733、異方性導電層753、及び異方性導電層753の上面に設けられた共通電極734を有する。
流路ユニット702において、キャビティプレート710は圧力室714を形成する矩形状の孔を有し、マニホールドプレート712はマニホールド717を形成する矩形状の孔を有する。ベースプレート711には圧力室714とマニホールド717に連通する連通孔718が形成される。また、ベースプレート711、マニホールドプレート712及び第2ベースプレート713には圧力室714から第2ベースプレート713の下面まで貫通する排出流路719が形成されている。
このような構造の液体移送装置700の製造方法について以下に説明する。先ず、流路ユニット702を図16に示す順序で積層し、さらにその上面に金属製の振動板730を積層する。積層した金属板を拡散接合によって接合した後、振動板730の上面に第1実施形態で説明したエアロゾルデポジッション法によって絶縁層731を形成する。
絶縁層731の表面に個別電極732、配線部735をスクリーン印刷法によって形成する。個別電極732は複数の圧力室714に対応して位置付けられ、配線部735は各個別電極732と図示しないドライバICを電気的に接続している。
個別電極732及び配線部735が形成された絶縁層731の上に異方性導電層753を形成し、さらにその上の個別電極732に対応する位置に、焼成されたグリーンシートを所定の大きさにレーザーカットして形成された圧電層733を配置する。次に圧電層733を押圧しながら加熱することによって、異方性導電層753を硬化させる。異方性導電層753が硬化した際に、押圧されていた部分、即ち、圧電層733と個別電極732に挟まれている部分は導電性を有し、それ以外の部分は絶縁されたままとなる。
最後に、複数の圧電層733及び異方性導電層753の上面に共通電極734及び配線部741をスクリーン印刷法によって形成する。共通電極734は、複数の圧電層733全体を覆うように形成される。共通電極734は、配線部741を通じて図示しないドライバICとを電気的に接続され、ドライバICを介して接地されるため、グランド電位に保たれる。
こうして製造された液体移送装置700の動作について以下に説明する。液体移送装置700を動作させる前に、液体供給口720を介して、3つの液体移送ユニット700a〜700cの全ての流路ユニット702に液体を充填する。また、液体供給口720は図示しない液体タンクに接続されており、流路ユニット702に常時液体を供給できる。
図示しないドライバICを介して圧電層733に当接した個別電極732に電圧を印加することによって、圧電層733の上下方向に電界を生じさせる。このとき、圧電層733は電界の向きと直交する方向(ここでは図16の左右方向)に収縮する。ここで、圧電層733の下側の絶縁層731及び振動板730はキャビティプレート710に対して固定されているため、両電極732、734の間に挟まれた圧電層733が圧力室714側に凸になるように変形する。この変形に伴い、振動板730の圧力室714を覆う部分も同じく圧力室714側に凸になるように変形する。これにより圧力室714内の容積が減少するため、内部に充填されている液体の圧力が上昇し、圧力室に連通する排出流路719を通って液体が排出される。
個別電極732への電圧印加を停止すると、圧電層733と振動板730は元の形に戻り、圧力室714の内圧が下がる。このとき、連通孔718と比べて排出流路719の径は非常に小さいため、排出流路719のコンダクタンスは連通孔718と比べて小さくなる。それゆえ、圧力室714の容量の回復に伴い圧力室714に流れ込む液体は、連通孔718を通してマニホールド717から供給される。また、マニホールド717には液体供給口720を通して液体が常時供給されているため、マニホールド717、連通孔718、圧力室714は常に液体で満たされる。したがって、液体移送装置700は、マニホールド717から排出流路719を通じて液体移送装置700の外部へと液体を移送することができる。
本実施形態において、個別電極732、共通電極734及び配線部741は蒸着法又はスパッタ法を用いて形成してもよい。また、絶縁層731はゾルゲル法、スパッタ法又はCVD法を用いて形成してもよい。また、個別電極732に印加する電圧は時間的に変動していればよく、電圧の大きさや周波数などの電圧波形のパラメータは任意に設定しうる。
[第10実施形態]
本実施形態では、異なる種類の液体を個別に移送することのできる液体移送装置について説明する。
図17に示すように、本実施形態の液体移送装置800は、第1移送セクション800Aと第2移送セクション800Bを有する。第1、第2移送セクション800A、800Bは同一の構造であり、それぞれ圧電アクチュエータ803と流路ユニット802を備える。
流路ユニット802は、キャビティプレート810とベースプレート811を備える。キャビティプレート810は圧力室814を形成する矩形の孔を有しており、ベースプレート811は圧力室に連通する入口流路812と出口流路813を有する。
第1移送セクション800Aと第2移送セクション800Bの入口流路812にはそれぞれ、可撓性のある入口側チューブ818が取り付けられ、出口流路813には、可撓性のある出口側チューブ815が取り付けられる。各移送セクション800A、800Bの入口側チューブ818はそれぞれ液体タンク850A、850Bに接続され、出口側チューブ815は図示しない排出先に連結される。また、入口側チューブ818と出口側チューブ815にはそれぞれ逆止弁816、817が取り付けられる。
流路ユニット802の上部に設けられる圧電アクチュエータ803は第9実施形態と同様の構造を有し、同様の方法で異方性導電層853を用いて製造される。
本実施形態の液体移送装置800を動作させる際には、先ず移送したい液体を液体タンク850A,Bに供給する。次に、図示しないドライバICを通じて個別電極832にパルス状の電圧を連続的に供給する。第8実施形態で説明したように、個別電極832に時間的に変動する電圧を印加することで圧力室814内の圧力を変動させることができる。これによって圧力室814は一種のポンプの役割を果たすため、液体タンク850A,B内の液体を出口流路813に向かって移送することができる。このとき、入口側チューブ818及び出口側チューブ815はそれぞれ、逆止弁816、817を備えるので、液体が逆流する恐れがなく、液体移送装置800を安定して動作させることができる。
