JP4771201B2 - 安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置 - Google Patents

安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置 Download PDF

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この発明は、殺菌力に優れた次亜塩素酸が安定して存在する安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置に関する。
一般に、殺菌力があるとして知られている次亜塩素酸は、水に塩素を通じることによって無色の水溶液として生成されるもので、式(1)に示すように、副生する塩化水素と共存してのみ存在可能であるとされている。
Cl2+H2O→HClO+HCl…(1)
このような次亜塩素酸水溶液においては、塩素−酸素結合が酸素−水素結合よりも切断され易いため、著しい弱酸である。また、次亜塩素酸の収率を向上させるためには、触媒として毒性を有する塩化水銀を用いる必要がある。さらに、不安定なので冷暗所に貯蔵することとされているが、実際には貯蔵は困難であり、生成後すぐに使用することが必要なため、試薬として市販されていない状況である。
さらにまた、次亜塩素酸の生成には塩化水素の副生を伴うため、式(2)(3)に示すように、生成後は必然的に強酸性水溶液となる。この強酸性水溶液の水素イオン指数(pH値)を上昇させると、ルシャトリエの法則に従い、原系(次亜塩素酸)側に片寄っていた式(3)の平衡状態は、生成系側に片寄り水素イオンと次亜塩素酸イオンへの電離がより促進され、分解反応式(4)が生じる。
HCl→H++Cl-…(2)
HClO→H++ClO-…(3)
2HClO+ClO-→ClO3+2HCl…(4)
すなわち、従来法によって生成した次亜塩素酸は、塩化水素共存下の強酸性領域でのみしか存在し得ない。そして、このような塩化水素が共存する次亜塩素酸水溶液を使用した場合には、塩素ガスの発生や塩素ガス反応による錆の発生が生じるし、特にアルカリ領域での殺菌効果は期待出来ないとされている。現に、アルカリ領域での殺菌が問題になっていることもその一例である。
そこで、近年においては、水に次亜塩素酸ナトリウム及びpH値調整用の希塩酸を添加することで、次亜塩素酸が多く存在するとされる弱酸性領域に調整した次亜塩素酸水溶液を生成するといった試みがなされている。例えば、特許文献1及び2にも、水に次亜塩素酸ナトリウム及び塩酸を添加して次亜塩素酸水溶液を製造する方法について開示されている。
特開2001−321778号公報 特開平11−188083号公報
しかしながら、水に次亜塩素酸ナトリウム及び希塩酸を添加して生成される従来の次亜塩素酸水溶液は、pH値を安定させることが困難であった。次亜塩素酸水溶液のpH値が高くてアルカリ領域になる場合には、次亜塩素酸があまり存在せずに次亜塩素酸ナトリウムの状態のままで多く存在して殺菌力の低下を招いていた。また、pH値が低くて強酸性領域になる場合には、水に塩素を通じて生成した次亜塩素酸水溶液と同様に塩素ガスが発生するといった不具合があった。
さらに、生成時の次亜塩素酸水溶液のpH値が弱酸性領域に調整されていても、時間経過とともに塩素ガスが発生したり、アルカリ領域での殺菌に対して効果を発揮しないといった傾向が見受けられる。
このような不具合が発生する原因としては、次亜塩素酸水溶液の生成に際して、水による次亜塩素酸ナトリウムの希釈反応や、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸との中和反応が的確に行われておらず、次亜塩素酸が生成されていても塩化水素と共存した不安定な状態となっており、次亜塩素酸を安定した化合物として生成することが困難であると推察される。
従って、水に次亜塩素酸ナトリウム及び希塩酸を添加して生成される次亜塩素酸水溶液については、殺菌水等として詳しく研究されているが、今だ十分な実用化がなされていないのが実情である。
