以下、添付図面を参照して本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態における画像処理機能を有する撮像装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態においては、撮像装置としてデジタルカメラを例にとって説明する。なお撮像装置としては、他にデジタルビデオカメラ、カメラ付き携帯端末(カメラ付き携帯電話を含む)、スキャナ等があり、被写体光学像を変換して電気的な画像信号を出力可能なものであれば、本発明を適用することが可能である。
図1に示すように、本実施の形態の撮像装置は、主にカメラ本体100と、交換レンズタイプのレンズユニット300により構成されている。
レンズユニット300において、310は複数のレンズから成る撮像レンズ、312は絞り、306は、レンズユニット300をカメラ本体100と機械的に結合するレンズマウントである。レンズマウント306内には、レンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続する各種機能が含まれている。320は、レンズマウント306において、レンズユニット300をカメラ本体100と接続するためのインターフェース、322はレンズユニット300をカメラ本体100と電気的に接続するコネクタである。
コネクタ322は、カメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給されるあるいは供給する機能も備えている。また、コネクタ322は電気通信のみならず、光通信、音声通信などを伝達する構成としても良い。
340は測光制御部46からの測光情報に基づいて、後述するカメラ本体100のシャッター12を制御するシャッター制御部40と連携しながら、絞り312を制御する絞り制御部である。342は撮像レンズ310のフォーカシングを制御するフォーカス制御部、344は撮像レンズ310のズーミングを制御するズーム制御部である。
350はレンズユニット300全体を制御するレンズシステム制御回路である。レンズシステム制御回路350は、動作用の定数、変数、プログラムなどを記憶するメモリを備えている。更に、レンズユニット300固有の番号などの識別情報、管理情報、開放絞り値や最小絞り値、焦点距離などの機能情報、現在や過去の各設定値などを保持する不揮発メモリも備えている。
次に、カメラ本体100の構成について説明する。
106はカメラ本体100とレンズユニット300を機械的に結合するレンズマウント、130、132はミラーで、撮像レンズ310に入射した光線を一眼レフ方式によって光学ファインダー104に導く。なお、ミラー130はクイックリターンミラーの構成としても、ハーフミラーの構成としても、どちらでも構わない。12は絞り機能を備えるシャッター、14は入射光を電気信号に変換する撮像素子であり、本実施の形態では撮像素子14として、図9を参照して上述したCCD501と同様の構成を有するものとする。撮像レンズ310に入射した光線は、一眼レフ方式によって光量制限手段である絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、シャッター12を介して導かれ、光学像として撮像素子14上に結像する。
16は、撮像素子14から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器である。撮像素子14及びA/D変換器16はアナログ信号を処理する領域である。18は撮像素子14、A/D変換器16、D/A変換器26にそれぞれクロック信号や制御信号を供給するタイミング発生回路であり、メモリ制御回路22及びシステム制御回路50により制御される。
20は画像処理回路であり、A/D変換器16からのデータ或いはメモリ制御回路22からのデータに対して所定の画素補間処理や色変換処理を行う。また、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてシステム制御回路50がシャッター制御部40、焦点調節部42を制御するための、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のオートフォーカス(AF)処理、自動露出(AE)処理、フラッシュ調光(EF)処理を行っている。さらに、画像処理回路20は、A/D変換器16から出力される画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のオートホワイトバランス(AWB)処理も行っている。
なお、本実施の形態における図1に示す例では、焦点調節部42及び測光制御部46を専用に備えている。従って、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、画像処理回路20を用いたAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行わない構成としても構わない。また、焦点調節部42及び測光制御部46を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行い、さらに、画像処理回路20を用いてAF処理、AE処理、EF処理の各処理を行う構成としてもよい。
22はメモリ制御回路であり、A/D変換器16、タイミング発生回路18、画像処理回路20、画像表示メモリ24、D/A変換器26、メモリ30、圧縮・伸長回路32を制御する。A/D変換器16から出力される画像データは、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはメモリ制御回路22のみを介して、画像表示メモリ24或いはメモリ30に書き込まれる。