本実施形態の液体移送装置800は、2つの独立した移送セクション800A,800Bを有しており、それぞれ液体タンク850A,Bに接続されている。従って、2種類の異なる種類の液体、例えば色や組成の異なる液体を系統別に選択的に移送することができる。液体タンク850A、850B、逆止弁816、817、入口側チューブ818、及び出口側チューブ815は液体移送装置800が使用される現場の設備を利用してもよい。それゆえ、液体タンク850A、850B、逆止弁816、817、入口側チューブ818、及び出口側チューブ815は液体移送装置800に必ずしも必要ではない。
第9実施形態及び第10実施形態で説明した液体移送装置は、複数の移送セクション又は移送ユニットを有していたが、これらの数は2個又は3個に限定されず、それ以上であってもよく、液体移送装置の内部で直列及び/又は並列に接続されてもよい。
本発明の液体移送装置は、簡単な構造で複数の液体排出口を通じて選択的に且つ隣接する圧力室間でクロストークを生じることなく液体を移送することができる。また、個別電極及び配線部は振動板の上に設けられた絶縁層上に形成されており、可動部がないため、断線の恐れが少ない。また、個別電極及び配線部はスクリーン印刷法、蒸着法又はスパッタ法によって形成されるため、配線間隔や電極間隔などを非常に密に形成しうる。さらに、個別電極及び配線部は異方性導電層で覆われており直接触れることができない構造になっているため、電気的接続の信頼性は高く、個別電極と接していない部分の異方性導電層は絶縁体であるため、各個別電極間や配線間の寄生容量が抑えられ、クロストークが発生しない。
本発明の液体移送装置は、電気回路基盤内に形成された冷却水路に冷却水を循環させるためのユニットモジュールとして利用することができる。また、極めて小型のポンプとして利用できるので、例えば内視鏡の先端に取り付けて複数の液体薬剤を体内の患部に塗布する用途や、患者の体内に複数の種類の薬剤を所定の量で且つ所定のタイムスケジュールで供給するためのマイクロポンプなどに利用できる。
これまで、本発明を好適な実施の形態に基づいて説明したが、これらの実施形態に限定されず、本発明はその趣旨を超えない範囲において変更が可能である。例えば、個別電極32を必ずしも設ける必要はなく、個別電極32がなくても良い。この場合には、絶縁層31と圧電層33とで挟まれ、圧電層33によって圧縮された異方性導電層53内で押し潰された複数の導電性粒子が、圧電層33に対向する領域全体に亙って導電性を有すれば、異方性導電層53であって、圧電層33に対向する圧縮された領域を個別電極32の代わりとすることができる。このとき、複数の配線部35は、それらの一の端部(端子部36と反対の端部)が対応する圧力室14と重なるとともに、個別電極32の代わりとなる異方性導電層53の圧縮された領域と接続可能な位置を占めるように形成されなければならない。
各実施形態において、流路ユニットや振動板を構成する板材の材質はステンレス鋼のみに限定されず、銅やアルミニウムなどの他の金属板であってもよく、例えば合成樹脂等の非金属の板材であってもよい。各実施形態において、異方性導電層に圧力を特定の方向から加えていたが、圧電層側から圧力室側に向かって押圧してもよく、逆に、例えば圧力室の内部の圧力を上げることによって、圧力室側から圧電層側に向かって押圧してもよい。
シリアルプリンタの模式図である。 インクジェットヘッドの斜視図である。 図2のインクジェットヘッドの右半分の概略平面図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図3のV−V線断面図であって、本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図3のVI−VI線断面図であって、本発明の第1実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6の要部Aの拡大図であって、インクジェットヘッドの製造過程を工程順に上から下に並べて表した断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第2実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第3実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第4実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第5実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第6実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第7実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 図6に対応する断面図であって、本発明の第8実施形態に係るインクジェットヘッドの断面図である。 本発明の第9実施形態に係る液体移送装置の平面図である。 図14のXVI−XVI線断面図であって、本発明の第9実施形態に係る液体移送装置の断面図である。 本発明の第10実施形態に係る液体移送装置の断面図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
2 流路ユニット
3 圧電アクチュエータ
4 紙
5 キャリッジ
6 紙送りローラ
10 キャビティプレート
11 ベースプレート
12 マニホールドプレート
13 ノズルプレート
14 圧力室
15,16 連通孔
17 マニホールド
18 インク供給口
19 連通孔
20 ノズル
30 振動板
31 絶縁層
32 個別電極(第2の電極)
33 圧電層
33a 上面
33b 側面
33c 張出部
34 共通電極(第1の電極)
35 配線部
36 端子部
37 ドライバIC(駆動装置)
37a 出力端子
37b 入力端子
38,39 バンプ
40 接続端子
41 配線部
42 端子部
43 補強部
50 シリアルプリンタ
53 異方性導電層
53a 上面
54 撥水膜
55 押圧板
56 電極(第3の電極)


Claims (5)

  1. インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、
    この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、
