JP4760320B2 - ゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブ - Google Patents

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Description

本発明は、中空構造のゴルフクラブヘッド、特に、ヘッド本体とフェース体と接合されて構成されたゴルフクラブヘッド、およびこのゴルフクラブヘッドを備えて構成されるゴルフクラブに関する。
従来より、金属製の中空ゴルフクラブヘッドは、金属板を外殻構造状に成型することで作製されている。金属板の成型方法は、大きく分けて鍛造と鋳造とがある。鍛造による成型方法(鍛造成型)は、鋳造による成型方法(鋳造成型)に比べて、成型の際に欠陥が生じにくく、金属板を薄肉・軽量化することが可能である。このため、ゴルフクラブヘッドを軽量化して、質量マージンを大きくとることができる。また、金属板を充分に薄肉化することで、剛性などを大きく低減させることができる。しかし、鍛造成型では、形状や肉厚変化の自由度が鋳造成型に比べて乏しく、ゴルフクラブヘッドの重心位置の調整範囲は比較的小さかった。そのため、従来、鍛造成型で作製されたゴルフクラブヘッドでは、金属の塊をソール部に溶接して重心位置を調整することで、ゴルフクラブヘッドの低重心化が図られていた。このため、鍛造成型のみによってゴルフクラブヘッドを作製した場合、肉厚の変化をつけたり、ゴルフクラブヘッドの重心位置を微調整することは困難であった。
一方、鋳造成型は、鍛造成型に比べて、金属板の形状や肉厚変化の自由度が大きく、比較的大きな範囲で重心位置を調整することが可能である。しかし、鋳造成型は、成型した金属層内部に微細な空洞が生じることもあり、比較的脆弱である。このため、金属板の薄肉・軽量化が困難である。そのため、ゴルフクラブヘッドを軽量化して、質量マージンを大きくとることは困難であった。また、金属板を充分に薄肉化して、剛性を大きく低減させることも不可能であった。
このように、鍛造成型および鋳造成型には、それぞれ長所と短所があった。そのため、例えば、一枚の金属板からゴルフクラブヘッドを作製する場合、鍛造成型のみでは、形状や肉厚変化の自由度が乏しく、重心位置の調整範囲が比較的小さいといった問題があった。また、鋳造成型のみでは、ある程度以上の薄肉化は困難であり、ゴルフクラブヘッドの軽量化や剛性の低減には限界があった。現在、このような金属板の成型方法の違いによるゴルフクラブヘッドの短所を解消する、鋳造成型された金属板と鍛造成型された金属板とが組み合わされて作製された、ゴルフクラブヘッドが種々提案されている。
例えば、下記特許文献1は、中空型のゴルフクラブヘッドであって、鋳造成型された、その上面に中空部を上方に開口させる開口部が形成されたヘッド本体部と、鍛造またはプレスによって成型された、本体部の開口を閉塞するように配置されて、その周縁部が本体部の開口部に溶接固定される蓋部とからなるゴルフクラブヘッドが開示されている。特許文献1記載のゴルフクラブヘッドは、ヘッド本体の開口部に固定される蓋部が、鍛造またはプレスにより成型されているため、その肉厚を薄くすることが可能であり、また、鋳造成型で生じる、ピンホール等による不良の発生を抑えることを可能としている。
また、例えば、下記特許文献2では、クラウン部を構成する金属材料の弾性率を最も低くした、中空型ゴルフクラブヘッドが開示されている。特許文献2記載のゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率を、ソール部などの他の部材よりも小さくしている。特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、このように、クラウン部の弾性率をソール部などの他の部材よりも小さくして、インパクトの際にクラウン部を変形させている。この変形によって、ゴルフボールの打ち出し角度を大きくし、ボールの飛距離を向上させている。特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、クラウン部に、プレス加工(圧延加工)した金属層を用いている。特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、クラウン部として用いるチタン合金をプレス加工(圧延加工)することで、クラウン部の肉厚を、サイド部やソール部に比べて薄くして、クラウン部の弾性率を比較的小さくしている。これにより、インパクトの際にクラウン部が容易に変形可能な構造としている。また、ソール部、サイド部、およびホーゼル部を一体に鋳造成型することで、複雑な形状を精密に形成することを可能としている。
特開平7−148289号公報 特開2003−79768号公報
しかし、特許文献1および特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、いずれも、鍛造成型または圧延加工によってクラウン部が作製され、このクラウン部が、サイド部およびソール部からなるヘッド本体部と溶接されている。しかし、このように、クラウン部の曲げ剛性のみを低減しただけでは、ゴルフクラブによってゴルフボールを打撃した際の、ゴルフクラブの変形の程度が不十分であった。また、特許文献1および特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、ヘッド本体部にクラウン部が溶接されており、クラウン部とサイド部との稜線のごく近傍に、ゴルフクラブヘッドの前端から後端に向けて延在した溶接部分が生じている。ゴルフクラブヘッドの上記溶接部分に対応する部分は、溶接のために、比較的肉厚となっている。また、溶接部分(溶接された箇所)は、弾性率が比較的高くなっている。特許文献1および特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、この溶接部分が梁として機能し、ゴルフクラブによってゴルフボールを打撃した際のゴルフクラブの変形の程度が抑制されていた。特許文献1または特許文献2記載のゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブによってゴルフボールを打撃した際の、ゴルフクラブの変形の程度が不十分であり、ゴルフボールの飛距離や打感を、思うように向上させることはできなかった。
本発明の目的は、ゴルフボールの飛距離や打感が良好な、中空構造のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は、ゴルフボールを打撃するフェース面を備える、中空構造のゴルフクラブヘッドであって、前記フェース面を備える略板状のフェース体と、前記フェース体と接合されて、ゴルフクラブヘッドのクラウン部、ソール部、およびサイド部とをなすヘッド本体と、前記フェース体及び前記ヘッド本体から突出したネック体と、を有し、前記ヘッド本体は、少なくとも前記クラウン部の一部および前記サイド部の一部をなす第1部分と、前記第1部分に比べて弾性率が高い、少なくとも前記ソール部および前記サイド部の他の部をなす第2部分とからなり、前記ネック体は、前記フェース体に直接接合されると共に、前記第1部分に直接接合され、前記ヘッド本体の前記フェースとの接合端は、前記第1部分の端部と前記第2部分の端部とで構成されており、前記第1部分の端部が、前記接合端のクラウン部に対応する領域全体から前記サイド部に対応する領域まで延在しており、前記クラウン部における前記第1部分と前記第2部分との接合部を示す接合線は、前記ヘッド本体の後方に凸な緩やかな曲線をとることを特徴とするゴルフクラブヘッドを提供する。
なお、前記第1部分の前記サイド部に対応する領域の、前記ゴルフクラブヘッドにおける前後方向の幅が、前記クラウン部の側から前記ソール部の側に近づくにしたがい、徐々に減少していることが好ましい。
なお、前記第1部分は、鍛造成型された金属部材からなり、かつ、前記第2部分は、鋳造成型された金属部材からなることが好ましい。この場合、前記第1部分および前記第2部分は、いずれもチタンを主成分とする金属であることが好ましい。
また、前記第1部分は、前記サイド部のトウ側から、前記クラウン部を通り、前記サイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることが好ましい。
なお、前記第1部分の前記サイド部に対応する領域の前記前後方向の幅は、前記ゴルフクラブヘッド全体の前記前後方向の長さの25%〜75%であることが好ましい。また、前記第1部分の前記サイド部に対応する領域の、前記ゴルフクラブヘッドの前後方向の幅は、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、ゴルフクラブヘッドの前方から後方に向かう方向と平行な方向の間隔である。より詳しくは、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレス状態で地面に設置した状態において、シャフト中心軸を含む地面に垂直な平面に対して垂直な方向の幅である。
