JP4751410B2 - クライオポンプ及び真空排気方法 - Google Patents

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Description

本発明は、クライオポンプ及び真空排気方法に関する。
クライオポンプは、極低温に冷却されたクライオパネルに気体分子を凝縮または吸着により捕捉して排気する真空ポンプである。クライオポンプは半導体回路製造プロセス等に要求される清浄な真空環境を実現するために一般に利用される。
例えば特許文献1には、熱伝導率0.01w/cmK程度以上の活性炭がパネルに貼付されているクライオポンプが記載されている。これによれば、ポンプを大型化することなく水素やヘリウム等を確実かつ効率よく吸着できる排気能力の高いクライオポンプが提供される。このクライオポンプにおいては、シェブロンバッフルが設けられている開口部から見てクライオパネル板の裏側となる面に活性炭が貼付されている。
特開2005−54689号公報
クライオポンプはいわゆるため込み式の真空ポンプであり、被排気気体の蓄積が進行すると徐々に排気性能が低下してくる。このため、クライオパネル表面に捕捉された気体分子を外部に排出する再生処理が適当な頻度で実行される。クライオポンプの排気性能は再生処理を経ることにより通常は回復される。しかし、再生処理を経ても吸着剤に残留する割合が比較的大きい気体も存在する。このような難再生気体は例えば排気工程での化学変化などによって生じる。被排気気体が難再生気体を含む場合には再生処理によって排気性能を充分に回復することはできないから、クライオパネルの耐用期間が短くなってしまう。その結果、新規のクライオパネルへの交換等のメンテナンス作業の頻度が増大してしまう。
そこで、本発明は、クライオパネルの長寿命化を実現し、パネル交換等のメンテナンス作業負担を軽減することができるクライオポンプ及び真空排気方法を提供することを目的とする。
本発明のある態様は、クライオポンプである。このクライオポンプは、第1及び第2の気体を含む被排気気体を吸着剤に吸着することで排気するクライオポンピング処理と、吸着された気体を吸着剤から脱着して排出する再生処理とを交互に行う。クライオポンプは、第1の吸着剤と第2の吸着剤とを備える。第1の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい。第2の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい。
この態様によれば、第1の吸着剤は第2の吸着剤よりも難再生気体に対し優れた吸着性能を有する。このため、難再生気体は第1の吸着剤に集積され、第2の吸着剤への蓄積が低減される。よって、第2の吸着剤の耐用期間への影響が軽減され、第2の吸着剤を長く使用することができる。また、実用上、難再生気体の蓄積に伴って必要となるメンテナンス作業は第1の吸着剤に対してのみ行えば実用上充分となるから、作業負担を軽減することもできる。
本発明の別の態様は、クライオポンプである。このクライオポンプは、イオン注入装置の真空排気系に使用される。クライオポンプは、イオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、イオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備える。
本発明の更なる態様は、クライオパネル構造体である。クライオパネル構造体は、第1の気体分子を選択的に吸着する第1の吸着領域と、第1の吸着領域とは異なる部位に形成され、第1の気体分子とは異なる第2の気体分子を選択的に吸着する第2の吸着領域と、を備える。
本発明の更なる態様は、クライオパネル構造体である。クライオパネル構造体は、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径とする第1の吸着剤と、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径よりも小さい第2の細孔直径とする第2の吸着剤と、を備える。
本発明の更なる態様は、真空排気方法である。この方法は、第1及び第2の気体を含む被排気気体を吸着剤に吸着して排気するクライオポンピング工程と、吸着された気体を吸着剤から脱着して排出する再生工程と、を含む。クライオポンピング工程は、第1の吸着剤と第2の吸着剤とを併用して被排気気体を排気する。第1の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい。第2の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい。この方法は、第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の第1の吸着剤における残留量が基準を超えた場合に第1の吸着剤を選択的に交換するメンテナンス工程をさらに含んでもよい。
本発明によれば、クライオポンプのメンテナンスの作業負担を軽減することができる。
本実施形態に係るクライオポンプは、難再生気体の吸着に適する第1の吸着領域を備える。第1の吸着領域は難再生気体を選択的に吸着するように形成されていてもよい。また、第1の吸着領域は、他の吸着領域よりも難再生気体の吸着性能に優れるように形成されていてもよい。クライオポンプは、第1の吸着領域とは異なる部位に形成される第2の吸着領域を備え、第2の吸着領域は、再生処理において実質的に完全に除去される気体を吸着するように形成されていてもよい。吸着領域は例えば、クライオパネル表面に吸着剤を設けることにより形成される。本実施形態に係るクライオポンプにおいては例えば、異種の吸着剤がそれぞれ区分された領域に設けられ、異なる吸着性能を有する複数の吸着領域が形成される。
クライオポンプは、第1の冷却温度レベルに冷却される第1のクライオパネルと、第1の冷却温度レベルよりも低温の第2の冷却温度レベルに冷却される第2のクライオパネルと、を備えてもよい。第1のクライオパネルには、第1の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。例えば基準蒸気圧(例えば10−8Pa)よりも蒸気圧が低い気体が排気される。第2のクライオパネルには、第2の冷却温度レベルにおいて蒸気圧が低い気体が凝縮により捕捉されて排気される。第2のクライオパネルには、蒸気圧が高いために第2の温度レベルにおいても凝縮しない非凝縮性気体を捕捉するために表面に吸着領域が形成される。
