JP4783977B2 - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻回型の発電要素を備えた電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
円筒型の鉛蓄電池は、図3に示すように、帯状の正極1aと負極1bを図示を省略した帯状のセパレータを介して巻回した巻回型の発電要素1を用いる。正極1aと負極1bは、帯状の集電体に活物質を充填したものであり、この集電体には、図4に示すような格子2を用いている。格子2は、帯状の鉛シートに多数の矩形のマス目2aを形成したものである。また、この格子2の帯状の上側端には、間隔を開けて複数の集電耳2bが突設されている。ただし、実際の格子2は、もっと長尺であるため、図では長手方向を圧縮して模式的に示している。
【0003】
上記格子2の集電耳2bは、図3に示したように、正極1aや負極1bの集電体として巻回されることにより、発電要素1の上端面から突出することになる。ただし、この突出位置が円周上で不規則になったのでは、外部端子への接続が容易ではなくなるので、従来は、巻回の中心からの距離に応じて、図4に示したように、外周側ほど集電耳2bを形成する間隔距離が長くなるようにすることにより、図3に示したように、これらの集電耳2bの突出位置が発電要素1の端面上の同じ回転角位置に揃うようにしている。もっとも、発電要素1の中心付近では、巻回による曲率が大きくなりすぎ、集電耳2bを突出させても扱い難くなるので、格子2の内周側の端部には、ある程度の距離にわたって集電耳2bを形成しないようにしている。
【0004】
なお、図3では、正極1aの格子2に形成された集電耳2bと負極1bの格子2に形成された集電耳2bとを、発電要素1の上端面における180°相違した回転角位置にそれぞれ揃えて突出させる場合について示しているが、正極1aと負極1bのいずれか一方の集電耳2bを発電要素1の下端面から突出させるようにしている場合もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のように、格子2に形成される各集電耳2bの間隔距離が発電要素1の内外周で異なっていると、外周部分のように各集電耳2bの間隔が広い格子2上では、これらの集電耳2bから離れたマス目2aの間にまで十分な電流が流れないようになり、逆に、主に内周部分のように、各集電耳2bの間隔が狭い格子2上では、格子2上の各マス目2aの間に十分な電流が流れるので、活物質の反応分布にムラが生じ利用効率が悪化したり電圧が低下するという問題があった。
【0006】
本発明は、かかる事情に対処するためになされたものであり、集電耳の形成間隔に応じて集電体の額縁部の幅を変えることにより、集電体に担持させた活物質の反応分布を均一化し電圧の低下を抑制することができる電池を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、帯状の集電体に活物質を担持させた正極と負極をセパレータを介して巻回した巻回型の発電要素を備えた電池において、少なくとも正極と負極のいずれか一方の電極の帯状の集電体に多数の開口部が形成されると共に、この集電体の帯状の上側端から巻回の外周側ほど長い間隔で3箇所以上に集電耳が突出して形成され、集電耳の突出位置が発電要素の端面上の同じ回転角位置に揃い、集電耳が突出する間の集電体の各上側端と、この上側端に最も接近して形成された開口部との間の額縁部の幅が、外周側ほど広く形成されたことを特徴とする。
【0008】
請求項1の発明によれば、集電耳の形成間隔が広い外周側ほど、集電体の額縁部の幅が広くなるので、これらの集電耳から離れたの開口部の間にまで十分な電流を流すことができるようになり、活物質の反応分布を内周側と外周側とで均一化し、電圧の低下を抑制することができるようになる。
【0009】
なお、額縁部の幅とは、隣り合う一対の集電耳の間の集電体の上側端に最も接近して形成された開口部からこの上側端までの距離をいう。従って、例えば開口部が千鳥状に配置されているために、一対の集電耳の間において額縁部が広くなったり狭くなったりする場合であっても、その最も狭い部分を額縁部の幅とする。また、この額縁部の幅が外周側ほど広く形成されるというのは、最内周側の集電耳から最外周側の集電耳までの各集電耳の間の額縁部の幅が単調増加することを意味する。即ち、最内周側の額縁部の幅に比べて最外周側の額縁部の幅の方が必ず広く、隣接する額縁部の幅が内周側と外周側で同じ場合があってもよいが、外周側の額縁部の幅の方が狭くなる場合は存在しないことをいう。さらに、最内周側の集電耳から集電体の内周側の端までの額縁部の長さは、必ずしも最短であるとは限らず、最外周側の集電耳から集電体の外周側の端までの額縁部の長さは、必ずしも最長とは限らないので、これら両端部の額縁部の幅については任意に定めることができるが、長さが長いほど幅が広くなるようにすることが好ましい。