この発明は、上記の不具合を解消して、塩素ガスが発生せず、しかもアルカリ領域においても優れた殺菌力を発揮する安定した状態の次亜塩素酸を含有する安定化次亜塩素酸水溶液を製造するための製造装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、この発明の安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置は、次亜塩素酸ナトリウムを水で均質に希釈する均質化希釈手段と、その希釈水に希塩酸を反応させてpH値を5.0〜6.8の弱酸性領域に調整し、塩化水素を共存させることなく次亜塩素酸と塩化ナトリウムとを含有してなる安定化次亜塩素酸水溶液を生成する安定化反応手段とを備えたことを特徴とする。
具体的に、前記均質化希釈手段は、水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合させる混合希釈管路と、その混合希釈管路よりも拡径して、混合後の希釈水を自然拡散させる拡径希釈管路と、その拡径希釈管路の下流側に設けられて、拡散後の希釈水の流れ込みによって渦流を発生させて希釈を促進させる曲がり希釈管路と、その曲がり希釈管路よりも下流側に設けられて、希釈促進後の希釈水を滞留させる滞留希釈管路とを備えている。
そして、前記拡径希釈管路及び前記滞留希釈管路が上下方向に沿って配置されて、それらの下端部同士が前記曲がり希釈管路によって連結されて全体的に略U字形に連続され、前記拡径希釈管路の上端部に前記混合希釈管路が接続され、前記曲がり希釈管路の底部に希釈水を排出する電磁弁付きの排水管路が接続されている。
また、前記安定化反応手段は、排出された希釈水と希塩酸とを混合させる混合反応管路と、その混合反応管路よりも拡径して、混合後の反応水を自然拡散させる拡径反応管路と、その拡径反応管路の下流側に設けられて、拡散後の反応水の流れ込みにより渦流を発生させて反応を促進させる曲がり反応管路と、その曲がり反応管路よりも下流側に設けられて、反応促進後の反応水を滞留させる滞留反応管路とを備えている。
そして、前記拡径反応管路及び前記滞留反応管路が上下方向に沿って配置されて、それらの下端部同士が前記曲がり反応管路によって連結されて全体的に略U字形に連続され、前記拡径反応管路の上端部に前記混合反応管路が接続され、前記曲がり反応管路の底部に生成水を排出する電磁弁付きの排水管路が接続されている。
この発明の製造装置によって製造した安定化次亜塩素酸水溶液は、従来の次亜塩素酸水溶液と同様の次亜塩素酸を含有しているものの、その含有に際して塩化水素を共存させておらず、従来の次亜塩素酸水溶液とは共存物質が決定的に異なっている。
このため、従来の次亜塩素酸水溶液では、塩化水素が共存するために次亜塩素酸が不安定な状態となっていたが、この安定化次亜塩素酸水溶液では、次亜塩素酸が安定した化合物として存在することから、使用に際して塩素ガスが発生せず、しかもアルカリ領域においても優れた殺菌力を発揮することができる。これにより、殺菌力に優れた安定化次亜塩素酸水溶液を安定して流通させることができ、実用化を図ることができる。
また、安定化次亜塩素酸水溶液を、次亜塩素酸ナトリウムを水で均質に希釈して、その希釈水に希塩酸を安定して反応させて製造することで、毒性を有する塩素ガスや塩化水銀を用いることなく、穏和な条件下で安全に製造することができる。
さらに、安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置において、拡径希釈管路と滞留希釈管路の下端部同士を曲がり希釈管路によって連結し、また拡径反応管路と滞留反応管路の下端部同士を曲がり反応管路によって連結することで、これら管路全体に希釈水や反応水が緩やかに溜まって、希釈や反応を時間をかけて安定して行わせることができる。従って、希釈水や反応水を安定して行わせるための管路の管路長を短縮して、装置の小型化を図ることができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の一実施形態に係る安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置を示している。
