JP4774604B2 - 第4級アンモニウム塩の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、第4級アンモニウム塩を高収率で短時間に製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
第4級アンモニウム塩は、例えば医薬品、医薬部外品及び化粧品の原料、相間移動触媒或いはイオン化溶媒等として極めて重要な化合物である。中でも第4級ピリジニウム塩は、近年、主に抗菌剤として注目されつつあり、今後需要が増加すると期待される化合物である。しかしながら、従来の方法では該化合物を短時間で効率よく工業的に製造することは困難であった。例えば、J.Chem.Soc.,682(1938)にはドデシルクロライドとピリジンとを100℃で24時間反応させる方法が、J.Am.Chem.Soc.68,757-759('46)にはハロゲン化アルキルとそれに対して10-30%過剰のピリジンとを60-130℃で8時間から16時間反応させる方法が記載されている。しかしながら、前者は反応時間が長いだけでなく、目的物である第4級ピリジニウム塩の収率も1.7%と極めて低く、後者は95%と比較的高い収率で目的物が得られるが、反応時間が8〜16時間と非常に長いため、どちらの方法も工業的に第4級ピリジニウム塩を製造する方法としては十分なものではなかった。また、ピリジンのメチル基置換体であるピコリンについても同様にハロゲン化アルキルと12時間還流し、4級ピコリニウム塩を得る方法がJ.Heterocycl.Chem.23(1)209-221(1986)に記載されているが、反応時間が長い等の問題があり工業的に第4級ピコリニウム塩を製造する方法としては不十分であった。
【0003】
一方、4級イミダゾリウム塩も第4級ピリジニウム塩と同様今後需要が増加すると期待される化合物である。しかしながら、従来の方法、例えばInorg.Chem.35(5)1168-1178(1996)にはハロゲン化アルキルとメチルイミダゾールを有機溶媒中で還流により4級イミダゾリウム塩を得る方法が記載されているが、有機溶媒を用いるため簡便な方法とはいえず、また収率も低く、工業的に第4級イミダゾリウム塩を製造する方法としては適していなかった。
更に、上記の4級アンモニウム塩の製造反応は従来バッチ生産で行われており、生産性が低く、工業的な生産には適していなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記した如き状況に鑑みなされたもので、N-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とハロゲン化アルキルとを反応させて第4級アンモニウム塩を短時間で効率よく工業的に製造する方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを120〜350℃で反応させることを特徴とする第4級アンモニウム塩の製造方法、並びにハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを、120〜350℃の加熱下筒状反応容器中の一末端部から連続的に供給して反応させ、当該反応容器の他の末端部から生成した対応する第4級アンモニウム塩を連続的に取り出すことを特徴とする第4級アンモニウム塩の連続的製造方法、の発明である。
【0006】
即ち、本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ハロゲン化アルキルとそれに対して2等量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを120〜350℃で反応させることにより短時間で効率的に第4級アンモニウム塩を製造し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
本発明に係るN-低級アルキル置換イミダゾールとしては、例えばN-メチルイミダゾール、N-エチルイミダゾール、N-n-プロピルイミダゾール、N-iso-プロピルイミダゾール、N-n-ブチルイミダゾール、N-iso-ブチルイミダゾール、N-tert-ブチルイミダゾール、N-sec-ブチルイミダゾール等の窒素原子に結合した水素原子が例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、tert-ブチル基、sec-ブチル基等の炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されたものが挙げられ、中でもN-メチルイミダゾール等が好ましい。
【0008】
本発明に係るピリジン化合物としては、ピリジン又はピリジン環を構成する炭素原子に結合した水素原子の1〜3個が上記の如き炭素数1〜4の低級アルキル基で置換されたもの等が挙げられ、具体的には例えばピリジン、ピコリン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン等が挙げられ、中でもピリジン、ピコリン等が好ましい。
【0009】
本発明に係るハロゲン化アルキルとしては、例えば下記一般式[1]
【0010】
【化1】
(式中、R1はアルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるものが挙げられる。
【0011】
一般式[1]に於いて、Rで表されるアルキル基としては、直鎖状でも分枝状でもよく、通常炭素数1〜30、好ましくは1〜24、更に好ましくは3〜24のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、sec-ペンチル基、tert-ペンチル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、3-メチルペンチル基、2-メチルペンチル基、1-メチルペンチル基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基、1,2-ジメチルブチル基、2,3-ジメチルブチル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基、n-ドデシル基、n-トリデシル基、n-テトラデシル基、n-ペンタデシル基、n-セチル基、n-ヘプタデシル基、n-オクタデシル基、n-ノナデシル基、n-イコシル基、n-ヘニコシル基、n-ドコシル基、n-トリコシル基、n-テトラコシル基、n-ペンタコシル基、n-ヘキサコシル基、n-オクタコシル基、n-ノナコシル基、n-トリアコンチル基等が挙げられる。