クライオポンプはいわゆるため込み式の真空ポンプであるから、内部に蓄積された気体を適宜の頻度で外部に排出する再生処理が実行される。再生は、クライオパネルとしての動作温度よりも高温(例えば常温)にクライオパネルを昇温し、パネル表面に凝縮または吸着されている気体を再放出させて外部に排出し、再度クライオパネルの動作温度に冷却する処理である。昇温により、クライオパネル表面に凝縮により捕捉されていた気体は気化され、吸着により捕捉されていた気体は脱着されてポンプ容器内部に放出される。通常、再生処理に先立ってクライオポンプは、ゲートバルブを閉じることにより排気対象容積から分離される。再放出された気体はクライオポンプの排出口を通じて、例えば付設の粗引きポンプの駆動により排出される。
クライオポンプに蓄積された気体は通常、再生処理により実質的に完全に排出され、再生完了時にはクライオポンプは仕様上の排気性能に回復される。しかし、被排気気体のうち一部の成分は再生処理を経ても吸着剤に残留する割合が比較的高い。例えば、イオン注入装置の真空排気用に設置されているクライオポンプにおいては、吸着剤としての活性炭に粘着性の物質が付着することが観察された。この粘着性物質は再生処理を経ても完全に除去することが困難であった。この粘着性物質は、処理対象基板に被覆されるフォトレジストから排出される有機系のアウトガスに起因すると考えられる。またはイオン注入処理でドーパントガスつまり原料ガスとして使用される毒性ガスに起因する可能性もある。イオン注入処理におけるその他の副生成ガスに起因する可能性も考えられる。これらのガスが複合的に関係して粘着性物質が生成されている可能性もある。
イオン注入処理では、被排気気体の大半は水素ガスである。水素ガスは再生により実質的に完全に外部に排出される。被排気気体のうち、難再生気体は微量である。よって、1回のクライオポンピング処理においてクライオポンプの排気性能に難再生気体が与える影響は軽微である。しかし、クライオポンピング処理と再生処理とを反復するうちに、難再生気体は徐々に吸着剤に蓄積され、排気性能を低下させていく。排気性能が許容範囲を下回ったときにはメンテナンス作業が必要となる。例えばクライオパネルとともに吸着剤を交換するか、または吸着剤に化学的な難再生気体除去処理を施すことになる。このように難再生気体は、吸着剤の寿命を短くするとともにメンテナンス作業の頻度を増加させる。
そこで、本発明の一実施形態に係るクライオポンプは、難再生気体を一部のクライオパネルに集積させるように構成される。クライオポンプは、難再生気体専用のクライオパネルまたは吸着剤を備えてもよいし、難再生気体の吸着性能に相対的に優れるクライオパネルまたは吸着剤を備えてもよい。これにより、他のクライオパネルへの難再生気体の蓄積が低減される。よって、これらのパネルの排気性能への影響が軽減され、クライオパネル寿命の短縮も抑制される。また、必要となるメンテナンス作業の対象を難再生気体用パネルに限定することができるので、作業負担を軽減することもできる。
ここで、難再生気体とは例えば、所定の再生処理において所定の気体(例えば水素)のクライオポンプ外部への排出が実質的に完了した時点でポンプ外部への排出が完了していない気体である。また、所定の気体を実質的に完全にクライオポンプ外部に排出するよう調整されている再生処理を経ても吸着剤における残留が基準を超える気体は、難再生気体であると言える。例えば、ウエハ表面に塗布されているレジストまたはその他のコーティングからの有機系のアウトガスについても再生処理での吸着剤への残留割合が高いおそれがある。また、イオン注入処理に使用される毒性のドーパントガスも難再生気体となりうる。
この技術思想の一具体例に係るクライオポンプは、イオン注入装置の真空排気系への使用に適するクライオポンプである。このクライオポンプは、イオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、イオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備える。
また、他の一例は、基板処理装置の真空排気系への使用に適するクライオポンプである。基板処理装置は例えば、レジストで被覆されている基板をプロセスガスで処理する。クライオポンプは、レジストから放出される有機系ガスの単位重量当たり吸着量がプロセスガスの単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、レジストから放出される有機系ガスの単位重量当たり吸着量がプロセスガスの単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備える。
レジストは例えば、有機系材料からなる有機レジストである。プロセスガスは、処理対象(例えば基板)またはその表面のレジストと化学的に直接反応する反応性プロセスガスであってもよい。またはプロセスガスは、反応性ガスを処理対象へと導入するのを支援するためのガスであってもよい。基板処理装置がスパッタ装置である場合にはプロセスガスは不活性ガス例えばアルゴンである。基板処理装置がイオン注入装置である場合にはプロセスガスは例えば水素ガスまたはドーパントガスである。プロセス中におけるプロセスガスとレジストとの相互作用によって、レジストから有機系のガスが放出されうる。またプロセス中ではなくても真空環境によりレジストからアウトガスが放出されうる。この有機系ガスには例えば、芳香族、直鎖炭化水素、アルコール、ケトン、エーテル等が含まれ得る。
難再生気体は、上述のレジストからの有機系ガスや、イオン注入処理に使用されるドーパントガスには限られない。例えば、プロセスによってはプロセスガス自体が難再生気体であることもありうる。また、基板へのレジスト以外のコーティングからの放出ガスが難再生気体である場合もある。
よって、クライオポンプは、第1及び第2の気体を含む被排気気体を吸着剤に吸着することで排気するクライオポンピング処理と、吸着された気体を吸着剤から脱着して排出する再生処理とを交互に行うよう構成され、第1の吸着剤と第2の吸着剤とを備えていてもよい。第1の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい吸着剤であってもよい。第2の吸着剤は、吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい吸着剤であってもよい。