図1において、(1)は原水供給管路であり、その途中に、流路を開閉する第1電磁弁(2)と、原水流量を測定する流量計(3)が設けられている。
(6)は、次亜塩素酸ナトリウム貯留タンク、(7)は、第1注入ポンプであり、次亜塩素酸ナトリウム貯留タンク(6)内の次亜塩素酸ナトリウムを、第1注入ポンプ(7)によって次亜塩素酸ナトリウム供給管路(8)へ送り出すようになっている。
原水供給管路(1)と次亜塩素酸ナトリウム供給管路(8)は、第1合流部(9)を介して合流されており、この第1合流部(9)において原水に次亜塩素酸ナトリウムが添加されて、次亜塩素酸ナトリウムを原水で均質に希釈するための均質化希釈手段(10)へ送り出すようになっている。
均質化希釈手段(10)は、第1合流部(9)の下流側に設けられた混合希釈管路(11)と、その混合希釈管路(11)の下流側に設けられた拡径希釈管路(12)と、その拡径希釈管路(12)の下流側に設けられた曲がり希釈管路(13)と、その曲がり希釈管路(13)よりも下流側に設けられた滞留希釈管路(14)とを備えている。
拡径希釈管路(12)及び滞留希釈管路(14)は、上下方向に沿って配置されており、それらの下端部同士が曲がり希釈管路(13)によって連結され、これら管路(12)(13)(14)が全体的に略U字形に連続している。
これら管路(12)(14)(13)は、上下方向に沿った1つの希釈槽(15)の内部に、上下方向に沿った仕切板(16)を設けて、その仕切板(16)の下端部と希釈槽(15)の底部との間に流水用の隙間(17)を形成することによって構成されている。なお、管路(12)(13)(14)は、このように1つの希釈槽(15)内部に構成するだけに限らず、例えば夫々の管路(12)(13)(14)を管路構成用の管材で構成して、それら管材を接続するようにしても良い。
そして、拡径希釈管路(12)の上端部に混合希釈管路(11)が接続され、曲がり希釈管路(13)の底部に希釈水を排出する排水管路(18)が接続されている。排水管路(18)には、その流路を開閉する第2電磁弁(19)が設けられている。また、排出管路(18)から分岐した分岐管路(20)が、拡径希釈管路(12)及び滞留希釈管路(14)の上端部よりも高い位置まで立ち上げれており、その分岐管路(20)の上端部には、滞留希釈管路(14)の上端部から延びる空気抜き用管路(21)が接続されている。分岐管路(20)には第3電磁弁(22)が、空気抜き用管路(21)には第4電磁弁(23)が夫々設けられている。
(25)は、希塩酸貯留タンク、(26)は、第2注入ポンプであり、希塩酸貯留タンク(25)内の希塩酸を、第2注入ポンプ(26)によって希塩酸供給管路(27)へ送り出すようになっている。
排水管路(18)と希塩酸供給管路(27)は、第2合流部(28)を介して合流されており、この第2合流部(28)において希釈水に希塩酸が添加されて、安定化次亜塩素酸水溶液を生成するための安定化反応手段(30)へ送り出すようになっている。
安定化反応手段(30)は、第2合流部(28)の下流側に設けられた混合反応管路(31)と、その混合反応管路(31)の下流側に設けられた拡径反応管路(32)と、その拡径反応管路(32)の下流側に設けられた曲がり反応管路(33)と、その曲がり反応管路(33)よりも下流側に設けられた滞留反応管路(34)とを備えている。
拡径反応管路(32)及び滞留反応管路(34)は、上下方向に沿って配置されており、それらの下端部同士が曲がり反応管路(33)によって連結され、これら管路(32)(33)(34)が全体的に略U字形に連続している。
これら管路(32)(33)(34)は、上下方向に沿った1つの反応槽(35)の内部に、上下方向に沿った仕切板(36)を設けて、その仕切板(36)の下端部と反応槽(35)の底部との間に流水用の隙間(37)を形成することによって構成されている。なお、管路(32)(33)(34)は、このように1つの反応槽(35)内部に構成するだけに限らず、例えば夫々の管路(32)(33)(34)を管路構成用の管材で構成して、それら管材を接続するようにしても良い。
