JP4761459B2 - 圧電振動ユニット及び圧電式スピーカ - Google Patents

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本発明は、パネルや筐体に振動を付与してスピーカとして機能させるための音響振動発生用の圧電振動ユニットに関し、特に携帯電話機やその他携帯機器のパネルや筐体を振動させるのに好適な圧電振動ユニットに関する。
音響装置として使用されるスピーカには、ボイスコイルとマグネットを使用し、電気音響信号によりボイスコイルに流れる電流に応じて発生する電磁力で振動板を振動させる電磁式スピーカの他に、電気音響信号の電圧に応じた歪みが発生するという圧電振動子が持つ逆圧電効果を利用し、その歪みを駆動源としてパネルや筐体を振動させる圧電式スピーカがある。
前記パネルや筐体を振動させる駆動源としての圧電振動子には、主として圧電バイモルフと呼ばれている圧電振動子が使用されている。これは、2枚の板状の圧電セラミックス板が板状の弾性板を挟むようにして接合され、2枚の圧電セラミックス板のうち、一方の圧電セラミックス板が面方向に広がるように、或いは、伸びるように、電界が付与されたときに、他方の圧電セラミックス板が面方向に縮小するように、或いは、縮むように、電界が付与されるように構成され、撓みの変位、歪みが発生するように構成された圧電振動子である。
この圧電バイモルフは、構造上ステフィネスが小さいので、設計によりそれ自身の共振周波数を容易に可聴音周波数域に設定することが可能である。また、可聴音周波数域で大きな振幅と大きな発生力が得られるので、圧電式スピーカの駆動源として広く利用され、圧電バイモルフを使用した圧電式スピーカの提案が数多くなされている。
例えば、円形の圧電バイモルフが連結部材を介して音響振動板に固定される圧電式スピーカが提案されている。このような圧電式スピーカは特許文献1に開示されている。また、矩形板状の圧電バイモルフが連結部を介して音響振動板に固定される圧電式スピーカが提案されている。このような圧電式スピーカは特許文献2に開示されている。さらに、矩形板状の長さの違う圧電バイモルフを2個重ねた構造の圧電式スピーカ用の圧電振動ユニットが提案されている。このような圧電振動ユニットは特許文献3に開示されている。
これらの圧電式スピーカ或いは圧電振動ユニットは、圧電バイモルフの中央が支持点として支持されている。圧電バイモルフが発生する振動は、圧電バイモルフ自身の重心の移動を伴い、結果として支持点に慣性力が生じる。この慣性力は各質点の加速度に質量を乗じた値で加速度と反対の方向に発生する微少慣性力の総和として求められる。従って、大きな振幅と大きな発生力が得られる。
また、矩形板状の圧電バイモルフは、長手方向の一端を固定して、片持ち梁状に支持することも可能である。支持点に発生する慣性力は接するパネルや筐体の一点に直接作用して新たな振動系の振動駆動源となり、空中に音波を放射するスピーカとなる。ここで作用する力が強い程スピーカが発生する音響出力が大きくなるので必要に応じてこの音響振動発生用の圧電バイモルフを複数段重ねて使用する提案もなされている。
特開2000−209697号公報 特開2000−201398号公報 特開2004−104327号公報
前述した圧電バイモルフには板状の圧電セラミックス板が使用されている。圧電セラミックス板の材料は、通常、ジルコン酸チタン酸鉛系のいわゆるPZT系の圧電セラミックスが主である。このPZT系の圧電セラミックスは磁器組成物であり、言い替えれば焼き物である。そのため、機械的な強度は弱く、特に、落下衝撃に対して強度が弱いという問題点がある。
機械的な強度に関して言えば、例えば、前記圧電振動ユニットに衝撃が付与されると、圧電バイモルフを保持している固定部から離れた位置にある圧電バイモルフの端部が衝撃力により大きく撓み、圧電バイモルフの固定部が引っ張り応力を受けて圧電セラミックス板が割れてしまうという、圧電振動ユニットの構造に起因する問題点もある。
また、携帯機器への搭載に際し、要求される機械的な強度は、例えば、1.8mの高さからコンクリート床上に落下させても破損しない強度とされるが、従来の圧電式スピーカ或いは圧電振動ユニットでは、前記の理由から、十分な強度があるとは言えず、携帯機器への搭載が困難であるという問題点がある。