【0012】
Yで示されるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
本発明に係るハロゲン化アルキルとN-低級アルキル置換イミダゾールとを反応させることにより得られる第4級アンモニウム塩としては、例えば下記一般式[2]
【0013】
【化2】
(式中、R1はアルキル基を表し、R2は炭素数1〜4の低級アルキル基を表し、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるものが挙げられ、その具体例としては例えば、
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
(上記式中、Xはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子又は臭素原子を表す。)
【0023】
【化12】
(式中、nは5〜30の正数を表す。)
等が挙げられる。
【0024】
ハロゲン化アルキルとピリジン化合物とを反応させることにより得られる第4級ピリジニウム化合物塩としては、下記一般式[3]
【0025】
【化13】
(式中、R1はアルキル基を表し、R3は水素原子又は炭素数1〜4の低級アルキル基1〜3個を表し、Yはハロゲン原子を表す。)で示されるものが挙げられ、その具体例としては例えば、
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】
【化21】
【0034】
【化22】
【0035】
【化23】
【0036】
【化24】
【0037】
【化25】
【0038】
【化26】
【0039】
【化27】
【0040】
【化28】
【0041】
【化29】
【0042】
【化30】
【0043】
【化31】
【0044】
【化32】
【0045】
【化33】
【0046】
【化34】
【0047】
【化35】
【0048】
【化36】
【0049】
【化37】
【0050】
【化38】
【0051】
【化39】
【0052】
【化40】
【0053】
【化41】
【0054】
【化42】
【0055】
【化43】
【0056】
【化44】
【0057】
【化45】
【0058】
【化46】
【0059】
【化47】
【0060】
【化48】
【0061】
【化49】
【0062】
【化50】
【0063】
【化51】
【0064】
【化52】
【0065】
【化53】
【0066】
【化54】
【0067】
【化55】
【0068】
【化56】
【0069】
【化57】
【0070】
【化58】
【0071】
【化59】
【0072】
【化60】
【0073】
【化61】
【0074】
等が挙げられ、また上記化合物のピリジン環を構成する炭素原子に結合した水素原子の1〜3個が低級アルキル基で置換されたものも同様に挙げられる。
【0075】
本発明により第4級アンモニウム塩を製造するには、例えばハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを例えばオートクレーブ等の密閉容器に入れ、120〜350℃で反応させればよい。中でも、筒状反応容器を用いて第4級アンモニウム塩を連続的に製造する方法が好ましく、具体的には以下のようにして行えばよい。即ち、120〜350℃の加熱下筒状反応容器中の一末端部からハロゲン化アルキルとそれに対して2反応当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを連続的に当該反応容器中に例えばポンプ等により後述の速度で連続的に供給して反応させ、当該反応容器の他の末端部から生成した対応する第4級アンモニウム塩を連続的に取り出せばよい。この際、第4級アンモニウム塩を取り出す側の末端にコントロールバルブ等を取り付けてこれにより筒状反応容器内の圧力を調整してもよい。圧力としては、その値が高すぎても反応効率は上がらないため、通常1〜100kg/cm2、好ましくは2〜20kg/cm2、より好ましくは2〜10kg/cm2に調整すればよい。また、取り出した第4級アンモニウム塩を例えばコンデンサー等により冷却し、スプレードライヤーや薄膜濃縮装置により結晶化する等のこの分野で通常行われる後処理に付してもよい。
【0076】
本発明に係る筒状反応容器としては、両端に開口部が存在し該開口部を封じることにより容器内を密封状態にすることができ、且つ高温下及び高圧力下でも容器の形状が変化しないものであればよく、中でも容器を加熱した場合に容器内まで熱が伝わるものが好ましい。具体的には例えば500℃以下の温度下且つ100kg/cm2以下の圧力下に於いても形状が変化しないように作製されたステンレス製の反応容器等が挙げられる。
【0077】
筒状反応容器に供給される化合物の供給速度は、筒状反応容器の内容量と目的の反応が終了するのに要する時間とを基にして算出すればよく、例えば筒状反応容器の内容量を2倍とした場合には化合物の供給速度もその2倍となるように供給速度と内容量が比例の関係にあることが好ましい。
即ち、化合物の供給速度(式中ではrと表す)は通常以下の式で表され、
(p/q)≦r≦[p/(q×10)]
(式中、pは反応容器の内容量(ml)、qは反応に要する時間(min)、rは化合物の供給速度(ml/min)を表す)
中でも、以下の式で表されることが好ましく、
(p/q)≦r≦[p/(q×2)]
より好ましくは以下の式で表される。
p/q=r
【0078】
