JP4774488B2 - インクジェット記録用インク - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定の色素を含有する水系インクジェット記録用インクに関する。詳細には、着色成分として無機複合酸化物顔料を使用した耐光性、耐候性に優れ、良好な色調を与える水系インクジェット記録用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェット印刷において、着色成分として顔料を使用したインクが実用化され、従来の染料を用いたインクに比べ耐光性、耐水性が優れる印刷物を提供できるようになった。このため屋外用途においては顔料インクが使用され、特にサインディスプレイ用の大判インクジェットプリンタ市場が拡大している。
【0003】
着色成分として顔料を使用したインクジェット記録用インクは、耐光性、耐候性等の堅牢性が高いことからサインディスプレイ等の屋外用途の印刷物を印刷する際に使用される。しかし、有彩色のインクでは一般に有機顔料を使用しており、長期間の耐光性が要求される場合には、印刷後に紫外線吸収性のラミネートやコーティングにより印刷面を保護するのが一般的である。
【0004】
一方、無機顔料は有機顔料に比べ優れた耐光性、耐候性を有し、着色成分としての堅牢性は強いが、比重が大きく、また、有機顔料に比較して色相が乏しい。比重が大きい顔料はインクジェット記録用インクのような低粘度の液体中では容易に沈降してしまって使用できない。このため、顔料の粒子径を小さくする必要がある。
例えば、酸化鉄顔料は、優れた堅牢性を持ち、赤から黄色にかけての色相を有する顔料である。この顔料の一次粒子の平均粒子径は、一般的な物で数百nmであり、インクジェット記録用インクの着色成分として使用した場合、該顔料を一次粒子径付近まで練磨、分散させても直ちに沈降するため、インクジェット記録用顔料インクとして使用することはできない。
しかし、一次粒子の平均粒子径が数十nmの微粒子型酸化鉄顔料をインクジェット記録用インクの着色成分として使用し、インク中の顔料の平均粒子径が100nm以下になるまで練磨、分散させたものは、実用上問題となるような沈降もなく、インクジェット用顔料インクとして使用可能となることを本発明者は見出した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、フルカラー印刷を可能とする無機顔料としては、黄色から緑色、青色、黒色までの色相と、優れた着色力を有する複合酸化物顔料が考えられる。
無機の複合酸化物顔料は、その高い堅牢性から屋外用の高耐久性塗料の着色成分などに従来から使用されている。
しかし、複合酸化物顔料はその製法上、顔料の焼成工程を必要とし、この工程により顔料の平均一次粒子径が数百〜数千nmと大きくなってしまうという性質がある。このため、本顔料をインクジェット記録用の顔料として使用するためには一次粒子径以下まで微粉砕することが必要となる。これにより沈降の問題は解決できるが、複合酸化物顔料は微粉砕を行うことにより結晶構造が破壊される。複合酸化物顔料のような無機顔料は結晶構造により発色しているため、微粉砕により結晶が破壊すると、彩度が低下するという実用上の問題がある。さらに、一次粒子径以下に分散を行うためには強分散を長時間行う必要があり、その経済性も問題となる。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記の欠点のない無機顔料を用いたカラー印刷が可能な水系インクジェット記録用インク、即ち耐光性、耐候性に優れ、顔料の沈降がなく、さらに色相の鮮明性に優れた水系インクジェット記録用インクを提供することにある。
本発明者は上記目的を達成すべく、前記の酸化鉄顔料に関して見出した知見に基づいて鋭意検討した結果、黄色、茶色、緑色または青色の複合酸化物顔料として一次粒子の平均粒子径が100nm以下で、最大粒子径が300nm以下のものを使用することで、高い着色力、鮮明性に優れ、さらに顔料の沈降性も実用上問題とならない水系インクジェット記録用インクが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、着色成分として、pH6.4〜8の水中に成分金属の不溶性の沈殿を生成させ、この沈殿を焼成することにより顔料化された黄色、茶色、緑色または青色の2種以上の金属を構成元素とする無機複合酸化物顔料を含有する水系インクジェット記録用インクであって、該顔料の焼成後の一次粒子の平均粒子径が100nm以下であることを特徴とする水系インクジェット記録用インクである。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に発明の好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明において使用される黄色、茶色、緑色または青色の無機顔料は、2種以上の金属を構成元素とする複合酸化物顔料である。その好ましい製造方法は、成分金属の無機塩を出発原料とし、水中にて水酸化物、酸化物、炭酸塩等の水に不溶な沈殿を生成させ、得られた沈殿を焼成することにより得られる。合成条件により一次粒子の大きさをコントロールするが、平均粒子径で概ね10〜1000nmのコントロールが可能である。本発明においては一次粒子の平均粒子径が100nm以下、好ましくは30〜80nmで、最大粒子径が300nm以下、好ましくは200nm以下にコントロールされたものが好ましい。
