JP4773760B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍装置、たとえば冷凍車等の輸送用冷凍装置に適用して好適な冷凍装置に関するものである。
陸上輸送用冷凍装置は、トラックの荷台など陸上輸送用車両(以下「冷凍車」と呼ぶ)に積載されたコンテナ(保冷庫)内を冷却または加温し、積み込んだ荷物を所望の温度に維持して輸配送する車両に装備されるものであり、コンプレッサ、コンデンサユニット、エバポレータユニット等の機器類を冷媒配管で接続した冷凍サイクルを形成し、さらに、各種運転操作を行う制御部等を具備して構成されている。
このような陸上輸送用冷凍装置には、車両走行用の主エンジンとは別に、コンプレッサ駆動用として専用のサブエンジンを備えている「サブエンジン方式」と呼ばれるものがある。なお、サブエンジン方式においては、コンプレッサ駆動用のサブエンジンがオルタネータを駆動し、エンジン始動等に使用される電源を供給するバッテリの充電を行うようになっている。
このようなサブエンジン式の陸上輸送用冷凍ユニットでは、コンプレッサ駆動用エンジン(以下「サブエンジン」と呼ぶ)の燃料消費量を低減するため、庫内が温調設定温度に到達した時点でサブエンジンの運転を停止するとともに、外部からの入熱等により庫内温度と温調設定温度との温度差が規定値以上に大きくなった時点でサブエンジンの運転を再開する制御を行うことで庫内を温調する運転モード(以下、「自動発停運転モード」と呼ぶ)を備えている。(たとえば、特許文献1参照)
特開平5−60427号公報
しかしながら、上述した従来技術の陸上輸送用冷凍ユニットにおいて、温調負荷が著しく小さい運転条件、もしくは庫内吹出温度が吸込側にショートサーキットするような場合には、サブエンジンの運転を再開した直後に庫内温度が温調設定温度に到達し、サブエンジンの停止条件となることがある。このように、サブエンジンの運転時間が極端に短い条件でエンジン発停を繰り返した場合、コンプレッサ駆動用のサブエンジンで駆動されるオルタネータによりエンジン始動等に使用されるバッテリの充電を行うための運転時間が不足し、いわゆるバッテリ上がりを起こすことが懸念される。
これを防止する従来技術は、たとえば図6に示す庫内冷却運転時において、サブエンジンの最小運転時間tmを規定しておく。この最小運転時間tmは、たとえばバッテリの充電に必要な最小の運転時間を満足する値とされる。
図6において、最初の冷却運転により庫内温度Tが庫内設定温度Tsまで低下すると、サブエンジンの運転が停止される。このエンジン停止は、庫内温度Tが庫外からの入熱等により運転復帰温度Tdに上昇するまで継続されるものであり、この間の庫内冷却は行われない。図示の例では、最初のエンジン停止時間t1が経過し、庫内温度Tが運転復帰温度Tdまで上昇すると、サブエンジンを始動して庫内を再冷却する運転が行われる。
この再冷却により庫内温度Tが低下して庫内設定温度Tsに到達するが、この時点でサブエンジンの運転時間tsは規定時間である最小運転時間tmより短い(ts<tm)ため、サブエンジンの運転及び庫内の冷却は、最小運転時間tmが経過するまで継続した後に停止される。このため、庫内温度Tは、庫内設定温度Tsよりさらに温度低下した冷却温度Twとなる。
続いて、サブエンジンの運転は、庫内温度Tが運転復帰温度Tdに再度上昇するのに要するエンジン停止時間t2を経過するまで停止された後、エンジン最小運転時間tmの冷却運転が行われる。以下同様にして、サブエンジンは、庫内温度Tが運転復帰温度Tdに再度上昇するまで運転を停止した後、運転を再開して最小運転時間tmだけ継続運転するというように、運転・停止を交互に繰り返す自動発停運転モードにより庫内の温調が行われる。
このような対処方法では、サブエンジンを最小運転時間tmまで必ず運転を継続することにより、庫内温度Tは庫内設定温度Tsより低い冷却温度Twまで低下するので、庫内温度Tの振れ幅(TdとTwとの差)が大きくなって定温輸送の品質を低下させるという不具合があった。
なお、庫内を加熱する場合についても、自動発停運転モードにより同様の温調制御が行われている。