また、本発明は、異なる気体に対して異なる吸着性能を有する複数の吸着領域をクライオポンプに形成するという技術思想であると言い換えることもできる。典型的なクライオポンプは、クライオパネル全体で単一種類の活性炭を共通に使用するという設計思想のもとで活性炭が選択されている。例えば、クライオポンプは、第1の気体分子の吸着性能に有意に優れる第1の吸着領域と、第1の吸着領域とは異なる部位に形成され、第1の気体分子とは異なる第2の気体分子の吸着性能に有意に優れる第2の吸着領域と、を備えるクライオパネル構造体を備える。これにより、被排気気体の成分構成に応じた効率的な真空排気が可能となる。例えば、吸着剤で粘着性を示す気体を一部の吸着剤に集積させることにより、他の吸着剤が粘着性物質で被覆されて吸着性能が低下することを抑制することができる。
例えば、クライオパネル構造体は、第1の気体分子を選択的に吸着する第1の吸着剤により形成される第1の吸着領域と、第1の吸着領域とは異なる部位に形成され、第1の気体分子とは異なる第2の気体分子を選択的に吸着する第1の吸着剤により形成される第2の吸着領域と、を備えてもよい。または、クライオパネル構造体は、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径とする第1の吸着剤により形成される第1の吸着領域とと、第1の吸着領域とは異なる部位に形成され、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径よりも小さい第2の細孔直径とする第2の吸着剤により形成される第2の吸着領域と、を備えてもよい。ここで、第1の細孔直径は第1の気体分子の分子径に対応させて選択され、第2の細孔直径は第2の気体分子の分子径に対応させて選択されてもよい。なお、第1の吸着領域及び第2の吸着領域に加えて、第3の気体分子のための第3の吸着領域がさらに形成されてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係るイオン注入装置1及びクライオポンプ10を模式的に示す図である。イオン注入装置1は、イオン源部2、質量分析器3、ビームライン部4、及びエンドステーション部5を含んで構成される。イオン源部2は、基板表面に注入されるべき元素をイオン化し、イオンビームとして引き出すように構成されている。質量分析器3は、イオン源部2の下流に設けられており、イオンビームから必要なイオンを選別するよう構成されている。ビームライン部4は、質量分析器3の下流に設けられており、イオンビームを整形するレンズ系、及びイオンビームを基板に対して走査する走査システムを含む。エンドステーション部5は、ビームライン部4の下流に設けられており、イオン注入処理の対象となる基板を保持する基板ホルダ、及びイオンビームに対して基板を駆動する駆動系等を含んで構成される。
また、イオン注入装置1には、真空排気系6が付設されている。真空排気系6は、イオン源部2からエンドステーション部5までを所望の高真空(例えば10−5Paよりも高真空)に保持するために設けられている。真空排気系6は、クライオポンプ10a、10b、10cを含む。例えば、クライオポンプ10a、10bは、ビームライン部4の真空チャンバの真空排気用にビームライン部4の真空チャンバ壁面のクライオポンプ取付用開口に取り付けられている。クライオポンプ10cは、エンドステーション部5の真空チャンバの真空排気用にエンドステーション部5の真空チャンバ壁面のクライオポンプ取付用開口に取り付けられている。
クライオポンプ10a、10bはそれぞれゲートバルブ7a、7bを介してビームライン部4に取り付けられている。クライオポンプ10cは、ゲートバルブ7cを介してエンドステーション部5に取り付けられている。なお以下では適宜、クライオポンプ10a、10b、10cを総称してクライオポンプ10と称し、ゲートバルブ7a、7b、7cを総称してゲートバルブ7と称する。クライオポンプ10を再生するときにゲートバルブ7は閉じられる。イオン注入装置1の動作中はゲートバルブ7は開弁されており、クライオポンプ10による排気が行われる。なお、ビームライン部4及びエンドステーション部5はそれぞれ、1つのクライオポンプ10によって排気されるように真空排気系6が構成されていてもよい。また、ビームライン部4及びエンドステーション部5がそれぞれ複数のクライオポンプ10によって排気されるように真空排気系6が構成されていてもよい。
なお、真空排気系6は、さらに、イオン源部2を高真空とするためのターボ分子ポンプ及びドライポンプを備えてもよい。また、真空排気系6は、ビームライン部4及びエンドステーション部5を大気圧からクライオポンプ10の動作開始圧まで排気するための粗引きポンプをクライオポンプ10と並列に備えてもよい。
ビームライン部4及びエンドステーション部5に存在する気体及び導入される気体がクライオポンプ10によって排気される。この被排気気体の大半は通常水素ガスである。また、被排気気体には、ドーパントガスとして使用される毒性ガスも含まれる。基板に注入されるべき元素が例えばボロンである場合にはドーパントガスとして例えば三フッ化ホウ素(BF)が使用される。リンを注入する場合にはドーパントガスとして例えばホスフィン(PH)が使用される。ヒ素を注入する場合にはドーパントガスとして例えばアルシン(AsH)が使用される。また、イオン注入処理における副生成ガスが被排気気体に含まれることも考えられる。
図2は、本発明の一実施形態に係るクライオポンプ10を模式的に示す断面図である。クライオポンプ10は、真空チャンバ80に取り付けられている。真空チャンバ80は、例えばビームライン部4またはエンドステーション部5(図1参照)の真空チャンバである。クライオポンプ10は、冷凍機12とパネル構造体14と熱シールド16とを備える。パネル構造体14は複数のクライオパネル42を含み、これらのパネルは冷凍機12により冷却される。パネル表面には気体を凝縮または吸着により捕捉して排気するための極低温面が形成される。
図2に示されるクライオポンプ10は、いわゆる縦型のクライオポンプである。縦型のクライオポンプとは、熱シールド16の軸方向に沿って冷凍機12が挿入されて配置されているクライオポンプである。なお、本発明はいわゆる横型のクライオポンプにも同様に適用することができる。横型のクライオポンプとは、熱シールド16の軸方向に交差する方向(通常は直交方向)に冷凍機の第2段の冷却ステージが挿入され配置されているクライオポンプである。
