JP4764380B2 - 発酵乳 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒアルロン酸および/またはその塩を配合しているにもかかわらず、乳成分の分離や沈殿がなく、外観の良好な発酵乳に関する。
ヒアルロン酸は生体、特に皮下組織に存在するムコ多糖類であり、その高い保湿機能によりヒアルロン酸またはその塩として、化粧料の原料に広く利用されてきた。また、ヒアルロン酸またはその塩を経口摂取することにより、生体本来の持つヒアルロン酸含量の低下を補い、肌の保湿、弾力性、および柔軟性を改善する効果が認められている。
近年では、機能性食品への関心が向上していることから、ヒアルロン酸およびその塩を配合した食品が数多く開発されている。その中でも、発酵乳にヒアルロン酸を配合することによって、健康や美容に対する機能の相乗効果が期待できる。
このため、ヒアルロン酸およびその塩を配合した発酵乳についての開発がなされており、例えば、特開2006−522591号公報(特許文献1)には、酪農製品にヒアルロン酸を添加することにより、酪農製品のきめ性質、特に粘度に影響を及ぼし、ゲル剛性を高めることができると記載されている。また、特開平10−56983号公報(特許文献2)には、ゲル化食品にヒアルロン酸を添加する方法が記載されており、ゲル化食品としてヨーグルトの例が挙げられている。そこで発明者は、特許文献1の実施例で使用しているヒアルロン酸(商品名「ヒアルロンサンHA−F」、キユーピー(株)製、平均分子量80万)を牛乳に添加しヨーグルトを製したところ、牛乳が分離して沈殿が発生し、外観上満足できるものとは言い難かった。
特開2006−522591号公報 特開平10−56983号公報
そこで、本発明の目的は、ヒアルロン酸および/またはその塩を配合しているにもかかわらず、乳成分の分離や沈殿がなく、外観の良好な発酵乳を提供するものである。
本発明者は、上記目的を達成すべく、ヒアルロン酸について鋭意研究を重ねた結果、平均分子量が特定以下のヒアルロン酸および/またはその塩を配合するならば、意外にも、乳成分の分離や沈殿のない、外観の良好な発酵乳が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)平均分子量30万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする発酵乳、
(2)平均分子量5万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする(1)の発酵乳、
(3)平均分子量2万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする(1)又は(2)のいずれかの発酵乳、
(4)ヒアルロン酸および/またはその塩の分子量分布が、分子量1万以下の成分の割合が40%以上、かつ分子量5万以上の成分の割合が5%以下である(2)又は(3)のいずれかの発酵乳、
(5)ヒアルロン酸および/またはその塩の配合量が、0.001〜10%である(1)乃至(4)のいずれかの発酵乳、
である。
本発明によれば、ヒアルロン酸および/またはその塩が配合されているにもかかわらず、乳成分の分離や沈殿のない発酵乳を提供することができる。したがって、食品市場でのヒアルロン酸および/またはその塩の更なる利用拡大が期待できる。
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
本発明の発酵乳は、乳、またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等を乳酸菌又は酵母で発酵させ、糊状または液状にしたもの、またはそれを凍結したものであり、プレーンタイプのヨーグルト、ハードタイプのフルーツヨーグルト、飲むヨーグルト、フローズンヨーグルト等が挙げられる。
本発明は、上記発酵乳において、平均分子量30万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を含有することを特徴とする。ここで、「ヒアルロン酸」とは、グルクロン酸とN−アセチルグルコサミンとの二糖からなる繰り返し構成単位を1以上有する多糖類をいう。また、「ヒアルロン酸の塩」としては、特に限定されないが、食品又は薬学上許容しうる塩であることが好ましく、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
また、本発明に使用するヒアルロン酸またはその塩は、平均分子量が30万以下であり、好ましくは5万以下であり、より好ましくは2万以下である。ヒアルロン酸またはその塩の平均分子量が前記値より大きいと、当該ヒアルロン酸および/またはその塩を乳製品に配合した場合、乳成分の分離や沈殿が発生し、本発明の目的とする外観の良好な発酵乳とならないからである。なお、本発明では、平均分子量の下限値を限定していないが、精製度の高いヒアルロン酸またはその塩の工業的生産性を考慮し、平均分子量5千以上が好ましい。