さらに、機械的な強度を向上させるには、圧電バイモルフをケースに入れて保護したり、圧電バイモルフ全体を弾性体等で覆い保護したりすることが考えられるが、前者はスペースが必要となり小型化できないという問題点があり、後者は圧電バイモルフ素子の動作を妨げ、音響性能である音圧や周波数特性、音質の低下を招くという問題点がある。
従って、本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、耐衝撃性が高く、且つ、高い音圧が得られ、良好な周波数特性、音質が得られ小型化可能な圧電振動ユニット及び圧電式スピーカを提供することを課題とする。
本発明は前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、圧電バイモルフ素子や圧電ユニモルフ素子等の圧電振動子を筐体に収納してなる圧電振動ユニットにおいて、異なる硬さを有する弾性体を前記圧電振動子表面あるいは筐体内に充填することをその要旨とする。
本発明による圧電振動ユニットは、電気−機械変換機能を有する圧電振動子を使用する。圧電振動子はジルコン酸チタン酸鉛系をはじめとする、いわゆる圧電セラミックス材料を使用し、入力された電気的な音響信号に応じて、機械的な音響振動を発生するデバイスである。この圧電振動子を一部分が保持される固定部と音響振動する自由部とを有するように筐体内に収納保持する。前記自由部のうち音響振動が最も大きい部分、すなわち変位量が最大となる部分を自由端部と呼ぶ。
本発明によれば、圧電振動子と、前記圧電振動子を収納保持する筐体とからなる圧電振動ユニットであって、前記筐体の内壁面と前記圧電振動子表面とがなす空間に硬さの異なる2以上の弾性体が充填されてなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。
本発明による圧電振動ユニットは、筐体の内壁面と圧電振動子の表面とが成す空間に前記弾性体を充填する。弾性体は、前述の如く圧電振動子の表面に配置しても良いが、筐体の内壁面と圧電振動子の表面とが成す空間に部分的、あるいは空間全部に弾性体を充填しても同じ効果が得られる。
本発明によれば、前記圧電振動子は、矩形板状をなし、一部が固定される固定部と、振動可能な自由部を具備することを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。本発明による圧電振動ユニットは、矩形板状の圧電振動子を使用し、圧電振動子の一部分を固定する。この固定される部分を固定部として、固定されない部分は自由部をなす。固定部は、圧電振動子の長手方向の中心や中央部あるいはそれ以外の部分を点や線状に固定することができる。また、圧電振動子を矩形板状とすることで、使用時に被振動体に対して無駄なスベースを作らないので、本発明による圧電振動ユニットを組み込む側の装置自体を小型とすることができる圧電振動ユニットが得られる。
本発明によれば、前記2以上の弾性体は、前記固定部に近づくほど硬さが増すことを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。本発明による構成によれば、電気的な音響信号による電圧が印加されて、圧電振動子に発生する曲げモーメントMは、固定部から自由端部に向かっては一様であるが、これに応じて発生する曲げの変位量δは固定部からの距離をLとすると、δ∝L2の関係にあり、自由端部に近づくほど大きくなる。また、前記変位を阻止する力あるいは前記変位δを0に維持するために要する力とも言うべき発生力Fには、F∝1/Lとなる関係があり、発生力Fは固定部に近づく程大きくなる。
そこで、圧電振動子に配置する弾性体は、自由端部近くに配置する弾性体に比べ、固体部近くに配置する弾性体を硬くしても圧電振動子の変位量δを大きく阻害しない。すなわち音響性能の低下を防ぐことができる。一方、圧電振動子の振動面に対して直交する方向に圧電振動子の自由端部が外力を受けた場合に最も大きな曲げモーメントが発生するのは固定部近傍である。この固定部近傍に、自由端部近くに配置する弾性体と比べて硬い弾性体を配置することは、衝撃を吸収するという効果が得られる。従って、本発明による圧電振動ユニットは音響性能を維持したまま、衝撃に対して高強度な圧電振動ユニットが得られる。