そして、拡径反応管路(32)の上端部に混合反応管路(31)が接続され、曲がり反応管路(33)の底部に生成水を排出する排水管路(38)が接続されている。排水管路(38)には、その流路を開閉する第5電磁弁(39)が設けられている。また、排水管路(38)から分岐した分岐管路(40)が、拡径反応管路(32)及び滞留反応管路(34)の上端部よりも高い位置まで立ち上げれており、その分岐管路(40)の上端部には、滞留反応管路(34)の上端部から延びる空気抜き用管路(41)が接続されている。分岐管路(40)には第6電磁弁(42)が、空気抜き用管路(41)には第7電磁弁(43)が夫々設けられている。
(50)(51)は、次亜塩素酸ナトリウム貯留タンク(6)に設けられて、タンク(6)内の次亜塩素酸ナトリウムの高さレベルを検知する第1、第2液面レベルセンサ、(52)(53)は、希塩酸貯留タンク(25)に設けられて、タンク(25)内の希塩酸の高さレベルを検知する第3、第4液面レベルセンサである。(54)(55)(56)は、分岐管路(20)に設けられて、分岐管路(20)内の希釈水の高さレベルを検知する第5〜第7液面レベルセンサ、(57)(58)(59)は、分岐管路(40)に設けられて、分岐管路(40)内の生成水の高さレベルを検知する第8〜第10液面レベルセンサである。
これら液面レベルセンサ(50)〜(59)は、信号線(60)を介してマイクロコンピュータ等からなる制御部(61)に接続されている。さらに、流量計(3)、第1〜7電磁弁(2)(19)(22)(23)(39)(42)(43)、及び第1、第2注入ポンプ(7)(26)が信号線(60)を介して制御部(61)に接続されている。この制御部(61)は、液面レベルセンサ(50)〜(59)及び流量計(3)からの検知信号により、第1、第2注入ポンプ(7)(26)及び第1〜7電磁弁(2)(19)(22)(23)(39)(42)(43)の駆動を制御するようになっている。
次に、上記構成の製造装置による安定化次亜塩素酸の製造について説明する。
まず、第1、第3、第4電磁弁(2)(22)(23)を開状態、第2、第5〜第7電磁弁(19)(39)(42)(43)を閉状態として、原水を原水供給管路(1)へ送り出す。これと同時に、第1注入ポンプ(7)が作動して、次亜塩素酸ナトリウムを次亜塩素酸ナトリウム供給管路(8)へ送り出す。このときの次亜塩素酸ナトリウムの流出量は、流量計(3)によって検知された原水流量に基づいて制御されている。
そして、これら原水及び次亜塩素酸ナトリウムは、第1合流部(9)を通って混合希釈管路(11)へ流入する。この混合希釈管路(11)において、原水と次亜塩素酸ナトリウムとが混合して、次亜塩素酸ナトリウムの原水による希釈が開始するとともに、次亜塩素酸ナトリウムの粘度や比重を考慮した流水を作り、混合希釈管路(11)よりも拡径した拡径希釈管路(12)へ流入する。
このとき、拡径希釈管路(12)においては、混合希釈管路(11)よりも負圧となって圧がかかりにくい状態となっているので、混合後の希釈水は緩やかに自然に拡散する。すなわち、撹拌機による強制的な撹拌や、邪魔板等を使用して故意に脈流を発生させて撹拌するのではなく、希釈水の自然な流れに任せた拡散が行われる。
拡散後の希釈水は、滝状に流れて曲がり希釈管路(13)へ流入し、その流れ込みよって曲がり希釈管路(13)の底部において渦流が発生して、希釈水の希釈が促進される。
希釈促進後の希釈水は、滞留希釈管路(14)の下端部から上端部へ向けてゆっくりと穏やかに溜まって、滞留希釈管路(14)において滞留し、次亜塩素酸ナトリウムの濃度勾配がほとんどない均質化した状態となって希釈工程が完了する。
このとき、拡径希釈管路(12)にも希釈水が滞留することになる。また、排水管路(18)から分岐管路(20)へ希釈水が流入して、この希釈水を第5液面レベルセンサ(54)が検知すると、制御部(61)が管路(12)(13)(14)内に希釈水が溜まっていると判断して、第1電磁弁(2)が閉状態となり、原水の供給が停止する。
なお、希釈開始から希釈完了までの希釈反応に要する時間(△t)は、希釈の均質化を実現する上で重要であり、希釈濃度に応じて各管路の管内径や管長を適宜調整することで設定されている。