上記の式より化合物の供給速度を設定するに当たっては、反応容器の内容量はその用途に応じて必要な容量を設定し、反応に要する時間は各種原料の組み合わせに応じた時間(後述のように通常5分〜6時間で終了する)を設定し、それらを式中に代入して供給速度を求めることが好ましい。尚、ここでいう供給速度とは、ハロゲン化アルキルの供給速度とN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物の供給速度とを合わせたものであるが、これらの比率は反応容器内にハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物が供給されることになるように適宜設定すればよい。また、予めハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物を混合し、該混合物を上記の如く設定した供給速度で反応容器内に供給してもよい。具体的には、例えば反応容器の内容量を200ml、反応に要する時間を15分と設定した場合の供給速度は、200ml÷15min≒13.3ml/minの計算結果に基づいて、通常1.3〜13.3ml/min、好ましくは6.7〜13.3ml/min、より好ましくは13.3ml/minとなる。
【0079】
N-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物の使用量は、反応させるハロゲン化アルキルに対して、通常2当量以上であれば、反応温度を120〜350℃とすることにより目的の反応を完結させることができるが、好ましくは2〜20当量、更に好ましくは3〜10当量である。尚、N-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物の使用量がハロゲン化アルキルに対する理論量もしくは若干過剰量の場合は、長時間かけても反応が完結しない。
【0080】
反応温度は、通常120〜350℃、好ましくは140〜300℃、より好まくは150〜250℃である。
本発明の製造方法は、例えばヘリウムガス、窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気下で行ってもよく、その場合は当該不活性ガス等を用いて反応系に圧力を加えることにより、反応温度を上昇させてもよい。その圧力としては、値が高すぎても反応効率は上がらないため、通常1〜100kg/cm2、好ましくは2〜20kg/cm2、より好ましくは2〜10kg/cm2に調整すればよい。
【0081】
反応時間は、通常5分〜6時間、好ましくは5分〜2時間、更に好ましくは5〜30分である。
【0082】
尚、反応後の後処理等は、この分野で通常行われる後処理法に準じて行えばよい。
【0083】
本発明の方法を用いれば、過酷な反応条件を設定することなく、容易に短時間で効率よく第4級アンモニウム塩を製造することが可能となる。また、本発明の方法によって得られた第4級アンモニウム塩は、例えば医薬品、医薬部外品及び化粧品の原料、相間移動触媒、イオン化溶媒或いは抗菌剤として有用である。
【0084】
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何等限定されるものではない。
【0085】
【実施例】
実施例1
塩化n−セチル115.1g(0.44mol)及びピリジン146.6g(1.85mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2とした後、180℃で15分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液を減圧乾燥して粉末結晶を得た。尚、反応終了後の反応液をHPLCにより分析した結果、反応率が100%であることが確認された。得られた粉末結晶にメチルエチルケトン316mlを加え、室温下で撹拌した後結晶を濾取し、再びメチルエチルケトンで洗浄、減圧乾燥して粉末結晶142.5g(収率95%)を得た。得られた化合物はその融点の測定及び1HNMRの分析により塩化n−セチルピリジニウム塩と同定された。
また、得られた塩化n−セチルピリジニウム塩を水で処理すると、容易に塩化n−セチルピリジニウム1水塩とすることができた。
【0086】
実施例2
160℃で30分間撹拌反応させる以外は実施例1と同様にして塩化n−セチルピリジニウム塩を得た。反応終了後に反応液を実施例1と同様にHPLCにより分析した結果、反応率は100%であることが確認された。
【0087】
比較例1
塩化n−セチル115.1g(0.44mol)とピリジン146.6g(1.85mol)をオートクレーブ内で窒素雰囲気下96〜100℃で還流反応させた。反応開始から15分後に反応液をHPLCにより測定した結果、反応率は3%であった。
【0088】
比較例2
塩化n−セチル115.1g(0.44mol)とピリジン38.4g(0.44mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2とした後、160℃で4時間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をHPLCにより分析した結果、反応率は80%であった。
【0089】
実施例3
塩化n−ブチル40.8g(0.44mol)とピリジン146.6g(1.85mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2とした後、180℃で15分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をHPLCにより分析した結果、反応率は100%であった。
【0090】
実施例1、2及び3と比較例1及び2との比較から明らかなように、ハロゲン化アルキルに対するピリジンの使用量を2当量以上とし、且つ120℃〜350℃で反応を行うことによって反応率を向上させるだけでなく、反応時間を大幅に短縮でき、効率よく目的とする第4級ピリジニウム塩が得られることが分かる。
【0091】
実施例4
