JP4766439B2 - 工具ホルダの傾倒装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、工具ホルダの移動により、押し広げられて工具ホルダのホルダ把持溝と係脱するようになっているホルダ把持部材を備えた工具マガジンと、そのホルダ把持部材に把持された状態の工具ホルダ軸線と交差する軸線を有する主軸との間に配置される工具ホルダの傾倒装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
工具マガジンに待機している工具を備えた工具ホルダの工具軸線方向と、主軸軸線とが交差する位置関係にあるとき、工具マガジンと主軸との間に、工具マガジンから取り出した工具ホルダを、主軸軸線と平行とするために傾倒装置が配設される。例えば、特公昭46−28953号には、工具マガジンの、外周方向に突出する一対の突子(ホルダ把持部材)で把持溝を保持されている工具ホルダのシャンク部を開閉式のグリッパで把持し、そのグリッパ全体を90度旋回させて、工具ホルダを工具マガジンに保持された上向き状態から、主軸軸線と平行となる工具交換位置に取り出すようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のものでは、グリッパ全体が円弧運動のみで移動しているので、工具マガジンの突子に保持されている工具ホルダを取り出すとき、あるいは、反対に突子に装着するとき、工具ホルダの把持溝が円弧軌跡を描いて突子と係脱する。円弧軌跡で突子と工具ホルダの把持溝とを係脱させるために、突子と把持溝との間に、円弧軌跡を描いて係脱することが容易となるような工具軸線方向の遊びが設けてある。ところが、このような遊びがあることにより、工具ホルダをマガジンの突子に保持させるときに工具ホルダがその姿勢を正しく保って保持されないおそれがあり、工具交換動作に支障をきたす問題がある。この発明の課題は、工具ホルダの把持溝と工具マガジンの把持部材との間に、軸線方向の遊びを殆ど不要とする工具ホルダの傾倒装置を提供することにある。
【0004】
また、特公昭46−28953号では、工具マガジンに保持されている工具ホルダのシャンク部は、絶えずむき出しとなっており、加工中に生じる微塵などが油分などと混ざり合って、シャンク部に付着するおそれが大きく、そのような微塵を付着した工具ホルダは、主軸の嵌合孔に正確に嵌め込まれず、その結果、加工精度が低下することになる。本願発明の他の課題は、そうした防塵を目的としたキャップを、シャンク部に嵌め込んでいる場合において、工具マガジンから工具ホルダとキャップとを円滑に取り出し、また、装着することのできる工具ホルダの傾倒装置を提供することにある。
さらに本願では、加工中に工具ホルダを介して、工具からクーラント液を加工部位に供給するものにおいて、使用済みの工具に残るクーラント液が、ポット内部に溜まらない様にする前記傾倒装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願の工具ホルダの傾倒装置は、工具ホルダの移動により押し広げられて工具ホルダのホルダ把持溝と係脱するようになっているホルダ把持部材を備えた工具マガジンと、そのホルダ把持部材に把持された状態の工具ホルダ軸線と交差する方向の軸線を有する主軸との間に配置される工具ホルダの傾倒装置であって、工具ホルダを抜き差し可能に受け入れるクランプ機構を有するポットと、そのポットを工具マガジンの所定の割り出し位置に対応する第1の授受位置と、ポットに保持された工具ホルダの軸線が主軸と平行となり、主軸側とで工具ホルダをやり取りする第2の授受位置との間で所定軌跡に沿って移動させるポット傾倒機構とを備え、ポット傾倒機構の前記所定軌跡は、円弧軌跡部分とその円弧軌跡部分に接続する直線軌跡を含む移動軌跡であり、工具マガジンの所定の割り出し位置にあるホルダ把持部材と前記第2の授受位置との間で工具ホルダをやり取りするときに、ポットが工具ホルダ軸線と直交する直線軌跡を描くように設定され、ポット傾倒機構は、一つの駆動源によりポットを、前記直線軌跡を含む所定軌跡に沿って移動させるように構成されていることを特徴とする(請求項1)。
これによれば、工具ホルダを工具マガジンのホルダ把持部材とやり取りするときは、工具ホルダがホルダ軸線と直交する方向に移動されるので、従来のように円弧運動の終端部でやりとりするものと比べて、工具ホルダのホルダ把持溝とホルダ把持部材との間に軸線方向の遊びが殆ど不要となり、確実に工具ホルダを把持でき、1つの駆動源で直線軌跡を含む所定軌跡に沿ってポットを移動させるので、構成が簡易である
【0006】
具体的には、ポットを前記所定軌跡に沿って案内するポット案内手段と、一つの駆動源からの駆動力を、ポットに伝達してポットを前記案内手段に沿って移動させる駆動伝達装置とを備えている(請求項)。更に具体的には、ポットを挟んで一側に設けられるポット案内手段は、円弧案内部とその一端に連続する所定長さの直線案内部とを有し、その直線案内部は第1の授受位置に向かって、および第1の授受位置から、ポットを直線部に沿って工具ホルダ軸線と直交する方向に移動させ、直線案内部を含む案内部全体の両端に第1、第2の授受位置を設けてあり、ポットを挟んで他側に設けられる駆動伝達装置は、第1、第2の授受位置夫々を揺動端とし、2つの揺動端の間を揺動する揺動腕と、その揺動腕に揺動腕の長手方向に進退可能に取り付けた支持部材とを備えてなり、ポットは、前記支持部材に回動可能に軸支されると共に、前記ポット案内手段に被案内部を案内されており、前記揺動腕を1つの駆動源により前記2つの揺動端の間で揺動させるようになっている(請求項
【0007】
