JP4776072B2 - エレベータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、エレベータの昇降路内に落下した落下物を受け止めて回収する落下物回収装置を備えたエレベータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般にビル等の建屋に据え付けられるエレベータにおいては、乗りかごがエレベータホールの乗降口に着床したときに、その乗りかご側の敷居と乗降口側の敷居との間にある程度の隙間が生じ、エレベータの利用者が持ち物をあるいは他の物をその隙間を通して建屋の昇降路内に落下させてしまうことがある。
【0003】
このように、昇降路内に異物が落下すると、これが昇降路内の各種の機器や電気配線等に接触してこれらを損傷してしまう恐れがある。また特に、昇降路が屋外に面したエレベータにあっては、その傍らを通行する歩行者等に不測の危険を及ぼす恐れがある。
【0004】
そこで、実開昭50−66366号公報や特開平10−236754号公報に見られるように、乗りかごが建屋の乗降口に着床したときに、乗りかごの下部の前面側に受け部材を突出させ、この受け部材でかご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間から落下する落下物を受け止めて回収する落下物回収装置を備えるようにしたエレベータが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記受け部材は、利用者の乗り降りが完了し、乗りかごがその乗降口から次の指定階に向かって走行する際に、乗りかごの前面側に突出する状態から乗りかごの内側に向かって後退し、当初の待機位置に復帰するわけであるが、前記エレベータにおいては、異物の付着等や他の原因で受け部材が正規の待機位置に復帰しない突出状態のまま乗りかごが走行してしまう恐れがあり、このような場合、その突出状態の受け部材が昇降路内の各種の機器や電気配線等に接触し、これらを損傷させ、またその接触で乗りかごに衝撃が加わり、乗りかごに乗っている利用者に不安感や不快感を与えてしまうことになる。
【0006】
この発明はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは、落下物回収装置の受け部材が正規の待機位置にまで復帰しない限り、乗りかごの走行が開始しないエレベータを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明はこのような目的を達成するために、建屋の昇降路内を昇降する乗りかごが建屋の乗降口に着床したときに、受け部材の開閉動作によりかご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間から落下する落下物を受け止めて回収する落下物回収装置を備えるエレベータにおいて、前記落下物回収装置は、落下物を受け止めるための受け部材と、この受け部材をリンク機構を介して連動するための連動板とを備え、前記連動板は前記かご側のドアの前面下部に取り付けられ、前記リンク機構は前記乗りかごの下部下方に延びるエプロンの内側に配置され、前記受け部材の動作を検出する検出手段が前記エプロンの内側に直接取り付けられ、乗りかごが乗降口に着床して落下物回収装置の受け部材が開状態に動作した後に正規の閉状態に復帰したか否かを前記検出手段で検出し、その正規の復帰の検出時にのみエレベータの走行動作を許容するようにしたものである。
【0012】
請求項2の発明においては、落下物回収装置が、受け部材で受け止めた落下物を受け入れる受け箱を有し、この受け箱内にその受け入れる落下物をサイズ別に分別するフィルタが設けられていることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明においては、かご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間から落下する落下物を検出する検出手段、およびこの検出手段で落下物を検出したときにそれをエレベータの利用者に報知する報知手段を備えたことを特徴としている。
【0014】
請求項4の発明においては、落下物回収装置が、かご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間に向けてその下方から風を噴出させる送風装置を備えていることを特徴としている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1ないし図3には第1の実施形態を示あり、図1に示すように乗りかご1の前面には出入口3が形成され、この出入口3にスライド式のドア4が設けられ、またこの乗りかご1の下部にはその下方に延びるようにエプロン5が設けられている。
