JP4779564B2 - 抄紙機のシュープレス装置及び紙の製造方法 - Google Patents

抄紙機のシュープレス装置及び紙の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、抄紙機の例えば脱水部に設けられ、走行している湿紙を加圧するための、抄紙機のシュープレス装置及び紙の製造方法に関するものである。
図7は、従来の抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。このようなシュープレス装置は、抄紙機の例えば脱水部に設けられる。
図7に示すように、従来のシュープレス装置は、シューモジュール120と、このシューモジュール120に対向して設けられ、表面をゴム又は金属プレートで被覆された、或いは、耐腐食性の高い金属セルを用いた対向ロール4とを備えて構成されており、吸水性のあるフェルト2,3により挟まれた状態の湿紙(単に紙ともいう)1を対向ロール4とシューモジュール120とのニップ部で加圧して、湿紙1に含まれている水分をフェルト2,3へ移動させ、湿紙1を脱水するようになっている。なお、図7中、矢印A1は対向ロール4の回転方向、矢印A2はブランケット6の回転方向、矢印A3は湿紙1及びフェルト2,3の走行方向を示している。
シューモジュール120は、円筒形状のブランケット6と、ブランケット6の内部の対向ロール4に対向する位置に固設され、ブランケット6を対向ロール4へ向かって加圧する加圧機構100と、ブランケット6内部の加圧機構100よりもブランケット6の回転方向上流側に固設され、ブランケット6の内周面に潤滑油を噴射する潤滑油噴射ノズル21とを主に備えて構成されている。
ブランケット6は可撓部材で形成されており、対向ロール4を回転駆動することにより対向ロール4に従動して回転するようになっている。加圧機構100は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック101と、ピストンブロック101の上面101aに形成された溝部102,103と、溝部102,103のそれぞれに嵌挿されたピストン104,105と、ピストンブロック101内に形成され、外部から溝部102,103の底部に加圧油を供給する加圧油供給路106,107と、ピストン104,105の上部に配置され、装置幅方向へ延設されたシュー109とを主に備えて構成されている。
また、ピストン105とシュー109とは接触しているが、ピストン104とシュー109との間にはピストンバー108が介装されており、ピストン104が上下方向へ動くと、シュー109が、シュー109とピストン105との接触点を支点にして上下方向へ滑らかに動くようになっている。
さらに、シュー109の上面(即ち、対向ロール4に対向する面)109aは、対向ロール4の表面に沿うように円弧状にくぼんで形成されており、このシュー109がブランケット6を介して対向ロール4に押し付けられることにより、対向ロール4とシューモジュール120との間にニップが形成される。
また、図7に示すシュープレス装置では、ピストン105は、対向ロール4の回転中心4aから鉛直下方へ引いた(ピストン104,105による力の方向に平行に引いた)鉛直線R0から紙走行方向上流側へ距離L1だけ離れた位置に配置され、ピストン104は、この鉛直線R0から紙走行方向下流側へ距離L2(ここではL2>L1)だけ離れた位置に配置されている。このようなピストン104,105の位置関係は適宜設定されるものである。
従来のシュープレス装置は、上述のように構成されているので、加圧油供給路107に加圧油を供給すると、ピストン105が上方向へ動いてシュー109のブランケット6の回転方向上流側を押し上げる。また、加圧油供給路106に加圧油を供給すると、ピストン104が上方向へ動いてシュー109のブランケット6の回転方向下流側を押し上げる。つまり、加圧油供給路106,107に供給する加圧油の油圧を変えることで、ピストン104,105がシュー109の下流側と上流側をそれぞれ押し上げる力を調整することが可能である。
例えば、図7に示すシュープレス装置(L2>L1)では、加圧油供給路107に供給する加圧油の油圧P1と、加圧油供給路106に供給する加圧油の油圧P2とを同じ値(例えば約6.7MPa)にした場合には、図8(a)に示すように、紙1にかかる面圧が、シュー109の紙走行方向上流側端部E1から下流側端部E2にかけて上昇していき、シュー109の紙走行方向下流側端部E2の部分で一番高い面圧(ピーク面圧)P100(例えば約6.8MPa)となる圧力プロファイルが得られる。
また、油圧P2を油圧P1よりも高くした場合(例えばP1=約5MPa,P2=約8.3MPa)には、図8(a)に示す圧力プロファイルの勾配がさらに大きくなって例えば図8(b)に示すような圧力プロファイルとなり、シュー109の紙走行方向下流側端部E2のピーク面圧は、上記ピーク面圧P100よりもさらに高い値(例えば約8.5MPa)P200になる。
さらに、油圧P2を油圧P1よりも小さくした場合(例えばP1=約8.3MPa,P2=約5MPa)には、図8(c)に示すように、圧力プロファイルの勾配は、図8(a)に示す圧力プロファイルの勾配よりも小さくなり、シュー109の紙走行方向下流側端部E2のピーク面圧P300は、図8(a)に示すピーク面圧P100よりも小さい値(例えば約5MPa)となる。
なお、シュー109の紙走行方向下流側端部E2の面圧がシュー109の紙走行方向上流側端部E1の面圧よりも低い圧力プロファイルとすると、湿紙1からフェルト2,3へ一度吸収された水がまた湿紙1へ戻ってしまうため、一般には、上述したようにシュー109の紙走行方向下流側端部E2の面圧がシュー109の紙走行方向上流側端部E1の面圧よりも高い圧力プロファイルとなるように設定している。
上述したようなシュープレス装置は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されている。
