JP6996853B2 - 電気音響変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばイヤホンあるいはヘッドホン、携帯情報端末等に適用可能な電気音響変換装置に関する。
圧電発音素子は、簡易な電気音響変換手段として広く利用されており、例えば、イヤホンあるいはヘッドホンのような音響機器、さらには携帯情報端末のスピーカなどとして多用されている。圧電発音素子は、典型的には、振動板の片面あるいは両面に圧電素子を貼り合わせた構成を有する(例えば特許文献1参照)。
一方、特許文献2には、ダイナミック型ドライバと圧電型ドライバとを備え、これら2つのドライバを並列駆動させることで帯域幅の広い再生を可能としたヘッドホンが記載されている。上記圧電型ドライバは、ダイナミック型ドライバの前面を閉塞し振動板として機能するフロントカバーの内面中央部に設けられており、この圧電型ドライバを高音域用ドライバとして機能させるように構成されている。
特開2013-150305号公報 実開昭62-68400号公報
近年、例えばイヤホンやヘッドホン等の音響機器においては、音質の更なる向上が求められている。このため圧電発音素子においては、その電気音響変換機能の特性向上が必要不可欠とされている。また、ダイナミック型スピーカと組み合わせた場合における高音域での高音圧化が望まれている。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、音響特性の向上を図ることができる電気音響変換装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る電気音響変換装置は、筐体と、圧電式発音体と、支持部材とを具備する。
上記圧電式発音体は、周縁部を有する第1の振動板と、前記第1の振動板の少なくとも一方の面に配置された圧電素子とを有する。
上記支持部材は、前記周縁部を支持する支持面を有し、前記筐体に固定され、ヤング率が3GPa以上である材料で構成される。
上記電気音響変換装置によれば、圧電式発音体を支持する支持部材がヤング率3GPa以上という比較的高剛性の材料で構成されているため、第1の振動板の振動を安定に支持でき、これにより高域での音圧特性の向上を図ることができる。
上記支持部材の構成材料は特に限定されず、例えば、金属材料、合成樹脂材料、合成樹脂材料を主体とする複合材料等が採用可能である。
前記電気音響変換装置は、第1の粘着材層をさらに具備してもよい。上記第1の粘着材層は、前記支持面と前記周縁部との間に配置され、前記支持面に対して前記周縁部を弾性的に支持する。
これにより第1の振動板の共振のぶれが抑制され、第1の振動板の安定した共振動作が確保される。
前記筐体は、前記支持部材を支持する第1の筐体部と、前記圧電式発音体を被覆し前記第1の筐体部に接合される第2の筐体部とを有し、前記支持部材は、前記周縁部を囲繞する第1の環状片部をさらに有してもよい。この場合、前記電気音響変換装置は、前記周縁部と前記第2の筐体部との間に配置された第2の粘着材層をさらに具備し、上記第2の粘着材層は、前記第2の筐体部に対して前記第1の環状片部を弾性的に支持する。
これにより、第1の筐体部と第2の筐体部との間で支持部材を弾性的に挟持することができるため、支持部材により圧電式発音体を安定に支持することができる。
前記圧電式発音体は、前記第1の振動板を厚み方向に貫通する通路部をさらに有してもよい。
この場合、上記電気音響変換装置は、第2の振動板を含む電磁式発音体をさら具備してもよい。上記筐体は、前記電磁式発音体が配置される第1の空間部と、前記通路部を介して前記第1の空間部と連通し、前記圧電式発音体と前記電磁式発音体とにより生成される音波を外部へ導く導音路を有する第2の空間部と、を有する。
これにより、低音域から高音域にかけて音圧特性の向上を図ることが可能となる。
前記電磁式発音体は、前記第2の振動板を振動可能に支持する本体部をさらに有し、前記支持部材は、前記支持面とは反対の面に設けられ前記本体部の外周縁部と係合する第2の環状片部をさらに有してもよい。
これにより、電磁式発音体と圧電式発音体との間の相対的な位置決め精度が向上するとともに、支持部材の更なる高剛性化を図ることができる。