冷凍機12は、ギフォード・マクマホン式冷凍機(いわゆるGM冷凍機)である。また冷凍機12は2段式の冷凍機であり、第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24を有する。冷凍機12は配管18を介して圧縮機20に接続されており、圧縮機20から供給される例えばヘリウム等の作動流体を内部で断熱膨張させて第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24に寒冷を発生させる。第2冷却ステージ24は第1冷却ステージ22よりも低温に冷却される。第2冷却ステージ24は例えば10K乃至20K程度に冷却され、第1冷却ステージ22は例えば60K乃至100K程度、好ましくは80K乃至100K程度に冷却される。
冷凍機12の第1冷却ステージ22には熱シールド16が熱的に接続された状態で固定され、冷凍機12の第2冷却ステージ24にはパネル構造体14が熱的に接続された状態で固定されている。このため、熱シールド16は第1冷却ステージ22と同程度の温度に冷却され、パネル構造体14は第2冷却ステージ24と同程度の温度に冷却される。
熱シールド16は、パネル構造体14及び第2冷却ステージ24を周囲の輻射熱から保護するために設けられている。熱シールド16は一端に開口部26を有する有底円筒状の形状に形成されている。開口部26は熱シールド16の筒状側面の端部内面により画定される。
一方、熱シールド16の開口部26とは反対側つまりポンプ底部側の他端には閉塞部28が形成されている。閉塞部28は、熱シールド16の円筒状側面のポンプ底部側の端部において径方向内側に向けて延びるフランジ部により形成される。図2に示されるクライオポンプ10は縦型のクライオポンプであるので、このフランジ部が冷凍機12の第1冷却ステージ22に取り付けられている。これにより、熱シールド16内部に円柱状の内部空間30が形成される。冷凍機12は熱シールド16の中心軸に沿って内部空間30に突出しており、第2冷却ステージ24は内部空間30に挿入された状態となっている。
なお、横型のクライオポンプの場合には、閉塞部28は通常完全に閉塞されている。冷凍機12は、熱シールド16の側面に形成されている冷凍機取付用の開口部から熱シールド16の中心軸に直交する方向に沿って内部空間30に突出して配置される。冷凍機12の第1冷却ステージ22は熱シールド16の冷凍機取付用開口部に取り付けられ、冷凍機12の第2冷却ステージ24は内部空間30に配置される。第2冷却ステージ24にはパネル構造体14が取り付けられる。パネル構造体14は、適当な形状のパネル取付部材を介して第2冷却ステージ24に取り付けられてもよい。
なお、熱シールド16の形状は、円筒形状には限られず、角筒形状や楕円筒形状などいかなる断面の筒形状でもよい。典型的には熱シールド16の形状はポンプケース34の内面形状に相似する形状とされる。また、熱シールド16は図示されるような一体の筒状に構成されていなくてもよく、複数のパーツにより全体として筒状の形状をなすように構成されていてもよい。これら複数のパーツは互いに間隙を有して配設されていてもよい。
また熱シールド16の開口部26にはバッフル32が設けられている。バッフル32は、パネル構造体14とは熱シールド16の中心軸方向に間隔をおいて設けられている。バッフル32は、熱シールド16の開口部26側の端部に取り付けられており、熱シールド16と同程度の温度に冷却される。バッフル32は例えば、ルーバーまたはシェブロンである。バッフル32は、真空チャンバ80側から見たときに例えば同心円状に形成されていてもよいし、あるいは格子状等他の形状に形成されていてもよい。なお、バッフル32と真空チャンバ80との間にはゲートバルブ7(図1参照)が設けられている。
熱シールド16、バッフル32、パネル構造体14、及び冷凍機12の第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24は、ポンプケース34の内部に収容されている。ポンプケース34は径の異なる2つの円筒を直列に接続して形成されている。ポンプケース34の大径の円筒側端部は開放され、真空チャンバ80との接続用のフランジ部36が径方向外側へと延びて形成されている。またポンプケース34の小径の円筒側端部は冷凍機12に固定されている。クライオポンプ10はポンプケース34のフランジ部36を介して真空チャンバ80のクライオポンプ接続用開口に気密に固定され、真空チャンバ80の内部空間と一体の気密空間が形成される。
ポンプケース34及び熱シールド16はともに円筒状に形成されており、同軸に配設されている。ポンプケース34の内径が熱シールド16の外径を若干上回っているので、熱シールド16はポンプケース34の内面との間に若干の間隔をもって配置される。
パネル構造体14は熱シールド16の内部空間30に配置されている。パネル構造体14は、パネル取付部材40と複数のクライオパネル42a、42b、42cとを備える。なお以下ではクライオパネル42a、42b、42cを総称して単にパネル42という場合がある。パネル取付部材40は、一端が開放され他端が円板部44により閉塞されている有底円筒状の部材である。円板部44は、パネル取付部材40内部を向くほうの面が冷凍機12の第2冷却ステージ24に固定されており、パネル取付部材40は第2冷却ステージ24を包囲するように配置されている。円板部44の他方の面は熱シールド16の開口部26を向き、開口部26に平行に配置されている。
パネル構造体14の円筒状側面に複数のパネル42が互いに間隔をあけて取り付けられている。パネル42は3枚設けられており、熱シールド16の開口部26に近接するほうから順に最上パネル42aと2枚の下部パネル42b、42cが開口部26に垂直な方向に沿って等間隔に設けられている。複数のパネル42はいずれも同一形状に形成されており、円すい台側面の形状あるいは傘状の形状である。パネル42は、パネル取付部材40の円筒状側面から径方向外側に向けて延び、径方向外側に向けて延びるにつれて熱シールド16の開口部26から離れるように形成されている。このためパネル42の表面は、熱シールド16の中心軸から径方向外側に向かうにつれて熱シールド16の開口部26から離れるように開口部26に対して斜めに配置されている。