直線案内部を、円弧案内部の一端と連続する連続位置と、ポットから工具ホルダを抜き出し得る離間位置との間で昇降するように設けてある(請求項)。これによれば、ポットのみの昇降で工具ホルダを抜き差しできる。
第1の授受位置と第2の授受位置間でポットが移動する間、前記クランプ機構の動作をロックするロック機構を備えていると好ましい(請求項)。これによれば、ポットに保持された工具ホルダに、ポットの移動、例えば円弧移動することにより、工具ホルダに、工具ホルダを抜き取る方向の外力が作用しても、その外力に対向して工具ホルダが抜けないから、ポット移動中にポットから工具ホルダが脱落しない。
【0008】
クランプ機構は、ポット本体に備えらえ、工具ホルダ軸線方向に進退可能な操作部材と、その操作部材がクランプ方向に移動すると工具ホルダのシャンク部と係合する係止部材と、操作部材を前記クランプ方向へ常時付勢するばね部材とを含み、さらに、前記操作部材を前記クランプ方向に加勢する流体圧力付与構造を備えている(請求項)。これによれば、ばね部材と流体圧とにより、操作部材がクランプ方向に付勢されるので、係止部材が工具を係合するクランプ力が大きく好ましい。
【0009】
工具ホルダのシャンク部外周を保護する保護キャップを各工具ホルダ毎に設け、工具マガジンは、ホルダ把持部材の鉛直下側に保護キャップ外周の把持溝に対応してキャップ把持部材を備えており、ホルダ把持部材に把持された工具ホルダのシャンク部に抜き差し可能に嵌め込まれる保護キャップを、工具ホルダの軸線と直交する方向からの移動で着脱可能に把持するように構成され、ポットは、保護キャップごと工具ホルダのシャンク部を抜き差し可能に受け入れるように構成され、第2の授受位置には、保護キャップを保持するキャップ保持手段を備えたことを特徴とする(請求項)。これによれば、工具ホルダは保護キャップでシャンク部が覆われるので、工具マガジンで待機中、及び、第1、第2の授受位置での移送途中でも微塵などが付着しない。
【0010】
また、本願は、工具ホルダの移動により押し広げられて工具ホルダのホルダ把持溝と係脱するようになっているホルダ把持部材を備えた工具マガジンと、そのホルダ把持部材に把持された状態の工具ホルダ軸線と直交する方向の軸線を有する主軸との間に配置される工具ホルダの傾倒装置であって、工具ホルダを抜き差し可能に受け入れるクランプ機構を有するポットと、そのポットを工具マガジンの所定の割り出し位置に対応する第1の授受位置と、ポットに保持された工具ホルダの軸線が主軸と平行となり、主軸側とで工具ホルダをやり取りする第2の授受位置との間で所定軌跡に沿って移動させるポット傾倒機構とを備え、ポット傾倒機構の前記所定軌跡は、第1の授受位置に向かって、および第1の授受位置から、ポットが直線部に沿って移動する第1の直線軌跡部分と、第2の授受位置に向かって、および第2の授受位置から、ポットが直線部に沿って移動する第2の直線軌跡部分と、これらの直線軌跡部分をつなぐ円弧軌跡部分とから成り、工具マガジンの割り出し位置のホルダ把持部材、第2の授受位置に設けた受け取り部材に対して、ポットに保持された工具ホルダが、その軸線と直交する方向から移動するようにし、1/4円弧案内部とその両端に連続する所定長さの直線案内部とを有するポット案内手段を、各直線案内部に第1、第2の授受位置を配置するようにポットを挟んだ一側に設け、第1、第2の授受位置夫々を揺動端とし、2つの揺動端の間を揺動する揺動腕と、その揺動腕に揺動腕の長手方向に進退可能に取り付けた支持部材とを備えた駆動伝達装置をポットを挟んで他側に設け、ポットを前記支持部材に回動可能に軸支すると共に、ポットに設けた被案内部を前記ポット案内手段に案内し、前記揺動腕を1つの駆動源により前記2つの揺動端の間で揺動させるようになっていることを特徴とする(請求項)。
これによれば、工具マガジンとのやり取りの際に、工具マガジンのホルダ把持部材に対して直交する方向から出し入れできる他、第2の授受位置に設けた受け取り部材に対しても、工具ホルダ軸線と直交する方向の移動となり、第2の授受位置に配置する工具ホルダ受け取り部材を、工具ホルダの軸線と直交する方向から係脱する簡易な形状のものにできる。また、駆動源1つで駆動でき、構成が簡易である。
【0012】
工具マガジンは、ホルダ把持部材に対応してキャップ把持部材を備えており、ホルダ把持部材に把持された工具ホルダのシャンク部に抜き差し可能に嵌め込まれる保護キャップ外周の把持溝を、工具ホルダの軸線と直交する方向からの移動で着脱可能に把持するように構成され、ポットを、保護キャップごと工具ホルダのシャンク部を抜き差し可能に受け入れるように構成し、第2の授受位置に備えられる受け取り部材を、保護キャップが第2の授受位置へ工具ホルダの軸線と直交する方向に移動することで保護キャップ外周の把持溝と係脱するキャップ係止部材とした(請求項)。これによれば、保護キャップで工具ホルダのシャンク部が保護されて好ましい。また、第2の授受位置においては、工具ホルダがその軸線と直交して移動するので、保護キャップ外周の把持溝が受け取り部材としてのキャップ係止部材に確実に嵌まり込む。
【0013】
ポットには、クランプ、アンクランプ方向に進退可能な操作部材と、その操作部材のクランプ方向への移動で工具ホルダのシャンク部と係合する方向に移動する係止部材と、操作部材をクランプ方向へ常時付勢するばね部材とを含むクランプ機構を備え、ポット背面側には、第1の授受位置と第2の授受位置間でポットが移動するとき、前記操作部材の後端と摺接して、操作部材がアンクランプ方向に移動しないように保持する抜け止め案内部材を配置した(請求項10)。これによれば、ポット移動中に、操作部材がアンクランプ方向に移動することを阻止でき、工具ホルダのポットからの脱落を阻止できる。