また、前記ゴルフクラブヘッドを、通常のアドレスポジションで地面に設置した状態における前記ゴルフクラブヘッド全体の地面からの高さをFとした際、前記ゴルフクラブヘッド全体の前記前後方向の長さL、前記第1部分の前記クラウン部に対応する領域の前記前後方向の幅W、地面から0.3Fだけ離間した位置における、前記第1部分の前記トウ側のサイド部に対応する領域の前記前後方向の幅W、地面から0.3Fだけ離間した位置における、前記第1部分の前記ヒール側のサイド部に対応する領域の前記前後方向の幅Wが、下記式(1)または下記式(2)の少なくともいずれか一方を満たすことが好ましい。
0.1≦((W/L)−(W/L))≦0.6 ・・・(1)
0.1≦((W/L)−(W/L))≦0.6 ・・・(2)
また、前記第1部分は、前記クラウン部に対応する領域の中心位置の肉厚が、0.3〜0.7mmであることが好ましい。ここで、前記第1部分の、クラウン部に対応する領域の中心位置とは、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレス状態で地面に設置した際、このゴルフクラブヘッドのフェース面の中心位置を通り、フェース面に垂直な平面と、第1部分のクラウン側の表面との交線上の点であり、この交線を2分割する位置のことをいう。
また、前記第1部分と前記第2部分との接合部の前記フェース面からの距離は、20mm以下であることが好ましい。また、前記第1部分の弾性率は、50Gpa〜105Gpaであることが好ましい。
本発明はまた、上記ゴルフクラブヘッドを備えて構成されていることを特徴とするゴルフクラブを併せて提供する。
本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブは、飛距離や打感といった打撃性能が良好である。
以下に、添付の図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明のゴルフクラブおよびゴルフクラブヘッドを詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッド20を備えて構成される、ゴルフクラブ10を示す分解斜視図である。図1に示すように、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッド20は、いわゆる中空ゴルフクラブヘッドであり、ゴルフクラブシャフト60と接合されてゴルフクラブ10を構成している。ゴルフクラブヘッド20は、フェース体22と、ヘッド本体21と、ネック体28とを有して構成されている。ヘッド本体21は、第1パーツ(第1部分)24と第2パーツ(第2部分)26とから構成されている。
ゴルフクラブヘッド20のフェース体22は、ゴルフクラブヘッド20のフェース部に対応する。フェース体(フェース部)22は、表面がフェース面23をなす板状部25と、板状部25の周縁からゴルフクラブヘッド20の後方側に向けて突出した突出部27とを有している。
ネック体28は、ゴルフクラブシャフト60をゴルフクラブヘッド20に固定する、ゴルフクラブヘッドのホーゼル部に対応する。このネック体28には、ゴルフクラブシャフト60が挿入される開口部29が設けられている。ゴルフクラブシャフト60は、ゴルフクラブヘッド20にソケット62を介して固定される。このソケット62には、ゴルフクラブシャフト60を挿通可能な開口部64が設けられている。
ヘッド本体21は、第1パーツ(第1部分)24、第2パーツ(第2部分)26とを有して構成されており、ヘッド本体21とフェース体22との接合端は、第1パーツ(第1部分)24の端部と、第2パーツ(第2部分)26の端部とで構成されている。
ゴルフクラブヘッド20は、これらフェース体22と、ヘッド本体21(第1部分24、第2部分26)と、ネック体28とがそれぞれ溶接接合されて構成されている。ゴルフクラブヘッド20は、フェース部(フェース体)22、クラウン部32、サイド部34(トウ側サイド部33、ヒール側サイド部35、バック側サイド部37)、ソール部36、ホーゼル部(ネック体)28を有する中空構造のゴルフクラブヘッドとなっている。
なお、本実施形態では、ネック体28(ホーゼル部)が、フェース体22およびヘッド本体21とは別に形成された部材であり、このネック体28がフェース体22およびヘッド本体21と接合されてゴルフクラブヘッド20が構成されている。本発明においては、例えば、ホーゼル部はヘッド本体と一体化して設けてもよいし、またはフェース体と一体化して設けてもよい。本発明において、ゴルフクラブヘッドのホーゼル部の態様は、特に限定されない。
図2(a)〜(d)は、本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッド20を説明する図である。図2(a)は、ゴルフクラブヘッド20をクラウン部32の側から見た上面図である。また、図2(b)は、ゴルフクラブヘッド20をトウ側サイド部33の側からみた側面図である。また、図2(c)は、ゴルフクラブヘッド20をヒール側サイド部35の側からみた側面図である。また、図2(d)は、ゴルフクラブヘッド20をフェース部22の側から見た正面図である。
ヘッド本体21の第2部分26は、ゴルフクラブヘッド20における前方側に対応する部分が開口した、中空構造であり、この開口端を閉塞するように、第1部分24およびフェース部22が接合されている。第2部分26は、ソール部36およびバック側サイド部37を構成し、また、第1部分24と接合されて、第1部分24とともに、クラウン部32、トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35を構成している。第2部分26は、鋳造成型された金属部材である。
この第2部分26が鋳造成型されることで、バック側サイド部37やソール部36などにおいて、複雑な形状や肉厚分布を形成することが可能となっている。第2部分26の形状や肉厚の分布を、細かく調整することができれば、第2部分26を備えて構成されるゴルフクラブヘッドの重心位置を、高精度に調整することができる。本願発明では、形状が比較的複雑な、バック側サイド部37やソール部36などを、鋳造成型によって作製することで、ゴルフクラブヘッドの重心位置を高精度に調整可能としている。また、第2部分26が対応する、バック側サイド部37やソール部36などには、通常、ゴルフクラブヘッドのロゴマークが刻印される。また、このような部位の形状は、ゴルフクラブヘッドのデザイン上、特に重要である。第2部分26が鋳造成型されることで、形状や肉厚の分布が細かく調整可能であり、ロゴマークの刻印の自由度や、デザインの自由度も比較的大きくすることを可能としている。
ヘッド本体21の第1部分24は、フェース部22と接合されて、クラウン部32の前方側(ゴルフクラブヘッド20における前方側)の一部、トウ側サイド部33の前方側の一部、およびヒール側サイド部35の前方側の一部をなす。第1部分24は、一枚の金属板が鍛造成型されて作製されたものである。第1部分24は、トウ側サイド部33からクラウン部32を通り、ヒール側サイド部35まで延在している。ここで、前方とは、ゴルフクラブによってゴルフボールを打撃する方向のことをいい、ゴルフクラブヘッド20における前方側とは、ゴルフクラブヘッド20のフェース面23により近い側のことをいう。本実施形態のゴルフクラブヘッド20は、鍛造成型された金属板である第1部分が、クラウン部32に対応する部分のみでなく、クラウン部32に加え、トウ側サイド部33およびヒール側サイド部35それぞれの、ゴルフクラブヘッドの前方側の一部をなしていることを特徴としている。
第2部分26の開口端を閉塞するように接合された第1部分24は、形状が比較的単純であり、金属板を鍛造成型することで容易に形成することができる。そして、鍛造成型は、鋳造成型に比べて、金属板の厚さを比較的薄肉化することができる。本実施形態では、鍛造成型によって第1部分を作製することで、クラウン部32およびサイド部34の、ゴルフクラブヘッド20の前方側に位置する第1部分の厚さを薄肉化して、曲げ剛性の値を低減している。このような位置にある第1部分24は、フェース面23でゴルフボールを打撃した際に、フェース部22に係る力を受け止める。第1部分24が鍛造成型されて肉厚が比較的薄く、曲げ剛性が比較的小さくなっていることで、フェース面23でゴルフボールを打撃した際の、第1の部分24の変形量を大きくすることができる。これにより、ゴルフボールの打ち出し角を向上させるとともに、打ち出したゴルフボールのバックスピン量を低減させることができる。なお、本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分は、トウ側サイド部またはヒール側サイド部の少なくともいずれか一方まで延在していればよい。第1の部分の変形量をより大きくし、ゴルフボールの打ち出し角をより向上させ、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させるには、第1部分は、トウ側サイド部からクラウン部を通り、ヒール側サイド部まで延在していることが好ましい。
