JP4754269B2 - エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ - Google Patents

エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ Download PDF

Info

Publication number
JP4754269B2
JP4754269B2 JP2005156010A JP2005156010A JP4754269B2 JP 4754269 B2 JP4754269 B2 JP 4754269B2 JP 2005156010 A JP2005156010 A JP 2005156010A JP 2005156010 A JP2005156010 A JP 2005156010A JP 4754269 B2 JP4754269 B2 JP 4754269B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter medium
fibers
filter
sheet
fiber diameter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2005156010A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006007209A (ja
Inventor
範一 新舎
芳信 柿崎
正昭 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Muki Co Ltd
Original Assignee
Nippon Muki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Muki Co Ltd filed Critical Nippon Muki Co Ltd
Priority to JP2005156010A priority Critical patent/JP4754269B2/ja
Publication of JP2006007209A publication Critical patent/JP2006007209A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4754269B2 publication Critical patent/JP4754269B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Chemical Or Physical Treatment Of Fibers (AREA)

Description

本発明は、半導体製造工業、医薬品製造工業、食品工業及び病院などの分野で使用されるクリーンルームの浄化、オフィスの空調、家庭用エアコン等に使用されるエアフィルタに用いられるエアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタに関する。
従来、エアフィルタとしては、大面積のろ材をジグザグ状に折り、前記ろ材の間隔を間隔保持材である波形状のセパレータで保持してフィルタパックを形成し、例えば、奥行き290mmの箱形のフィルタ枠に収容させたエアフィルタが使用されている。このようなエアフィルタは、ろ材面積が大きいため長寿命であるという利点がある。また、エレクレット不織布等をジグザグ状に折ったろ材の微小な間隔をリボン材で保持したプリーツ型のフィルタパックを形成し、例えば、奥行き610mmの箱形のフィルタ枠に収容させたタイプのエアフィルタも使用されている。このタイプのエアフィルタは、ろ材である不織布を構成する繊維にプラス若しくはマイナスの電荷を帯電させているため、反対の電荷を有する粉塵等を吸着しやすいという利点がある。このタイプのエアフィルタは、ろ材を頻繁に交換することで、エアフィルタを長く使用している。また、例えば、特許文献1のように、袋状のろ材の開口部に枠体を取り付けた吹き流しタイプのエアフィルタも使用されている。このような吹き流しタイプのエアフィルタも奥行きが610mmと大きいため、ろ材面積が大きく長寿命であるという利点がある。
前記エアフィルタに用いられるろ材としては、前記エレクレット不織布等の他に、合成繊維や無機繊維にバインダを添加して湿式抄紙法で抄造したシートからなるろ材が用いられていた。このようなエアフィルタ用のろ材としては、強度が強く、粉塵の捕集効率が高く、圧力損失が低いものが望まれている。
例えば、図3に示すように、ガラス繊維等を湿式抄紙法で抄造したシートからなる従来のろ材10は、平均繊維径の比較的小さいガラス繊維9によって、ろ材の厚さ方向に平均孔径の小さな隙間が均一に形成されてしまうため、空気の流入側に多くの粉塵8が偏って捕集され、圧力損失が高くなるという問題があった。前記ろ材10には平均繊維径のやや大きいガラス繊維16も含まれている。