【0014】
操作部材はピストン部材であってその軸線後端がポット本体より後方へ突出しており、操作部材の中心にはクーラント排出孔が設けてあり、クーラント排出孔の先端に、工具ホルダの中心に形成されているクーラント供給筒が嵌合して、工具ホルダがポットに受け入れられたとき、工具ホルダに残存するクーラント液を、前記クーラント排出孔を介して、ポット外部に排出するようになっている(請求項11)。これによれば、工具ホルダに残っていたクーラント液が、工具ホルダのクーラント供給筒からクーラント排出孔を経て外部に排出される。
ピストン部材には、前記ばね部材による付勢方向と同じ方向に流体圧が作用するように構成されている(請求項12)。これによれば、クランプ力が増す。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に示すマシニングセンタにおいて、図示しないベッドから立ち上げた支柱1の上に、ベースプレート2が一体に設けてある。ベースプレート2の下方空間には、前後方向の軸線を持つ主軸3が前後、上下、左右方向に移動自在に配置してある。ベースプレート2の下面には両端に工具把持部4を備えた工具交換アーム5が設けてある。この工具交換アーム5は、水平な待機位置から90度旋回して、後述の傾倒装置における第2の授受位置P2(工具移送位置)に後述のポット31に保持されて位置している次工具ホルダTと、所定の工具交換位置P3に位置した主軸3先端の使用済み工具ホルダTとを把持し、前後軸線方向前方に移動して両者を夫々ポット31、主軸3先端から抜き取り、180度旋回して両工具ホルダT、Tの位置を入れ替え、その後、軸線方向に後退して、使用済み工具ホルダTを第2の授受位置P2のポット31に、次工具Tを主軸3先端に夫々装着するものである。
【0016】
ベースプレート2上には、夫々工具を備えた多数の工具ホルダTを保持し、所定の割り出し位置P0に割り出す工具マガジン10が設けてある。工具マガジン10において、回転プレート11は、垂直(上下方向)軸線回りに、図示しない割り出し機構により割り出し回転される。回転プレート11の周囲には、工具ホルダTを受け入れるための円弧状切欠部12が円周方向所定間隔で形成されている。図4に示すように、各切欠部12を挟んで両側には、それぞれ左右一対のグリッパアーム13の中間部が支持軸14により揺動自在に軸支されてグリッパアーム13の半径方向内端部、先端部が開閉するようになっている。半径方向内端の対向部13a間には、圧縮ばね15が介在されており、先端部を絶えず閉じる方向に付勢している。その閉じ量は、各グリッパアーム13の内端外面に当接するストッパ16により規制されている。図3に示すように、各グリッパアーム13の先端には、工具ホルダT外周のホルダ把持溝110に係脱する把握片(ホルダ把持部材)17aが一体に形成してある。把握片17aの鉛直下側には、円盤状の把握部材18aが取り付けてある。この把握部材18aは、保護キャップ90外周の把持溝95に係脱するキャップ把持部材である。
切欠部12には、半円弧状の固定側係止部材20が設けてある。固定側係止部材20には、前記把握片17a、把握部材18aと高さ方向を同じくして夫々、工具ホルダTのホルダ把持溝110、保護キャップ90の把持溝95の、切欠部12に向く側のおよそ1/2の部分と係止する円弧状係止部17b,18bが形成されている。従って、工具ホルダTのホルダ把持溝100は、把握片17aと円弧状係止部17bとの間に挟まれた形で係止して工具マガジン10に保持され、また、保護キャップ90の把持溝95は、把握部材18aと円弧状係止部18bとの間に挟まれた形で係止して工具マガジン10に保持される。21はキーである。
【0017】
ベースプレート2上には、工具マガジン10の前記所定の割出位置P0の下方に、ホルダ傾倒装置30が配置される。ホルダ傾倒装置30は、工具マガジン10の工具割出位置P0の鉛直下方に対応する第1の授受位置P1と、前記主軸3との間で工具ホルダTをやり取りする前記第2の授受位置P2との間で工具ホルダTを受け入れるポット31を傾倒させるものである。この工具ホルダ傾倒装置30において、ポット31を挟んだ一方側に、ポット31を所定の移動軌跡に沿って移動させるためのポット案内手段32が設けてある。所定の移動軌跡は、水平な第1の直線軌跡部分T1、垂直な第2の直線軌跡部分T3、これらを接続する円弧軌跡部分T2とから成る。ポット案内手段32は、図5に示すように、円弧の1/4部分となる円弧溝33から成る1/4円弧案内部34とその両端に連続する所定長さの直線溝35から成る直線案内部36、37とを有している。各直線案内部36、37は、第1、第2の授受位置P1、P2に対応するように配置されている。1/4円弧案内部34と、その垂直端部に連続している垂直方向の直線案内部36及び、水平端部に連続する水平方向の直線案内部37の一部37aは、一つのガイド部材38に形成されており、垂直板39のポット31に向く面に固着されている。垂直板39は取付板40に溶着されている。取付板40は、ベースプレート2上に固着される傾倒装置のベース板41上に固着されている。
【0018】
水平方向の直線案内部37は、前記垂直板39に固定される一部37aに連続する、上下方向(工具マガジン10に保持された工具ホルダTの軸線方向)に可動の直線案内部37bを有する。この可動の水平方向の直線案内部37bは、昇降ガイド部材42に形成された前記直線溝35の一部を成す案内溝35bである。昇降ガイド部材42の背面には周知の直線転動案内(リニアガイド)の案内子43が設けてあり、前記と別の垂直板44に上下方向に取り付けた案内レール45に上下方向移動自在に案内されている。垂直板44は取付板46と一体溶着され、ベース41上に固定されている。この昇降ガイド部材42の背面にはさらにL字状のブラケット47が固着されている。そのブラケット47は、前記垂直板44の背面に取り付けた上下方向のシリンダ48のピストンロッド49の先端に連結されている。