パネル構造体14の表面には気体を吸着するための吸着剤として例えば活性炭が接着されている。最上パネル42aの表面のうち開口部26を向くほうの面(以下この面を適宜「パネル前面」と呼ぶ)46aの全域に第1の活性炭50が接着されている。また、下部パネル42b、42cのパネル前面46b、46cの全域には第2の活性炭52が接着されている。
第1の活性炭50は、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径とする。第1の細孔直径は被排気気体に含まれる難再生気体の分子径に対応させて選択されている。例えば、基板に塗布されているレジストから放出される有機系ガスの分子径に対応させて第1の活性炭50の細孔直径の最大ピークは選択される。有機系ガスの分子径分布において組成比率が最大である分子径に対応させて第1の活性炭50の細孔直径の最大ピークが選択されてもよい。または、例えば三フッ化ホウ素、ホスフィン、及びアルシンのうちいずれかの分子径に対応させて第1の活性炭50の細孔直径の最大ピークは選択されてもよい。
一方、第2の活性炭52は、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径よりも小さい第2の細孔直径とする。第2の細孔直径は非凝縮性気体の分子径に対応させて選択される。第2の細孔直径は例えば希ガスのうちいずれか、具体的には例えば水素ガスの分子径に対応させて選択される。
図3は、第1の活性炭50及び第2の活性炭52の細孔径分布曲線の一例を示す図である。図3の横軸は活性炭の細孔直径を示し、縦軸は細孔容積を示す。図3に示される細孔分布は例えばLog微分細孔容積分布であるが、これに代えて、積算細孔容積分布、差分細孔容積分布、または微分細孔容積分布を用いることも可能である。細孔分布は、例えば液体窒素温度下での窒素ガスの等温吸着曲線に基づいて例えばBJH法により計算される。
図3に示されるように、第1の活性炭50は細孔直径の最大ピークを約30Åに有し、第2の活性炭52は、第1の活性炭50の細孔直径最大ピークよりも小さい約20Åに細孔直径最大ピークを有する。このように、第1の活性炭50と第2の活性炭52とは細孔直径の最大ピークが異なっているので、異なる吸着特性を有する。第1の活性炭50と第2の活性炭52とは、異なる分子径の気体に対して異なる吸着特性を有すると考えられる。第1の活性炭50は比較的大きい細孔直径ピークを有し、第2の活性炭52は比較的小さい活性炭ピークを有するので、第1の活性炭50は分子径の比較的大きい有機系アウトガスやイオン注入用ドーパントガスの吸着性能に優れ、第2の活性炭52は分子径の比較的小さい希ガスの吸着性能に優れると考えられる。
よって、第1の活性炭50については、有機系アウトガス及びイオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも大きくなる。また第2の活性炭52については、有機系アウトガス及びイオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも小さくなる。言い換えれば、第1の活性炭50については、被排気気体のうち再生処理での残留割合が大きいドーパントガスの単位重量当たり吸着量が、残留割合が小さい非凝縮性気体の気体の単位重量当たり吸着量よりも大きくなる。第2の活性炭52については、被排気気体のうち再生処理での残留割合が大きいドーパントガスの単位重量当たり吸着量が、残留割合が小さい非凝縮性気体の気体の単位重量当たり吸着量よりも小さくなる。その結果、難再生気体を第1の活性炭50に集積させることができる。なお、吸着剤の単位重量当たり吸着量は例えば、基準条件下(例えば標準状態)における吸着量である。また、気体の吸着量は、吸着剤の単位重量当たりで比較しなくともよく、例えば、単位体積当たりで比較してもよいし、単位比表面積当たりで比較してもよい。
各パネル42に接着されている活性炭は例えば円柱形状に成形されている。活性炭はその中心軸が開口部26に平行となる姿勢で側面がパネル表面に接着されている。多数の活性炭がパネル42の表面に密に並べられた状態で接着されている。なお吸着剤の形状は円柱形状でなくてもよく、例えば球状やその他の成形された形状、あるいは不定形状であってもよい。吸着剤のパネル上での配列は規則的配列であっても不規則な配列であってもよい。
最上パネル42aのパネル前面46は、開口部26及びバッフル32に直接対向しているので開口部26及びバッフル32を通過した気体分子が直線的経路で飛来する。言い換えれば、パネル前面46にはバッフル32を通過した気体分子が他のパネル等にじゃまされることなく直接的に到達する。このため、最上パネル42aのパネル前面46は、パネル構造体14の他の部位に比べて相対的に単位面積当たりの排気速度が高くなる。これに対して下部パネル42b、42cは基本的には、開口部26及びバッフル32を通過した気体分子が直線的な飛来経路を経ては到達しない。他のパネルや熱シールド16等に例えば多数回衝突し反射されてはじめて下部パネル42b、42cに気体分子は到達する。このため下部パネル42b、42cの排気速度への寄与は相対的に低い。よって、相対的に排気効率に優れる最上パネル42aに第1の活性炭50を設けることにより、ドーパントガスをより効率的に第1の活性炭50に集積させることができる。
言い換えれば、開口部26から見て露出されている部位に第1の吸着領域を設けることが望ましい。また、開口部26から見て露出されていない部位に第2の吸着領域を設けることが望ましい。よって、例えば、開口部26から見てパネル42の裏面に非凝縮性気体の吸着特性に相対的に優れる吸着剤を設けてもよい。
本実施形態では、第1の吸着領域を有するクライオパネルがパネル構造体14に対して着脱可能に構成されている。具体的には、最上パネル42aがパネル取付部材40に着脱可能に取り付けられている。最上パネル42aは例えばボルト等によりパネル取付部材40に取り付けられており、必要に応じてパネル取付部材40から取り外すことが可能である。このようにすれば、第1の吸着剤に所定基準を超えて難再生気体が蓄積されたときに、新しい吸着剤を有する別のパネルに容易に交換することができる。なお、下部パネル42b、42cについても、最上パネル42aと同様にパネル取付部材40に着脱可能に取り付けられていてもよい。あるいは、下部パネル42b、42cは、例えばはんだ付け等によりパネル取付部材40に固定的に取り付けられていてもよい。