この均質化希釈工程においては、希釈水を自然な流れに近い状態で導いて希釈反応を行わせることで、次亜塩素酸ナトリウムを原水で均質に希釈するようになっている。
このような均質化希釈工程が完了すると、第2、第3、第4、第6、第7電磁弁(19)(22)(23)(42)(43)を開状態、第1及び第5電磁弁(2)(39)を閉状態として、希釈水を排水管路(18)から送り出す。これと同時に、第2注入ポンプ(26)が作動して、pH調整用の希塩酸を希塩酸供給管路(27)へ送り出す。このとき、制御部(61)が第2注入ポンプ(26)を制御することで、希釈水の量や濃度に応じて予め設定されている規定量の希塩酸が流出する。
そして、これら希釈水及び希塩酸は、第2合流部(28)を通って混合反応管路(31)へ流入する。この混合反応管路(31)において、希釈水と希塩酸とが混合して、これらの反応が開始する。この混合後の反応水は、混合反応管路(31)よりも拡径した拡径反応管路(32)へ流入する。
このとき、拡径反応管路(32)においては、混合反応管路(31)よりも負圧となって圧がかかりにくい状態となっているので、混合後の反応水は緩やかに自然に拡散する。すなわち、撹拌機による強制的な撹拌や、邪魔板等を使用して故意に脈流を発生させて撹拌するのではなく、反応水の自然な流れに任せた拡散が行われる。
拡散後の反応水は、滝状に流れて曲がり反応管路(33)へ流入し、その流れ込みよって曲がり反応管路(33)の底部において渦流が発生して、反応水の反応が促進される。
反応促進後の反応水は、滞留反応管路(34)の下端部から上端部へ向けてゆっくりと穏やかに溜まって、滞留反応管路(34)において滞留し、希釈水と希塩酸とが緩やかに安定した状態で反応して、反応工程が完了する。
このとき、拡径反応管路(32)にも反応水が滞留することになる。また、排水管路(38)から分岐管路(40)へ反応水が流入して、この反応水を第8液面レベルセンサ(57)が検知するか、若しくは、第7液面レベルセンサ(56)が分岐管路(20)における希釈水の排出を検知すると、制御部(61)が管路(32)(33)(34)内に反応水が溜まっていると判断して、第2〜第4電磁弁(19)(22)(23)が閉状態となり、次回の希釈工程に備える。
なお、反応開始から反応完了までに要する時間(△t′)は、反応の安定化を実現する上で重要であり、生成水の設定pH値に応じて各管路の管内径や管長を適宜調整することで設定されている。
この安定化反応工程においては、希釈水と希塩酸を自然な流れに近い状態で導いてこれらの反応を安定して行わせることで、pH値6.5の弱酸性領域に調整され、且つ、塩化水素を共存させることなく次亜塩素酸と塩化ナトリウムとを含有してなる50ppmの安定化次亜塩素酸水溶液を生成する。なお、希釈水と反応させる希塩酸の量を適宜調節することで、安定化次亜塩素酸水溶液のpH値を5.0〜6.8の弱酸性領域に調整可能である。
生成された安定化次亜塩素酸水溶液は、第5電磁弁(39)を開状態とすることで、排水管路(38)から取り出される。上記の希釈工程及び反応工程を繰り返し行うことにより、不連続生成ではあるが、安定化次亜塩素酸水溶液を安定して製造することができる。
なお、制御部(61)による制御によって、希釈工程と反応工程を連続して行う連続生成も可能である。この場合、液面レベルセンサとしては、第6液面レベルセンサ(55)及び第9液面レベルセンサ(58)を使用する。
上記のように生成された安定化次亜塩素酸水溶液を使用して、鉄の発錆試験を行った結果、従来の混合方式や電気分解方式によって生成した従来の弱酸性水溶液(弱酸性領域に調整したとされている次亜塩素酸水溶液)と比較して、明らかに発錆を抑えることができた。
また、装置に取り付けている砲金製の継手部分の発錆試験では、上記の安定化次亜塩素酸水溶液においては、緑青は無く、内面が黒く酸化皮膜が形成されている状態となったが、上記の従来のものにおいては、装置内に緑青と錆の発生が見受けられた。
