JP4762537B2 - 熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 - Google Patents

熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂組成物及びその成形品に関する。更に詳しくは、表面光沢が良好であり、また特に電気・電子部品等として用いられる端子類のような金属インサートを有するインサート成形品に適用した場合の気密性にも優れたポリエステル樹脂成形品に関する。
熱可塑性ポリエステル樹脂は、耐電圧特性、固有抵抗等の電気的特性に優れており、マイクロスイッチ、リレー等の各種の電気・電子部品のカバー、ケーシング、ベース等の素材として多く使用されている。また、このような電気・電子部品には、金属製の端子類をインサートした状態で成形されることも多い。
ポリエステル樹脂は良好な電気的特性を示すが、更にガラス繊維等により強化されたポリエステル樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性にも優れており、各種の電気・電子部品類に多く採用されている。しかしながら、外装部品の中でも高い外観レベル、高光沢を要求される分野では、ガラス繊維に代表される強化用繊維状充填剤の添加は、これらの成形表面への浮き出しによる光沢低下という問題があった。
また、前記用途にあっては、成形品を貫通するインサート金属を有するものが多く存在する。このようなインサート金属の樹脂貫通部には、繊維状充填剤の成形表面への浮き出しによって発生する間隙や、成形後の樹脂の収縮によって発生する間隙により気密性が低下する欠点がある。上述のような電気・電子部品類の内部には、接点を始めコイル類、半導体素子類が内蔵されており、気密性が低下すると水や液体が浸入し、動作不良、腐蝕による寿命短縮等の悪影響を及ぼす。
かかる不都合を解消するために、成形品の外側の端子の付け根部分にシリコーン系等のシーリング剤を塗布し、間隙を埋める対策もあるが、このような対策は、作業工数の複雑化ならびに増加を招き、生産コスト上昇を招来する。
また、上述の如き間隙の生じる理由は、繊維状充填剤が成形表面から浮き出し、表面の粗さが大きくなることや、繊維状充填剤の配向によって収縮の異方性が生じるためと解される。実際に、ガラス繊維等のフィラーを充填しない成形品においては、インサート金属との密着性は良好である。しかしながら、ポリエステルによる電気・電子部品の用途においては、熱変形温度やその他の物性の改良のために、ガラス繊維やアスペクト比の大きなフィラーの配合が不可欠である。
従来より、繊維状充填剤に比べ、非繊維状充填剤を配合したほうが、気密性を向上させるためには有利であることは公知である。このため、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、マイカ、クレー等を使用し、気密性を上げる方法があるが、これら非繊維状充填剤では、繊維状充填剤を配合した場合に比べ機械的強度や熱的特性が著しく低下することがわかっている。
また、特許文献1には、ある特定の充填剤を組み合わせて配合したポリエステル樹脂組成物を使用した成形品が、金属インサートと包囲する樹脂との密着性に優れていることが記載されているが、電気・電子部品の小型化・薄肉化及び成形時に製品を多数個取りし生産効率を高めていった場合、この組成物を使用した成形品では十分な性能を得ることができない。
同様に、特許文献2には、繊維状充填剤と非繊維状充填剤を特定の組み合わせで配合したポリエステル樹脂組成物を使用した成形品が、金属インサートと包囲する樹脂との密着性に優れていることが記載されているが、やはりこの組成物を使用した成形品では十分な気密性を得られない場合がある。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂に、例えばポリカーボネート樹脂のような非晶性樹脂成分を添加することによって、収縮率を小さくし金型転写性を向上させ、また、表面外観・光沢を向上させることは公知である。例えば、特許文献3には、熱可塑性ポリエステル樹脂にポリカーボネート樹脂を添加することによって、金型転写性の向上及び成形品の表面外観・光沢の向上効果があることが記載されている。しかしながら、この組成物に機械的強度や熱的特性を向上させるために強化繊維を添加した場合、やはり十分な気密性を得られない場合がある。
特開平7−138457号公報 特開平9−87492号公報 特開平10−152606号公報
本発明は、上記従来技術の課題を解決し、強化繊維を含有しながら、表面光沢が良好であり、また特に電気・電子部品等として用いられる端子類のような金属インサートを有するインサート成形品に適用した場合の気密性にも優れたポリエステル樹脂成形品の提供を目的とするものである。