以上述べたように、本発明によれば、音響特性の向上を図ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る電気音響変換装置の構成を示す概略側断面図である。 上記電気音響変換装置における電磁式発音体の一構成例を示す要部の断面図である。 上記電気音響変換装置における圧電式発音体の概略平面図である。 上記圧電式発音体における圧電素子の内部構造を示す概略断面図である。 上記電気音響変換装置における支持部材の概略平面図である。 上記支持部材を含む発音ユニットの分解側断面図である。 上記支持部材の材質を異ならせて測定した圧電式発音体の音圧特性を示す一実験結果である。 上記支持部材のヤング率と圧電式発音体の音圧レベルとの関係を示す一実験結果である。 本発明の第2の実施形態に係る電気音響変換装置の構成を概略的に示す側断面図である。 上記電気音響変換装置における支持部材の概略側断面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の一実施形態に係る電気音響変換装置としてのイヤホン100の構成を示す概略側断面図である。
図において、X軸、Y軸及びZ軸は相互に直交する3軸方向を示している。
[イヤホンの全体構成]
イヤホン100は、イヤホン本体10と、イヤピース20とを有する。イヤピース20は、イヤホン本体10の導音路41に取り付けられるとともに、ユーザの耳に装着可能に構成される。
イヤホン本体10は、発音ユニット30と、発音ユニット30を収容する筐体40とを有する。発音ユニット30は、電磁式発音体31と、圧電式発音体32とを有する。
[筐体]
筐体40は、発音ユニット30を収容する内部空間を有し、Z軸方向に分離可能な2分割構造で構成される。筐体40の一端面(図において上端面)410には、発音ユニット30により生成される音波を外部へ導く導音路41が設けられている。
筐体40は、第1の筐体部401と第2の筐体部402との結合体で構成される。第1の筐体部401は、発音ユニット30を内部に収容する収容空間を有する。第2の筐体部402は導音路41を有し、第1の筐体部401とZ軸方向に組み合わされ、圧電式発音体32を被覆する。
筐体40の内部空間は、圧電式発音体32によって第1の空間部S1と第2の空間部S2とに区画される。第1の空間部S1には電磁式発音体31が配置される。第2の空間部S2は、導音路41に連通する空間部であり、圧電式発音体32と筐体40の底部410との間に形成される。第1の空間部S1と第2の空間部S2とは、圧電式発音体32の通路部330を介して相互に連通している。
[電磁式発音体]
電磁式発音体31は、低音域を再生するウーハ(Woofer)として機能するダイナミック型スピーカユニットで構成される。本実施形態では、例えば7kHz以下の音波を主として生成するダイナミックスピーカで構成され、ボイスコイルモータ(電磁コイル)等の振動体を含む機構部311と、機構部311を振動可能に支持する台座部312とを有する。
電磁式発音体31の機構部311の構成は特に限定されない。図2は、機構部311の一構成例を示す要部の断面図である。機構部311は、台座部312に振動可能に支持された振動板E1(第2の振動板)と、永久磁石E2と、ボイスコイルE3と、永久磁石E2を支持するヨークE4とを有する。振動板E1は、その周縁部が台座部312の底部とこれに一体的に組み付けられる環状固定具310との間に挟持されることで、台座部312に支持される。
ボイスコイルE3は、巻き芯となるボビンに導線を巻きつけて形成され、振動板E1の中央部に接合されている。また、ボイスコイルE3は、永久磁石E2の磁束の方向に対して垂直に配置される。ボイスコイルE3に交流電流(音声信号)を流すとボイスコイルE3に電磁力が作用するため、ボイスコイルE3は信号波形に合わせて図中Z軸方向に振動する。この振動がボイスコイルE3に連結された振動板E1に伝達され、第1の空間部S1(図1)内の空気を振動させることにより上記低音域の音波を発生させる。
電磁式発音体31は、筐体40の内部に適宜の方法で固定される。電磁式発音体31の上部には、発音ユニット30の電気回路を構成する回路基板33が固定されている。回路基板33は、筐体40のリード部42を介して導入されたケーブル50と電気的に接続され、図示しない配線部材を介して電磁式発音体31及び圧電式発音体32へそれぞれ電気信号を出力する。
[圧電式発音体]
圧電式発音体32は、高音域を再生するツイータ(Tweeter)として機能するスピーカユニットを構成する。本実施形態では、例えば7kHz以上の音波を主として生成するようにその発振周波数が設定される。圧電式発音体32は、振動板321(第1の振動板)と、圧電素子322とを有する。
振動板321は、金属(例えば42アロイ)等の導電材料または樹脂(例えば液晶ポリマー)等の絶縁材料で構成され、その平面形状は略円形に形成される。「略円形」とは、円形だけでなく、後述するように実質的に円形のものも意味する。振動板321の外径や厚みは特に限定されず、筐体40の大きさ、再生音波の周波数帯域などに応じて適宜設定される。本実施形態では、直径約8~12mm、厚み約0.2mmの振動板が用いられる。
