JPH09155127A - 濾 材 - Google Patents

濾 材

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JPH09155127A
JPH09155127A JP32285195A JP32285195A JPH09155127A JP H09155127 A JPH09155127 A JP H09155127A JP 32285195 A JP32285195 A JP 32285195A JP 32285195 A JP32285195 A JP 32285195A JP H09155127 A JPH09155127 A JP H09155127A
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JP
Japan
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fiber
filter medium
fibers
filter
expandable particles
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Application number
JP32285195A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Yoshida
光男 吉田
Tetsuya Ashida
哲也 芦田
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Mitsubishi Paper Mills Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Paper Mills Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 今後の環境問題に対応するための焼却可能性
または従来のガラス繊維を用いていた濾材に比べて焼却
後の重量が非常に小さく、湿式抄紙法の特徴である均一
な地合をもって、低圧力損失、高濾過効率、高強度、か
つ腰があって単独でフィルターに組み込むことが可能で
ある濾材を提供することである。 【解決手段】 極細繊維、極細繊維よりも大きな平均直
径を持つ骨格繊維、ならびに発泡性粒子からなる水性分
散液を用いて湿式抄紙法により抄造したウェブであっ
て、発泡処理後の該発泡性粒子が該ウェブの層中に空隙
部を形成してなることを特徴とする濾材。好ましくは、
極細繊維が、平均繊維径3μm以下のマイクロガラス繊
維である。また、少なくとも一部が繊維径1μm以下に
フィブリル化された有機繊維である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造工業、医薬
品製造工業、食品工業、病院などの分野で使用されるク
リーンルーム用エアフィルター、オフィスの空調、家庭
用エアコンなどのフィルター用濾材、およびエンジンオ
イル、燃料、水処理などの液体濾過用濾材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、クリーンルーム用エアフィルター
は、チョップドストランドガラス繊維および極細ガラス
繊維などのガラス繊維を用いて湿式抄紙法により製造さ
れていた。ガラス繊維は、離解、分散性が悪く、これら
を改良するために、第19回紙パルプシンポジウム要旨
集9〜19頁(1984年)などに見られるように、硫
酸酸性水(pH3.2以下)を用いる湿式抄紙法により
ガラス繊維シートを製造していた。
【0003】しかし、硫酸酸性でのガラス繊維シートの
製造方法では、作業の安全性および各装置の腐蝕の問題
があると共に、酸によってガラス表面がリーチングさ
れ、ガラス繊維が脆くなってしまうという欠点があっ
た。また、シートにした際に、ガラス表面のナトリウム
と硫酸との中和反応によって生成したNa2SO4やNa
Clなどの強電解質がガラス繊維表面に付着しているた
め、電導性物質の存在を嫌うエレクトロニクス関連のエ
アフィルター用濾材として使用した場合、前記の硫酸、
強電解質が飛散し重大な問題になった。
【0004】一方、ガラス繊維で構成された濾材は、不
燃物として扱われ、焼却が不可能なために粗大ゴミとな
り、今後の環境対応が問題視されており、ガラス繊維の
不使用化または使用量の減少が検討されている。しかし
ながら、濾過性能の問題からガラス繊維の使用は避けら
れないのが現状である。
【0005】そのために、ガラス繊維を一切使用せず
に、メルトブローン法で作製した濾材が開発されている
が、この方法では強度が弱いために破れを生じたり、軟
らかいために加工性が悪いという欠点がある。それゆえ
に、メルトブローン法で作製した濾材単独で使用される
ことは極めて少なく、一般的には、スパンボンド法で作
製した不織布などのような強度の強い不織布または織編