【0009】
本発明で使用する複合酸化物顔料は、一例として、以下に示す金属の複合酸化物よりなる顔料が挙げられるが、上記の要件を満たす複合酸化物顔料であればいずれも使用可能であり、以下の例に限定されるものではない。
黄色:Ti−Ba−Ni;Ti−Sb−Ni;Ti−Sb−Cr
茶色:Fe−Zn;Fe−Zn−Cr
緑色:Ti−Ni−Co−Zn;Co−Al−Cr−Ti
青色:Co−Al;Co−Al−C
お、赤色には微粒子酸化鉄が適当で、これによりフルカラー印刷が可能である。
【0010】
微粒子の複合酸化物顔料を製造する方法は、従来公知の方法を用いることができ、特に制限されない。例えば、Co−Al複合酸化物顔料の場合、尿素の加水分解を利用する方法(特公平4−96454号公報、特開平2−283771号公報、特開平9−100127号公報)、リン化合物の存在下でAlとCoを2段階に分けて沈殿させる方法(特願平10−175656号出願)等がある。
【0011】
本発明のインクジェット記録用インクにおいては、インク滴の吐出性や印刷適性などの諸物性を優れたものとするために、複合酸化物顔料の表面を珪酸等で被覆したり、顔料粒子の形状や粒子径を所望の範囲に整えたりする等の後処理を従来公知の方法に準じて施すことができる。
【0012】
本発明に使用される複合酸化物顔料は、焼成工程を経るため、粉体の形態で提供される。このため顔料は一次粒子の凝集体、すなわち二次粒子となっている。そのためインクに使用する際、インク中の該顔料を適切な分散装置により一次粒子まで練磨、分散させる必要がある。例えば、サンドミル、ボールミル、ダイノミル等の一般的な分散装置が使用可能である。該顔料は平均粒子径が100nm以下、好ましくは30〜80nmで、最大粒子径が300nm以下、好ましくは200nm以下に練磨、分散させる。本発明においては、該顔料は一次粒子の粉砕がないので分散後の彩度の低下もない。
【0013】
本発明の水系インクジェット記録用インクにおいては、着色剤としての複合酸化物顔料の分散性、分散安定性、経時での保存安定性を向上させるために、顔料分散剤として水系インクジェット記録用インクにおいて従来から使用されている水溶性樹脂及び/又は界面活性剤を使用することができる。更に、インクジェット記録用インクの保存性、吐出安定性等を向上させる目的で、水系インクジェット記録用インクにおいて従来から使用されている表面張力調整剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、消泡剤、防黴剤等を加えることもできる。
また、本発明におけるインクに使用される水は、通常、イオン交換水またはイオン交換した蒸留水が用いられる。
以上の他、必要に応じ、水系インクジェット記録用インクにおいて従来から使用されている有機溶剤等の成分を添加することによって水系インクジェット記録用インクが構成される。
【0014】
水溶性樹脂としては、水系インクジェット記録用インクにおいて従来から使用されている水溶性樹脂がいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、スチレン−アクリル系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系等の樹脂が単独または混合して用いられる。水溶性樹脂は、通常、水系インクジェット記録用インク中の顔料の重量に対し、5〜50重量%の範囲で使用され、インクの保存性、吐出安定性等の低下を考慮し、好ましくは15〜35重量%の範囲で用いられる。
また、これらの樹脂に対してpH調整剤として、無機アルカリやアンモニア、有機のアミン類を適宜使用することができる。
【0015】
界面活性剤としては、水系インクジェット記録用インクにおいて従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、アニオン系活性剤(例えば、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリール硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩等)、非イオン系界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンエーテル、脂肪酸ジエタノールジアミド、ソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコール類、アセチレングリコール類等)、カチオン系界面活性剤(例えば、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩等)、あるいは両性界面活性剤(例えば、アルキルベタイン、アミンオキサイド等)の少なくとも1種を使用することができる。
【0016】
