本発明の熱収縮性包装用容器の好ましい具体例を図1及び2に一般には袋10として示している。袋10は、熱収縮性フィルム11のシートから形成されており、この熱収縮性フィルム11は、第1縁部12、第2縁部14、頂部表面13及び底部表面15を有している。袋10は第1シール16を含み、これは第1縁部12と第2縁部14を袋の頂部から底部に重ね合わせの配置、即ちラップシールで結合させている。部分的にレイフラットの位置で図1及び図2に示されたチューブ部材18が形成され、これは、第1袋壁部20と、第2袋壁部22と、第1袋縁部24と、第2袋縁部26と、開口部28と、袋端部30とを有している。換言すれば、第1袋縁部12及び第2袋縁部14は重なり合う配置で位置しており、そして該第1縁部12の頂部表面13と第2縁部14の底部表面15の間には、該第1縁部12の頂部表面13が該第2縁部の底部表面15と対面接触でシールされるように、ヒートシールのようなシールが備えられている。袋10は第2シール32を含み、これは第1袋壁部20及び第2袋壁部22を介して備えられ且つ袋10にわたって第1袋縁部24から第2袋縁部26に横方向に延びており、それによって袋端部30を閉じ且つ製品収容室34を画定している。
第1シール16は、第1袋縁部24と第2袋縁部26の間に位置し且つそれらに対して平行に延びているように例示されているが、当業者であれば、この開示を参酌して、第1シール16の位置は、袋10がレイフラットの状態にあるときに、第1縁部24から第2縁部26に第1袋壁部20又は第2袋壁部22のいずれかの任意の所望の位置にあることができること並びに第1袋縁部24と第2袋縁部26のいずれに位置することを認識するであろう。第2シール32は、直線であり且つ第1シール16に対して垂直に延びるように例示されているが、当業者であれば、該第2シールは、第2シール32が袋端部30を閉じるように操作され、それによって製品収容室34を画定する限り、任意の形状をとることができることを認識するであろう。例えば、一般的なシール形状としては、通常袋縁部24及び26に対して垂直に延びる(該袋縁部24と26は、一般に互いに平行に延びる)直線状又は線状シールが挙げられ、また、例えば米国特許第5149943号に記載されるもののような非線状又は曲線縁部が挙げられる。所望ならばその開示を参照されたい。線状及び非線状シールの両方は、加熱棒及びインパルスシール法を含めて周知の任意の好適なシール法によって作ることができる。
本発明の熱収縮性包装用容器の第2の具体例を図3及び4に一般には袋110として例示する。袋110は熱収縮性フィルム111のシートから形成され、このシートは、第1縁部112と、第2縁部114と、頂部表面113と、底部表面115とを有している。袋110は第1シール116を含み、この第1シール116は、第1縁部112と第2縁部114を突き合わせ配置、即ちフィンシールで結合させ、それによってチューブ部材118を画定している。第1シール116を形成させるために、第1縁部112と第2縁部114を、第1縁部112と第2縁部114の両方の底部表面115が対面接触で位置するように互いに合わせ、そしてこれらの間にヒートシールのようなシールを与える。チューブ部材118は、部分的にレイフラットの状態で図3及び図4に示されており、これは、第1袋壁部120と、第2袋壁部122と、第1袋縁部124と、第2袋縁部126と、開口部128と、袋端部130とを画定している。袋110は第2シール132を含み、この第2シール132は、第1袋壁部120及び第2袋壁部122を介して備えられ、袋110にわたって第1袋縁部124から第2袋縁部126に横方向に延び、それによって袋端部130を閉じ且つ製品収容室134を画定している。
また、第1シール116は、第1袋縁部124と第2袋縁部126の間に位置するように例示されているが、当業者であれば、この開示を考慮して、第1シール116の位置は、袋110がレイフラットの状態にあるときに、第1縁部124から第2縁部に第1袋壁部120又は第2袋壁部122のいずれかの任意の所望の位置であることができ、並びに第1縁部124及び第2縁部126のいずれにも位置することを認識するであろう。第1シール116は、チューブ部材118から外側に延びるフィン117を形成するため、該第1シール116は、好ましくは、袋の壁部の中央又はその近傍にある第1袋縁部と第2袋縁部の間の点に位置している。この態様では、フィン117は、これが延びるそれぞれの袋壁部に対して平坦に折り重ねられ、そして第2シール132と最後の密閉シール(図示しない)は、このような折り重ねられた位置でフィン117を保持するように作用するであろう。これは、有利には、包装製品の側縁部にある望ましくない美観を損なうフィンシールを無くす。第2シール32と同様に、第2シール132も直線状であり且つ第1シール116に対して垂直に延びるように例示されている。当業者であれば、第2シール132は、第2シール132に関して記載されたように、第2シール132が袋端部130を閉じるように作用し、それによって製品収容室134を画定する限り、曲線形状のような任意の形状をとることができることを認識するであろう。
本発明の別の具体例を図5及び6に一般的には袋210として例示している。袋210は熱収縮性フィルム210のシートから形成され、このフィルム210は、第1縁部212と、第2縁部214と、内部表面213と、外部表面215とを有している。袋210は第1シール216を含み、この第1シール216は、第1縁部212と第2縁部214を、該第1縁部212と第2縁部214の表面を互いに直接結合させる、或いは直接結合させることのない縦方向に隣接する関係で結合させる突合わせシールからなる。この第1シール216は、好ましくは突合わせシールテープ217を含み、その一方の側が第1縁部212の外部表面215にシール216aによってシールされると同時に、そのテープ217の反対側が第2縁部の外部表面にシール216bでシールされ、そしてシール216aと216bが第1縁部212と第2縁部214に隣接し且つそれに沿った領域内に存在することになる。部分的にレイフラットの状態で図5及び図6に示されている第1シール216はチューブ部材218を画定し、このチューブ部材218は、第1袋壁部220と、第2袋壁部222と、第1袋縁部224と、第2袋壁部226と、開口部228と、袋端部230とを有している。袋210は第2シール232を含み、この第2シール232は、第1袋壁部220及び第2袋壁部222を介して備えられ且つ袋210にわたって第1袋縁部224から第2袋縁部226に横方向に延びており、それによって製品収容室234を画定している。
