JP2004182952A - 黄色アゾ顔料組成物及びそれを使用する着色組成物 - Google Patents

黄色アゾ顔料組成物及びそれを使用する着色組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】熱安定性が改良された、着色力が高く、高発色性で、比較的低コストの黄色のモノアゾ顔料あるいはジスアゾ顔料およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】熱安定性指数が1.5以下の熱安定性に優れた黄色アゾ顔料(A)と熱安定性指数が2.0以上の熱安定性に劣る黄色アゾ顔料(B)とを含み、熱安定性指数が2.0未満であることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物および上記の黄色アゾ顔料組成物を製造する方法において、上記のアゾ顔料(B)を、平均粒径が0.1μm以下の上記のアゾ顔料(A)を、上記アゾ顔料(B)のカップリング成分と共に溶剤に分散させ、該分散液中に上記アゾ顔料(B)のジアゾニウム塩を滴下してカップリングさせ、上記アゾ顔料(A)との複合物として生成させることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物の製造方法
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱安定性が改良された、着色力が高く、高発色性、比較的低コストの黄色のモノアゾ顔料あるいはジスアゾ顔料の複合物からなる黄色アゾ顔料組成物およびその製造方法ならびにそれを使用した、例えば、インクジェット用インク、フルカラートナー等の画像記録用着色剤、カラーフィルター等の画像表示用着色剤に有用な着色組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、画像記録用着色剤用の黄色色素としては、特にフルカラートナー用としては油溶性染料、分散染料、PY−17等のベンジジン系ジスアゾ顔料が着色力、コスト面から主に使用されてきた。
【0003】
しかしながら、油溶性染料、分散染料は、樹脂媒体を着色する場合に溶解的に着色することができるために着色力は高いが、耐光性、耐溶剤性等の堅牢度に劣るという問題があった。また、ベンジジン系ジスアゾ顔料は耐光性、耐溶剤性等は上記染料よりも優れているが、樹脂に練りこむ時の加熱により顔料が熱分解するという問題があり、その有害性が指摘されてきた。
【0004】
不溶性の黄色モノアゾ顔料、特にPY−74は、鮮明性、着色力が高く、インクジェット用インクに使用すると高発色性の画像が得られる。しかしながら、粉砕トナーに該顔料を用いると樹脂と顔料の混練の工程で100〜150℃位の温度で加熱混練されることが多く、そのような加熱条件では該顔料粒子が成長したり、結晶が変化したりすることで色調が変わったり、色がくすんだり、色濃度が低下したり、色が不透明になったりすることが多く、トナー用の着色剤としては好ましくなかった。
【0005】
そこで、耐熱性の高い顔料としてPY−180の使用(特許文献1、2参照)やPY−155の使用(特許文献3)が提案されている。しかし、これらの顔料は、熱分解等の安全性の問題は解決できるものの、価格が高いという経済的な問題があった。
また、モノアゾ顔料の耐熱性を改良する方法として、モノアゾ系黄色顔料を合成する際に、該顔料用ベースに異種のベースを加えて、あるいは該顔料用カップラーに異種のカップラーを加え、これらをカップリング反応させて得られる2種以上のモノアゾ顔料を含むモノアゾ顔料組成物の使用が提案されている(特許文献4、5参照)。上記の方法は微細な顔料の製造方法として知られているコカップリング法を利用するものであり、得られるモノアゾ顔料組成物は微細で、熱安定性が改善されてはいるが未だ充分とはいえず、さらなる改善が必要であった。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−266163号公報
【特許文献2】
特開平8−209017号公報
【特許文献3】
特開平11−202558号公報
【特許文献4】
特開2000−63694号公報
【特許文献5】