本発明によれば、前記圧電振動子は、片持ち梁構造をなすことを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。本発明による圧電振動ユニットは、片持ち梁構造となるように圧電振動子を筐体に収納保持することで、他の保持状態に比べ、自由端部の変位量が最大に得られるという利点がある。すなわち、大音圧、大発生力を有する圧電振動ユニットが得られる。
本発明によれば、前記圧電振動子は、圧電バイモルフ素子又は圧電ユニモルフ素子からなることを特徴とする圧電振動ユニットが得られる。本発明による圧電振動ユニットは、圧電振動子に圧電バイモルフ素子又は圧電ユニモルフ素子を使用することにより、電気的な音響信号を効率よく機械的な音響振動に変換できるので、低消費電力でありながら、音響特性が良い圧電振動ユニットが得られる。
本発明によれば、前記圧電振動ユニットを振動板に固定してなることを特徴とする圧電式スピーカが得られる。本発明による圧電振動ユニットを、携帯電話機や携帯機器等の標示パネルあるいは筐体本体に装着することで、高音圧で周波数特性の良い、高耐衝撃性を有する圧電式スピーカが得られる。
上記の如く、本発明によれば、耐衝撃性が高く、且つ、高い音圧が得られ、良好な周波数特性、音質が得られ小型化可能な圧電振動ユニット及び圧電式スピーカの提供が可能となる。
本発明による圧電振動ユニットは圧電バイモルフ素子や圧電ユニモルフ素子等の圧電振動子を筐体に収納してなる。さらに、異なる硬さを有する弾性体を前記圧電振動子表面あるいは筐体内に充填した形態を成す。
以下、具体的な例を挙げ、本発明の圧電振動ユニット及び圧電式スピーカについて図面を参照しながらさらに詳しく説明する。
(実施例1)
図1は、実施例による圧電振動ユニットの分解斜視図である。本実施例による圧電振動ユニットは、圧電振動子11と第一の筐体12と第二の筐体13とで構成した。圧電振動子11には圧電バイモルフ素子を使用した。圧電バイモルフ素子は以下の手順で作製した。まず、NECトーキン(株)製の圧電セラミックス材料(N17)を使用し、一層70μmのグリーンシートを作製し、銀とパラジュームからなる電極材を前記グリーンシートの片面に印刷した印刷膜を作製し、前記グリーンシートと印刷膜とを交互に厚さ方向に積層した後、熱を加えながらプレスし積層体を作製する。
次に、前記積層体を矩形状に裁断し、焼成することにより、長さ30mm、幅4mm、厚さ0.2mmの矩形板状の圧電セラミックス板を作製する。次に、前記圧電セラミックス板を2枚用意し、長さ30mm、幅4mm、厚さ0.1mmの金属板の両面に前記圧電セラミックス板を接着剤で貼り付ける。さらに、前記圧電セラミックス板にそれぞれ分極処理を施して圧電バイモルフ素子とした。
さらに本実施例による圧電振動ユニットでは、図1に示すように、前記圧電バイモルフ素子からなる圧電振動子11の表面および裏面に第一の弾性体14と第二の弾性体15を両面粘着テープで貼り付けた。第一の弾性体14には、イノアック社製の商品名「ポロンSR−S−40P」を使用した。これはJIS−K6254に準拠した25%圧縮率が0.015(N/mm)の弾性体である。これを長さ7mm、幅4mm、厚さ0.5mmに加工して、圧電振動子11の自由端部16から固定部17方向に向かって測定した距離が5mmの範囲を避けて貼り付けた。
第二の弾性体15には、イノアック社製の商品名「ポロンMS−40P」を使用した。これはJIS−K6254に準拠した25%圧縮率が0.054(N/mm)の弾性体である。これを長さ7mm、幅4mm、厚さ1mmに加工して、第一の弾性体14の隣、固定部17寄りに貼り付けた。
図2は、実施例による圧電振動ユニットの断面図である。図2に示す断面図は、図1に示す本実施例による圧電振動ユニットの破線A−A'における断面を示している。前記第一の弾性体14と第二の弾性体15を貼り付けた圧電振動子11の固定部17を含む固定部17の近傍を第一の筐体12の支持部18と第二の筐体13の支持部19とで挟むように固定した。このように、圧電振動子11は固定部17が固定される片持ち梁状をなすことで、自由端部16には大きな変位が生じる構造となる。第一の筐体12と第二の筐体13とで圧電振動子11を収納保持した本実施例による圧電振動ユニットの外形寸法は、長さ30mm、幅4mm、厚さ4mmとした。
(実施例2)