このように、サブエンジン方式を採用した従来の陸上輸送用冷凍装置は、自動発停運転モードにおける庫内温度の振れ幅が大きいという問題を有しているので、近年の定温輸送に対するユーザーの厳しい要求、すなわち庫内温度の振れ幅を最小にするという要求を満足するためにも、バッテリの充電性能及びサブエンジンの良好な燃費を犠牲にすることなく定温輸送の精度を向上させることが望まれる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、バッテリの充電性能及びエンジンの良好な燃費を犠牲にすることなく定温輸送の精度を向上させることができるエンジン駆動方式の冷凍装置を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明の冷凍装置は、庫内の空気と熱交換させて温調する冷媒を圧縮し、冷媒回路に送出して循環させる圧縮機が専用のエンジンにより駆動される冷凍装置において、庫内温度を所望の設定値に維持するためのエンジン運転時間が、エンジン駆動用バッテリの充電完了までに必要な最小の充電運転時間と、該充電運転時間に加算した所定の許容時間との間に設定された許容範囲内に入るように、前記冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御する定温維持運転モードを備えており、前記フィードバック制御は、温調運転により庫内温度が庫内設定温度を超えて温調された場合、前記エンジンの運転停止後に運転復帰温度に到達すると再開される次回の温調運転時の温調能力を前回の温調運転時の温調能力よりも低下させることを特徴とするものである。
このような冷凍装置によれば、庫内温度を所望の設定値に維持するためのエンジン運転時間が、エンジン駆動用バッテリの充電完了までに必要な最小の充電運転時間と、該充電運転時間に加算した所定の許容時間との間に設定された許容範囲内に入るように、冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御する定温維持運転モードを備えており、前記フィードバック制御は、温調運転により庫内温度が庫内設定温度を超えて温調された場合、前記エンジンの運転停止後に運転復帰温度に到達すると再開される次回の温調運転時の温調能力を前回の温調運転時の温調能力よりも低下させるので、エンジン運転時間をバッテリの充電完了までに必要な最小の運転時間以上として確実にバッテリ充電を行い、所定の許容時間をできるだけ小さく設定することでエンジンの燃費を向上させることができる。
そして、エンジン運転時間がバッテリの充電完了までに必要な最小の運転時間以上の許容範囲内となるように、冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御するので、エンジン運転時間がバッテリ充電時間を超え、さらに、エンジンの運転及び温調を継続することにより、庫内温度の設定値まで変動した時点でエンジンの運転を停止することが可能になる。すなわち、エンジンの充電に必要な最小のエンジン運転時間を満足するできるだけ短い運転時間とし、庫内温度を所望の設定値まで変化させることができる温調能力となるように可変制御すれば、バッテリ充電完了後のエンジン運転時間を0または最短とし、かつ、庫内温度の設定値と温度差をなくして実質的な庫内温度の振れ幅を小さくした定温制御が可能となる。
上記の冷凍装置において、庫内の吹出空気温度を検出する温度検出手段と、前記エンジン運転時間をカウントする運転時間検出手段と、前記吹出空気温度の目標設定値を前記エンジン運転時間に応じて変更する制御手段とを具備し、前記定温維持運転モードでは、庫内温度が前記設定値に到達するまで前記エンジンを運転して温調し、前記運転時間検出手段で検出した前記運転時間が前記許容範囲内から外れると、前記制御手段が前記目標設定値を変更して前記温調能力を可変制御するフィードバック制御を行うことが好ましい。
このような冷凍装置によれば、温度検出手段により庫内の吹出空気温度を検出し、この吹出空気温度と運転時間検出手段により検出したエンジン運転時間とに基づいて制御手段が吹出空気温度の目標設定値を変更するので、最小のバッテリ充電時間を満足する許容範囲内のエンジン運転時間で庫内の温調が可能となるように温調能力を可変制御することができる。すなわち、吹出空気温度をパラメータとし、温調能力を可変制御して庫内温度を所望の設定値に維持するエンジン運転時間の調整を行うフィードバック制御が可能となる。
なお、この場合のエンジン運転時間は、エンジンと一体に運転されるため同じ値となるオルタネータの発電時間を検出してもよい。