特開2001−324837号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、熱安定性が改良され、着色力が高く、高発色性で、比較的低コストの黄色のモノアゾ顔料あるいはジスアゾ顔料を提供することである。本発明者ら上記の課題を達成すべく鋭意検討した結果、着色力が高く、高発色性を有するが熱安定性に劣る黄色アゾ顔料を、熱安定に優れた黄色アゾ顔料の微粒子の存在下に合成することによって耐熱性が改良され、着色力が高く、高発色性の黄色アゾ顔料組成物が得られることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の本発明によって達せられる。即ち、本発明は、熱安定性指数が1.5以下の熱安定性に優れた黄色アゾ顔料(A)と熱安定性指数が2.0以上の熱安定性に劣る黄色アゾ顔料(B)とを含み、熱安定性指数が2.0未満であることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物および上記の黄色アゾ顔料組成物を製造する方法において、平均粒径が0.1μm以下、熱安定性指数が1.5以下の黄色アゾ顔料(A)を、熱安定性指数が2.0以上の黄色アゾ顔料(B)のカップリング成分と共に溶剤に分散させ、該分散液中に上記黄色アゾ顔料(B)のジアゾニウム塩を滴下してカップリングさせ、上記黄色アゾ顔料(B)を上記黄色アゾ顔料(A)との複合物として生成させることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物の製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を更に詳細に説明する。
本発明の黄色アゾ顔料組成物は、鮮明性、着色力が高く、特にインクジェット用インキに使用すると高発色性の画像が得られる不溶性黄色アゾ顔料の熱安定性を改良したものであり、熱安定性に優れた黄色アゾ顔料(A)(以下では単にアゾ顔料(A)と称することがある。)と、着色力が高く、高発色性の熱安定性に劣る黄色アゾ顔料(B)(以下では単にアゾ顔料(B)と称することがある。)とを成分とし、アゾ顔料(B)を、アゾ顔料(A)の存在下にカップリング反応によって合成し、アゾ顔料(A)との複合物として生成させた顔料組成物である。ここで、不溶性黄色アゾ顔料は、例えば、PY−74に代表される黄色モノアゾ顔料でもPY−17に代表される黄色ジスアゾ顔料でも構わない。本発明の黄色アゾ顔料組成物は、特に、PY−74等の黄色モノアゾ顔料の耐熱性、耐溶剤性等の堅牢度を改善する効果が著しく大きいことが特徴である。
【0010】
熱安定性等を改良する方法としては、熱安定性に劣るアゾ顔料(B)が、例えば、黄色顔料のPY−74の場合、PY−74と化学構造の異なる、熱安定性に優れた不溶性黄色モノアゾ顔料、不溶性黄色ジスアゾ顔料、あるいは縮合(ポリ)黄色アゾ顔料をアゾ顔料(A)としてPY−74に対して特定の割合で混合する方法が考えられる。
しかし、この場合、PY−74とそれと化学構造の異なる顔料を別々に合成し、これらを所定の割合で混合するが、それぞれが既に熟成(顔料化)された粒子であるため、得られた顔料混合物を使用すると色別れ等のトラブルが発生する可能性が大きい。
【0011】
色別れを防止する方法として、顔料が特にアゾ顔料の場合、微細な顔料を製造する方法として公知のコカップリング法と呼ばれる方法で得られる顔料の使用が、有効であることが知られている。すなわち、この方法は、ジアゾ化可能なある特定の芳香族アミンのジアゾニウム塩とカップリング成分をカップリング反応させる時に、カップリング成分を少なくとも2種用い、2種以上の微細化顔料を同時に製造する方法である(特公昭60−36224号公報、特許第3055673号明細書等参照)。得られる顔料混合物では、それぞれの顔料粒子は混晶もしくは付着した状態で存在する。
【0012】
そこで、上記方法を参考に本発明者らは検討を重ね、PY−74(アゾ顔料(B))とPY−93(アゾ顔料(A))の混合物を例にとると、予めPY−93を平均粒径が0.1μm以下になるように加工(微細化)し、これを反応容器中に分散させ、この反応容器中でPY−74を常法に従ってジアゾ化・カップリング反応によって合成し、次いで反応混合物を熟成(顔料化)することにより、上記のコカップリング法によるのと同様な、それぞれの顔料粒子が混晶もしくは付着した状態(本発明ではこの状態を複合化と称し、生成物を複合物と称する。)の顔料を得ることに成功した。そして、この方法により熱安定性が高度に改善されたPY−74を得ることができた。