これらの試験結果から明らかなように、安定化次亜塩素酸水溶液を使用することで発錆を確実に抑えることができることから、安定化次亜塩素酸水溶液の使用に際して発錆の原因となる塩素ガスが発生していないことが判り、よって安定化次亜塩素酸水溶液中に塩化水素を共存させることなく次亜塩素酸が化合物として安定して存在していると推測することができる。
また、上記の安定化次亜塩素酸水溶液(200ppm、pH値6.5)を、pH値9.1の源泉を有するアルカリ温泉に注入することで、殺菌灯や塩素殺菌剤等を使用した各種殺菌方法でも実現不能であったレジオネラ菌の殺菌対策が可能となった。なお、この場合、温泉湯量1000Lに対して、1Lの安定化次亜塩素酸水溶液を注入した。
この結果からも明らかなように、アルカリ温泉等のアルカリ領域でも、安定化次亜塩素酸水溶液中の次亜塩素酸の殺菌力が有効に作用することが判り、よって安定化次亜塩素酸水溶液中に塩化水素を共存させることなく次亜塩素酸が化合物として安定して存在していると推測することができる。
さらに、pH計を使用して、安定化次亜塩素酸水溶液のpH値が経時的に安定しているか否かを計測することによっても、安定化次亜塩素酸水溶液中に存在する次亜塩素酸が安定していることを実証することが可能である。何故ならば、従来の次亜塩素酸は、塩化水素を共存させて存在しているので、経時変化によって残留塩素濃度が薄くなり、pH値が酸性側に進むからである。
この発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で上記実施形態に多くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。
この発明の一実施形態に係る安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置の概略図である。
符号の説明
(10) 均質化希釈手段
(11) 混合希釈管路
(12) 拡径希釈管路
(13) 曲がり希釈管路
(14) 滞留希釈管路
(18)(38) 電磁弁付き排水管路
(30) 安定化反応手段
(31) 混合反応管路
(32) 拡径反応管路
(33) 曲がり反応管路
(34) 滞留反応管路

Claims (1)

  1. 次亜塩素酸ナトリウムを水で均質に希釈する均質化希釈手段と、その希釈水に希塩酸を反応させてpH値を5.0〜6.8の弱酸性領域に調整し、塩化水素を共存させることなく次亜塩素酸と塩化ナトリウムとを含有してなる安定化次亜塩素酸水溶液を生成する安定化反応手段とを備え、
    前記均質化希釈手段は、水と次亜塩素酸ナトリウムとを混合させる混合希釈管路と、その混合希釈管路よりも拡径して、混合後の希釈水を自然拡散させる拡径希釈管路と、その拡径希釈管路の下流側に設けられて、拡散後の希釈水の流れ込みによって渦流を発生させて希釈を促進させる曲がり希釈管路と、その曲がり希釈管路よりも下流側に設けられて、希釈促進後の希釈水を滞留させる滞留希釈管路とを備え、
    前記拡径希釈管路及び前記滞留希釈管路が上下方向に沿って配置されて、それらの下端部同士が前記曲がり希釈管路によって連結されて全体的に略U字形に連続され、前記拡径希釈管路の上端部に前記混合希釈管路が接続され、前記曲がり希釈管路の底部に希釈水を排出する電磁弁付きの排水管路が接続されており、
    前記安定化反応手段は、排出された希釈水と希塩酸とを混合させる混合反応管路と、その混合反応管路よりも拡径して、混合後の反応水を自然拡散させる拡径反応管路と、その拡径反応管路の下流側に設けられて、拡散後の反応水の流れ込みによって渦流を発生させて反応を促進させる曲がり反応管路と、その曲がり反応管路よりも下流側に設けられて、反応促進後の反応水を滞留させる滞留反応管路とを備え、
    前記拡径反応管路及び前記滞留反応管路が上下方向に沿って配置されて、それらの下端部同士が前記曲がり反応管路によって連結されて全体的に略U字形に連続され、前記拡径反応管路の上端部に前記混合反応管路が接続され、前記曲がり反応管路の底部に生成水を排出する電磁弁付きの排水管路が接続されていることを特徴とする安定化次亜塩素酸水溶液の製造装置。
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