上記の冷凍装置において、前記目標設定値に上限値及び下限値を設けることが好ましく、これにより、凍結や解凍といった積荷障害が発生するのを防止できる。
上述した本発明によれば、庫内温度を所望の設定値に維持するエンジン運転時間が、エンジン駆動用バッテリの充電完了までに必要な最小の充電運転時間と、該充電運転時間に加算した所定の許容時間との間に設定された許容範囲内に入るように、冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御する定温維持運転モードを備えており、前記フィードバック制御は、温調運転により庫内温度が庫内設定温度を超えて温調された場合、前記エンジンの運転停止後に運転復帰温度に到達すると再開される次回の温調運転時の温調能力を前回の温調運転時の温調能力よりも低下させるので、バッテリの充電時間を満足するとともに、エンジンの運転時間をできるだけ短くすることができる。
このため、バッテリの充電を確実に実施し、かつ、エンジン運転時間の短縮により燃費を向上させながら、庫内温度を所望の設定値に定温維持することができる。また、エンジン運転時間における温調能力がフィードバック制御により可変制御されるため、エンジン運転時間がバッテリ充電時間以上となり、かつ、庫内温度が所望の設定値になった時点で運転を停止するので、庫内温度の振れ幅が小さい定温維持運転を可能にするという顕著な効果が得られる。
以下、本発明に係る冷凍装置の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図4(a)に示す冷凍車1は、荷台に積載したコンテナ2内を冷却または加熱して所望の庫内設定温度Tsに維持する陸上輸送用冷凍装置10を装備している。なお、図示の陸上輸送用冷凍装置10は、コンテナ2内に設置されるエバポレータユニット3と、コンテナ2の外部に設置されるコンデンシングユニット4とに分割されたセパレート型であり、両ユニット3,4間が冷媒配管5、ホットガスバイパス配管6及び図示しない電気ケーブルで連結された構成とされる。
ここで、陸上輸送用冷凍装置10の冷媒回路構成を図5に基づいて説明する。
陸上輸送用冷凍装置10は、コンデンシングユニット4内に設置された圧縮機11からコンテナ2の庫内に設置されたエバポレータユニット3に冷媒を供給し、この冷媒と庫内の空気とを熱交換させて庫内の温調を行う装置である。この場合の圧縮機11は、車両走行用エンジンとは別に設けた圧縮機専用のエンジン(以下、「エンジン」と呼ぶ)12により駆動されるサブエンジン方式である。なお、以下の説明は、コンテナ2の庫内を冷却する場合の運転である。
圧縮機11で圧縮された高温高圧のガス冷媒(ホットガス)は、冷媒配管5及び全開のコンデンサ入口電磁弁13を通ってコンデンサ14に導かれる。このとき、冷媒配管5の途中から分岐するホットガスバイパス配管6に配設されたホットガス電磁弁7は全閉とされる。
コンデンサ14に供給された高温高圧のガス冷媒は、外気と熱交換して凝縮し、気液二相を含む液冷媒となる。なお、図中の符号15は、コンデンサ14を通過する冷媒と熱交換させる外気の流通を促進するコンデンサファンである。
コンデンサ14で凝縮した液冷媒は、冷媒配管5を通り、レシーバタンク16を経由して絞り機構の電子膨張弁17に導かれる。この液冷媒は、電子膨張弁17を通過して減圧されるため、低温低圧の液冷媒がエバポレータ32に供給される。なお、図中の符号33は、エバポレータ32を通過する冷媒と熱交換させる庫内の空気の流通を促進するエバポレータファンである。
エバポレータ32に供給された液冷媒は、庫内の空気と熱交換して気化し、低温低圧のガス冷媒が圧縮機11に吸い込まれる。この結果、冷媒が庫内の空気から吸熱するので、庫内の空気は冷却されて庫内温度が低下する。なお、エバポレータ32と圧縮機11との間を連結する冷媒配管5には、アキュムレータモジュレーティングバルブ18及びアキュムレータ19が配設されている。
このように、圧縮機11で圧縮されたガス冷媒は、コンデンサ14、電子膨張弁17及びエバポレータ32の順に循環して凝縮及び気化による状態変化を繰り返すので、圧縮機11で冷媒を循環させる閉回路の冷凍サイクルが構成される。
上述した冷凍サイクルには、ホットガス電磁弁7を備えたホットガスバイパス配管6が設けられている。このホットガスバイパス配管6は、コンテナ2の庫内を加温する場合に使用される冷媒流路であり、圧縮機11とコンデンサ入口電磁弁13との間から分岐し、電子膨張弁17とエバポレータ32との間に連結されている。