米国特許公報5167768 米国特許公報4917768
ところで、一般に、シュープレス装置は、例えば一対のロールにより形成されるニップと比べて長い幅のニップを有しており、比較的低い圧力で且つ長い時間圧力をかけることができるため、湿紙1を圧密化せずに搾水することが可能で、厚みが要求されるかさ高の紙を搾水するのに適している。
一方、抄紙機で比較的厚みの薄い高密度のコート原紙などの紙を製造する場合には、より高いピーク面圧で湿紙1をつぶす(圧密する)必要がある。なお、このようなコート原紙を製造する場合、湿紙1にかける圧力が不十分であると、湿紙1の内部の層間強度が弱くなり、湿紙1を乾燥させたときに内部が裂けてしまうおそれがある(この現象を「ブリスター」ともいう)。
したがって、コート原紙を製造するには、例えばシュープレス装置よりも紙走行方向下流側に一対のロールを設けて湿紙1を圧密することが考えられるが、この場合、装置が大型化してしまう。そこで、シュープレス装置単体で、かさ高の紙だけでなく、コート原紙にも対応できるようにしたい。
しかしながら、従来のシュープレス装置では、油圧P2をさらに大きくしてシュー109の紙走行方向下流側端部E2のピーク面圧を大きくしても、図8(b)に示す圧力プロファイルのようにピーク面圧は図8(a)に示すピーク面圧P100と比べて高くなるが、その作用時間は非常に短く、湿紙1を効果的に圧密化するのは困難である。また、油圧P1及び油圧P2を共に大きくして全体的に面圧を大きくすることも考えられるが、この場合、非常に大きな線圧を必要とするため効率的ではない。
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、シュープレス装置単体で、必要とされる紙の密度に応じて効率よく圧力をかけられるようにした、抄紙機のシュープレス装置及び紙の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、円筒形状のブランケットと該ブランケットの内部に装置幅方向に延設され該ブランケットを周外方向へ加圧する加圧機構とからなるシューモジュールと、該シューモジュールに対向して設けられ、該加圧機構により表面に該ブランケットが押圧される対向ロールとをそなえ、走行している湿紙を該シューモジュールと該対向ロールとのニップにより加圧する、抄紙機のシュープレス装置であって、該加圧機構が、該湿紙走行方向において2つの加圧領域を有し、該加圧領域毎に個別に該ブランケットを加圧するように構成されており、湿紙走行方向の上流側の加圧領域ではブランケットに動圧的に油膜が付与され、下流側の加圧領域ではブランケットに静圧的に油膜が付与されることを特徴としている。
請求項2記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、請求項1記載の装置において、前記抄紙機の脱水部に設けられ、前記湿紙を2つのフェルトで挟んだ状態で前記シューモジュールと前記対向ロールとのニップで加圧することを特徴としている。
請求項3記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、請求項1又は2記載の装置において、前記加圧機構が前記湿紙走行方向の上流側と下流側との2つに分割されているとともに、該分割された加圧機構がそれぞれ個別に前記ブランケットを加圧することを特徴としている。
請求項4記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、請求項3記載の装置において、前記分割された加圧機構の加圧領域間の隙間が50mm以下に設定されていることを特徴としている。
請求項5記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、請求項3又は4記載の装置において、前記分割された加圧機構がそれぞれ前記対向ロールの回転中心に向かって前記ブランケットを加圧することを特徴としている。
請求項6記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置は、請求項1記載の装置において、前記加圧機構が前記湿紙走行方向の上流側と下流側との前記2つの加圧領域を有しているとともに、該加圧機構の該2つの加圧領域の間の箇所が、該加圧機構の該2つの加圧領域の箇所よりも肉薄に形成されていることを特徴としている。
請求項7記載の紙の製造方法は、ブランケットの内部に装置幅方向に延設され該ブランケットを周外方向へ加圧する加圧機構を備えるシューモジュールと、該シューモジュールに対向して設けられ、該加圧機構により表面に該ブランケットが押圧される対向ロールとのニップにより走行している湿紙を加圧する、紙の製造方法であって、該加圧機構が、該湿紙走行方向において2つの加圧領域を形成し、湿紙走行方向の上流側の加圧領域では該ブランケットに動圧的に油膜付与、下流側の加圧領域では該ブランケットに静圧的に油膜付与、該加圧領域毎に個別に該ブランケットを加圧して紙を製造することを特徴としている。
請求項1記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、加圧機構が、湿紙走行方向において複数の加圧領域を有し、加圧領域毎に個別にブランケットを加圧するように構成されているので、加圧領域毎に個別に加圧力を変えることにより、シュープレス装置単体で、かさ高の紙(低密度の紙)だけでなく、コート原紙などの比較的高密度の紙であっても効率よく必要な圧力をかけることができる。
請求項2記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、抄紙機の脱水部に設けられ、湿紙を2つのフェルトで挟んだ状態で加圧するので、湿紙に含まれる水分をフェルトへ移動させて湿紙の脱水を行なうことができる。
請求項3記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、加圧機構の湿紙走行方向上流側と湿紙走行方向下流側との2つの加圧領域により個別にブランケットを加圧するので、簡素な構成により、効率よく必要な圧力をかけることができる。