また、第1部分24と第2部分26との接合線52と、第1部分24とフェース部分22との接合線54との間隔であり、ゴルフクラブヘッド20を通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、ゴルフクラブヘッド20の前方側から後方側に向かい、かつ地面と平行な方向の間隔を幅Wとすると、クラウン部32に対応する領域における幅Wの最大値である幅Wは、上記アドレス状態において幅Wの方向と平行なゴルフクラブヘッド20全体の長さLに対して、0.25×L≦W≦0.75×Lを満たしている。ここで、幅Wは、より詳しくは、ゴルフクラブヘッド20を通常のアドレス状態で地面に設置した状態において、シャフト軸を含む地面に垂直な平面に対して、垂直な方向の、接合線52と接合線54との間隔である。クラウン部32に対応する領域における幅Wの最大値である幅Wがこの範囲を満たすことで、ゴルフボールを打撃した際の、クラウン部の変形量を比較的大きくし、ゴルフボールの飛翔特性を、比較的大きく向上させることができる。なお、第1部分24と第2部分26との接合線52、および第1部分24とフェース部分22との接合線54は、例えば#100程度のサンドブラストショットによってゴルフクラブヘッドの塗装などを剥がして処理をすることで、外観的に(例えば目視などによって)確認可能である。
なお、本明細書中、ゴルフクラブを通常のアドレスポジションに設置するとは、ゴルフクラブヘッドをライ角通りに設置し、かつ、ゴルフクラブのシャフト軸を地面(基準面)に正投影した線と、ゴルフクラブヘッドのリーディングエッジを地面に正投影した線とが、互いに平行になるように設置することをいう。本明細書における、通常のアドレスポジションに設置するの定義は、本願出願者による出願である、特願2004−025362号に詳細に記載されている定義と同様である。
また、トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35に対応する領域において、第1部分24の幅Wが、クラウン部32の側からソール部34の側に近づくにしたがい、徐々に減少している(図2(b)および図2(c)参照)。トウ側サイド部33に対応する領域においては、第1部分24の幅Wは、最もソール側において最小となっている(図2(b)参照)。また、ヒール側サイド部35に対応する領域においては、第1部分24の幅Wは、最もソール側において最小となっている(図2(c)参照)。
すなわち、ゴルフクラブヘッド20において、第1部分24と第2部分26との接合線52は、このゴルフクラブヘッド20を通常のアドレスポジションで地面に設置した際、地面に略垂直な線に対し傾斜している。この傾斜は、接合線52が、クラウン部32の側からソール部36の側に近づくにしたがって、フェース部22に近づく方向の傾斜である。このため、ゴルフクラブヘッド20でゴルフボールをインパクトした際、第1部分24は、ソール部36の側に比べてクラウン部32の側の方が、より大きく変形する。これにより、幅Wがサイド部(トウ側サイド部33、ヒール側サイド部35それぞれ)全体において一様な場合に比べて、ゴルフボールの打ち出し角をより向上させるとともに、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させる、すなわち、ゴルフボールの飛翔特性をより向上させている。
ゴルフボールの打ち出し角をより向上させるとともに、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させるには、ゴルフクラブヘッド20を通常のアドレスポジションで地面に設置した際のゴルフクラブヘッド20全体の地面からの高さをFとし、トウ側サイド部33の、地面から0.3Fだけ離間した位置における上記幅WをW、ヒール側サイド部33の、地面から0.3Fだけ離間した位置における上記幅WをWとすると、((W/L)−(W/L))が0.1〜0.6であることが好ましい。同様に、((W/L)−(W/L))が0.1〜0.6であることが好ましい。なお、ゴルフクラブヘッドにおいて、この(W/L)−(W/L)、((W/L)−(W/L))は、それぞれ同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。
なお、本発明のゴルフクラブヘッドでは、幅Wはサイド部(トウ側サイド部33、ヒール側サイド部35それぞれ)全体において一様であっても構わない。この場合でも、比較的弾性率の低い第1部分24が、トウ側サイド部33からクラウン部32を通り、ヒール側サイド部35まで延在しており、ゴルフボールを打撃した際の変形量は比較的大きく、ゴルフボールの飛翔特性は良好である。本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフボールを打ち出した際の変形量を大きく保ち、ゴルフボールの打ち出し角をより向上させるとともに、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させるためには、第1部分24の幅Wが、クラウン部32の側からソール部34の側に近づくにしたがい、徐々に減少していることが好ましい。
また、第1部分24は、一枚の金属板が鍛造成型されて形成されており、クラウン部32とサイド部34との稜線56の近傍には、ゴルフクラブヘッドの前方端から後方端に延在した溶接部分は存在していない。このためゴルフクラブヘッド20は、上記特許文献1または特許文献2に記載のゴルフクラブヘッドのように、クラウン部がサイド部と溶接接合されて構成されたゴルフクラブヘッドと比較して、すなわち、クラウン部とサイド部との稜線の近傍に、ゴルフクラブヘッドの前方端から後方端に延在した溶接部が存在するゴルフクラブヘッドと比較して、クラウン部32が比較的変形し易い。これは、クラウン部がサイド部と溶接接合されて構成された、上記特許文献1および特許文献2に記載されているようなゴルフクラブヘッドの場合、剛性が比較的大きい溶接部(上記の、ゴルフクラブヘッドの前方端から後方端に延在した溶接部分)が変形しにくいのに対し、ゴルフクラブヘッド20では、剛性が比較的大きい溶接部を有さない第1部分24(一枚の金属板が鍛造成型されて形成された部材)が、比較的変形しやすいためである。このように、ゴルフクラブヘッド20は、ゴルフボールを打撃した際のクラウン部32(第1部分24)の変形量が比較的大きく、ゴルフボールの飛翔特性が良好である。
なお、本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分24のクラウン部32に対応する領域と、サイド部(トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35それぞれ)に対応する領域とを別々の部材から形成し、それぞれを溶接して接合することで、第1部分24全体を作製しても構わない。この場合でも、比較的弾性率の低い第1部分24が、トウ側サイド部33からクラウン部32を通り、ヒール側サイド部35まで延在しており、ゴルフボールを打撃した際の変形量は比較的大きく、ゴルフボールの飛翔特性は良好である。本発明のゴルフクラブヘッドにおいて、ゴルフボールを打撃した際の、第1部分24の変形量をより大きくするには、第1部分24は、一枚の金属板が鍛造成型されて作製されていることが好ましい。
また、第1部分24の、クラウン部32に対応する部分の中央位置Xにおいて、第1部分24の厚さTは、0.3mm≦T≦0.7mmを満たすことが好ましい。第2部分26を、第1部分24よりも弾性率が高い部材で形成した場合、第1部分24の厚みがこの範囲を満たしていれば、ゴルフボールの飛翔特性、およびゴルフボールを打撃した際にゴルファが感じる打感を、比較的良好とすることができる。ここで、第1部分24の、クラウン部32に対応する部分の中央位置Xとは、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレス状態で地面に設置した際、このゴルフクラブヘッドのフェース面の中心位置を通り、フェース面および地面に垂直な平面と、第1部分24のクラウン側の表面との交線上の点であり、この交線を2分割する位置のことをいう。
ここで、本実施形態において、フェース部22のフェース面23の中心位置とは、特開2001−246023号公報に開示された方法により測定された、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面23との交点に対応する位置である。以下、フェース部22のフェース面23の中心を測定する方法について説明する。
このフェース部22のフェース面23の中心位置(ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面23との交点に対応する位置)は、フェース面と当接してゴルフクラブヘッドを支持する支持部を上部に備えた、軸回りの慣性モーメント測定器によって求められる。慣性モーメント測定器は、この支持部がゴルフクラブヘッドを平衡に支持するフェース面23上の位置を知ることで、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸を知ることができるものである。すなわち、ゴルフクラブヘッドを、支持部に載せ、手を放しても落ちない平衡な位置(フェース面における位置)を探しだすことで、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面23との交点に対応する位置を探し出すものである。
なお、支持部は平面または3点以上で支持する形態であることが好ましい。また、支持部の面積は、15mm以下であることが好ましい。また、支持部の面積の下限はゴルフクラブヘッドが支えられる限り特に限定されるものではない。支持部の面積は、平面であれば平面部分の面積、3点以上で支持する形態であれば各点を結んだ図形の面積によって示される。このように、支持部の面積を上記の範囲に設定することによって、より正確に中心を求めることができる。本実施形態においては、このようにして測定して特定された、ゴルフクラブヘッドの重心位置を通りフェース面に垂直な軸と、フェース面23との交点に対応する位置をゴルフクラブヘッドの中心位置という。