このホットガスバイパス配管6を用いてコンテナ2の庫内を加温する場合には、コンデンサ入口電磁弁13及び電子膨張弁17を全閉とし、ホットガス電磁弁7を全開にして圧縮機11を運転する。この結果、圧縮機11から送出された高温高圧のガス冷媒は、コンデンサ14及び電子膨張弁17を経由することなくバイパスし、そのままの状態でエバポレータ32に供給される。このため、エバポレータ32では、高温高圧のガス冷媒が庫内の空気と熱交換して放熱するので、庫内を加熱する加温運転が行われる。
上述したエバポレータユニット3は、たとえば図4(b)に示すように、コンテナ2の上部適所に固定設置される。このエバポレータユニット3は、空気の出入口となる不図示の開口が形成されている筐体31内にエバポレータ32及びエバポレータファン33を収納設置した構成とされる。また、エバポレータユニット3内の適所には、庫内から吸い込む温調前の空気温度を検出する吸込空気温度センサ34と、庫内へ吹き出す温調後の空気温度を検出する温度検出手段となる吹出空気温度センサ35とが設けられている。これらの温度センサ34,35は、後述する制御手段のコントローラ20と接続されている。
一方、コンデンシングユニット4には、上述したエバポレータユニット3以外の構成要素である圧縮機11、エンジン12、コンデンサ13及びコントローラ20等が収納設置されている。
コントローラ20は、上述した陸上輸送用冷凍装置10の各種制御を行うもので、吸込空気温度センサ33及び吹出空気温度センサ34を含む各種センサ情報が入力される入力部21と、各種センサ情報を入力部21から受けて所定の制御ロジックにより各種制御を行う演算部22と、この演算部22で演算処理して得られた制御信号を受けてエンジン12や電子膨張弁17を含む外部の各種アクチュエータへ出力する出力部24とを具備して構成される。また、演算部22は、吹出空気温度の目標設定値をエンジン運転時間に応じて変更する制御手段の機能と、エンジン12の運転時間をカウントする運転時間検出手段となるタイマ23とを備えている。
また、上述したエンジン12は、エンジン始動時等に使用する電源のエンジン駆動用バッテリ(以下、「バッテリ」と呼ぶ)25を充電するために設けられたオルタネータ26の駆動源ともなる。すなわち、エンジン12は、圧縮機11を駆動するのと同時にオルタネータ26も駆動することで、エンジン停止時の放電やエンジン始動等に消費した分がバッテリ25に充電されるようになっている。
上述した構成の陸上輸送用冷凍装置10は、庫内温度を所望の設定値に維持するためのエンジン運転時間tnが、すなわちエンジン12の運転により圧縮機11を駆動して冷媒を送出する運転時間tnが、バッテリ25の充電完了までに必要な最小の充電運転時間であるエンジン最小運転時間tmと、このエンジン最小運転時間tmに加算した所定の許容時間であるエンジン適正運転時間teとの間に設定された許容範囲内に入る(tm≦te≦tm+te)ように、上述した冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御する自動発停運転の定温維持運転モードを備えている。
なお、上述したエンジン運転時間tnは、コントローラ20内のタイマ23でカウントされる実際の運転時間である。
この定温維持運転モードについて、具体例を図1に基づいて説明する。なお、図1において、横軸をエンジン12の運転時間(t)とし、縦軸を庫内温度(T)とする。
最初の庫内冷却運転により、吸込空気温度センサ34で検出される庫内温度Tが庫内設定温度Tsまで低下すると、エンジン12の運転及び庫内の冷却(以下、「冷却運転」と呼ぶ)が停止される。最初のエンジン停止時間は、庫外からの入熱等を受けて庫内温度Tが徐々に上昇し、庫内温度Tが予め設定された運転復帰温度Tdに到達するまでの時間t1となる。
運転復帰温度Tdに到達したら、エンジン12の運転を再開して庫内の冷却運転を実施する。この場合の運転時間tは、第1回目の再冷却運転であるため、たとえば所定のエンジン最小運転時間tm等の運転初期条件に設定される。しかし、図示の例では、この冷却運転により、庫内温度Tは庫内設定温度Ts以下の冷却温度T1まで低下する。換言すれば、運転復帰温度Tdから庫内設定温度Tsまで温度低下するのに要した冷却運転時間tcは、エンジン最小運転時間tmより短い(tc<tm)値となる。なお、冷却運転の実施時間は、バッテリ充電に必要な最小の運転時間を確保するため、エンジン最小運転時間tmより短くなることはない。