【0019】
そして、前記ピストンロッド49が上昇端に位置すると、昇降ガイド部材42の直線案内部37bが、前記固定側の水平方向の直線案内部37の一部37aと連続して円弧案内部34に連続する連続位置S1(図7)に上昇し、ピストンロッド49が下降端に引き込まれると、工具ホルダTのシャンク部111、保護キャップ90が完全にポット31から抜け出て、工具マガジン10の割り出し回転を許容する離間位置S2(図10)に下降するようになっている。
【0020】
ポット31を挟んで他方側には、ポット31を傾動させる駆動源50として、モータ51とそのモータ51に接続された減速装置52とが設けてある。駆動源50とポット31との間に、駆動伝達装置55が介在される。駆動伝達装置55において、減速装置52の回転出力部材53が断面ほぼコ字状の揺動腕56の下端部に一体固着され、第1、第2の授受位置P1、P2に対応する2つの揺動端の間を揺動するようになっている。揺動腕56のポット31に向く部分には、揺動腕56の長手方向に沿って案内レール57が取り付けてある。この案内レール57に案内される案内子58を支持部材59の背面に固着してある。支持部材59の先端には、支持軸部材60が回動可能に軸支されている。
【0021】
次にポット31を説明する。図7,8において、ポット本体65には、前記ポット案内手段32に向く側に、一対のガイドローラ(被案内部材)66が回転自在に設けてある。これらのガイドローラ66は、前記ポット案内手段32の円弧溝33、直線溝35,35bに沿って転動可能に案内されている。ポット本体65のガイドローラ66と反対側には、前記支持軸部材60のフランジ部分60aが一体連結されている。ポット本体65は、ボディ67と中空スリーブ68とから成り、ボディ67の中心孔に、後端部から前方に向けてスリーブ68が固着され、工具ホルダTのシャンク部111を保護キャップ90と共にクランプするクランプ機構75を備えている。ボディ67の内側面は、保護キャップ90外周を受け入れるテーパ嵌合面69に形成されている。図8に示すように、ボディ67には、中空スリーブ68外周に達する半径方向のキー部材70が固着されている。このキー部材70は保護キャップ90に形成された切欠93、工具ホルダTのシャンク部111に形成された切り欠き113と係止して保護キャップ90のポット本体65に対する円周方向位置を定めている。
【0022】
クランプ機構75において、中空スリーブ68のシリンダ孔71には、操作部材としてのピストン部材72が軸線方向前後(クランプ、アンクランプ方向)に進退移動するように嵌め込んである。ピストン部材72の軸線先端部には、テーパ面73が形成されている。中空スリーブ68には、先端部分に円周方向所定間隔で複数(ここでは3つ)の係止ボール(係止部材)74が半径方向に移動可能に備えてある。この係止ボール74は前記ピストン部材72のテーパ面73がクランプ方向へ移動することにより工具ホルダTのシャンク部111内側に形成されている係合テーパ面112と係合する方向に移動するものである。ピストン部材72と中空スリーブ68のシリンダ孔71底壁との間には、前記ピストン部材72をクランプ方向へ常時付勢するばね部材77が介在されている。スリーブ68には、圧空を供給する為の配管孔76が形成され、この配管孔76には、工具ホルダTがポット31に嵌め込まれると、図示しない圧空源からの圧空がシリンダ孔71に作用して、ピストン部材72を前記ばね部材77による付勢方向と同じ方向に加勢する流体圧力付与構造を構成している。
【0023】
ピストン部材72の中心にはクーラント排出孔80が設けてある。ピストン部材72の後端はキャップ72aで塞がれてスリーブ68後方へ突出しており、キャップ72aにはクーラント排出孔80と連通する流出孔81が設けてある。クーラント排出孔80の先端は、工具ホルダTを工具ポット31に受け入れた状態で、工具ホルダTの中心に設けてあるクーラント供給筒82が嵌合する。クーラント供給筒82は、主軸に装着されたときに,主軸側の図示しないクーラント供給管に連通するもので、供給されたクーラント液は、クーラント供給筒82を介して工具ホルダに装着した工具先端から工作物の加工部位に放出される。従って,工具ホルダTがポット31に受け入れられたとき、工具ホルダTに残存するクーラント液は、前記クーラント供給筒82、クーラント排出孔80、流出孔81を介して、ポット31外部に排出されるようになっている。
【0024】
次に、工具ホルダTのシャンク部111外周を保護する保護キャップ90を説明する。保護キャップ90は、外周面が前記ポット31のテーパ嵌合面69に適合したテーパ部91となっている。内面は、工具ホルダTのテーパ状のシャンク部111を受け入れるテーパ状のシャンク受け入れ孔92となっている。保護キャップ90には、前記ポット31のキー部材70に嵌め込まれる切欠93と丁度反対側に、キー部材94を備えている。このキー部材94は、工具ホルダTのシャンク部111に形成されている前記切り欠き113と別の切り欠き114と係合して、工具ホルダTと保護キャップ90との円周方向の位相決めをしている。この保護キャップ90は、工具ホルダTのシャンク部111外周に、工具ホルダTの軸線方向から抜き差し自在に嵌め込まれるのみで、工具ホルダTとの間で、軸線方向の連結機構を有していない。保護キャップ90のフランジ部分外周には把持溝95が形成され、前記工具マガジン10の把握部材18aや、後述の第2の授受位置P2に配置されるキャップ係止部材101と係脱する。