ゴルフクラブヘッド20を、通常のアドレス状態で地面に設置した状態では、フェース面23のエッジライン58と、第1部分24とフェース部22との接合線54との、上記幅Wと平行な方向の距離D(図2(a)参照)は、20mm以下となっている。距離Dは、詳しくは、ゴルフクラブヘッドを通常のアドレス状態で地面に設置した際、このゴルフクラブヘッドのフェース面の中心位置を通り、フェース面および地面に垂直な平面と、第1部分24のクラウン側の表面との交線に沿った距離であり、この交線とフェース面23のエッジライン58(のクラウン部に対応する部分)との交点である上端点66と、この交線と接合線54との交点68との間の距離である。ゴルフクラブヘッド20では、フェース面23のエッジライン58と接合線54とは、略平行となっている。このようなゴルフクラブヘッドでは、ゴルフクラブヘッドの任意の部分における、フェース面23のエッジライン58と、第1部分24とフェース部22との接合線54との、上記幅Wと平行な方向の距離によって、上記距離Dを代用してよい。フェース面23のエッジライン58と接合線54とが略平行でない場合など、上述のように、上端点66と交点68との間の距離を距離Dとすればよい。
なお、フェース面からクラウン部にかけて、表面が滑らかに湾曲しているゴルフクラブヘッドなどでは、フェース面のエッジラインのクラウン部に対応する部分が明確でない場合がある。この場合、通常のアドレス状態でゴルフクラブを地面に設置し、ゴルフクラブのフェース面の側から、フェース面と垂直な方向に規定平面を移動させて、この規定平面をゴルフクラブヘッドに当接させた際、この規定平面と接するゴルフクラブ上の点を上記の上端点として規定すればよい。なお、ここでの規定平面とは、地面との成す角が45°の平面であって、その法線ベクトルが、フェース面および地面のいずれとも垂直な平面に含まれる平面である。距離Dが20mm以下となっていることで、充分な飛翔特性のゴルフクラブとすることができる。
なお、ゴルフクラブヘッド20では、クラウン部32において、幅Wはトウ側からヒール側にかけて緩やかに増減している。すなわち、第1部分24と第2部分26との接合線52は、緩やかな曲線となっており、クラウン部32における幅Wの最大値Wは、上記交線上における幅Wと略等しい。クラウン部32において、この接合線52に、例えばゴルフクラブの後方に向けて突出した極端な凸部や、ゴルフクラブの前方に向けて突出した極端な凹部がある場合など、上記交線における上記幅Wを幅W1として代用できる。
なお、第1部分24は、チタン合金であることが好ましい。第1部分24は、例えば、15−5−3β型チタン合金(組成:Ti−15Mo−5Zr−3Al)が、鍛造成型されることで形成されている。第1部分24として、軽くて高強度なチタン合金を用い、かつこのチタン合金を鍛造成型により薄肉化することで、ゴルフクラブヘッド20全体の重量を比較的低くしつつ、高い耐久性のゴルフクラブヘッドを得ることができる。
なお、15−5−3β型チタン合金(組成:Ti−15Mo−5Zr−3Al)を、第1部分24の材料として用いた場合、弾性率(ヤング率)は、約80〜115Gpaである。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の弾性率(ヤング率)は、40GPa以上105GPa以下であることが好ましい。第2部分を、第1部分よりも弾性率が高い部材で形成した場合、第1部分24のヤング率がこの範囲を満たしていれば、ゴルフボールの飛翔特性、およびゴルフボールを打撃した際にゴルファが感じる打感を、比較的良好にすることができる。本明細書において、弾性率は、JISZ2202に準拠した測定方法によって得られる値である。また、公知の共振法によっても、上記測定方法と同様の値が得られ、この共振法によって求めた値を弾性率の値として代用することもできる。
第1部分24に好適な材料としては、例えば、15−3−3−3β型チタン合金(組成:Ti−15V−3Cr−3Sn−3Al)、TVCβ型チタン合金(組成:Ti−13V−9.5Cr−3Al)、15−0−3β型チタン合金(組成:Ti−15Mo−3Al)などが挙げられる。
図3は、本発明の第2の実施形態のゴルフクラブヘッドの一例である、ゴルフクラブヘッド70について説明する概略側面図である。図3では、図2と同様の部分については、図2と同一符号を付して示している。第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70では、第1の実施形態のゴルフクラブヘッド20と同様、上記アドレスポジションで地面に設置した状態において、第1部分24と第2部分26との接合線52が、クラウン部32の側からソール部34の側に向かうにしたがって、フェース部22に近づく方向に傾斜している。
上記第1の実施形態では、トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35に対応する領域において、第1部分24は略四角形状であった。本発明において、トウ側サイド部およびヒール側サイド部に対応する領域において、第1部分24の形状は、三角形状となっている。すなわち、第2の実施形態では、トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35に対応する領域内で、第1部分24と第2部分26との接合線52が、フェース面23側のエッジライン54に接合している。第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様、ゴルフクラブヘッド70でゴルフボールをインパクトした際、第1部分24は、ソール部34の側に比べてクラウン部32の側の方が、より大きく変形する。これにより、幅Wがサイド部24全体において一様な場合に比べて、ゴルフボールの打ち出し角をより向上させるとともに、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させる、すなわち、ゴルフボールの飛翔特性をより向上させることができる。
また、第2の実施形態のゴルフクラブヘッド70では、図3に示すように、ゴルフクラブヘッド70を、通常のアドレスポジションで地面に設置した状態において、第1部分24のサイド部34(トウ側サイド部33、およびヒール側サイド部35)に対応する領域の地面からの距離Hと、ゴルフクラブヘッド70全体の地面からの高さFは、H/F≦0.3を満たしている。ここで、第1部分24のサイド部34に対応する領域の地面からの距離Hは、第1部分24の地面に最も近接した位置の地面からの距離のことである。
上記第1の実施形態および第2の実施形態において、第1部分24は、鍛造成型された金属板によって構成されている。本発明のゴルフクラブヘッドは、第2部分に比べて第1部分の弾性率が低ければよく、第1部分の材質や作製方法は、特に限定されない。例えば、第2部分を鋳造成型した金属とし、第1部分をFRPとしてもよい。ただし、第1部分は形状が単純で、鍛造成型によって容易に作製可能であり、金属板を鍛造成型して作製した方が、FRPで作製する場合に比べて工数が少なく、作製コストも低い。また、第1部分を鍛造成型によって作製した場合、第2部分やフェース部などと、溶接によって強固に接合できるため、ゴルフクラブヘッドの耐久性も比較的高くすることができる。
本発明のゴルフクラブヘッドによれば、ゴルフクラブヘッドのフェース部の反発係数自体はそれほど高くなくとも、第1の部分の変形量を大きくすることで、ゴルフボールの打ち出し角をより向上させ、打ち出したゴルフボールのバックスピン量をより低減させることができる。本発明のゴルフクラブヘッドによれば、2008年から全面的に適用される反発規制ルール(SLEに関するルール、SLEとは「Spring Like Effect」、ばねのような効果)に規定される反発係数の範囲内であっても、この改正後の反発係数の範囲外(規定より高い反発係数)の従来のゴルフクラブヘッドよりも、より大きな飛距離とよりよい打感を得ることができる。
本発明は、基本的に以上のようなものである。以上、本発明のゴルフクラブヘッドおよびゴルフクラブについて詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変更をしてもよいのはもちろんである。
以下、本発明のゴルフクラブについての実験を実施した結果を、従来のゴルフクラブの例と比較して具体的に説明する。本実験例においては、まず、下記表1に示す複数の中空ゴルフクラブヘッド(実験例1〜実験例34および従来例1〜従来例2)について、打感、飛距離、および耐久性を評価項目として評価を行なった。表1には、各項目の評価結果を併せて示している。下記表1に示す打感および飛距離については、従来例1を基準(100)として、その相対的な数値で評価した。なお、下記表1に示す耐久性については、所定の基準値をクリアしたゴルフクラブヘッドについては100とし、所定の基準値をクリアしなかったゴルフクラブについては、この基準値を100とした相対的な数値で示している。
