JP4778802B2 - 脱気装置、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに溶存気体除去方法 - Google Patents

脱気装置、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに溶存気体除去方法 Download PDF

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Description

本発明は、脱気装置、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに溶存気体除去方法に係り、特に液体に溶存する気体を除去する脱気技術に関する。
メディア上にインクを吐出させて所望の画像を形成するインクジェット記録装置では、溶存気体濃度の高いインクを使用して画像形成を行う場合、インク液滴の吐出時にノズル近傍にてキャビテーションによる気泡が発生し、不吐出やインク液滴の飛翔曲がり等の吐出異常を引き起こすことがある。このような気泡発生による吐出異常を回避するために、溶存気体濃度の低い脱気インクが用いられる。なお、溶存気体濃度とは、単位体積の液体(例えば、水)に溶解している気体量(単位mg/l)を表している。
しかしながら、脱気インクを用いる場合にも、大気開放型のインクタンクやノズルなど大気に触れる箇所や、インク経路に気泡が侵入した箇所などにおいて大気と接触すると、短時間にインク内の溶存気体濃度が増加し、大気と接触する状態が続くとインクの溶存気体濃度が飽和濃度に至ってしまう。また、インク供給経路内においてもガスバリア性の程度に比例して溶存気体濃度の増加が進行する。上述したように、このような溶存気体濃度の増加はインク内の気泡発生の原因となり、インク内の溶存気体濃度の増加を抑制するために様々な工夫がなされている。
特許文献1に記載された発明では、気体透過性のある膜にインクジェット記録用のインクを通過させて脱気を行うインクジェット記録用のインク脱気方法において、インクジェット記録用のインクを加温してから該膜を通過させるように構成されている。
特開2003−253169号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、気体透過性のある膜でインクと隔てた領域を減圧しているので、インクの溶存気体とともに水分等の溶媒が蒸気となって該膜を通過してしまうため、粘度等のインクの物性が変化してしまう。インクを脱気することによってインクの粘度が大きくなると、インクの増粘に起因する吐出異常を引き起こす恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、効率よく液体の溶存気体を除去するとともに液体の物性変化を抑制可能な脱気装置、液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに溶存気体除去方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る脱気装置は、第1の液体の流路となる第1の流路と、単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路と、前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液及び第2の液を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段と、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、気体交換手段において、気体透過膜を介して第1の液体に溶存する気体を第2の液体に移動させて第1の液体の溶存気体を除去するので、第1の液体の物性が変化することなく第1の液体の溶存気体を効率よく除去することができる。また、光を当てると酸素が付きやすく、光を遮断すると酸素が離れやすい性質を有するモリブデン錯体を含有する液体を第2の液体に適用し、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の第2の液体に光を照射する光照射手段を備える構成によれば、第1の液体に溶存する酸素が第2の液体に付きやすくなるので、第1の液体の溶存気体(溶存酸素)除去効率の向上が見込まれる。
気体運搬液体として機能する第2の液体は、第1の液体から移動した気体を溶解することが可能な状態である。即ち、第2の液体は溶存気体濃度が飽和濃度に達していない非飽和状態である。また、第2の液体は第1の液体と類似する物性を有することが好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の脱気装置の一態様に係り、前記第2の液体の溶存気体を除去する溶存気体除去手段と、前記溶存気体除去手段により溶存気体が除去された前記第2の液体を前記気体交換部へ循環させる循環手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第2の流路に溶存気体除去手段を備えることで、第2の液体の溶存気体濃度を所定の値以下に保つことができる。また、循環手段によって溶存気体が除去された第2の液体を循環させることで気体交換手段には常に好ましい状態の(溶存気体濃度が制御された)第2の液体が供給される。
第2の液体の溶存気体濃度(溶存酸素濃度)を検出する溶存気体濃度検出手段と、該溶存気体濃度検出手段の検出結果に基づいて溶存気体除去手段を制御する(第2の液体の溶存気体濃度が所定の値となるように溶存気体除去手段を制御する)溶存気体除去制御手段を備える態様がある。
循環手段には、溶存気体除去手段と気体交換手段とを連結する循環流路と、該循環流路内の第2の液体の圧力(流速)を可変する圧力可変手段と、該圧力可変手段を制御する圧力制御手段と、を備える態様がある。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2記載の脱気装置の一態様に係り、前記第2の液体の温度を調節する温度調節手段を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第2の液体の温度を調節することで、気体透過膜を介した熱交換による第1の液体の温度調節が可能になる。また、気体透過膜近傍の第1の液体の温度を上げることで、第1の液体の溶存気体除去効率の向上が見込まれる。