【0016】
図2および図3には、乗りかご1がエレベータホールの乗降口7に着床したときの状態を示してあり、乗降口7にはスライド式のドア8およびこのドア8をスライド自在に支持する敷居9が設けられている。また、乗りかご1の上部には、昇降路内を上下に走行して昇降する乗りかご1の着床位置を検出する着床スイッ11が設けられている。
【0017】
乗りかご1の出入口3の下部には、かご側のドア4をスライド自在に支持する敷居10が設けられ、乗りかご1が乗降口7に着床したときにその乗降口側の敷居9とかご側の敷居10とがほぼ同じレベルを保つようになっている。
【0018】
乗りかご1の下部には落下物回収装置12が設けられ、この落下物回収装置12について説明すると、乗りかご1のエプロン5の前面に開口部6が形成され、またエプロン5の内側に前記開口部6に対向して受け箱13が取り付けられ、さらに前記開口部6の内側にプレート状の受け部材14が設けられている。
【0019】
この受け部材14はその下端縁がピン15を介してエプロン5の前後方向に回動自在に支持され、この受け部材14がスプリング16を介して後方側に回動する閉方向に弾性的に付勢されている。
【0020】
そして受け部材14がエプロン5の前方側に回動して突出する開状態のときに、この受け部材14が乗降口側の敷居9とがご側の敷居10との間の隙間に向かってその下方から斜めに延出する姿勢を保つようになっている。
【0021】
がご側のドア4の前面下部には連動板19が取り付けられ、この連動板19はかご側の敷居10の前面部分を経てその下方のエプロン5の内側に延出し、その延出部にガイド板20が取り付けられている。ガイド板20の内面には左右方向に平行に延びる一対のガイドレール21が取り付けられ、これらガイドレール21はその途中が緩やかに屈曲してレベル位置の高い高位部の区間21aとレベル位置の低い低位部の区間21bとに分けられている。
【0022】
エプロン5の内側には前記受け部材14をリンク機構22を介して連動するロッド23が設けられ、このロッド23はブラケット24を介して上下動自在に支持され、このロッド24の上端部に支持板25を介してローラ26が回転自在に取り付けられ、このローラ26が前記一対のガイドレール21間に転動自在に挿入されている。
【0023】
がご側のドア4が閉じているときには、前記ローラ26はガイドレール21の低位部の区間21bに位置してロッド23が下方に押圧され、この押圧により受け部材14が開口部6の内側においてほぼ垂直に起立する閉状態に保持され、この閉状態からドア4が開き、このドア4と一体的にガイドレール21が水平移動したときに、前記ローラ26が相対的にガイドレール21の高位部の区間21aに移動し、この移動に応じてロッド23が上方に引き上げられ、この引き上げにより受け部材14がピン15を支点にスプリング16の弾性力に抗してエプロン5の前方側に突出するように回動して開状態となる。そしてこの開状態において、受け部材14が乗降口側の敷居9とがご側の敷居10との間の隙間に対向するようになっている。
【0024】
エプロン5の内側には、受け部材14の動作を機械的、電気的あるいは光学的な手段により検出する検出手段としての確認スイッチ28が設けられている。なお、図2示す29は乗降口側の敷居9の下方に設けられたフェッシャプレートである。
【0025】
次に、このエレベータの作用について図4に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
運転中の乗りかご1が指定階の乗降口7に着床すると、これに応じてかご側のドア4および乗降口側のドア8がそれぞれ同期して開く。そしてかご側のドア4の開動作でガイドレール21およびローラ26を介してロッド23が引き上げられ、受け部材14がピン15を支点にスプリング16の弾性力に抗してエプロン5の前方側に回動して開き、この開状態が保持される。
【0026】
この状態のもとで、エレベータの利用者は乗降口7から乗りかご1に、あるいは乗りかご1から乗降口7に乗り降りする。この際、利用者が持ち物を落とし、乗降口側の敷居9とかご側の敷居10との間の隙間を通してその下方に落下させた場合には、その持ち物が開状態の受け部材14により受け止められるとともに受け箱13内に回収される。また、利用者の持ち物以外の物品であっても、同様に受け部材14により受け止められるとともに受け箱13内に回収される。
【0027】