【0025】
次に、ポット31を傾倒動作させるときに、工具ホルダTが傾動動作に伴って垂直状態と水平状態との間で軸線方向を変化させるとき、ポット31から工具ホルダTが軸線前方に抜け落ちないように、クランプ機構75をクランプ状態にロックするロック機構を説明する。ポット31背面側には、第1の授受位置P1と第2の授受位置P2間でポット31が移動するとき、前記ピストン部材72のキャップ72a後端と摺接して、ピストン部材72がアンクランプ方向(軸線方向後方)に移動しないように保持する抜け止め案内部材98が配置されている。抜け止め案内部材98は、ポット31が描く移動軌跡のうち、第1の授受位置近傍での水平な第1の直線軌跡部分、1/4円弧案内部による円弧軌跡部分、第2の授受位置近傍で描く垂直な第2の直線軌跡部分のうち、特に抜け落ちの発生しやすい、水平移動の終端から円弧移動中及び、垂直移動部分に対応して設けてある。抜け止め案内部材98は、取付板40に溶着されたL字の保持ブラケット99に一体固着してある。水平移動中は、工具ホルダTの自重が下方に向いているから抜け落ちはない。
【0026】
第2の授受位置P2には、傾倒装置により軸線方向を垂直から水平に変化させて移動してきたポット31の下側となる周面を受け止めるポットストッパ100が設けてある。そのポットストッパ100の前方には、ポットストッパ100で位置決めされたポット31に保持されて工具ホルダTと共に移動してきた保護キャップ90の把持溝95と係脱する上向きU字状のキャップ係止部材(受け取り部材あるいはキャップ保持手段として示す)101が設けてある(図9)。
【0027】
次に作用を説明する。図9において、第2の授受位置P2に位置しているポット31に使用済み工具Tが戻される状態から説明する。この時、工具マガジン10の1組のグリッパアーム13は工具ホルダTを把持していない「空き」の状態であり、その「空き」のグリッパアーム13は、工具マガジン10の所定の割り出し位置P0に位置している。第2の授受位置P2で使用済み工具ホルダTがポット31前方から保護キャップ90に押し込まれると、シャンク部111が係止ボール74を半径方向内方に押し込み、ばね力によるピストン部材72のクランプ方向力に抗してピストン部材72をアンクランプ方向に押し戻し、保護キャップ90に完全に嵌め込まれると、前記ばね力の力でピストン部材72が旧に復して係止ボール74を半径方向外側に押し出して、工具ホルダTの係合テーパ面112と係止し、ポット31に戻された工具ホルダTを保護キャップ90ごとポット31にクランプする。また、工具ホルダTのクーラント供給筒82がクーラント排出孔80に嵌まり込む。同時に、圧空が配管孔76を介してピストン部材72に作用して、工具ホルダTは、ばね及び圧空により強力にクランプされる。
【0028】
次いで、駆動源の回転で揺動腕56が水平位置(図6の二点鎖線位置)から垂直位置に揺動開始する。ポット31は、そのガイドローラ66が垂直な直線案内部36に案内されて、第2の授受位置P2でポット31に保持した工具ホルダTの軸線に対して直交する方向(垂直方向)に所定距離移動する。この垂直移動により、保護キャップ90の把持溝95がキャップ係止部材101から垂直方向に抜き上げられる。引き続き揺動腕56が円弧移動することで、ポット31のガイドローラ66が円弧案内部34に案内されて、ポット31に保持された工具ホルダTは軸線方向を徐々に上方に向けて移動する。水平な直線案内部37に至ると、ポット31にクランプされた工具ホルダTの軸線は鉛直方向(上下方向)となり、その軸線と直交する前後方向に移動して第1の授受位置P1に至る。第1の授受位置P1の近傍でポット31がこのような水平な直線軌跡を描くことにより、ポット31にクランプされていた工具ホルダTと保護キャップ90とは、割り出し位置P0の夫々対応する把握片17a、把握部材18aに対して、水平方向から真っ直ぐ入り込み、グリッパアーム13を圧縮ばね15のばね力に抗して外側に押し開き、その後、切欠部12まで入り込むと、グリッパアーム13はばね力で閉じ、工具ホルダTと保護キャップ90とは、夫々把握片17aと円弧状係止部17b、把握部材18aと円弧状係止部18bとの間に挟まれた形で係止して工具マガジン10に保持される。このように第1の授受位置P1近傍でポット31に水平直線軌跡を辿らせて、工具ホルダTをその軸線と直交する方向に移動させるため、円弧軌跡でグリッパアーム13を押し開いていた従来に比べて、工具ホルダTや保護キャップ90外周の把持溝110,95と把握片17a,把握部材18aとの間に軸線方向の遊びを必要とせず、これらの部材はグリッパアーム13に確実に保持される。また、揺動腕56が90度旋回するとき、その揺動腕56に対して、支持部材59が軸線方向に移動するため、ポット31が垂直直線案内部36、円弧案内部34、水平直線案内部37に案内されても、これらの案内部に沿ってポット31を円滑に移動させることができる。
【0029】
