JP4761022B2 - インク組成物、インクカートリッジ、インクジェット記録方法及び記録物 - Google Patents
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Description
少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(2)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩とを含んでなることを特徴とするインク組成物。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態のインク組成物は、少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(1)及び/又は(2)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩とを含んでなることを特徴とする。
銅フタロシアニン系染料としては、例えば、下記の式(3)で表わされる染料が好ましく挙げられる。
保湿剤を含むことにより、インクジェット記録方式において、水分の蒸発を抑制してインクを保湿することができる。また、水溶性有機溶剤であれば、吐出安定性を向上させたり、インク特性を変化させることなく粘度を容易に変更することができる。
また、糖類としては、マルチトール、ソルビトール、グルコノラクトン、マルトース等が好ましい。
その含有量は、0.5〜10重量%が好ましく、さらに好ましくは1〜5重量%である。その含有量を、0.5重量%以上とすることで、添加することによる本発明における色材の溶解性向上を図ることができ、10重量%以下とすることで、インク組成物が接する各種部材との耐材料性を悪化させることがない。
本発明に係る第2実施形態のインク組成物は、少なくとも、水と、フタロシアニン系シアン染料と、下記の一般式(4)及び/又は(5)で表されるスルホ基を有する芳香族化合物及び/又はその塩とを含んでなることを特徴とする。
[実施例1〜4,8〜10、比較例1〜4及び参考例1〜3]
実施例1〜10(但し実施例5〜7は無い。以下同じ)、比較例1〜4及び参考例1〜3のインク組成物を、表1に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行なって、各インク組成物を調製した。
上記のカートリッジを用い、OD(Optical Density)が、0.9〜1.1の範囲に入るように印加Dutyを調整して印刷を行って得られた印刷物を、オゾンウエザーメーターOMS−H型(商品名、(株)スガ試験機製)を用い、24℃、相対湿度60%RH、オゾン濃度10ppmの条件下にて、印刷物を所定時間(6,9,12時間)曝露した。
D:曝露試験後のOD
D0:曝露試験前のOD
(但し、測定条件は、Filter:Red,光源:D50,視野角:2度)
評価A:RODが90%以上
評価B:RODが80%以上90%未満
評価C:RODが70%以上80%未満
評価D:RODが70%未満
印加Duty100%で印刷を行って得た印刷物を、25℃、50%RHの環境に2週間、4週間、6週間放置した。
放置後、印刷物を目視観察し、印加部表面に析出物の発生が認められるかどうかを見た。
評価A:析出物なし。
評価B:僅かに白っぽく見える部分はあるが、析出物として明確には認められない。実用上問題無いレベル。
評価C:印加表面が白っぽくなるが、析出物は認識できない。許容できるレベル。
評価D:明確に印加表面が白く、析出物の発生が容易に確認出来る。
1インチ平米当たり1.5〜2.2mgの打ち込み量になるように印加Dutyを調整して得た印刷物を、光沢度計(PG−1M:日本電色工業株式会社製)を用いて測定し(測定角度60°)、光沢度を求めた。印字は、20℃、55%RHと32℃、75%RHの2つの環境で行った。
得られた光沢度と以下の式から得た値をブロンズの判定基準とした。
光沢度(印刷物)−光沢度(記録媒体)
評価A:15未満
評価B:15以上35未満
評価C:35以上55未満
評価D:55以上
インクをインクジェットプリンタEM−930C(セイコーエプソン株式会社製)に充填後、10分間連続して印刷し、ノズルからインクが吐出していることを確認して、印字を停止した。これを、ヘッドにキャップしない状態で、40℃、25%RHの環境に2週間放置した。放置後、ノズルのクリーニング操作を行い、その後印字を行った。カスレ、抜けなどの不良印字がなく、初期と同等の印字が可能となるまでのクリーニング操作の回数で、そのインクの目詰まり特性を評価した。
評価A:1〜5回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価B:6〜10回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価C:11〜15回のクリーニング操作で初期と同等の印字が得られる場合
評価D:16回以上ののクリーニング操作によっても初期と同等の印字は不可能
[実施例12〜15,17,18、比較例5〜7及び参考例4,5]
