JP4762196B2 - 顆粒状塩味料 - Google Patents

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本発明は、塩化カリウムと塩化ナトリウムとを含有する顆粒状塩味料に関し、詳しくは、塩化ナトリウムと塩化カリウムとを含有し、その塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味が改善された顆粒状塩味料に関する。
食塩は、食品の保存や調味料等として広く用いられているが、食塩の摂取過剰は、高血圧、心臓病、脳卒中等の成人病の原因になることが知られており、近年、健康面から様々な加工飲食品において減塩志向が高まっている。食塩の量を減少させた、いわゆる減塩飲食品は、塩味の不足により嗜好性が低下してしまうため、様々な食塩代替成分が以前より検討されている。その中でも、塩化カリウムは、塩味を有し、更にナトリウムイオンの***促進効果を有することから、食塩代替の代表的な成分の1つとしてよく用いられ、これを利用した食塩代替品が数多く提案され商品化されている。
しかしながら、塩化カリウムは、苦味やエグ味等、好ましくない呈味を有しており、これを改善すべく本出願人による下記特許文献1に記載された塩基性アミノ酸及び塩基性ペプチドをはじめ、従来、アミノ酸、有機酸、ミネラル等、数多くの呈味改善剤が提案されている。
これらの呈味改善剤は、食塩及び塩化カリウムとの混合物として使用され、食品中に添加して用いると、各成分が溶解した状態とされるので、その呈味改善効果が十分に引き出される。しかしながら、例えば食品の表面にまぶしたような場合では、上記混合物が直接口腔内に入り、呈味改善剤による呈味改善効果が発揮されるよりも先に塩化カリウムが舌に到達して味覚器官に呈味のシグナルを与えてしまうので、呈味改善の効果を十分に発揮することができないという問題があった。
上記問題点を改善するため、例えば、下記特許文献2には、塩化カリウムを核とし、胃溶性皮膜で皮膜し、さらに塩化ナトリウムでコーティングした塩化カリウム入り塩味料が開示されている。また、下記特許文献3には、塩化カリウムと塩化ナトリウムとバインダーの混合物を顆粒化し呈味改善剤をコーティングする顆粒状食塩が開示されている。更に、下記特許文献4には、塩化カリウムからなるコア及びコアを覆う麦芽デキストリン、及び塩化ナトリウムの混合よりなるコーティングとから成る塩代用品組成物が開示されている。
国際公開WO2006/114918号公報 特開昭59−146564号公報 特開昭59−066858号公報 特開昭60−027361号公報
しかしながら、特許文献2に記載の方法では、胃溶性皮膜により塩化カリウムが口腔内で溶解せず、塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味はマスキングできるが、塩化カリウムの塩味も利用できない。そのため、塩味は実質上食塩に依存することとなり、食塩と同等の塩味を得るためには食塩として同量を必要とするため、食塩の摂取量低減にはならず、塩化カリウムの持つナトリウムイオンの***促進効果は期待できるものの、食塩代替品としての役割を十分に果たしていない。
また、特許文献3に記載の方法では、呈味改善剤により表面がコーティングされているため、喫食時に、塩化ナトリウム及び塩化カリウムの塩味を感じる前に呈味改善剤の味を感じてしまうことになり、その為、食塩としては異味を感じてしまう。
更に、特許文献4に記載の方法では、塩化カリウムをデキストリンによってコーティングしており、デキストリン自体は味には影響を与えないものの、十分な呈味改善効果も得られないことから塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味を感じてしまい、食塩代替品として十分な品質を有しているとは言えなかった。
したがって、本発明の目的は、減塩のための機能性、及び味覚の両面で満足できる性能をもった食塩代替品を提供することにある。