【0013】
本発明におけるアゾ顔料の熱安定性指数は、下記の如き加熱処理後の平均粒径を、加熱処理前のアゾ顔料の平均粒径で割った値をいう。この熱安定性指数が1.5以下の顔料を熱安定性に優れた顔料といい、該指数が2.0以上の顔料を熱安定性に劣る顔料という。本発明のアゾ顔料組成物の熱安定性指数は、2.0未満である。尚、平均粒径は、コールターサブミクロン粒子アナライザー(コールター社製MODEL N−4)で測定した重量平均値である。
尚、加熱処理は、アゾ顔料1.0gと非イオン性の界面活性剤1.5gとを混合し、得られたアゾ顔料が該界面活性剤に分散した分散体を乾燥機等に静置して130℃の温度で30分間加熱処理することである。
【0014】
本発明で使用する熱安定性が優れた黄色アゾ顔料(A)としては、不溶性の、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、縮合(ポリ)アゾ顔料があり、具体的にはPY−16、PY−93、PY−94、PY−95、PY−120、PY−128、PY−151、PY−154、PY−155、PY−167、PY−175、PY−180、PY−181等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。熱安定性が劣る黄色アゾ顔料(B)としては、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料があり、具体的にはPY−1、PY−2、PY−3、PY−5、PY−6、PY−12、PY−13、PY−14、PY−17、PY−49、PY−55、PY−63、PY−65、PY−73、PY−74、PY−75、PY−81、PY−83、PY−87、PY−90、PY−97、PY−111、PY−116等が挙げられ、これらの少なくとも1種が使用される。前記のように、本発明においてはアゾ顔料(B)が、特にモノアゾ顔料である場合、耐熱性、耐溶剤性等の堅牢度が顕著に改善される。
【0015】
本発明のアゾ顔料組成物は、アゾ顔料(A)を0.5〜50.0重量%、好ましくは5.0〜40.0重量%、アゾ顔料(B)を99.5〜50.0重量%、好ましくは95.0〜60.0重量%の割合で含む。アゾ顔料(A)の含有割合が、少なすぎるとアゾ顔料(B)の熱安定性は改良されず、多すぎると含有割合を増加しても熱安定性はそれ以上には向上せず、不経済である。
【0016】
本発明のアゾ顔料組成物は、アゾ顔料(A)を分散させた反応容器中にアゾ顔料(B)のカップリング成分を同時に分散させ、この分散液にアゾ顔料(B)のジアゾ成分またはテトラゾ成分を添加してカップリング反応を完結させ、アゾ顔料(B)をアゾ顔料(A)との複合物として生成させることによって製造される。その際、アゾ顔料(A)と、アゾ顔料(B)のジアゾ成分およびカップリング成分は、得られるアゾ顔料組成物中の各顔料が前記の含有割合となる割合で使用される。カップリング反応後の熟成等の以降の操作は、通常のアゾ顔料の製造の場合と同様である。
【0017】
ジアゾ(テトラゾ)成分の形成(ジアゾ(テトラゾ)化反応)およびカップリング反応は、従来公知の方法に従えばよく、特に限定されない。また、アゾ顔料(B)のジアゾ(テトラゾ)成分およびカップリング成分としては、熱安定性を改良するアゾ顔料(B)の合成に使用される各成分が使用される。上記のカップリング反応において、アゾ顔料(A)は、平均粒径を0.1μm以下、好ましくは0.08μm以下に調整して使用することが重要であり、平均粒径が大きすぎるとアゾ顔料(A)とアゾ顔料(B)とを複合化させることが困難となり、得られるアゾ顔料組成物を使用すると色別れを生じる恐れがあり、また熱安定性の改良効果も減少する。平均粒径の下限は特に限定されないが、現状の微細化の技術水準に照らして0.03μm程度が限度である。
【0018】
本発明においては、アゾ顔料(A)は、合成して使用しても、あるいは市販品を使用してもよい。合成して使用する場合には、まず、通常のジアゾ化(テトラゾ化)・カップリング反応によってアゾ顔料(A)を製造し、熟成(顔料化)をせずに濾過してプレスケーキとし、得られた微細な顔料をそのまま使用することができる。また、市販品を使用する場合には、市販の顔料をボールミル、加圧ニーダー等でソルベントソルトミリングして上記の平均粒径に微細化した顔料を使用することができる。アゾ顔料(A)の微細化の方法はとくに限定されず、上記以外の方法であってもよい。