振動板321は、必要に応じ、その外周から内周側に向けてくぼむ凹状やスリット状などに形成された切欠き部を有していてもよい。なお、振動板321の平面形状は、概形が円形であれば、上記切欠き部が形成されることなどにより厳密には円形でない場合にも、実質的に円形として扱うものとする。
振動板321は、導音路41に臨む第1の主面32aと、電磁式発音体31に臨む第2の主面32bとを有する。本実施形態において圧電式発音体32は、振動板321の第1の主面32aにのみ圧電素子322が接合されたユニモルフ構造を有する。
なおこれに限られず、圧電素子322は、振動板321の第2の主面32bに接合されてもよい。また、圧電式発音体32は、振動板321の両主面32a,32bに圧電素子がそれぞれ接合されたバイモルフ構造で構成されてもよい。
図3は、圧電式発音体32の平面図である。
図3に示すように、圧電素子322の平面形状は矩形状であり、圧電素子322の中心軸は、典型的には、振動板321の中心軸C1と同軸上に配置されている。これに限られず、圧電素子322の中心軸は、振動板321の中心軸C1よりも例えばX軸方向に所定量だけ変位してもよい。つまり、圧電素子322は、振動板321に対して偏心した位置に配置されてもよい。これにより、振動板321の振動中心が中心軸C1とは異なる位置にずれるため、圧電式発音体32の振動モードが振動板321の中心軸C1に関して非対称となる。したがって、例えば振動板321の振動中心を導音路41に接近させることにより、高音域の音圧特性の更なる向上を図ることができる。
振動板321は、その面内に複数の通路部330を有する。これら通路部330は、振動板321を厚み方向に貫通する通路部を構成し、第1の開口部331と、第2の開口部332とを含む。通路部330は、筐体40の内部において、第1の空間部S1と第2の空間部S2とを相互に連通させる。
第1の開口部331は、振動板321の周縁部321cと圧電素子322との間の領域に設けられた複数の円形の孔で構成される。これら第1の開口部331は、中心線CL(振動板321の中心を通るY軸方向に平行な線)上の、中心軸C1に関して対称な位置にそれぞれ設けられる。第1の開口部331はそれぞれ同一径(例えば直径約1mm)の丸孔で形成されるが、勿論これに限られない。
第2の開口部332は、周縁部321cと圧電素子322との間にそれぞれ設けられ、Y軸方向に長辺を有する矩形状に形成される。第2の開口部332は、圧電素子322の周縁部に沿って形成され、それらの一部は、圧電素子322の周縁部に部分的に被覆される。第2の開口部332は、振動板321の表裏を貫通する通路としての機能のほか、後述するように、圧電素子322の有する2つの外部電極間の短絡防止の機能をも有する。
図4は、圧電素子322の内部構造を示す概略断面図である。
圧電素子322は、素体328と、XY軸方向に相互に対向する第1の外部電極326a及び第2の外部電極326bとを有する。また、圧電素子322は、相互に対向するZ軸に垂直な第1の主面322a及び第2の主面322bを有する。圧電素子322の第2の主面322bは、振動板321の第1の主面32aに対向する実装面として構成される。
素体328は、セラミックシート323と、内部電極層324a,324bとがZ軸方向に積層された構造を有する。つまり、内部電極層324a,324bは、セラミックシート323を挟んで交互に積層されている。セラミックシート323は、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、アルカリ金属含有ニオブ酸化物等の圧電材料によって形成されている。内部電極層324a,324bは各種金属材料などの導電性材料によって形成されている。
素体328の第1の内部電極層324aは、第1の外部電極326aに接続されるとともに、セラミックシート323のマージン部によって第2の外部電極326bから絶縁されている。また、素体328の第2の内部電極層324bは、第2の外部電極326bに接続されるとともに、セラミックシート323のマージン部によって第1の外部電極326aから絶縁されている。
図4において、第1の内部電極層324aの最上層は、素体328の表面(図4において上面)を部分的に被覆する第1の引出電極層325aを構成し、第2の内部電極層324bの最下層は、素体328の裏面(図4において下面)を部分的に被覆する第2の引出電極層325bを構成する。第1の引出電極層325aは、回路基板33(図1)と電気的に接続される一方の極の端子部327aを有し、第2の引出し電極層325bは、適宜の接合材を介して振動板321の第1の主面32aに電気的かつ機械的に接続される。振動板321が導電性材料で構成される場合、接合材には、導電性接着剤、はんだ等の導電性接合材が用いられてもよく、この場合には他方の極の端子部を振動板321に設けることができる。