温度調節手段には、第2液体(または、第1の液体)の温度を検出する温度検出手段と、第2液体(または、第1の液体)の温度を可変させる温度可変手段と、該温度検出手段の検出結果に基づいて温度可変手段を制御する温度制御手段を備える態様がある。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記気体交換手段は、前記第1の液体が流れる第1の分岐流路を複数有し、前記第1の分岐流路の前記第2の液と接触する部分に前記気体透過膜を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、気体交換手段において、気体透過膜の第1の液及び第2の液と接触する部分の面積を大きくすることができ、第1の液体の溶存気体除去効率の向上に寄与する。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記気体交換手段は、前記第2の液体が流れる第2の分岐流路を複数有し、前記第2の分岐流路の前記第1の液と接触する部分に前記気体透過膜を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、気体交換手段において、気体透過膜の第1の液及び第2の液と接触する部分の面積を大きくすることができ、第1の液体の溶存気体除去効率の向上に寄与する。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記第1の液体と前記第2の液体との相対的な流速を可変させる流速可変手段を備えたことを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第2の液体の流速を第1の液体の流速よりも大きくすることで、第1の液体と第2の液体との間に差圧が生じ、第1の液体の溶存気体除去効率を向上させることができる。
請求項に記載の発明は、請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記第2の液体の飽和状態の溶存気体濃度は、前記第1の液体の飽和状態の溶存気体濃度以上であることを特徴とする。
請求項に記載の発明によれば、第2の液体の飽和状態の溶存気体濃度を第1の液体以上とすることで、第2の液体に溶解可能な気体量が増加し、第1の液体の気体除去効率を向上させることができる。また、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記第1の液体の溶存気体量を検出する検出手段と、前記検出された第1の液体の溶存気体量が所定値以下であり、前記第1の液体の脱気が不十分な場合には、前記光照射手段の照射能力を上げて前記第1の液体に対する脱気能力を高めるように前記光照射手段を制御する照射制御手段を備えたことを特徴とする。また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の脱気装置の一態様に係り、前記第1の液体の消費量を判断する判断手段を備え、前記照射制御手段は、前記判断手段によって第1の液体の消費量が増加して前記第1の液体の脱気が不十分になったと判断されると、前記光照射手段の照射能力を上げて前記第1の液体に対する脱気能力を高めることを特徴とする。また、請求項10に記載の発明は、請求項2乃至9のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記循環手段に含まれる流路のうち、前記溶存気体除去手段と前記気体交換手段との間は遮光される構造を有することを特徴とする。また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の脱気装置の一態様に係り、前記第2の流路内の前記第2の液体の液量を検出する液量検出手段と、前記検出された第2の液体の液量が所定量以下になると、前記第2の流路へ前記第2の液体を補充する補充手段と、を備えたことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、請求項12に記載の液体吐出ヘッドは、メディア上に第1の液体を吐出させる液体吐出ヘッドであって、第1の液体の流路となる第1の流路と、単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路と、前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液体及び第2の液体を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段と、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段と、を具備する脱気装置を備えたことを特徴とする。
請求項12に記載の発明によれば、液体吐出ヘッドの内部に気体透過膜を含んで構成される脱気装置を設けることで、該液体吐出ヘッドが搭載される装置の構成を簡素化することができるとともに、該装置の小型化に寄与する。
液体吐出ヘッドには、液体を吐出させるノズルと、該ノズルから吐出させる液体を収容する液室と、該液室内の液体を加圧する加圧手段を備える態様がある。また、液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅(記録媒体の画像形成可能幅)に対応した長さの吐出孔列を有するライン型ヘッドや、記録媒体の全幅に満たない長さの吐出孔列を有する短尺ヘッドを記録媒体の幅の方向へ走査させるシリアル型ヘッドがある。
ライン型の液体吐出ヘッドには、記録媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、記録媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