図3は、実施例による圧電振動ユニットの断面図である。本実施例による圧電振動ユニットは、実施例1と同様に、圧電振動子31と第一の筐体32と第二の筐体33とで構成した。また、圧電振動子31には実施例1と同じ、圧電バイモルフ素子を使用した。さらに、圧電振動子31の表面と第一の筐体32および第二の筐体33の内壁面とが成す空間40に第一の弾性体34と第二の弾性体35を充填した。
第一の弾性体34には、実施例1に使用したイノアック社製の商品名「ポロンSR−S−40P」を使用した。これを長さ7mm、幅4mmに加工して、圧電振動子31の自由端部36から固定部37方向に向かって測定した距離が5mmの範囲を避けて空間40に充填した。第二の弾性体35には、実施例1に使用したイノアック社製の商品名「ポロンMS−40P」を使用した。これを長さ7mm、幅4mmに加工して、第一の弾性体34の隣、固定部37寄りの空間40に充填した。
本実施例では、圧電振動子31の固定部37を含む固定部37の近傍を第一の筐体32の支持部38と第二の筐体33の支持部39とで挟むように固定し、第一の筐体32と第二の筐体33の内壁面と圧電振動子31とがなす空間40に前記第一の弾性体34と第二の弾性体35を充填した。このように、圧電振動子31は固定部37が固定される片持ち梁状をなすことで、自由端部36には大きな変位が生じる構造となる。第一の筐体32と第二の筐体33とで圧電振動子31を収納保持した本実施例による圧電振動ユニットの外形寸法は、実施例1と同じく、長さ30mm、幅4mm、厚さ4mmとした。
(実施例3)
図4は、実施例による圧電式スピーカを示す図であり、図4(a)は正面図であり、図4(b)は断面図である。図4(b)は図4(a)における破線で示したB−B'の断面を図示している。本実施例では、実施例2で得られた圧電振動ユニット43を筐体41の表面に配置した振動板42の背面に配置した。筐体41は外形寸法が、長さ44が120mm、幅45が60mm、図4(b)に示す厚さ46が15mmである箱体にして、内部は空洞とした。
振動板42は、厚さ0.5mmの透明なアクリル板を使用し、外形寸法が、図4(a)に示す長さ47が75mm、幅48が50mmであり、筐体41の表面に開口部49を設けて、振動板42を開口部49に嵌め込んだ。本実施例による圧電式スピーカは、圧電振動ユニット43に電気音響信号を入力することで圧電振動ユニット43に機械音響振動が発生し、その振動が振動板42に伝達されることで、振動板42の表面から音響振動が放射されてスピーカとして機能する。
ここで、本実施例と比較するための比較例を作製した。図5及び図6は、いずれも比較例による圧電振動ユニットの分解斜視図である。図5に示す比較例による圧電振動ユニットは実施例2による圧電振動ユニットから第一の弾性体34と第二の弾性体35を除いた構造とし、これを比較例1とした。すなわち、比較例1は圧電振動子31と第一の筐体32と第二の筐体33のみからなる圧電振動ユニットである。
また、図6に示す比較例による圧電振動ユニットは実施例2による圧電振動ユニットから第二の弾性体35を除いた構造とし、これを比較例2とした。すなわち、比較例2は圧電振動子31と第一の筐体32と第二の筐体33と、第一の筐体32および第二の筐体33の内壁面と圧電振動子31の表面がなす空間40に第一の弾性体34のみが充填された圧電振動ユニットである。比較例1及び比較例2による圧電振動ユニットを実施例3と同様に図4に示す筐体41の振動板42の背面に配置し、圧電式スピーカとした。
本実施例による圧電振動ユニットおよび比較例1と比較例2を試料として落下試験を実施した。落下試験は、1.8mの高さからコンクリートの床面に向けて前記試料を自然落下させる方法で行った。また、前記試料は6面体をなすので、各面が床面に対して対向するように落下させ、各面に対して3回落下試験を行い、1個の試料に対して合計18回の落下試験を続けて行った。評価は、各試料を5個作製して合計15個の試料に対して上記落下試験を実施し、各試料において圧電振動ユニットに使用した圧電バイモルフ素子が有する静電容量値の変化の有無で評価し、変化が無い場合を合格とし、変化が確認された場合を不合格として、合格と不合格の数量で評価した。表1に本落下試験の評価結果を示す。
Figure 0004761459
表1の落下試験の評価結果からも判るように、本実施例による圧電振動ユニットを使用した圧電式スピーカは落下の衝撃に対して、破損することなく、耐衝撃性が顕著に向上していることが確認できた。また、1種類の弾性体のみよりも、2種類の弾性体を設けた方がさらに対衝撃性が向上することも確認できた。