こうしてエンジン最小運転時間tmの運転が完了すると、エンジン12の冷却運転は、庫内温度Tが冷却温度T1の状態から再度運転復帰温度Tdに上昇するまでエンジン停止時間t2の停止となる。
この運転停止後、エンジン12の運転を再開して第2回目の再冷却運転を行うが、前回の再冷却運転において庫内温度Tが運転復帰温度Ts以下に冷却されているので、目標とする吹出温度を補正して冷却能力を低下させる必要がある。すなわち、運転時間tがエンジン最小時間tmに許容範囲として加算したエンジン適正運転時間teの範囲内に入るように、各種設定を吹出空気温度が高くなる方向に補正し、冷却能力を低下させて温度低下の傾きを緩やかにした状態で冷却運転を再開する。
しかし、図示の例においては、第2回目の冷却運転で設定された吹出空気温度にも余剰の冷却能力があり、従って、吸込空気温度センサ34の検出値が庫内設定温度Tsまで低下した時点でエンジン最小運転時間tmを経過していない。すなわち、運転復帰温度Tdから庫内設定温度Tsまで温度低下するのに要した冷却運転時間tcは、前回の冷却運転時間と比較して時間差は小さくなったものの、やはりエンジン最小運転時間tmよりも短い(tc<tm)値となり、冷却運転終了時の庫内温度Tは冷却温度T2まで低下している。
こうしてエンジン最小運転時間tmの運転が完了すると、エンジン12の冷却運転は、庫内温度Tが冷却温度T2の状態から再度運転復帰温度Tdに上昇するまでエンジン停止時間t3の停止となる。
この運転停止後、エンジン12の運転を再開して第3回目の再冷却運転を行うが、前回の再冷却運転においても庫内温度Tは運転復帰温度Ts以下に冷却されているので、今回は目標とする吹出温度を再度補正して冷却能力をさらに低下させる必要がある。この補正により、前回の冷却運転よりさらに温度低下の傾斜を緩やかにした状態で冷却運転を開始する。
この結果、吸込空気温度センサ34が庫内設定温度Tsまで温度低下したことを検出すると、タイマ23でカウントされる運転時間tはエンジン運転時間tnとなり、このエンジン運転時間tnはエンジン最小運転時間tm以上であるため、この時点で冷却運転を停止する。また、このエンジン運転時間tnは、エンジン最小運転時間tmとの差(tn−tm)がエンジン適正運転時間teにより設定される適正運転の許容範囲内に入るため、次回の冷却運転では冷却能力の補正は不要と判断できる。
こうしてエンジン運転時間tnの運転が完了すると、エンジン12の冷却運転は、庫内温度Tが庫内設定温度Tsの状態から再度運転復帰温度Tdに上昇するまでエンジン停止時間t4の停止となる。
この運転停止後、エンジン12の運転を再開して第4回目の再冷却運転を行うが、前回の再冷却運転においては庫内温度Tが運転復帰温度Tsまで冷却されているので、今回は目標とする吹出温度を補正せず、同じ冷却能力に設定したまま冷却運転を開始する。
以下、同様にして、冷却運転及びエンジン停止を繰り返し、庫内温度Tを所望の温度範囲内に保つ定温維持運転モードが実施される。そして、外気温度等の諸条件に変化がなければ、同様の冷却能力を維持した定温維持運転が可能となるが、たとえば何らかの状況が変化するとエンジン運転時間tnは許容範囲から外れることもあり、このような場合は、吹出能力を補正して冷却能力を増減させる必要がある。
なお、上述した定温維持運転モードの説明は、庫内を冷却する冷却運転に関するものであったが、庫内を加熱する加温運転の場合は、庫内温度の上昇に要する時間がエンジン最小運転時間tm以上となるようにして、同様の自動発停運転による定温維持制御が行われる。
ここで、上述した定温維持運転モードについて、自動発停運転の制御例を図2のフローチャートに基づいて説明する。
最初のステップS1で自動発停運転の制御が開始されると、次のステップ2に進む。このステップS2では、冷却運転または加温運転により庫内を所望の温度範囲内(庫内設定温度Tsから運転復帰温度Tdの範囲内)に維持する定温維持運転の停止条件となるサーモOFF条件を検出したか否かを判断する。