請求項13に係る発明は、請求項12に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記液体吐出ヘッドは、前記第1の液体を吐出させるノズルと、前記ノズルと連通される液室と、前記液室と連通され、前記液室へ前記第1の液体を供給し、前記ノズル及び前記液室の上側に配置される共通液室と、を備え、前記気体交換手段は、前記第1の流路が前記共通液室と兼用され、前記共通液室と兼用される前記第1の流路の上面に前記気体透過膜が設けられ、前記第2の流路が前記気体透過膜を介して前記第1の流路の上側に設けられる構造を有することを特徴とする。また、請求項14に記載の発明は、請求項12又は13に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、請求項2から11のいずれか1項に記載の脱気装置を備えたことを特徴とする。また、上記目的を達成するために、請求項15に記載の液体吐出装置は、メディア上に第1の液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、第1の液体の流路となる第1の流路、及び単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路、前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液体及び第2の液体を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段を具備する脱気装置と、を備えたことを特徴とする。
液体吐出装置には、メディア上に液体を吐出させて該液体によって形成されるドットを組み合わせて所望の画像を形成する画像形成装置が含まれる。なお、ここでいう「画像」には、写真画や線画などのいわゆる画像以外にも文字、記号などのテキストや、所定の形状を有するパターン(例えば、プリント基板の配線パターン等)が含まれる。
メディアには、液体吐出ヘッドから吐出される第1の液体を受容する様々な媒体が含まれる。例えば、連続紙やカット紙などの紙類や、樹脂シート、金属シート、繊維(布)、などがある。
請求項16係る発明は、請求項15に記載の液体吐出装置の一態様に係り、吐出データから第1の液体の流速を算出する算出手段と、前記算出された第1の液体の流速に応じて、前記光照射手段の照射能力を可変させるように前記光照射手段を制御する照射制御手段と、を備えたことを特徴とする。また、請求項17に記載の発明は、請求項15又は16に記載の液体吐出装置の一態様に係り、請求項2から11のいずれか1項に記載の脱気装置を備えたことを特徴とする。また、上記目的を達成するために方法発明を提供する。即ち、請求項18に記載の溶存気体除去方法は、第1の液体と、単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体と、を気体透過膜を介して接触させ、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射して前記第1の液体の溶存気体を除去することを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項18記載の溶存気体除去方法の一態様に係り、前記第2の液体の飽和状態の溶存気体濃度は、前記第1の液体の飽和状態の溶存気体濃度以上であることを特徴とする。
本発明によれば、気体交換手段において、気体透過膜を介して第1の液体に溶存する気体を第2の液体に移動させて第1の液体の溶存気体を除去するので、第1の液体の物性が変化することなく第1の液体の溶存気体を効率よく除去することができる。また、光を当てると酸素が付きやすく、光を遮断すると酸素が離れやすい性質を有するモリブデン錯体を含有する液体を第2の液体に適用し、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の第2の液体に光を照射する光照射手段を備える構成によれば、第1の液体に溶存する酸素が第2の液体に付きやすくなるので、第1の液体の溶存気体(溶存酸素)除去効率の向上が見込まれる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有し、各タンクは所要のインク流路15(第1の流路)を介してヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。詳細は後述するが、インク貯蔵/装填部14とヘッド12K,12C,12M,12Yとの間(ヘッド12K,12C,12M,12Yの近傍)にはヘッド12K,12C,12M,12Yに供給される各色インクの溶存気体を除去する(脱気する)気体交換部17を備えている。
また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録紙16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図7中符号88)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12の各ヘッド12K,12C,12M,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録紙16の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。
ヘッド12K,12C,12M,12Yは、記録紙16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド12K,12C,12M,12Yが記録紙16の搬送方向(以下、紙送り方向と記載)延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部22により記録紙16を搬送しつつ各ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12C,12M,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。更に、記録紙16に処理液とインクとを付着させた後に、記録紙16上でインク色材を凝集又は不溶化させて、記録紙16上でインク溶媒とインク色材とを分離させる2液系のインクジェット記録装置では、処理液を記録紙16に付着させる手段としてインクジェットヘッドを備えてもよい。
印字部12の後段には後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