図1に示すような200mlの筒状反応容器を装着した連続反応装置に於いて、反応時間が15分となるようにポンプ▲1▼から塩化n−セチルを6.29ml/minの流速で、ポンプ▲2▼からピリジンを7.04ml/minの流速で同時に送り、筒状反応容器内部の温度が180℃、内圧が5kg/cm2になるように調整した。コンデンサー出口部から反応液を261.7g採取し、スプレードライヤーで減圧乾燥して粉末結晶を150g(収率100%)得た。尚、反応液をHPLCにより分析した結果、反応率が100%であることが確認された。また、得られた粉末結晶を実施例1と同様に処理し、塩化n−セチルピリジニウムの粉末結晶を141.0g(収率94%)得た。
【0092】
実施例5
実施例4に於ける、スプレードライヤーによる減圧乾燥の代わりに薄膜濃縮装置を用い、以下同様にして塩化n−セチルピリジニウムを得た。尚、反応液をHPLCにより分析した結果、反応率が100%であることが確認された。
【0093】
実施例4及び5の結果から明らかなように筒状反応容器を用いた装置(図1)を用いることにより、実施例1〜3と同等の回収率及び同等の反応率の第4級ピリジニウム塩を連続的に製造できることがわかる。
【0094】
実施例6
臭化n−ブタン95.9g(0.7mol)及び1-メチルイミダゾール241.4g(2.94mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2 とした後、160℃で30分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をNMRにより分析した結果、反応率は100%であった。
【0095】
実施例7
塩化n−セチル182.6g(0.7mol)及び1-メチルイミダゾール241.4g(2.94mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2とした後、180℃で30分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をNMRにより分析した結果、反応率は100%であった。
【0096】
実施例8
臭化n−ブタン52.1g(0.38mol)及び4-ピコリン178.4g(1.92mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2 とした後、160℃で15分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をNMRにより分析した結果、反応率は100%であった。
【0097】
実施例9
塩化n−セチル100.0g(0.38mol)及び4-ピコリン178.4g(1.92mol)の入ったオートクレーブに窒素ガスを注入し、オートクレーブ内の圧力を2kg/cm2 とした後、180℃で15分間撹拌反応させた。反応終了後、反応液をNMRにより分析した結果、反応率は94%であった。
【0098】
実施例6〜9の結果から、第4級ピリジニウム塩と同様にメチルイミダゾールやピコリン由来の第4級アンモニウム塩も効率よく短時間で製造することができることがわかる。
【0099】
【発明の効果】
本発明は、ハロゲン化アルキルと、N-低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを反応させて第4級アンモニウム塩を短時間に効率よく製造する方法を提供するものであり、本発明の方法によれば、従来の方法に於ける問題点、即ち過酷な反応条件や煩雑な反応工程を必要としたり、反応率が悪く反応時間が長いといった問題点を全て解決することができる。また、本発明の筒状反応容器を用いた反応を行うことにより、目的とする第4級アンモニウム塩を連続的に製造できるため、本発明の方法は工業的にも極めて優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4及び5で用いられた連続反応装置を表した図である。
【符号の説明】
1 原料タンク
2 定量ポンプ
3 筒状反応容器
4 ヒーター
5 圧力計
6 温度計
7 コントロールバルブ
8 コンデンサー
9 反応液タンク
10スプレードライヤーまたは薄膜濃縮装置
Claims (7)
- ハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-炭素数1〜4の低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを140〜300℃で反応させることを特徴とする対応の第4級アンモニウム塩の製造方法。
- ハロゲン化アルキルとそれに対して2当量以上のN-炭素数1〜4の低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物とを、140〜300℃の加熱下筒状反応容器中の一末端部から連続的に供給して反応させ、当該反応容器の他の末端部から生成した対応する第4級アンモニウム塩を連続的に取り出すことを特徴とする第4級アンモニウム塩の連続的製造方法。
- 筒状反応容器の一末端部から連続的に供給されるハロゲン化アルキルとN-炭素数1〜4の低級アルキル置換イミダゾール又はピリジン化合物との反応が当該筒状反応容器の他の末端部付近で終了するように、供給される化合物の供給速度と上記筒状反応容器の容量が設定されている請求項2に記載の方法。
- ピリジン化合物がピリジン又はピリジン環を構成する炭素原子に結合した水素原子の1〜3個が低級アルキル基で置換されたものである請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- N-炭素数1〜4の低級アルキル置換イミダゾールがN-メチルイミダゾールである請求項1〜3の何れかに記載の方法。
- ハロゲン化アルキルがハロゲン化セチルである請求項1〜5の何れかに記載の方法。
- ハロゲン化アルキルが塩化セチルである請求項1〜5の何れかに記載の方法。
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