第1及び第2の外部電極326a,326bは、素体328のX軸方向の両端面の略中央部に各種金属材料などの導電性材料によって形成されている。第1の外部電極326aは、第1の内部電極層324a及び第1の引出電極層325aと電気的に接続され、第2の外部電極326bは、第2の内部電極層324b及び第2の引出電極層325bと電気的に接続される。
このような構成により、外部電極326a,326b間に交流電圧が印加されると、各内部電極層324a,324b間にある各セラミックシート323が所定周波数で伸縮する。これにより、圧電素子322は振動板321に付与する振動を発生させることができる。
ここで、第1及び第2の外部電極326a,326bは、図4に示すように、それぞれ素体328の上記両端面の各々から突出する。このとき、第1及び第2の外部電極326a,326bは、振動板321の第1の主面32aに向かって突出する***部329a,329bが形成される場合がある。そこで、上述の開口部333は、***部329a,329bを収容できる大きさに形成される。これにより、***部329a,329bと振動板321との接触による外部電極326a,326b間の電気的短絡が阻止される。
[支持部材]
続いて、支持部材50の詳細について説明する。
イヤホン100は、筐体40の内部において圧電式発音体32を振動可能に支持する支持部材50を有する。図5は支持部材50の概略平面図、図6は支持部材50を含む発音ユニット30の分解側断面図である。
支持部材50は、図5に示すようにリング状(円環状)のブロック体で構成される。支持部材50は、圧電式発音体32の振動板321の周縁部321cを支持する支持面51と、筐体40の内壁面に対向する外周面52と、第1の空間部S1に臨む内周面53と、筐体40(第2の筐体部402)に接合される先端面54と、電磁式発音体31の周縁部に接合される底面55とを有する。
支持面51は、円環状の粘着材層61(第1の粘着材層)を介して振動板321の周縁部321cに接合される。これにより、振動板321は支持部材50に対して弾性的に支持されるため、振動板321の共振のぶれが抑制され、振動板321の安定した共振動作が確保される。
また、先端面54は、円環状の粘着材層62(第2の粘着材層)を介して第2の筐体部402の周縁内周部に接合される。底面55は、円環状の粘着材層63(第3の粘着材層)を介して電磁式発音体31に接合される。これにより、第1の筐体部401と第2の筐体部402との間で支持部材50を弾性的に挟持することができるため、支持部材50により圧電式発音体32を安定に支持することができる。
粘着材層61~63は、適度な弾性を有する材料で構成され、典型的には、各々所定の径でカッティングされた両面粘着テープで構成される。これ以外にも、粘着材層61~63は、粘弾性樹脂の硬化物や加圧接着性の粘弾性フィルム等で構成されてもよい。また、粘着材層61~63が環状体で構成されることにより、電磁式発音体31と支持部材50との間の気密性、支持部材50と振動板321との間の気密性、そして、支持部材50と筐体40との間の気密性がそれぞれ高められ、第1及び第2の空間部S1,S2で発生した音波を効率よく導音路41へ導くことができる。
ここで、支持部材50は、3GPa以上のヤング率(縦弾性係数)を有する材料で構成される。このような材料で構成された支持部材50は、比較的高い剛性を確保することができるため、7kHz以上の比較的高い周波数帯域で振動する圧電式発音体31(振動板321)を安定に支持することができる。
支持部材50を構成する材料のヤング率の上限は特に限定されないが、例えば5GPa以上の材料単体では、金属やセラミックス等の無機材料にほぼ限定されるため、重量や生産コスト等との兼ね合いで上限は適宜設定可能であり、例えば500GPa以下とすることができる。一方、支持部材50を合成樹脂材料製とすることにより、軽量化、生産性の点で有利である。
ヤング率が3GPa以上の材料としては、例えば、金属材料、セラミックス、合成樹脂材料、合成樹脂材料を主体とする複合材料が挙げられる。金属材料としては、圧延鋼、ステンレス鋼、鋳鉄等の鉄系材料のほか、アルミニウムや黄銅等の非鉄系材料など、特に制限なく採用可能である。セラミックスとしては、SiCやAl等の適宜の材料が適用可能である。