加熱・加圧部44によって記録紙16を押圧すると、多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図3(a),(b) 中の4−4線に沿う断面図である。記録紙16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a),(b) に示したように、インク滴の吐出孔であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなる複数のインク室ユニット53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録紙16の送り方向と略直交する方向に記録紙16の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(c) に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドブロック50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部にノズル51と供給口54が設けられている。各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインク供給タンク(図4中不図示、図5中符号60として記載)と連通しており、該インク供給タンクから供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成し共通電極と兼用される振動板56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されており、個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形してノズル51からインクが吐出される。インクが吐出されると、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図3(b) に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd× cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
〔インク供給系の構成〕
図5はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インク供給タンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インク供給タンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図5のインク供給タンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図5に示したように、インク供給タンク60とヘッド50の間のインク流路15には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。図5には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面の清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面をキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のインク吐出面(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取り、ノズル板表面を清浄する。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、ヘッド50内のインク(圧力室52内)に気泡が混入した場合、ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッド50への装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時、アクチュエータ58の静電容量のばらつきによる誤差抽出時にも粘度上昇(固化)した劣化インクや気泡が混入した劣化インクの吸い出しが行われる。
ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面の清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
即ち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、アクチュエータ58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド50のノズル面に、圧力室52内のインクをポンプ等で吸い込む吸引手段を当接させて、気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引する動作が行われる。
但し、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。
図1でも説明したように、インク供給タンク60とヘッド50との間のインク流路15には、ヘッド50へ供給されるインク(図5には不図示、図6に符号120で図示)の溶存気体を除去する気体交換部17が設けられている。この気体交換部17は、インク流路15と、気体運搬液体(図5には不図示、図6に符号122で図示)の流路となる気体運搬液体流路100(第2の流路)と連通し、内部においてインクと気体運搬液体とを隔てる気体透過膜102を備えている。
この気体運搬液体流路100の気体交換部17の前段側には、気体運搬液体に脱気処理を施す脱気部106と、脱気部106によって脱気された気体運搬液体を気体交換部17に循環させるポンプ108と、を備えている。
即ち、気体運搬液体は、脱気部106で脱気処理が施されると気体交換部17に供給され、気体交換部17でインクの溶存気体を吸収すると、ポンプ108を介して脱気部106へ循環し、再び脱気処理が施される。