利用者の乗り降りが完了し、乗りかご1の次の行先階が指定されると、これに応じてかご側のドア4および乗降口側のドア8がそれぞれ同期して閉まる。そしてかご側のドア4の閉動作でガイドレール21およびローラ26を介してロッド23が押し下げられ、受け部材14がピン15を支点にスプリング16の弾性力を受けながらエプロン5の内方側に回動して閉状態に復帰する。
【0028】
この際、受け部材14が正規の閉状態に復帰すれば、確認スイッチ28がオンしてその検出が行なわれる。そしてこの検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が開始して次の指定階に向かって移動する。
【0029】
これに対し、かご側のドア4が閉合したにも拘わらず、受け部材14が例えば回動の途中に異物に引っ掛かる等の何らかの原因で、正規の閉状態に復帰しないときには、確認スイッチ28がオンせず、乗りかご1が停止状態を継続する。そしてかご側のドア4の開閉動作が繰り返されるうちに、受け部材14が正規の閉状態に復帰すれば、確認スイッチ28がオンし、この検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が可能となり、次の指定階に向かって移動する。
【0030】
かご側のドア4の開閉動作が繰り返されても、受け部材14が正規の閉状態に復帰しないときには、異常の発生としてエレベータの保守作業員により受け部材14に対する点検が行なわれる。
【0031】
このように、このエレベータにおいては、受け部材14が正規の閉状態に復帰しないとき、つまり受け部材14がエプロン5の前面側に突出しているときには、乗りかご1が走行するようなことがなく、したがって受け部材14が昇降路内の各種の機器や電気配線等に接触してそれらを損傷したり、またその接触で乗りかご1が衝撃を受けるような危険を未然に防いで安全な運転管理を達成することができる。
【0032】
一方、受け箱13内に回収された利用者の持ち物等の物品は、エレベータの保守点検時等に、乗りかご1の床の点検口(図示せず)から取り出して利用者に返却することが可能となる。
【0033】
また、昇降路内への落下物は受け部材14により受け止められて回収されるから、乗りかご1の下方への物の落下がなく、したがってその物の落下により昇降路内の各種の機器や電気配線等を損傷するようなことがなく、特に昇降路が屋外に面したエレベータのような場合であっても、その傍らを通行する歩行者等に対する安全を確保することができる。
【0034】
図5には第2の実施形態を示してあり、この第2の実施形態においては、第1の実施形態の構成に加え、受け箱13の内底部にゴム等の弾性材からなるシート状のクッション31が敷設されていると共に、このクッション31の上方に位置して落下物分別用のフィルタ32が架設されている。このフィルタ32は例えばゴム等の弾性繊維により所定のメッシュのネット状に形成されている。
【0035】
このような構成においては、受け部材14を通して受け箱13内に落下物が回収されたときに、その落下物がサイズ別に分別される。すなわち、フィルタ32のメッシュより大きいサイズの落下物はそのフィルタ32の上に保持され、それより小さい落下物はフィルタ32のメッシュを通して受け箱13の内底部のクッション31の上に保持される。
【0036】
落下物が受け部材14を通して受け箱13内に入り込むときに、その落下物が受け箱13の壁面や底面に直接衝突すると、比較的大きな衝撃音が生じ、乗りかご1内の利用者に不安感や不快感を与えてしまう恐れがあるが、この実施形態においては落下物を弾性的なフィルタ32やクッション31で受け止めることができ、したがって衝撃音が発生せず、乗りかご1内の利用者に不安感や不快感を与えるような恐れがない。そしてその落下物がサイズ別に分別されるので、受け箱13内からその落下物を取り出すときの作業が容易となる。
【0037】
図6および図7には第3の実施形態を示してあり、この実施形態においては、エプロン5の前面に落下物検出センサ33が設けられている。この検出センサ33はかご側の敷居10と受け部材14との間に設けられ、報知手段としての例えば音声合成回路に接続されている。
【0038】
利用者の乗降時に乗降口側の敷居9とかご側の敷居10との間の隙間を通してその下方に物が落ちると、その落下物が検出センサ33により検出される。そしてその落下物が受け部材14を介して受け箱13内に回収される。
【0039】
検出センサ33で落下物が検出されたときには、その信号が音声合成回路に送られ、これに基づいて乗降口7や乗りかご1内のスピーカを通してその落下物があったこと、およびその落下物が回収されていることが利用者に報知される。これにより利用者は、落し物に気付き、またその落し物が回収されていることを知ることができる。