請求項4記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、分割された加圧機構の加圧領域間の隙間が50mm以下に設定されているので、この隙間区間でフェルトから湿紙に戻ってくる水分量(これを再湿量ともいう)を極めて少なくすることができる。
請求項5記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、分割された加圧機構がそれぞれ対向ロールの回転中心に向かってブランケットを加圧するので、より効率よく加圧を行なうことができる。
請求項6記載の本発明の抄紙機のシュープレス装置によれば、加圧機構が湿紙走行方向の上流側と下流側との2つの加圧領域を有しているとともに、加圧機構の2つの加圧領域の間の箇所が、加圧機構の2つの加圧領域の箇所よりも肉薄に形成されているので、この肉薄部分が変形しやすくなり、これにより、加圧機構を完全に分割することなく上記2つの加圧領域の圧力をそれぞれ個別に変更することが可能となる。これにより、2つの加圧領域の間でフェルトから湿紙に戻ってくる水分量(再湿量)を極めて少なくする事ができる。
請求項7記載の紙の製造方法によれば、加圧機構が、湿紙走行方向において複数の加圧領域を形成し、加圧領域毎に個別にブランケットを加圧するので、加圧領域毎に個別に加圧力を変えることにより、シュープレス装置単体で、かさ高の紙(低密度の紙)だけでなく、コート原紙などの比較的高密度の紙であっても効率よく必要な圧力をかけて紙を製造することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態
図1〜図3は、本発明の第1実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、図1はその装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図、図2(a)及び図2(b)はそれぞれシューの紙走行方向位置における圧力プロファイルを示す図、図3は一般的なプレスによる脱水時におけるフェルト接触時間と再湿量との関係を示すグラフである。なお、図1において、前述した従来例と同一の部位については同一の符号を用いて示している。また、以下では、本シュープレス装置を、抄紙機の脱水部に設けた場合について説明する。
図1に示すように、本シュープレス装置は、シューモジュール5と、このシューモジュール5に対向して設けられ、表面をゴム又は金属プレートで被覆された、或いは、耐腐食性の高い金属セルを用いた対向ロール(金属ロール)4とを備えて構成されており、吸水性のあるフェルト2,3により挟まれた状態の湿紙(単に紙ともいう)1を対向ロール4とシューモジュール5とのニップ部で加圧して、湿紙1に含まれている水分をフェルト2,3へ移動させ、湿紙1を脱水するようになっている。なお、図1中、矢印A1は対向ロール4の回転方向、矢印A2はブランケット6の回転方向、矢印A3は湿紙1及びフェルト2,3の走行方向を示している。また、ここでは、便宜上、シューモジュール5の上方に対向ロール4を備えたシュープレス装置について説明するが、対向ロール4とシューモジュール5とを上下逆に配置したり、左右に配置したりしてもよい。
シューモジュール5は、円筒形状のブランケット6と、ブランケット6の内部の対向ロール4に対向する位置に固設され、ブランケット6を対向ロール4へ向かって加圧する加圧機構7と、ブランケット6の内部の加圧機構7よりもブランケット6の回転方向上流側に固設され、ブランケット6の内周面に潤滑油を噴射する潤滑油噴射ノズル21とを主に備えて構成されている。
ブランケット6は可撓部材で形成されており、対向ロール4を回転駆動することにより対向ロール4に従動して回転するようになっている。また、潤滑油噴射ノズル21から噴射される潤滑油によりブランケット6の内周面に油膜が形成され、ブランケット6と加圧機構7のシュー20との接触を防止するようになっている。
また、本実施形態にかかる加圧機構7は、第1加圧機構(第1の加圧機構)25と、第2加圧機構(第2の加圧機構)26とを備えている。ここで、第1加圧機構25は、ブランケット6に動圧的に油膜を付与する、即ち、ブランケット6がシュー20に対して相対的に運動する事により、その間の潤滑油を引きずり込み油膜を形成し、流体潤滑を行う機構である。また、第2加圧機構26は、ブランケット6に静圧的に油膜を付与する、即ち、ブランケット6とシュー11間の隙間に潤滑油を圧送する事により油膜を形成し、流体潤滑を行う機構である。
より具体的には、第1加圧機構25は、対向ロール4の回転中心4aから鉛直下方へ引いた鉛直線R0よりも紙走行方向上流側(又はブランケット6の回転方向上流側)に配置されており、また、第2加圧機構26は、鉛直線R0よりも紙走行方向下流側(又はブランケット6の回転方向下流側)に配置されている。
第1加圧機構25は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック15を備えている。ピストンブロック15の上面15aは、対向ロール4の回転中心4aに対向するように傾斜して形成されている。即ち、ピストンブロック15の上面15aの垂直上方に対向ロール4の回転中心4aが位置している。
また、ピストンブロック15の上面15aには、装置幅方向に亘って帯状に形成された溝部(凹部)16が設けられている。この溝部16は、上面15aに対して垂直に形成されている。即ち、溝部16は、対向ロール4の回転中心4aへ向かって開口している。
また、溝部16にはピストン18が嵌挿されているとともに、ピストンブロック15の内部には、ピストン18の下面と溝部16の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路17が形成されている。そして、この加圧油供給路17に外部から加圧油を供給することにより、ピストン18を上方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かう方向へ動作させるようになっている。