また、第2の授受位置P2から第1の授受位置P1へ移動する途中、水平な直線案内部36で案内される直前位置までの間は、ポット31のピストン部材72のキャップ72a後端が、抜け止め案内部材98の摺接面98aを摺接して、軸方向後方(アンクランプ方向)に移動できないので、仮に、移動中に工具ホルダTに軸線前方への過大な外力が作用したとしても、ピストン部材72はクランプ位置から後退できないから、工具ホルダTが軸線前方へ抜け落ちることはない。それゆえ、工具ホルダT(工具も含めて)の重量が極めて大きな場合(たとえば20kg程度)であっても、傾倒動作中にポット31から抜け落ちることがない。また、工具ホルダTが水平状態から垂直に向けて軸線方向を変化させていくとき、工具ホルダTに残存していたクーラント液は、ピストン部材72のクーラント排出孔80を経て、流出孔81からポット31外部に排出されるので、クーラント液がポット31の内部に漏れ出るおそれがなくなり、ポット31内側に溜まって保護キャップ90や工具ホルダTのシャンク部111が入り込めなくなることを防止できる。クーラント液は、ベース上に滴下した後、オイルパンに回収されるようになっている。
【0030】
こうして、使用済み工具ホルダTとそのシャンク部111に嵌まっている保護キャップ90が工具マガジン10の割り出し位置P0にあるグリッパアーム13に保持されると、ピストン部材72に対する圧空供給が止められ、昇降シリンダ48が動作して、上昇端にあったピストンロッド49を下降端に下降する。これにより、昇降ガイド部材42が上昇端から下降端に下降する。工具ポット31は、そのガイドローラ66が昇降ガイド部材42の案内溝35bに嵌まり込んでおり、また、揺動腕56に長手方向に案内されているから、工具ポット31は、昇降ガイド部材42の下降によりこれと共に下降する。工具ホルダTと保護キャップ90とは、工具マガジン10のグリッパアーム13に保持されているから、ポット31は、これらから下方に抜き取られ、工具マガジン10に保持されている工具ホルダT、保護キャップ90の下端より下方に位置する(図10)。
【0031】
次いで、工具マガジン10が割り出し回転し、次に使用する工具を有する工具ホルダTを工具マガジン10の所定の割り出し位置P0に割り出す。次に昇降シリンダ48のピストンロッド49が上昇し、昇降ガイド部材42の直線案内部37bが固定側の直線案内部37aと連続する連続位置S1まで上昇し、この上昇で、下降位置にあったポット31は、第1の授受位置P1に上昇して、新たに割り出された工具ホルダTのシャンク部111を保護キャップ90ごとそのテーパ孔69に嵌入し、係止ボール74を半径方向に出入りさせて工具ホルダTを保護キャップ90と共にポット31にクランプする。その後、圧空力がピストン部材72に作用し、ここにおけるクランプ状態も、ばねと圧空による強力なものとなる。
【0032】
そして、揺動腕56を前回とは反対方向に90度旋回させ、ポット31を第1の授受位置P1から水平直線部37に沿って工具ホルダ軸線と直交する方向に移動させることで、工具ホルダTと保護キャップ90を、工具マガジン10のグリッパアーム13を押し開いて工具マガジン10の半径方向外方へ抜き出し、次いで、円弧軌跡を描かせて、ポット31に保持されている工具ホルダTの軸線を徐々に水平にし、最後は、垂直な直線案内部36に沿って、ポット31を工具軸線と直交する方向に移動させて、第2の授受位置P2にあるキャップ係止部材101に、保護キャップ90の把持溝95を嵌め込む。これと同時にピストン部材72に対する圧空供給が止められる。保護キャップ90の把持溝95をキャップ係止部材101に嵌め込むとき、工具ホルダTの軸線と直交する方向の直線移動で嵌め込むから、円弧移動のみで嵌め込む場合より、円滑に嵌め込みできる。円弧移動するときに、ピストン部材72の後端が抜け止め案内面95aを摺接し、ピストン部材72がアンクランプ方向に移動しないようになっていることも前記した通りである。その後、工具交換アーム5により、第2の授受位置にあるポット31に保持されている工具ホルダTが軸線前方に抜き出されるが、この時、防塵キャップ90は軸線方向移動がキャップ係止部材101で阻止されるので、工具ホルダTのみが抜き出され、主軸側の工具ホルダTと入れ替えられる。
【0033】
工具マガジン10で待機している各工具ホルダTは、割り出し動作中も、そうでないときでも、夫々保護キャップ90でシャンク部111が保護されているので、加工に伴う微塵が油と混じってシャンク部111に付着することがない。また、保護キャップ90は、工具マガジン10から工具ホルダTと一緒に外されて、マガジン10の外にある第2の授受位置P2に至り、そこで始めて工具ホルダTのシャンク部111と切り離されるものであるので、シャンク部111が外部にさらされるのは、工具交換アーム5で抜き取られて旋回する間の、極めて短い間だけとなり、保護機能が極めて高い。また、このような保護キャップ90は、各工具ホルダT毎に設けてある為、直線的な配置で多数の工具ホルダTを保持するような工具マガジン10にしたいという場合でも、把握片17aとキャップ把持部材の配置を変更するのみで対応でき、キャップ自体は何ら変更を要せず、工具マガジン10の工具ホルダTの保持態様にフレキシブルに対応できる。
【0034】
なお、本実施形態では、工具ポット31と共に、シャンク部111をカバーする保護キャップ90を工具マガジン10から第2の授受位置P2に傾倒するようにしたので、第2の授受位置P2に配置したキャップ係止部材と保護キャップ90との係脱が一層円滑に行われるものであるが、保護キャップ90を工具ホルダTに被せず、単に工具ホルダTを工具マガジン10から取り出して、第2の授受位置P2まで傾倒させるようにする場合には、工具マガジン10のグリッパアームには、工具ホルダTを把持する把握片のみ設け、そのグリッパアームとのやり取りに際して、工具ホルダTの軸線と直交する方向に直線移動させるようにすればよく、この場合、第1の授受位置P1近傍でポット31を水平直線移動させて、工具ホルダTを、その軸線と直交する方向に移動するようになっていればよい。
【0035】