【0019】
かくして得られる本発明のアゾ顔料組成物は、通常の印刷インキ、塗料等の着色剤にも使用できるが、画像記録用および画像表示用着色組成物の着色剤としての使用がより最適である。画像記録用着色組成物の具体例は、インクジェット用インク、粉砕もしくは重合法で製造されるフルカラートナー等が挙げられる。画像表示用着色組成物の具体的な例としては、カラーフィルター用等の着色組成物が挙げられる。
【0020】
インクジェット用インクは、通常、着色剤、水の他に水溶性樹脂分散剤や界面活性剤、水性樹脂固着剤及び有機溶剤等から構成され、インクの保存性、吐出安定性等を向上させる目的で、表面張力調整剤、粘度調整剤、比抵抗調整剤、消泡剤、防黴剤等を加えることもできる。この場合に用いられる水は、イオン交換水またはイオン交換した蒸留水が用いられる。上記の各成分は該インクの製造に従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。
【0021】
電子複写機用等の現像剤(画像記録用)では、粉砕トナーの場合、顔料をそれを融着させる樹脂として、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル、エポキシ樹脂等と種々の添加剤とを加熱混練、粉砕および分級したものが用いられる。この加熱混練工程で熱安定性の悪い顔料は、著しく結晶成長を起こすことがある。
【0022】
また、いわゆる重合法トナーの場合には、懸濁重合、乳化重合等の重合方法によってトナーを製造するが、重合方法はいずれの方法でも構わない。例えば、懸濁重合の場合、一般的にはスチレン、メタクリル酸等のモノマーに顔料を一緒に分散させ、75℃前後の温度で3〜5時間かけて重合反応が行われる。この重合工程で、熱安定性及び耐溶剤性の悪い顔料は、著しく結晶成長を起こすことがある。上記の各トナーの製造に使用される各種添加剤は、トナーの製造に従来から使用されているものがいずれも使用でき、特に限定されない。
【0023】
画像表示用着色組成物としてカラーフィルター(CF)用着色組成物について述べる。該着色組成物は、顔料とこれを分散させるための樹脂ワニスからなるものである。顔料は、本発明のアゾ顔料組成物(黄色)とこれにより色補正させる赤色、緑色あるいは藍色等の顔料である。樹脂ワニスとしては、従来公知のカラーフィルター用着色組成物に使用される印刷インキワニス、着色塗工材ベヒクルあるいは感光性樹脂ワニスのいずれもが使用でき、油性、水性、無溶剤型及び固体型の各タイプが使用される。また、必要に応じて従来公知の添加剤、例えば、分散助剤、平滑化剤、密着化剤等が適宜添加使用される。
【0024】
【実施例】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明を具体的に説明する。尚、文中の部または%とあるのは全て重量基準である。以下の例における顔料自体の平均粒径および組成物中の顔料の平均粒径は、下記の方法で測定した重量平均粒径である。
【0025】
(1)顔料自体の平均粒径の測定方法
顔料1.0gとエマルゲン705(花王社製:非イオン界面活性剤)1.5gとをフーバー式マーラーで荷重150ポンド、練り回数300回の条件で分散させる。これを測定装置に規定されている濃度まで水で希釈した後、超音波を1分間作用させて調製した試験液を、コールターサブミクロン粒子アナライザー(コールター社製MODEL N−4)で測定する。
【0026】
(2)組成物中の顔料の平均粒径の測定
着色組成物0.1gをキシレン10ccに溶解させ、これを測定装置に規定されている濃度まで水で希釈した後、超音波を1分間作用させて調製した試験液をコールターサブミクロン粒子アナライザー(コールター社製MODEL N−4)で測定する。
【0027】
実施例1
ポリアゾ系黄色顔料(PY−93)100部、塩化ナトリウム400部、およびジエチレングリコール130部を加圧蓋を装着するニーダーに仕込み、加圧蓋を上げたまま、均一に湿潤された塊ができるまで予備混練をし、次いで加圧蓋を下げて圧力6Kg/cm(58.8×10Pa)で内容物を押さえ込みながら混練摩砕を開始した。内容物温度が40〜45℃になるように冷却媒体温度・量を管理しながら4時間混練摩砕処理を行った。