24は画像表示メモリ、26はD/A変換器、28はTFT方式のLCD等から成る画像表示部であり、画像表示メモリ24に書き込まれた表示用の画像データはD/A変換器26を介して画像表示部28により表示される。画像表示部28を用いて、撮像した画像データを逐次表示することで、電子ビューファインダー(EVF)機能を実現することができる。また、画像表示部28は、システム制御回路50の指示により任意に表示をON/OFFすることが可能であり、表示をOFFにした場合にはカメラ本体100の電力消費を大幅に低減することができる。
30は撮影した静止画像や動画像を格納するためのメモリであり、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像を格納するのに十分な記憶容量を備えている。これにより、複数枚の静止画像を連続して撮影する連写撮影やパノラマ撮影の場合にも、高速かつ大量の画像書き込みをメモリ30に対して行うことが可能となる。また、メモリ30はシステム制御回路50の作業領域としても使用することが可能である。
32は適応離散コサイン変換(ADCT)等、公知の圧縮方法を用いて画像データを圧縮・伸長する圧縮・伸長回路である。圧縮・伸長回路32は、メモリ30に格納された画像を読み込んで圧縮処理或いは伸長処理を行い、処理を終えたデータを再びメモリ30に書き込む。
40はシャッター制御部であり、測光制御部46からの測光情報に基づいて絞り312を制御する絞り制御部340と連携しながらシャッター12を制御する。42はAF(オートフォーカス)処理を行うための焦点調節部である。レンズユニット300内の撮像レンズ310に入射した光線を絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130及び焦点調節用サブミラー(図示せず)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の合焦状態を測定する。
46はAE(自動露出)処理を行うための測光制御部である。レンズユニット300内の撮像レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130及び測光用サブミラー(不図示)を介して一眼レフ方式で入射することにより、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。48はフラッシュであり、AF補助光の投光機能、フラッシュ調光機能も有する。測光制御部46はフラッシュ48と連携することにより、EF処理機能も有する。
なお、前述したように、A/D変換器16からの画像データを用いて画像処理回路20により演算された演算結果に基づいて露出制御及びAF制御を行っても良い。その場合、システム制御回路50がシャッター制御部40、絞り制御部340、フォーカス制御部342に対し、ビデオTTL方式を用いた露出制御及びAF制御を行うことが可能である。
また、焦点調節部42による測定結果と、A/D変換器16からの画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて、AF制御を行うようにしてもよい。さらに、測光制御部46による測定結果と、A/D変換器16からの画像データを画像処理回路20によって演算した演算結果とを用いて露出制御を行うようにしてもよい。
50はカメラ本体100全体を制御するシステム制御回路であり、周知のCPUなどを内蔵する。52はシステム制御回路50の動作用の定数、変数、プログラム等を記憶するメモリである。
54はシステム制御回路50でのプログラムの実行に応じて、文字、画像、音声などを用いて動作状態やメッセージなどを外部に通知するための通知部である。通知部54としては、例えばLCDやLEDなどによる視覚的な表示を行う表示部や音声による通知を行う発音素子などが用いられるが、これらのうち1つ以上の組み合わせにより構成される。特に、表示部の場合には、カメラ本体100の操作部70近辺の、視認しやすい、単数あるいは複数箇所に設置されている。また、通知部54は、その一部の機能が光学ファインダー104内に設置されている。
通知部54の表示内容の内、LCDなどに表示するものとしては以下のものがある。まず、単写/連写撮影表示、セルフタイマ表示等、撮影モードに関する表示がある。また、圧縮率表示、記録画素数表示、記録枚数表示、残撮影可能枚数表示等の記録に関する表示がある。また、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、フラッシュ表示、赤目緩和表示等の撮影条件に関する表示がある。その他に、マクロ撮影表示、ブザー設定表示、時計用電池残量表示、電池残量表示、エラー表示、複数桁の数字による情報表示、記録媒体200及び210の着脱状態表示がある。更に、レンズユニット300の着脱状態表示、通信I/F動作表示、日付・時刻表示、外部コンピュータとの接続状態を示す表示等も行われる。
また、通知部54の表示内容のうち、光学ファインダー104内に表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、シャッタースピード表示、絞り値表示、露出補正表示、記録媒体書き込み動作表示等である。
さらに、通知部54の表示内容のうち、LED等により表示するものとしては、例えば、以下のものがある。合焦表示、撮影準備完了表示、手振れ警告表示、フラッシュ充電表示、フラッシュ充電完了表示、記録媒体書き込み動作表示、マクロ撮影設定通知表示、二次電池充電表示等である。
また、通知部54の表示内容のうち、ランプ等に表示するものとしては、例えば、セルフタイマ通知ランプ等がある。このセルフタイマ通知ランプはAF補助光と共用してもよい。
56は後述するプログラムなどが格納された電気的に消去・記録可能な不揮発性メモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。この不揮発性メモリ56には、各種パラメータやISO感度などの設定値等が格納される。