【0040】
なお、落下物検出センサ33は、落下物を検出することが可能であれば、エプロン5の前面に設ける場合に限らず、他の部分に設けても何ら差し支えない。
【0041】
図8には第4の実施形態を示してあり、この実施形態においては、エプロン5の内側に送風装置35が設けられている。この送風装置35は、ファンケース36と、このファンケース36内に収納された送風ファン37とからなり、送風ファン37の回転により乗降口側の敷居9とかご側の敷居10との間の隙間に向けてその下方から風を噴出させるようになっている。
【0042】
送風ファン37は乗りかご1が乗降口7に着床したときに駆動され、受け部材14が開閉して閉状態への復帰が確認スイッチ28により検出されたときに停止するようになっている。
【0043】
このような構成においては、利用者の乗降時に紙葉類のような軽量な物を落としてその落し物が乗降口側の敷居9とかご側の敷居10との間の隙間を通して落下しようとしたときに、送風ファン37からその隙間に向かって噴出される風によりその軽量な落し物が押し戻され、隙間からの落下が未然に防止される。
【0044】
なお、風で押し戻すことができなかった場合には、その落し物は前述の場合と同様に受け部材14を通して受け箱13内に回収される。
【0045】
図9および図11には第5の実施形態を示してあり、この実施形態においては、かご側のドア4の動作を落下物回収装置12に伝える連動板19が図10に示すように横長部19aを有し、この横長部19aによりドア4の下部と敷居10との間の隙間が覆われている。
【0046】
連動板19の横長部19aはその横長の寸法がドア4の横幅とほぼ同じ寸法となっており、ドア4と敷居10との間の隙間のほぼ全長区間がこの横長部19aにより覆われ、またこの横長部19aはドア4の前面下部から斜め下方に傾斜する形状となっている。
【0047】
このような構成においては、乗りかご1の走行時のバフ音を抑制することができ、またエレベータが屋外に面して設置されているような場合であっても、その屋外から乗りかご1内への雨水等の浸入を連動板19の横長部19aにより有効に防止することができる。
【0048】
図11および図12には第6の実施形態を示してあり、この実施形態においては、受け部材14がドア4の動作に連動するのではなく、独立した駆動源としての例えばモータ39により駆動されるようになっている。
【0049】
すなわち、モータ39は受け箱13内に設けられ、このモータ39による駆動で受け部材14がエプロン5の前後方向に回動して開閉するようになっている。
【0050】
モータ39は、例えば図1に示す着床スイッチ11により制御され、乗りかご1が指定階の乗降口7に着床した際に起動して受け部材14を開き、乗りかご1の走行の開始に応じて受け部材14を閉じるようになっている。
【0051】
このような構成においては、ドア4の開閉動作から独立して受け部材14が駆動されるから受け部材14の開閉速度やタイミングを適宜変更でき、またその調整も容易に行なうことができる。
【0052】
図13ないし図15には第7の実施形態を示してあり、この実施形態においては、乗りかご1の下部に前記各実施形態と同様の落下物回収装置が設けられていると共に、さらに乗りかご1の上部にも落下物回収装置40が設けられている。
【0053】
この上部の落下物回収装置40について説明すると、乗りかご1の上部前面に設けられたかご上カバー1aに開口部41が形成され、またこのかご上カバー1aの内側に前記開口部41に対向して受け箱42が取り付けられている。
【0054】
前記開口部41の内側には受け部材43が設けられ、この受け部材43はその下端縁がピン44を介してかご上カバー1aの前後方向に回動自在に支持され、この受け部材43がスプリング45を介して後方側に回動する閉方向に弾性的に付勢されている。
【0055】
そしてこの受け部材43がかご上カバー1aの前方側に回動する開状態のときに、昇降路壁面とがご上カバー1aとの間の隙間に向かってその下方から斜めに突出する姿勢を保つようになっている。
【0056】
がご側のドア4の前面上部には連動板46が取り付けられ、この連動板46はかご天井板1bの上方に突出してかご上カバー1aの内側に延出し、その延出部にガイド板47が取り付けられている。ガイド板47の内面には左右方向に平行に延びる一対のガイドレール48が取り付けられ、これらガイドレール48はその途中が緩やかに屈曲してレベル位置の高い高位部の区間とレベル位置の低い低位部の区間とに分けられている。
【0057】