また、本実施形態では、ポット31のクランプ機構によるホルダクランプ力を高めるために、ばねと流体圧を併用したが、ばね力を大きくできるのであれば、流体圧は特に必要ではない。また、ピストン部材がアンクランプ方向に移動しないロック機構についても、工具を有する工具ホルダTの重量が比較的軽い場合には、クランプ機構によるクランプ力のみで抜け出ることもないので、省略してもよい。なお、本発明において、工具ホルダのシャンク部形状は、本実施形態のものに限られず、テーパシャンク部の後端にプルスタッドを備えている周知のBTシャンクなど、他の形式のシャンク形状であっても、適宜の設計変更により実施可能であることは言うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本願発明では、ホルダ傾倒装置において、工具マガジンのホルダ把持部材に対して、工具ホルダをその軸線と直交する方向から出し入れするようにしたので、ホルダ把持部材にがたつきなく確実に把持される。また、1つの駆動源で、ポットを直線軌跡を含む移動軌跡に沿って移動させるようにしたので、複数駆動源を使用する場合に比べて、安価に実施できる。
また、本願では、第1、第2の授受位置間で移動するときに、ポットに保持されている工具ホルダがアンクランプされないようにロックする機構を備えたので、ポットの傾倒動作中に、工具ホルダがポットから脱落することが無く、重量の大きな工具であっても、高速で傾倒することができる。また、本願では、ポットを工具ホルダにクランプするクランプ手段を、ばねと流体圧によるものとしたので、クランプ力が大きい。
【0037】
また、本願では、工具ホルダ軸線が主軸と平行となる第2の授受位置においても、工具ホルダ軸線と直交する方向に直線移動するようにしたので、第2の授受位置に配置した受け取り部材に確実に嵌め込むことができる。また、本願では、工具ホルダのシャンク部に嵌脱する保護キャップを工具ホルダ毎に個別に設けたので、工具マガジンに待機中のホルダシャンク部に微塵が付着しない。さらに、本願では、工具ホルダに残ったクーラント液をポットの操作部材を介して排出するので、残存クーラント液の回収が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】工具交換部分の正面図である。
【図2】一部を破断して示す図1の平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面拡大図である。
【図4】図3の平面図である。
【図5】図1のV−V線断面図である。
【図6】図1の右側面図であり、主に揺動腕を示す図である。
【図7】図1のVII−VII線に沿う断面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】ポットが第2の授受位置にある状態を示す図である。
【図10】動作説明図である。
【符号の説明】
3 主軸
10 工具マガジン
17a 把持片(ホルダ把持部材)
18a 把握部材(キャップ把持部材)
30 ホルダ傾倒装置
31 ポット
32 ポット案内手段
34 1/4円弧案内部
36,37 直線案内部
50 駆動源
55 駆動伝達装置
56 揺動腕
59 支持部材
65 ポット本体
66 案内ローラ(被案内部)
72 ピストン部材(操作部材)
74 係止ボール(係止部材)
75 クランプ機構
77 ばね部材
80 クーラント排出孔
82 クーラント供給筒
90 保護キャップ
95 把持溝
98 抜け止め案内部材
110 ホルダ把持溝
101 キャップ係止部材(受け取り部材)
111 シャンク部
S1 連続位置
S2 離間位置
T 工具ホルダ
P0 工具マガジンの所定の割り出し位置
P1 第1の授受位置
P2 第2の授受位置
T1 第1の直線軌跡部分
T2 円弧軌跡部分
T3 第2の直線軌跡部分

Claims (12)

  1. 工具ホルダの移動により押し広げられて工具ホルダのホルダ把持溝と係脱するようになっているホルダ把持部材を備えた工具マガジンと、そのホルダ把持部材に把持された状態の工具ホルダ軸線と交差する方向の軸線を有する主軸との間に配置される工具ホルダの傾倒装置であって、工具ホルダを抜き差し可能に受け入れるクランプ機構を有するポットと、そのポットを工具マガジンの所定の割り出し位置に対応する第1の授受位置と、ポットに保持された工具ホルダの軸線が主軸と平行となり、主軸側とで工具ホルダをやり取りする第2の授受位置との間で所定軌跡に沿って移動させるポット傾倒機構とを備え、ポット傾倒機構の前記所定軌跡は、円弧軌跡部分とその円弧軌跡部分に接続する直線軌跡を含む移動軌跡であり、工具マガジンの所定の割り出し位置にあるホルダ把持部材と前記第2の授受位置との間で工具ホルダをやり取りするときに、ポットが工具ホルダ軸線と直交する直線軌跡を描くように設定され、ポット傾倒機構は、一つの駆動源によりポットを、前記直線軌跡を含む所定軌跡に沿って移動させるように構成されていることを特徴とする工具ホルダの傾倒装置。
  2. ポットを前記所定軌跡に沿って案内するポット案内手段と、一つの駆動源からの駆動力を、ポットに伝達してポットを前記案内手段に沿って移動させる駆動伝達装置とを備えていることを特徴とする請求項記載の工具ホルダの傾倒装置。
  3. ポットを挟んで一側に設けられるポット案内手段は、円弧案内部とその一端に連続する所定長さの直線案内部とを有し、その直線案内部は第1の授受位置に向かって、および第1の授受位置から、ポットを直線部に沿って工具ホルダ軸線と直交する方向に移動させ、直線案内部を含む案内部全体の両端に第1、第2の授受位置を設けてあり、ポットを挟んで他側に設けられる駆動伝達装置は、第1、第2の授受位置夫々を揺動端とし、2つの揺動端の間を揺動する揺動腕と、その揺動腕に揺動腕の長手方向に進退可能に取り付けた支持部材とを備えてなり、ポットは、前記支持部材に回動可能に軸支されると共に、前記ポット案内手段に被案内部を案内されており、前記揺動腕を1つの駆動源により前記2つの揺動端の間で揺動させるようになっていることを特徴とする請求項記載の工具ホルダの傾倒装置。