得られた内容物を80℃に加温した3000部の2%硫酸水溶液中に投入して1時間の攪拌処理を行った後、濾過、水洗して塩化ナトリウム、ジエチレングリコールを除去し、更に80℃の熱風乾燥機中で24時間乾燥処理を加えることでPY−93の微細化顔料を得た。平均粒径は0.085μmであった。また、この顔料の熱安定性指数は1.1である。
【0028】
PY−74の原料成分である33.6部の2−メトキシ−4−ニトロアニリンを200部の4N塩酸水溶液中に加え、室温で2時間分散させた後、氷で0℃以下まで冷却する。次いでこれに48.3部の30%亜硝酸ナトリウム水溶液を加えてジアゾ化させた後、過剰の亜硝酸塩をスルファミン酸で分解し、ケイソウ土を加えて不溶物をろ過によって取り除き、澄んだ淡黄色のジアゾニウム塩溶液を得た。
一方、41.4部の2−メトキシアセトアセトアニライドを305部の2N苛性ソーダ水溶液に溶解させた後、上記で得られたPY−93の微細化顔料30.9部を分散させ、冷却して320部の2N酢酸水溶液を加えて2−メトキシアセトアセトアニライドを析出させ、更に81.6部の酢酸ナトリウム・3水和物を加えて20℃に調整し、カップリング成分とPY−93の懸濁液を得た。
【0029】
このカップラー懸濁液に前記のジアゾニウム塩溶液を20℃で2時間かけて滴下した後、更に2時間以上攪拌してカップリング反応を完結させる。こうして得られたアゾ顔料のスラリーを90℃に昇温し、更に90℃で30分熟成すると赤味黄色の顔料が得られた。これをろ過、水洗し、含水プレスケーキを得る。このプレスケーキを90℃で20時間乾燥し、鮮明な黄色の顔料粉末107.8部を得た。この顔料(組成物)は、平均粒径0.145μmであり、PY−74とPY−93の重量比が約71.4%:28.6%の複合顔料である。また、熱安定指数は1.7であった。
【0030】
実施例2〜12
実施例1と同様にして、表1に示す組み合わせでアゾ顔料組成物を作製した。各アゾ顔料(A)は、熱安定指数は1.0〜1.4の範囲にあり、平均粒径を0.07〜0.1μmに調整した。得られた各アゾ顔料組成物の熱安定指数および平均粒径を表1に示した。尚、各アゾ顔料(B)(市販品)の熱安定性指数は、2.3〜4.0の範囲であった。
【0031】
Figure 2004182952
【0032】
比較例1
2−メトキシ−4−ニトロアニリンを常法に従いジアゾ化し、2−メトキシアセトアセトアニライド及びこれの5%アセトアセト−4−スルファニル酸カリウム塩を加えたものとコカップリングして得られた顔料スラリーを90℃で1時間熟成し、90℃で20時間乾燥して平均粒径0.152μmの黄色顔料(95/5(%))を得た。このものの熱安定指数は3.5であった。
【0033】
実施例13(インクジェット用インク)
実施例1の黄色アゾ顔料組成物をサンドミルにて分散して調製した黄色顔料の水ペースト20部(固形分25%)、スチレン−アクリレート−メタクリル酸ジエタノールアミン塩共重合体3部、エチレングリコール22部、グリセリン8部および水62部からなる水性顔料分散液を作り、分散し得なかった顔料粗粒子を超遠心分離機で除去し、インクジェット用水性イエローインクを得た。このインク中の顔料の平均粒径は、0.089μmであった。オンデマンド型のインクジェットプリンターで、上記イエローインキを用いて画像情報をプリントし、鮮明な黄色画像を得た。
【0034】
実施例14(電子写真乾式現像剤)
ビスフェノール型ポリエステル樹脂粉末と実施例2の黄色アゾ顔料組成物を高速混合機で予備混合した後、加熱三本ロールにより充分混練し、冷却後、粗砕し、微細に分散した顔料を30%の濃度で含有する黄色の易分散加工品の粗砕粉を得た。次いで、上記の易分散加工品の粗砕粉14.0部、荷電制御剤2.8部およびビスフェノール型ポリエステル樹脂粉末を加えて100部にして、常法に従って押出成型機にて混練し、冷却、粗砕後、ジェットミルで微粉砕し、分級して平均粒径7〜8μmの微粉末を得た。流動化剤を添加し、キャリアの磁性鉄粉と混合し、黄色のフルカラー電子写真乾式現像剤とした。フルカラー複写機にて現像し、市販のマゼンタ、シアン、ブラック色の電子写真乾式現像剤と組み合わせると鮮明な4色フルカラー画像が得られた。
【0035】
実施例15(カラーフィルター)
