JP4755403B2 - 双方向クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばラップトップパソコン、ノート型パソコン等の蓋部の開閉機構、またはシステムキッチン等の回転蓋のヒンジ部分等に使用される双方向クラッチ装置に関する。
従来から、この種の双方向クラッチ装置には、特許文献1に開示されているような両方向係止クラッチなるものがある。すなわち、この公報に開示されている技術内容は、ケーシングに対し相対的に回転自在に配設される軸体と、該軸体を挿通可能な略環状に形成され、該ケーシングと軸体との間に介装されるローラホルダと、該ローラホルダの内周部適所に形成されたローラ保持溝に装填されるローラと、前記軸体を挿通し得るように略環状に形成されていると共に、内周部の適所に、略楕円状に且つ溝底面略中央部が軸体側に突出し、軸体周面と該溝底面略中央部とにより最浅溝部を構成するように切欠き形成されたローラ挿通溝と、該ローラ挿通溝を形成する壁部を薄肉とし、その弾力性を高めるために形成された切欠き部とを有し、前記ローラホルダに隣接してケーシングに対して固定配設される固定プレートと、前記ローラホルダの適所に形成されたスプリング保持溝に装填され、該ローラホルダの回動範囲を規制することにより、前記ローラを前記固定プレートに形成されたローラ挿通溝の最浅溝部方向へ付勢するスプリング部材とを備えたものである。
特許第2880296号公報
上記した従来の構成では、蓋等の回転に伴い軸体が回転してローラが溝底面の中央部を通過する際に、固定プレートの溝底面の中央部近傍部分が外方向に変位する。この部分が外方向に変位すると、その反作用として、固定プレートの溝底面中央部以外のローラと接しない部分が内方向に変位して、場合により軸体の外周面に圧接し、軸体がスムーズに回転できなくなるという恐れがある。
そこで本発明は叙上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、一方向の回転とは逆の方向に回転させる場合に、一定以上のトルクにより制動力を受けつつ逆方向への回転を進めてある点を過ぎると、制動方向が逆転して逆の動作となる双方向クラッチ装置において、高トルクによる軸体の回転に伴い、ローラが固定プレートの溝底面の中央部を通過するときでも、固定プレートの内周面が軸体の外周面に圧接する恐れがなく、軸体のスムーズな回転を保つことができる双方向クラッチ装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明にあっては、内部に軸を相対回転自在に保持し得るケーシングと、 該ケーシングの軸心と直交する方向に配設され、該ケーシングに対して回転不能に保持され、中央に、前記軸が空間的余裕を持って貫通し得る開口部を有する複数枚の薄板状のプレートと、 該プレート開口部の前記軸に対向する内面であって、前記軸に対して最も近接した中央の近接部と、該近接部よりも前記軸との距離が大きな左右の退避部とを有して成るクサビ面と、前記クサビ面と前記軸の外周面との間に介在して保持され、その直径が、前記クサビ面の近接部と前記軸の外周面との間の距離よりも大きく、前記クサビ面の退避部と前記軸の外周面との間の距離よりも小さいニードルと、該ニードルを前記クサビ面の退避部から近接部方向に付勢する付勢手段と、より成る双方向クラッチ装置であって、前記プレートと前記軸との間に介在し、当該プレートの内方向への変位を制限する変位制限部材を備えたことを特徴とする。
また、前記変位制限部材7は、前記ニードル5を前記付勢手段と共に収納保持し、前記ケーシング2に対して回転不能に構成されたニードル保持部材である。
以上のように構成された本発明に係る双方向クラッチ装置にあって、軸を回転させてそれによってニードルをクサビ面の退避部上から近接部上に移動させ当該近接部を通過する過程において、複数のプレートのクサビ面近傍部分は外方向に変位するが、これに伴う反作用として、プレートのクサビ面近傍部分以外の部分が内方向に変位しようとする。これを変位制限部材が阻止し、プレートの内周面が軸の外周面に圧接することが防止される。この変位制限部材はニードル保持部材でもある。
本発明によれば、一方向の回転とは逆の方向に回転させた場合に、一定以上のトルクにより制動力を受けつつ逆方向への回転を進めてある点を過ぎると、制動方向が逆転して逆の動作となる双方向クラッチ装置において、軸が回転してニードルがクサビ面の退避部上から近接部上に移動して当該近接部を通過する際においても、クサビ面の近接部以外の部分のプレート内周面が軸の外周面に圧接せず、軸のスムーズな回転を保つことができる。