本発明の袋を作るのに使用されるフィルムは、任意の周知の方法によって製造される多層又は単層の可撓性熱収縮性フィルムであることができる。例えば、商用の鶏肉包装操作では、ポリエチレン及び/又はエチレン・酢酸ビニル共重合体から作られた単層フィルム並びにポリエチレン及び/又はエチレン・酢酸ビニル共重合体を含有する多層フィルムが広く使用されている。同様に、生の赤身肉及び加工肉製品を包装する際には、多層熱収縮性フィルムであってポリエチレン及び/又はエチレン・酢酸ビニル共重合体をこのフィルムの1つ以上の層に含有するものが一般に使用されている。また、好ましいフィルムは、高い破壊抵抗性(例えば、ラム及び/又は温水破壊試験で測定されるような)、高い収縮値、低い曇り度及び高いシール強度を含めて下記の特性のうち1つ以上又はその全ての有利な組み合わせも備えることができる。また、このフィルム及び/又は袋はある種の印字を含むこともできる(例えば、これらのものは印刷され得る)。例えば、本発明に従う袋は、好ましくは、袋が骨を含む製品を収容していることを表示する印字を含むことができる。このフィルムを印刷する用途にとってはフィルム表面をコロナ処理してインクの付着を改善させることが望ましいかもしれない。コロナ処理された表面は、処理されない表面も同様であるが、たいていの場合ヒートシールしないため、ヒートシールの部分を形成しないその部分のみをコロナ処理すること、或いはフィルムの処理領域を限定して後にシールされる領域との相互の悪影響を最小にすることが望ましいかもしれない。例えば、フィルムの中心部分はコロナ処理できるが、フィルムの縦方向の縁部のそれぞれに沿う部分はコロナ処理されない。この態様では、上記のような第1シール16又は116を形成するように互いにシールされるそれぞれの縦方向に沿う部分はコロナ処理されず且つ悪影響を及ぼさないであろう。
好ましくは、フィルムは、少なくとも1方向に少なくとも20%の無制限の収縮率、より好ましくは、1方向又は縦及び横の両方向で35%以上の無制限の収縮率を有し得る。自由収縮は、縦及び横方向のそれぞれが10cmのフィルム測定用の正方形片をカットすることによって測定される。このフィルムを水中に90℃で5秒間浸漬させる。水から取り出した後に、この断片を測り、そして元の寸法との差に10を掛けて収縮のパーセンテージを得る。
本発明に従う袋に使用されるフィルムは単層又は多層フィルムであることができるが、これらの袋は、好ましくは、2層以上、より好ましくは3〜9層、さらに好ましくは3〜7層を有する多層フィルムから形成される。本発明の袋は、主として排気及びシール後に食品を保持することを意図しているため、酸素及び/又は湿気遮断層を含む熱可塑性フィルムを使用することが好ましい。ここで使用されるときに用語「遮断」又は「遮断層」とは、湿気又は酸素分子に対する物理的障壁として作用する多層フィルムの層を意味する。生の赤身肉のような酸素感受性の物質を包装するのに有利な遮断層材料とその他のフィルム層との組み合わせは、73°F(23℃)の温度で1気圧で70cc/平方メートル以下(好ましくは45以下、さらに好ましくは15以下)の24時間での酸素ガス透過度及び0%の相対湿度を与えるであろう。
袋10、110及び210は、好ましくは、連続シート又は巻取材から連続的に作られる。巻取材を所望の幅にスリットし且つ袋製造装置に送り、このフィルムの縦方向の縁部を互いに合わせ、そしてラップシール(袋10)、フィンシール(袋110)又は突き合わせシール(袋210)のいずれかで縦方向にシールして連続的な単一継目のチューブ又はチューブ部材を形成させる。横方向シールをこのチューブにわたって作り、そしてこの横方向シールを含む部分を連続チューブから切り離して個々の袋を形成させる。
本発明の袋に取り入れられる第1シール16、116又は216のタイプは、好適なフィルムを選択するときに配慮する必要がある。一般には、ヒートシールは、2つの重合体フィルム表面間に該重合体フィルム層間の溶着を生じさせるのに十分な熱と圧力を十分な時間にわたって加えることによって作られる。ヒートシールを形成させる一般的な方法は、隣接する重合体層を相対する棒であってその少なくとも1個が加熱されるものによって対面接触で保持する加熱棒シール法及び隣接する重合体層を相対する棒であってその少なくとも1個がフィルム層に融着を生じさせるのに十分な熱を生じさせる程度に非常に短時間にわたって電流が通されるワイヤー又はリボンを含むものによって対面接触で保持されるインパルスシール法を包含する。一般には、加熱棒シールと比較してインパルスシールでより少ない面積が結合するため、フィルムのシール層の性能がさらに重要となる。しかしながら、インパルスシールは、より少ない面積を使用して結合を形成させるため、一般に見栄えがよい。第1シール16、即ちラップシールは、頂部表面13と底部表面15がその間に好適なヒートシールを形成できることを必要とする。第1シール116、即ちフィンシールを形成させようとする場合には、底部表面115のみしか好適なヒートシールを形成できる必要はない。なぜならば、同一の表面又は層の間に層間結合が形成されるであろうからである。第1シール216、即ち突き合わせシールが形成される場合には、このときに頂部表面と底部表面の両方が好適なヒートシールを形成できなければならない。同様に、突き合わせシールテープ217も頂部表面と好適なヒートシールを形成できなければならず、或いは、好適な接着剤を使用して、テープ217が袋110の内側又は外側に位置するかどうかによってテープ217を頂部表面13又は底部表面15に接着させなければならない。