物などと貼り合わせて用いられており、コスト面、性能
面で問題があった。
【0006】この問題を解決するために、特開平2−9
1262号公報には、極細繊維と該極細繊維より10〜
200℃低い融点の熱可塑性成分を含有する複合繊維と
をランダムに混在させることにより、極細繊維の性能を
有したまま強度を強くしたものを開示している。また、
該公報では、極細繊維不織布を得る方法として、特にメ
ルトブロー法が好ましいと記載している。仮に湿式抄紙
法で得ようとした場合には、不織布の乾燥工程で複合繊
維が溶融してしまい、冷却されるまで強度が発現され
ず、シリンダードライヤーの表面に不織布が貼り付いて
不織布の層間剥離、または表面剥離を起こしてしまう。
たとえ不織布を製造することができても、不織布に腰が
なく、単独でフィルターに組み込むことは困難である。
【0007】また、特開平3−249249号公報に
は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)と
の比をコントロールすることによって、強度を向上させ
ることが開示されている。しかし、ここで開示している
製造方法は、メルトブロー法に限られている。
【0008】一方、膨張性小球体を用いたものとして、
特開昭58−115160号公報では、スパンボンド不
織布に塩化ビニリデンサルサイド(発泡剤)を含有する
溶液を含浸させたものが示されている。しかし、この方
法は、スパンボンド法で構成された繊維層であるため、
地合い(繊維分散の均一性)の良いシートは得られな
い。また、このシートに発泡性粒子を分散した分散液を
含浸し、発泡性粒子を発泡させるためにシートを加熱し
ても、かかる熱処理だけでは簡単にほどけない程繊維同
士がしっかりと機械的に絡合されているため、発泡性粒
子が発泡する際には、絡合された状態の繊維を押し分け
ながら発泡することになるので、シートが発泡に対して
抵抗として働いてしまう。そのため、発泡が不均一にな
ってしまうばかりでなく、発泡効率が悪い事から発泡性
粒子の使用量も多くする必要がある。
【0009】また、特開平1−135513号公報で
は、実施例中で、繊維径1.5デニール、および14デ
ニールの繊維からなるシートを作製した後、該シートに
膨張性小球体と接着樹脂を含んだ水分散液を含浸するこ
とが記載されている。この方法のシートは機械的に絡合
されていないことから、シートが発泡に対して抵抗とし
て働くことは軽減されるものの、膨張性小球体を含浸の
方法で付与する事から、膨張性小球体がシートの層中に
均一に分散されておらず、加熱により発泡した膨張性小
球体がシートの層中に不均一に存在するため、該シート
をエアフィルター材として使用した場合、厚み、捕集効
率の変動が大きく性能は悪いものとなってしまう。
【0010】特開平3−260152号公報では、シー
トを構成する繊維に熱溶融性接着剤を使用しているが、
発泡剤の付与方法が特開平1−135513号公報と同
様に含浸法であるため、均一なシートを得られない。
【0011】これらの問題点を解決するために、湿式抄
紙法によりガラス繊維のみならず有機繊維を用いて高性
能の濾材を作製する試みが続けられている。しかし、湿
式抄紙法により濾材を作製した場合は、その乾燥工程に
おいて濾材が厚さ方向に縮むために一般に高密度化され
る。この高密度化により濾材の圧力損失は大きくなり、
さらには濾過性能も期待されたほど高くはないという問
題点を抱えている。この圧力損失を小さくするには、濾
材の厚みを薄くする、濾材の密度を小さくするなどのア
クションにより改良されるが、濾材の厚みを薄くすると
強度が低下し、さらには濾材の均一性も低下する恐れが
ある。また、濾材の密度を小さくするには、太い繊維を
入れる、抄紙工程でプレスを極力弱めて製造するなどの
アクションが考えられるが、太い繊維を入れると濾過性
能が低下する、抄紙工程でのプレスの低下は生産効率の
大幅な低下もしくは生産不能となり、未だに湿式抄紙法
を用いて高効率の濾材は得られていないのが現状であ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状に鑑み、本
発明の目的は、今後の環境問題に対応するために焼却可
能、あるいは従来のガラス繊維を用いていた濾材に比べ
て焼却後の重量が非常に小さく、湿式抄紙法の特徴であ
る均一な地合をもって、低圧力損失、高濾過効率、高強
度、かつ腰があって単独でフィルターに組み込むことが
可能である濾材を提供することである。
【0013】
【問題を解決するための手段】これらの問題点を解決す
べく鋭意検討した結果、本発明の濾材を発明するに至っ
た。即ち、本発明の濾材は、極細繊維、極細繊維よりも
大きな平均直径を持つ骨格繊維、ならびに発泡性粒子か
らなる水性分散液を用いて湿式抄紙法により抄造したウ
ェブであって、発泡処理後の該発泡性粒子が該ウェブの
層中に空隙部を形成してなることを特徴とする。