60、62、64、66及び70は、システム制御回路50の各種の動作指示を入力するための操作手段であり、スイッチやダイアル、タッチパネル、視線検知によるポインティング、音声認識装置等の単数或いは複数の組み合わせで構成される。
ここで、これらの操作手段の具体的な説明を行う。
60はモードダイアルスイッチで、静止画撮影モードと動画撮影モードの動作の始動を区別して行うためのモード切替えスイッチである。
62はシャッタースイッチSW1で、不図示のシャッターボタンの操作途中(例えば半押し)でONとなり、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の動作開始を指示する。
64はシャッタースイッチSW2で、不図示のシャッターボタンの操作完了(例えば全押し)でONとなり、露光処理、現像処理、及び記録処理からなる一連の処理の動作開始を指示する。まず、露光処理では、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像データをメモリ30に書き込み、更に、画像処理回路20やメモリ制御回路22での演算を用いた現像処理が行われる。更に、記録処理では、メモリ30から画像データを読み出し、圧縮・伸長回路で圧縮を行い、記録媒体200あるいは210に画像データを書き込む。
66は再生スイッチであり、撮影モード状態で撮影した画像をメモリ30あるいは記録媒体200、210から読み出して画像表示部28に表示する再生動作の開始を指示する。
70は各種ボタンやタッチパネルなどから成る操作部である。一例として、メニューボタン、セットボタン、マクロボタン、マルチ画面再生改ページボタン、フラッシュ設定ボタン、単写/連写/セルフタイマー切り換えボタン、メニュー移動+(プラス)ボタン、メニュー移動‐(マイナス)ボタンを含む。更に、再生画像移動+(プラス)ボタン、再生画像移動‐(マイナス)ボタン、再生モード、マルチ画面再生・消去モード、PC接続モード等の各機能モードを設定することができる再生スイッチ撮影画質選択ボタンを含む。また、露出補正ボタン、日付/時間設定ボタンなども含む。なお、上記プラスボタン及びマイナスボタンの各機能は、回転ダイアルスイッチを備えることによって、より軽快に数値や機能を選択することが可能となる。また、撮像素子14あるいは画像処理回路20におけるゲインの設定を変更することによりISO感度を設定できるISO感度設定ボタンを含む。
他に、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の選択及び切り替えを設定する選択/切り替えボタン、パノラマモード等の撮影及び再生を実行する際に各種機能の決定及び実行を設定する決定/実行ボタンがある。また、画像表示部28のON/OFFを設定する画像表示ON/OFFスイッチ、撮影直後に撮影した画像データを自動再生するクイックレビュー機能を設定するクイックレビューON/OFFスイッチがある。また、JPEG圧縮の圧縮率を選択するため、あるいは撮像素子の信号をそのままディジタル化して記録媒体に記録するCCDRAWモードを選択するためのスイッチである圧縮モードスイッチがある。また、ワンショットAFモードとサーボAFモードとを設定可能なAFモード設定スイッチなどがある。ワンショットAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)を押した際にオートフォーカス動作を開始し、一旦合焦した場合、その合焦状態を保ち続ける。サーボAFモードでは、シャッタースイッチSW1(62)を押している間、連続してオートフォーカス動作を続ける。
72は電源スイッチであり、カメラ本体100の電源オン、電源オフの各モードを切り替え設定することができる。また、カメラ本体100に接続されたレンズユニット300、外部フラッシュ、記録媒体200、210等の各種付属装置の電源オン、電源オフの設定も合わせて切り替え設定可能である。
80は電源制御部で、電池検出回路、DC‐DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成されている。電源制御部80は、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行い、検出結果及びシステム制御回路50の指示に基づいてDC‐DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体を含む各部へ供給する。
82、84はコネクタ、86はアルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li‐ion電池、Liポリマー電池等の二次電池、ACアダプター等からなる電源部である。
90及び94はメモリカードやハードディスク等の記録媒体とのインタフェース、92及び96はメモリカードやハードディスク等の記録媒体と接続を行うコネクタである。98はコネクタ92及び/或いは96に記録媒体200或いは210が装着されているか否かを検知する記録媒体着脱検知回路である。
なお、本実施の形態では記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタを2系統持つものとして説明しているが、記録媒体を取り付けるインタフェース及びコネクタは、単数或いは複数、いずれの系統数を備える構成としても構わない。また、異なる規格のインタフェース及びコネクタを組み合わせて備える構成としても構わない。