本発明で規定される平均分子量の測定方法について説明する。
本発明で規定される平均分子量は、ヒアルロン酸および/またはその塩の極限粘度から算出された分子量である。ヒアルロン酸および/またはその塩の極限粘度を求めるには、まず、複数のヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液を調製し、ウベローデ粘度計(柴田科学器械工業株式会社)におけるヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液の流下秒数および溶媒の流下秒数から、下記式1および式2に基づいて比粘度および還元粘度を算出する。この際、流下秒数が200〜1000秒になるような係数のウベローデ粘度計を用いる。また、ヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液の濃度は、該測定器に適する濃度を選択する。また、測定は30℃の恒温水槽中で行い、温度変化のないようにする。
(式1)
Figure 0004764380
(式2)
Figure 0004764380
次いで、各ヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液について、得られた還元粘度を縦軸に、乾燥物換算のヒアルロン酸および/またはその塩濃度を横軸にプロットして検量線を作成し、前記ヒアルロン酸および/またはその塩濃度を0に外挿することにより、ヒアルロン酸および/またはその塩の極限粘度を得る。下記式3に基づいて、ヒアルロン酸および/またはその塩の極限粘度から平均分子量Mを求めることができる。
(式3)
極限粘度(dL/g)=K’Mα
(上記式3において、K’=0.036、α=0.78である。)
本発明に使用するヒアルロン酸および/またはその塩は、平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下であることに加え、その分子量分布において、分子量1万以下の成分の割合が40%以上で、かつ、分子量5万以上の成分の割合が5%以下であることが好ましい。このような分子量分布のヒアルロン酸および/またはその塩を使用することにより、特に乳製品に高濃度に配合した場合にも、乳成分の分離、沈殿が起こりにくく、効果的である。
本発明で規定される分子量分布は、ゲル濾過カラムを用いてヒアルロン酸および/またはその塩を液体クロマトグラフィー分析することにより得られる。ヒアルロン酸および/またはその塩は、反復構造単位(N−アセチル−D−グルコサミンおよびD−グルクロン酸)の数によって異なる分子量を有する複数の成分の混合物である。したがって、ゲル濾過カラムを用いてヒアルロン酸および/またはその塩の水溶液について液体クロマトグラフィー分析を行うことにより、ヒアルロン酸および/またはその塩を構成する成分を分子サイズにより分離することができる。
本発明におけるヒアルロン酸および/またはその塩の分子量分布は、HPLC分析装置(商品名「アライアンスPDAシステム」、日本ウォーターズ株式会社製)にゲル濾過カラム(商品名「Diol−120」、株式会社ワイエムシイ製)を接続して、ヒアルロン酸および/またはその塩の0.1%(w/v)水溶液を分析サンプルとして、この分析サンプルを液体クロマトグラフィー分析することにより測定することができる。
液体クロマトグラフィー分析の条件は以下の通りとする。
カラム温度:40℃
流速:1mL/分
ヒアルロン酸および/またはその塩の0.1%(w/v)水溶液の注入量:20μL
移動相:0.003mol/L リン酸バッファー(0.15mol/L NaCl含有、pH7.0)
紫外線検出器:λ=210nmで測定
本発明に係るゲル濾過カラムを用いた液体クロマトグラフィーでは、保持時間が長いものほど低分子である。保持時間の長い順に、N−アセチルグルコサミン、D−グルクロン酸、ヒアルロン酸(二糖:繰り返し構造単位1つ)、ヒアルロン酸(四糖:繰り返し構造単位2つ)、ヒアルロン酸(六糖:繰り返し構造単位3つ)、ヒアルロン酸(八糖:繰り返し構造単位4つ)・・・のピークが得られる。各ピークにおける保持時間および分子量を算出し、この保持時間対分子量の検量線を求める(式4)。
なお、後述の式4において、xは保持時間を示し、yは分子量を示す。次いで、式4に示される検量線から、所定の分子量(1万または5万)に対応する保持時間を算出し、これらの保持時間によりピークを分割することにより、所定の分子量範囲にある成分の割合を求める。また、各ピークが示す分子量は、分子量が既知のヒアルロン酸および/またはその塩の最小構成単位(二糖)について同様の方法で液体クロマトグラフィー分析して得られたクロマトグラム中のピークと照会することにより同定される。