本発明者等は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、熱可塑性ポリエステル樹脂と強化繊維を主成分とする原料から特定の溶融混練条件で製造した樹脂組成物の使用が極めて有効であることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂30〜95重量部、強化繊維5〜70重量部(合計100重量部)を主成分とする原料を押出機で溶融混練し、製造されたペレット状樹脂組成物を、更に複数回押出機で溶融混練することにより得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物、並びに該熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形してなる成形品、インサート成形品である。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物から成形された成形品は、表面光沢が良好であり、機械的特性にも優れている。また、電気・電子部品等として用いられる端子類のような金属インサートを有するインサート成形品に適用した場合の気密性にも優れるため、マイクロスイッチ、リレーのような部品の小型化、薄肉化が可能となり、またシーリング剤を塗布する工程を削除できるため生産性も優れている。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明に用いる熱可塑性ポリエステル樹脂とは、ジカルボン酸化合物とジヒドロキシ化合物の重縮合、オキシカルボン酸化合物の重縮合あるいはこれら三成分化合物の重縮合等によって得られるポリエステルであり、ホモポリエステル、コポリエステルの何れに対しても本発明の効果がある。ここで用いられる熱可塑性ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸化合物の例を示せば、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸の如き公知のジカルボン酸化合物及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等である。また、これらのジカルボン酸化合物は、エステル形成可能な誘導体、たとえばジメチルエステルの如き低級アルコールエステルの形で重合に使用する事も可能である。次に本発明のポリエステル(A) を構成するジヒドロキシ化合物の例を示せば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、レゾルシン、ジヒドロキシフェニル、ナフタレンジオール、ジヒドロキシジフェニルエーテル、シクロヘキサンジオール、2,2 −ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ジエトキシ化ビスフェノールAの如きジヒドロキシ化合物、ポリオキシアルキレングリコールおよびこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体等であり、一種又は二種以上を混合使用することができる。また、オキシカルボン酸の例を示せば、オキシ安息香酸、オキシナフトエ酸、ジフェニレンオキシカルボン酸等のオキシカルボン酸及びこれらのアルキル、アルコキシ又はハロゲン置換体が挙げられる。また、これら化合物のエステル形成可能な誘導体も使用できる。本発明においてはこれら化合物の一種又は二種以上が用いられる。また、これらの他に三官能性モノマー、即ちトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等を少量併用した分岐又は架橋構造を有するポリエステルであっても良い。
本発明では、上記の如き化合物をモノマー成分として、重縮合により生成する熱可塑性ポリエステルは何れも使用することができ、単独で、又二種以上混合して使用されるが、好ましくはポリアルキレンテレフタレート、さらに好ましくはポリブチレンテレフタレート及び/またはポリエチレンテレフタレートを主体とする共重合体が使用される。また本発明においては、熱可塑性ポリエステルを公知の架橋、グラフト重合等の方法により変性したものであっても良い。
本発明に用いる強化繊維は、熱可塑性ポリエステル樹脂の機械的物性と耐熱性向上という目的のために使用されるもので、有機繊維、無機繊維を問わず、また繊維径、繊維長にも特に限定はなく、一般に熱可塑性樹脂の強化用に用いられるものであれば制限はない。強化繊維の例としては、例えば、ガラス繊維、アスベスト繊維、炭素繊維、芳香族ポリアミド繊維、チタン酸カリウム繊維、スチール繊維、セラミックス繊維、ボロンウィスカー繊維等の如き繊維状物が挙げられるが、代表的なものはガラス繊維、炭素繊維である。これらは2種以上を混合して用いることもできる。
これらの強化繊維の使用にあたっては必要ならば収束剤又は表面処理剤を使用することもできる。この例を示せば、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、シラン系化合物、チタネート系化合物等の官能性化合物である。これ等の化合物はあらかじめ表面処理又は収束処理を施して用いるか、又は材料調製の際同時に添加してもよい。