すなわちこれは本発明が、内部に軸を相対回転自在に保持し得るケーシングと、 該ケーシングの軸心と直交する方向に配設され、該ケーシングに対して回転不能に保持され、中央に、前記軸が空間的余裕を持って貫通し得る開口部を有する複数枚の薄板状のプレートと、 該プレート開口部の前記軸に対向する内面であって、前記軸に対して最も近接した中央の近接部と、該近接部よりも前記軸との距離が大きな左右の退避部とを有して成るクサビ面と、前記クサビ面と前記軸の外周面との間に介在して保持され、その直径が、前記クサビ面の近接部と前記軸の外周面との間の距離よりも大きく、前記クサビ面の退避部と前記軸の外周面との間の距離よりも小さいニードルと、該ニードルを前記クサビ面の退避部から近接部方向に付勢する付勢手段と、より成る双方向クラッチ装置であって、前記プレートと前記軸との間に介在し、当該プレートの内方向への変位を制限する変位制限部材を備えたからであり、これにより、軸が回転してニードルがクサビ面の退避部から近接部に移動して当該近接部を通り過ぎる際においても、軸の回転に対する抵抗は必要以上に大きくなることが無くスムーズな回転を保つことができる。
また、前記変位制限部材は、前記ニードルを前記付勢手段と共に収納保持し、前記ケーシングに対して回転不能として成るニードル保持部材であるので、プレートの内方向へ変位して軸3の外周面への圧接しようとする動きをこの変位制限部材たるニードル保持部材により容易に抑止することができる。これと同時に、軸外周面と軸に対向するプレートのクサビ面との間でのニードルの安定した動作を行わせるための空間を確実に確保できると共に、クサビ面に対するニードルの位置決め安定性も容易に確保することができる。
尚、上記の課題を解決するための手段、発明の効果の項夫々において付記した符号は、図面中に記載した構成各部を示す部分との参照を容易にするために付したもので、図面中の符号によって示された構造・形状に本発明が限定されるものではない。
以下図面を参照して本発明を実施するための最良の一形態を説明すると、図において示される符号1は、例えばラップトップパソコン、ノート型パソコン等の蓋部の開閉機構、またはシステムキッチン等の回転蓋のヒンジ部分等に使用される双方向クラッチ装置である。この双方向クラッチ装置1は、図1及び図2に示すように、ケーシング2、軸3、プレート4,4’、ニードル5,5’、付勢手段6,6’、変位制限部材(ニードル保持部材)7,7’、リテーナ8、キャップ部材9等から概ね構成されている。
すなわち、双方向クラッチ装置1は、図1、図2(a)及び図2(b)に示すように、ケーシング2の軸孔2Aに挿入された軸3は、該ケーシング2の底部に一体形成されている変位制限部材7の内径面によって、後述するカラー11を介して回転自在に支持され、該変位制限部材7の外側には該ケーシング2の軸心と直交する方向に配設され、ケーシング2に対して回転不能に保持された複数の薄板状のプレート4が積層状に嵌合配置されている。変位制限部材7によって形成される後述するポケット部13には、付勢手段6とニードル5それぞれが収納されている。
ケーシング2内の開口部寄り(図1中左側)には、変位制限部材7と同様な変位制限部材7’を一体に備えたリテーナ8が配置されている。リテーナ8の軸孔8Aには前記軸3が挿通され、後述するカラー11を介して変位制限部材7’の内径面により回転自在に支持されている。該変位制限部材7’の外側には、プレート4と同様の複数の薄板状のプレート4’が積層状に嵌合されている。変位制限部材7’によって形成される後述するポケット部13’には、付勢手段6’とニードル5’がそれぞれ収納されている。
このとき、図2(a)、図2(b)に示すように、リテーナ8は、変位制限部材7’に嵌装したプレート4’が、当該プレート4’の後述する固定用突起部4C’がケーシング2内壁面の後述する係合溝2Bに対して回転不能となるように係合していることにより、リテーナ8自体もケーシング2内で回転しない。また、リテーナ8の変位制限部材7’及びこれを囲むプレート4’は、ケーシング2底部の変位制限部材7及びこれを囲むプレート4に対し、45度位相をずらした状態に配置してある。こうしてケーシング2の内部は、リテーナ8の後述するフランジ部8Bによってプレート4,4’の収納部分が二分割されている。
ケーシング2の開口部は、キャップ部材9によって閉塞されている。このときキャップ部材9中央の軸孔9Aには軸3先端部がブッシュ12を介して回転自在に支持されている。