圧力損失を低くするためには、平均繊維径の大きい繊維を使用してろ材の密度を低くすることが考えられる。しかし、平均繊維径の大きな繊維のみで抄造したシートをろ材とした場合、繊維と繊維の隙間が大きくなり、粉塵の捕集効率が低下する。このため、特許文献2には、図4に示すように、平均繊維径の大きな合成繊維11と、平均繊維径の小さなガラス繊維12と、発泡性粒子を分散媒に分散し、湿式抄紙法によってシート状物を形成した後、発泡性粒子の発泡によって空隙部13を形成したシートをろ材15としたものが開示されている。前記発泡性粒子は、発泡した際にシート状物を構成する繊維を押し広げて空隙部13を形成し、この空隙部13を維持したまま、発泡性粒子の外壁14を溶融させて周囲の繊維を接着している。
特開平7−253028号公報 特開平9−155127号公報
しかしながら、図4に示すように、特許文献2に記載のろ材15は、発泡性粒子の発泡によって形成された空隙部13によって、ろ材15の密度は低下するものの、骨格繊維となる平均繊維径の大きな合成繊維11によって形成された大きな網目構造中に、平均繊維径の小さなガラス繊維12が充填され、やはりろ材15の厚さ方向に平均孔径の小さな隙間が均一に形成されてしまうため、空気の流入側に多くの粉塵8が偏って捕集されるという問題は改善されていなかった。このため、ろ材15は、圧力損失が高くなり、ろ材の寿命が短いという問題があった。また、ろ材15は、発泡性粒子の発泡により形成された空隙部13によって空気の通路が確保されるという利点を有するものの、せっかく確保された空気の通路が、骨格繊維となる平均繊維径の大きな合成繊維11によって邪魔され、圧力損失が高くなるという問題があった。
そこで、本発明は、ろ材を構成するシート内の空隙部によって空気の通路が確保されるとともに、空気の流入側に偏って粉塵を捕集することなく、ろ材の厚み方向に均一に粉塵を捕集することができ、長寿命化することの可能なエアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタを提供することを目的とする。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、請求項1に記載の通り、発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着して空隙部を形成したシートからなるエアフィルタ用ろ材であって、前記シートは平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、発泡性粒子の破片3〜10質量%からなることを特徴する。
また、本発明のエアフィルタ用ろ材の製造方法は、請求項2に記載の通り、平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、平均粒径3〜20μmの未発泡の発泡性粒子3〜10質量%を分散させた水性分散液を用いてシート状物を抄造し、前記発泡性粒子を発泡させて空隙部を形成した後、前記発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着してシートとすることを特徴とする。
また、本発明のエアフィルタは、請求項3に記載の通り、請求項1に記載のエアフィルタ用ろ材を用いたことを特徴とする。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着して空隙部を形成したシートであって、前記シートは平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、発泡性粒子の破片3〜10質量%からなるものである。従って、前記シート中の空隙部が空気の通路となって、ろ材の流入側から流出側まで空気が移動しやすくなるとともに、ろ材の厚さ方向全体に亘って、前記シートを構成する平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維によって形成された比較的細かい網目構造中に均等に粉塵を捕集することができ、前記シートからなるろ材を長寿命とすることができる。また、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維を混合した場合は、平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維によって形成された比較的細かい網目構造によって、前記微細ガラス短繊維が分散されて、圧力損失を上昇させない程度の微細な網目構造を形成し、ろ材の厚さ方向全体にわたって粉塵の捕集効率を高くすることができ、ろ材寿命をより長くすることができる。
また、前記シート中に発泡性粒子の破片が3〜10質量%含まれるため、破裂した発泡性粒子の破片が通気性を悪化させない程度に強固に周囲の繊維を接着し、ろ材の強度を向上することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材の製造方法によれば、前記発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着しているため、接着性合成繊維のみで繊維を接着する場合と比較して、シートの強度が向上し、長寿命のろ材を製造することができる。
本発明のエアフィルタ用ろ材を用いたエアフィルタは、ろ材強度が高いため、従来のガラス繊維を抄造したシートをろ材として用いた場合と比較して、ろ材の寿命を約2倍長くすることができ、前記ろ材を用いたエアフィルタをコンパクトに形成できる。