表1に示す実験例1〜実験例34および従来例1〜従来例2に示すゴルフクラブヘッドは、いずれも、中空ゴルフクラブヘッドである。実験例1〜実験例34に示すゴルフクラブヘッドは、いずれも、フェース体と、第1部分および第2部分とからなるヘッド本体とが接合されて構成されている。
なお、本実験例においては、横浜ゴム株式会社製 TRX−DUO M40(商品名)用のゴルフクラブシャフトを各ゴルフクラブヘッドに取り付けてゴルフクラブを作製し、以下に示す試験を行った。このゴルフクラブの長さは、45インチである。また、本実験例の各試験は、特に断りがないかぎり、ゴルフボールには、横浜ゴム社製TRX(商品名)ボールを用いた。
下記表1に示す耐久性は、エアーキャノン試験機を用いて、ゴルフボールを50m/秒の速度で実験例および従来例の各ゴルフクラブヘッドのフェース部の中心部に衝突させて、破壊するまでの打球数を測定した。ゴルフボールを衝突させる回数(打球数)の上限は5000回として、5000回衝突させても故障が生じなかった場合、耐久性が100とし、5000回打球するまでに故障が生じた場合、故障するまでの打球数の相対な数値で耐久性を示している。
下記表1に示す飛距離については、各実験例および従来例のゴルフクラブについて、ヘッドスピードが34〜50(m/秒)の範囲のアマチュアゴルファとプロゴルファとの合計100人の各人に各10球ずつ打撃して得られた平均値である。
下記表1に示す打感については、複数のゴルファに試打させて評価した。評価方法としては、各人に、実験例および他の従来例の打感について点数を付けてもらい、その平均値を求めた。その平均値について、従来例1を基準(100)として、その相対的な数値で示しており、数値が高いほど打感がよい。
Figure 0004760320
上記表1において、第1部分のパーツ数とは、第1部分を構成する部材の数である。第1部分のパーツ数が1パーツであるということは、第1部分が、サイド部のトウ側から、クラウン部を通って、サイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることをいう。また、第1部分のパーツ数が3パーツであるということは、第1部分が、サイド部のトウ側のパーツ、クラウン部のパーツ、およびサイド部のヒール側のパーツ、の3つのパーツによって構成されていることをいう。第1部分のパーツ数が3パーツの場合、各パーツは溶接接合されている。
実験例1〜実験例33に示すゴルフクラブヘッドの第1部分は、いずれも15−5−3β型チタン合金(組成:Ti−15Mo−5Zr−3Al)が鍛造成型されて作製されている。また、実験例1〜実験例34に示すゴルフクラブヘッドは、外殻形状が略同一で、上記長さL(図2参照)が100mmであり、上記高さF(図2および図3参照)が60mmである。
これに対し、従来例1に示すゴルフクラブヘッドでは、全体が鋳造成型によって作製されている。鍛造成型では、薄肉化が困難であり、また、ヤング率が比較的大きな材料を用いる必要がある。鋳造成型では、上記クラウン部の中央位置Xにおける厚さは0.8mmと比較的厚く、クラウン部の弾性率は115GPaと比較的大きくなっている。
また、従来例2に示すゴルフクラブヘッドでは、クラウン部のみを鍛造成型のみによって作製し、クラウン部以外を鋳造成型によって作製している。すなわち、従来例2に示すゴルフクラブヘッドは、上記特許文献1または特許文献2に記載のゴルフクラブヘッドに対応しており、比較的弾性率が低いクラウン部が、比較的弾性率が高いサイド部と溶接接合されて構成されている。従来例2に示すゴルフクラブヘッドでは、クラウン部とサイド部との稜線の近傍に、ゴルフクラブヘッドの前方端から後方端に延在した溶接部が存在している。表1に示すように、上記の評価方法に基づいた本実験例における評価では、従来例2に示すゴルフクラブヘッドは、従来例1に示す全体が鋳造成型によって作製されたゴルフクラブヘッドに比べて、打感、飛距離、耐久性のいずれにも、有意な効果は確認できなかった。
実験例1〜実験例31は、いずれも、第1部分が鍛造成型によって作製され、また、第2部分が鋳造成型によって作製されている。また、実験例32および実験例33に示すゴルフクラブヘッドは、第1部分および第2部分が、いずれも鍛造成型によって作製されている。実験例32および実験例33に示すゴルフクラブヘッドは、第2部分の材料がKS120チタンであり、この第2部分の弾性率は115GPaと、第1部分の弾性率に比べて高くなっている。実験例34に示すゴルフクラブヘッドは、第1部分の材料がCFRPであり、第2部分が鋳造成型によって作製されている。なお、実験例34に示す第1部分のCFRPは、東レ製P3252S−20、0度/90度/0度/0度/90度/0度、の6プライであり、厚さは1.14mm、弾性率(ヤング率)は55GPaである。
まず、実験例1〜実験例31に示すゴルフクラブヘッドについて検討する。実験例1〜実験例25に示すゴルフクラブヘッドは、上記第1の実施形態のゴルフクラブヘッドに対応している。実験例26〜実験例30に示すゴルフクラブヘッドは、上記第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと、上記幅W、幅Wおよび幅Wが略等しくなっている点で相違している。また、実験例31に示すゴルフクラブヘッドは、上記第1の実施形態のゴルフクラブヘッドと、上記幅Wの方が、幅Wおよび幅Wよりも大きい点で相違している。
実験例1に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部における上記幅Wが50mmでありW/Lが50%である。また、上記距離Dは12mmである。また、サイド部において、上記幅W/Lおよび上記幅W/Lがいずれも20%(上記幅Wおよび上記幅Wがいずれも20mm)であり、((W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))が、いずれも30%となっており、クラウン部からソール部に近づくにつれて、トウ側およびヒール側とも、第1部分の幅は減少している。また、クラウンの中央位置Xにおける、鍛造成型された金属層の厚みは0.5mmであり、この金属層の弾性率は80GPaである。このような実験例1のゴルフクラブヘッドによれば、打感、飛距離のいずれとも従来例に示すゴルフクラブヘッドに比べて大幅に向上しており、耐久性も充分である。
実験例2〜実験例6に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、クラウン部の弾性率の値が相違している。実験例2に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が70GPaとなっている。実験例2に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドと略同等で、耐久性も充分である。実験例3に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が45GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が著しく低い。実験例3に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっている。また、実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が110GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が著しく高い。実験例4に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっている。
また、実験例5に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が55GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が低い。実験例5に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例3に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の弾性率は、50Gpa以上であることが好ましい。また、実験例6に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が100GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が高い。実験例6に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例4に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の弾性率は、105Gpa以下であることが好ましい。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の弾性率は、50Gpa〜105Gpaであることが好ましい。