強化繊維の配合割合は、熱可塑性ポリエステル樹脂との合計100重量中、5〜70重量部、好ましくは5〜50重量部である。強化繊維の割合が70重量部を超えると組成物の溶融流動性が著しく劣るため、良好な成形品を得ることができない。また、5重量部を下回る場合は、機械的強度、弾性率が低いため、小型化、薄肉化されたマイクロスイッチ、リレーのような電気・電子部品に使用するには好ましくなくなる。
次に本発明においては、樹脂成分として、熱可塑性ポリエステル樹脂にポリカーボネート樹脂を添加したものを用いてもよい。このポリカーボネート樹脂は、熱可塑性ポリエステル樹脂に添加配合されることにより、成形品の表面光沢を良好にさせる。かかる目的で用いられるポリカーボネート樹脂は、溶剤法、即ち、塩化メチレン等の溶剤中で公知の酸受容体、分子量調整剤の存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体との反応、または二価フェノールとジフェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体とのエステル交換反応によって製造することができる。ここで好適に使用し得る二価フェノールとしてはビスフェノール類があり、特に 2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、即ちビスフェノールAが好ましい。また、フェノールAの一部または全部を他の二価フェノールで置換したものであってもよい。ビスフェノールA以外の二価フェノールとしては、例えばハイドロキノン、4,4 −ジヒドロキシジフェニル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)アルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロアルカン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルのような化合物、またはビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのようなハロゲン化ビスフェノール類を挙げることができる。これら二価フェノールは二価フェノールのホモポリマーまたは2種以上のコポリマーであってもよい。さらに本発明で用いるポリカーボネート樹脂は多官能性芳香族を二価フェノール及び/またはカーボネート前駆体と反応させた熱可塑性ランダム分岐ポリカーボネートであってもよい。
また、ポリカーボネート樹脂の添加量は、熱可塑性ポリエステル樹脂に対し0〜40重量%、特に5〜30重量%である。40重量%を超える場合は、成形サイクルの増加、離型性の悪化等、成形上の問題が生じ好ましくない。
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、その目的に応じ前記成分の他に必要により、機械的強度、耐熱性、寸法安定性(耐変形、そり)、電気的性質等の性能に優れた成形品を得るために、各種の粉粒状、板状の無機充填剤を更に補助的に配合することができる。
粉粒状充填剤としてはカーボンブラック、シリカ、石英粉末、ガラスビーズ、ガラス粉、硅酸カルシウム、硅酸アルミニウム、カオリン、タルク、クレー、硅藻土、ウォラストナイトの如き硅酸塩、酸化鉄、酸化チタン、酸化亜鉛、アルミナの如き金属の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き金属の炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き金属の硫酸塩、その他炭化硅素、窒化硅素、窒化硼素、各種金属粉末等が挙げられる。又、板状充填剤としてはマイカ、ガラスフレーク、各種の金属箔等が挙げられる。これらの無機充填剤は一種又は二種以上併用することが出来る。
また、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、その目的に応じ前記成形品の他に、更に他の熱可塑性樹脂を補助的に併用することも可能である。ここで用いられる他の熱可塑性樹脂として、高温において安定な樹脂であればいずれのものでもよく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリルスチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンサルファイド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン等を挙げることができる。またこれらの熱可塑性樹脂は2種以上混合して使用することができる。
さらに、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、熱可塑性エラストマー(オレフィン系熱可塑性エラストマー、スチレン系熱可塑性エラストマー、ウレタン系熱可塑性エラストマー等)などの衝撃改良剤が含まれていてもよい。この衝撃改良剤の割合は、熱可塑性ポリエステル樹脂、または熱可塑性ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂の混合樹脂100重量部に対して、0.1〜50重量部、好ましくは1〜50重量部程度である。