本発明のエアフィルタ用ろ材は、発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着して空隙部を形成しているシートであって、前記シートは平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、発泡性粒子の破片3〜10質量%からなっている。
前記シート中に、平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維を70〜90質量%配合しているのは、配合量が70質量%未満では接着性合成繊維、発泡性粒子の破片の配合量が増加するため、ろ材の圧力損失が高くなる問題があり、平均繊維径が8μmを超えるか若しくは配合量が90質量%を超えると、接着性合成繊維、発泡性粒子の破片の配合量も少なくなるため、ろ材の強度が低下するという問題があるからである。
前記シート中の繊維と繊維の隙間を小さくし、圧力損失を上昇させない範囲で粉塵の捕集効率を向上させるため、前記ガラス短繊維の一部を配合量0〜15質量%の範囲で平均繊維径2μm未満のガラス短繊維を使用することもできる。尚、安定した品質のガラス短繊維を使用するためには、平均繊維径0.3μm以上のものを使用することが好ましい。
前記ガラス短繊維は、蒸気吹付法、スピニング法、火焔挿入法、ロータリー法などで形成したものを使用することができる。
前記シート中に、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維を5〜15質量%配合しているのは、配合量が5質量%未満或いは接着性合成繊維の平均繊維径が10μm未満では、ガラス短繊維との接着面積が少なくなり、接着力が不足するため、ろ材強度が弱くなる問題があるからである。また、配合量が15質量%を超えるか或いは接着性合成繊維の平均繊維径が35μmを超えると、樹脂が溶けてバインダ化した際に繊維間に皮膜が形成され、ろ材の圧力損失が高くなってフィルタ寿命が短くなる問題があるからである。
前記接着性合成繊維としては、芯鞘型合成繊維を使用することができる。例えば、芯成分にポリエステル、鞘成分に低融点の変成ポリエステルを使用した芯鞘型合成繊維(例えば、株式会社クラレ製N720)や、芯成分にポリエステル、鞘成分にポリエチレンを使用した芯鞘型合成繊維(例えば、株式会社クラレ製N710)を使用することができる。また、前記接着性合成繊維は、芯鞘型合成繊維に限ることなく、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂からなる合成繊維、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂からなる合成繊維等を使用することもできる。
前記シート中に、発泡性粒子の破片を3〜10質量%配合しているのは、3質量%未満であると、発泡後破裂させた発泡性粒子の破片の量が少なくなり、繊維と接着する量が少なく、ろ材強度が弱くなるという問題があり、10質量%を超えると、ろ材強度は高くなるものの、破裂させた発泡性粒子の破片の量が多くなって、前記ガラス短繊維及び接着性合成繊維の隙間に破裂した発泡性粒子が多量に付着して、通気性が悪化し、圧力損失が高くなり、ろ材寿命が短くなるという問題があるからである。
次に、本発明のエアフィルタ用ろ材の製造方法について説明する。
本発明の製造方法によれば、前記配合のガラス短繊維及び接着性合成繊維に、平均粒径3〜20μmの未発泡の発泡性粒子を分散させた水性分散液を用いて湿式抄紙法によりシート状物を抄造し、前記発泡性粒子を発泡させて空隙部を形成した後、前記発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着したシートからなるエアフィルタ用ろ材を製造している。
また、平均粒径が3〜20μmの未発泡の発泡性粒子を使用しているのは、未発泡の発泡性粒子の平均粒径が3μm未満であると、発泡した発泡性粒子の膨張率が低いため、ろ材中に空気の通路となる充分な大きさの空隙部を形成することができないという問題があり、平均粒径が20μmを超えると、空隙が大きくなるため、ろ材の捕集効率は向上するものの、破裂した発泡性粒子が前記繊維の隙間に多量に接着してしまうため、圧力損失が高くなり、ろ材寿命が短くなるという問題があるからである。
前記発泡性粒子は、発泡により粒径が約4〜5倍、体積が約50〜100倍に膨張するものを使用している。
前記発泡性粒子としては、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン及び/又はこれらの共重合体からなる外壁に、エタン、エチレン、プロパン、ブタン、イソブタン等の熱膨脹性ガスを内包したものを使用することができる。特に、発泡性粒子の膨張度、発泡した発泡性粒子とガラス短繊維の接着具合等から発泡性粒子の外壁にアクリロニトリル−メチルメタアクリレート(MMA)、内包する熱膨脹性ガスにイソブタンを使用した発泡性粒子を使用することが好ましい。前記熱膨脹性の発泡性粒子を使用した場合、加熱による膨張によって、前記発泡性粒子が発泡し、更に、前記発泡性粒子が破裂して内包された熱膨脹性ガスが外部に放出されるとともに、破裂した発泡性粒子の破片が溶融して、周囲にある繊維の表面及び/又は交点を強固に接着する。尚、前記ガスが外部に放出された前後で発泡性粒子の質量はほとんど変化しない。