例えば、分子量1万以下の成分の割合は、式4に示される検量線から分子量1万に対応する保持時間を算出し、この保持時間以降の成分の吸収面積を全吸収面積で除すことにより求めることができる。同様に、分子量5万以上の成分の割合は、式4に示される検量線から分子量5万に対応する保持時間を算出し、この保持時間以前に成分の吸収面積を全吸収面積で除すことにより求めることができる。
一例として、図1に示すクロマトグラムから得られた各分子量成分の繰り返し単位数および保持時間の関係を表1に示す。
Figure 0004764380
(式4)
y=−21.4x+1296.2x−26747.1x+189427.1
本発明で用いる平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下の低分子ヒアルロン酸および/またはその塩の代表的な製造方法を以下に述べる。なお、本発明で用いる低分子ヒアルロン酸および/またはその塩の製造方法は、これに限定するものではない。
上記低分子ヒアルロン酸および/またはその塩の原料であるヒアルロン酸および/またはその塩(以下、「原料ヒアルロン酸およびその塩」ともいう)は一般に、鶏冠、臍の緒、眼球、皮膚、軟骨等の生物組織、あるいはストレプトコッカス属の微生物等のヒアルロン酸生産微生物を培養して得られる培養液等を原料として、これらの原料から抽出(さらに必要に応じて精製)して得られるものである。例えば、鶏冠より抽出される原料ヒアルロン酸および/またはその塩の分子量は通常200万から800万である。
上記低分子ヒアルロン酸および/またはその塩は、酸性含水媒体中に原料ヒアルロン酸および/またはその塩を分散させて、酸性含水媒体を除去して得られた残留物を加熱乾燥することにより製造することができる。ここで、攪拌速度や攪拌時間を調整することにより、低分子化の度合いを調整することができる。また、上述の分散させる工程を、30〜70℃で1時間以内の加熱条件下で行うことにより、目的の分子量まで安定に低分子化することができる。より具体的には、粉末状の原料ヒアルロン酸および/またはその塩を、酸性含水媒体中に攪拌しながら添加して得られた分散媒を加熱することができる。あるいは、酸性含水媒体を予め加熱し、これに原料ヒアルロン酸および/またはその塩を添加し、温度を保持してもよい。
上記製造方法において、含水媒体は、水を含む、ヒアルロン酸および/またはその塩の分散媒のことをいう。含水媒体に使用できる媒体は、ヒアルロン酸および/またはその塩の溶解性が低いことが好ましい。含水媒体に使用できる媒体は特に限定されないが、例えば液体であって、水に溶解する性質を有し、かつ、食品または医薬品の製造工程において使用できるものが好ましい。含水媒体に使用できる媒体としては、例えば、アルコール系媒体(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、2−プロパノールなど)、ケトン系媒体(例えば、アセトン、メチルエチルケトンなど)、テトラヒドロフラン、アセトニトリル等を挙げることができ、これらを単独または組み合わせて使用することができる。このうち、沸点の低さおよび価格の点で、メタノール、エタノール、およびアセトンから選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。含水媒体における含水量は特に規定されないが、含水量が多いと、ヒアルロン酸および/またはその塩が分散状態を維持できず、含水媒体に溶解するため、収率の低下を招くおそれがある。したがって、含水媒体の全量に対する水の割合は40%容量以下が好ましく、30%容量以下がより好ましい。
また、上記製造方法において、含水媒体を酸性にするために使用するものとしては、例えば、塩酸や硫酸等の酸や酸性陽イオン交換樹脂が挙げられる。
なお、平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下の低分子ヒアルロン酸からヒアルロン酸の塩へと変換する方法、ならびに前記低分子ヒアルロン酸の塩からヒアルロン酸へと変換する方法は、特に限定されるわけではない。前記低分子ヒアルロン酸からヒアルロン酸の塩へと変換する方法としては、例えば、アルカリ水溶液(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アンモニウム等の水溶液)を用いて処理する方法が挙げられる。また、前記低分子ヒアルロン酸の塩からヒアルロン酸へと変換する方法としては、例えば、酸水溶液(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の水溶液)を用いて処理する方法や、酸性陽イオン交換樹脂を用いる方法が挙げられる。