さらに、ピストン18の上部にはピストンバー19を介してシュー(第1のシュー)20が配置されており、このシュー20の上面20aがブランケット6の内周面に接するようになっている。シュー20は装置幅方向に延びる板状に形成されており、シュー20の上面20aは、対向ロール4の外周面に沿うような円弧状に形成されている。そして、シュー20は、ピストン18が上方向へ動くとピストンバー19を介して押され、ブランケット6を周外方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かって加圧するようになっている。また、ここでは、鉛直線R0とシュー20による加圧方向とのなす角度がθ1に設定されている。
また、シュー20の上面20aのブランケット6の回転方向上流側及び下流側の端部はそれぞれ丸みを帯びて形成されており、ブランケット6の損傷が防止されるようになっている。
一方、第2加圧機構26は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック8を備えている。ピストンブロック8の上面8aは、対向ロール4の回転中心4aに対向するように傾斜して形成されている。即ち、ピストンブロック8の上面8aの垂直上方に対向ロール4の回転中心4aが位置している。
また、ピストンブロック8の上面8aには、装置幅方向に亘って帯状に形成された溝部(凹部)9が設けられている。この溝部9は、上面8aに対して垂直に形成されている。即ち、溝部9は、対向ロール4の回転中心4aへ向かって開口している。
また、溝部9にはピストンシュー(第2のシュー)11が嵌挿されているとともに、ピストンブロック8の内部には、ピストンシュー11の下面と溝部9の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路10が形成されている。そして、この加圧油供給路10に外部から加圧油を供給することにより、ピストンシュー11を上方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かう方向へ動作させるようになっている。また、ここでは、鉛直線R0とピストンシュー11による加圧方向とのなす角度がθ2に設定されている。
また、ピストンシュー11の上面11aが、ブランケット6の内周面に接するようになっている。さらに、ピストンシュー11の上面11aのブランケット6の回転方向における中間部には、装置幅方向に亘って帯状のシュー溝部13が一つ又は複数形成されている。さらに、ピストンシュー11の内部には、シュー溝部13の底部とピストンシュー11の下面とを接続する接続通路12が形成されており、加圧油供給路10を通してピストンシュー11の下面とピストンブロック8の溝部9の底部との間に供給された圧力油が、ピストンシュー11の接続通路12を通してシュー溝部13に供給され、ブランケット6を周外方向へ加圧するとともにピストンシュー11,ブランケット6間へ潤滑油を供給するようになっている。
また、ピストンシュー11の上面11aのブランケット6の回転方向上流側及び下流側の端部はそれぞれ丸みを帯びて形成されており、ブランケット6の損傷が防止されるようになっている。さらに、シュー溝部13のブランケット6の回転方向下流側の壁部13aの上部も丸みを帯びて形成されており、これによってもブランケット6の損傷が防止されるようになっている。
さらに、シュー20のブランケット6の回転方向下流側端部とピストンシュー11のブランケット6の回転方向上流側端部との隙間22は、ここでは50mm以下に設定されている。また、より好ましくは、上記隙間22が25mm以下に設定されているのがよい。
本発明の第1実施形態にかかる抄紙機のシュープレス装置は、上述のごとく構成されているので、その紙走行方向(ブランケット6の回転方向又は対向ロール4の回転方向)における圧力プロファイルは、図2(a)及び図2(b)に示すような圧力プロファイルとなる。なお、図2(a)及び図2(b)中、G1はシュー20の紙走行方向上流側端部の位置、G2はシュー20の紙走行方向下流側端部の位置、G3はピストンシュー11の紙走行方向上流側端部の位置、G4はピストンシュー11の紙走行方向下流側端部の位置を示している。
例えば、かさ高(例えば紙密度0.6g/cc)の紙を製造する場合には比較的低いピーク面圧が必要となるため、例えば図2(a)に示すように、シュー20の面圧とピストンシュー11の面圧とが互いに低く且つ略同じ面圧となるように、第1加圧機構25の油圧P20と第2加圧機構26の油圧P21とを設定する。一方、コート原紙などの厚みの薄い(例えば紙密度0.76g/cc)紙を製造する場合には比較的高いピーク面圧が必要となるが、ニップ部全体のピーク面圧を高くしようとすると非常に大きな油圧が必要となり効率的でない。そこで、図2(b)に示すように、必要な領域の面圧、即ち紙走行方向下流側の面圧(ピストンシュー11の面圧)だけが大きくなるように、第1加圧機構25の油圧P20と第2加圧機構26の油圧P21とを設定する。
このように、本シュープレス装置によれば、ニップ部における加圧領域を、紙走行方向の上流側と下流側との2つの加圧領域に分割して、それぞれ個別に加圧力を変更することができる。これにより、必要とされる紙の密度に応じて効率よく必要な圧力をかけることが可能となる。例えば、上述したように、かさ高の紙だけでなく、コート原紙などの比較的高密度が必要な紙であっても効率よく必要な圧力をかけ圧密化することができる。また、シュープレス装置単体で対応できるので、従来のようにコート原紙を加圧するための一対のロールを設ける必要がなく、装置が大型化してしまうこともない。さらに、本実施形態のように、2つの加圧領域にするという簡素な構成により上記効果を得ることができる。