図7は、実施例による圧電振動ユニットの発生力を示すグラフである。図7に示すグラフは、横軸に周波数(Hz)を示し、縦軸に発生力(1Nを0dBとする。)を示している。発生力は、フォースピックアップに実施例2による圧電振動ユニットを両面テープで固定し、B&K社製のオーディオアナライザにて周波数が100Hzから10kHzの正弦波の電気音響信号を入力したときに、実施例2による圧電振動ユニットが発生する発生力を示している。尚、グラフには比較するために、比較例1による圧電振動ユニットの発生力も併記した。
図7に示すグラフからも判るように、実施例2による圧電振動ユニットの発生力は比較例1と比べて、特に、周波数が3kHz近傍から6kHz近傍にかけての発生力が大きい。また、比較例1による圧電振動ユニットにおいて、2.5kHz近傍、或いは7kHz近傍に見られる周波数に対して、急激に発生力が増加、減少する現象が、実施例2による圧電振動ユニットではその発生力の変化の急峻さが緩和されていることが判る。これは、圧電振動ユニットの機械的Qが低下していることを示し、音響特性において、音圧の急激な変動が抑えられ、音質の良い圧電振動ユニットが得られた結果である。
前記、実施例1乃至実施例3では、圧電振動子に矩形板状の積層型の圧電セラミックス板を使用したが、圧電セラミックス板の形状や構造は、適宜設計されるものであり、単板の圧電セラミックス板を使用しても良く、或いは、積層型の圧電セラミックス板においては、その積層数や一層当たりの厚さ等は適宜設計すれば良い。また、弾性体に関しても、実施例1乃至実施例3に使用した仕様に限定されるものではなく、音響性能や耐衝撃性等を考慮しながら適宜選定すれば良い。
前述の如く、本発明によれば、耐衝撃性が高く、且つ、高い音圧が得られ、良好な周波数特性、音質が得られ小型化可能な圧電振動ユニット及び圧電式スピーカの提供が可能となる。
本発明による圧電振動ユニット及び圧電式スピーカは、パネルや筐体に振動を付与するスピーカに利用でき、携帯電話機やその他携帯機器などの音響発生装置として利用できる。また、骨伝導スピーカとしても利用可能である。
実施例による圧電振動ユニットの分解斜視図。 実施例による圧電振動ユニットの断面図。 実施例による圧電振動ユニットの断面図。 実施例による圧電式スピーカを示す図。図4(a)は正面図。図4(b)は断面図。 比較例による圧電振動ユニットの分解斜視図。 比較例による圧電振動ユニットの分解斜視図。 実施例による圧電振動ユニットの発生力を示すグラフ。
符号の説明
11、31 圧電振動子
12、32 第一の筐体
13、33 第二の筐体
14、34 第一の弾性体
15、35 第二の弾性体
16、36 自由端部
17、37 固定部
18、19、38、39 支持部
40 空間
41 筐体
42 振動板
43 圧電振動ユニット
44、47 長さ
45、48 幅
46 厚さ
49 開口部

Claims (6)

  1. 圧電振動子と、前記圧電振動子を収納保持する筐体とからなる圧電振動ユニットであって、前記筐体の内壁面と前記圧電振動子表面とがなす空間に硬さの異なる2以上の弾性体が充填されてなることを特徴とする圧電振動ユニット。
  2. 前記圧電振動子は、矩形板状をなし、一部が固定される固定部と、振動可能な自由部を具備することを特徴とする請求項1に記載の圧電振動ユニット。
  3. 前記2以上の弾性体は、前記固定部に近づくほど硬さが増すことを特徴とする請求項2に記載の圧電振動ユニット。
  4. 前記圧電振動子は、片持ち梁構造をなすことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の圧電振動ユニット。
  5. 前記圧電振動子は、圧電バイモルフ素子又は圧電ユニモルフ素子からなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の圧電振動ユニット。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の圧電振動ユニットを振動板に固定してなることを特徴とする圧電式スピーカ。
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