JP4776873B2 - アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は末端に二重結合を有するアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は未反応グリシドール分及び副生ポリグリセリンの少ないアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の製造方法並びに本製造方法により得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と反応性シリコーン化合物との反応により得られるポリグリセリン変性シリコーン化合物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりSi−H基を有する反応性ジメチルポリシロキサンの変性材料や、二重結合を有する反応性モノマーとの共重合用の原料として、末端に二重結合を有するアルケニル基含有ポリオキシアルキレン誘導体、特にアリル基含有ポリオキシアルキレン誘導体が工業的に広く使用されている。その中でもポリオキシエチレン鎖を有する誘導体は親水性の特徴を有しており、親水性セグメントを樹脂骨格に導入するための樹脂改質剤として用いられているが、さらに親水性の高い材料としてアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体も知られている。
例えば、(ポリ)グリセリン変性シリコーンの原材料として、アリルアルコールにグリシドールを開環反応させた誘導体や、ジグリセリンにアリルグリシジルエーテルを開環反応させた誘導体が知られている。(例えば特許文献1)
【特許文献1】
特公昭62−34039号公報
しかし、これらの誘導体の合成は、アリルアルコールへのグリシドール開環反応触媒としてルイス酸触媒の三フッ化ホウ素が使用されており、触媒除去手段として珪酸マグネシウム系吸着剤を3.5重量%使用して精製処理を行っているが、吸着剤の量が多く高粘性を有する合成物の濾過は工業的には、収量、製造時間などの点で問題がある。また、精製工程で三フッ化ホウ素に含まれるホウ素分が残存した場合、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体中の水酸基とのエステル化反応により架橋成分が生成するため問題となる。
【0003】
上記の合成方法以外に、グリシドールの開環反応にはアルカリ触媒を用いることも可能である。しかし、この場合アリル基の二重結合がα位からβ位に内部転移して反応性の劣るプロペニル基に変化する事が知られており、シリコーン変性反応や、反応性モノマーとの共重合反応の反応性を低下させる要因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
さらに、プロペニル基の一部は分解してプロピオンアルデヒドに変化する。このプロピオンアルデヒドは強度の臭気を有する物質であり、合成物中に極めて微量に存在しても不快な臭気が感じられる。
【0005】
アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体は分子中に多数の水酸基を含有しており、高粘度のためアルケニル基含有ポリオキシアルキレン誘導体と比較して熱履歴の影響を受け易く、二重結合がα位からβ位に内部転移する割合が高い傾向にある。アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体は高親水性という特徴から、化粧品関連用途における改質剤としての使用が見込まれ、臭気の無いアリル基含有ポリグリセリン誘導体が求められている。
【0006】
本発明の課題は、末端に二重結合を1個有するアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体を製造するのに際して、本誘導体を高収率で得ることができ、二重結合の内部転移する割合を低くできるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、式(1)で示される水酸基含有化合物にアルカリ触媒存在下、触媒濃度が式(1)で表される化合物に対し0.1〜3モル%、グリシドール付加反応温度が100〜140℃の条件にて、式(1)で示される水酸基含有化合物1モルに対して1〜8モルに相当するグリシドールを開環重合させ、不活性雰囲気下に前記水酸基含有化合物およびグリシドールの仕込量総量に対し水を2〜10重量%および酸を加え不活性ガスバブリング下に水分を除去し精製処理することを特徴とする方法に関するものである。
【化3】
【0008】
前記条件下で水酸基含有化合物にアルカリ触媒存在下、グリシドールを開環重合させることによって、本誘導体を高収率で得ることができ、二重結合の内部転移する割合を低くできる。
【0009】
本発明では、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体を不活性ガス雰囲気下で前記水酸基含有化合物およびグリシドールの仕込量総量に対し水を2〜10重量%加えて酸で精製処理を行う。
【0010】
これによって、本誘導体中に含まれる、二重結合の内部転移に起因する臭い成分を一層低減し、本誘導体の臭いを少なくすることに成功した。これは、特に化粧品などの用途においてきわめて重要である。
【0011】
また、本発明は、前記製造方法により得られるアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体に係るものである。
【0012】
前記製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物との反応により、ポリグリセリン変性シリコーン化合物を製造できる。
【化4】
(但し、式中R1は炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を示し、mおよびnは平均重合度を示し、mは1〜300、nは0〜50、R2およびR3は炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基または水素原子を示し、同一でも異なってもよい。但しn=0のとき、R2、R3の少なくとも一方は水素原子である。)
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、式(1)で示される末端に二重結合を1個有する水酸基含有化合物に、グリシドール(2,3−エポキシ−1−プロパノール)を開環重合させ、末端に二重結合を1個有するアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体を得る。
【0014】