本発明で使用するための好ましい多層遮断フィルム構造を図7に一般的に40として示している。酸素遮断層42が必要な場合には、これは、通常多層フィルムの別個の層として、最も一般的には内部ヒートシール性層44と外部層46の間に挟まれるコア層として備えられるが、タイ層又は接着層並びに所望のフィルムの様々な特性、例えばヒートシール適性、靱性、耐摩耗性、引裂抵抗性、熱収縮性、層間剥離抵抗性、剛性、防湿性、光学的性質、印刷適性などを加え又は改善させるための層のような追加の層も含まれ得る。本発明の袋のために使用されるフィルムに含まれ得る酸素遮断材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド及び塩化ビニリデン共重合体(PVDC)が挙げられる。本発明で使用するために好ましい酸素遮断用重合体は、塩化ビニリデン共重合体又は塩化ビニリデンと様々なコモノマーとの共重合体、例えば塩化ビニルとの共重合体(VC−VDC共重合体)若しくはアクリル酸メチルとの共重合体(MA−VDC共重合体)並びにEVOHである。具体的には、好ましい遮断層は、例えば、Schuetz他の米国特許第4798751号に記載されるように、約85%の塩化ビニリデン・アクリル酸メチル共重合体及び約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体からなる。好適且つ好ましいEVOH共重合体は、米国特許第5759648号に記載されている。所望ならばこれらの米国特許を参照されたい。
内部ヒートシール性層44は、一般に、遮断層42の側に備えられ、この遮断層42は、図1〜6に示される袋10、110又は210の内部表面38又は底部表面15及び115になる。随意に、その他のフィルム層が前記のように遮断層42と内部ヒートシール性層44の間に取り入れられ得る。エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの実質的に線状の共重合体並びにエチレンとビニルエステル又は酢酸ビニルのようなアクリル酸アルキルとの共重合体がフィルムの1個以上の層に有効に使用でき且つ単層及び多層熱可塑性フィルムを構成する。好ましくは、内部ヒートシール性層は、少なくとも1種のエチレン・α−オレフィン共重合体(EAO)とエチレン酢酸ビニルのブレンド(EAO:EVAブレンド)からなる。好適なα−オレフィンとしては、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−メチルペンテン、1−オクテン、1−デセン及びそれらの混合物のようなC3〜C10のα−オレフィンが挙げられる。ヒートシール層は、随意として多層フィルムのうち最も厚い層であり且つフィルムの破壊抵抗に有意に寄与し得る。この層に影響を及ぼす別の所望の特性は、ヒートシール温度範囲である。このフィルムをヒートシールするための温度範囲は、できる限り広いことが好ましい。これは、非常に狭い範囲を有するフィルムと比較してヒートシール装置の操作をより大きく変更するのを可能にする。例えば、好適なフィルムを、80°F以上のヒートシールの機会を提供する広い温度範囲にわたってヒートシールすることが望ましい。
外部層46は、ヒートシール性層44とは反対側の遮断層の側に備えられ且つ外部表面39として作用する。この場合には、袋10の第1シール32のようなラップシールが袋構造に取り入れられるときに、外部層46は、内部ヒートシール性層と相容性のあるヒートシールでなければならない。随意として、その他の重合体層が先に議論したように遮断層と外部層の間に備えられ得る。外部層は、エチレン・α−オレフィン共重合体(EAO)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)又はそれらのブレンドからなることができる。EAOは、主として、プロペン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−メチルペンテン、1−オクテン、1−デセンのようなC3〜C10α−オレフィンを含めて1種以上の好適な50重量%以下のα−オレフィンと共重合されたエチレン重合体単位を含む共重合体である。好ましいα−オレフィンは1−ヘキセン及び1−オクテンである。熱収縮性フィルムの特性を改善させるための最近の進展としては、米国特許第5403668号が挙げられ、これは、フィルムの外部層がVLDPE、LLDPE、EVA及びプラストマーの4成分のブレンドである多層熱収縮性酸素遮断フィルムを開示している。所望ならばこの開示を参照されたい。LLDPE、即ち線状低密度ポリエチレンは、0.915g/cm3以上の密度を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の類である。超低密度ポリエチレン(ULDPE)とも呼ばれるVLDPEは、0.915g/cm3以下の密度を有するエチレン・α−オレフィン共重合体の類であり、0.900〜0.915g/cm3までの密度を有する多くの商用VLDPE樹脂が入手可能である。プラストマーは、一般に0.900g/cm3以下の密度を有するEAOである。米国特許第5397640号は、少なくとも1個の外部フィルム層がVLDPE、EVA及びプラストマーの3種成分のブレンドである多層酸素遮断フィルムを開示している。別法として、この外部層は、例えば、ポリアミド、スチレン性共重合体、例えばスチレン・ブタジエン共重合体、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体、イオノマー若しくはα−オレフィン重合体及び特に線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE及びULDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、エチレンビニルエステル共重合体若しくはエチレン・アクリル酸アルキル共重合体のようなポリエチレンファミリーの一員又はこれらの材料の2種以上の各種ブレンドのようなその他の熱可塑性材料から形成され得る。
一般に、本発明の熱収縮性袋に使用される単層又は多層フィルムは、このフィルムがフィルムを使用する特定の包装操作のために所望の特性、例えば、破壊抵抗性、モジュラス、シール強度、遮断性、光学特性などを与えるのに十分な厚さ及び組成を有する限り、任意の所望の厚さを有することができる。材料の効率及び保護のために、最小のフィルムの厚さを使用して必要な破壊抵抗性及びその他の特性を与えることが望ましい。好ましくは、このフィルムは、約1.25〜約8.0ミル、より好ましくは約1.75〜約3.0ミルの全体の厚さを有する。