尚、前記シート中には、捕集効率を低下させず、圧力損失を上昇させない範囲であれば、極細のフィブリル化合成繊維や天然繊維、ガラス長繊維等のフィラメント状繊維等の繊維を配合してもよい。その他、前記繊維等を分散液に均一に分散させるための界面活性剤を添加して湿式抄紙法によりシートを抄造することも可能であり、シートを抄造した後、強度向上のためにバインダを付与することも可能である。
次に、本発明のエアフィルタ用ろ材及びそのろ材の製造方法の実施例を図面に基づき説明し、併せてろ材の比較例及び従来例を説明する。
(実施例1)
平均繊維径0.8μmのCガラス短繊維3’(日本板硝子株式会社製MLF#208)10質量%と、平均繊維径4μmのCガラス短繊維3(株式会社マグ製W50)78質量%と、接着性合成繊維として、平均繊維径17μm、平均繊維長5mmの芯鞘型合成繊維2(芯成分ポリエステル、鞘成分変成ポリエステル、140℃の熱収縮率55%、クラレ株式会社製N720)7質量%と、発泡性粒子として、平均粒径10〜20μmの熱膨脹性マイクロカプセル4(発泡開始温度100〜105℃、外壁にアクリロニトリル−メチルメタアクリレート(MMA)共重合体、熱膨張性ガスにイソブタンを内包した松本油脂製薬株式会社製マツモトマイクロスフェアーF−55)5質量%とを水中に分散、混合して水性分散液とした。この水性分散液に対して、分子量150万のカチオン性アクリルアミド吸着剤を添加して前記熱膨脹性マイクロカプセル4を前記Cガラス短繊維3,3’及び芯鞘型合成繊維2の表面に吸着・担持させた。
図1(a)に示すように、通常の抄紙機を用いて前記水性分散液をシート状物とした後、界面活性剤処理を行った。図1(b)に示すように、前記シート状物を140℃で乾燥して、Cガラス短繊維3,3’と芯鞘型合成繊維2を接着するとともに、未発泡の熱膨張性マイクロカプセル4を約20倍に発泡させて、発泡したマイクロカプセル5とし、このマイクロカプセル5の球面に沿って周囲のCガラス短繊維3、3’及び芯鞘型合成繊維2を押し広げた。そして、図1(c)と図2に示すように、発泡したマイクロカプセル5を破裂させ、破裂させた破片7で周囲のCガラス短繊維3,3’と芯鞘型合成繊維2を接着し、内部に複数の空隙部6を形成した厚さ0.71mm、目付92g/cm2のシート1をエアフィルタ用ろ材とした。尚、図2中、8は粉塵を示す。
(実施例2)
平均繊維径4μmのCガラス短繊維(株式会社マグ製W50)73質量%とし、発泡性粒子として、前記熱膨脹性マイクロカプセルを10質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.86mm、目付91g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
(実施例3)
平均繊維径0.8μmのCガラス短繊維(日本板硝子株式会社製MLF#208)を0質量%とし、平均繊維径4μmのCガラス短繊維(株式会社マグ製W50)88質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.70mm、目付90g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
(実施例4)
平均繊維径4μmのCガラス短繊維3(株式会社マグ製W50)の代わりに、平均繊維径4μmのCガラス短繊維(NANJING AIXIN FIBREGLASS PRODUCT CO.,LTD製)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.71mm、目付92g/cm2のシート1をエアフィルタ用ろ材とした。
(比較例1)
平均繊維径4μmのCガラス短繊維(株式会社マグ製W50)を83質量%とし、発泡性粒子として、前記熱膨脹性マイクロカプセルを0質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.60mm、目付95g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
(比較例2)
平均繊維径4μmのCガラス短繊維(株式会社マグ製W50)を68質量%とし、発泡性粒子として、前記熱膨脹性マイクロカプセルを15質量%としたこと以外は、実施例1と同様にして、厚さ0.91mm、目付88g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
(従来例1)
市販の湿式抄紙法により抄造した平均繊維径2μmガラス繊維を主体とする厚さ0.36mm、目付64g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
(従来例2)
市販の湿式抄紙法により抄造した平均繊維径2μmガラス繊維を主体とする厚さ0.50mm、目付90g/cm2のシートをエアフィルタ用ろ材とした。
次に、このようにして得られた実施例1〜4、比較例1〜2及び従来例1〜2の各エアフィルタ用ろ材について、以下の方法によりろ材の捕集効率、ろ材の寿命を測定し、測定結果を評価した。また、ろ材の流出側の粉塵付着の有無を評価した。更に、これらの評価結果に基づいて、以下のように総合評価を行った。結果を表1に示す。
[捕集効率]