さらに、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない範囲で、その目的に応じ所望の特性を付与するために、一般に熱可塑性樹脂等に添加される公知の物質、即ち酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤、帯電防止剤、染料や顔料等の着色剤、潤滑剤及び結晶化促進剤、結晶核剤、可塑剤、加工助剤等を配合することが可能である。
本発明には、さらに難燃性を付与する目的で、種々の難燃剤を用いることができる。難燃剤の具体的な例としては、例えば臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/またはその末端グリシジル基の一部または全部を封鎖した変性物、臭素化アクリル樹脂、臭素化ビスフェノールAを原料として製造されるポリカーボネートオリゴマー、臭素化ビフェニルエーテル、臭素化ジフタルイミド化合物等が代表的なものとして例示できるが、中でも臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/またはその末端グリシジル基の一部または全部を封鎖した変性物、臭素化アクリル樹脂、及び臭素化ビスフェノールAを原料として製造されるポリカーボネートオリゴマーが好ましく用いられる。
また、難燃性を高める目的で難燃助剤を添加することができる。例えば、アンチモン系難燃助剤は臭素系難燃剤との相乗作用により熱可塑性ポリエステル樹脂の難燃性を高める働きをするものである。アンチモン化合物としては、例えば三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム等が挙げられるが、特に三酸化アンチモンが好ましく用いられる。
さらに、本発明に用いる難燃剤の一部として、燃焼中のドリッピングを防止する目的でドリッピング防止剤を添加できる。ドリッピング防止剤としては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素化ポリオレフィンが代表的なものであるがこれに限定されるものではない。
本発明の特徴は、上記原料成分を押出機で溶融混練し、製造されたペレット状樹脂組成物を、更に複数回押出機で溶融混練することにある。
即ち、本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、上記の配合成分が均一に分散されていることが本発明の所期の効果を得る上で必要であり、例えば配合成分の全部または一部を加熱した単軸、二軸の押出機に一括または分割して供給し、溶融混練により均質化した後に、針金状に押出された溶融樹脂を冷却固化し、次いで所望長さに切断した粒状化した押出体(ペレット状樹脂組成物)を、更に複数回押出機で溶融状態で混練することによって得られる。押出機の種類は、単軸、二軸式等自由に選択できるが、押出し回数を少なくして生産性を上げるためには、二軸式押出機の使用が好ましい。さらに1回目の押出しと2回目以降の押出しが、異なる押出機によるものでもかまわない。また、例えば着色剤のような強化繊維以外の充填剤等は、1回目の押出しに限らず、2回目以降の押出しで配合添加してもよい。
本発明において、2回目以降の複数回の押出しとは、1回目の押出しを含めて3回以上の溶融混練が行われることを意味し、回数に制限はないが、4回目以上は、効果がほぼ飽和に達するので、実用上、3回あるいは4回の押出しで充分である。
本発明において、押出機を用いて溶融混練する際の条件は特に制限されず、複数回行うこと以外は、時間、温度等の条件は通常の場合と同様でよい。
本発明の熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、一般的な成形法により成形品とすることができ、表面光沢に優れ、JIS Z 8741試験法による表面光沢が45以上のものが容易に得られる。
また、本発明はインサート成形品に特に好適である。インサート成形品は成形用金型に金属等をあらかじめ装着し、その外側に上記の配合樹脂組成物を充填して複合成形品としたものである。樹脂を金型に充填するための成形法としては射出、押出圧縮成形法などがあるが、射出成形法が一般的である。また、樹脂にインサートする素材は、その特性を生かし且つ樹脂の欠点を補う目的で使用されるため、成形時に樹脂と接触したとき、形が変化したり溶融しないものが使用される。このため、主としてアルミニウム、マグネシウム、銅、鉄、真鍮及びそれらの合金などの金属類やガラス、セラミックスのような無機固体類であらかじめ棒、ピン、ネジ等に成形されているものが使用される。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、以下の例に示した物性評価の測定法は次の通りである。
(1) 表面光沢