式(1)において、Rは炭素数3〜5の末端に二重結合を1個有するアルケニル基であり、2−プロペニル基(アリル基)、2−メチル−2−プロペニル基(メタリル基)、3−ブテニル基、3−メチル−3−ブテニル基などが挙げられ、好ましくはアリル基である。
また、式(1)の化合物はグリセリンモノメタリルエーテルである。
なお、グリセリンモノアリルエーテルはアリルグリシジルエーテルのエポキシ基の加水分解物や、グリセリンとアリルクロリドのエーテル化物をそれぞれ蒸留することによって得ることができる。
グリセリンモノアリルエーテルは式(3)で示される。
【化5】
【0015】
本発明方法において、グリシドール開環重合反応に使用する触媒としては公知のアルカリ触媒を使用することができる。アルカリ触媒としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムメトキシドのメタノール溶液、カリウム−t−ブトキシドなどを用いることができる。
本発明方法において、使用するアルカリ触媒の量は式(1)で表される化合物に対し0.1〜3モル%とするが、0.2モル%以上とすることが更に好ましく、あるいは、2モル%以下とすることが更に好ましい。触媒の量が、式(1)で表される化合物に対し0.1モル%未満であると、反応速度が遅く、反応に長時間を要したり未反応のグリシドールが残存する恐れがある。触媒の量が、式(1)で表される化合物に対し3モル%を超えると、反応速度が速すぎて反応の制御が困難になり、二重結合がα位からβ位へ内部転移する割合が増える。なお、アルカリ触媒としてアルコール溶液を用いた場合は、実際に含まれるアルカリ触媒に換算して仕込みモル数の計算を行う。
【0016】
また、式(1)においてmが1の水酸基含有化合物を用いる場合は、触媒の仕込後にアルケニル基を含有しない副生ポリグリセリン誘導体の生成を抑制するため、温度70〜90℃、不活性ガスバブリング下、−0.2MPa(ゲージ圧力)以下の条件下で30分〜2時間、水酸基含有化合物の水分及びアルコラート化により生成した水分もしくはアルコールを反応系外へ減圧留去することができる。
【0017】
本発明方法において、グリシドールの開環重合時における反応温度は100〜140℃とする。この反応温度は、105℃以上とすることが更に好ましく、あるいは、125℃以下とすることが更に好ましい。反応温度が100℃未満であると、反応速度が遅く、反応に長時間を要したり未反応のグリシドールが残存する。反応速度が140℃を超えると、二重結合がα位からβ位へ内部転移する割合が増える。
【0018】
本発明方法において、グリシドール開環重合時のグリシドールの仕込み時間は3〜10時間が好ましく、6〜10時間がさらに好ましい。グリシドール開環重合時のグリシドールの仕込み時間が3時間未満の場合は、反応器内のグリシドール濃度が上昇し、グリシドールの水酸基への開環重合が起こりポリグリセリンが副生する恐れがある。グリシドール開環重合時のグリシドールの仕込み時間が10時間を超える場合は、工業上効率的ではない。なお、グリシドールの仕込み方法は、滴下による方法や、反応器下部より仕込む方法のいずれも用いることができ、仕込み速度はできるだけ均一にすることが望ましい。またグリシドールの開環重合時には、溶媒を用いないで反応を行うことが望ましいが、系内の粘度を下げ撹拌効率の低下を防止する目的でベンゼン、トルエン、キシレン、ジグライムなどの有機溶媒を用いてもよい。
【0019】
本発明において、グリシドールの付加モル数は、式(1)で示される水酸基含有化合物1モルに対して1〜8モルとする。グリシドールの付加モル数が8モルを超えると、グリシドール付加物が高粘度となり、反応器の撹拌効率が低下するため、ポリグリセリンの副生物や二重結合の内部転移が促進され、目的とするアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体を得ることが難しい。
なお、本製造方法により得られるアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体は、分岐構造の複雑な化学構造を有する重合体となる。そして実際の反応物は、これら分岐構造を有する多数の重合体の混合物となる。
【0020】
本発明方法において、アルカリ触媒を用いたグリシドール開環重合後に精製処理を行うことにより、臭いの少ない化合物を得ることができる。精製は以下のように行うことができる。精製処理剤として、アルカリ触媒の中和及び二重結合の内部転移物を分解する目的で酸を用いる。酸の中でも強酸を用いることが好ましい。強酸としては、例えば、硫酸、塩酸、燐酸などが挙げられ、より好ましくは塩酸である。
さらに、精製処理の際、内部転移物の分解を促進させることを目的として水を加える。水の添加量は水酸基含有化合物とグリシドールの仕込み総量に対し2〜10重量%である。処理条件としては処理温度が60〜100℃、処理時間が20分〜2時間で撹拌しながら行うのが好ましい。また、精製処理は温度100〜120℃、不活性ガスバブリング下、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下の条件下で3〜6時間程度行うのが好ましい。不活性ガスは二重結合およびエーテル結合が酸素との接触により酸化されるのを防止するために使用し、具体的には窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等が好ましい。なお、精製処理終了後は濾過により析出した塩を除去することができるが、必要に応じて活性白土や合成ゼオライト系吸着剤、イオン交換樹脂を用いてさらに高度に精製することも可能である。さらに、必要に応じて二重結合及びエーテル結合の酸化を防止するため、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、4,4’−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)等のヒンダードフェノール系酸化防止剤や、トコフェロール等の酸化防止剤を添加することも可能である。また、製造後の保管方法については酸化による臭気の発生を避けるため、気密容器に密充填もしくは不活性ガスで置換の上保管することが好ましい。
【0021】
本発明の請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体は、式(2)で表される反応性シリコーンとを反応させることで、ポリグリセリン変性シリコーン化合物を得ることができる。
【化6】
(但し、式中R1は炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基を示し、mおよびnは平均重合度を示し、mは1〜300、nは0〜50、R2およびR3は炭素数1〜5のアルキル基、フェニル基または水素原子を示し、同一でも異なってもよい。但しn=0のとき、R2、R3の少なくとも一方は水素原子である。)
【0022】