【0010】
請求項2の発明は、帯状の集電体に活物質を担持させた正極と負極をセパレータを介して巻回した巻回型の発電要素を備えた電池において、少なくとも正極と負極のいずれか一方の電極の帯状の集電体に多数の開口部が形成されると共に、この集電体の帯状の上側端から集電耳が3箇所以上に突出して形成され、集電耳の突出位置が発電要素の端面上の同じ回転角位置に揃い、集電耳が突出する間の集電体の各上側端と、この上側端に最も接近して形成された開口部との間の額縁部の幅が、この額縁部を挟む一対の集電耳の間隔距離が長いほど広く形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によれば、集電耳の間隔距離が長いほど、集電体の額縁部の幅が広くなるので、これらの集電耳から離れた集電体の開口部の間にまで十分な電流を流すことができるようになり、活物質の反応分布を集電体の全体で均一化して、電圧の低下を抑制することができるようになる。この集電体に活物質を担持させた電極を巻回する際には、この巻回の1巻ごとや所定巻数ごとに集電耳を突出させるようにすれば、外周側ほど間隔距離が長くなる。しかし、例えば内周側に比べて外周側の方が少ない巻数ごとに集電耳を突出させるようにすれば、この集電耳の間隔距離が内外周で極端に相違するのを防止することができるようになる。ただし、この場合も、発電要素の端面に突出する集電耳を揃えるためには、間隔距離にある程度の相違が生じるのを避けることはできない。そこで、本発明により、この間隔距離に応じて額縁部の幅を変化させれば、集電耳を突出させる位置の決め方にかかわりなく、このような間隔距離の相違による活物質の反応分布の不均一を防止し電圧の低下を抑制することができるようになる。
【0012】
なお、額縁部の幅は、請求項1の場合と同じ意味である。また、額縁部の幅が集電耳の間隔距離が長いほど広く形成されるというのは、この間隔距離の短い方から順にその集電耳間の額縁部の幅が単調増加することを意味する。即ち、最も間隔距離が短い場合の額縁部の幅に比べて最も間隔距離が長い場合の額縁部の幅の方が必ず広くなり、間隔距離が相違してもこの額縁部の幅が同じであることがあってもよいが、間隔距離が長いにもかかわらず額縁部の幅が狭くなる場合は存在しないことをいう。好ましくは、この額縁部の幅は、集電耳の間隔距離に比例した広さ、即ち額縁部の幅と間隔距離の比が一定になるように形成するのがよい。さらに、最内周側の集電耳から集電体の内周側の端までの額縁部の幅と、最外周側の集電耳から集電体の外周側の端までの額縁部の幅については、請求項1の場合と同様に、任意に定めることができ、長さが長いほど幅が広くなるようにすることが好ましい。
【0013】
請求項3の発明は、前記開口部が形成された集電体における、集電耳の間の額縁部の幅が、この額縁部を挟む一対の集電耳の間隔距離に比例した長さに形成されると共に、内外周の最端側に形成された集電耳からそれぞれの集電体の端までの額縁部の幅が、これらの集電耳から集電体の端までの距離の2倍に比例した長さに形成されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3の発明によれば、集電体の額縁部の幅が集電耳の間隔距離に比例した長さとなり、この額縁部の幅と間隔距離の比を一定にすることができる。ここで、一対の集電耳の間の額縁部における両端間の電気抵抗は、この額縁部を帯状の導体と考えた場合に、その幅に反比例し、その長さ、即ち集電耳の間隔距離に比例する。従って、集電耳の間隔距離の長短にかかわりなく、この額縁部の両端間の電気抵抗をほぼ一定にすることができるので、各集電耳の間の集電体の分布定数をほぼ同じパターンとして、活物質の反応分布を均一化し、電圧の低下を抑制することができるようになる。また、集電体の端部の額縁部については、この集電体を端辺で折り返した対称形の集電体が連続する場合と同様の幅に形成することにより、集電耳間の額縁部と同様に、活物質の反応分布を均一化し電圧の低下を抑制することができるようになる。
【0015】