実験例7〜実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、クラウン部の中央位置Xにおける金属層の厚みが相違している。実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.35mmとなっている。実験例7に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、打感については低下しているが、飛距離については向上している。実験例5に示すゴルフクラブヘッドも、ゴルファに好適なゴルフクラブといえる。実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.2mmと極度に薄くなっている。実験例8に示すゴルフクラブヘッドでは、打感および飛距離が、双方とも著しく低下している。また、耐久性についても著しく低下している。実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.8mmと極度に厚くなっている。実験例9に示すゴルフクラブヘッドでは、打感および飛距離が、双方とも著しく低下している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、クラウン部の中央位置Xにおける金属層の厚みが、0.3〜0.7mmであることが好ましい。
実験例10〜実験例13に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、上記W/Lの値が相違している。実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、上記W/Lが80%(W=80mm)と極端に大きくなっている。実験例10に示すゴルフクラブヘッドでは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は劣る。実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、W/Lが20%(W=20mm)と極端に小さい。実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は劣る。
また、実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが70%(W=70mm)と、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べてW/Lの値が大きい。実験例12に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例10に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドではWは、ゴルフクラブヘッド全体の前後方向の長さ(L=100mm)の75%以下であることが好ましい。また、実験例13に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが30%(W=30mm)と、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べてW/Lの値が小さい。実験例13に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例11に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドでは、Wは、ゴルフクラブヘッド全体の前後方向の長さ(L=100mm)の25%以上であることが好ましい。本発明のゴルフクラブヘッドでは、Wは、ゴルフクラブヘッド全体の前後方向の長さL(本実施例では、L=100mm)の25%〜75%であることが好ましい。
実験例14〜実験例17に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、上記((W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))の値が相違している。実験例14に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、上記((W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))が5%と極端に小さくなっている。実験例14に示すゴルフクラブヘッドでは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は劣る。実験例15に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、((W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))が65%と極端に大きい。実験例15に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は劣る。
また、実験例16示すゴルフクラブヘッドは、(W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))が15%と、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて小さい。実験例16に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例14に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドでは((W/L)−(W/L))が10%以上であることが好ましい。同様に、((W/L)−(W/L))が10%以上であることが好ましい。
また、実験例17に示すゴルフクラブヘッドは((W/L)−(W/L))および((W/L)−(W/L))が55%と、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて大きい。実験例17に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっているが、実験例15に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離ともに良好である。本発明のゴルフクラブヘッドでは、((W/L)−(W/L))が60%以下であることが好ましい。同様に、((W/L)−(W/L))が60%以下であることが好ましい。本発明のゴルフクラブヘッドでは、((W/L)−(W/L))が10%〜60%であることが好ましい。また、同様に((W/L)−(W/L))が10%〜60%であることが好ましい。
実験例18に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、第1部分のパーツ数が3パーツである点で相違している。実験例18に示すゴルフクラブヘッドでは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分が、サイド部のトウ側から、クラウン部を通って、サイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることが好ましい。
実験例19〜実験例23に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、上記距離Dの値が相違している。実験例19に示すゴルフクラブヘッドは、距離Dが7.0mmとなっている。
実験例19に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が同等である(若干であるが向上している)。実験例20に示すゴルフクラブヘッドは、距離Dが15mmとなっている。実験例20に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が多少劣っているが、従来例1および2の双方に比べて向上しており、それぞれ充分な性能を有している。実験例21に示すゴルフクラブヘッドは、距離Dが18mmとなっている。実験例21に示すゴルフクラブヘッドでも、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が多少劣っているが、充分な性能を有している。実験例22に示すゴルフクラブヘッドは、距離Dが3.0mmであり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べて距離Dが小さい。実験例22に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離、耐久性が低下しているが、充分な性能を有している。また、実験例23に示すゴルフクラブヘッドは、距離Dが22mmであり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べて距離Dが大幅に大きい。実験例23に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べた場合、打感および飛距離の双方が低下している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、距離Dは、20mm以下であることが好ましい。
実験例24および実験例25に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、上記幅Wと幅Wとが異なっている点で相違している。実験例24および実験例25に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べた場合、打感、飛距離が若干低下しているが、充分な性能を有している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、幅Wと幅Wとは略等しいことが好ましい。