本発明で使用するのに好適なフィルムは、米国特許第5928740号に開示されている。所望ならばこれを参照されたい。この第5928740号特許は、55〜75℃の重合体融点を有するエチレン及び少なくとも1種のα−オレフィンの第1重合体と、85〜110℃の重合体融点を有するエチレン及び少なくとも1種のα−オレフィンの第2重合体と、好ましくはHDPE及びLDPEのようなエチレン単独重合体及び少なくとも1種のα−オレフィンとのエチレン共重合体よりなる群から選択される115〜130℃の融点を有する第3熱可塑性重合体と、随意として且つ好ましくは80〜105℃、好ましくは90〜100℃の融点を有するエチレンとアクリル酸アルキル又はビニルエステルとの共重合体のような第4重合体とのブレンドからなるヒートシール性層を開示している。また、この第5928740号特許は、本発明で使用するのに好ましい二軸延伸熱収縮性の3層遮断フィルムの具体例も開示している。この3層遮断フィルムの具体例は、好ましくはポリ塩化ビニリデン(PVDC)又は塩化ビニリデン・アクリル酸メチル共重合体(VDC・MA又はMA・サラン)又はEVOH層からなる遮断層と結合した上記のような内部ヒートシール性層及びエチレンと少なくとも1種のα−オレフィン若しくは少なくとも1種のビニルエステル又はそれらのブレンドとの共重合体の少なくとも50重量%、好ましくは少なくとも70重量%から形成された外部層を含む。また、好ましいEVAは、約3%〜約18%の酢酸ビニル含有量を有するであろう。
本発明で使用するのに好ましいフィルムは、1999年9月22日に出願された米国特許出願第09/401692号に開示されている。所望ならば参照されたい。この米国特許出願第09/401692号は、単層及び(a)エチレンと1−ヘキセンとの共重合体からなる80〜98℃、好ましくは80〜92℃の融点を有する第1重合体と、(b)エチレン及び少なくとも1種のα−オレフィンの重合体からなる115〜128℃の重合体融点を有する第2重合体と、(c)エチレンとアクリル酸アルキル又はビニルエステルとの共重合体からなる60〜110℃の融点を有する第3重合体と、随意として(d)好ましくはHDPE及びLDPEのようなエチレン単独重合体及び少なくとも1種のα−オレフィンとのエチレン共重合体よりなる群から選択される80〜110℃(好ましくは85〜105℃)の融点を有する第4重合体とを含む、随意として第4重合体を含む少なくとも3種の重合体ブレンドからなる少なくとも1個の層を有する多層フィルムを開示している。この発明のブレンドは、多くの多層の具体例では内部ヒートシール性層として有益であることが分かる。好ましい3層、4層又は5層の具体例では、塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド又はEVOHの酸素遮断層がこの発明のブレンドの層とEAO若しくは少なくとも1種のビニルエステル又はそれらのブレンドを少なくとも50重量%含む層か或いはこの発明のブレンドを含む別の層のいずれかの層との間にある。
本発明で使用するための追加の好ましいフィルムは、2000年7月6日に出願された米国特許出願第09/611192号に開示されている。所望ならば参照されたい。この米国特許出願第09/611192号は、エチレンと1−ヘキセン及び1−オクテンよりなる群から選択される少なくとも1種のコモノマーとの少なくとも1種の共重合体からなる55〜98℃の融点を有する第1重合体の45〜85重量%、エチレンと少なくとも1種のα−オレフィンとの少なくとも1種の共重合体からなる115℃〜128℃の融点を有する第2重合体の5〜35重量%、及びエチレンとビニルエステル、アクリル酸、メタクリル酸若しくはアクリル酸アルキルとの少なくとも1種の非変性又は無水物変性共重合体からなる60〜110℃の融点を有する第3重合体の10〜50重量%を含む少なくとも3種の共重合体のブレンドからなる少なくとも1個の層を有する可撓性のある熱可塑性二軸延伸熱収縮性フィルムから形成された多層遮断具体例を開示しており、ここで、上記第1及び第2重合体は、該第1、第2及び第3重合体の総重量を基にして少なくとも50重量%の合わせた重量%を有し、しかも、この袋のフィルムは、少なくとも0.70ジュールの総エネルギー吸収並びに縦及び横断方向のうち少なくとも1方向で少なくとも50%の90℃での収縮値を有する。任意の好適な酸素遮断材料又はそれら材料のブレンド、例えば、エチレン・ビニルアルコール共重合体(EVOH)又は塩化ビニリデン(VDC)・塩化ビニル(VDC・VC)又はVDC・アクリル酸メチル(VDC・MA)のようなVDC共重合体から形成された遮断層が使用できる。好ましくは、この遮断層は、85重量%のVDC・MA及び15重量%のVDC・VCのブレンドからなる。外部層は、好ましくはEVA・VLDPEブレンド、より好ましくはEVA・VLDPE・プラストマーブレンドである。また、米国特許出願第09/611192号は、(i)イオノマー重合体、例えば、エチレン・メタクリル酸共重合体であってその酸基が部分的に又は完全に中和されて塩、好ましくは亜鉛又はナトリウム塩を形成するものの5〜20重量%、(ii)55〜95℃の融点及び1.5〜3.5のMW/Mnを有するエチレンと少なくとも1種のC6〜C8のα−オレフィンとの共重合体の5〜95重量%、(iii)100〜125℃の融点を有するエチレンと少なくとも1種のC4〜C8のα−オレフィンとの共重合体の0〜90重量%、(iv)プロピレンとエチレン及び1−ブテンよりなる群から選択される少なくとも1種の単量体との共重合体であって105〜145℃の融点を有するものの0〜90重量%、及び(v)エチレンと1−ヘキセン、1−オクテン及び1−デセンよりなる群から選択される少なくとも1種の単量体との共重合体であって125〜135℃の融点を有するものの0〜90重量%を含む少なくとも2種の重合体のブレンドからなる少なくとも1個の層を有する可撓性の熱可塑性フィルムからなるフィルムも開示しており、ここで、重合体(ii)、(iii)、(iv)及び(v)は、重合体(i)、(ii)、(iii)、(iv)及び(v)の総重量を基にして少なくとも80重量%の合わせた重量%を有し、しかも、該フィルムは、少なくとも1.2ジュールの総エネルギー吸収を有する。随意として、同一のブレンドを袋のフィルムのための内部ヒートシール性層として使用してもよい。