ステップS2で「YES」と判断された場合には、次のステップS3に進んでエンジン12の運転時間Tが適正範囲内か否かを判断する。この結果、エンジン12の運転時間Tが適正範囲内である「YES」の場合には、次のステップS23に進んでサーモOFFを停止する。なお、ステップS2で「NO」と判断された場合には、後述するステップS11に進む。
一方、ステップS3で「NO」と判断された場合には、エンジン12の運転時間Tが適正範囲外であるため、次のステップS4に進んで最小時間未満であるか否かを判断する。すなわち、運転時間Tについて、バッテリ25の充電に必要なエンジン最小運転時間tm以上であるか否かを判断する。
ステップS4の判断が「YES」であれば、運転時間Tが最小運転時間未満となって短いため、次のステップS5に進む。なお、ステップS4の判断が「NO」の場合には、後述するステップS21に進む。
ステップS5では、目標とする吹出温度が補正済であるか否かを判断する。この結果、目標吹出温度が補正済である「YES」の場合には、次のステップS7に進んでエンジン12の運転を継続する。しかし、ステップS5で「NO」と判断された場合には、次のステップS6に進んで目標吹出温度の補正を行った後、次のステップS7に進んでエンジン12の運転を継続する。
ところで、上述したステップS2で「NO」と判断された場合には、ステップS11に進んでエンジン12の運転時間が適正時間より長いか否かを判断する。ここで「NO」と判断された場合には、次のステップS7に進んでエンジン12の運転を継続する。
一方、ステップS11で「YES」と判断された場合には、エンジン12の運転時間Tをカウントするためのカウンタであるタイマ23をリセットする。この後、次のステップS13に進んで目標吹出温度を補正し、さらに次のステップS7に進んでエンジン12の運転を継続する。
また、上述したステップS4で「NO」と判断された場合には、ステップS21に進んで目標吹出温度を補正する。この後、次のステップS22に進んで運転初期条件は適正かを判断し、適正である「YES」の場合は次のステップS23に進んでサーモOFFを停止する。
しかし、ステップS22の判断が「NO」である場合には、次のステップS31に進んで運転初期条件を変更した後、次のステップS23に進んでサーモOFFを停止する。この場合の運転初期条件は、たとえば図3に示すように、エンジン12の運転開始から規定時間後、すなわちフィードバック制御の影響がないか、あるいは影響が小さい時間範囲の後に、目標値と実測値との偏差から判定して変更する。
図3は、吹出空気温度を制御パラメータとした場合の例であり、縦軸は吹出空気温度センサ34の温度検出値、横軸は冷却運転開始からの経過時間を表している。サーモOFFから冷却運転を再開する場合、吹出温度検出値は庫内空気温度から冷却能力の増加に応じて徐々に低下する。
さて、運転初期条件が最適な場合、フィードバック制御で運転条件を変更するまでもなく、図3に示すように吹出空気温度は目標値に収束する。(初期条件最適収束特性)
運転初期条件の適否を判定する場合、運転初期条件での条件固定運転時間が短いと、経過時間は「判定1」のように初期条件適正判定タイミングが早くなり、逆に長いと「判定2」のように初期条件適正判定タイミングが遅くなる。図3からも判る通り、判定条件である吹出空気温度の適正レンジは判定タイミングにより変化し、たとえば判定タイミングが目標値への収束時間以上に長くなる「判定2」の場合は、吹出空気温度が目標値を挟む「適正レンジ2」に入れば適正と判断される。また、たとえば「判定1」のように判定タイミングが早くなればなるほど、運転初期条件の適否は「適正レンジ1」のように目標値から離れた吹出空気温度の設定範囲により判断される。
なお、運転初期条件の変更は、電子膨張弁17の開度や圧縮機12の回転数など、前回の運転収束値に変更する方式も可能である。
上述したように、本発明の冷凍装置10は、庫内の吹出空気温度を検出する吹出空気温度センサ(温度検出手段)35と、エンジン12の運転時間Tをカウントするタイマ(運転時間検出手段)23と、吹出空気温度の目標設定値をエンジン12の運転時間Tに応じて変更するコントローラ(制御手段)20とを具備し、定温維持運転モードでは、庫内温度が庫内設定温度(設定値)Tsに到達するまでエンジンを12運転して温調し、タイマ23で検出した運転時間Tが許容範囲であるエンジン適正運転時間Te内から外れると、コントローラ20が目標設定値を変更して温調能力を可変制御するフィードバック制御を行うものである。