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、塩化カリウムの周囲を呈味改善剤で被覆し、更にその周囲を塩化ナトリウムで被覆した3層構造を有する顆粒を形成することにより、塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味をマスキングしつつ、塩化カリウムの塩味を利用し、かつ呈味改善剤に由来する食塩としての異味も感じることがないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の顆粒状塩味料は、塩化カリウムを含有する粒状の核と、該核を被覆する中間層被膜と、該中間層被膜を被覆する塩化ナトリウムを主成分とする表層被膜とからなる顆粒状塩味料であって、前記中間層被膜は塩化カリウムの呈味改善剤を含有することを特徴とする。
本発明においては、前記表層被膜中の塩化ナトリウムの含量が65%以上であることが好ましい。
また、本発明においては、前記呈味改善剤が、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とするものであることが好ましく、前記呈味改善剤が、魚介エキス、酵母エキス、HVP、HAP、又はそれらから分離精製して得られたものであって、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を主成分とすることもできる。この場合、前記塩基性アミノ酸として、ヒスチジン、アルギニン及びリジンから選ばれた1種以上を含有することが好ましく、前記塩基性ペプチドとして、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた1種以上を含有することが好ましい。
また、本発明においては、塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20であることが好ましく、塩化カリウム100質量部に対して、前記呈味改善剤を0.2〜200質量部含有することが好ましい。
本発明によれば、塩化カリウムの周囲を呈味改善剤で被覆しているので、その喫食時に、呈味改善剤による呈味改善効果が発揮されるよりも先に塩化カリウムが味覚器官に呈味のシグナルを与えてしまうことがない。
また、呈味改善剤を含有する被膜の周囲を更に塩化ナトリウムで被覆しているので、喫食時に、塩味を感じる前に呈味改善剤に由来する味を感じてしまうことがなく、食塩として異味を感じることがない。
更に、口腔内でその構造が崩壊し、塩化カリウム、呈味改善剤、及び塩化ナトリウムの各成分が溶解した状態とされたときには、塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味が呈味改善剤によりマスキングされつつ、その塩化カリウムの塩味が利用されるので、塩味料としての良好な呈味を付与することができる。
本発明における塩化カリウム及び塩化ナトリウムとしては、食品に許容されるものであれば特に限定されず、例えば、高純度に精製されたものでもよく、また、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等の他のミネラルを含んだ粗精製品でもよい。
次に本発明に用いられる塩化カリウムの呈味改善剤について説明する。本発明に用いられる呈味改善剤としては、塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味をマスキング出来るものであれば特に限定されないが、例えば既に知られている、アミノ酸、有機酸、ミネラル、甘味料、糖類、酵母、キノコ由来成分、えんどう抽出物等が挙げられるが、本発明においては、塩基性アミノ酸及び塩基性ペプチドを用いることが好ましい。
本発明における塩基性アミノ酸とは、塩基性の側鎖を有し、塩を形成していない状態で水溶液のpHが塩基性を示すものを指し、ヒスチジン、アルギニン、リジン及びその塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が好ましく例示できる。これらは、単独又は2種類以上を併用して用いることができ、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
また、塩基性ペプチドとは、2〜5個のアミノ酸が直鎖状に結合したペプチドであって、少なくとも末端に塩基性アミノ酸を有し、塩を形成していない状態で水溶液のpHが塩基性を示すものを指し、アンセリン、カルノシン、バレニン及びその塩酸塩、酢酸塩、乳酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等が好ましく例示できる。これらは、単独又は2種類以上を併用して用いることができ、2種以上を組み合わせることがより好ましい。