本発明で使用するためのさらに好ましいフィルムは、米国特許第5302402号(Dudenhoeffer他)、米国特許第6171627号(Lustig他)、米国特許第4863769号及び米国特許第6015235号(Kraimer他)に記載されている。所望ならばこれらを参照されたい。
本発明の好ましい具体例では、熱収縮性袋は、3層フィルムから形成される。この3層フィルムは、好ましくは、図5に示されるように、内部ヒートシール性層と外部層の間に配置される遮断層を含む二軸延伸フィルムである。内部ヒートシール性層は、約37%のエクソンケミカル社(米国テキサス州ヒューストン)から入手できるESCORENE LD701.IDのようなエチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体、約24%のノバケミカルズ社(カナダ国アルバータ州カルガリー)から入手できるSCLAIR 10BのようなVLDPE樹脂(0.77dg/分のメルトインデックス及び0.911g/cm3の密度)、約33%のエクソンケミカル社(米国テキサス州ヒューストン)から入手できるEXACT4053のようなプラストマー、約4%のSpartech A27023(VLDPEキャリヤー樹脂中の滑剤/加工助剤)のような滑剤/加工助剤、及び約2%のSpartech A32434(米国ペンシルバニア州ワシントンのスパーテックポリコム社から入手できる)のような加工安定剤のブレンドを含む。遮断層は、米国特許第4798751号にさらに記載されるように、約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニル及び約85%の塩化ビニリデン・メタクリル酸エステルのブレンドを含む。外部層は、約40%のESCORENE LD701.IDのようなエチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体、約33%のEXACT4053のようなプラストマー、約25%のSCLAIR 10BのようなVLDPE樹脂、及び約2%のAmpacet501236(米国ニューヨーク州タリタウンのアンパセット社から入手できる)のような加工助剤/滑剤のVLDPEキャリヤー濃縮物のブレンドを含む。内部層、遮断層及び外部層は、3層フィルムの全厚さを基にして、それぞれ約57.7%、17.7%及び25.1%である。
本発明の別の好ましい具体例では、熱収縮性袋は、図5に示されるように、内部ヒートシール性層と外部層の間に配置される遮断層を含む別の3層二軸延伸収縮フィルムから形成される。遮断層は、好ましくは、米国特許第4798751号にさらに記載されるような約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニル及び約85%の塩化ビニリデン・メタクリル酸エステルのブレンドを含む。遮断層は、好ましくは、3層フィルムの厚さのほぼ16.5%を占める。内部ヒートシール性層は、好ましくは、フィルムの厚さの約57.1%を占め且つEXACT9519(0.895g/cm3及び2.2dg/分nメルトインデックス、米国テキサス州ヒューストンのエクソンケミカル社から入手できる)のようなエチレン・1−ヘキセン共重合体の約35.1重量%、ATTANE XU61509.32(米国ミシガン州ミッドランドのダウケミカル社から入手できる約0.912g/cm3の密度及び0.5dg/分のメルトインデックスを有するC2C8(<10重量%のC8)VLDPE)のようなエチレン・1−オクテン共重合体の約36.5%、ESCORENE LD701.ID(米国テキサス州ヒューストンのエクソンケミカル社から入手できるエチレン・酢酸ビニル共重合体で0.93g/cm3の密度、10.5重量%の酢酸ビニル含有量、約0.19dg/分のメルトインデックス及び約97℃の融点を有すると報告されているもの)のようなエチレン・酢酸ビニル(EVA)共重合体の約26.5%、Spartech A50050(VLDPEキャリヤー樹脂中1.9%のオレアミド滑剤及びフルオロエラストマー)のような滑剤/加工助剤の約3%、及びSpartech A32434(米国ペンシルバニア州ワシントンのスパーテックポリコム社から入手できるVLDPEキャリヤー樹脂中10%のDHT4A)のような加工安定剤の約2%のブレンドを含む。外部層は、好ましくは、フィルムの厚さの約26.4%を占め且つEXACT9519のようなエチレン・1−ヘキセン共重合体の約35重量%、ATTANE XU61509.32のようなエチレン・1−オクテン共重合体の約35%、ESCORENE LD701.IDのようなEVA共重合体の約27%、及びSpartech A50050(米国ペンシルバニア州ワシントンのスパーテックポリコム社から入手できる)のような滑剤/加工助剤の約3%を含む。
別の好ましい具体例では、袋のフィルムは、約17重量%のATTANE XU61509.32のようなエチレン・1−オクテン共重合体、約18重量%のESCORENE LD701.IDのようなEVA、58%のEXACT 9110(0.898g/cm3の密度、0.8dg/分のメルトインデックス及び89℃の融点)のようなエチレン・1−ヘキセン共重合体、約2%のSpartech A32434のような加工安定剤、及び約5%のSpartech A50050のような滑剤/加工助剤のブレンドから作られた内部ヒートシール性層を有する二軸延伸3層熱収縮性フィルムからなる。外部層は、約19重量%のATTANE XU61509.32のようなエチレン・1−オクテン共重合体、18%のEVA(ESCORENE LD701.ID)、60%のEXACT9110のようなエチレン・1−ヘキセン共重合体、及び3%のA50056のような加工助剤である。遮断層は、85%の塩化ビニリデン・アクリル酸メチル及び約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニルである。好ましくは、内部層:遮断層:外部層の厚さの比は、約62:9:29である。