インタフェース及びコネクタとしては、種々の記憶媒体の規格に準拠したものを用いて構成することが可能である。例えば、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)カードやCF(コンパクトフラッシュ(登録商標))カード、SDカード等である。インタフェース90及び94、そしてコネクタ92及び96をPCMCIAカードやCF(登録商標)カード等の規格に準拠したものを用いて構成した場合、各種通信カードを接続することができる。通信カードとしては、LANカードやモデムカード、USB(Universal Serial Bus)カード、IEEE(Institute of Electrical and Electronic Engineers)1394カードがある。他にも、P1284カード、SCSI(Small Computer System Interface)カード、PHS等がある。これら各種通信カードを接続することにより、他のコンピュータやプリンタ等の周辺機器との間で画像データや画像データに付属した管理情報を転送し合うことができる。
104は光学ファインダであり、撮像レンズ310に入射した光線を、一眼レフ方式によって、絞り312、レンズマウント306、106、ミラー130、132を介して導き、光学像として結像させて表示することができる。これにより、画像表示部28による電子ファインダー機能を使用すること無しに、光学ファインダーのみを用いて撮影を行うことが可能である。また、光学ファインダー104内には、通知部54の一部の機能、例えば、合焦状態、手振れ警告、フラッシュ充電、シャッタースピード、絞り値、露出補正などが表示される。
110は通信部で、RS232CやUSB、IEEE1394、P1284、SCSI、モデム、LAN、無線通信、等の各種通信機能を有する。112は通信部110によりカメラ本体100を他の機器と接続するコネクタ或いは無線通信の場合はアンテナである。
120はレンズマウント106内でカメラ本体100をレンズユニット300と接続するためのインターフェースである。
122はカメラ本体100をレンズユニット300と電気的に接続するコネクタである。また、レンズマウント106及び/またはコネクタ122にレンズユニット300が装着されているか否かは、不図示のレンズ着脱検知部により検知される。コネクタ122はカメラ本体100とレンズユニット300との間で制御信号、状態信号、データ信号などを伝え合うと共に、各種電圧の電流を供給する機能も備えている。また、コネクタ122は電気通信だけでなく、光通信、音声通信などを伝達する構成としてもよい。
200及び210はメモリカードやハードディスク等の記録媒体である。この記録媒体200及び210は、それぞれ、半導体メモリや磁気ディスク等から構成される記録部202及び212、カメラ本体100とのインタフェース204及び214、カメラ本体100と接続を行うコネクタ206及び216を備えている。
記録媒体200及び210としては、PCMCIAカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)等のメモリカード、ハードディスク等を用いることができる。また、マイクロDAT、光磁気ディスク、CD‐RやCD‐WR等の光ディスク、DVD等の相変化型光ディスク等で構成されていても勿論構わない。
図2は撮像装置における撮影に係る基本的なルーチンを示すフローチャートである。
電池交換等の電源投入により、システム制御回路50はフラグや制御変数等を初期化し、カメラ本体100の各部において必要な所定の初期設定を行う(ステップS101)。
次に、システム制御回路50は、電源スイッチ72の設定位置を判断する(ステップS102)。電源スイッチ72が電源OFFに設定されていたならば、システム制御回路50は、各表示部の表示を終了状態に変更し、フラグや制御変数等を含む必要なパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56に記録する。更に、システム制御回路50は、電源制御部80により画像表示部28を含む撮像装置各部の不要な電源を遮断する等の所定の終了処理を行った後(ステップS103)、ルーチンを終了する。
また、ステップS102で電源スイッチ72が電源ONに設定されていたならば、ステップS104に進む。ステップS104では、システム制御回路50は、電源制御部80により電池等により構成される電源86の残容量や動作情況が撮像装置の動作に問題があるか否かを判断する。問題があるならば(ステップS104でNO)、通知部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行った後に(ステップS105)、ステップS102に戻る。
一方、電源86に問題が無いならば(ステップS104でYES)、ステップS106に進む。ステップS106では、システム制御回路50は、記録媒体着脱検知回路98による記録媒体200或いは210が装着されているかどうかの判断、記録媒体200或いは210に記録された画像データの管理情報の取得を行う。更に、記録媒体200或いは210の動作状態が撮像装置の動作、特に記録媒体200或いは210に対する画像データの記録再生動作に問題があるか否かを判断する。問題があるならば(ステップS106でNO)、通知部54を用いて画像や音声により所定の警告表示を行った後に(ステップS105)、ステップS102に戻る。
一方、記録媒体200或いは210に問題が無いならば(ステップS106でYES)、ステップS107に進んで電子ファインダ表示を開始する。
電子ファインダ表示では、システム制御回路50は、シャッター12を開いた状態で、タイミング発生回路18を制御して、撮像素子14の電荷を、ライン間引き、あるいはライン加算などの方法により所定周期で読み出す。このようにライン間引き、又はライン加算などの方法で撮像素子14の電荷を読み出すことにより、画素数を電子ファインダ表示に適したライン数に減らすと共に、ファインダ表示用の動画として必要なレートに速める。そして、撮像素子14から読み出した信号をA/D変換器16、メモリ制御回路22を介して画像表示メモリ24に逐次書き込まれたデータを、メモリ制御回路22、D/A変換器26を介して画像表示部28により逐次表示する。このようにして、電子ファインダ表示を実現する。