上記塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドは、適宜組み合わせて使用し、例えば、ヒスチジンとアルギニンとリジンとの組み合わせや、ヒスチジンとイミダゾールジペプチド(アンセリン、カルノシン、バレニン)との組み合わせ等が挙げられる。また、上記のアミノ酸、有機酸、ミネラル、甘味料、糖類、酵母、キノコ由来成分、えんどう抽出物等と組み合わせて使用することも出来る。
塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチド源としては、食品添加物や食品素材として販売されている、高純度のものや、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを含有するエキス類を利用することができ、エキス類としては、魚介エキス、酵母エキス、HVP及びHAPが好ましい。
ここで、魚介エキスとしては、カツオ、カツオ節、マグロ、マグロ節、サバ、サバ節、イワシ、煮干、サケ等から得られる魚類エキス、ホタテ、カキ、シジミ、ハマグリ等から得られる貝類エキス、エビ、カニ等から得られる甲殻類エキス、その他、クジラ、イルカ、オットセイ等から得られるエキス類が挙げられ、特にカツオ、マグロから得られる魚類エキス類は、ヒスチジンに加えてアンセリンも多く含むことから好ましい。
また、酵母エキスとしては、ビール酵母エキス、パン酵母エキス、トルラ酵母エキス、その他酵母エキスが挙げられる。
また、HVPとしては、大豆、小麦、大麦、とうもろこし等の植物性タンパクを加水分解して得たものを用いることができる。
また、HAPとしては、畜肉、魚肉、ゼラチン等の動物性タンパクを加水分解して得たものを用いることができる。
また、本発明においては、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドとして、上記魚介エキス、酵母エキス、HVP又はHAPを、分離精製して得られる、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を用いることもできる。
上記エキス類の分離精製方法としては、公知の方法を利用すればよく、電気透析、限外ろ過膜、逆浸透膜、UF膜、RO膜、イオン交換樹脂、活性炭等を用いた方法が知られており、例えば、特開2003−92996号公報に示される方法が採用できる。この中でも、塩基性画分をより特異的に回収することができる点で、イオン交換樹脂を用いた方法が好ましい。
本発明に用いられる上記呈味改善剤は、良好な水溶性を有するので、喫食時には、顆粒状塩味料が口腔内で崩壊して、塩化カリウム及び塩化ナトリウムと共に、平易に溶解した状態とされ、その呈味改善の効果が発揮される。
本発明の顆粒状塩味料に配合される塩化カリウムについては、顆粒状塩味料に含まれる総量の30質量%以上が核に含まれるようにすることが好ましく、その他の塩化カリウムは、核と表層被膜との間の中間層に含有するが好ましく、該中間層に含有する場合は、呈味改善剤100質量部に対して、塩化カリウムは130質量部以下であることが好ましい。130質量部を超えると、十分な呈味改善効果が得られず、顆粒状塩味料の味が低下するため好ましくない。また、顆粒状塩味料の味に悪影響を及ぼさない範囲で顆粒状塩味料の表層に含有してもよい。
本発明の顆粒状塩味料に配合される呈味改善剤については、顆粒状塩味料に含まれる総量の30質量%以上が、核と表層被膜との間の中間層に配置される中間層被膜に含まれるようにすることが好ましく、その他の呈味改善剤は核に含有させるのが好ましい。ただし、顆粒状塩味料の味に悪影響を及ぼさない範囲で顆粒状塩味料の表層に含有してもよい。
また、顆粒状塩味料全体としては、塩化カリウム100質量部に対して、前記呈味改善剤が0.2〜200質量部となるように、含有させることが好ましく、1〜100質量部となるように含有させることがより好ましい。
前記呈味改善剤の含有量が、塩化カリウム100質量部に対して、0.2質量部未満であると、塩化カリウムに起因する苦味、エグ味等の好ましくない呈味をほとんど改善できず、200質量部を超えると、呈味改善剤の風味が強くなり、得られる飲食品の風味を損なってしまうので好ましくない。