請求項4の発明は、前記開口部が形成された集電体が、集電耳の突出する上側端に最も接近する開口部を、この上側端からの距離が遠くなる位置に形成することにより、額縁部の幅を広げるものであることを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明によれば、帯状の集電体の幅は一定のままにして、開口部の形成位置を変化させることにより、額縁部の幅の広狭を調整することができる。この際、開口部は、同じ形状のものをずらして形成する他、形状や開口面積を変化させることにより、上側端からの距離が異なる位置に形成するようにしてもよい。また、集電耳が突出する上側端に最も接近する開口部だけを変化させてもよいし、他の開口部も含めて全体の形成位置や形状等を変化させるようにしてもよい。
【0017】
請求項5の発明は、前記開口部が形成された集電体が、集電耳の突出する上側端を外側に広げることにより、額縁部の幅を広げるものであることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明によれば、開口部の形成位置や形状等は一定のままにして、集電耳が突出する上側端の位置を変えて帯状の集電体の幅を変化させることにより、額縁部の幅の広狭を調整することができる。
【0019】
請求項6の発明は、前記開口部が形成された集電体が、2方向の桟によって区切られた平行四辺形の開口部を多数有する格子であることを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明によれば、開口部の形状が矩形や菱形等になり、例えば鉛蓄電池の極板(電極)に用いられるマス目(開口部)を設けた格子(集電体)に充填した活物質の反応分布を均一化し、高率放電時の電圧の低下を抑制することができるようになる。
【0021】
請求項7の発明は、前記開口部が形成された集電体が、円形の開口部を多数穿設された穿孔体であることを特徴とする。
【0022】
請求項7の発明によれば、例えばアルカリ蓄電池の正負の電極に用いられる穿孔体の集電体に担持させた活物質の反応分布を均一化し、高率放電時の電圧の低下を抑制することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0024】
図1〜図2は本発明の一実施形態を示すものであって、図1はマス目の形成位置を変えることにより額縁部の幅を変化させた格子の巻回前の展開図、図2は上側端を広げることにより額縁部の幅を変化させた格子の巻回前の展開図である。なお、図3〜図4に示した従来例と同様の機能を有する構成部材には同じ番号を付記する。
【0025】
本実施形態は、図3に示した円筒型の鉛蓄電池における発電要素1の正極1aと負極1bに用いる格子2について説明する。格子2は、図1に示すように、帯状の鉛シートに打ち抜き加工を施すことにより、縦横の桟によって区切られた多数の矩形のマス目2aを形成したものである。また、この格子2の帯状の上側端には、間隔を開けて複数の集電耳2bが突設されている。ただし、実際の格子2は、もっと長尺であるため、この図1や後に示す図2では長手方向を圧縮して模式的に示している。この格子2は、マス目2a部分を埋めるように活物質を充填することにより、正極1aや負極1bとなる。
【0026】
上記格子2の集電耳2bは、従来例と同様に、1巻ごとに発電要素1の上端面の所定回転角位置から突出するように、内周側では間隔距離Dが短く、外周側ほど間隔距離Dが長くなるようになっている。ただし、巻回の中心部では、曲率が大きくなりすぎるので、最内周側の集電耳2bから格子2の内周側の端までの距離を長くして、発電要素1の中心部からは集電耳2bを突出させないようにしている。また、最外周側の集電耳2bから格子2の外周側の端までの距離は、正極1aや負極1bの巻き終わりの位置に応じた長さとなる。なお、この集電耳2bの幅は、必ずしも一定である必要はなく、間隔距離Dが広い外周側ほど太く形成することもできる。
【0027】
上記格子2のマス目2aは、矩形の上下方向の長さが、巻回の内周側の集電耳2bの間では長く、外周側の集電耳2bの間では短くなるように形成されている。ただし、最下部のマス目2aと帯状の格子2の下側端との間の距離は内外周で一定であり、各マス目2aの間の桟の幅も一定となるように形成される。従って、最上部のマス目2aは、外周側ほど格子2の上側端からの距離が遠くなる位置にずれて形成され、この最上部のマス目2aと格子2の上側端との間の額縁部2cの幅Wが外周側ほど広くなる。この額縁部2cの幅Wは、その額縁部2cを挟む一対の集電耳2bの間隔距離Dに比例した長さ、即ちこの幅Wと間隔距離Dとの比が一定となるようにするのが好ましい。
【0028】
また、この格子2の最内周側の集電耳2bから格子2の内周側の端までの間のマス目2aは、この間の距離が長いため、外周側の集電耳2bの間と同様に、額縁部2cの幅Wが広くなるようにしている。そして、最外周側の集電耳2bから格子2の外周側の端までの間のマス目2aも、本実施形態ではこの間の距離が短いため、内周側の集電耳2bの間と同様に、額縁部2cの幅Wが狭くなるようにしている。これら端部の額縁部2cの幅Wは、最端側の集電耳2bから格子2の端までの間の距離の2倍に比例した長さとするのが好ましい。