なお、図3に示すように、一般的に、湿紙1を2枚のフェルト2,3で挟んだ状態で加圧した場合、湿紙1からフェルト2,3へ移動した水分が湿紙1へ戻ってくる水分量(再湿量)は、計算値(実線)及び実験値(破線)とも、フェルト接触時間が長くなるにつれて増加していき、再湿量はフェルト1枚当り略60g/m2に近づくことがわかっている。つまり、湿紙1はニップを出ると上記の再湿量の分だけ水分を吸収してしまう。したがって、本実施形態のようにシュー20とピストンシュー11との間に隙間22が形成されていると、湿紙1がシュー20と対向ロール4とのニップを通過してからピストンシュー11と対向ロール4とのニップに突入するまでの間に、フェルト2,3から湿紙1に水分が戻ってきてしまうことが考えられるが、この隙間22を通過する時間は非常に短いため、全体の再湿量にはほとんど影響がない。本実施形態にかかる抄紙機は、約1500rpm以上の高速で運転することが可能であるが、例えば約500rpmの低速で運転した場合でも、湿紙1が隙間22を通過する時間は数msecであり非常に短く、また、例えば、隙間22が25mmである場合には再湿量は4g/m2、隙間22が約50mmである場合には再湿量は約6g/m2と非常に小さく、全体の再湿量を増加させる要因とはならない。このような理由から、上述したように、隙間22は、50mm以下に設定されていることが好ましく、より好ましくは25mm以下に設定されているのがよい。
また、本実施形態では、ピストンシュー11により静圧を付与するようにしたが、このような静圧では、ブランケット6の内周面とピストンシュー11との間に油膜が形成されやすいためブランケット6の内周面の損傷を防止できる。また、より安定した圧力を付与しやすいという利点もある。
さらに、ピストンシュー11による紙走行方向における加圧幅W1(図2参照)は、約75〜100mmであることが好ましい。このような加圧幅W1を有していれば、例えばコート原紙を加圧する場合に十分な圧力をかけ、湿紙1を圧密化することが可能である。
(B)第2実施形態(参考例)
図4(a)および図4(b)は本発明の第2実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。ここで、図4(b)は、図4(a)に示したシュープレス装置のシュー32の形状を変化させた変形例を示している。なお、図4(a)及び図4(b)において、前述した従来例及び第1実施形態と同一の部位については同一の符号を用いて示している。また、図4(b)については、シューモジュール5のみを図示している。
図4(a)に示すように、本実施形態にかかるシュープレス装置は、シューモジュール5の加圧機構7の第2加圧機構26′が第1実施形態と異なる。以下、この第2加圧機構26′について説明し、その他の構成については第1実施形態と同様であるのでここではその説明を省略する。
本実施形態にかかる第2加圧機構26′は、第1加圧機構25と同じ動圧式の加圧機構となっている。具体的には、第2加圧機構26′は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック8を備えている。ピストンブロック8の上面8aは、対向ロール4の回転中心4aに対向するように傾斜して形成されている。即ち、ピストンブロック8の上面8aの垂直上方に対向ロール4の回転中心4aが位置している。
また、ピストンブロック8の上面8aには、装置幅方向に亘って帯状に形成された溝部(凹部)9が設けられている。この溝部9は、上面8aに対して垂直に形成されている。即ち、溝部9は、対向ロール4の回転中心4aへ向かって開口している。
また、溝部9にはピストン30が嵌挿されているとともに、ピストンブロック8の内部には、ピストン30の下面と溝部9の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路10が形成されている。そして、この加圧油供給路10に外部から加圧油を供給することにより、ピストン30を上方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かう方向へ動作させるようになっている。
さらに、ピストン30の上部にはピストンバー31を介してシュー32が配置されており、このシュー32の上面32aがブランケット6の内周面に接するようになっている。図4(a)に示した実施例においては、シュー32は装置幅方向に延びる板状に形成されており、シュー32の上面32aは、対向ロール4の外周面に沿うような円弧状に形成されている。そして、シュー32は、ピストン30が上方向へ動くとピストンバー31を介して押され、ブランケット6を周外方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かって加圧するようになっている。また、ここでは、鉛直線R0とシュー32による加圧方向とのなす角度はθ2に設定されている。
また、シュー32の上面32aのブランケット6の回転方向上流側及び下流側の端部はそれぞれ丸みを帯びて形成されており、ブランケット6の損傷が防止されるようになっている。
本発明の第2実施形態にかかる抄紙機のシュープレス装置は、上述のごとく構成されているので、第1加圧機構25のシュー20及び第2加圧機構26′のシュー32により、紙走行方向の上流側と下流側とで異なる圧力をかけることができ、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、シュー32の形状は図4(a)に示した形状に限られるものではなく、他の変形例として、図4(b)に示すようにシュー32を凸型の形状とし、湿紙の圧密性能を更に高める事も可能である。
(C)第3実施形態(参考例)
図5は本発明の第3実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。なお、図5において、前述した従来例及び第1実施形態と同一の部位については同一の符号を用いて示している。
図5に示すように、本実施形態にかかるシュープレス装置は、シューモジュール5の加圧機構7′が第1実施形態と異なる。以下、この加圧機構7′について説明し、その他の構成については第1実施形態と同様であるのでここではその説明を省略する。