上述した気体透過膜102には、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリスルフォン、ポリアミド、ポリエーテルアミド、ポリエーテルイミドなどが適用される。また、脱気部106には中空糸膜方式などの公知の技術を適用することができる。
〔気体交換部の説明、第1実施形態〕
次に、図6を用いて、気体交換部17について詳述する。図6は、気体交換部17の概略構成を示す図である。図6に示すように、気体交換部17の内部では、インク流路15から供給されたインク120(第1の液体)と、気体運搬液体流路100から供給された気体運搬液体122(第2の液体)とを気体透過膜102によって隔てるように構成されている。
気体運搬液体122は、その溶存気体濃度がインク120以下の状態であるとともに、その溶存気体濃度が飽和濃度に達していない状態である。なお、気体運搬液体122は、インク120に近い成分(物性)であることがより好ましい。気体運搬液体122の具体例を挙げると、水、インク120と略同一組成を有するインク類などがある。
また、一般にインク120は顔料等の添加物の含有量が増加するに従い、飽和状態の溶存気体濃度が減少する傾向がある。このようなインク120の脱気効果を更に向上させるために、気体運搬液体122は飽和状態の溶存気体濃度がインク120以上であることがより好ましい。飽和状態の溶存気体濃度がインク120の飽和状態の溶存気体濃度以上となる液体の具体例を挙げると、純水がある。
図6に示す気体交換部17では、インク120の溶存気体(または、気泡)124は気体透過膜102に溶解して拡散し、該気体透過膜102を通過して気体運搬液体122に溶解する。言い換えると、インク120の溶存気体124は、気体透過膜102を介して気体運搬液体122に移動し、インク120の溶存気体124が除去される。
このようにして溶存気体が除去された(脱気された)インク120がヘッド50に供給されるので、ヘッド50の内部におけるインクの溶存気体の気泡化(ヘッド50の内部における気泡発生)が抑制され、該気泡に起因する吐出異常が防止される。
〔制御系の説明〕
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
画像メモリ74には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、画像メモリ74は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示にしたがってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介してヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色のヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータ58を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド50に対する各種補正を行う。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、画像メモリ74に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データが画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部80で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
ヘッドドライバ84は、画像バッファメモリ82に記憶されたドットデータに基づき、ヘッド50の駆動制御信号を生成する。ヘッドドライバ84で生成された駆動制御信号がヘッド50に加えられることによって、ヘッド50からインクが吐出される。記録紙16の搬送速度に同期してヘッド50からのインク吐出を制御することにより、記録紙16上に画像が形成される。
プログラム格納部90には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ72の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部90はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部90は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
システムコントローラ72は、脱気制御部130を介して図5に示す気体運搬液体122の溶存気体を除去する(気体運搬液体122に脱気を施す)脱気部106を制御する。即ち、システムコントローラ72から脱気制御部130へ送出される制御信号に基づいて、脱気制御部130は脱気部106のオンオフや脱気量(脱気時間)等の制御を実行する。
気体運搬液体流路100に溶存酸素計を備え、該溶存酸素計の計測結果(気体運搬液体122の溶存酸素濃度)に基づいて気体運搬液体122の溶存気体濃度が所定の値以下となるように脱気部106を制御してもよい。
また、システムコントローラ72は、ポンプ制御部132を介して図5に示す気体運搬液体122を循環させるポンプ108を制御する。ポンプドライバ132は、システムコントローラ72から送出される指令信号に基づいて、ポンプ108のオンオフや圧力(気体運搬液体122の流速)の制御を行う。
気体運搬液体122の流速をインク120の流速よりも早くすると、気体運搬液体122の循環による圧力損失によりインク流路15(インク120)に比べて気体運搬液体流路100(気体運搬液体122)の圧力が低くなる。このように、インク120と気体運搬液体122間に差圧が生じることで、インク120の溶存気体除去効率を向上させることができる。
上記の如く構成されたインクジェット記録装置10では、インク貯蔵/装填部14とヘッド50の間(ヘッド50の近傍)に、気体透過膜102によってインク120と気体運搬液体122とを隔てる構造を有する気体交換部17が備えられるので、インク120の溶存気体は気体透過膜102を介して気体運搬液体122に移動して、溶存気体濃度が低減化された好ましいインク120がヘッド50に供給される。
〔第2実施形態〕