本実施形態では、難再生気体用の第1の吸着剤が単一のクライオパネル42aに設けられている。すなわち、1枚のクライオパネル42には単一種類の吸着剤が設けられ、パネル単位で吸着特性を異ならせるようにしている。例えば、最上パネル42aには第1の活性炭50が接着され、下部パネル42b、42cにはそれぞれ第2の活性炭52が接着されている。よって、第1の吸着剤を有するクライオパネル42aのみを選択して交換することができるので、メンテナンス作業を容易に行うことができる。なお、複数のクライオパネル42からなるパネルユニット単位で吸着剤の種類を異ならせるようにしてもよい。この場合、パネルユニットがパネル構造体14に対し着脱可能に構成されていてもよい。
上述の実施形態の変形例として、例えば、特定の気体分子を選択的に吸着するように形成されている例えばゼオライト等の吸着剤を用いてもよい。例えば、第1の吸着剤としてイオン注入処理に使用されるドーパントガスを選択的に吸着する吸着剤を用い、第2の吸着剤として非凝縮性気体を選択的に吸着する吸着剤を用いてもよい。この場合、第1の吸着剤はパネル構造体14の最上パネル42aに設けられ、第2の吸着剤は、パネル構造体14の下部パネル42b、42cに設けられてもよい。
また、複数種類のドーパントガスそれぞれを選択的に吸着するよう形成されている複数種類の吸着剤をパネル構造体14に設けてもよい。例えば、パネル構造体14の最上パネル42aに、三フッ化ホウ素を選択的に吸着する吸着剤、ホスフィンを選択的に吸着する吸着剤、及び、アルシンを選択的に吸着する吸着剤をそれぞれ設けてもよい。同様に、複数種類の希ガスそれぞれを選択的に吸着するよう形成されている複数種類の吸着剤をパネル構造体14に設けてもよい。例えば、パネル構造体14の下部パネル42b、42cに、水素を選択的に吸着する吸着剤、ネオンを選択的に吸着する吸着剤、及び、キセノンを選択的に吸着する吸着剤をそれぞれ設けてもよい。なお、このように特定気体に適合された吸着剤を設ける場合には、他の気体を吸着するための吸着剤例えば活性炭をパネル構造体14に設置して併用するようにしてもよい。
上述の実施形態では、再生処理を経たときの吸着剤への気体残留割合に着目して複数種類の吸着剤を使用しているが、他の観点から複数種類の吸着剤を使用するようにしてもよい。例えば、第1の吸着剤として、所定の吸着平衡圧力(例えば10−8Pa)を下回る冷却温度が相対的に高温である第1の気体の単位重量当たり吸着量が、当該冷却温度が相対的に低温である第2の気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい吸着剤を用いてもよい。第2の吸着剤として、所定の吸着平衡圧力を下回る冷却温度が相対的に高温である第1の気体の単位重量当たり吸着量が、当該冷却温度が相対的に低温である第2の気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい吸着剤を用いてもよい。
この場合、輻射による入熱が相対的に大きいクライオパネル表面に第1の吸着剤を設け、輻射による入熱が相対的に小さいクライオパネル表面に第2の吸着剤を設けてもよい。例えば、クライオポンプ開口面に露出されているクライオパネル表面に第1の吸着剤を設け、他のクライオパネル等によりクライオポンプ開口面に対し遮蔽されているクライオパネル表面に第2の吸着剤を設けてもよい。このようにすれば、比較的高温となりやすいクライオパネルには高温でも吸着される気体に適する吸着剤が設けられることになる。よって、クライオポンプ外部からの輻射熱の影響に対して排気性能の最適化を図ることが可能となる。
なお、本実施形態においては、細孔径分布を異ならせることにより吸着剤の表面物性を異ならせた複数種類の吸着剤を用いている。吸着剤の表面物性を異ならせることにより、吸着剤ごとに異なる吸着性能を実現している。しかし、表面物性を異ならせる手法はこれに限られず、例えば、吸着剤の比表面積(すなわち単位重量当たりの表面積)を異ならせるようにしてもよいし、吸着特性を異ならせるようにしてもよい。吸着剤の吸着特性は例えば、気相等温吸着曲線によって表される。気相等温吸着曲線は、一定温度での上記の相対圧力に対する吸着量をプロットしたものである。気相等温吸着曲線は、例えばJIS K 1474に規定する方法で測定される。
ここで、吸着剤(例えば活性炭)の種類が異なるとは、吸着剤の性質の少なくとも1つが有意に異なることを意味するものとする。有意に異なるというのは、例えば、2種の吸着剤を比較したときにある性質に関して誤差を超える違いがあるということである。本実施形態においては、異なる気体に対する吸着性能に有意な差異がある場合には、吸着剤の種類が異なるものとみなす。
クライオポンプ10の作動に際しては、まずその作動前に他の適当な粗引きポンプを用いて真空チャンバ80内部を1Pa程度にまで粗引きする。その後クライオポンプ10を作動させる。冷凍機12の駆動により第1冷却ステージ22及び第2冷却ステージ24が冷却され、これらに熱的に接続されている熱シールド16、バッフル32、パネル構造体14も冷却される。
冷却されたバッフル32は、真空チャンバ80からクライオポンプ10内部へ向かって飛来する気体分子を冷却し、その冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体(例えば水分など)を表面に凝縮させて排気する。バッフル32の冷却温度では蒸気圧が充分に低くならない気体はバッフル32を通過して熱シールド16内部へと進入する。進入した気体分子のうちパネル構造体14の冷却温度で蒸気圧が充分に低くなる気体は、パネル構造体14の表面に凝縮されて排気される。その冷却温度でも蒸気圧が充分に低くならない気体は、パネル構造体14の表面に接着され冷却されている吸着剤により吸着されて排気される。このようにしてクライオポンプ10は真空チャンバ80内部の真空度を所望のレベルに到達させることができる。
特に、イオン注入装置の真空排気系に使用されるクライオポンプ10においては、熱シールド16内部に進入した気体のうち、有機系ガスやドーパントガス等の分子径が比較的大きい気体は最上パネル42aの第1の活性炭50に主として吸着される。また、水素ガス等の分子径が比較的小さい気体は下部パネル42b、42cの第2の活性炭52に主として吸着される。このようにしてクライオポンピング処理が行われる。