本発明におけるインク中には、インクやプリントヘッドのノズル部分の乾燥防止や吐出安定性の向上等を図るために、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等)、多価アルコール類(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、グリセリン、チオジグリコール等)、多価アルコールエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル等)、アミン類(例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレンジアミン、トリエチレンペンタミン、テトラエチレンペンタミン等)、複素環類(例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等)、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシド等)、スルホン類(例えば、スルホラン等)、アセトニトリル等の少なくとも1種が用いられる。
【0017】
本発明のインクジェット記録用インクを使用するに際しては、プリンタ等のインク記録方式は特に限定されず、例えば、電気−熱変換方式や電気−機械変換方式等が用いられる。
記録方式によって相違はあるが、該インクの粘度は、通常、1〜20mPa・s、表面張力は25〜50mN/m、また、pHは5〜12の範囲である。また、インク中の顔料分は、印刷システムによって違いはあるが、通常、0.1〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。
【0018】
【実施例】
次に、顔料製造例及び実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部や%とあるのは重量基準である。
以下の例において、顔料粉末の一次粒子の平均粒子径及びインク中に分散された顔料の平均粒子径は下記の方法にて測定したものである。
(1)顔料自体の平均一次粒子径の測定方法
顔料を透過型電子顕微鏡で倍率60,000倍にて撮影し、撮影された顔料一次粒子の直径を定規を用いて測定する。これを一次粒子100個について繰り返し、得られた粒子径の算術平均を求め平均粒子径とした。
(2)インク中の顔料の平均粒径の測定法
インク0.1gを0.2%メタリン酸水溶液により、測定装置に記載されている濃度まで希釈した後、超音波を20秒作用させて調整した試験液を遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所製SA−CP4)で測定し、平均粒子径及び最大粒子径を求めた。
【0019】
顔料製造例1
塩化アルミニウム6水塩412部を計り、水を加えてこれを完全に溶解して1000部とする。次に沈殿剤として無水炭酸ソーダ256部及びリン酸2水素ナトリウム2水塩5部を計りとり、水を加えて250部とし、約40℃に加熱して完全に溶解する。
予め用意しておいた沈殿媒体である水約2000部を加熱して約50℃に調整し、ここに上記の塩化アルミニウム水溶液とリン酸塩を含んだ炭酸ソーダ水溶液とを同時に滴下し、約30分から1時間かけて沈殿反応を完了させる。
この際のpHは4.0前後になるように注意し、塩化アルミニウム水溶液の滴下が終了した後リン酸塩を含む過剰の炭酸ソーダ水溶液を続けて加え、pHを約6.7とした後、70℃まで徐々に加熱しながら、60分程度熟成する。
【0020】
次に、この媒体スラリー中に、塩化コバルト6水塩166部を計り採り、水を加えて350部とし、これを完全に溶解した溶液と、塩化コバルト用沈澱剤として無水炭酸ソーダ98部を計り採り、水を加えて250部とし、約40℃に加熱して完全に溶解した水溶液とを同時に滴下し、20〜25分かけて沈殿反応を完了させる。
この際のpHは6.8〜7.0位になるように注意し、炭酸ソーダ水溶液の滴下が終了した後、塩化コバルトの水溶液を全量加えてpHが6.4〜6.5位にする。その後90℃まで加熱し、2時間程度熟成する。
次に沈殿媒体から生成沈殿物を取り出し、デカンテーションにより充分に水洗し、残塩を洗い流し、濾過を行う。
次いで、100〜120℃の温度にて12時間以上乾燥させる。この乾燥物を1150℃で1時間、酸化雰囲気にて焼成した後冷却した。
このようにして得られた顔料は赤味の青色を有し、一次粒子の平均粒子径を前述の測定方法(1)にて測定したところ、平均粒子径は40nm以下であった。
【0021】
顔料製造例2
塩化ニッケル6水塩83.23部、硝酸コバルト6水塩50.93部、硫酸亜鉛7水塩50.32部とチタン分16.7重量%の四塩化チタン水溶液100.45部を計り、水830部に溶かし、次いで工業用35重量%の過酸化水素70部をその中に加える。水溶液は若干の発熱を伴いながら直ちに暗い緑がかった褐色から暗赤色に変化する。
次に、沈殿剤として苛性ソーダ87.5部を計り取り、水を加えて全体を約1000部とする。
【0022】
予め用意した沈殿水2400部をガスバーナーや電熱器等で約45℃に加熱保持し、このものに上記の混合塩水溶液と苛性ソーダ水溶液を同時に滴下し約30分から1時間かけて沈殿反応を行う。
この際にpHが7になるように注意し、水溶液の温度も45℃を維持するようにする。滴下が終了したならば、沈殿が完全に行われるようにするためpHを8程度までに上げ、引き続き水溶液の温度を45℃に保ちながら熟成を1時間ほど行う。
【0023】
次に、沈殿媒体から生成沈殿物を取り出し、デカンテーションにより充分に水洗し、残塩を洗い流し、濾過を行う。次で100〜120℃の温度にて12時間以上乾燥させる。この乾燥物を800℃で1時間、酸化雰囲気にて焼成した後冷却した。