  4. 直線案内部を、円弧案内部の一端と連続する連続位置と、ポットから工具ホルダを抜き出し得る離間位置との間で昇降するように設けてあることを特徴とする請求項に記載の工具ホルダの傾倒装置。
  5. 第1の授受位置と第2の授受位置間でポットが移動する間、前記クランプ機構の動作をロックするロック機構を備えていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の工具ホルダの傾倒装置。
  6. クランプ機構は、ポット本体に備えらえ、工具ホルダ軸線方向に進退可能な操作部材と、その操作部材がクランプ方向に移動すると工具ホルダのシャンク部と係合する係止部材と、操作部材を前記クランプ方向へ常時付勢するばね部材とを含み、さらに、前記操作部材を前記クランプ方向に加勢する流体圧力付与構造を備えている請求項1〜の何れかに記載の工具ホルダの傾倒装置。
  7. 工具ホルダのシャンク部外周を保護する保護キャップを各工具ホルダ毎に設け、工具マガジンは、ホルダ把持部材の鉛直下側に保護キャップ外周の把持溝に対応してキャップ把持部材を備えており、ホルダ把持部材に把持された工具ホルダのシャンク部に抜き差し可能に嵌め込まれる保護キャップを、工具ホルダの軸線と直交する方向からの移動で着脱可能に把持するように構成され、ポットは、保護キャップごと工具ホルダのシャンク部を抜き差し可能に受け入れるように構成され、第2の授受位置には、保護キャップを保持するキャップ保持手段を備えたことを特徴とする請求項1〜の何れかに記載の工具ホルダの傾倒装置。
  8. 工具ホルダの移動により押し広げられて工具ホルダのホルダ把持溝と係脱するようになっているホルダ把持部材を備えた工具マガジンと、そのホルダ把持部材に把持された状態の工具ホルダ軸線と直交する方向の軸線を有する主軸との間に配置される工具ホルダの傾倒装置であって、工具ホルダを抜き差し可能に受け入れるクランプ機構を有するポットと、そのポットを工具マガジンの所定の割り出し位置に対応する第1の授受位置と、ポットに保持された工具ホルダの軸線が主軸と平行となり、主軸側とで工具ホルダをやり取りする第2の授受位置との間で所定軌跡に沿って移動させるポット傾倒機構とを備え、ポット傾倒機構の前記所定軌跡は、第1の授受位置に向かって、および第1の授受位置から、ポットが直線部に沿って移動する第1の直線軌跡部分と、第2の授受位置に向かって、および第2の授受位置から、ポットが直線部に沿って移動する第2の直線軌跡部分と、これらの直線軌跡部分をつなぐ円弧軌跡部分とから成り、工具マガジンの割り出し位置のホルダ把持部材、第2の授受位置に設けた受け取り部材に対して、ポットに保持された工具ホルダが、その軸線と直交する方向から移動するようにし、1/4円弧案内部とその両端に連続する所定長さの直線案内部とを有するポット案内手段を、各直線案内部に第1、第2の授受位置を配置するようにポットを挟んだ一側に設け、第1、第2の授受位置夫々を揺動端とし、2つの揺動端の間を揺動する揺動腕と、その揺動腕に揺動腕の長手方向に進退可能に取り付けた支持部材とを備えた駆動伝達装置をポットを挟んで他側に設け、ポットを前記支持部材に回動可能に軸支すると共に、ポットに設けた被案内部を前記ポット案内手段に案内し、前記揺動腕を1つの駆動源により前記2つの揺動端の間で揺動させるようになっていることを特徴とする工具ホルダの傾倒装置。
  9. 工具マガジンは、ホルダ把持部材に対応してキャップ把持部材を備えており、ホルダ把持部材に把持された工具ホルダのシャンク部に抜き差し可能に嵌め込まれる保護キャップ外周の把持溝を、工具ホルダの軸線と直交する方向からの移動で着脱可能に把持するように構成され、ポットを、保護キャップごと工具ホルダのシャンク部を抜き差し可能に受け入れるように構成し、第2の授受位置に備えられる受け取り部材を、保護キャップが第2の授受位置へ工具ホルダの軸線と直交する方向に移動することで保護キャップ外周の把持溝と係脱するキャップ係止部材としたことを特徴とする請求項記載の工具ホルダの傾倒装置。
  10. ポットには、クランプ、アンクランプ方向に進退可能な操作部材と、その操作部材のクランプ方向への移動で工具ホルダのシャンク部と係合する方向に移動する係止部材と、操作部材をクランプ方向へ常時付勢するばね部材とを含むクランプ機構を備え、ポット背面側には、第1の授受位置と第2の授受位置間でポットが移動するとき、前記操作部材の後端と摺接して、操作部材がアンクランプ方向に移動しないように保持する抜け止め案内部材を配置したことを特徴とする請求項記載の工具ホルダの傾倒装置。
  11. 操作部材はピストン部材であってその軸線後端がポット本体より後方へ突出しており、操作部材の中心にはクーラント排出孔が設けてあり、クーラント排出孔の先端に、工具ホルダの中心に形成されているクーラント供給筒が嵌合して、工具ホルダがポットに受け入れられたとき、工具ホルダに残存するクーラント液を、前記クーラント排出孔を介して、ポット外部に排出するようになっている請求項10記載の工具ホルダの傾倒装置。
  12. ピストン部材には、前記ばね部材による付勢方向と同じ方向に流体圧が作用するように構成されている請求項11記載の工具ホルダの傾倒装置。
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