本発明に従う袋を作る際に使用するための好ましい7層フィルムを図9に一般的にフィルム60として例示している。フィルム60は、好ましくはフィルム60の全質量の約10%を占める第1又は内部ヒートシール性層61を含む。内部ヒートシール性層61は、好ましくは、約94%のEXACT 3139(報告された7.5g/10分のメルトインデックス及び0.900g/cm3の密度を有するエチレン・ヘキセン共重合体)、約4%のSpartech A27023、及び約2%のSpartech A32434のブレンドからなる。この第1層61に隣接する第2層62は、好ましくは、フィルムの総質量の約42.2%を占め且つ約37%のESCORENE LD701.ID、約33%のEXACT4053、約24%のSCLAIR 10B、約4%のSpartech A27023、及び約2%のSpartech A32434のブレンドからなる。フィルム60は、第1タイ層63及び第2タイ層65をさらに含み、これらのそれぞれは、個々に、好ましくはフィルム60の全質量の約5%を占め且つ約100%のVORIDIAN SP1330(米国テネシー州キングスポートのイーストマンケミカル社のボリディアン事業部から入手できるエチレン・アクリル酸メチル共重合体)をさらに含む。フィルム60は、第1タイ層63と第2タイ層65の間に遮断層64を含む。遮断層64は、好ましくはフィルムの全質量の約17.7%を占め且つ約85%の塩化ビニリデン・アクリル酸メチル及び約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニルのブレンドからなる。このフィルムは、好ましくはフィルム60の全質量の約15.1%を占める第3層66を含む。この第3層66は、約40%のESCORENE 701.ID、約33%のEXACT4053、約25%のSCLAIR10B及び約2%のSpartech A27339のブレンドからなる。フィルム60は、好ましくはフィルム60の全質量の約5%を占め且つ約98%のEXACT3139及び約2%のSpartech A27339のブレンドからなる第4層又は外部層67を含む。フィルム60の全厚さは、好ましくは約2ミル以上である。
有利には、高いメルトフローインデックスの重合体をフィルムのシーラント層に使用してラップシール、突き合わせシール又はフィンシールにわたって横方向にシールするのを助成することが望ましいかもしれない。この高メルトフローインデックス重合体は、約5dg/分以上のメルトフローインデックスを有する。より高いメルトフローインデックスの重合体は、第2シール32、132又は232が第1袋壁部と第2袋壁部の間の第1シール16、116及び216の領域内にあるときに出くわす寸法差のためにできる隙間9a(図2)、9b(図4)及び9c(図6)のような隙間を、より低いメルトフローインデックスの重合体よりも容易に埋める。例えば、報告された16.5g/10分のメルトインデックスを有するEXACT3040のようなその他の高メルトインデックス重合体をフィルム60の内部層61と外部層67に、より低いメルトインデックスのエチレン・ヘキセン共重合体の代わりに使用してもよい。
本発明の容器を作るために選択されるフィルムは、好ましくは、例えばPahlkeの米国特許第3456044号に記載されるような周知のインフレート又はダブルバブル技術によって二軸延伸される。この技術では、チューブ押出ダイを離れる押し出された第1チューブを冷却し、たたみ、次いで好ましくは再加熱及び再膨張させることによって二軸延伸させて第2バブルを形成させる。このフィルムは、好ましくは二軸延伸され、この場合には、横方向(TD)の延伸は、加熱フィルムを容易に膨張させるようにインフレーションによって達成される。縦方向(MD)の延伸は、好ましくは、フィルムチューブを縦方向に引っ張り又は圧伸するように異なる速度で回転するニップロールを使用して達成される。
袋材料を形成させるための二軸延伸の延伸比は、好ましくは、フィルムに約1.5〜3.5ミルの全厚さを与えるのに十分なものである。MD延伸比は、典型的には3:1〜5:1であり、TD延伸比も典型的には3:1〜5:1である。
ここで、図8を参照すると、ダブルバブル又はインフレートプロセスが示されている。いくつかの層を構成する重合体ブレンドは、別々の溶融流れ311a、311b及び311cをダイ330に運搬することによって同時押出される。これらの重合体溶融物は互いに密着し、そして比較的厚い壁のある多層チューブ332として環状ダイ330から同時押出される。押出ダイを離れたこの厚い壁のある第1チューブ332は冷却され、そしてニップローラー331によってたたまれ、このたたまれた第1チューブ332は、輸送ローラー333a及び333bによって、チューブ332を延伸される層の融点以下に再加熱する再加熱区域に運ばれ、そして閉じこめられた流体、好ましくはガス、さらに好ましくは空気で膨張されて第2バブル334が形成される。この第2バブルは、該バブルの一方の末端部にある第1のニップローラーの対とその反対側の該バブルの末端部にある第2のニップローラの対の間に閉じこめられた流体によって形成される。フィルムを径方向に膨張させるインフレーションは、横方向(TD)の延伸を与える。縦方向(MD)の延伸は、ニップローラー336とニップローラー337の相対速度及び/又は寸法を調節してフィルムを縦方向に伸張(圧伸)させることによって達成される。また、ローラー337は、バブルをたたんでレイフラットの状態の延伸フィルム338を形成させ、そしてこれは更なる加工をうち切るためにリール339に巻き付けられ又はスリットされ得る。
二軸延伸は、好ましくは、多層フィルムに約1.25〜約8.0ミル、好ましくは1.5〜4ミル、より好ましくは1.75〜3.0ミル(44〜76μm)、さらに好ましくは2.5ミルの全厚さを与えるのに十分なものである。