式(2)において、R1、R2およびR3で示される炭素数1〜5のアルキル基、またはフェニル基としては、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、フェニル基等が挙げられ、好ましくはメチル基およびフェニル基、より好ましくはメチル基である。また、R2およびR3は同一でも異なってもよいがn=0のとき、R2、R3の少なくとも一方は水素原子である。
また、式(2)において、mおよびnは平均重合度を示し、mは1〜300で、好ましくは1〜200である。nは0〜50で、好ましくは0〜30である。
【0023】
本発明において、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物との仕込み比は、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の二重結合の当量と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物の−SiH基当量の比が1:0.7〜1:1.4であることが好ましく、1:0.8〜1:1.2であることがより好ましい。
【0024】
本発明において、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物との反応において、反応性シリコーン化合物の−SiH基とアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の二重結合を容易に反応させ、高収率でポリグリセリン変性シリコーンを得るためには、触媒を使用する。使用する触媒は特に制限は無いが、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、イリジウム、白金などの第VIII族遷移金属あるいはそれらの化合物を好適に使用することができる。このような化合物の具体的な例としては、第VIII族遷移金属のクロロ錯体、オレフィン錯体、アルデヒド錯体、ケトン錯体、ホスフィン錯体、スルフィド錯体、ニトリル錯体などを挙げることができる。これらのうち、白金黒、塩化白金酸、あるいは、白金のオレフィン錯体、アルデヒド錯体、ケトン錯体などの白金系触媒が好ましく、塩化白金酸が特に好ましい。塩化白金酸は入手しやすく、また、塩化白金酸のアルコール溶液は均一系となるため取り扱いが容易であり、しかも反応の収率がよい。
【0025】
本発明において、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物の反応温度は40〜140℃で反応することが好ましく、さらに60〜120℃で反応することがより好ましい。反応温度が40℃未満であると反応時間が長くなり、反応温度が140℃を超えると反応時の圧力が高くなり操作が煩雑になる。
本発明において、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物の反応時間は30分〜40時間の範囲で行うのが通常である。
【0026】
本発明において、請求項1記載の製造方法で得られたアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体と、式(2)で示される反応性シリコーン化合物の反応に際して、原料や製品の化合物の粘度を下げて撹拌を容易にしたり、反応をより円滑に行う目的でメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどの脂肪族アルコール系溶媒や、トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒を用いることができる。さらに、アルコール系溶媒を使用した場合、−Si基とアルコールの水酸基との副反応を抑制するため酢酸カリウム、酢酸ナトリウム等の反応調整剤を添加することも可能である。
【0027】
また、本発明は、グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応生成物からなり、配合比がモル比でグリセリンモノアリルエーテル:グリシドール=1:0.95〜1.05であり、この反応生成物の水酸基価が750〜850KOHmg/gであり、かつ25℃における動粘度が400〜480mm2/sであることを特徴とする、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体に係るものである。
この発明において更に好ましくは、前記水酸基価が770〜830KOHmg/gである。あるいは、25℃における動粘度が410〜460mm2/sである。
【0028】
グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応によって得られた前記アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体において、水酸基価を750KOHmg/g以上とすることによって、高分子量成分を抑制し、親水性が過度に上昇することを防止できる。また、水酸基価が850KOHmg/gを超え、かつ25℃における動粘度が400mm2/s未満になると、未反応のグリシドールが含まれ、全体として低分子量となり、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の親水性が低下する。水酸基価が850KOHmg/gを超え、かつ25℃における動粘度が480mm2/sを超えると、他の反応性化合物との反応に寄与しないポリグリセリンが含まれるので好ましくない。
【0029】
また、本発明は、グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応生成物からなり、配合比がモル比でグリセリンモノアリルエーテル:グリシドール=1:1.90〜2.10であり、この反応生成物の水酸基価が770〜810KOHmg/gであり、かつ25℃における動粘度が2600〜3200mm2/sであることを特徴とする、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体に係るものである。この発明において更に好ましくは、前記水酸基価が780〜805KOHmg/gである。あるいは、25℃における動粘度が2700〜3100mm2/sである。
【0030】
グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応によって得られた前記アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体において、水酸基価を770KOHmg/g以上とすることによって、高分子量成分を抑制し、親水性が過度に上昇することを防止できる。また、水酸基価が810KOHmg/gを超え、かつ25℃における動粘度が2600mm2/s未満になると、未反応のグリシドールが含まれ、全体として低分子量となり、アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体の親水性が低下する。水酸基価が810KOHmg/gを超え、かつ25℃における動粘度が3200mm2/sを超えると、他の反応性化合物との反応に寄与しないポリグリセリンが含まれるので好ましくない。