このようにして得られた顔料は深みのある緑色を有し、一次粒子の平均粒子径を前述の測定方法(1)にて測定したところ、平均粒子径は30nm以下であった。
【0024】
実施例1
顔料製造例1で得られた顔料を400部、水2000部、分散剤(花王社製デモールEP)8部を計り取り、ボールミルにて40時間分散させる。得られた分散体(固形分20%)に50%ジエチレングリコール水溶液を添加し、全量を4000部とした(固形分10%)。
これを5.0μmメンブランフィルター(ミリポア社製TMTP)にてろ過し、粗粒子を除いた物をインクとした。
【0025】
インク中の顔料の粒度を粒子径測定方法(2)に基づいて測定した結果、平均粒子径は43nm、最大粒子径は80nmであった。また、粘度は4.66mPa・S、表面張力は45.7mN/mであった。
上記のインクを電気−機械変換方式であるピエゾ型のインクジェットプリンターを用いて印画したところ鮮明な青色の印画物が得られ、インクジェット記録用インクとして使用できることを確認した。この後一ヶ月静置した後再度印画を行ったが、ノズルのつまりを生ずることなく正常に吐出した。
また、このインク40部を容量50mlの試験管に取り、一ヶ月静置したが、試験管底部への顔料の沈降は観察されなかった。
【0026】
実施例2
顔料製造例2で得られた顔料500部、分散剤(ジョンソンポリマー社製J−62:固形分40%)375部、ジエタノールアミン20部、および水1105部を量り取り、ボールミルで30時間分散させる。
得られた分散体にエチレングリコール64.52部、ジエチレングリコール277.6部、尿素254.6部、グリセリン1223.57部、水1641.87部を加えた。
これを5.0μmメンブランフィルター(ミリポア社製TMTP)にてろ過し、粗粒子を除いた物をインクとした。
【0027】
インク中の顔料の粒度を粒子径測定方法(2)に基づいて測定した結果、平均粒子径は32nm、最大粒子径は150nmであった。また、粘度は6.12mPa・S、表面張力は43.3mN/mであった。
上記のインクを実施例1と同じインクジェットプリンターを用いて印画した所鮮明な緑色の印画物が得られ、インクジェット用顔料インクとして使用できることを確認した。この後一ヶ月静置した後再度印画を行ったが、ノズルのつまりを生ずることなく正常に吐出した。
また、このインク40部を容量50mlの試験管に取り、一ヶ月静置したが、試験管底部への顔料の沈降は観察されなかった。
【0028】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、顔料の沈降もなく、耐光性及び耐候性に優れ、鮮明な色相のカラー印刷が可能な水系インクジェット記録用インクが提供される。

Claims (5)

  1. 着色成分として、2種以上の金属を構成元素とする無機複合酸化物顔料を含有する水系インクジェット記録用インクであって、該無機複合酸化物顔料が、pH6.4〜7.0の水中に成分金属の不溶性の沈殿を生成させ、この沈殿を焼成することにより顔料化された青色のAl−Co無機複合酸化物顔料、該顔料の焼成後の一次粒子の平均粒子径が100nm以下であり、インク中の顔料の平均粒子径が100nm以下であることを特徴とする水系インクジェット記録用インク。
  2. 着色成分として、2種以上の金属を構成元素とする無機複合酸化物顔料を含有する水系インクジェット記録用インクであって、該無機複合酸化物顔料が、pH〜8の水中に成分金属の不溶性の沈殿を生成させ、この沈殿を焼成することにより顔料化された緑色のNi−Co−Zn−Ti無機複合酸化物顔料で、該顔料の焼成後の一次粒子の平均粒子径が100nm以下であり、インク中の顔料の平均粒子径が100nm以下であることを特徴とする水系インクジェット記録用インク。
  3. 該顔料の含有量がインクの全重量に基づき0.1〜20重量%である請求項1又は2に記載の水系インクジェット記録用インク。
  4. 請求項1に記載の水系インクジェット記録用インクの着色成分として用いられる青色のAl−Co無機複合酸化物顔料の製造方法であって、
    アルミニウムを成分金属とする金属塩とコバルトを成分金属とする金属塩を水に溶解し、
    れら金属塩の水溶液と沈殿剤とを接触させて、pH6.4〜7.0の水中にアルミニウムとコバルトを成分金属とする不溶性の沈殿を生成させ、
    この沈殿を焼成することにより顔料化して、一次粒子の平均粒子径が100nm以下である青色の顔料を得ることを特徴とする無機複合酸化物顔料の製造方法。
  5. 請求項に記載の水系インクジェット記録用インクの着色成分として用いられる緑色のNi−Co−Zn−Ti無機複合酸化物顔料の製造方法であって、
    ニッケルを成分金属とする金属塩と、コバルトを成分金属とする金属塩と、亜鉛を成分金属とする金属塩と、チタンを成分金属とする金属塩を水に溶解し、
    れら金属塩の水溶液と沈殿剤とを接触させて、pH〜8の水中にニッケルとコバルトと亜鉛とチタンを成分金属とする不溶性の沈殿を生成させ、
    この沈殿を焼成することにより顔料化して、一次粒子の平均粒子径が100nm以下である緑色の顔料を得ることを特徴とする無機複合酸化物顔料の製造方法。
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