本発明に従う袋を作る際に使用するのに好ましいフィルム及びそのための好適なフィルムの製造方法は、1999年9月22日に出願された米国特許出願第09/401692号(「破壊抵抗性の重合体フィルム、ブレンド及び製造方法」)、1999年11月1日に出願された同09/431931号(「破壊抵抗性の高収縮フィルム、ブレンド及び製造方法」)及び2000年7月6日に出願された同09/611192号(「イオノマーの破壊抵抗性熱可塑性パッチ袋、フィルム、ブレンド及び製造方法)のそれぞれに記載されている。所望ならばこれらの教示を参照されたい。
単層フィルムについてもその方法は同様であるが、ただし、一軸押出機(又は同一の重合体処方物を通す多軸押出機)を使用して第1チューブを製造するものとし、しかも二軸延伸は、好ましくは2〜6ミル又はそれ以上、典型的には約3.5〜4.5ミルの全厚さを有する単層フィルムを与えるのに十分なものであり、且つ、一般に、MD及びTDの両方について先に議論した延伸比と同一の範囲、即ち約3:1〜5:1にある。
必須ではないが、フィルムに放射線を照射してヒートシールの範囲を広げ及び/又は内部及び外部層の靱性を放射線誘導架橋及び/又は分断によって向上させることが好ましい。これは、好ましくは、少なくとも2メガラド(MR)、好ましくは3〜5MRの範囲の線量レベルの電子ビームによる照射によって達成されるが、例えば、より厚いフィルムについては、より高い線量を使用してもよい。放射線照射は、第1チューブに又は二軸延伸後に与えられる。後放射線照射と呼ばれる後者が好ましく且つLustig他の米国特許第4737391号に記載されている。所望ならば参照されたい。
延伸後に、チューブ状フィルム338は、たたまれ、縦方向にスリットされ、平坦にされ、そして巻取材としての用途のためにリール339に巻き付けられる。当業者であれば、上記方法がフィルムを形成させるために使用できること、フィルムが慣用の単一のインフレートフィルム方法によって製造できること、及び延伸又は非延伸シートが配向を与えるために幅だして又は幅だしすることなくスロット流延シート押出法によって製造できることを認識するであろう。さらに、当業者であれば、たたまれたチューブのフラット幅によってそれに起因するシートフィルムの幅が決まってくることを認識するであろう。従って、第1チューブの寸法及びその後の加工処理は、所望の用途のために最大のフラット幅及びフィルムの厚さを与えるように選択でき、それによって、有利にはフィルム製造装置の製造能力を最大化させることができる。
有利には、袋製造業者がフィルムの巻取材から様々な長さ及び幅の袋をシートの幅を調節することによって(巻取材を所望の幅にスリット又は切断することによって)且つ特定の袋又は一続きの袋について横方向の末端シールと袋の口との間の距離を調節することによって製造できる。これは、近年精肉業者によって広く使用されている特定の幅のシームレスチューブを製造するコストのかかる必要を無くす。また、本発明は、フィルム製造装置の能力の実質的に100%を使用して製造された標準的な巻取材から多数の幅及び長さの袋を生じさせることによってコスト削減及び製造の効率化を可能にする。これは、異なる幅を有するありとあらゆるシームレスチューブの巻取材の過剰在庫を置く必要性を減少させる。袋製造業者は、単にフィルム巻取材を所望の幅にスリットし、そして袋10、110及び210について記載されるように相対する側縁部を縦方向にシールすることによって連続チューブ部材を形成させるだけでよい。調節可能な長さの袋は、チューブ部材を横方向にシールし且つその横方向のシールから間隔をあけた位置でチューブ部材を切り開くことによって作ることができる。また、このフィルムは、上記のようにフィルムの相対する側縁部を縦方向に密着させて連続チューブ部材を形成させ、該連続チューブ部材をたたみ、そしてこのたたまれた連続チューブ部材をリールに巻き付けることによって連続チューブ部材の巻取材に作られることもできる。次いで、この連続チューブ部材の巻取材は食品加工業者に提供され、このときにこの食品加工業者が袋10、110及び210のような個々の袋を形成させる。このような連続チューブ部材の巻取材は、20インチまで、有利には20インチ以上、さらに有利には22インチ以上の折り径を有し得る。
好ましくは、袋の製造は、フィルムを個々の末端シール袋が作られる袋製造用集成装置(図示しない)に向ける連続方法である。上述のように、巻取材は、所望の幅にスリットでき、使用されない部分はその後の使用のために再度巻き付けられる。袋は、フィルムの相対する側縁部を互いに連続的に合わせ、そしてラップシール又はフィンシールのようなヒートシールを形成させて連続チューブ部材を形成させ、次いでこのチューブ部材の幅にわたって所定の間隔で横方向にヒートシールして該チューブ部材の第1壁部と第2壁部を互いに溶着させることによって製造される。このチューブ部材は、好ましくは、図1、3又は5に示されるように袋を形成させるために横方向にヒートシールすると同時に又はその同一の工程中で切断される。典型的には、横方向のシールが1個の袋に対して作られるときには、隣接する袋の口を形成する横方向の切断部が作られつつある。この方法は、平坦にしたときに、横方向のヒートシールによって形成される底部縁部と、切断された縁部によって形成される開口部と、チューブ部材が平坦にされるときに生じる折れ目によって形成される2個の側縁部とを有するいわゆる「末端シール」袋を形成させる。横方向のヒートシールは、気密クロージャーを確実にするようにチューブ部材全体にわたって施されるべきである。1本のチューブ部材から形成されつつあるそれぞれの袋は、少なくとも2個の通常平行の間隔のあいた横方向の切断部(結果としてチューブ部材のセグメントが作られる)によって必然的に形成され、そして、通常はこれらの切断部のうちの1つに隣接する横方向シールがその遠い方の切断部によって形成される袋の開口部の反対側に位置する袋の底部を画定するであろう。典型的な製造方法では、このチューブ部材は横方向にシールされ、そして隣接する横方向の切断部が同一工程の一部として作られ、そのシールとこれに隣接した切断部とが1個の袋のためのシール末端を形成すると同時に、この同一の切断部が隣接する袋のための開口部も形成するため、隣接する袋は遠い方の切断部と呼ぶことができる。横方向のシールと切断点の間の間隔は変更してよく、そして形成される袋の長さを決めるであろう。袋の長さは、切断部間の間隔を変化させることによって容易に変更できる。また、袋の幅も標準巻取材をスリットすることによってフィルムの幅を変化させることによって容易に変更することができる。本発明の別の具体例では、切断部及びシールを交互に且つ互いに離して作ってサドルバック形式の2連の結合した袋を形成することができる。