本実施形態にかかる加圧機構7′は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック40を備えている。ここでは、ピストンブロック40は、対向ロール4の回転中心4aから鉛直下方へ引いた鉛直線R0上に配置されている。そして、ピストンブロック40の上面40aは、対向ロール4の回転中心4aに対向するように水平に形成されている。即ち、ピストンブロック40の上面40aの垂直上方方向の直線上に対向ロール4の回転中心4aとピストンバー44が位置している。ただし、ピストンブロック40とピストンバー44の位置関係は、第1実施形態と同様に対向ロール4の鉛直下方に限定されるものではない。
また、ピストンブロック40の上面40aには、装置幅方向に亘って帯状に形成された溝部(凹部)41が設けられている。この溝部41は、上面40aに対して垂直に形成されている。即ち、溝部41は、対向ロール4の回転中心4aへ向かって開口している。
また、溝部41にはピストン43が嵌挿されているとともに、ピストンブロック40の内部には、ピストン43の下面と溝部41の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路42が形成されている。そして、この加圧油供給路42に外部から加圧油を供給することにより、ピストン43を上方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かう方向へ動作させるようになっている。
さらに、ピストン43の上部にはピストンバー44を介してベース部材45が配置されており、このベース部材45の上部にボルト49によりシュー52が取り付けられている。また、このシュー52の上面52aがブランケット6の内周面に接するようになっている。シュー52は装置幅方向に延びる板状に形成されており、シュー52の上面52aは、対向ロール4の外周面に沿うような円弧状に形成されている。そして、シュー52は、ピストン43が上方向へ動くとピストンバー44を介して押され、ブランケット6を周外方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かって加圧するようになっている。
また、シュー52の上面52aのブランケット6の回転方向上流側及び下流側の端部はそれぞれ丸みを帯びて形成されており、ブランケット6の損傷が防止されるようになっている。
さらに、シュー52の鉛直線R0よりもブランケット6の回転方向上流側の部分(シュー前半部)51aはベース部材45の上面に上記ボルト49により固定されているが、シュー52の鉛直線R0よりもブランケット6の回転方向下流側の部分(シュー後半部)51bはシュー前半部51aよりも厚みが薄く形成されている。また、シュー前半部51aとシュー後半部51bとの間の部分、即ちシュー52と鉛直線R0が交わる部分(連結部)51cは、シュー後半部51bの厚みよりもさらに薄く形成されており、シュー前半部51a及びシュー後半部51bよりも変形しやすくなっている。
また、シュー後半部51bの下面とベース部材45の上面45aとの間には隙間が形成されている。さらに、ベース部材45の上面45aのシュー後半部51bに対応する位置、即ちベース部材45の上面45aのブランケット6の回転方向下流側の位置には、装置幅方向に亘って帯状に溝部(凹部)46が形成されており、この溝部46にピストン48が嵌挿されている。また、ベース部材45の内部には、ピストン48の下面と溝部46の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路47が形成されている。そして、この加圧油供給路47に外部から加圧油を供給することにより、ピストン48を上方向へ動作させるようになっている。これにより、ピストン48の上面がシュー後半部51bの下面に当接し、連結部51cを支点にしてシュー後半部51bを上方向へ押し上げるようになっている。
本発明の第3実施形態にかかる抄紙機のシュープレス装置は、上述のごとく構成されているので、加圧油供給路42に供給する加圧油の油圧P40を調整することにより、シュー52全体の加圧力を調整できるとともに、さらに加圧油供給路47に供給する加圧油の油圧P41を調整することにより、シュー後半部51bの加圧力を調整することができる。
このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ニップ部における加圧領域を、紙走行方向の上流側と下流側との2つの加圧領域(ここではシュー前半部51a,シュー後半部51bの2つの動圧領域)に分割して、それぞれ個別に加圧力を変更することができる。これにより、必要とされる紙の密度に応じて効率よく必要な圧力をかけることが可能となる。例えば、かさ高の紙だけでなく、コート原紙などの比較的高密度が必要な紙であっても効率よく必要な圧力をかけ圧密化することができる。また、シュープレス装置単体で対応できるので、従来のようにコート原紙を加圧するための一対のロールを設ける必要がなく、装置が大型化してしまうこともない。本実施形態のように、2つの加圧領域にするという簡素な構成により上記効果を得ることができる。
また、本実施形態にかかるシュー52には、第1実施形態のような隙間22がないので、第1実施形態のように再湿量の僅かな増加も生じないという利点もある。
(D)第4実施形態
図6は本発明の第4実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。なお、図6において、前述した従来例及び第1実施形態と同一の部位については同一の符号を用いて示している。
図6に示すように、本実施形態にかかるシュープレス装置は、シューモジュール5の加圧機構7″が第1実施形態と異なる。以下、この加圧機構7″について説明し、その他の構成については第1実施形態と同様であるのでここではその説明を省略する。