RGBカラーフィルターを得るために、下記の方法によりガラス板上に実施例10の黄色アゾ顔料組成物で吸収波長補正した赤色(R)モザイク状パターンおよび実施例10の黄色アゾ顔料組成物で吸収波長補正した緑色(G)モザイク状パターンおよび紫色顔料で吸収波長補正した青色(B)モザイク状パターンを形成させた。着色パターン形成着色組成物は、表2に記した成分を使用して調製した赤色(R−1)、緑色(G−1)及び青色(B−1)のカラーフィルター用感光性コーティング剤を使用した。使用した感光性ポリイミド樹脂ワニスは、光増感剤を含む感光性ポリイミド樹脂ワニスである。
【0036】
Figure 2004182952
(注)PR:C.I.ピグメントレッド
PG:C.I.ピグメントグリーン
PB:C.I.ピグメントブルー
PV:C.I.ピグメントバイオレット
【0037】
シランカップリング剤処理を行ったガラス板をスピンコーターにセットし、上記のR−1の赤色のカラーフィルター用感光性コーティング剤を最初300rpmで5秒間、次いで2000rpmで5秒間の条件でスピンコートした。次いで80℃で15分間プリベークを行い、モザイク状のパターンを有するフォトマスクを密着させ、超高圧水銀灯を用い900mJ/cmの光量で露光を行った。次いで専用現像液及び専用リンスで現像及び洗浄を行い、ガラス板上に赤色のモザイク状パターンを形成させた。
【0038】
引き続いて緑色モザイク状パターン及び青色のモザイク状パターンを上記のG−1の緑色及びB−1の青色のカラーフィルター用感光性コーティング剤を用いて上記の方法に準じて塗布、焼き付けを行い、次いで常法に従いブラックマトリックスを形成させ、RGBカラーフィルターを得た。上記で得られたカラーフィルターは耐光性、耐熱性等の堅牢性に優れ、また光の透過性にも優れた性質を有し、液晶カラーディスプレイ用カラーフィルターとして優れた性質を有した。
【0039】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、熱安定性が改良され、着色力が高く、高発色性、比較的低コストのPY−74等の黄色のモノアゾ顔料組成物、PY−17等のジスアゾ顔料組成物が提供される。

Claims (8)

  1. 熱安定性指数が1.5以下の熱安定性に優れた黄色アゾ顔料(A)と熱安定性指数が2.0以上の熱安定性に劣る黄色アゾ顔料(B)とを含み、熱安定性指数が2.0未満であることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物。
  2. 上記黄色アゾ顔料(A)が、C.I.ピグメントイエロー(以下PYと略記する。)−16、PY−93、PY−94、PY−95、PY−120、PY−128、PY−151、PY−154、PY−155、PY−167、PY−175、PY−180、PY−181から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料であり、上記黄色アゾ顔料(B)が、PY−1、PY−2、PY−3、PY−5、PY−6、PY−12、PY−13、PY−14、PY−17、PY−49、PY−55、PY−63、PY−65、PY−73、PY−74、PY−75、PY−81、PY−83、PY−87、PY−90、PY−97、PY−111、PY−116から選ばれる少なくとも1種の黄色顔料である請求項1に記載の黄色アゾ顔料組成物。
  3. 上記黄色アゾ顔料(A)を0.5〜50.0重量%、上記黄色アゾ顔料(B)を99.5〜50.0重量%の割合で含む請求項1に記載の黄色アゾ顔料組成物。
  4. 請求項1に記載の黄色アゾ顔料組成物を製造する方法において、平均粒径が0.1μm以下、熱安定性指数が1.5以下の黄色アゾ顔料(A)を、熱安定性指数が2.0以上の黄色アゾ顔料(B)のカップリング成分と共に溶剤に分散させ、該分散液中に上記黄色アゾ顔料(B)のジアゾニウム塩を滴下してカップリングさせ、上記黄色アゾ顔料(B)を上記黄色アゾ顔料(A)との複合物として生成させることを特徴とする黄色アゾ顔料組成物の製造方法。
  5. 請求項1に記載の、または請求項4に記載の方法で得られる黄色アゾ顔料組成物を着色剤として含むことを特徴とする着色組成物。
  6. インクジェット用インク、フルカラートナー等の画像記録用である請求項5に記載の着色組成物。
  7. カラーフィルター用等の画像表示用である請求項5に記載の着色組成物。
  8. 請求項5の着色組成物を使用して着色されたことを特徴とする着色物品。
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