所定のポリエステル樹脂組成物から、射出成形機にてシリンダー温度260℃、金型温度60℃、射出圧力60MPa、射出時間30秒、冷却時間10秒、全成形サイクル45秒の条件で、一辺120mm、厚み2mmの平板形状の試験片を成形し、図1の部位の45度鏡面光沢をJIS Z 8741によって測定し、表面光沢とした。
(2) 気密性
金属インサートを金型内に挿入保持した後、所定のポリエステル樹脂組成物から、射出成形機にて気密性評価用サンプル(図2)を射出成形した。このときの成形条件は、シリンダー温度260℃、金型温度60℃、射出圧力60MPa、射出時間5秒、冷却時間10秒、全成形サイクル25秒である。金属インサートは銅製で錫メッキされたものを使用した。この気密性評価用サンプルを、図3に示すように金属製容器に固定し、金属製容器と気密性評価用サンプルから構成される耐圧気密性容器を水槽に投入した。次いで、圧縮空気を耐圧気密性容器に入れ、所定の圧力をかけて、金属インサート部からのエアー漏れの有無を確認した。所定の圧力をかけたまま1分間の静置状態においてエアー漏れが無ければ、気密性はOKと判断した。気密性は、低圧力(0.3MPa)、中圧力(0.4MPa)、高圧力(0.5MPa)の3段階で評価した。
(3) 燃焼性
UL94規格水平または垂直燃焼試験法により、0.8mm厚の試験片を用いて燃焼性を評価した。燃焼性はUL94に記載の評価方法に従って分類した。
(4) 荷重たわみ温度
ISO75−1に準拠して1.82MPaの荷重たわみ温度を測定した。
実施例1〜6、比較例1〜6
表1に示す組成の原料成分を用い、表1に示す押出条件(押出機、押出し回数)で溶融混練し、樹脂組成物のペレットを作り、上記物性の評価を行った。結果を表1に示す。
(樹脂成分)
a:ポリブチレンテレフタレート樹脂100重量%
b:ポリブチレンテレフタレート樹脂90重量%とポリカーボネート樹脂10重量%の混合樹脂
・ポリブチレンテレフタレート樹脂;極限粘度0.7、ウィンテックポリマー(株)製
・ポリカーボネート樹脂;帝人化成(株)製
(強化樹脂)
・ガラス繊維;繊維径13μm、日本電気硝子(株)製
(他成分)
・難燃剤;臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製
・難燃助剤;三酸化アンチモン、日本精鋼(株)製
・ドリッピング防止剤;ポリテトラフルオロエチレン
(使用押出機、押出し条件)
A 二軸押出機を使用((株)日本製鋼所製、TEX44HCT)
スクリュー径44mm、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数300rpm、吐出量100kg/h
B 単軸押出機を使用((株)石中鉄工所製、HS押出機)
スクリュー径57mm、シリンダー温度270℃、スクリュー回転数150rpm、吐出量100kg/h
Figure 0004762537
表1の結果から以下のことがわかる。比較例1は、押出しを1回のみ行ったものであるが、表面光沢は37と低く、気密性にも劣るものであった。比較例2は、二軸押出ししたポリエステル樹脂組成物を単軸の押出機に通したもので、通常着色品に適用されるような工程であるが、表面光沢、気密性共に比較例1よりは多少向上しているものの、満足できるものではなかった。これに対し、二軸押出し後、単軸の押出機に2回通した実施例1では、表面光沢は47と向上し、高圧力下での気密性にも問題はなかった。
これは、組成および押出手法を変えた実施例2〜3と比較例3〜4との対比、実施例4〜5と比較例5との対比、実施例6と比較例6との対比でも同様の傾向が見られた。
実施例における表面光沢試験に用いた試験片と試験状況を示す図である。 実施例で用いた気密性評価用サンプルを示す図で、(a) は平面図、(b) は(a) のA−A断面図である。 実施例で行った気密性評価の試験状況を示す図である。

Claims (6)

  1. 熱可塑性ポリエステル樹脂30〜95重量部、強化繊維5〜70重量部(合計100重量部)を主成分とする原料を押出機で溶融混練し、製造されたペレット状樹脂組成物を、更に複数回押出機で溶融混練することにより得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を成形してなり、JIS Z 8741試験法による表面光沢が45以上である成形品。
  2. 原料として更にポリカーボネート樹脂を含有するものである請求項1記載の成形品。
  3. 強化繊維がガラス繊維である請求項1又は2記載の成形品。
  4. 熱可塑性ポリエステル樹脂30〜95重量部、強化繊維5〜70重量部(合計100重量部)を主成分とする原料を押出機で溶融混練し、製造されたペレット状樹脂組成物を、更に複数回押出機で溶融混練することにより得られる熱可塑性ポリエステル樹脂組成物と金属又は無機固体とをインサート成形してなり、JIS Z 8741試験法による表面光沢が45以上であるインサート成形品。
  5. 原料として更にポリカーボネート樹脂を含有するものである請求項4記載のインサート成形品。
  6. 強化繊維がガラス繊維である請求項4又は5記載のインサート成形品。
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