【0029】
上記構成により、集電耳2bの間隔距離Dが長い外周側ほど、格子2の額縁部2cの幅Wが広くなるので、外周側では、集電耳2bの間隔距離Dは長くなるが、額縁部2cの幅Wが広いために、集電耳2bから遠いマス目2aの間にも十分な電流が流れるようになる。また、内周側では、集電耳2bの間隔距離Dが短いために、額縁部2cの幅Wが狭くても、各マス目2aの間に十分な電流が流れる。従って、格子2の内外周にかかわりなく、格子2に充填された活物質の反応分布を均一化することができる。特に、集電耳2bの間隔距離Dと額縁部2cの幅Wとの比が一定となるようにすれば、各集電耳2bの間の額縁部2cの部分の電気抵抗を、その長さにかかわりなく一定にすることができるので、活物質の反応分布をさらに均一化することができる。
【0030】
しかも、最端側の集電耳2bから格子2の端までの間についても、その距離が長いほど額縁部2cの幅Wを広くしているので、この格子2の両端部でも、活物質の反応分布を均一化することができる。また、この額縁部2cの幅Wを距離の2倍に比例した長さとした場合には、格子2を端辺で折り返した対称形の格子2が連続する場合と同様の幅Wに形成することになるので、集電耳2b間と同様の活物質の反応分布の均一化を図ることができる。
【0031】
なお、上記実施形態では、格子2上の集電耳2bの突出位置ごとにマス目2aの形成位置を変える場合について説明したが、集電耳2bの突出位置にかかわりなく、外周側に行くに従ってマス目2aの形成位置が変わるようにすることもできる。ただし、実際には、いずれの場合も、連続した打ち抜き加工は容易ではなくなるので、この集電耳2bの突出数よりも少ない段階数で、外周側ほどマス目2aの形成位置が変わるようにしてもよい。 また、このマス目2aは、上下方向の長さを変えるだけでなく、形状全体を変化させて開口部の開口率を変えるようにしてもよい。しかも、図1に示した格子2の上下に配置された全ての集電耳2bの大きさを変えるのではなく、最上部のマス目2aの大きさだけ、又は、上部の複数のマス目2aの大きさだけを変えるようにしてもよい。さらに、マス目2aが十分に細かい場合には、本来最上部に形成されるべきマス目2aの形成を省略することにより、最上部のマス目2aを1段下部のものに変更して額縁部2cの幅Wを広げるようにすることもできる。また、マス目2aの大きさを変える代わりに、外周側ほど間隔を詰めて下寄りに形成することにより、形成密度を変えて最上部のマス目2aの形成位置を下方にずらすようにすることもできる。
【0032】
また、上記のようにマス目2aの形成位置を変えるのではなく、図2に示すように、格子2の上側端の位置自体を上方にずらすことにより、額縁部2cの幅Wを広げるようにしてもよい。この場合、マス目2aは、格子2の下側端に沿って内外周で均一に形成される。そして、各集電耳2bの間では、外周側ほど格子2の上側端を上方にずらすことにより、額縁部2cの幅Wを広げる。また、最端側の集電耳2bから格子2の端までの間についても、その距離が長いほど格子2の上側端を上方にずらすようにしている。従って、集電耳2bの間隔距離Dが長い外周側や、格子2の端までの距離が長いほど、格子2の額縁部2cの幅Wが広くなるので、活物質の反応分布を均一化することができる。特に、この図2の場合には、マス目2aが均一に形成されるので、従来と同様の連続した打ち抜き加工により格子2を容易に製造することができるようになる。ところで、格子2の上側端が上方にずれる分だけ、発電要素1の高さが部分的に高くなるが、この格子2の上側端を一律に全て上方にずらしたのでは、集電耳2bの間隔距離Dが短い部分でも額縁部2cの幅Wが広くなるので、この部分での活物質の反応が促進されすぎて、反応分布の均一化を阻害することになるという弊害を生じる。
【0033】
また、上記実施形態の発電要素1では、正極1aや負極1bを1巻きするごとに格子2の集電耳2bを突出させる場合について説明したが、所定巻数ごとに集電耳2bを突出させるようにしてもよい。また、この集電耳2bを突出させる巻数を内周側では多くし外周側では少なくすることにより、格子2上での集電耳2bの間隔距離Dの相違が内外周で極端に大きくなるのを防止することもできる。ただし、この場合には、集電耳2bの間隔距離Dは、外周側ほど長いとは限らないので、実際の集電耳2bの間隔距離Dが長いほど額縁部2cの幅Wが広くなるようにする。
【0034】