平均粒径0.3μmの大気塵を0.5m/sの風速でエアフィルタ用ろ材に通過させ、JIS B9908に準拠した捕集効率を測定した。
捕集効率(%)=(1−下流側粒子個数/上流側粒子個数)×100
評価基準:捕集効率50%以上を◎、40〜50%を○、40%未満を×とした。
[ろ材の寿命]
JIS B9908に規定された方法に基づいて、以下のようにろ材の寿命を測定した。
JIS Z8901に規定する試験用粉体である15種類の粉体を用いて、粉塵濃度70±30mg/m3で風速5.3cm/sで最終圧力損失250Paになる粉体塵保持量を測定した。
W=W2−W1(g/フィルタユニット)
W :粉塵保持量
W1:試験開始時のフィルタユニット重量(g)
W2:試験終了時のフィルタユニット重量(g)
評価基準:前記方法に基づいて測定した従来例1のエアフィルタ用ろ材の寿命を100とし、前記従来例1のろ材の寿命よりも寿命が2倍を超えるろ材を◎とし、2倍のろ材を○とし、2倍未満の寿命のろ材を×とした。
[流出側粉塵付着の有無]
前記寿命試験をしたろ材を使って、流出側の各ろ材に粉塵が付着しているか否かを評価した。粉塵が付着している場合は、○(有り)とし、粉塵が付着していない場合は、×(無し)とした。
[総合評価]
捕集効率及び寿命が全てが○か◎の場合は◎とし、捕集効率が×でろ材の寿命が○の場合は○とし、ろ材の寿命が×の場合は×とした。
Figure 0004754269
表1に示す結果から以下のことが分かった。
実施例1〜4のエアフィルタ用ろ材は、ろ材の寿命が従来例1の市販品のろ材に比較して2倍以上も長くなっていることが確認できた。更に、実施例1、2、4は捕集効率もよいことが確認できた。実施例1〜4のエアフィルタ用ろ材は、発泡性粒子を発泡させ、前記発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維表面及び/又は交点を接着した空隙部を有しており、この空隙部が通路となって、ろ材の厚さ方向に空気が通過しやすくなり、ろ材を構成するシートの主体となる平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維による細かい網目構造よって、ろ材の厚さ方向全体にわたって略均等に粉塵が捕集されるため、ろ材寿命が長くなることが確認できた。また、実施例1、2、4のように、平均繊維径2μm未満の微細なガラス短繊維を配合した場合は、この微細なガラス短繊維が、平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維によって形成された比較的細かい網目構造によって分散されて、更に細かい網目構造が形成され、ろ材の厚さ方向全体にわたって粉塵を捕集する効率が高くなり、ろ材寿命がより長くなることが確認できた。
また、実施例3のように、平均繊維径が2μm未満のガラス短繊維を全く配合しない場合は、従来例1のろ材よりもろ材寿命が2倍長くなるものの、ろ材を構成する繊維と繊維の隙間が大きくなるため、粉塵の捕集効率が実施例1、2、4よりも低下していた。
また、比較例1のように、発泡性粒子を全く配合しないろ材は、前記発泡性粒子の発泡による空隙部が形成されないため、ろ材の厚さ方向に空気の通路が確保されず、ろ材寿命が従来例1と同様に短くなっていた。また、比較例1のろ材は、空気の流出側に付着している粉塵が無かったため、発泡性粒子の発泡による空隙部が形成されていないことから、空気の通路が確保されておらず、空気の流入側となるろ材に偏って粉塵が捕集されているものと推測された。
また、比較例2のように、10質量%を超える発泡性粒子を配合したろ材は、発泡性粒子の発泡による空隙が多く形成されるため見掛け上の粉塵の捕集効率は上がるものの、本来粉塵を捕集する部分である単位体積当たりのろ材の部分が少なくなり、この少ないろ材部分に粉塵が捕集されるため、圧力損失が高くなり、ろ材の寿命が従来例1と同様に短くなっていた。
また、従来例2のように市販品のろ材の目付を実施例1〜4と同様にした場合であっても、実施例1〜4のようにろ材が長寿命化しなかった。
本発明は、ろ材の厚さ方向全体に亘って、比較的細かい網目構造中に均等に粉塵を捕集し、ろ材を長寿命とする、エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタを提供することができる点において、産業上の利用可能性を有する。
(a)本発明のエアフィルタ用ろ材となる発泡性粒子を発泡させる前のシート、(b)発泡性粒子を発泡させた状態のシート、(c)発泡性粒子を破裂させた状態のシートを示す概念図 本発明のエアフィルタ用ろ材に空気を通過させた状態を示す概念図 従来例のろ材に空気を通過させた状態を示す概念図 従来例のシート中に空隙部を有するろ材に空気を通過させた状態を示す概念図
エアフィルタ用ろ材としたシート
2 接着性合成繊維である芯鞘型合成繊維
3 平均繊維径4μmのCガラス短繊維
3’ 平均繊維径0.8μmのCガラス短繊維
4 未発泡の熱膨張性マイクロカプセル
5 熱膨張により発泡したマイクロカプセル
6 空隙部
7 破裂したマイクロカプセルの破片
8 粉塵
9 ガラス繊維
10 ろ材
11 平均繊維径の大きい合成繊維
12 平均繊維径の小さいガラス短繊維
13 空隙部
14 外壁
15 ろ材
16 平均繊維径のやや大きいガラス繊維