【0014】本発明の濾材において、極細繊維は、平均
繊維径3μm以下のマイクロガラス繊維であることが好
ましい。
【0015】さらに好ましくは、極細繊維が、少なくと
も一部が繊維径1μm以下にフィブリル化された有機繊
維であることを特徴とする。
【0016】また、好ましくは極細繊維よりも大きな平
均直径を持つ骨格繊維の全量またはその一部が、捲縮性
を有する有機繊維であることを特徴とする。
【0017】本発明の濾材において、濾材中の発泡性粒
子の配合比率としては、3〜10重量%であることが好
ましい。
【0018】以下、本発明の詳細な説明を行う。本発明
に用いられる極細繊維としては、平均繊維径5μm以下
の繊維であることが好ましいが、特に限定されるもので
はなく、有機繊維、無機繊維、フィラーなどが挙げられ
る。中でも、極細繊維が平均繊維径3μm以下のマイク
ロガラス繊維、もしくは少なくとも一部が繊維径1μm
以下にフィブリル化された有機繊維が好ましい。
【0019】マイクロガラス繊維とは、蒸気吹付法、ス
ピニング法、火焔挿入法、ロータリー法などで製造され
る極細ガラス繊維であり、平均繊維径が、一般的には5
μm以下であるものを指している。本発明においては3
μm以下がより好ましい。
【0020】少なくとも一部が繊維径1μm以下にフィ
ブリル化された有機繊維としては、以下に示す方法など
で処理されたものなどが挙げられる。 1)合成高分子溶液を該高分子の貧溶媒中にせん断力を
かけながら流下させ、繊維状フィブイルを沈澱させる方
法(フィブリッド法、特公昭35−11851号公
報)。 2)合成モノマーを重合させながらせん断をかけフィブ
リルを析出させる方法(重合せん断法、特公昭47−2
1898号公報)。 3)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出し、
または紡糸し、切断後機械的な手段で繊維状にフィブリ
ル化する方法(スプリット法、特公昭35−9651号
公報)。 4)二種以上の非相溶性高分子を混合し、溶融押出し、
または紡糸し、切断後溶剤に浸漬して一方の高分子を溶
解し、繊維状にフィブリル化する方法(ポリマーブレン
ド溶解法、米国特許3、382、305号明細書)。 5)合成高分子をその溶媒の沸点以上で、かつ高圧測か
ら低圧測へ爆発的に噴出させた後、繊維状にフィブリル
化する方法(フラッシュ紡糸法、特公昭36−1646
0号公報)。 6)繊維を適当な繊維長に切断後、水中に分散させ、ホ
モジナイザー、叩解機などを用いてフィブリル化する方
法(特開昭56−100801号公報、特開昭59−9
2011号公報)。
【0021】フィブリル化有機繊維の具体的な例として
は、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド繊維を均質
化装置でフィブリル化したKY−400S(ダイセル化
学工業製)、パルプを均質化装置でフィブリル化したセ
リッシュKY−100S(ダイセル化学工業製)、リン
ターを均質化装置でフィブリル化したPC−310S
(ダイセル化学工業製)、アクリル繊維を均質化装置で
フィブリル化したKY−410S(ダイセル化学工業
製)、ポリエチレン繊維を均質化装置でフィブリル化し
たKY−420S(ダイセル化学工業製)、ポリプロピ
レン繊維を均質化装置でフィブリル化したKY−430
S(ダイセル化学工業製)などが挙げられる。また、コ
ートルズ社のセルロースステープル(商品名:リヨセ
ル)をビーターやディスクリファイナーなどの叩解機で
フィブリル化した繊維などが挙げられる。
【0022】本発明に用いられる極細繊維よりも大きな
平均直径を持つ骨格繊維(以下骨格繊維と称す)は、抄
紙ワイヤー上で極細繊維とネットワークをつくることに
より均一な空隙を構成するために配合される。
【0023】上記骨格繊維の繊維径は特に限定しない
が、抄紙ワイヤー上で極細繊維とのネットワークを形成
させるためには極細繊維よりも太いことが重要である。
しかし、湿式抄紙法で抄造する際の操業性や濾材の捕集
効率を考慮すると、繊維径は50μm以下が好ましく、
より好ましくは30μm以下である。
【0024】骨格繊維の素材は、特に限定しないが、例
えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリア
ミド繊維、ポリエステル繊維、アクリル繊維、ビニロン
繊維などの合成繊維、皮膜の少ない天然パルプ、麻パル
プ、コットンリンター、リント、再生セルロースなどが
挙げられる。
【0025】骨格繊維は一種類の繊維径に限らず、二種
類以上の繊維径の繊維を併用することも可能であり、極
細繊維から二種類以上の繊維径の骨格繊維へと繊維径を
順次変えた繊維を配合することにより、均一な濾材内部
の空隙を構成することから捕集効率の優れた濾材とな
る。
【0026】さらに、骨格繊維として捲縮性を有する有