本実施形態にかかる加圧機構7″は、装置幅方向へ延設されたピストンブロック40を備えている。ここでは、ピストンブロック40は、対向ロール4の回転中心4aから鉛直下方へ引いた(ピストン43による力の方向に平行に引いた)鉛直線R0上に配置されている。そして、ピストンブロック40の上面40aは、対向ロール4の回転中心4aに対向するように水平(ピストン43による力の方向に垂直)に形成されている。即ち、ピストンブロック40の上面40aの垂直上方に対向ロール4の回転中心4aが位置している。
また、ピストンブロック40の上面40aには、装置幅方向に亘って帯状に形成された溝部(凹部)41が設けられている。この溝部41は、上面40aに対して垂直に形成されている。即ち、溝部41は、対向ロール4の回転中心4aへ向かって開口している。
また、溝部41にはピストン43が嵌挿されているとともに、ピストンブロック40の内部には、ピストン43の下面と溝部41の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路42が形成されている。そして、この加圧油供給路42に外部から加圧油を供給することにより、ピストン43を上方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かう方向へ動作させるようになっている。
さらに、ピストン40の上部にはピストンバー44を介してベース部材45が配置されており、このベース部材45の上部にボルト49によりシュー52が取り付けられている。また、このシュー52の上面52aがブランケット6の内周面に接するようになっている。シュー52は装置幅方向に延びる板状に形成されており、シュー52の上面52aは、対向ロール4の外周面に沿うような円弧状に形成されている。そして、シュー52は、ピストン43が上方向へ動くとピストンバー44を介して押され、ブランケット6を周外方向、即ち対向ロール4の回転中心4aへ向かって加圧するようになっている。
シュー52の鉛直線R0よりもブランケット6の回転方向上流側の部分(シュー前半部)51aはベース部材45のブランケット6の回転方向上流側の上面に上記ボルト49により固定されている。
また、シュー52の鉛直線R0よりもブランケット6の回転方向下流側の部分(シュー後半部)51bの上面には、装置幅方向に亘って帯状に形成されたシュー溝部(凹部)54が形成されているとともに、シュー後半部51bの下面には突起部55が形成されている。また、シュー前半部51aとシュー後半部51bとの間の部分、即ちシュー52と鉛直線R0が交わる部分(連結部)51cは、シュー後半部51bの厚みよりもさらに薄く形成されており、シュー前半部51a及びシュー後半部51bよりも変形しやすくなっている。
また、シュー後半部51bの内部には、シュー溝部54の底部と突起部55の上面とを接続する接続通路56が形成されている。さらに、ベース部材45の上面45aのシュー後半部51bに対応する位置、即ちベース部材45の上面45aのブランケット6の回転方向下流側の位置には、装置幅方向に亘って帯状に溝部(凹部)60が形成されており、このシュー溝部60にシュー後半部51bの突起部55が嵌挿されている。また、ベース部材45の内部には、突起部55の上面と溝部60の底部との間に加圧油を供給するための加圧油供給路61が形成されている。そして、この加圧油供給路61に外部から加圧油を供給することにより、加圧油供給路61を通してシュー後半部51bの突起部55の下面とベース部材45の溝部60の底部との間に供給された加圧油が、シュー後半部51bの接続通路56を通してシュー溝部54に供給され、ブランケット6を周外方向へ加圧するとともにシュー52,ブランケット6間へ潤滑油を供給するようになっている。
また、シュー52の上面52aのブランケット6の回転方向上流側及び下流側の端部はそれぞれ丸みを帯びて形成されており、ブランケット6の損傷が防止されるようになっている。さらに、シュー溝部54のブランケット6の回転方向下流側の壁部54aの上部も丸みを帯びて形成されており、これによってもブランケット6の損傷が防止されるようになっている。
本発明の第4実施形態にかかる抄紙機のシュープレス装置は、上述のごとく構成されているので、加圧油供給路42に供給する加圧油の油圧P40を調整することにより、シュー52全体の加圧力を調整できるとともに、さらに加圧油供給路61に供給する加圧油の油圧P41を調整することにより、シュー後半部51bの加圧力を調整することができる。
このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、ニップ部における加圧領域を、紙走行方向の上流側と下流側との2つの加圧領域(シュー前半部51aは動圧領域、シュー後半部51bは静圧領域)に分割して、それぞれ個別に加圧力を変更することができる。これにより、必要とされる紙の密度に応じて効率よく必要な圧力をかけることが可能となる。例えば、かさ高の紙だけでなく、コート原紙などの比較的高密度が必要な紙であっても効率よく必要な圧力をかけることができる。また、シュープレス装置単体で対応できるので、従来のようにコート原紙を加圧するための一対のロールを設ける必要がなく、装置が大型化してしまうこともない。さらに、本実施形態のように、2つの加圧領域にするという簡素な構成により上記効果を得ることができる。
また、本実施形態にかかるシュー52には、第1実施形態のような隙間22がないので、第1実施形態のように再湿量の僅かな増加も生じないという利点もある。
(E)その他
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述した実施形態では、一例として、本シュープレス装置を抄紙機の脱水部に設けた場合について説明したが、本シュープレス装置は脱水部だけでなく、例えば、脱水部の下流側に設けられ、湿紙1の表面に光沢を与えるカレンダ部に適用することもできる。
また、2つの加圧領域の圧力形式は、第1実施形態では動圧−静圧、第2実施形態では動圧−動圧、第3実施形態では動圧−動圧、第4実施形態では動圧−静圧としたが、動圧及び静圧の組み合わせはこれらに限定されるものではなく、いかなる組み合わせでもよい。