Claims (3)

  1. 発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着して空隙部を形成したシートからなるエアフィルタ用ろ材であって、前記シートは平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、発泡性粒子の破片3〜10質量%からなることを特徴するエアフィルタ用ろ材
  2. 平均繊維径4〜8μmのガラス短繊維70〜90質量%と、平均繊維径2μm未満のガラス短繊維0〜15質量%と、平均繊維径10〜35μmの接着性合成繊維5〜15質量%と、平均粒径3〜20μmの未発泡の発泡性粒子3〜10質量%を分散させた水性分散液を用いてシート状物を抄造し、前記発泡性粒子を発泡させて空隙部を形成した後、前記発泡性粒子を破裂させた破片で周囲の繊維を接着してシートとすることを特徴とするエアフィルタ用ろ材の製造方法。
  3. 請求項1に記載のエアフィルタ用ろ材を用いたことを特徴とするエアフィルタ
JP2005156010A 2004-05-28 2005-05-27 エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ Active JP4754269B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005156010A JP4754269B2 (ja) 2004-05-28 2005-05-27 エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004160360 2004-05-28
JP2004160360 2004-05-28
JP2005156010A JP4754269B2 (ja) 2004-05-28 2005-05-27 エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006007209A JP2006007209A (ja) 2006-01-12
JP4754269B2 true JP4754269B2 (ja) 2011-08-24