機繊維を全部または一部含む場合、極細繊維とのネット
ワークを保持しつつ、且つ濾材の密度を下げ、濾材内部
の空間体積を広くすることができ、捕集効率とライフの
バランスをとる役割を果たすものである。
【0027】発泡性粒子とは、熱膨張性ガスが内包され
た粒子である。熱膨張性ガスとしてはエタン、エチレ
ン、プロパン、ブタン、イソブタンなどが挙げられる。
発泡性粒子の外壁に用いられる樹脂の例としては、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、また
はこれらの共重合体などが挙げられる。特に外壁に塩化
ビニリデン−アクリロニトリル共重合体を用い、熱膨張
性ガスにイソブタンを用いた場合、粒子の膨張度合い、
極細繊維の保留の点で好ましい。
【0028】発泡性粒子は、極細繊維、極細繊維よりも
大きな平均直径を持つ骨格繊維と共に水性分散液に混合
されている事から、ウェブを形成した際に均一に繊維同
士の間に分布している。そのため、発泡温度以上に加熱
されたとき軟化した発泡性粒子の外壁に濾材に配合され
ている極細繊維を放射状に付着させることにより、濾材
を通過するダストを含んだエアの通路を長くでき、ダス
トが繊維に接触する機会を多くして捕集効率を高める働
きをする。
【0029】さらに加熱した場合、発泡性粒子の外壁が
内包されているガスの膨張により薄膜化し膨張して濾材
の層中に空隙を形成した後ガスが放出し、外壁は溶融し
て濾材の層中の空隙を維持したまま、極細繊維、および
骨格繊維の表面、極細繊維、および骨格繊維同士の交
点、骨格繊維と極細繊維との交点を強固に固定する接着
剤の働きをすることから、濾材全体の硬さ(腰)を向上
させる役割も果たす。
【0030】濾材に配合される発泡性粒子の配合比率
は、濾材の用途により変えることが可能であるが、濾材
の3〜10重量%の範囲が好ましく、より好ましくは、
4〜7重量%の範囲である。発泡性粒子の配合比率が少
ない場合、十分に濾材が膨張せず、緻密な濾材となると
共に、濾材の強度も弱いものになってしまう。
【0031】一方、発泡性粒子の配合比率が過剰な場
合、濾材の強度が強くなり、捕集効率は向上するが、濾
材内部の空隙を必要以上に埋めてしまうことから通気性
が悪化し、圧力損失が高くなり、ライフが短くなってし
まう。
【0032】本発明の濾材に用いることができる素材
は、極細繊維、骨格繊維、発泡性粒子に限定されず、不
織布に用いられる有機合成繊維、天然繊維、バインダー
繊維などを性能を阻害しない範囲であれば配合しても何
等差し支えない。
【0033】バインダー繊維としては、芯鞘タイプ(コ
アシェルタイプ)、並列タイプ(サイドバイサイドタイ
プ)などの複合繊維が挙げられる。例えば、ポリプロピ
レン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わせ(商品
名:ダイワボウNBF−H:大和紡績製)、ポリプロピ
レン(芯)とエチレンビニルアルコール(鞘)の組み合
わせ(商品名:ダイワボウNBF−E:大和紡績製)、
ポリプロピレン(芯)とポリエチレン(鞘)の組み合わ
せ(商品名:チッソESC:チッソ製)、高融点ポリエ
ステル(芯)と低融点ポリエステル(鞘)の組み合わせ
(商品名:メルテイ4080:ユニチカ製)などが挙げ
られる。また、ビニロンバインダー繊維(VPB107
×1:クラレ製)などの熱水溶融タイプなども使用でき
る。
【0034】バインダー繊維の繊維径は特に限定されな
いが、0.3〜5デニールであることが好ましく、より
好ましくは1〜2デニールである。繊維径が0.3デニ
ール未満では濾材の圧力損失が高くなり、フィルターの
ライフが短くなってしまう。また、繊維径が5デニール
を超えるとその他の繊維との融着面積が少なくなり濾材
の強度向上が少ない。
【0035】本発明の濾材は、濾材中の極細繊維、骨格
繊維、発泡性粒子が均一に分散していることが性能を向
上させるために重要であることから、繊維径の異なる繊
維と粒子などを同時に混合、分散できる湿式抄紙法で製
造することが望ましい。
【0036】濾材などの不織布を製造する方法として
は、湿式抄紙法以外に、不織布(その4)(繊維工学)
Vol.43、No11(1990)で述べられている
ように、混開繊法、カーディング法、ランダムウエビン
グ法、スパンボンド法、たてよこ積層法などが挙げられ
る。しかし、これらの方法は、通常繊維長50mm以上
の長繊維や連続した糸状の繊維を主に加工する方法であ
り、極細繊維、骨格繊維、発泡性粒子を同時に混合、分
散させ濾材を作製することは非常に困難である。もし、
これらの方法でこの濾材を作製しようとした場合、予め
極細繊維、骨格繊維のみでシートを作製し、このシート
に発泡性粒子を分散した分散液を含浸し乾燥させる方法
が考えられるが、この場合、シート作製の段階で極細繊
維の繊維長が非常に短いために脱落したり、十分な交絡
が得られず、シートが切れる心配がある。仮にシートが