また、上述した目標設定値には、凍結障害や解凍障害を防止するため、各庫内設定温度Tsで許容される範囲の上限値及び下限値を設けておく。
従って、エンジン12の運転時間は、バッテリ25の充電に必要な最低時間以上を確保し、かつ、エンジン12の運転における燃料消費量を悪化させない適切な時間範囲内となるように、より好ましくは、バッテリ25の充電に必要な最低時間と一致する運転時間となるように、目標とするエバポレータ32の吹出温度を変更するようにしたので、自動発停運転の省エネ性を犠牲にすることなく、バッテリ充電の信頼性を確保できる。
また、吹出空気温度をパラメータとすることにより、凍結や解凍といった積荷障害防止との両立が可能になる。
さらに、設定温度に対する庫内温度のアンダーシュートやオーバーシュートを防止できるため、精度のよい庫内温度制御ができる。
ところで、上述した実施形態では、エバポレータ32から庫内に吹き出す温調空気の吹出空気温度を制御パラメータとしたが、吸込空気温度と吹出空気温度との温度差をパラメータとする制御や、圧縮機12の圧力(冷却時は低圧制御、加熱時は高圧制御)をパラメータとする制御も可能である。
また、上述した実施形態では、エバポレータユニット3及びコンデンシングユニット4を別体に構成したセパレート型の陸上輸送用冷凍装置に適用して説明したが、両ユニット3,4を一体化した構成の陸上輸送用冷凍装置に適用可能なことは言うまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、エンジンにより駆動される冷凍装置全般に広く適用可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
本発明に係る冷凍装置の一実施形態として、自動発停運転の定温維持運転モードを示す説明図である。 図1の定温維持運転モードについて、自動発停運転の制御例を示すフローチャートである。 運転初期条件の判定例を示す説明図である。 (a)は本発明に係る冷凍装置を装備した冷凍車の外観斜視図、(b)はエバポレータユニットの構成例を示すコンテナ内の要部断面図である。 本発明に係る冷凍装置の冷媒回路図である。 従来の冷凍装置における自動発停運転を示す説明図である。
符号の説明
5 冷媒配管
6 ホットガスバイパス配管
10 冷凍装置
11 圧縮機
12 圧縮機用エンジン
14 コンデンサ
17 電子膨張弁
20 コントローラ(制御手段)
21 入力部
22 演算部
23 タイマ(運転時間検出手段)
24 出力部
25 駆動用バッテリ
26 オルタネータ
32 エバポレータ
34 吸込空気温度センサ
35 吹出空気温度センサ

Claims (3)

  1. 庫内の空気と熱交換させて温調する冷媒を圧縮し、冷媒回路に送出して循環させる圧縮機が専用のエンジンにより駆動される冷凍装置において、
    庫内温度を所望の設定値に維持するためのエンジン運転時間が、エンジン駆動用バッテリの充電完了までに必要な最小の充電運転時間と、該充電運転時間に加算した所定の許容時間との間に設定された許容範囲内に入るように、前記冷媒回路の温調能力をフィードバック制御により可変制御する定温維持運転モードを備えており、
    前記フィードバック制御は、温調運転により庫内温度が庫内設定温度を超えて温調された場合、前記エンジンの運転停止後に運転復帰温度に到達すると再開される次回の温調運転時の温調能力を前回の温調運転時の温調能力よりも低下させることを特徴とする冷凍装置。
  2. 庫内の吹出空気温度を検出する温度検出手段と、前記エンジン運転時間をカウントする運転時間検出手段と、前記吹出空気温度の目標設定値を前記エンジン運転時間に応じて変更する制御手段とを具備し、
    前記定温維持運転モードでは、庫内温度が前記設定値に到達するまで前記エンジンを運転して温調し、前記運転時間検出手段で検出した前記運転時間が前記許容範囲内から外れると、前記制御手段が前記目標設定値を変更して前記温調能力を可変制御するフィードバック制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記目標設定値に上限値及び下限値を設けたことを特徴とする請求項2に記載の冷凍装置。
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