Family

ID=35775020

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005156010A Active JP4754269B2 (ja) 2004-05-28 2005-05-27 エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4754269B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5797175B2 (ja) * 2012-09-12 2015-10-21 北越紀州製紙株式会社 エアフィルタ用濾材
TWI788306B (zh) * 2016-10-24 2023-01-01 日商王子控股股份有限公司 無機纖維片材、蜂巢式成形體及蜂巢式過濾器
JP6941462B2 (ja) * 2017-03-31 2021-09-29 日本無機株式会社 エアフィルタ用濾材並びにエアフィルタ
JP7215871B2 (ja) * 2018-10-22 2023-01-31 北越コーポレーション株式会社 エアフィルタ用濾材及びその製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08170B2 (ja) * 1987-11-19 1996-01-10 日本バイリーン株式会社 エアフィルター材
JPH04263695A (ja) * 1991-02-15 1992-09-18 Mitsubishi Paper Mills Ltd ガラス繊維シートの製造方法
JPH09155127A (ja) * 1995-12-12 1997-06-17 Mitsubishi Paper Mills Ltd 濾 材
JPH10252000A (ja) * 1997-03-05 1998-09-22 Oji Paper Co Ltd カーエアコン用プレフィルター原紙

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006007209A (ja) 2006-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4944540B2 (ja) フィルタエレメント、その製造方法、並びに使用方法
JP5434076B2 (ja) 濾材およびフィルターユニット
JP5346301B2 (ja) 波形フィルタ材およびフィルタ要素
JP5470850B2 (ja) 濾材およびフィルターユニット
US8728212B2 (en) High efficiency low pressure drop synthetic fiber based air filter made completely from post consumer waste materials
JP2010234285A (ja) エアフイルター用濾材
JP5052935B2 (ja) 除塵エアフィルタ用濾材及びその製造方法
US20070220852A1 (en) High Capacity Filter Medium
US20180056219A1 (en) Filter material for air filter
JP2009226321A (ja) 難燃性エレクトレット濾材およびフィルターユニット
JP4754269B2 (ja) エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びにエアフィルタ
JP2007038211A (ja) フィルタエレメント、その製造方法及び使用方法
JP5080041B2 (ja) エアフィルタ用濾材、それを用いた吹流し形フィルタ、並びにエアフィルタ用濾材の製造方法
JP2017113670A (ja) エアフィルター用濾材およびエアフィルター
JP2014151299A (ja) フィルター用濾材およびエアフィルター
JP3269103B2 (ja) 難燃性濾材
JP2010115570A (ja) エアフィルタ用帯電不織布およびエアフィルタ
KR102372578B1 (ko) 엠보싱 부직포 정전필터 제조방법 및 이를 이용한 엠보싱 부직포 정전필터
JP6318716B2 (ja) エアフィルターユニット
JP4343557B2 (ja) 粗塵用フィルタ
WO2005115586A1 (ja) 中性能エアフィルタ用ろ材及びその製造方法並びに中性能エアフィルタ
JP4446673B2 (ja) 粗塵用フィルタ
JP2004271797A (ja) 吸音材
JP2018061924A (ja) エアフィルター用不織布濾材
JP2005034710A (ja) 耐水性フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071219

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071219

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20071219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20071219

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080218

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100521

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100726

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110524

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110525

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140603

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4754269

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250