本発明の発酵乳において、上述した製造方法等により得られた平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下の低分子ヒアルロン酸および/またはその塩の配合量は、0.001〜10%程度が好ましく、0.005〜2%程度がより好ましい。ヒアルロン酸および/またはその塩の配合量が、前記範囲より多くなると、ヒアルロン酸および/またはその塩の風味が強くなり、発酵乳本来のおいしさが損なわれるため、好ましくない。一方、前記範囲より少なくなると、ヒアルロン酸および/またはその塩の美容効果が現れにくく、商品価値が低くなるため好ましくない。
本発明の発酵乳の製造方法は、本発明の必須の配合原料である上述した平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下の低分子ヒアルロン酸またはその塩を、乳、またはこれと同等以上の無脂乳固形分を含む乳等、または発酵乳に配合する工程を含む方法であれば特に限定されるものではない。一般的な発酵乳の製造方法としては、タンク内で発酵・冷却を完了させた発酵乳を破砕して流通用個食容器に充填した前発酵タイプと、一定量のスターターを添加した発酵乳原料ミックスを流通用個食容器に充填した後、発酵室にて所定の乳酸酸度に到達するまで発酵させた後に冷却する、後発酵タイプとに大別されている。本発明は、いずれの方法でもよい。
本発明は、本発明の効果を損なわない範囲で、発酵乳に一般的に使用されている原料を適宜配合することができる。このような原料としては、例えば、砂糖、粉糖、グラニュー糖、果糖、水飴、はちみつ、フルクトース、パラチノース、トレハロース、ラクトース、キシロース等の糖類、寒天、ゼラチン、澱粉、カラギナン、キサンタンガム、デキストリン、ペクチン等の食感改良材、ソルビトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、還元水飴、還元麦芽糖水飴等の糖アルコール類、スクラロース、ステビア、アスパルテーム等の高甘味度甘味料、クエン酸、乳酸等の酸材、ビタミンA、ビタミンB類、ビタミンC、ビタミンD等のビタミン類、コラーゲン、水溶性食物繊維等の美容原料、乳製品、乳たんぱく、色素、果汁、植物性油脂、卵黄、香料等が挙げられる。また、イチゴ、ブルーベリー、みかん、パイナップル、キウイ、メロン、桃、りんご等の果肉やジャム、ナタデココなど、分散可能な固形食品を含んでもよい。
以下、本発明で用いる平均分子量30万以下、好ましくは5万以下、より好ましくは2万以下の低分子ヒアルロン酸および/またはその塩を用いた発酵乳について、実施例等に基づき具体的に説明する。なお、本発明は、これらに限定するものではない。
〔調製例1〕平均分子量9千のヒアルロン酸
本調製例では、原料として、鶏冠より抽出、精製したヒアルロン酸ナトリウム(以下「HANa」ともいう)微粉末を準備した。この原料HANaの平均分子量は約210万、純度97%であった。
まず、攪拌機およびジャケットを装備した300L容タンクに、0.5%硫酸含有80%含水アセトン(酸性含水媒体)110Lを満たし、攪拌しながら液温が60℃となるよう加熱した。ここで、80%含水アセトンは、アセトンを80(w/w)%含有し、水を20(w/w)%含有するものであり、0.5%硫酸含有80%アセトンは、硫酸を0.5(w/w)%含有し、80%含水アセトンを99.5(w/w)%含有するものである。60℃に達温後、攪拌しながら、準備した原料HANa微粉末6kgをタンクに投入した。硫酸含有含水アセトンの温度を60℃に維持するよう加熱を行いながら、原料HANa微粉末が分散状態となるように攪拌した。
次に、15分間攪拌してから静置した後、上澄みの硫酸含有含水アセトンをデカンテーションにより除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に、予め60℃に加熱した0.5%硫酸含有80%含水アセトン110Lを加え、同様に60℃に加熱しながら攪拌を15分間行い、この操作を合計3回繰り返した。
次いで、硫酸含有含水アセトンを除去した後に得られた沈殿物に80%含水アセトン110Lを加え、硫酸除去の目的で攪拌を15分間行った。硫酸の残留がなくなるまでこの操作を繰り返した。
さらに、含水アセトンをデカンテーションにより除去して残留物を得た。この残留物について遠心分離処理を行うことにより含水アセトンをさらに除去した後、真空乾燥機を用いて70℃にて減圧で12時間加熱乾燥した。
以上の工程により、白色微粉末のヒアルロン酸5.3kg(収率約88%)を得た。このヒアルロン酸は、極限粘度より換算した平均分子量が9千であり、分子量分布において、分子量1万以下の成分の割合が49%以上でかつ分子量5万以上の成分の割合が0.5%であった。
〔調製例2〕平均分子量3.5万のヒアルロン酸ナトリウム
本調製例では、原料として、調製例1で用いたHANa微粉末を準備した。