得られたとしても、地合い(繊維分散の均一性)の良い
シートは得られない。このシートに発泡性粒子を分散し
た分散液を含浸し乾燥させる濾材を得たとしても、発泡
性粒子が濾材中に均一に分散されておらず、濾材の性能
は悪いものとなってしまう。
【0037】湿式抄紙法で濾材を作製する場合、極細繊
維、骨格繊維、発泡性粒子を分散水に均一に分散する必
要があることから、分散水に界面活性剤などの分散剤を
添加することが望ましい。
【0038】界面活性剤は、アニオン系、カチオン系、
ノニオン系、両性に分類される。アニオン系界面活性剤
としては、カルボン酸塩、硫酸エステル塩、スルホン酸
塩、リン酸エステル塩などが挙げられる。カチオン系界
面活性剤としては、アミン塩、アンモニウム塩などが挙
げられる。ノニオン系界面活性剤としては、エーテル
型、エステル型、アミノエーテル型などが挙げられる。
両性界面活性剤としては、ベタイン型などが挙げられ
る。これらの中から、繊維の分散性の良好なものを適宜
選択し用いればよい。また、ここから外れるものであっ
ても、繊維の分散性の良好なものであれば問題ない。
【0039】均一に混合分散した繊維の分散安定性を向
上させるために、アニオン性のポリアクリルアミド系粘
剤を繊維分散液、または抄紙白水中に添加することによ
り、湿式抄造後の濾材の地合はさらに向上する。
【0040】本発明の濾材は、一般紙や湿式不織布を製
造するための湿式抄紙機、例えば、長網抄紙機、円網抄
紙機、傾斜ワイヤー式抄紙機を単独で一層であっても、
同機種同士、異機種を組み合わせた二層以上の多層であ
っても良い。2層以上の場合、上流側を粗層とし下流を
密層とすることにより濾材のライフは良好になる。
【0041】乾燥には、シリンダードライヤー、スルー
ドライヤー、赤外線ドライヤーなどの乾燥機を用いるこ
とが可能であり、乾燥温度を発泡性粒子の発泡温度以上
にする必要がある。
【0042】しかし、本発明の濾材は、湿式抄紙機で得
たものに限らず、発泡性粒子、極細繊維、骨格繊維の全
て、またはこれらの一部を含まない繊維シート、織布、
不織布、フィルム、膜などと積層することが可能であ
る。
【0043】本発明の濾材は、乾燥した時点で強度、腰
が良好であるが、用途によりさらに強度、腰を向上させ
るために、湿式抄紙、乾燥した後、各種バインダーを付
与することが可能である。
【0044】用いられるバインダーとしては、アクリル
系ラテックス、酢ビ系ラテックス、ウレタン系ラテック
ス、エポキシ系ラテックス、SBR系ラテックス、フェ
ノール樹脂、およびカチオン基を有する水溶性紙力剤の
カチオン性ポリアクリルアミド、両性ポリアクリルアミ
ド、カチオン性アクリルアミド、両性アクリルアミド、
カチオン性ポリアミド、両性ポリアミド、ポリアミドポ
リアミン、カチオン化澱粉、カチオン化グアーガム、両
性グアーガム、ポリアミドエピクロヒドリン、カチオン
化PVAなどが挙げられる。好ましくは、カチオン性ポ
リアクリルアミド、両性ポリアクリルアミドであり、こ
れらを単独、もしくは2種以上を併用して使用できる。
【0045】湿式抄紙、乾燥した後、付与するバインダ
ー量は、濾材の坪量に対して20重量%未満である。2
0重量%を超えると、強度、腰は強くなるものの捕集性
能が低下するばかりでなく、圧力損失が高くなってしま
いフィルターのライフを短くしてしまう。
【0046】また、用途に応じてさらにシートに撥水
性、難燃性を付与させるために、撥水剤、難燃剤を添加
しても良い。
【0047】
【作用】本発明の濾材は、発泡性粒子が、極細繊維、極
細繊維よりも大きな平均直径を持つ骨格繊維と共に水性
分散液に混合されており、湿式抄紙法でウェブを抄造す
ることから均一に繊維同士の間に分布している。そのた
め、発泡温度以上に加熱されたとき軟化した発泡性粒子
の外壁に濾材に配合されている極細繊維を放射状に付着
させることにより、濾材を通過するダストを含んだエア
の通路を長くでき、ダストが繊維に接触する機会を多く
して捕集効率を高める働きをする。さらに加熱した場
合、発泡性粒子の外壁が内包されているガスの膨張によ
り薄膜化し膨張して濾材の層中に空隙を形成した後ガス
が放出し、外壁は溶融して濾材の層中の空隙を維持した
まま極細繊維、および骨格繊維の表面、極細繊維、およ
び骨格繊維同士の交点、骨格繊維と極細繊維との交点を
強固に固定する接着剤の働きをすることから、濾材全体
の腰(硬さ)を向上させる役割も果たす。また、発泡性
粒子により形成された濾材層中の空隙により通気性を確
保出来ることから高強度、かつ腰があって単独でフィル
ターに組み込むことが可能である濾材を提供できる。
【0048】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の「部」および「%」は、それぞれ「重
量部」および「重量%」を示す。
【0049】実施例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
65μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
6)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツ
モトマイクスフェアーF-30、発泡開始温度:約100℃)を各々1
5:80:5の比率で配合し、分散濃度0.2%で30
分間分散した後、乾燥重量で70g/m2になるように円
網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスルードライヤーで
乾燥した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル製、
プライマルHA−16)を5g/m2含浸し、150℃で
乾燥させ濾材を得た。
【0050】実施例2 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約2.
7μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#11
0)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツ
モトマイクロスフェアーF-1300 、発泡開始温度:約100℃)を各
々20:75:5の比率で配合し、分散濃度0.2%で
30分間分散した後、乾燥重量で70g/m2になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスルードライヤ
ーで乾燥した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル
製;プライマルHA−16)を5g/m2含浸し、150
℃で乾燥させ濾材を得た。
【0051】実施例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
5μmの芳香族ポリアミドのフィブリル化繊維(ダイセ
ル化学工業製;KY−400S)、繊維径約7.2μm
×繊維長5mmのポリエステル繊維(帝人製)、発泡性
粒子(松本油脂製薬製;マツモトマイクロスフェアーF-30 、発泡開始
温度:約100℃)を各々10:85:5の比率で配合
し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥重量
で70g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、150
℃のエアスルードライヤーで乾燥した後、アクリル系ラ
テックス(日本アクリル製、プライマルHA−16)を
5g/m2含浸し、150℃で乾燥させ濾材を得た。
【0052】実施例4 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
65μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
6)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツ
モトマイクロスフェアーF-30 、発泡開始温度:約100℃)を各々
15:82:3の比率で配合し、分散濃度0.2%で3
0分間分散した後、乾燥重量で70g/m2になるように
円網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスルードライヤー
で乾燥した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル
製;プライマルHA−16)を5g/m2含浸し、150
℃で乾燥させ濾材を得た。
【0053】実施例5 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
65μmのマイクロガラス繊維(シュラー社製;#10
6)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツ
モトマイクロスフェアーF-30 、発泡開始温度:約100℃)を各々
15:75:10の比率で配合し、分散濃度0.2%で
30分間分散した後、乾燥重量で70g/m2になるよう
に円網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスルードライヤ
ーで乾燥した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル
製;プライマルHA−16)を5g/m2含浸し、150
℃で乾燥させ濾材を得た。
【0054】実施例6 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
3μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