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。図8は、第2実施形態に係るインク供給系の構成を示す概要図である。また、図9は、第2実施形態に係る制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、図8、図9中、図5、図7と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図8に示すように、気体運搬液体流路100の脱気部106と気体交換部17の間にヒータ140を備えている。このヒータ140は、図9(図5)に示すシステムコントローラ72の指令信号に基づいてヒータドライバ78によって制御される。
図8に示すように、脱気部106から気体交換部17へ送られる気体運搬液体122の温度を可変させることで、気体透過膜102を介した熱交換によるインク120の温度調整が可能になる。インクの温度が所定の範囲になるように調整することで、インク120の粘度を一定に維持することができ、インク120の粘度上昇による吐出異常が回避される。
また、気体透過膜102の近傍のインク120の温度を上げることでインク120の溶存気体除去効率を向上させることができる。
気体運搬液体122及び気体透過膜102を介して間接的にインク120の温度を制御するので、ヒータ140やヒータドライバ78の故障等によりインク120の温度が急激に変化することを防止できる。
インク流路15或いは気体運搬液体流路100に温度センサを備え、該温度センサから得られる温度情報に基づいてヒータ140を制御する態様が好ましい。該温度センサを気体交換部17の内部に備える態様や、ヘッド50の内部に備える態様も可能である。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図10は、第3実施形態に係るインク供給系の構成を示す概略図であり、図11は、制御系の概略構成を示すブロック図である。なお、上述した第1、第2実施形態と同一または類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
第3実施形態では、気体運搬液体122には、モリブデン錯体を含有する液体が適用される。モリブデン錯体はモリブデン原子を中心として周囲に配位子が結合した化合物であり、気体運搬液体122として使用する際は、モリブデン錯体の化合物を溶媒に溶解して使用される。例えば、溶媒として水を用いると、気体運搬液体122はモリブデン錯体水溶液となる。
また、図10に示すように、気体交換部17には気体運搬液体122に光を照射する光源150が設けられ、図11に示すように、光源150は、システムコントローラ72により光源ドライバ152を介して、オンオフ、光量、照射時間等が制御される。
モリブデン錯体は、光を当てると酸素が付きやすく、光を遮断すると酸素が離れやすい性質を有しており、気体運搬液体122に光を照射することで、気体交換部17では気体運搬液体122に酸素が付きやすくなることで、インクの溶存気体除去効率の向上が見込まれ、脱気部106では、光が遮断されることで、気体運搬液体122から酸素が離れやすくなるので、気体運搬液体の脱気効率の向上が見込まれる。
気体交換部17(及び気体交換部17の近傍の気体運搬液体流路100)における気体運搬液体122が流れる部分を透明或いは半透明の部材により構成することで、気体運搬液体122に光源150から光を照射することが可能になる。なお、脱気部106と気体交換部17との間の気体運搬液体122の循環流路101(特に、脱気部106の近傍)には、光源150からの光(漏れ光)が当たらないように遮光部材を備える態様が好ましい。
次に、光源150の制御例を示す。気体交換部17或いはインク流路15及び気体運搬液体流路100に溶存酸素計を備え、インク120の脱気性が不十分な場合(所定の溶存酸素濃度以上の場合)には、光源150の照射能力を最大にして、気体運搬液体122の酸素吸収能力を向上させる。
また、装置起動時やメンテナンス実行時など、キャップ64を用いてヘッド50内のインクが吸引され大量のインクが消費されてインク120の脱気性が不十分な場合には、光源150の照射能力を最大にして、気体運搬液体122の酸素吸収能力を向上するように制御される。
インク120の脱気性が良好になった場合(所定の溶存酸素濃度以下の場合)には、光源150の光量を低下させる(または、光源150の光照射を停止させる)。即ち、インク120または気体運搬液体122の溶存気体濃度が小さい状態では、光源150の光量を低下(停止)させることで、インク120及び気体運搬液体122の溶存気体除去能力の最適化及び光源150の省電力化を図るように制御される。
気体交換部17内の気体運搬液体122の溶存酸素濃度が所定の値を超える場合には、光源150をオフし、脱気部106の脱気能力を上げて気体運搬液体122の溶存気体の除去能力を上げるように制御される。
また、印字データからインク流路内のインクの流速(1ジョブにおける平均流速)を算出し、該インク流速に基づいて光源150の光量を制御してもよい。インク流速に応じて光源150の光量を可変させる態様によれば、インクの溶存気体除去能力の最適化及び光源150の省電力化を図ることができる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図12は、第4実施形態に係るインク供給系の概略構成を示すブロック図である。同図に示すように、キャップ64を用いてヘッド50から回収された廃インクが収容される回収タンク68と気体運搬液体122が収容される気体運搬液体タンク160がポンプ162及び弁164を介して連通される。即ち、ヘッドメンテナンス時に排出される廃インクが気体運搬液体122に転用されるように構成される。
気体運搬液体122は常時脱気されるので、溶媒が蒸発(気化)してその量が減少してしまい、この減少分を適当なタイミングで補充する必要がある。気体運搬液体タンク160内の液量(水位)を検出するセンサを備え、該気体運搬液体タンク160内の気体運搬液体122の液量が所定量よりも少なくなると、ポンプ162を動作させるとともに弁164を開放して、回収タンク68内の廃インクが気体運搬用液体タンク160に供給される。
このように、気体運搬液体122として廃インクを用いる態様では、気体運搬液体122の不足によるインク120の溶存気体除去能力の低下が防止されるとともに、気体運搬液体122のコスト低減を図ることができる。