合成樹脂材料としては、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリメチルメタアクリレート(PMMA)、ポリアセタール(POM)、硬質塩化ビニル、メチルメタクリレート・スチレン共重合体(MS)等が挙げられる。また、ポリカーボネート(PC)やスチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(ABS)等のような単体で3GPa以上のヤング率を有しない樹脂材料であっても、これにガラス繊維等の繊維質や無機粒子等の微粒子からなるフィラー(充填材)が添加された、ヤング率(縦弾性係数)3GPa以上の複合材料(強化型プラスチック)が採用可能である。
支持部材50は、単純な板材ではなく領域によって厚みが異なる3次元形状に形成されてもよい。これにより断面二次モーメントが大きくすることができ、同一のヤング率を有する材料であっても剛性(曲げ剛性)をさらに高めることができる。
例えば本実施形態における支持部材50には、支持面51の外周縁部に沿って上方へ突出し、振動板321の周縁部321cを囲繞する環状片部56(第1の環状片部)が設けられており(図6参照)、その頂部に上述した先端面54が形成されている。これにより支持部材50の外周側が内周側よりも厚肉となるため、捻りや曲げに対する剛性が高められる。
[イヤホンの動作]
続いて、以上のように構成される本実施形態のイヤホン100の典型的な動作について説明する。
本実施形態のイヤホン100において、発音ユニット30の回路基板33には、ケーブル50を介して再生信号が入力される。再生信号は、回路基板33を介して、電磁式発音体31及び圧電式発音体32にそれぞれ入力される。これにより、電磁式発音体31が駆動されて、主として7kHz以下の低音域の音波が生成される。一方、圧電式発音体32においては、圧電素子322の伸縮動作により振動板321が振動し、主として7kHz以上の高音域の音波が生成される。生成された各帯域の音波は、導音路41を介してユーザの耳に伝達される。このようにイヤホン100は、低音域用の発音体と高音域用の発音体とを有するハイブリッドスピーカとして機能する。
一方、電磁式発音体31によって発生した音波は、圧電式発音体32の振動板321を振動させて第2の空間部S2へ伝播する音波成分と、通路部330を介して第2の空間部S2へ伝播する音波成分との合成波で形成される。したがって、通路部330の大きさ、個数等を最適化することにより、圧電式発音体32から出力される低音域の音波を、例えば所定の低音帯域に音圧ピークが得られるような周波数特性に調整あるいはチューニングすることが可能となる。
本実施形態において支持部材50は、ヤング率3GPa以上の材料で構成されているため、例えば図7に示すように、9kHz以上の高音帯域における音圧レベルの上昇が顕著となり、クリアな音質を実現することができる。
図7は、支持部材50の材質を異ならせて測定した圧電式発音体32の音圧特性を示す一実験結果である。図中、縦軸は音圧レベル、横軸は周波数を示しており、支持部材の構成材料として、ヤング率197GPaのSUS(実線)、同3.7GPaのPPS(一点鎖線)及び同2.3GPaのPC(破線)を用いた。
同図に示すように、9kHz付近から20kHz付近にわたって、PC製の支持部材を用いたときの音圧レベルよりも、SUS及びPPS製の支持部材を用いたときの音圧レベルが向上する。これは、ヤング率が3GPa未満の場合、9kHz以上の周波数で振動する圧電式発音体を安定に支持することができず、その結果、支持部材自体の振動により振動板321の振動が減殺されるためであると考えられる。これに対して、ヤング率が3GPa以上の高剛性の支持部材を用いることで、高周波数で振動する振動板321をより安定に支持することが可能となり、これにより高周波帯域における音圧レベルの向上を図ることが可能となる。
図8は、支持部材50のヤング率と、圧電式発音体32の8kHz~20kHzにおける平均音圧レベル(SPL)との関係を示す一実験結果である。
ここでは、ヤング率が異なる5種類の材料を用いて支持部材のサンプルA~Eを構成し、サンプルB~Eの音圧レベルを、サンプルAのそれとの差分で表した。各サンプルの構成材料(ヤング率)は以下のとおりである。
サンプルA:PC(2.3GPa)
サンプルB:強化型PC(3.1GPa)
サンプルC:PPS(3.7GPa)
サンプルD:SUS301(197GPa)
サンプルE:SiC(500GPa)
なお、サンプルA、C及びDは、図7における破線、一点鎖線及び実線で示す材料にそれぞれ相当する。
図8に示すように、ヤング率が3GPa以上のサンプルB~Eにおいては、ヤング率が3GPa未満のサンプルAよりも+5dB以上の音圧レベルの向上が認められる。以上のように、支持部材50をヤング率が3GPa以上の材料で構成することで、8kHz~20kHzにおける高周波帯域の音圧を効率よく増加させることができ、これにより高音域の音響特性の向上を図ることが可能となる。