実施例11〜18(但し実施例11,16は無い。以下同じ)、比較例5〜7及び参考例4,5のインク組成物を、表3に示す配合割合で各成分を混合して溶解させ、孔径1μmのメンブランフィルターにて加圧濾過を行って、各インク組成物を調製した。
オゾン濃度を2ppmとした以外は、望ましい第1の態様と同様の方法にて、オゾン曝露を行った。
[判定基準]
評価A:RODが90%以上
評価B:RODが80%以上90%未満
評価C:RODが70%以上80%未満
評価D:RODが70%未満
実施例1〜18及び比較例5〜7のインク組成物について、望ましい第1の態様と同様の方法にて、耐添加剤析出性試験を行った。そして、同様の判定基準で評価した。
実施例1〜18及び比較例5〜7のインク組成物について、望ましい第1の態様と同様の方法にて、耐ブロンズ性試験を行った。そして、同様の判定基準で評価した。
実施例1〜18及び比較例5〜7のインク組成物について、望ましい第1の態様と同様の方法にて、耐目詰り性試験を行った。そして、同様の判定基準で評価した。
Claims (22)
- 前記銅フタロシアニン系染料が、C.I.ダイレクトブルー86、87、及び/又は199である、請求項2記載のインク組成物。
- 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩が、スルホ基を2つ以上有する、請求項1〜3の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料が、リチウムイオンを対イオンとして含む基を有する、請求項1〜4の何れかに記載のインク組成物。
- 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩が、ナフタレン−1,5−ジスルホン酸、ナフタレン−1,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸、ナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びナフタレン−1,3,6−トリスルホン酸それぞれのリチウム塩からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項4記載のインク組成物。
- 前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩を、インク組成物全量に対して0.1〜10重量%含んでなる、請求項1〜6の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料と、前記スルホ基を有する芳香族化合物のリチウム塩との含有比率が、1:0.1〜1:10の範囲内にある、請求項1〜7の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料は、可視域(400〜800nm)における吸収スペクトルが波長590〜650nmに最大吸収ピークを有する染料である、請求項1〜8の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料は、可視域(400〜800nm)における吸収スペクトルが波長590〜615nmに最大吸収ピークを有する染料である、請求項1〜9の何れかに記載のインク組成物。
- 前記フタロシアニン系シアン染料は、可視域(400〜800nm)における吸収スペクトルが波長590〜605nmに最大吸収ピークを有する染料である、請求項1〜10の何れかに記載のインク組成物。
- 更に、ノニオン系界面活性剤を含んでなる、請求項1〜11の何れかに記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤が、アセチレングリコール系界面活性剤である、請求項12記載のインク組成物。
- 前記ノニオン系界面活性剤をインク組成物全量に対して0.1〜5重量%含んでなる、請求項12又は13に記載のインク組成物。
- 更に、浸透促進剤を含んでなる、請求項1〜14の何れかに記載のインク組成物。
- 前記浸透促進剤が、グリコールエーテル類である、請求項15に記載のインク組成物。
- 20℃におけるインク組成物のpHが、8.0〜10.5である、請求項1〜16の何れかに記載のインク組成物。
- インクジェット記録方法において用いられる、請求項1〜17の何れかに記載のインク組成物。
- 前記インクジェット記録方法が、電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するインクジェットヘッドを用いた記録方法である、請求項18に記載のインク組成物。
- 請求項1〜19の何れかに記載のインク組成物を少なくとも備えることを特徴とするインクカートリッジ。
- インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、インク組成物として請求項1〜19の何れかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
- 請求項1〜19の何れかに記載のインク組成物を用いて記録されたことを特徴とする記録物。
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