実験例26〜実験例29に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、上記幅W、幅Wおよび幅Wが略等しくなっている点で相違している。実験例26に示すゴルフクラブヘッドは、上記幅W、幅Wおよび幅Wが実験例1と同様50mmである。実験例27〜実験例29に示すゴルフクラブヘッドは、実験例26に示すゴルフクラブヘッドと比較して、幅W(W=W=W)の値が異なっている。実験例27に示すゴルフクラブヘッドは、幅Wが30mmであり、実験例26に示すゴルフクラブヘッドと比べて幅Wが小さい。また、実験例28に示すゴルフクラブヘッドは、幅Wが70mmであり、実験例26に示すゴルフクラブヘッドと比べて幅Wが大きい。また、実験例29に示すゴルフクラブヘッドは、幅Wが80mmであり、実験例26に示すゴルフクラブヘッドと比べて幅Wが大きい。実験例26〜実験例29に示すゴルフクラブヘッドでは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、飛距離が若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の幅Wが、クラウン部の側からサイド部の側に近づくにしたがって、減少することが好ましい。
また、実験例30に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、、上記幅W、幅Wおよび幅Wが略等しくなっており、また、第1部分のパーツ数が3パーツである点でも相違している。実験例30に示すゴルフクラブヘッドでも、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分の幅Wがクラウン部の側からサイド部の側に近づくにしたがって減少することが好ましく、かつ、第1部分が、サイド部のトウ側からクラウン部を通ってサイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることが好ましい。
実験例31に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、上記幅Wに比べて、幅Wおよび幅Wが大きくなっている点で相違している。実験例31に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分が、サイド部のトウ側から、クラウン部を通って、サイド部のヒール側に至るまで、第1部分の幅Wが、クラウン部の側からサイド部の側に近づくにしたがって減少することが好ましい。
また、実験例32および実験例33に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、第1部分および第2部分がいずれも鍛造成型によって作製されている点で相違している。実験例32に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分が鍛造成型によって作製されており、第2部分が鋳造成型によって作製されていることが好ましい。
また、実験例34に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対して、第1部分の材料がCFRPであり、第2部分が鋳造成型によって作製されている点で相違している。実験例34に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、多少、打感が柔らかいといった評価結果が多かった。
本実験例においては、また、下記表2に示す複数の中空ゴルフクラブヘッド(実験例1〜実験例16、および従来例1)について、耐久性、飛距離、打感を評価項目として、評価を行なった。表2には、各項目の評価結果を併せて示している。下記表2に示す各評価項目は、上記表1の場合と同様の測定条件によって得られた、上記表1と同様の数値である。実験例1〜実験例16、および従来例1に示すゴルフクラブヘッドはいずれも、中空ゴルフクラブヘッドであり、フェース体と、第1部分および第2部分とからなるヘッド本体とが接合されて構成されている。下記表2の実験例1〜実験例15に示すゴルフクラブヘッドは、いずれも、第1部分が鍛造成型によって作製され、また、第2部分が鋳造成型によって作製されている。下記表2の実験例16に示すゴルフクラブヘッドは、第1部分および第2部分が、いずれも鍛造成型によって作製されている。
Figure 0004760320
表2において、実験例1〜実験例16に示すゴルフクラブヘッドの第1部分は、いずれも15−5−3β型チタン合金(組成:Ti−15Mo−5Zr−3Al)が鍛造成型されて作製されている。また、実験例1〜実験例16に示すゴルフクラブヘッドは、表1に示す各実験例のゴルフクラブヘッドと外殻形状が略同一である。すなわち、上記長さL(図3参照)が100mmであり、上記高さF(図2および図3参照)が60mmである。また、表2の従来例1に示すゴルフクラブヘッドは、表1の従来例1に示すゴルフクラブヘッドと同一のゴルフクラブヘッドである。
実験例1〜実験例15に示すゴルフクラブヘッドは、上記第2の実施形態のゴルフクラブヘッドに対応している。実験例1に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部における上記幅Wが50mm、上記距離Dが12mmとなっている。また、サイド部において、上記W/Lが50%(幅Wが50mm)となっており、上記幅W/Lおよび幅W/Lが10%(幅Wおよび幅Wが10mm)となっている。なお、上記H/Fの値が0.15となっている。また、クラウンの中央位置Xにおける、鍛造成型された金属層の厚みは0.5mmであり、この金属層の弾性率は80GPaである。このような実験例1のゴルフクラブヘッドによれば、打感、飛距離のいずれとも従来例に示すゴルフクラブヘッドに比べて大幅に向上しており、耐久性も充分である。
実験例2〜実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、クラウン部の弾性率の値が相違している。実験例2に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が70GPaとなっている。実験例2に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドと略同等で、耐久性も充分である。実験例3に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が45GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が著しく低い。実験例3に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっている。また、実験例4に示すゴルフクラブヘッドは、クラウン部の弾性率の値が110GPaと、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて弾性率の値が著しく高い。実験例4に示すゴルフクラブヘッドでは、打感、飛距離のいずれとも実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低くなっている。本発明のゴルフクラブヘッドでは、第1部分の弾性率は、50Gpa〜105Gpaであることが好ましい。
実験例5〜実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、クラウン部の中央位置Xにおける金属層の厚みが相違している。実験例5に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.35mmとなっている。実験例5に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較して、打感については低下しているが、飛距離については向上している。実験例5に示すゴルフクラブヘッドも、ゴルファに好適なゴルフクラブといえる。実験例6に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.2mmと極度に薄くなっている。実験例6に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が双方とも著しく低下している。また、耐久性についても著しく低下している。実験例7に示すゴルフクラブヘッドは、金属層の厚みが0.8mmと極度に厚くなっている。実験例7に示すゴルフクラブヘッドでは、打感および飛距離が、双方とも著しく低下している。本発明のゴルフクラブヘッドでは、クラウン部の中央位置Xにおける金属層の厚みが、0.3〜0.7mmであることが好ましい。