次に、ステップS108において、シャッタースイッチSW1(62)の状態を判断し、押されていないならば、ステップS102に戻る。シャッタースイッチSW1(62)が押されたならば、システム制御回路50は、モードダイアル60の状態を検知する(ステップS109)。静止画撮影モードに設定されていたならば動画モードフラグをリセットし(ステップS111)、動画撮影に設定されていたならば動画モードフラグをセットする(ステップS110)。そして、AF・AE・AWB処理(ステップS112)に進む。
ステップS112では、まずAF処理を行って撮像レンズ310の焦点を被写体に合わせる。この時、システム制御回路50は、撮像レンズ310に入射した光線を、絞り312、レンズマウント306及び106、ミラー130、不図示の測距用サブミラーを介して、焦点調節部42に入射させて、光学像として結像された画像の合焦状態を判断する。そして、合焦と判断されるまで、フォーカス制御部342を用いて撮像レンズ310を駆動しながら、焦点調節部42を用いて合焦状態を検出するAF制御を実行する。合焦と判断すると、システム制御回路50は、撮影画面内の複数の測距点の中から合焦した測距点を決定し、決定した測距点のデータと共に合焦データ及び/或いは設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
次にAE処理を行う。ここでは先ず、システム制御回路50は、レンズ310に入射した光線を、絞り312、不図示の測光用レンズを介して、測光制御部46に入射させ、光学像として結像された画像の露出状態を測定する。そして、露出が適正と判断されるまで、測光制御部46を用いて測光処理を行う。
露出が適正と判断されると、システム制御回路50は、測光データ及び或いは設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。そして検出した露出結果に応じて、感度値(Dv値)、絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)を決定する。また、測光の結果、必要であればフラッシュ・フラグをセットし、フラッシュの設定も行う。そして、ここで決定したシャッター速度(Tv値)に応じて、システム制御回路50は、撮像素子14の電荷蓄積時間を決定する。さらに、システム制御回路50は、ここで決定した感度値(Dv値)に応じて、A/D変換器16の入力ダイナミックレンジを決定する。
更に、システム制御回路50は、AF処理及びAE処理後に、画像処理回路20において撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行う。そして、得られた演算結果に基づいてWB(ホワイトバランス)処理のためのWB設定パラメータをシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶して、AF・AE・AWB処理(ステップS112)を終了する。
なお、システム制御回路50と、絞り制御部340或いはフォーカス制御部342との間の各種信号のやり取りは、インタフェース120、コネクタ122及び322、インタフェース320、レンズシステム制御回路350を介して行われる。
AF・AE・AWB処理(ステップS112)の終了後、シャッタースイッチSW2(64)の状態を確認する。押されたならば(ステップS113でON)、動画モードフラグを確認して(ステップS114)、リセットされていたら静止画撮影処理(ステップS116)に進み、セットされていたら動画撮影処理(ステップS117)に進む。
一方、シャッタースイッチSW2(64)が押されていないならば(ステップS113でOFF)、シャッタースイッチSW1(62)が放されるまで(ステップS115でONの間)、現在の処理を繰り返す。シャッタースイッチSW1(62)が放されたら(ステップS115でOFF)、ステップS102に戻る。
静止画撮影処理(ステップS116)及び動画撮影処理(ステップS117)の処理が終了したら、それぞれステップS102に戻る。なお、ステップS116の静止画撮影処理については、図3のフローチャート及び図4のタイミングチャートを参照して詳細に説明する。なお、ステップS117の動作撮影処理については、公知の動画撮影を行えばよく、本願発明と直接関係がないため、ここでは詳細説明を省略する。
<第1の実施形態>
図1における撮像素子14及びA/D変換器16を含むアナログ撮像信号領域と、タイミング発生回路18の基本構成は、図8を参照して背景技術で説明した撮像部の構成と同様の構成要件を備えている。また、図8における同期信号発生回路(SSG)507と同様の機能はシステム制御回路50に内蔵されている。また、OSC1(505)と同様の機能はタイミング発生回路18に内蔵されており、OSC2(508)と同様の機能は、システム制御回路50に内蔵されている。また、図8におけるデジタル信号処理部504は、図1においてはひとつの構成としてではなく、画像処理回路20、メモリ制御回路22、画像表示メモリ24など、分割して、より詳細な構成で示されている。
図3は、図2のステップS116における静止画撮影処理の詳細を示すフローチャート、図4は、静止画撮影処理における撮像動作のタイミングチャートである。
図3の静止画撮影処理においては、システム制御回路50と絞り制御部340或いはフォーカス制御部342間の各種信号のやり取りは、インタフェース120、コネクタ122及び322、インタフェース320、レンズシステム制御回路350を介して行われる。