【0031】
本発明で得られたポリグリセリン変性シリコーンは、親水性の性質を有するポリグリセリンと疎水性の性質を有するポリジメチルシロキサンを界面活性剤として作用し、化粧品原料、洗浄剤、乳化分散剤、繊維処理剤、塗料添加剤、インク用添加剤、プラスチック添加剤、防曇剤、消泡剤、潤滑剤などに利用することが可能である。
【0032】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。なお、合成品の分析は下記に記す方法で行った。
(実験方法)
水酸基価: JIS K−1557 6.4
動粘度: JIS K−2283
不飽和度: JIS K−1557 6.7
また、臭気の判定方法については、10人のパネリストに次の5段階評価により臭気を判定してもらい、平均値を算出することにより行った。
1 全く臭いが無い
2 僅かに臭い有り
3 若干の刺激臭有り
4 やや強い刺激臭有り
5 かなり強い刺激臭有り
(理論値の計算方法:触媒添加量は無視する)
1.理論水酸基価
56110/[A(1+B/C)]×D
A:水酸基含有化合物の分子量
B:グリシドール仕込み量(g)
C:水酸基含有化合物仕込み量(g)
D: 式(1)で表される水酸基含有化合物において、m=0の場合には、D=1+AB/74C、m=1の場合はD=2+AB/74C
2.理論不飽和度
1000/[A(1+B/C)]
【0033】
(実施例1)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、およびナトリウムメトキシド0.54g(0.01モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで110℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、105〜115℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水11g(原料総仕込量に対して2重量%量)を添加して塩酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物505gを得た。
合成品の分析値は水酸基価797KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)2900mm2/s、不飽和度3.48meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は1.1であった。なお、実施例1〜6についての製造条件および測定結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
(実施例2)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、および水酸化カリウム1.12g(0.02モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで120℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを9時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水28g(原料総仕込量に対して5重量%量)を添加して塩酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物510gを得た。
合成品の分析値は水酸基価799KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3005mm2/s、不飽和度3.45meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値も低かった。
【0036】
(実施例3)
グリセリンモノアリルエーテル356.4g(2.7モル)、および水酸化ナトリウム0.32g(0.008モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで120℃まで昇温し、グリシドール200g(2.7モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを6時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水17g(原料総仕込量に対して3重量%量)を添加して塩酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物510gを得た。
合成品の分析値は水酸基価816KOHmg/g(理論値817)、動粘度(25℃)434mm2/s、不飽和度4.84meq/g(理論値4.85)となり、臭気判定の平均値も低かった。
【0037】
(実施例4)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、およびナトリウムメトキシド0.54g(0.01モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで110℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、105〜115℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水11g(原料総仕込量に対して2重量%量)を添加して酢酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物511gを得た。
合成品の分析値は水酸基価795KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)2930mm2/s、不飽和度3.49meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は2.2であった。
【0038】
(実施例5)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、および水酸化カリウム1.12g(0.02モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで120℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを9時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水28g(原料総仕込量に対して5重量%量)を添加して酢酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物508gを得た。