また、顆粒状塩味料の表層に配置される表層被膜においては、より食塩の味に近づけるために、塩化ナトリウム含量が65%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。また、表層被膜には全体の塩化ナトリウム量の40質量%以上を含有することが好ましい。
本発明においては、顆粒状塩味料に含まれる塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20であることが好ましい。また、塩化カリウム、塩化ナトリウム、及び呈味改善剤で全体の90質量%以上を占めることが好ましい。
本発明の顆粒状塩味料においては、呈味改善剤を含有する上記中間層被膜は、上記塩化カリウムを含有する粒状の核を完全に覆っていることが好ましく、また、塩化ナトリウムを主成分とする上記表層被膜は、上記中間層被膜を完全に覆っていることが好ましいが、それらの被膜によって完全に覆われない態様であって、部分的に3層構造を有する顆粒とされていてもよい。
次に、本発明の顆粒状塩味料の製造方法について説明する。
本発明の顆粒状塩味料は、塩化カリウムを含有する粒状の核の周囲に、塩化カリウムの呈味改善剤を含有する被膜を被覆し、更にその周囲に塩化ナトリウムを主成分とする被膜を被覆して、顆粒状に造粒することにより得ることができる。その方法は、特に限定されるものではないが、例えば、転動造粒や流動造粒によって行うことができる。
流動造粒で行う場合、まず核となる原料のブレンドを行う。核となる原料は、塩化カリウムを主成分とするが、被覆の負荷を減らすために、上記中間層皮膜の主成分となる上記呈味改善剤や、上記表層皮膜の主成分となる塩化ナトリウムの一部を核に含んでもよい。また、味に影響を与えない範囲でデキストリン等の賦形剤を配合することもできるが、核には実質上、賦形剤を必要としない。
次に、核の周囲に中間層を被覆するために、呈味改善剤を含む中間層被膜の原料を1〜50質量%の濃度となるように水に溶解して、核に噴霧して造粒加工を行い、水分0.5〜5%になるまで乾燥を行う。この時、その後の工程において、表層被膜を被覆する造粒加工の際の負荷を減らすために、表層被膜の主成分となる塩化ナトリウムの一部を呈味改善剤と共に水に溶解して噴霧しても良い。また、この造粒加工の際、中間層被膜の原料として塩化カリウムを一部含んでも良いが、上述したように、呈味改善効果を充分に発揮させるためには、呈味改善剤100質量部に対して、塩化カリウムは130質量部以下となるように配合することが好ましい。更に、味に影響を与えない範囲でデキストリン等の賦形剤を配合することもでき、これによれば、ミネラル等、被膜を形成し難い呈味改善剤を使用する場合に、その被膜形成の補助剤となる。なお、中間層被膜を被覆する造粒加工の際の負荷を低減するという観点においては、中間層被膜の原料には塩化ナトリウム及び塩化カリウム、特に塩化カリウムについては、極力含まないことが好ましい。
最後に、表層を被覆するために、塩化ナトリウムを主成分とする表層被膜の原料を1〜50質量%の濃度となるように水に溶解して、これを噴霧液として更に造粒加工を行い、水分0.5〜3%になるまで乾燥を行う。塩化ナトリウムは、被膜を形成し難いため、被膜補助剤として、デキストリン等の糖類を味に影響が与えない程度に配合することが好ましく、例えばデキストリンであれば、塩化ナトリウム100質量部に対して、5〜30質量部添加することが好ましい。また、この造粒加工の際、味に影響を与えない範囲で、塩化カリウム、呈味改善剤を含む他の成分を含んでもよいが、上述したように、より食塩の味に近づけるために、表層被膜中における塩化ナトリウム含量が65%以上となるように配合することが好ましく、80%以上となるように配合することがより好ましい。また、全体の塩化ナトリウム量の40質量%以上が表層に配されるように配合することが好ましい。
なお、上記における、噴霧液の流速、乾燥温度、その他条件については、使用する装置に応じて適宜設定すればよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらの実施例は本発明の範囲を限定するものではない。
<実施例1>
表1に示す配合で、次の通り造粒加工を行った。なお、造粒加工には流動造粒装置(商品名「フローコーター」;フロイント産業社製)を用いた。