実験例8〜実験例11に示す各ゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、上記W/Lの値が相違している。実験例8に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが30%(W=30mm)であり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べてW/Lが小さい。また、実験例10に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが70%(W=70mm)であり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べてW/Lが大きい。実験例8および実験例10とも、打感および飛距離の双方が、実験例1に比べて劣っているが、従来例1に対しては大幅に向上しており、充分な性能を有している。
実験例9に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが20%(W=20mm)であり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べて幅Wが小さい。また、実験例11に示すゴルフクラブヘッドは、W/Lが80%(W=80mm)であり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比べてW/Lが大きい。実験例9および実験例11とも、打感および飛距離の双方が、実験例1に比べて劣っており、特に飛距離は従来例1と同等程度になっている。本発明のゴルフクラブヘッドでは、Wは、ゴルフクラブヘッド全体の前後方向の長さL(本実施例では、L=100mm)の25%〜75%であることが好ましい。
実験例12に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、第1部分のパーツ数が3パーツである点で相違している。実験例12に示すゴルフクラブヘッドでは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分が、サイド部のトウ側から、クラウン部を通って、サイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることが好ましい。
実験例13〜実験例15に示す各ゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、幅Wおよび幅Wの値が相違している。なお、それにともない、H/Fの値が相違している。実験例13に示すゴルフクラブヘッドは、幅Wおよび幅Wはいずれも0であり、H/Fの値が0.3である。実験例13に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が低下しているが、低下の程度は非常に小さい。また、実験例14に示すゴルフクラブヘッドは、H/Fの値が0であり、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて低下している。実験例14に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感は若干低下しているが、飛距離は若干向上している。これに対し、実験例15に示すゴルフクラブヘッドは、幅Wおよび幅Wはいずれも0であり、H/Fの値が0.5である。実験例15に示すゴルフクラブヘッドでは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに比べて、打感および飛距離が大幅に低下している。
実験例16に示すゴルフクラブヘッドは、実験例1に示すゴルフクラブヘッドに対し、第1部分および第2部分が、いずれも鍛造成型によって作製されている点で相違している。実験例16に示すゴルフクラブヘッドは、従来例に示すゴルフクラブヘッドに対しては、打感および飛距離とも大きく上昇している。ただし、実験例1に示すゴルフクラブヘッドと比較すると、打感および飛距離は若干劣る。本発明のゴルフクラブヘッドは、第1部分が鍛造成型によって作製されており、第2部分が鋳造成型によって作製されていることが好ましい。
本発明の第1の実施形態に係るゴルフクラブヘッドを備えて構成される、ゴルフクラブを示す分解斜視図である。 (a)〜(d)は、図1に示すゴルフクラブヘッドを説明する図であり、(a)は、図1に示すゴルフクラブヘッド20をクラウン部の側から見た上面図であり、(b)は、図1に示すゴルフクラブヘッドをトウ側からみた側面図であり、(c)は、図1に示すゴルフクラブヘッドをヒール側からみた側面図であり、(d)は、図1に示すゴルフクラブヘッドをフェース部の側から見た正面図である。 本発明の第2の実施形態に係るゴルフクラブヘッドの一例の、概略側面図である。
符号の説明
10 ゴルフクラブ
20、70 ゴルフクラブヘッド
21 ヘッド本体
22 フェース体(フェース部)
23 フェース面
24 第1パーツ(第1部分)
25 板状部
26 第2パーツ(第2部分)
27 突出部
28 ネック体(ホーゼル部)
29 開口部
32 クラウン部
33 トウ側サイド部
34 サイド部
35 ヒール側サイド部
36 ソール部
37 バック側サイド部
52、54 接合線
56 稜線
58 エッジライン
60 ゴルフクラブシャフト
62 ソケット
64 開口部
66 上端点
68 交点

Claims (11)

  1. ゴルフボールを打撃するフェース面を備える、中空構造のゴルフクラブヘッドであって、
    前記フェース面を備える略板状のフェース体と、前記フェース体と接合されて、ゴルフクラブヘッドのクラウン部、ソール部、およびサイド部とをなすヘッド本体と、前記フェース体及び前記ヘッド本体から突出したネック体と、を有し、
    前記ヘッド本体は、少なくとも前記クラウン部の一部および前記サイド部の一部をなす第1部分と、前記第1部分に比べて弾性率が高い、少なくとも前記ソール部および前記サイド部の他の部をなす第2部分とからなり、
    前記ネック体は、前記フェース体に直接接合されると共に、前記第1部分に直接接合され、
    前記ヘッド本体の前記フェースとの接合端は、前記第1部分の端部と前記第2部分の端部とで構成されており、前記第1部分の端部が、前記接合端のクラウン部に対応する領域全体から前記サイド部に対応する領域まで延在しており、
    前記クラウン部における前記第1部分と前記第2部分との接合部を示す接合線は、前記ヘッド本体の後方に凸な緩やかな曲線をとることを特徴とするゴルフクラブヘッド。
  2. 前記第1部分の前記サイド部に対応する領域の、前記ゴルフクラブヘッドにおける前後方向の幅が、前記クラウン部の側から前記ソール部の側に近づくにしたがい、徐々に減少していることを特徴とする請求項1記載のゴルフクラブヘッド。
  3. 前記第1部分は、鍛造成型された金属部材からなり、かつ、前記第2部分は、鋳造成型された金属部材からなることを特徴とする請求項1または2記載のゴルフクラブヘッド。
  4. 前記第1部分および前記第2部分は、いずれもチタンを主成分とする金属であることを特徴とする請求項3に記載のゴルフクラブヘッド。
  5. 前記第1部分は、前記サイド部のトウ側から、前記クラウン部を通り、前記サイド部のヒール側に至るまで、1つの部材が連続して一体に構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  6. 前記第1部分の前記サイド部に対応する領域の前記前後方向の幅は、前記ゴルフクラブヘッド全体の前記前後方向の長さの25%〜75%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  7. 前記ゴルフクラブヘッドを、通常のアドレスポジションで地面に設置した状態における前記ゴルフクラブヘッド全体の地面からの高さをFとした際、
    前記ゴルフクラブヘッド全体の前記前後方向の長さL、
    前記第1部分の前記クラウン部に対応する領域の前記前後方向の幅W
    地面から0.3Fだけ離間した位置における、前記第1部分の前記トウ側のサイド部に対応する領域の前記前後方向の幅W
    地面から0.3Fだけ離間した位置における、前記第1部分の前記ヒール側のサイド部に対応する領域の前記前後方向の幅Wが、
    下記式(1)または下記式(2)の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
    0.1≦((W/L)−(W/L))≦0.6 ・・・(1)
    0.1≦((W/L)−(W/L))≦0.6 ・・・(2)
  8. 前記第1部分は、前記クラウン部に対応する領域の中心位置の肉厚が、0.3〜0.7mmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  9. 前記第1部分と前記第2部分との接合部の前記フェース面からの距離は、20mm以下であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  10. 前記第1部分の弾性率は、50Gpa〜105Gpaであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のゴルフクラブヘッド。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載のゴルフクラブヘッドを備えて構成されていることを特徴とするゴルフクラブ。
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