かご上カバー1aの内側には受け部材43をリンク機構49を介して連動するロッド50が設けられ、このロッド50はブラケット51を介して上下動自在に支持され、このロッド50の上端部に支持板52を介してローラ53が回転自在に取り付けられ、このローラ53が前記一対のガイドレール48間に転動自在に挿入されている。
【0058】
がご側のドア4が閉じているときには、前記ローラ53はガイドレール48の低位部に位置してロッド50が下方に押圧され、この押圧により受け部材43がほぼ垂直に起立する閉状態に保持され、この状態からドア4が開き、このドア4と一体的にガイドレール48が水平移動したときに、前記ローラ53が相対的にガイドレール48の高位部の区間に移動し、この移動に応じてロッド50が上方に引き上げられ、この引き上げにより受け部材43がピン44を支点にスプリング45の弾性力に抗してかご上カバー1aの前方側に回動して開状態となる。また、かご上カバー1aの内側には、受け部材43の動作を機械的、電気的あるいは光学的な手段により検出する検出手段としての確認スイッチ54が設けられている。
【0059】
乗りかご1が指定階の乗降口7に着床すると、これに応じてかご側のドア4および乗降口側のドア8がそれぞれ同期して開く。そしてかご側のドア4の開動作でガイドレール48およびローラ53を介してロッド50が押し上げられ、受け部材43がピン44を支点にスプリング45の弾性力に抗してかご上カバー1aの前方側に回動して開き、この開状態が保持される。
【0060】
この状態のもとで、エレベータの利用者は乗降口7から乗りかご1に、あるいは乗りかご1から乗降口7に乗り降りする。この際、乗りかご1の上方側から何らかの原因で物が落下してきてかご上カバー1aと昇降路壁面との間の隙間を通してその下方、つまり利用者の乗降部分に落下しようとしたときに、その落下物がかご上カバー1aと昇降路壁面との間の隙間に突出している開状態の受け部材43により受け止められるとともに受け箱42内に回収される。したがって乗降する利用者に落下物が当たるようなことがなく、安全に乗降することができる。
【0061】
特に、乗りかご1の昇降路が屋外に面したエレベータの場合に、その昇降路内に外部から物が飛来してかご上カバー1aと昇降路壁面との間の隙間内に落下する恐れがあるが、そのような飛来物を受け部材14で的確に受け止めて回収することができる。
【0062】
利用者の乗降が完了し、乗りかご1の次の行先階が指定されると、これに応じてかご側のドア4および乗降口側のドア8がそれぞれ同期して閉まる。そしてかご側のドア4の閉動作でガイドレール48およびローラ53を介してロッド50が引き下げられ、受け部材43がピン44を支点にスプリング45の弾性力を受けながらかご上カバー1aの内方側に回動して閉状態に復帰する。
【0063】
この際、受け部材43が正規の閉状態に復帰すれば、確認スイッチ54がオンしてその検出が行なわれる。そしてこの検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が開始して次の指定階に向かって移動する。
【0064】
これに対し、かご側のドア4が閉合したにも拘わらず、受け部材43が例えば回動の途中に異物に引っ掛かる等の何らかの原因で、正規の閉状態に復帰しないときには、確認スイッチ54がオンせず、乗りかご1が停止状態を継続する。そしてかご側のドア4の開閉動作が繰り返されるうちに、受け部材43が正規の閉状態に復帰すれば、確認スイッチ54がオンし、この検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が可能となり、次の指定階に向かって移動する。
【0065】
かご側のドア4の開閉動作が繰り返されても、受け部材43が正規の閉状態に復帰しないときには、異常の発生としてエレベータの保守作業員により受け部材43に対する点検が行なわれる。
【0066】
このように、受け部材43が正規の閉状態に復帰しないとき、つまり受け部材43がかご上カバー1aの前面側に突出しているときには、乗りかご1が走行するようなことがなく、したがって受け部材43が昇降路内の各種の機器や電気配線等に接触してそれらを損傷したり、またその接触で乗りかご1が衝撃を受けるような危険を未然に防いで安全な運転管理を達成することができる。
【0067】
図16には第8の実施形態を示してあり、この実施形態においては、落下物防止装置56が乗りかご1ではなく、昇降路に設けられている。
【0068】
すなわち、乗降口側の敷居9の下部に取り付けられたフェッシャプレート29に開口部57が形成されていると共に、フェッシャプレート29の内側に前記開口部57に対向して受け箱58が取り付けられている。