ケーシング2は、図3に示すように、中央に軸3用の軸孔2Aを有する有底筒状に形成され、内部には、前述のように、ケーシング2側のプレート4、ニードル5及び付勢手段6、リテーナ8、リテーナ8側のプレート4’、ニードル5’及び付勢手段6’が収納される。
軸3は、ケーシング2の軸孔2Aに相対的に回転し得るように挿通配置される。この軸3のケーシング2内部に位置する部分は、外周の一部がDカットされており、ここにD形孔を有するカラー11,11’が挿入され、軸3はこのカラー11,11’を介してケーシング2底部の4つの変位制限部材7及びリテーナ8の4つの変位制限部材7’によって回転自在に支持される。カラー11,11’は軸3より硬度の高い材料で構成されており、これによって、耐摩耗性の向上を図っている。そして、この軸3またはケーシング2の一方が、不図示の回転蓋の固定基部に、他方が当該回転蓋の回転軸に連結される。
ケーシング2底部側とリテーナ8側のそれぞれに配置されるプレート4,4’は、図5に示すように、中央に略正方形状の開口部4A,4A’を有し、略四角形ないし十字形の外形形状を有する環状の薄板である。外周部には90度間隔で4箇所に切欠形成された円弧状凹部4B,4B’を間に介して4つの固定用突起部4C,4C’が形成されている。外周に円弧状凹部4B,4B’を有する部分は、プレート4,4’の外面と開口部4A,4A’の内面との間の距離を短くして、比較的大きな弾性を有するように形成されている。固定用突起部4C,4C’は、ケーシング2の内壁面に周方向に45度間隔に形成された8つの係合溝2Bの1つおきに位置する4箇所に係合されて保持される。中央の開口部4A,4A’には、ケーシング2の底面に立設された4つの変位制限部材7(図2参照)と、リテーナ8の片面に立設された4つの変位制限部材7’(図3参照)が嵌挿される。ここにおいて、リテーナ8は、固定用突起部4C’がケーシング2側内壁面の係合溝2Bに対して回転不能となるように係合されたプレート4’の開口部4A’内に嵌挿されているため、リテーナ8もケーシング2内で回転しない。
尚、このプレート4,4’は、図示例では略正方形状の中央開口部を有する略四角形の環状として説明したが、中央開口及び全体の形状はこれに限られず、三角以上の多角形状であればよい。また、プレート4,4’のケーシング2による回転止め支持を4点支持として説明したが、安定した支持が可能であれば2点または3点支持とすることもできる。
ケーシング2の筒内底部に立設された4つの変位制限部材7の長さは、当該変位制限部材7の筒内底部からの高さが、ケーシング2全長の略半分の位置となるように設定されている。このケーシング2内部には、更にリテーナ8が嵌め込まれ、さらにその上にキャップ部材9が嵌め込まれ、これによってケーシング2の略全長が占められる。
リテーナ8は、図4に示すように、ポリアセタール等の合成樹脂製材によって形成されており、ケーシング2の筒内底部の面積とほぼ同じ外径を有し、且つ中央に軸3の軸孔8Aを穿孔した円形状のフランジ部8Bと、該フランジ部8Aの片面に軸孔8Aを囲繞するように立設されたケーシング2側の変位制限部材7と同様の略三角柱状の4つの変位制限部材7’とから成る。
変位制限部材7,7’は、ニードル5,5’を付勢手段6,6’と共に収納保持可能としたニードル保持部材によって構成されている。すなわち、各変位制限部材7,7’としてのニードル保持部材の左右には、ニードル5,5’、付勢手段6,6’それぞれを収納するための縦長溝状のポケット部13,13’が形成されている。すなわち、各変位制限部材7,7’の内径面と接するように軸3が挿通され、各変位制限部材7,7’の外面側にプレート4,4’の開口部4A,4A’が嵌められることで、相隣接する変位制限部材7,7’の間にポケット部13,13’が形成される。プレート開口部4A,4A’の軸3に対向する内面は、当該軸3に対して最も近接した中央の近接部14A,14A’と、該近接部よりも軸3との距離が大きな左右の退避部14B,14B’とを有するクサビ面14,14’となる。
ニードル5,5’は、前記クサビ面14,14’と軸3の外周面との間に介在して保持されるものであって、その直径が、前記クサビ面14,14’の近接部14A,14A’と軸3の外周面との間の距離より大きく、前記クサビ面14,14’の退避部14B,14B’と軸3の外周面との間の距離よりも小さく形成されている。