〔第5実施形態〕
次に、図13及び図14を用いて、本発明の第5実施形態について説明する。図13及び図14は、気体交換部17内のインク120の流路及び気体運搬液体122の流路の流路構造を示す図である。
図13に示す態様では、気体交換部17内で気体運搬液体122の流路が分割され、複数の分岐流路200が設けられている。また、図14に示す態様では、気体交換部17内でインク120流路が分割され、複数の分岐流路202が設けられている。
各分岐流路200,202を構成する面には気体透過膜102が設けられ、各分岐流路200内の気体運搬液体122(分岐流路202内のインク)は、気体透過膜102を介してインク120(気体運搬液体122)と気体運搬液体122(インク120)とを隔てるように構成されている。
かかる構成によれば、気体透過膜102に接触するインク120及び気体運搬液体122の面積(気体透過膜102によって形成される分岐流路200,202の表面積)を大きくすることができ、インク120の溶存気体除去効率が向上する。なお、上述した第1〜第5実施形態を適宜組み合わせる態様も可能である。
〔応用例〕
次に、図15を用いて上述した第1〜第5実施形態の応用例について説明する。図15は、本応用例に係るヘッド210の概略構造を示す図である。なお、図15では、圧力室52や供給口54(図4参照)などの構成が省略されている。
図15に示すように、共通液室55のノズル51と反対側(図15では上側)に気体透過膜102を備え、更に、気体透過膜102の共通液室55と反対側に気体運搬液体流路100が設けられる。即ち、上述した気体交換部17(図5参照)がヘッド210の内部に設けられている。
このように、ヘッド210の内部でインク120の溶存気体124を除去可能な構成によれば、ヘッド210内のインクは溶存気体が低減化された好ましい状態が維持されるので、ヘッド210内における気泡発生に起因する吐出異常を回避することが可能である。
また、ヘッド210内の気体運搬液体122の温度を可変させるヒータ(不図示)を備える態様では、ヘッド210内の気体運搬液体122の温度を制御することで、ヘッド210及びヘッド210内のインク120の温度を一定保つことができる。気体運搬液体122の温度を可変させるヒータがヘッド210の温度調節を行うヒータと兼用されるので、コストの低減化に寄与する。
〔他の実施形態〕
上記実施形態では、圧力室52の壁に接合されたアクチュエータ58を動作させて圧力室52を変形させ、圧力室52内のインクを加圧する方式を例示したが、圧力室52内にヒータを備え、該ヒータを動作させて圧力室52内にバブルを発生させて圧力室52内のインクを加圧する方式を適用してもよい。
上記実施形態では、記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
本例では、KCMYの4色に対応するインクを吐出するヘッド12K,12C,12M,12Yを備える構成を示したが、記録紙16上でインクと反応してインクを定着させる処理液を記録紙16上に吐出するヘッドを追加してもよい。
上記実施形態では印字ヘッドに備えられるノズルからインクを吐出させて、記録紙16上に画像を形成するインクジェット記録装置を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、レジストなどインク以外の液体で画像(立体形状)を形成する画像形成装置や、ノズル(吐出孔)から薬液、水などを吐出されるディスペンサ等の液体吐出装置などにも広く適用可能である。
本発明に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a),(b) 中4−4線に沿う断面図 図1に示したインクジェット記録装置の供給系の構成を示す概略図 図5に示す気体交換部の構成を説明する構成図 図1に示したインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置の供給系の構成を示す概略図 本発明の第2実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置の供給系の構成を示す概略図 本発明の第3実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第4実施形態に係るインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本発明の第5実施形態に係る気体交換部の構成を説明する構成図 図14に示す気体交換部の他の態様を示す構成図 本発明の応用例に係るヘッドの概略構成図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、15…インク流路、17…気体交換部、50,210…ヘッド、55…共通液室、100…気体運搬液体流路、101…循環流路、102…気体透過膜、120…インク、122…気体運搬液体、106…脱気装置、108…ポンプ、130…脱気制御部、132…ポンプドライバ、140…ヒータ、150…光源、152…光源ドライバ、200,202…分岐流路

Claims (19)

  1. 第1の液体の流路となる第1の流路と、
    単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路と、
    前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液及び第2の液を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段と、
    少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段と、
    を備えたことを特徴とする脱気装置。
  2. 前記第2の液体の溶存気体を除去する溶存気体除去手段と、
    前記溶存気体除去手段により溶存気体が除去された前記第2の液体を前記気体交換手段へ循環させる循環手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1記載の脱気装置。