さらに、上述した実施形態では、ニップ部の紙走行方向において2つの加圧領域に分割したが、さらに複数の加圧領域に分割してもよい。
本発明の第1実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。 本発明の第1実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、図2(a)及び図2(b)はそれぞれシューの紙走行方向位置における圧力プロファイルを示す図である。 本発明の第1実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、一般的なプレスによる脱水時におけるフェルト接触時間と再湿量との関係を示すグラフである。 図4(a)は本発明の第2実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図であり、図4(b)は図4(a)に示すシュープレス装置のシュー32の変形例を示す断面図である。 本発明の第3実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。 本発明の第4実施形態としての抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。 従来の抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、その装置幅方向(紙面に垂直な方向)に直角な面で切断したときの断面図である。 従来の抄紙機のシュープレス装置を説明するための図で、図8(a)〜図8(c)はそれぞれシューの紙走行方向位置における圧力プロファイルを示す図である。
符号の説明
1 湿紙
2,3 フェルト
4 対向ロール(金属ロール)
4a 対向ロールの回転中心
5 シューモジュール
6 ブランケット
7,7′,7″ 加圧機構
8,15,40 ピストンブロック
8a,15a,40a ピストンブロックの上面
9,16,41,46,60 溝部
10 加圧油供給路
11 ピストンシュー(第2のシュー)
11a ピストンシューの上面
12 接続通路
13,54 シュー溝部
13a,54a シュー溝部の壁部
17,42,47,61 加圧油供給路
18,30,43,48 ピストン
19,31,44 ピストンバー
20,32,52 シュー(第1のシュー)
20a,32a,52a シューの上面
21 潤滑油噴射ノズル
22 隙間
25 第1加圧機構
26,26′ 第2加圧機構
45 ベース部材
45a ベース部材の上面
49 ボルト
51a シュー前半部
51b シュー後半部
51c 連結部
55 突起部
56 接続通路
100 加圧機構
101 ピストンブロック
101a ピストンブロックの上面
102,103 溝部
104,105 ピストン
106,107 加圧油供給路
108 ピストンバー
109 シュー
109a シューの上面
120 シューモジュール

Claims (7)

  1. 円筒形状のブランケットと該ブランケットの内部に装置幅方向に延設され該ブランケットを周外方向へ加圧する加圧機構とからなるシューモジュールと、該シューモジュールに対向して設けられ、該加圧機構により表面に該ブランケットが押圧される対向ロールとをそなえ、走行している湿紙を該シューモジュールと該対向ロールとのニップにより加圧する、抄紙機のシュープレス装置であって、
    該加圧機構が、該湿紙走行方向において2つの加圧領域を有し、該加圧領域毎に個別に該ブランケットを加圧するように構成されており、
    湿紙走行方向の上流側の加圧領域では該ブランケットに動圧的に油膜が付与され、下流側の加圧領域では該ブランケットに静圧的に油膜が付与される
    ことを特徴とする、抄紙機のシュープレス装置。
  2. 前記抄紙機の脱水部に設けられ、前記湿紙を2つのフェルトで挟んだ状態で前記シューモジュールと前記対向ロールとのニップで加圧する
    ことを特徴とする、請求項1記載の抄紙機のシュープレス装置。
  3. 前記加圧機構が前記湿紙走行方向の上流側と下流側との2つに分割されているとともに、該分割された加圧機構がそれぞれ個別に前記ブランケットを加圧する
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の抄紙機のシュープレス装置。
  4. 前記分割された加圧機構の加圧領域間の隙間が50mm以下に設定されている
    ことを特徴とする、請求項3記載の抄紙機のシュープレス装置。
  5. 前記分割された加圧機構がそれぞれ前記対向ロールの回転中心に向かって前記ブランケットを加圧する
    ことを特徴とする、請求項3又は4記載の抄紙機のシュープレス装置。
  6. 前記加圧機構が前記湿紙走行方向の上流側と下流側との前記2つの加圧領域を有しているとともに、
    該加圧機構の該2つの加圧領域の間の箇所が、該加圧機構の該2つの加圧領域の箇所よりも肉薄に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1記載の抄紙機のシュープレス装置。
  7. ブランケットの内部に装置幅方向に延設され該ブランケットを周外方向へ加圧する加圧機構を備えるシューモジュールと、該シューモジュールに対向して設けられ、該加圧機構により表面に該ブランケットが押圧される対向ロールとのニップにより走行している湿紙を加圧する、紙の製造方法であって、
    該加圧機構が、該湿紙走行方向において2つの加圧領域を形成し、湿紙走行方向の上流側の加圧領域では該ブランケットに動圧的に油膜付与、下流側の加圧領域では該ブランケットに静圧的に油膜付与、該加圧領域毎に個別に該ブランケットを加圧して紙を製造する
    ことを特徴とする、紙の製造方法。
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