【0069】
前記開口部57の内側には受け部材59が設けられ、この受け部材59はその下端縁がピン60を介してフェッシャプレート29の前後方向に回動自在に支持され、この受け部材59がスプリング61を介して受け箱58の内側を向く後方側に回動する閉方向に弾性的に付勢されている。
【0070】
そしてこの受け部材59がフェッシャプレート29の前方側に回動する開状態のときに、前記乗降口側の敷居9とがご側の敷居10との間の隙間に対向するようにその下方から斜めに延出して傾斜する姿勢を保つようになっている。
【0071】
乗降口側のドア8の前面下部には連動板62が取り付けられ、この連動板62は乗降口側の敷居9の前面部分を経てその下方のフェッシャプレート29の内側に延出し、その延出部にガイド板63が取り付けられている。ガイド板63の内面には左右方向に平行に延びる一対のガイドレール64が取り付けられ、これらガイドレール64はその途中が緩やかに屈曲してレベル位置の高い高位部の区間とレベル位置の低い低位部の区間とに分けられている。
【0072】
フェッシャプレート29の内側には前記受け部材59をリンク機構65を介して連動するロッド66が設けられ、このロッド66はブラケット67を介して上下動自在に支持され、このロッド66の上端部に支持板68を介してローラ69が回転自在に取り付けられ、このローラ69が前記一対のガイドレール64間に転動自在に挿入されている。
【0073】
乗降口側のドア8が閉じているときには、前記ローラ69はガイドレール64の低位部に位置してロッド66が下方に押圧され、この押圧により受け部材59がほぼ垂直に起立する閉状態に保持され、この状態からドア8が開き、このドア8と一体的にガイドレール64が水平移動したときに、前記ローラ69が相対的にガイドレール64の高位部の区間に移動し、この移動に応じてロッド66が上方に引き上げられ、この引き上げにより受け部材59がピン60を支点にスプリング61の弾性力に抗してフェッシャプレート29の前方側に回動して開状態となる。そしてこの開状態において、受け部材59が乗降口側の敷居9とがご側の敷居10との間の隙間に対向するようになっている。
【0074】
フェッシャプレート29の内側には、受け部材59の動作を機械的、電気的あるいは光学的な手段により検出する検出手段としての確認スイッチ70が設けられている。
【0075】
乗りかご1が指定階の乗降口7に着床すると、これに応じてかご側のドア8および乗降口側のドア4がそれぞれ同期して開く。そして乗降口側のドア8の開動作でガイドレール64およびローラ69を介してロッド66が引き上げられ、受け部材59がピン60を支点にスプリング61の弾性力に抗してフェッシャプレート29の前方側に回動して開き、この開状態が保持される。
【0076】
この状態のもとで、エレベータの利用者は乗降口7から乗りかご1に、あるいは乗りかご1から乗降口7に乗り降りする。この際、利用者が持ち物を落とし、乗降口側の敷居9とかご側の敷居10との間の隙間を通してその下方に落下させた場合には、その持ち物が開状態の受け部材59により受け止められるとともに受け箱58内に回収される。また、利用者の持ち物以外の物品であっても、同様に受け部材59により受け止められるとともに受け箱58内に回収される。
【0077】
利用者の乗り降りが完了し、乗りかご1の次の行先階が指定されると、これに応じてかご側のドア4および乗降口側のドア8がそれぞれ同期して閉まる。そして乗降口側のドア8の閉動作でガイドレール64およびローラ69を介してロッド66が押し下げられ、受け部材59がピン60を支点にスプリング61の弾性力を受けながらフェッシャプレート29の内方側に回動して閉状態に復帰する。
【0078】
この際、受け部材59が正規の閉状態に復帰すれば、それが確認スイッチ70により検出され、その検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が開始して次の指定階に向かって移動する。
【0079】
これに対し、乗降口側のドア8が閉合したにも拘わらず、受け部材59が例えば回動の途中に異物に引っ掛かる等の何らかの原因で、正規の閉状態に復帰しないときには、確認スイッチ70がオンせず、乗りかご1が停止状態を継続する。
そして乗降口側のドア8の開閉動作が繰り返されるうちに、受け部材59が正規の閉状態に復帰すれば、確認スイッチ70がオンし、この検出の信号に基づいて乗りかご1の走行が可能となり、次の指定階に向かって移動する。
【0080】
乗降口側のドア8の開閉動作が繰り返されても、受け部材59が正規の閉状態に復帰しないときには、異常の発生としてエレベータの保守作業員により受け部材59に対する点検が行なわれる。