  3. 前記第2の液体の温度を調節する温度調節手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の脱気装置。
  4. 前記気体交換手段は、前記第1の液体が流れる第1の分岐流路を複数有し、
    前記第1の分岐流路の前記第2の液と接触する部分に前記気体透過膜を備えたことを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  5. 前記気体交換手段は、前記第2の液体が流れる第2の分岐流路を複数有し、
    前記第2の分岐流路の前記第1の液と接触する部分に前記気体透過膜を備えたことを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  6. 前記第1の液体と前記第2の液体との相対的な流速を可変させる流速可変手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  7. 前記第2の液体の飽和状態の溶存気体濃度は、前記第1の液体の飽和状態の溶存気体濃度以上であることを特徴とする請求項1乃至のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  8. 前記第1の液体の溶存気体量を検出する検出手段と、
    前記検出された第1の液体の溶存気体量が所定値以下であり、前記第1の液体の脱気が不十分な場合には、前記光照射手段の照射能力を上げて前記第1の液体に対する脱気能力を高めるように前記光照射手段を制御する照射制御手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  9. 前記第1の液体の消費量を判断する判断手段を備え、
    前記照射制御手段は、前記判断手段によって第1の液体の消費量が増加して前記第1の液体の脱気が不十分になったと判断されると、前記光照射手段の照射能力を上げて前記第1の液体に対する脱気能力を高めることを特徴とする請求項8に記載の脱気装置。
  10. 前記循環手段に含まれる流路のうち、前記溶存気体除去手段と前記気体交換手段との間は遮光される構造を有することを特徴とする請求項2乃至9のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  11. 前記第2の流路内の前記第2の液体の液量を検出する液量検出手段と、
    前記検出された第2の液体の液量が所定量以下になると、前記第2の流路へ前記第2の液体を補充する補充手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至10のうち何れか1項に記載の脱気装置。
  12. メディア上に第1の液体を吐出させる液体吐出ヘッドであって、
    第1の液体の流路となる第1の流路と、
    単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路と、
    前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液体及び第2の液体を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段と、
    少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段と、
    を具備する脱気装置を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  13. 前記液体吐出ヘッドは、前記第1の液体を吐出させるノズルと、
    前記ノズルと連通される液室と、
    前記液室と連通され、前記液室へ前記第1の液体を供給し、前記ノズル及び前記液室の上側に配置される共通液室と、
    を備え、
    前記気体交換手段は、前記第1の流路が前記共通液室と兼用され、前記共通液室と兼用される前記第1の流路の上面に前記気体透過膜が設けられ、前記第2の流路が前記気体透過膜を介して前記第1の流路の上側に設けられる構造を有することを特徴とする請求項12に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 請求項2から11のいずれか1項に記載の脱気装置を備えたことを特徴とする請求項12又は13に記載の液体吐出ヘッド。
  15. メディア上に第1の液体を吐出させる液体吐出ヘッドと、
    第1の液体の流路となる第1の流路、及び単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体の流路となる第2の流路、前記第1の流路及び前記第2の流路と連通し、前記第1の液体及び前記第2の液体に接触して前記第1の液体及び第2の液体を隔てる気体透過膜を有する気体交換手段、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射する光照射手段を具備する脱気装置と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  16. 吐出データから第1の液体の流速を算出する算出手段と、
    前記算出された第1の液体の流速に応じて、前記光照射手段の照射能力を可変させるように前記光照射手段を制御する照射制御手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項15に記載の液体吐出装置。
  17. 請求項2から11のいずれか1項に記載の脱気装置を備えたことを特徴とする請求項15又は16に記載の液体吐出装置
  18. 第1の液体と、単位体積あたりの溶存気体量で表される溶存気体濃度が前記第1の液体以下であり、モリブデン錯体を含有する第2の液体と、を気体透過膜を介して接触させ、少なくとも前記気体透過膜と接触する領域の前記第2の液体に光を照射して前記第1の液体の溶存気体を除去することを特徴とする溶存気体除去方法。
  19. 前記第2の液体の飽和状態の溶存気体濃度は、前記第1の液体の飽和状態の溶存気体濃度以上であることを特徴とする請求項18記載の溶存気体除去方法。
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