付勢手段6,6’は、ニードル5,5’のクサビ面14上における回転移動範囲を規制するとともに、ニードル5,5’を左右何れかの退避部14B,14B’位置から中央の近接部14A,14A’位置へ付勢する。例えば図5に示すように、弾性のある帯板部材を略U字形に折曲し、一端を外側へ向けて略コ字形に折り返した係止爪部6A(6A’)を有して成る板バネによって形成される。そして、この付勢手段6,6’は、この略U字形折曲部分をケーシング2の筒内底部方向に向けて変位制限部材7,7’の左右それぞれのポケット部13,13’に各挿入し、係止爪部6A(6A’)を、図3(a)、図4(a)に示される、変位制限部材7,7’上面の係止孔7A,7A’に嵌め込むことにより固定される。
尚、変位制限部材7,7’を、前記ニードル5,5’を前記付勢手段6,6’と共に収納保持可能としたニードル保持部材によって代替させているが、これに限らず、ニードル保持部材と独立した構造の変位制限部材7,7’を使用しても良いことは勿論である。
次に、上記した構成による組立、使用、動作について説明する。先ず組み付け手順について説明すると、ケーシング2に対し相対的に回転し得るように軸3を軸孔2Aに挿通し、この軸3のケーシング2挿通側のDカット棒状部分にD形孔を有するカラー11を挿入し、このカラー11を介して軸3を4つの変位制限部材7に対し回転可能となるように支持する。そして、この軸3またはケーシング2の一方を、不図示の回転蓋の固定基部に、他方を当該回転蓋の回転軸に連結する。
ケーシング2内の変位制限部材7の外面にプレート4の中央の開口部4Aの内面が接するように、ケーシング2側の複数のプレート4を順次嵌装して変位制限部材7の外側にプレート4の積層を形成する。このとき、プレート4の固定用突起部4Cを、ケーシング2の内周壁面に8つある係合溝2Bの1つおきに位置する4箇所に係合して保持させる。そして、各変位制限部材7の左右のポケット部13に、ケーシング2側のニードル5、付勢手段6を収納する。次に、変位制限部材7とこれを囲むプレート4の積層の外側の面にリテーナ8のフランジ部8Bの外面が当接するように、リテーナ8をケーシング2内に装入する。このとき、軸3はリテーナ8の軸孔8Aに挿通される。この軸3のDカット部分にD形孔を有するカラー11’を装着し、このカラー11’を介して軸3をリテーナ8の4つの変位制限部材7’の内径面により回転自在に支持する。リテーナ8の変位制限部材7’の外面にプレート4’の中央の開口部4A’の内面が接するように、複数のプレート4’を順次嵌装して変位制限部材7’の外側にプレート4’の積層を形成する。
次いでリテーナ8側の各変位制限部材7’における左右のポケット部13’に、リテーナ8側のニードル5’、付勢手段6’それぞれを収納し、ケーシング2の開口部をキャップ部材9で閉塞する。このとき、軸3の先端部はブッシュ12を介してキャップ部材9の中央の軸孔9Aに回転自在に支承される。
次に、使用、動作について図2(a)、図2(b)を参照して説明する。例えば、ケーシング2側が不図示の回転蓋の固定基部に連結され、軸3が当該回転蓋の回転軸に連結されている構成を想定した場合、軸3が矢印方向に回転すると、クサビ面14,14’の一方(図中右側)の退避部14B,14B’に位置しているニードル5,5’は、反作用により逆回転しながら図中右方向に移動しようとするが、付勢手段6,6’により右方向への移動は規制される。しかし、退避部14B,14B’と軸3の外周面との間の距離はニードル5,5’の直径よりも大きいため、ニードル5,5’は退避部14B,14B’における回転が許容され、軸3は軽い力で回転する。即ち、回転蓋は軽い力で回転することになる。
一方、軸3が矢印と逆方向に回転すると、即ち、回転蓋を上記とは逆方向に回転させると、ニードル5,5’は、反作用により逆回転しながら、クサビ面14,14’の一方の退避部14B,14B’から中央の近接部14A,14A’に向って図中左方向に移動しようとする。しかし、クサビ面14,14’の近接部14A,14A’と軸3の外周面との間の距離はニードル5,5’の直径より小さいため、軸3の回転トルクが所定より小さいとニードル5,5’はクサビ面14,14’の近接部14A,14A’まで進むことができない。このためニードル5,5’はクサビ面14,14’に食い込むことになり、軸3は回転を阻止される。即ち、回転蓋は回転することができず、その位置で静止することになる。軸3の回転トルクが所定のトルク以上になると、即ち、回転蓋を所定以上の力で動かそうとすると、プレート4,4’の外周に円弧状凹部4B,4B’を有する部分が弾性により外方に撓み、ニードル5,5’がクサビ面14,14’の近接部14A,14A’を通り他方の退避部14B,14B’まで回転移動することを許容する。このようにニードル5,5’が他方の退避部14B,14B’まで回転移動すれば、ニードル5,5’は、他方の退避部14B,14B’位置において再び自由回転ができるようになり、即ち、回転蓋は矢印とは逆方向に抵抗なしに回転ができるようになる。