    この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、
    前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、
    この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、
    この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、
    前記圧電層は、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する領域が前記異方性導電層側に突出しているインクジェットヘッド
  2. インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、
    この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    前記流路ユニットの表面に前記複数の圧力室を覆うように配置され、且つ、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、
    この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、
    前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、
    この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、
    この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、
    前記振動板の前記複数の圧力室と夫々対向する領域は、前記異方性導電層側に突出しているインクジェットヘッド
  3. インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、
    この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備え、
    前記圧電アクチュエータは、
    少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板と、
    この振動板の前記一方の面において前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部と、
    前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成され、前記複数の圧力室と夫々対向する複数の領域においては圧縮されて導電性を有するとともに、それ以外の領域では導電性を有しない異方性導電層と、
    この異方性導電層の前記振動板とは反対側の面に形成された圧電層と、
    この圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って連続的に形成された第1の電極と、を有し、
    前記圧電層は、前記振動板と反対側の部分においてその面と平行な方向に張り出した張出部を有するインクジェットヘッド
  4. インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    前記流路ユニットの前記一表面に、少なくとも一方の面において絶縁性を有する振動板を配置する振動板積層工程と、
    前記振動板の前記一方の面において、前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部を形成する配線工程と、
    前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って異方性導電層を連続的に形成する異方性導電層形成工程と、
    前記異方性導電層の前記振動板と反対側の面に圧電層を形成する圧電層形成工程と、
    前記圧電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を前記振動板に相対して押圧して、前記異方性導電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を圧縮する圧縮工程と、
    前記圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って第1の電極を連続的に形成する第1電極形成工程と、を有し、
    前記圧電層は、前記振動板と反対側の部分においてその面と平行な方向に張り出した張出部を有し、
    前記圧縮工程において、前記複数の圧力室と夫々対向する領域に形成された圧電層が前記異方性導電層から突出する状態を維持しつつ、圧電層を押圧するインクジェットの製造方法。
  5. インクを吐出するノズルに連通する複数の圧力室が平面に沿って配置された流路ユニットと、この流路ユニットの一表面に配置されて前記圧力室の容積を変化させる圧電アクチュエータとを備えたインクジェットヘッドの製造方法であって、
    少なくとも一方の面において絶縁性を有し、前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域が突出した振動板を、突出していない面が対向するように前記流路ユニットの前記一表面に配置する振動板積層工程と、
    前記振動板の前記一方の面において、前記複数の圧力室に夫々対向する位置から延びる複数の配線部を形成する配線工程と、
    前記振動板の前記一方の面側に、前記複数の圧力室に亙って異方性導電層を連続的に形成する異方性導電層形成工程と、
    前記異方性導電層の前記振動板と反対側の面に圧電層を形成する圧電層形成工程と、
    前記圧電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を前記振動板側に相対して押圧して、前記異方性導電層の前記複数の圧力室に夫々対向する複数の領域を圧縮する圧縮工程と、
    前記圧電層の前記異方性導電層と反対側の面において、前記複数の圧力室に亙って第1の電極を連続的に形成する第1電極形成工程と、を有するインクジェットの製造方法
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