クライオポンピング処理が継続して行われると、クライオポンプ内部に被排気気体が蓄積される。蓄積された気体を外部に排出するために再生処理を実行する。まず、ゲートバルブ7を閉じることによりクライオポンプ10を真空チャンバ80から分離する。次いでクライオパネル42を昇温する。クライオポンピング処理における冷却温度よりも高温(例えば常温)にクライオパネル42を昇温する。昇温により、クライオパネル表面に凝縮により捕捉されていた気体は気化され、吸着により捕捉されていた気体は脱着されてポンプ容器内部に再放出される。再放出された気体はクライオポンプ10の排出口(図示せず)を通じて、例えば付設の粗引きポンプの駆動により外部に排出する。その後、クライオポンピング処理における動作温度にクライオパネル42を再冷却する。再冷却により再生処理は完了する。ゲートバルブ7が開放されて、再びクライオポンピング処理が開始される。このようにして、クライオポンピング処理と再生処理とが交互に行われる。
本実施形態においては、クライオパネル42に対して、必要に応じてメンテナンス処理が実行される。例えば、レジストからの有機系ガスやイオン注入処理で使用されるドーパントガスの第1の活性炭50への残留量が基準を超えたと想定される場合にメンテナンス処理が行われる。例えば、ドーパントガス等の対象気体の累積使用量が基準値を超えた場合に、活性炭の気体残留量が基準を超えたと判定してもよい。あるいは、クライオポンピング処理の累積時間が基準値を超えた場合に、活性炭の気体残留量が基準を超えたと判定してもよい。これらの基準値は、吸着剤への吸着量などを考慮して適宜実験等により設定することができる。このメンテナンス処理においては例えば、第1の活性炭50を有するクライオパネル42aが交換される。あるいは、残留気体を化学的に処理して除去する気体除去処理が行われてもよい。本実施形態においては、第1の活性炭50に難再生気体が集積されるので、第1の活性炭50を有するクライオパネル42aのみに対し選択的にメンテナンス処理をすればよい。このため、メンテナンス作業を簡素化することができる。なお、第2の活性炭52を有するクライオパネルについても付加的にメンテナンス処理を実行してもよい。
以上のように本実施形態においては、第1の活性炭50は、レジストからの有機系ガスやイオン注入処理に使用される毒性ガス等の難再生気体に対し第2の活性炭52よりも優れた吸着性能を有する。また、第1の活性炭50は、クライオポンプ10の開口部26に対し露出されている最上パネル42aの前面に接着されている。このため、難再生気体が第1の活性炭50に集積される。よって、水素ガス等の非凝縮性気体の吸着性能に優れる第2の活性炭52への難再生気体の蓄積が低減される。したがって、第2の活性炭52によってクライオポンプ10の排気性能を維持することができる。それとともに、第2の活性炭52の耐用期間への影響が軽減されて第2の活性炭52を長く使用することができる。また、難再生気体の蓄積に伴って必要となるメンテナンス作業は第1の吸着剤に対してのみ行えば実用上充分となるから、作業負担を軽減することもできる。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
例えば、パネル構造体14においてクライオパネル42以外の露出されている表面を吸着剤貼付面として利用してもよい。例えばパネル取付部材40の円板部44をパネルの1つとして利用してもよい。この場合、円板部44の開口部26を向くほうの面に吸着剤を設けてもよい。なお、円板部44に設けられる吸着剤は最上パネル42aのパネル前面46の吸着剤と同種であってもよいし、異種であってもよい。
上述の実施形態とは異なるパネル配置を採用してもよい。例えば、パネル間隔はすべてのパネルについて等しくてもよいし、各々異なっていてもよい。例えば開口部26からパネルの位置が遠ざかるにつれてパネル間隔が狭くなるように複数のパネル42のそれぞれを配置してもよい。このようにすれば、開口部26に近接するパネル構造体14の部位での気体の流れ性を良好とし排気速度を高くすることができる。それとともに、開口部26から遠いパネル構造体14の部位では相対的にパネルが密に配置されることにより吸着領域を増加させることができるので充分な気体吸蔵量を確保することもできる。
また、上述の実施形態とは異なる形状のパネル42を採用してもよい。例えば、パネル42の向きは開口部26に平行であってもよいし、径方向外側に延びるにつれて開口部26に近づくように斜めになっていてもよい。吸着領域として機能するパネル表面積を増大させるためには、パネルの向きは開口部26に平行であるよりも斜めであるほうが好ましい。
パネル42の形状はパネルごとに異なる形状であってもよい。例えば、パネル42の径方向の長さを異ならせてもよく、開口部26から遠ざかるにつれて長くしてもよいし、あるいは短くしてもよい。また、パネル42を開口部26側から見たときの形状は円形でなくてもよく、例えば多角形形状などの他の形状であってもよい。パネル42の枚数は3枚に限られず、何枚であってもよい。
なお、パネル構造体14においては、第1の吸着領域とも第2の吸着領域とも性質の異なる第3の吸着領域が形成されてもよい。また、第1の吸着領域から第2の吸着領域へと連続的に性質が変化していくように形成されていてもよい。また、吸着領域の形成は、パネル表面へ吸着剤を設けること以外にパネル表面への表面加工により行ってもよい。例えば、パネル表面を例えば多孔質に改質することにより吸着領域を形成してもよい。
本発明の一実施形態に係るイオン注入装置及びクライオポンプを模式的に示す図である。 本発明の一実施形態に係るクライオポンプを模式的に示す断面図である。 第1の活性炭及び第2の活性炭の細孔径分布曲線の一例を示す図である。
符号の説明
10 クライオポンプ、 12 冷凍機、 14 パネル構造体、 16 熱シールド、 26 開口部、 28 閉塞部、 32 バッフル、 42a 最上パネル、 42b 下部パネル、 50 第1の活性炭、 52 第2の活性炭。

Claims (16)

  1. 第1及び第2の気体を含む被排気気体を吸着剤に吸着することで排気するクライオポンピング処理と、吸着された気体を吸着剤から脱着して排出する再生処理とを交互に行うクライオポンプであって、
    吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、