0)、繊維径約0.5μmの芳香族ポリアミドのフィブ
リル化繊維(ダイセル化学工業製;KY−400S)、
繊維径約3.9μm×繊維長3mmのアクリル繊維(三
菱レイヨン製)、繊維径約14.3μm×繊維長5mm
の捲縮ポリエステル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本
油脂製薬製;マツモトマイクロスフェアーF-1300 、発泡開始温度:約
100℃)を各々15:10:30:35:10の比率
で配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾
燥重量で70g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、
150℃のエアスルードライヤーで乾燥した後、アクリ
ル系ラテックス(日本アクリル製;プライマルHA−1
6)を5g/m2含浸し、乾燥させ、HEPAフィルター
(高性能エアーフィルター)用濾材を得た。
【0055】比較例1 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
65μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
6)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)を各々15:85の比率で配合し、
分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で7
0g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、150℃の
エアスルードライヤーで乾燥した後、アクリル系ラテッ
クス(日本アクリル製;プライマルHA−16)を5g
/m2含浸し、150℃で乾燥させ濾材を得た。
【0056】比較例2 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約1
2.5μm×繊維長5mmのポリエステル繊維(帝人
製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツモトマイクロスフェアーF-3
0 、発泡開始温度:約100℃)を各々95:5の比率
で配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾
燥重量で70g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、
150℃のエアスルードライヤーで乾燥した後、アクリ
ル系ラテックス(日本アクリル製;プライマルHA−1
6)を5g/m2含浸し、150℃で乾燥させ濾材を得
た。
【0057】比較例3 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
65μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
6)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツモトマイクロスフェアーF-3
0 、発泡開始温度:約100℃)を各々95:5の比率
で配合し、分散濃度0.2%で30分間分散した後、乾
燥重量で70g/m2になるように円網抄紙機で抄紙後、
150℃のエアスルードライヤーで乾燥を試みたが、濾
材の強度が弱く濾材は得られなかった。
【0058】比較例4 実施例1と全く同じ配合で抄紙後、発泡性粒子の発泡開
始温度よりも低い90℃のエアスルードライヤーで乾燥
した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル製;プラ
イマルHA−16)を5g/m2含浸し90℃で乾燥させ
濾材を得た。
【0059】比較例5 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約6μ
m×繊維長6mmのガラス繊維(旭ファイバーグラス
製)、繊維径約12.5μm×繊維長5mmのポリエス
テル繊維(帝人製)、発泡性粒子(松本油脂製薬製;マツ
モトマイクロスフェアーF-30 、発泡開始温度:約100℃)を各々
15:80:5の比率で配合し、分散濃度0.2%で3
0分間分散した後、乾燥重量で70g/m2になるように
円網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスルードライヤー
で乾燥した後、アクリル系ラテックス(日本アクリル
製;プライマルHA−16)を5g/m2含浸し、150
℃で乾燥させ濾材を得た。
【0060】比較例6 2m3 の分散タンクにアクリル酸ソーダ系アニオン性界
面活性剤(日本アクリル化学製;プライマル850)を
全繊維に対して1%になるように添加し、繊維径約0.