【0081】
このように、受け部材54が正規の閉状態に復帰しないとき、つまり受け部材54がフェッシャプレート29の前面側に突出しているときには、乗りかご1が走行するようなことがなく、したがって受け部材54が乗りかご1の各種の機器や電気配線等に接触してそれらを損傷したり、またその接触で乗りかご1が衝撃を受けるような危険を未然に防いで安全な運転管理を達成することができる。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したようにこの発明によれば、落下物回収装置の受け部材の動作を検出する検出手段を設け、乗りかごが乗降口に着床して落下物回収装置の受け部材が開状態に動作した後に正規の閉状態に復帰したか否かを前記検出手段で検出し、その正規の復帰の検出時にのみエレベータの走行動作を許容するようにしたから、受け部材が昇降路内や乗りかごの機器や電気配線等に接触してこれらを損傷させり、乗りかごに衝撃を加えるようなことなく、安全にエレベータを運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係るエレベータの乗りかごを示す斜視図。
【図2】その第1の実施形態の要部を示す断面図。
【図3】その第1の実施形態の要部を示す正面図。
【図4】その第1の実施形態における動作の流れを示すフローチャート。
【図5】この発明の第2の実施形態の要部を示す断面図。
【図6】この発明の第3の実施形態の要部を示す断面図。
【図7】その第3の実施形態の要部を示す正面図。
【図8】この発明の第4の実施形態の要部を示す断面図。
【図9】この発明の第5の実施形態の要部を示す断面図。
【図10】その第5の実施形態の要部を示す正面図。
【図11】この発明の第6の実施形態の要部を示す断面図。
【図12】その第6の実施形態の要部を示す正面図。
【図13】この発明の第7の実施形態に係るエレベータの乗りかごを示す斜視図。
【図14】その第7の実施形態の要部を示す断面図。
【図15】その第7の実施形態の要部を示す正面図。
【図16】この発明の第8の実施形態の要部を示す断面図。
【符号の説明】
1…乗りかご
4…かご側のドア
7…乗降口
8…乗降口側のドア
9…乗降口側の敷居
10…かご側の敷居
12,40,56…落下物回収装置
13,42,58…受け箱
14,43,59…受け部材
21,48,64…ガイドレール
26,53,69…ローラ
28,54,70…確認スイッチ
32…フィルタ
33…落下物検出センサ
35…送風装置
39…モータ
Claims (4)
- 建屋の昇降路内を昇降する乗りかごが建屋の乗降口に着床したときに、受け部材の開閉動作によりかご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間から落下する落下物を受け止めて回収する落下物回収装置を備えるエレベータにおいて、
前記落下物回収装置は、落下物を受け止めるための受け部材と、この受け部材をリンク機構を介して連動するための連動板とを備え、前記連動板は前記かご側のドアの前面下部に取り付けられ、前記リンク機構は前記乗りかごの下部下方に延びるエプロンの内側に配置され、
前記受け部材の動作を検出する検出手段が前記エプロンの内側に直接取り付けられ、乗りかごが乗降口に着床して落下物回収装置の受け部材が開状態に動作した後に正規の閉状態に復帰したか否かを前記検出手段で検出し、その正規の復帰の検出時にのみエレベータの走行動作を許容することを特徴とするエレベータ。 - 落下物回収装置は、受け部材で受け止めた落下物を受け入れる受け箱を有し、この受け箱内にその受け入れる落下物をサイズ別に分別するフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ。
- かご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間から落下する落下物を検出する検出手段、およびこの検出手段で落下物を検出したときにそれをエレベータの利用者に報知する報知手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ。
- 落下物回収装置は、かご側のドアの敷居と乗降口側のドアの敷居との間の隙間に向けてその下方から風を噴出させる送風装置を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエレベータ。
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