    吸着された第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
  2. クライオポンプ内部に進入した気体分子が直線的な飛来経路を経て到達しうる部位に形成される第1の吸着領域と、クライオポンプ内部に進入した気体分子が直線的な飛来経路を経ては到達しない部位に形成される第2の吸着領域と、を含むクライオパネル構造体をさらに備え、
    第1の吸着領域は第1の吸着剤により形成され、第2の吸着領域は第2の吸着剤により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  3. 前記クライオパネル構造体は、第1の吸着領域を着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項2に記載のクライオポンプ。
  4. 前記被排気気体は非凝縮性気体とイオン注入処理に使用されるドーパントガスとを含み、第1の吸着剤は前記ドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性気体の単位重量当たり吸着量よりも大きく、第2の吸着剤は前記ドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性気体の単位重量当たり吸着量よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  5. 第1の吸着剤は、第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が大きい気体を選択的に吸着し、第2の吸着剤は、第1及び第2の気体のうち再生処理での残留割合が小さい気体を選択的に吸着することを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  6. 第1の吸着剤は、細孔径分布曲線における最大ピークの細孔直径が第2の吸着剤よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載のクライオポンプ。
  7. イオン注入装置の真空排気系に使用されるクライオポンプであって、
    イオン注入処理に使用されるドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、
    前記ドーパントガスの単位重量当たり吸着量が非凝縮性ガスの単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
  8. レジストで被覆されている基板をプロセスガスで処理する基板処理装置の真空排気系に使用されるクライオポンプであって、
    前記レジストから放出される有機系ガスの単位重量当たり吸着量が前記プロセスガスの単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、
    前記有機系ガスの単位重量当たり吸着量が前記プロセスガスの単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を備えることを特徴とするクライオポンプ。
  9. 共通の冷却ステージに熱的に接続されるクライオパネル構造体であって、
    第1の気体分子を選択的に吸着する第1の吸着領域と、第1の吸着領域とは異なる部位に形成され、第1の気体分子とは異なる第2の気体分子を選択的に吸着する第2の吸着領域と、を備え、第1及び第2の吸着領域は前記共通の冷却ステージにより冷却されることを特徴とするクライオパネル構造体。
  10. 細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径とする第1の吸着剤と、細孔径分布曲線における最大ピークを第1の細孔直径よりも小さい第2の細孔直径とする第2の吸着剤と、を備えることを特徴とするクライオパネル構造体。
  11. 第1及び第2の気体を含む被排気気体を吸着剤に吸着して排気するクライオポンピング工程と、吸着された気体を吸着剤から脱着して排出する再生工程と、を含む真空排気方法であって、
    クライオポンピング工程は、
    吸着された第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも大きい第1の吸着剤と、
    吸着された第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の単位重量当たり吸着量が、該残留割合が小さいほうの気体の単位重量当たり吸着量よりも小さい第2の吸着剤と、を併用して被排気気体を排気することを特徴とする真空排気方法。
  12. 第1及び第2の気体のうち再生工程での残留割合が大きい気体の第1の吸着剤における残留量が基準を超えた場合に第1の吸着剤を選択的に交換するメンテナンス工程をさらに含むことを特徴とする請求項11に記載の真空排気方法。
  13. クライオポンプ内部に進入した気体分子が直線的な飛来経路を経て到達しうる第1の部位と、クライオポンプ内部に進入した気体分子が直線的な飛来経路を経ては到達しない第2の部位と、を含むクライオパネル構造体を備え、
    前記第2の部位は前記第1の部位よりも非凝縮性気体の吸着性能に優れる吸着領域を含み、前記第1の部位はクライオポンプ内部に進入した難再生気体を捕捉する極低温面を含むことを特徴とするクライオポンプ。
  14. クライオポンプの開口部から見て露出されている第1の部位と、該クライオポンプの開口部から見て露出されていない第2の部位と、を含むクライオパネル構造体を備え、
    前記第2の部位は前記第1の部位よりも非凝縮性気体の吸着性能に優れる吸着領域を含み、前記第1の部位は難再生気体の集積領域を含むことを特徴とするクライオポンプ。
  15. 前記パネル構造体は、クライオポンプの開口部に垂直な方向に沿って配列された複数のクライオパネルを含み、前記複数のクライオパネルのうち相対的に前記開口部から離れているクライオパネルに前記吸着領域が形成されていることを特徴とする請求項13または14に記載のクライオポンプ。
  16. 前記複数のクライオパネルは前記開口部から遠ざかるにつれて径方向の長さが長くなることを特徴とする請求項15に記載のクライオポンプ。
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