3μmのマイクロガラス繊維(シュラー製;#10
0)、繊維径約0.5μmの芳香族ポリアミドのフィブ
リル化繊維(ダイセル化学工業製;KY−400S)、
繊維径約3.9μm×繊維長3mmのアクリル繊維(三
菱レイヨン製)、繊維径約14.3μm×繊維長5mm
の捲縮ポリエステル繊維(帝人製)を各々16.7:1
1.1:33.3:38.9の比率で配合し、分散濃度
0.2%で30分間分散した後、乾燥重量で70g/m2
になるように円網抄紙機で抄紙後、150℃のエアスル
ードライヤーで乾燥した後、アクリル系ラテックス(日
本アクリル製;プライマルHA−16)を5g/m2含浸
し、乾燥させHEPAフィルター用濾材を得た。
【0061】上記の実施例1〜6、および比較例1〜6
で作製した濾材について、下記の評価方法により評価
し、その結果を下記表1に示した。
【0062】<圧力損失>圧力損失(Pa)は、濾材に
空気を風速5.3cm/秒で通気させた時の通気抵抗を
水中マノメーターで測定した。
【0063】<捕集効率>捕集効率(%)は、DOPエ
アロゾル(フタル酸ジオクチル、粒径0.3μm)粒子
を発生させ、この粒子を含有する空気を風速5.3cm
/秒で通気させ、濾材の前後で空気をサンプリングし、
それぞれの粒子濃度をマルチダストカウンターで測定し
下記数1より算出した。
【0064】
【数1】捕集効率={(濾過前の粒子数−濾過後の粒子
数)/濾過前の粒子数}×100
【0065】<焼却後の灰分>焼却後の灰分(%)は、
濾材を900℃の電気炉で2時間加熱焼却させる前後の
重量から下記数2より算出した。
【0066】
【数2】灰分=(焼却後の濾材の重量/焼却前の濾材の
重量)×100
【0067】<引張強度>引張強度(kgf/25m
m)は、濾材を縦方向に巾25mm、長さ160mmに
裁断し、テンシロン測定機(オリエンテック製、HTM
−100)を用いて測定し、6回の測定値の平均値を示
した。
【0068】<フィルター加工性>フィルター加工性
は、濾材を蛇腹状にひだ折りし、ユニットに組み込む際
の作業性を示す。
【0069】
【表1】
【0070】実施例1〜5の濾材は、発泡性粒子を配合
しているため腰があり、フィルター加工性が良好で、捕
集効率も良好である。
【0071】実施例6の濾材について、濾材断面の電子
顕微鏡写真を図1に示す。断面写真より濾材の層中に発
泡性粒子によって形成された空隙が存在していることが
判る。また、発泡により空隙を形成した後の発泡性粒子
の外壁は薄膜化した後に、破れて繊維の交点に絡み付き
接着剤の働きをすることから、濾材の腰(硬さ)を高
め、フィルター加工性が良好で、捕集効率も良好なHE
PAフィルターに使用できる濾材であった。
【0072】比較例1の濾材は、発泡性粒子を配合して
いないため腰が弱く、フィルター加工性が悪かった。比
較例2の濾材は、極細繊維を配合していないために捕集
効率が低い。比較例3の濾材は、骨格繊維を配合してい
ないため、濾材を得られなかった。比較例4の濾材は、
発泡性粒子の発泡開始温度よりも低い温度で乾燥させた
ため、発泡性粒子が発泡しなかったことから腰が弱く、
フィルター加工性が悪かった。比較例5の濾材は、ガラ
ス繊維の繊維径が5μmを超えているため捕集効率が低
い。
【0073】比較例6の濾材について、濾材断面の電子
顕微鏡写真を図2に示す。断面写真より濾材の層中には
大きな空隙が存在せず、実施例6と比較して厚みが薄
く、密度が高いため、通気性が低く、圧力損失が高い。
発泡性粒子の外壁による接着効果がない事から、腰が弱
く、フィルター加工性が悪かった。
【0074】
【発明の効果】本発明の濾材は、焼却後の重量が非常に
小さく、湿式抄紙法の特徴である均一な地合をもって、
低圧力損失、高濾過効率、高強度、かつ腰があって単独
でフィルターに組み込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す濾材断面の電子顕微鏡
写真。
【図2】本発明外の一比較例を示す濾材断面の電子顕微
鏡写真。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 極細繊維、極細繊維よりも大きな平均直
    径を持つ骨格繊維、ならびに発泡性粒子からなる水性分
    散液を用いて湿式抄紙法により抄造したウェブであっ
    て、発泡処理後の該発泡性粒子が該ウェブの層中に空隙
    部を形成してなることを特徴とする濾材。
  2. 【請求項2】 極細繊維が、平均繊維径3μm以下のマ
    イクロガラス繊維であることを特徴とする請求項1記載
    の濾材。
  3. 【請求項3】 極細繊維が、少なくとも一部が繊維径1
    μm以下にフィブリル化された有機繊維であることを特
    徴とする請求項1記載の濾材。
  4. 【請求項4】 極細繊維よりも大きな平均直径を持つ骨
    格繊維の全量またはその一部が、捲縮性を有する有機繊
    維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項
    に記載の濾材。
  5. 【請求項5】 濾材中の発泡性粒子の配合比率が、3〜
    10重量%であることを特徴とする請求項1〜4のいず
    れか1項に記載の濾材。
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