合成品の分析値は水酸基価797KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)2980mm2/s、不飽和度3.51meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は2.2であった。
【0039】
(実施例6)
グリセリンモノアリルエーテル356.4g(2.7モル)、および水酸化ナトリウム0.32g(0.008モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで120℃まで昇温し、グリシドール200g(2.7モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを6時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水17g(原料総仕込量に対して3重量%量)を添加して酢酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物513gを得た。
合成品の分析値は水酸基価814KOHmg/g(理論値817)、動粘度(25℃)431mm2/s、不飽和度4.83meq/g(理論値4.85)となり、臭気判定の平均値は2.1であった。
【0040】
(比較例1)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、および水酸化ナトリウム5.60g(0.14モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで110℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、105〜115℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを8時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、酢酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物499gを得た。
合成品の分析値は水酸基価817KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3278mm2/s、不飽和度3.24meq/g(理論値3.57)となり、臭気を調べたところかなり強い刺激臭が認められた。アリル基が一部内部転移してプロペニル基へと変化したことが窺える。なお、比較例1〜6の製造条件および測定結果を表2に示す。
【0041】
【表2】
【0042】
(比較例2)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、およびナトリウムメトキシド1.12g(0.02モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで80℃の温度のままグリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、75〜85℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを10時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、塩酸でpH4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物395gを得た。
合成品の分析値は水酸基価897KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)2460mm2/s、不飽和度3.97meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は2.3であった。収量が少なく且つ分子量が小さくなっており、未反応のグリシドールが多く残存したことが窺える。
【0043】
(比較例3)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、およびナトリウムメトキシド0.56g(0.01モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで150℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを8時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、酢酸でpH4〜6の弱酸性に調整し、30分撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物500gを得た。
合成品の分析値は水酸基価813KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3168mm2/s、不飽和度3.38meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は4.1であった。アリル基が一部内部転移してプロペニル基へと変化したことが窺える。
【0044】
(比較例4)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、および三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体5.6gを1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら60℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、55〜65℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを7時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで昇温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、キョーワード600(協和化学工業(株)製)20g(原料総仕込量に対して3.5重量%量)を添加して95〜105℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間処理を行い、吸着剤を濾別して化合物370gを得た。なお、濾過の途中で目詰まりが生じ、収量が低下した。