まず、攪拌機を装備した300L容タンクに、2%塩酸含有73%含水エタノール(酸性含水媒体)110Lを満たし、攪拌しながら液温が50℃となるよう加熱した。ここで、73%含水エタノールは、エタノールを73(w/w)%含有し、水を27(w/w)%含有するものであり、2%塩酸含有73%含水エタノールは、塩酸を2(w/w)%含有し、73%含水エタノールを98(w/w)%含有するものである。50℃に達温後、攪拌しながら、準備した原料HANa微粉末6kgをタンクに投入した。塩酸含有含水エタノールの温度を50℃に維持するよう加熱を行いながら、原料HA粉末が分散状態となるように攪拌した。
次に、15分間攪拌してから静置した後、上澄みの塩酸含有含水エタノールをデカンテーションにより除去することにより、沈殿物を得た。得られた沈殿物に、予め50℃に加熱した2%塩酸含有73%含水エタノール110Lを加え、同様に50℃に加熱しながら攪拌を15分間行い、この操作を合計3回繰り返した。
次いで、塩酸含有含水エタノールを除去した後に得られた沈殿物に73%含水エタノール110Lを加え、塩酸除去の目的で攪拌を15分間行った。塩酸の残留がなくなるまでこの操作を繰り返した。
さらに、含水エタノールをデカンテーションにより除去して残留物を得た。この残留物について遠心分離処理を行うことにより含水エタノールをさらに除去した後、再び同タンクにて水100Lに溶解させて水溶液を調製した。この水溶液を攪拌しながら20%水酸化ナトリウム溶液を該水溶液に添加して、pH6.5とした。次いで、この水溶液をスプレードライヤーにて噴霧乾燥を行った。
以下の工程により、白色微粉末の低分子ヒアルロン酸ナトリウム5.1kg(収率約85%)を得た。このヒアルロン酸は、極限粘度より換算した平均分子量が3.5万であり、分子量分布において、分子量1万以下の成分の割合が40%未満でかつ分子量5万以上の成分の割合が1%超であった。
〔実施例1〕
下記の配合の発酵乳を製した。つまり、調製例1で得られた平均分子量が9千のヒアルロン酸を清水に溶解し、牛乳、脱脂粉乳と合わせて混合した。次に90℃、10分間の加熱殺菌処理を施した後、40℃まで冷却してヨーグルトスターターを添加し、均一に攪拌して、100mL容個食容器に80mLずつ分注した。これを40℃にて発酵させ、乳酸酸度が0.7%前後に達した時点で10℃以下に冷却し、発酵停止させ発酵乳を製した。
<配合割合>
牛乳 80%
脱脂粉乳 3%
ヨーグルトスターター(市販ヨーグルト)3%
ヒアルロン酸(調製例1) 0.0125%/0.075%/0.15%
清水 残余
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
100%
〔実施例2〕
実施例1の発酵乳で使用したヒアルロン酸の代わりに、調製例2で得られた平均分子量が3.5万のヒアルロン酸ナトリウムを使用する以外は、実施例1と同様に発酵乳を製した。
〔実施例3〕
実施例1の発酵乳で使用したヒアルロン酸の代わりに、平均分子量30万のヒアルロン酸(商品名「ヒアルロンサンHA−LF」、キユーピー(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様に発酵乳を製した。
〔比較例1〕
実施例1の発酵乳で使用したヒアルロン酸の代わりに、平均分子量80万のヒアルロン酸ナトリウムを使用する以外は、実施例1と同様に発酵乳を製した。
〔比較例2〕
実施例1の発酵乳で使用したヒアルロン酸の代わりに、平均分子量130万のヒアルロン酸(商品名「ヒアルロンサンHA−LQ」、キユーピー(株)製)を使用する以外は、実施例1と同様に発酵乳を製した。
〔試験例1〕
実施例1〜3、ならびに比較例1〜2で得られた発酵乳を容器から取り出し、内容物の状態を、下記に示す対照品を基準に目視で評価した。評価結果を表2に示す。
〔対照品〕
実施例1の発酵乳において、調製例1のヒアルロン酸を添加しなかった以外は同様の方法で発酵乳を製した。
Figure 0004764380
表2より、本発明の平均分子量30万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を配合した実施例1〜3の発酵乳は、平均分子量が30万超のヒアルロン酸および/またはその塩を配合した比較例1又は2で確認された乳の分離がなく、良好な性状であった。また、平均分子量5万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を配合した実施例1又は2の発酵乳は、対照品と比較しても、外観の性状はほぼ同等であった。特に、平均分子量が2万以下であり、その分子量分布において、分子量1万以下の成分の割合が40%以上、かつ分子量5万以上の成分の割合が5%以下であるヒアルロン酸を配合した実施例1の発酵乳は、ヒアルロン酸の配合量が多い場合にも性状は対照品と同等であった。
図1は、ヒアルロン酸のクロマトグラムの一例を示す。

Claims (1)

  1. 平均分子量3.5万以下のヒアルロン酸および/またはその塩を0.0125〜0.15%含有することを特徴とする発酵乳。
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