<第2の実施形態>
図9は本発明の第2の実施形態に係るイヤホン200の構成を概略的に示す側断面図、図10は支持部材70の概略側断面図である。なお図9においては、理解を容易にするため、筐体40の図示は省略されている。
以下、第1の実施形態と異なる構成について主に説明し、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付しその説明を省略または簡略化する。
本実施形態のイヤホン200は、圧電式発音体32を支持する支持部材70の構成が第1の実施形態と異なる。すなわち支持部材70は、支持面51と、外周面52と、内周面53と、先端面54と、底面55と、第1の環状片部56を有する点で第1の実施形態と共通するが、底面55の外周縁部に下方へ突出する第2の環状片部57をさらに有する点で第1の実施形態と異なる。
本実施形態において支持部材70は、第1の実施形態の支持部材50と同様に、3GPa以上のヤング率を有する材料で構成される。さらに本実施形態では、支持部材70が底面55の外周縁部に第2の環状片部57がさらに設けられているため、支持部材50よりも高い剛性を得ることができる。したがって高周波領域で振動する圧電式発音体32をさらに安定に支持することができる。
第2の環状片部57は、図9に示すように、電磁式発音体31(本体部312)の外周縁部と係合するように構成されてもよい。これにより、電磁式発音体31と圧電式発音体32との間の相対的な位置決め精度や組立て作業性を向上させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば以上の実施形態では、電磁式発音体31と圧電式発音体32の双方を備えた電気音響変換装置を例に挙げて説明したが、圧電式発音体のみで構成された電気音響変換装置にも本発明は適用可能である。
また以上の実施形態では、電気音響変換装置としてイヤホンを例に挙げて説明したが、これに限られず、ヘッドホン、据え置き型スピーカ、携帯情報端末に内蔵されるスピーカ等にも本発明は適用可能である。
31…電磁式発音体
32…圧電式発音体
40…筐体
50,70…支持部材
51…支持面
56,57…環状片部
61~63…粘着材層
100,200…イヤホン
321…振動板
322…圧電素子
330…通路部
401…第1の筐体部
402…第2の筐体部

Claims (5)

  1. 周縁部を有する第1の振動板と、前記第1の振動板の少なくとも一方の面に配置された圧電素子と、前記第1の振動板を厚み方向に貫通する通路部とを有する圧電式発音体と、
    第2の振動板と、前記第2の振動板を振動可能に支持する本体部とを有する電磁式発音体と、
    前記電磁式発音体が配置される第1の空間部と、前記通路部を介して前記第1の空間部と連通し、前記圧電式発音体と前記電磁式発音体とにより生成される音波を外部へ導く導音路を有する第2の空間部とを有する筐体と、
    前記周縁部を支持する支持面と、前記支持面の外周縁部に設けられ前記周縁部を囲繞する第1の環状片部と、前記支持面とは反対の面に設けられ前記本体部の外周縁部と係合する第2の環状片部とを有し、前記筐体に固定され、ヤング率が3GPa以上である材料で構成された環状のブロック体である支持部材と
    を具備する電気音響変換装置。
  2. 請求項1に記載の電気音響変換装置であって、
    前記支持部材は、金属材料で構成される
    電気音響変換装置。
  3. 請求項1に記載の電気音響変換装置であって、
    前記支持部材は、合成樹脂材料又は合成樹脂材料を主体とする複合材料で構成される
    電気音響変換装置。
  4. 請求項1~3のいずれか1つに記載の電気音響変換装置であって、
    前記支持面と前記周縁部との間に配置され、前記支持面に対して前記周縁部を弾性的に支持する第1の粘着材層をさらに具備する
    電気音響変換装置。
  5. 請求項4に記載の電気音響変換装置であって、
    前記筐体は、前記支持部材を支持する第1の筐体部と、前記圧電式発音体を被覆し前記第1の筐体部に接合される第2の筐体部とを有し、
    前記電気音響変換装置は、前記第1の環状片部と前記第2の筐体部との間に配置された第2の粘着材層をさらに具備し、前記第2の粘着材層は、前記第2の筐体部に対して前記第1の環状片部を弾性的に支持する
    電気音響変換装置。
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