先ずステップS301において、システム制御回路50は、内部メモリ或いはメモリ52に記憶された絞り値(Av値)、シャッター速度(Tv値)などの露出条件や測光データに従い、絞り制御部340によって絞り312を所定の絞り値まで駆動する。そして、タイミング発生回路18によって、CCD駆動モードの設定(ステップS302)及び電子シャッターの設定(ステップS303)を行い、撮像素子14の露光を開始する(ステップS304)。
システム制御回路50は、測光データに従って撮像素子14の露光終了を待ち、シャッター制御部40を介してシャッター12を閉じ(ステップS305)、撮像素子14の露光を終了する(ステップS306)。そして、システム制御回路50は、タイミング発生回路18に対して撮像素子14から撮像信号を読み出すための設定(第1の設定)を行う(ステップS307)。システム制御回路50は、内蔵する同期信号発生部より、タイミング発生回路18に供給する垂直、水平同期信号の周期を設定するとともに供給を開始する(ステップS308)。タイミング発生回路18から供給された垂直、水平の同期信号に同期して撮像素子14から撮像信号の読み出しを行う(ステップS309)。ここでは、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域へ静止画像データを書き込む。なお、上述した撮像素子14を露光して、得られた画像データ記録する為の撮影を、以下「本撮影」と呼び、得られた画像及び画像データをそれぞれ「本撮影画像」及び「本撮影画像データ」と呼ぶ。なお、本撮影画像データは、請求項における第1の撮像信号に対応し、上述したステップS303からステップS309の処理は請求項における第1の撮像動作に対応する。
次に、システム制御回路50は、再び、電子シャッターの設定を行い(ステップS310)、シャッター12を閉じたままの状態で撮像素子14の露光(CCD蓄積)を開始する(ステップS311)。そして、本撮影時と同じ所定の蓄積時間を経た後、露光を終了する(ステップS312)。なお、シャッター12を閉じたままの撮影を、以下「ダーク画像撮影」と呼ぶ。システム制御回路50は、タイミング発生回路18に対して、撮像素子14からダーク画像撮影において撮像信号を読み出すための設定(第2の設定)を行う(ステップS313)。システム制御回路50は、内蔵する同期信号発生部より、タイミング発生回路18に供給する垂直、水平同期信号の周期を新たに設定するとともに供給を開始する(ステップS314)。タイミング発生回路18は供給された垂直、水平の同期信号に同期して撮像素子14から電荷信号の読み出しを行う(ステップS314)。ここでは、撮像素子14から電荷信号を読み出し、A/D変換器16、画像処理回路20、メモリ制御回路22を介して、或いはA/D変換器16から直接メモリ制御回路22を介して、メモリ30の所定領域へ画像データを書き込む。なお、ダーク画像撮影で得られた画像及びデータをそれぞれ「ダーク画像」及び「ダーク画像データ」と呼ぶ。なお、ダーク画像データは請求項における第2の撮像信号に対応し、上述したステップS310からステップS315の処理は請求項における第2の撮像動作に対応する。
次に、静止画記録処理(ステップS316)においては、先ず、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域へ書き込まれた本撮影画像データからダーク画像データを減算する処理を行う。そしてこの、撮像素子14の暗電流ノイズ等を打ち消すダーク補正処理を行ってからメモリ30の所定領域へ書き込む。そして、ダーク補正処理後の静止画像データの一部をメモリ制御回路22を介して読み出して、現像処理を行うために必要なAWB積分演算処理、OB積分演算処理を行い、演算結果をシステム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶する。
システム制御回路50は、メモリ制御回路22そして必要に応じて画像処理回路20を用いて、メモリ30の所定領域に書き込まれたダーク補正処理済みの静止画像データを読み出す。そして、システム制御回路50の内部メモリ或いはメモリ52に記憶した演算結果を用いて、AWB処理、ガンマ変換処理、色変換処理を含む各種現像処理を行う。
その後、システム制御回路50は、メモリ30の所定領域に書き込まれたダーク補正処理済みの静止画像データを読み出して、設定したモードに応じた画像圧縮処理を圧縮・伸長回路32により行う。そして、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みを行う。一連の撮影の実行に伴い、システム制御回路50は、メモリ30の画像記憶バッファ領域に記憶した画像データを読み出す。そして、インタフェース90或いは94、コネクタ92或いは96を介して、メモリカードやコンパクトフラッシュ(登録商標)カード等の記録媒体200或いは210へ書き込みを行う。
上述した記録処理は、メモリ30の画像記憶バッファ領域の空き画像部分に、撮影して一連の処理を終えた画像データの書き込みが新たに行われる度に、その画像データに対して実行される。なお、記録媒体200或いは210へ画像データの書き込みを行っている間、書き込み動作中であることをユーザーに知らせるために、通知部54では、例えばLEDを点滅させる等の記録媒体書き込み動作表示を行う。また、記録媒体200或いは210に記録されるダーク補正処理済みの本画像を、画像表示部28に適した画像サイズにリサイズした画像を別途生成して画像表示メモリ24に記憶しておく。これをあらかじめ決められた撮影画像表示時間だけ画像表示部28に表示する。
一連の処理を終えたならば、静止画撮影処理(ステップS116)を終了して、図2の基本動作フローに戻る。
図4は、静止画撮影処理(ステップS116)における撮像動作のタイミングを説明するためのタイミングチャートである。
図4において、VDは垂直同期信号、HDは水平同期信号であり、φVは撮像素子14の光電変換素子1(図9)の画素電荷をVCCD2に読み出すためのV転送パルスである。