また、上記実施形態では、正極1aと負極1bの格子2の集電耳2bが共に発電要素1の上端面に突出する場合について説明したが、これらの正極1aと負極1bのいずれか一方の集電耳2bは、下端面に突出するようにしてもよい。この場合、図1や図2に示した格子2は、正極1aと負極1bのいずれか一方に用いられるものが上下を逆にして巻回されることになる。
【0035】
また、上記実施形態では、格子2に矩形のマス目2aを打ち抜き加工によって形成する場合について説明したが、このマス目2aの開口部の形状は任意であり、桟を斜め方向に形成して菱形にしたり、桟のない丸孔にすることもできる。さらに、このマス目2aは、打ち抜き加工に限らず、鋳造によって形成したり、エキスパンド加工等によって形成することもできる。
【0036】
また、上記実施形態では、鉛蓄電池の格子2について説明したが、アルカリ蓄電池等においても、丸孔等の開口部を穿孔した集電体を電極に用いるので、少なくとも正極1a又は負極1bのいずれかに開口部が形成された集電体を用いる電池であれば、この電池の種類は問わない。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の電池によれば、集電体の上側端から突出する集電耳の間隔距離が長いほど額縁部の幅を広くすることにより、この集電体に担持させる活物質の反応分布を集電体全体で均一化し、電圧の低下を抑制することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであって、マス目の形成位置を変えることにより額縁部の幅を変化させた格子の巻回前の展開図である。
【図2】本発明の一実施形態を示すものであって、上側端を広げることにより額縁部の幅を変化させた格子の巻回前の展開図である。
【図3】従来例を示すものであって、鉛蓄電池の巻回型の発電要素の構造を説明するための組み立て斜視図である。
【図4】従来例を示すものであって、鉛蓄電池の電極に用いる格子の巻回前の展開図である。
【符号の説明】
1 発電要素
1a 正極
1b 負極
2 格子
2a マス目
2b 集電耳
2c 額縁部
Claims (7)
- 帯状の集電体に活物質を担持させた正極と負極をセパレータを介して巻回した巻回型の発電要素を備えた電池において、少なくとも正極と負極のいずれか一方の電極の帯状の集電体に多数の開口部が形成されると共に、この集電体の帯状の上側端から巻回の外周側ほど長い間隔で3箇所以上に集電耳が突出して形成され、集電耳の突出位置が発電要素の端面上の同じ回転角位置に揃い、集電耳が突出する間の集電体の各上側端と、この上側端に最も接近して形成された開口部との間の額縁部の幅が、外周側ほど広く形成されたことを特徴とする電池。
- 帯状の集電体に活物質を担持させた正極と負極をセパレータを介して巻回した巻回型の発電要素を備えた電池において、少なくとも正極と負極のいずれか一方の電極の帯状の集電体に多数の開口部が形成されると共に、この集電体の帯状の上側端から集電耳が3箇所以上に突出して形成され、集電耳の突出位置が発電要素の端面上の同じ回転角位置に揃い、集電耳が突出する間の集電体の各上側端と、この上側端に最も接近して形成された開口部との間の額縁部の幅が、この額縁部を挟む一対の集電耳の間隔距離が長いほど広く形成されたことを特徴とする電池。
- 前記開口部が形成された集電体における、集電耳の間の額縁部の幅が、この額縁部を挟む一対の集電耳の間隔距離に比例した長さに形成されると共に、内外周の最端側に形成された集電耳からそれぞれの集電体の端までの額縁部の幅が、これらの集電耳から集電体の端までの距離の2倍に比例した長さに形成されたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電池。
- 前記開口部が形成された集電体が、集電耳の突出する上側端に最も接近する開口部を、この上側端からの距離が遠くなる位置に形成することにより、額縁部の幅を広げるものであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の電池。
- 前記開口部が形成された集電体が、集電耳の突出する上側端を外側に広げることにより、額縁部の幅を広げるものであることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の電池。
- 前記開口部が形成された集電体が、2方向の桟によって区切られた平行四辺形の開口部を多数有する格子であることを特徴とする請求項1,2,4又は5に記載の電池。
- 前記開口部が形成された集電体が、円形の開口部を多数穿設された穿孔体であることを特徴とする請求項1,2,4又は5に記載の電池。
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