まず、表1にその配合を示す核の原料を流動造粒装置内で混合した後、表1にその配合を示す噴霧液1を15ml/minの流速で噴霧しながら造粒加工を行った。その後、得られた造粒物を水分が3%となるまで、温度75℃で乾燥を行った。乾燥後、表1にその配合を示す噴霧液2を15ml/minの流速で噴霧しながら更に造粒加工を行った。その後、得られた造粒物を水分が1.5%となるまで、温度75℃で乾燥を行い、顆粒状塩味料を得た。
Figure 0004762196
<比較例1>
表2に示す配合で、実施例1と同様にして造粒加工を行った。
まず、表2にその配合を示す核の原料を流動造粒装置内で混合した後、表2にその配合を示す噴霧液3を15ml/minの流速で噴霧しながら造粒加工を行った。その後、得られた造粒物を水分が1.5%となるまで、温度75℃で乾燥を行い、顆粒状塩味料を得た。
Figure 0004762196
<比較例2>
表3に示す配合で、原料を混合して、混合塩味料を得た。
Figure 0004762196
<試験例1>
実施例1及び比較例1〜3の塩味料について、6名のパネラーにより試食して、塩味及びエグ味について3段階で評価を行った。評価については、塩味(○:強い、△:やや弱い、×:弱い)、エグ味(○:ほとんど/全く感じない、△:やや感じる、×:強く感じる)として、多数意見を表4にまとめた。
Figure 0004762196
実施例1で得た顆粒状塩味料は、エグ味が少なく強い塩味を有していた。これは、実施例1で得た顆粒状塩味料が3層構造を形成しており、試食の際に塩化ナトリウム→呈味改善剤→塩化カリウムの順番で舌に到達するため、塩味を強く感じ、且つ塩化カリウムのエグ味を感じないためであると考えられた。
一方、比較例1で得た顆粒状塩味料は、エグ味が少ないものの、塩味がやや弱いものであった。これは、表層に呈味改善剤を含有する比較例1の顆粒状塩味料では、一番最初に呈味改善剤が舌に到達するため、塩味がぼやけてしまうためであると考えられた。
また、単に粉体を混合した比較例2や3の混合塩味料では、呈味改善剤を含有する比較例2の混合塩味料でも十分な呈味改善効果を得ることができず、呈味改善剤を含まない比較例3の混合塩味料では、塩化カリウムのエグ味を強く感じる結果となった。
以上から、塩味料において、塩味の成分として塩化ナトリウム及び塩化カリウムを同じ配合量で含む場合でも、塩化カリウムの周囲を呈味改善剤で被覆し、更にその周囲を塩化ナトリウムで被覆した3層構造を有する顆粒に造粒することにより、塩化カリウムのもつ苦味やエグ味等の好ましくない呈味をマスキングしつつ、塩化カリウムの塩味を利用し、かつ呈味改善剤に由来する食塩としての異味も感じることがないことが明らかとなった。

Claims (8)

  1. 塩化カリウムを含有する粒状の核と、該核を被覆する中間層被膜と、該中間層被膜を被覆する塩化ナトリウムを主成分とする表層被膜とからなる顆粒状塩味料であって、前記中間層被膜は塩化カリウムの呈味改善剤を含有することを特徴とする顆粒状塩味料。
  2. 前記表層被膜中の塩化ナトリウムの含量が65%以上である請求項1記載の顆粒状塩味料。
  3. 前記呈味改善剤が、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを有効成分とするものである請求項1又は2記載の顆粒状塩味料。
  4. 前記呈味改善剤が、魚介エキス、酵母エキス、HVP、HAP、又はそれらから分離精製して得られたものであって、塩基性アミノ酸及び/又は塩基性ペプチドを2〜99質量%含有する素材を主成分とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の顆粒状塩味料
  5. 前記塩基性アミノ酸として、ヒスチジン、アルギニン及びリジンから選ばれた1種以上を含有する請求項3又は4記載の顆粒状塩味料。
  6. 前記塩基性ペプチドとして、アンセリン、カルノシン及びバレニンから選ばれた1種以上を含有する請求項3〜5のいずれか一つに記載の顆粒状塩味料。
  7. 塩化カリウム/塩化ナトリウムの質量比が5/95〜80/20である請求項1〜6のいずれか一つに記載の顆粒状塩味料。
  8. 塩化カリウム100質量部に対して、前記呈味改善剤を0.2〜200質量部含有する請求項3〜7のいずれか一つに記載の顆粒状塩味料。
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