メカシャッターであるシャッター12は機械的に開閉することで露光を制御し、電子シャッターはCCDセンサの基板電位にパルスを加え、画素電荷を基板方向に抜き取る(リセットする)ことで露光を制御する。電子シャッターにより画素電荷のリセットが終了した時からメカシャッターが閉じるまでの時間が露光時間となる。また、電子シャッターにより画素電荷のリセットが終了した時から光電変換素子1の画素電荷がVCCD2に読み出されるまでの時間がCCDの蓄積時間となる。
図5は、本撮影時とダーク画像撮影時とで、水平ブランキング期間の長さを調整することで、水平周期を変更することを説明するタイミング説明図である。図5(a)は本撮影時の各水平(1H)期間(第1の周期)における水平ブランキング期間の長さを示すタイミングチャート、図5(b)はダーク画像撮影時の各水平期間(第2の周期)における水平ブランキング期間の長さを示すタイミングチャートである。
CCDの場合、撮像信号の1水平期間を構成する画素クロック数は、HCCD4の転送用の駆動パルス(H1、H2)が停止しているブランキング期間と、駆動されている画素読み出し期間(OB期間+有効画素期間)とに大別される。
本第1の実施形態では、図5に示すように、本撮影撮影時とダーク撮像時とで、有効画素期間以外の期間である水平ブランキング期間の長さを変えることで、画素読み出し期間に影響を与えずに、水平周期を異ならせる。
図5(a)に示すように、本撮影時におけるブランキング期間の画素クロック数を「BLK0」とする。一方、ダーク画像撮影時は、ブランキング期間の画素クロック数を、図5(b)に示すように、BLK0にnクロック分だけ足して、「BLK0+n」に変更することで、本撮影時よりもダーク画像撮影時の水平ラインの周期を長くすることができる。
具体的な動作としては、上述した図3に示す静止画撮影処理(ステップS116)の中のTG設定処理(ステップS307、S313)において、次のような設定を行う。即ち、本撮影時には、ステップS307において、システム制御回路50からタイミング発生回路18に対して、水平ブランキングのアクティブ期間をBLK0に設定する(第1の設定)。また、ダーク画像撮影時には、ステップS313において、システム制御回路50からタイミング発生回路18に対して、(BLK0+n)に対応する水平ブランキングのアクティブ期間を設定する(第2の設定)。
タイミング発生回路18は、システム制御回路50から設定された水平ブランキングのアクティブ期間の情報を受けて、PBLKがLOWの間、水平ブランキング期間とする。そして、タイミング発生回路18は、各水平ブランキング期間の終わりのタイミングで、撮像素子14やA/D変換器16を含むアナログ信号処理領域への全ての水平系のタイミング信号の供給を開始する機能を有する。例えば、クランプパルス(CLPOB)の場合、図5(a)、(b)から分かるように、各水平期間の始めを基準とすると、PBLK(水平ブランキング期間)の伸長に連動して、クランプパルス(CLPOB)が出力されるタイミングが変わる。なお、クランプパルスは、OB画素のレベルを撮像信号の黒基準値となるように直流電圧レベルの調整を行うためにOB画素期間を指し示すパルスである。
次に、静止画撮影処理(ステップS116)において、本撮影時とダーク画像用の撮像動作時とで水平周期をブランキング期間を利用して変更することにより、ダーク補正処理後の静止画像に関して、ノイズ混入時の見え方の変化について説明する。
背景技術において、1次元的に撮像信号に重畳する等ピッチノイズは、CCDエリアセンサなどで水平方向と垂直方向に展開される2次元画像に対して、1水平期間を構成する画素クロック数によって見え方が変わることをすでに説明した。図13を参照して説明したように、例えば5画素周期の等ピッチノイズの場合には、1水平期間を構成する画素クロック数によって、5の剰余系に従う5通りのバリエーションでノイズパターンが形成される。各パターンでは、水平方向のノイズピッチに変化はないが、展開される2次元画像上ではノイズパターンの角度が変化するために、目立ち方の度合いが変化する。
本第1の実施形態では、上述したノイズパターンの角度が、ノイズピッチの剰余系に従って変化することを利用する。つまり、本撮影画像とダーク画像にそれぞれ重畳する周期性の等ピッチノイズに対して、本撮影時とダーク画像撮影時とで水平周期を変えることで、展開される2次元画像上のノイズパターンの角度を制御する。また、この方法は、上述したように、水平ブランキング期間の長さを調節して水平周期を変更するため、表示に寄与する本来の画像に対しては何ら影響を与えることがない。
図6は、本撮影画像とダーク画像に重畳される5画素周期のノイズパターンの一例を表している。
図6(a)は、Nを正の整数とした場合に、本撮影時の水平周期が(5N+3)である場合のノイズパターンを示している。図6(b)は、ダーク画像撮影時に1画素クロック分ブランキング期間を増やして、水平周期を(5N+4)とした場合のノイズパターンを示している。また、図6(c)は、図6(a)に示すノイズパターンを有する本撮影画像に対して、図6(b)に示すノイズパターンを有するダーク画像を減算して得られた、ダーク補正処理後の静止画像におけるノイズパターンの一例を示す図である。
図6から分かるように、水平ブランキング期間を1画素クロック分変えることで、本撮影画像とダーク画像とでノイズパターンの角度が大きく変わる。そのため、ダーク補正処理後の静止画像上では、元々本撮影画像が持つノイズパターンの周期的な特徴が打ち消されて、ノイズパターンが目立ち難い画像となる。
なお、画素クロック周波数と等ピッチノイズの発生要因となるシステムクロック周波数との関係がフリーランである場合には、互いの位相関係の管理が行えないため、周波数偏差や温度ドリフトにより容易に位相ずれが発生する。しかし、これらの周波数偏差や温度ドリフトによる位相変化量に対して、ノイズパターンは、水平周期の変更に伴い、フレーム間で完全に変わるため、本撮影画像とダーク画像間でのノイズパターンが相関性をもってその特徴が強調されることはない。