合成品の分析値は水酸基価780KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3784mm2/s、不飽和度3.48meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は2.5であった。多量の吸着剤を使用していることにより収量が少ない点と、ホウ素が残存して一部ホウ酸エステル化され架橋構造を持った化合物が生成していることが窺える。
【0045】
(比較例5)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、および水酸化ナトリウム5.60g(0.14モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで110℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、105〜115℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを8時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水16.7g(原料総仕込み量に対して3重量%量)を添加して塩酸でpHを4〜6の弱酸性に調整し、30分間撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物495gを得た。
合成品の分析値は水酸基価830KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3402mm2/s、不飽和度3.20meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は1.5であった。アリル基が一部内部転移してプロペニル基へと変化したことが窺える。
【0046】
(比較例6)
グリセリンモノアリルエーテル264g(2モル)、およびナトリウムメトキシド0.56g(0.01モル)を1リットル容オートクレーブに仕込み、系中を窒素で置換した後、撹拌しながら80℃まで昇温し、−0.05MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で1時間脱水を行った。次いで150℃まで昇温し、グリシドール296g(4モル)を計量槽に計り取り、115〜125℃、0.5MPa(ゲージ圧力)以下の条件でグリシドールを8時間かけて圧入し、さらに2時間反応を続けた。次に85〜95℃まで降温し、未反応のグリシドールを−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で除去した後、水16.7g(原料総仕込み量に対して3重量%量)を添加して塩酸でpH4〜6の弱酸性に調整し、30分撹拌した。次いで105〜115℃、−0.097MPa(ゲージ圧力)以下、窒素バブリング中で4時間、水分の除去を行い、最後に析出した塩を濾別して化合物497gを得た。
合成品の分析値は水酸基価824KOHmg/g(理論値802)、動粘度(25℃)3284mm2/s、不飽和度3.34meq/g(理論値3.57)となり、臭気判定の平均値は1.3であった。アリル基が一部内部転移してプロペニル基へと変化したことが窺える。
【0047】
(実施例7)
1リットル容四ツ口フラスコに撹拌装置、冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を取り付け、実施例1で得られた化合物100gに、式(5)で示されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(商品名:KME1234、バイエル社製、Si−H基当量:2.17ミリ当量)128.7g、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)7.0ml、酢酸カリウム 0.1g、溶媒としてイソプロピルアルコール200gを仕込み、窒素雰囲気下イソプロピルアルコール還流温度で5時間撹拌を行った。反応終了後、サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスの発生の有無を確認したところ、水素ガスの発生は認められなかった。
【化7】
(但し、式中m=18、n=5を表す)
【0048】
(比較例7)
1リットル容四ツ口フラスコに撹拌装置、冷却管、滴下漏斗、窒素導入管を取り付け、比較例4で得られた化合物100gに、式(5)で示されるハイドロジェンジメチルポリシロキサン(商品名:KME1234、バイエル社製、Si−H基当量:2.17ミリ当量)128.7g、触媒として塩化白金酸六水和物のイソプロピルアルコール溶液(1×10-3モル/リットル)7.0ml、酢酸カリウム 0.1g、溶媒としてイソプロピルアルコール200gを仕込み、窒素雰囲気下イソプロピルアルコール還流温度で5時間撹拌を行った。反応終了後、サンプリングを行いN/10水酸化カリウムのイソプロピルアルコール溶液を加えて水素ガスの発生の有無を確認したところ、水素ガスが発生し、実施例5と比較してハイドロジェジメチルポリシロキサンとの反応性が低下した。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、末端に二重結合を1個有するアルケニル基含有ポリグリセリン誘導体を製造するのに際し、未反応グリシドール分及び副生ポリグリセリンが少なく、さらに末端二重結合含有アルケニル基の内部転移を抑制することができる。
Claims (3)
- 前記アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体が、グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応生成物からなり、配合比がモル比でグリセリンモノアリルエーテル:グリシドール=1:0.95〜1.05であり、前記反応生成物の水酸基価が750〜850KOHmg/gであり、かつ25℃における動粘度が400〜480mm2/sであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
- 前記アルケニル基含有ポリグリセリン誘導体が、グリセリンモノアリルエーテルとグリシドールとの反応生成物からなり、配合比がモル比でグリセリンモノアリルエーテル:グリシドール=1:1.90〜2.10であり、前記反応生成物の水酸基価が770〜810KOHmg/gであり、かつ25℃における動粘度が2600〜3200mm2/sであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
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