ニードル5,5’が他方(図中左側)の退避部14B,14B’まで進んだ後、軸3が再び矢印方向に回転したときには、上記の逆となり、所定トルク以下では軸3は回転できず、所定以上のトルクで、ニードル5,5’がクサビ面14,14’の近接部14A,14A’を通過し、その後軸3はその方向に自由回転できるようになるものである。
こうして軸3が一方向に回転するときには軽く回転し、その状態で逆方向に回転した場合には一定以上のトルクが働かないと回転しないものとなり、しかもこの状態で再度上記一方向に軸3が回転した場合には軽い力で回転することになる。また、上記逆方向に、一定以上のトルクを加えるとニードル5,5’がクサビ面14,14’の近接部14A,14A’を乗り越えてその逆方向へ回転可能となる。そして、その後はその逆方向への回転においては軽い力で回転し、上記一方向への回転は一定以上のトルクを負荷しないと回転しないものとなる。
上記動作において、複数のプレート4,4’のクサビ面14,14’の中央の近接部14A,14A’は外方向に変位するが、これに伴い、プレート4,4’の他の部分は反作用により内方向に変位しようとする。しかし、この動きは変位制限部材7,7’により阻止され、プレート4,4’の内周面が軸3の外周面に圧接することが防止される。
また、ニードル保持部材としての変位制限部材7,7’は、プレート4,4’の内方向へ変位して軸3の外周面への圧接しようとする動きに対する抵抗部材として機能する以外に、前記ニードル5,5’を前記付勢手段6,6’と共に収納保持する機能をも有している。
本発明を実施するための最良の形態における双方向クラッチ装置の縦断面図であり、図2(a)のI−I断面図と、図2(b)のI−I断面図との合成図を含む。 (a)は図1のa−a断面図、(b)は図1のb−b断面図である。 ケーシングの一例を示すもので(a)は平面図、(b)は図3(a)の3b−3b断面図である。 リテーナの一例を示すもので(a)は平面図、(b)は図4(a)の4b−4b断面図である。 プレートの正面図である。 付勢手段の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…双方向クラッチ装置
2…ケーシング
2A…軸孔
2A…嵌合溝
3…軸
4…プレート
4A…開口部
4B…円弧状凹部
4C…固定用突起部
5…ニードル
6…付勢手段
6A…係止爪部
7…変位制限部材(ニードル保持部材)
7A…係止孔
8…リテーナ
8A…フランジ部
8B…軸孔
9…キャップ部材
9A…軸孔
11…カラー
12…ブッシュ
13…ポケット部
14…クサビ面
14A…近接部
14B…退避部

Claims (2)

  1. 内部に軸を相対回転自在に保持し得るケーシングと、
    該ケーシングの軸心と直交する方向に配設され、該ケーシングに対して回転不能に保持され、中央に、前記軸が空間的余裕を持って貫通し得る開口部を有する複数枚の薄板状のプレートと、
    該プレート開口部の前記軸に対向する内面であって、前記軸に対して最も近接した中央の近接部と、該近接部よりも前記軸との距離が大きな左右の退避部とを有して成るクサビ面と、
    複数の前記クサビ面と前記軸の外周面との間に保持され、その直径が、前記クサビ面の近接部と前記軸の外周面との間の距離よりも大きく、前記クサビ面の退避部と前記軸の外周面との間の距離よりも小さいニードルと、
    該ニードルを前記クサビ面の退避部から近接部方向に付勢する付勢手段と、
    より成り、
    前記プレートは、内面に前記クサビ面を有する部分が弾性を有するように形成されている双方向クラッチ装置であって、
    前記プレートと前記軸との間に介在し、当該プレートの内方向への変位を制限する複数の変位制限部材を備え、該複数の変位制限部材は、中央に近接部を有しかつその左右に退避部を有する各前記クサビ面の中央の近接部から離れた左右の退避部近傍に前記プレートの内面を支えるように配置されていることを特徴とする双方向クラッチ装置。
  2. 前記変位制限部材は、前記ニードルを前記付勢手段と共に収納保持し、前記ケーシングに対して回転不能に構成されたニードル保持部材である請求項1記載の双方向クラッチ装置。
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