このように本第1の実施形態によれば、本撮影時とダーク画像撮影時とで、水平ブランキング期間の長さを変えることで水平周期を異ならせる。これにより、表示に寄与する本来の画像に何ら影響を与えることがなく、周期的なノイズの周期性を崩して、ノイズを目立たなくすることが可能になる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
上述した第1の実施形態では、本撮影時とダーク画像撮影時とで水平ブランキング期間の長さを調整することで、画素読み出し期間に影響を与えずに、水平周期を異ならせる方法を利用した。この方法の場合、水平ブランキング期間の終わりのタイミング変更に連動して、撮像素子14内のCCD素子やアナログ信号処理回路およびA/D変換部に供給している全ての水平系のタイミング信号の駆動開始タイミングを変更する必要がある。そのため、その機能をタイミング発生回路18に持たせたが、タイミング発生回路18がこのような機能を持たない場合も想定される。
関連する全ての水平系のタイミング信号に対してタイミング発生回路18がプログラマブルにタイミング変更可能なものであれば、ダーク画像撮影開始直前の垂直ブランキング中に、一斉に変更することも不可能ではない。しかしながら、それだけシステム制御回路50のタスクが重くなる。また、固定タイミングで変更が不可能、あるいは変更の設定を行ってもすぐには変更の効かないタイミング信号があると、この方法でフレーム間の垂直ブランキング期間に水平周期を変更することは不可能である。
このようなタイミング発生回路18に対して、本第2の実施形態においては、本撮影時とダーク画像撮影時とで水平周期の変更をその他の方法で実現する。
CCD撮像素子の場合、1水平期間は、HCCD4(図9)転送用の駆動パルス(H1、H2)が停止しているブランキング期間と駆動されている画素読み出し期間(OB期間+有効画素期間)とに大別されることはすでに説明した。本第2の実施形態においては、水平ブランキング期間はそのまま変更せずに、画素読み出し期間(OB期間+有効画素期間)の末尾に、HCCD4の空転送期間を追加することで、水平周期を変更する。これにより、有効画素期間以外の期間の長さを異ならせることができる。
空転送とは、有効画素領域にある光電変換素子1に蓄積された電荷がHCCD4を介して全て読み出された後に、更にHCCD4に対して転送用の駆動パルス(H1、H2)を送り続けた場合、蓄積電荷が無い状態の信号が出力される空読み状態のことを指す。
図7は、本撮影時とダーク画像撮影時とで、HCCD4の空転送期間の長さを調整することで、水平周期を変更することを説明するタイミング説明図である。図7(a)は本撮影時の撮像動作時の各水平期間(第1の周期)における空転送期間の長さを示すタイミングチャート、図7(b)はダーク用の撮像動作時の各水平期間(第2の周期)における空転送期間の長さを示すタイミングチャートである。
図7(a)に示すように、本撮影時の撮像信号の有効画素期間の最後に余分に設けられた空転送期間の画素クロック数を(H0)とする。この場合、次のダーク画像撮影時の空転送期間の画素クロック数を、図7(b)に示すように、H0にnクロック分だけ足して、(H0+n)というように変更を行う。
具体的な動作としては、上述した静止画撮影処理(ステップS116)の中のTG設定処理(ステップS307、S313)において、次のような設定を行う。即ち、本撮影時には、ステップS307において、システム制御回路50からタイミング発生回路18に対して、水平同期信号HDに対応する水平転送用駆動パルス(H1、H2)を、次のHD入力まで持続させる設定を行う。そして、次のHD入力で、撮像素子14内のCCD素子やアナログ信号処理回路およびA/D変換部に供給している全ての水平系のタイミング信号の駆動開始タイミングをリセットする設定を行う。
これにより、上述した第1の実施形態で示したようなOB画素期間を指し示すクランプパルス(CLPOB)のタイミング等も、フレーム毎に変更することが不要になる。
また、空転送期間はHCCD4の有効画素期間が終了した後の期間調整であって、有効画素期間中に行われるものではないので、HCCD4の転送残留電荷によって次の電荷信号読み出し時に悪影響が生じる心配もない。従って、表示に寄与する本来の画像に対しても何ら影響を与えることがない。
このように、本第2の実施形態によれば、有効画素期間の後に空転送を行い、その空転送期間を、本撮影時とダーク画像撮影時とで変えることで水平周期を異ならせる。これにより、表示に寄与する本来の画像に何ら影響を与えることがなく、周期的なノイズの周期性を崩して、ノイズを目立たなくすることが可能になる。
12:シャッター、14:撮像素子、16:A/D変換器、18:タイミング発生回路、20:画像処理回路、22:メモリ制御回路、24:画像表示メモリ、26:D/A変換器、28:画像表示部、30:メモリ、32:圧縮・伸長回路、40:シャッター制御部、42:焦点調節部、46:測光制御部、48:フラッシュ、50:システム制御回路、52:メモリ、54:通知部、56:不揮発性メモリ、60:モードダイアル、62:シャッタースイッチSW1、64:シャッタースイッチSW2、66:再生スイッチ、70:操作部、74:リアルタイムクロック、80:電源制御部、82、84:コネクタ、86:電源、90、94:I/F、92、96:コネクタ、98:記録媒体着脱検知部、100:撮像装置、110:I/F、112:コネクタ、200:記録媒体、210:PC、202、212:記録部、204、214:I/F、206、216:コネクタ、300:レンズユニット、310:撮像レンズ、312:絞り、306:レンズマウント、320:I/F、322:コネクタ、340:絞り制御部、342:フォーカス制御部、344:ズーム制御部、350:レンズシステム制御回路