本発明は、有利には、袋製造業者が単一のフィルムストックの寸法から多数の袋の寸法(異なる長さ及び幅)を製造することができる熱収縮性袋の製造方法を提供し、これは、異なる幅のシームレスチューブを製造する必要をなくすことによってフィルム製造効率を有利に最大化させることができる。換言すれば、本発明は、袋製造業者がフィルム製造装置の能力に応じて86、94、98、104、112、126、162インチ又はそれ以上のような一つの標準幅のシートフィルムストックを製造するのを可能にさせる。次いで、この標準シートフィルムストックを所望の幅にスリットし、ここに記載されるような袋を形成させ、そしてこのシートフィルムストックの残りの部分を後に別の仕事に使用するために再度巻き付けることができる。従来技術の袋は、その製造業者に製造される袋のそれぞれの寸法のために異なるシームレスチューブの寸法を製造することを要求するため、製造効率を減少させる。
特に記載する場合を除き、次の物理的性質は、本発明のフィルム及びシールを説明するために使用される。これらの特性は、以下に記載される試験手順又は次の方法に類似する試験のいずれかによって測定される。
平均ゲージ:ASTM D−2103
引張強さ:ASTM D−882、方法A
1%割線モジュラス:ASTM D−882、方法A
酸素ガス透過度(O2GTR):ASTM D−3985−81
破断点伸び率:ASTM D−882、方法A
分子量分布:ゲル透過クロマトグラフィー
光沢度:ASTM D−2457、角度45°
曇り度:ASTM D−1003−52
メルトインデックス:ASTM D−1238、条件E(190℃)(ただし、条件L(230℃)で試験されるプロペンベース(>50%C3含有量)重合体を除く)
融点:ASTM D−3418、10℃/分の加熱速度でDSCによって決定されるピークm.p
ビカー軟化点(Vsp):ASTM D−1525−82
シール強度:ASTM F88−94。
ここに記した全てのASTM試験法は、参照によってこの開示に含めている。
収縮値:
収縮値は、90℃(又は異なるならば指示温度)の水中に10秒間にわたって浸漬された10cm2の試料の無制限の収縮を測定することによって得られる。4種の試験片を試験されるフィルムの所定の試料からカットする。試験片を10cmの長さ(MD)×10cmの長さ(TD)の正方形にカットする。それぞれの試験片を90℃(又は異なるならば指示温度)の水浴中に10秒間にわたって完全に浸漬させる。次いで、この試験片を水浴から取り出し、収縮した試験片の辺間の間隔をMD及びTDの両方向について測定する。収縮した試験片について測定された間隔と元の10cmの各辺との差に10を掛けて各方向の収縮率を得る。4種の試験片の収縮率を平均し、その平均MD及びTD収縮値を報告する。用語「90℃での熱収縮性フィルム」とは、少なくとも一方向で少なくとも10%の無制限の収縮値を有するフィルムを意味する。
引張シール強度(シール強度)試験
フィルムの5個の同一の試料を1インチ(2.54cm)の幅及び試験用装置のために好適な長さ、例えば、約5インチ(12.7cm)の長さにカットし、1インチ(2.54cm)の幅のシール部分を中心且つ横方向に配置する。フィルム試料の相対する部分を汎用型引張試験用器具の相対するクランプに固定する。このフィルムを試験開始前に伸長させることなく該クランプ間にピンと張った滑り嵌めで固定する。この試験を周囲温度又は室温(RT)(約23℃)の試験温度で実施する。この器具を作動させてフィルムを1分当たり12.0インチ(30.48cm)の等速度でシールに対して横にあるクランプを介してフィルムが破損(フィルム若しくはシールの破断又は層間剥離及びフィルムの完全性の損失)するまで引っ張る。示された試験温度及び1bs.の破断点力を測定し且つ記録する。この試験を4種の追加試料について繰り返し、その破断点での平均グラムを報告する。
ラム破壊試験
ラム破壊試験を使用して半球形又は球形形状のハンマーで打ったときの可撓性フィルムの最大の破壊負荷又は破壊力及び最大の破壊応力を決定する。この試験は、薄いプラスチックフィルムの破壊抵抗性の定量的測定値を与える。この試験は、米国特許出願第09/401692号にさらに記載されている。
次の実施例は本発明を例示するために与えられるものであり、添付した特許請求の範囲に記載された発明を限定するものと解すべきものではない。
次の例において、フィルム組成物は、一般に、同時押出型のインフレート法を記載する米国特許第3456044号(Pahlke)に記載された装置及び方法を使用し、さらに上記の詳細な説明に従って製造された。全ての層は第1チューブとして押し出され、これはダイを出る同時に、例えば水道水による噴射によって冷却された。次いで、この第1チューブは、輻射加熱器によって(とはいえ伝導又は対流加熱のような当業者に周知のその他の手段を使用することもできる)、移動している第1チューブの周囲に同心円状に位置した加熱多孔質チューブを介した横方向流れで自身が加熱されたエアクッションによって達成される二軸延伸のための延伸温度にまでさらに加熱しつつ再加熱された。冷却は、同軸のエアリングの手段によって達成された。延伸点温度、バブル加熱及び冷却速度並びに延伸比は、一般に、伸長又は延伸の所望量のためにバブル安定性及び処理量を最大にするように調節された。特に指示がない限り、全てのパーセンテージは重量%である。
例1
図1及び2に一般に例示されるように、本発明に従う破壊抵抗性袋を(A)内部ヒートシール性層、(B)遮断層及び(C)外部層を有する同時押出3層二軸延伸収縮フィルムよりなるフィルムから製造した。内部層及び外部層は、遮断層の対立面に直接結合している。この3層は、次の組成物を含んでいた。
(A)33重量%のEXACT4053、37%のESCORENE LD701.ID、24%のSCLAIR 10B、4%のSpartech A27023及び2%のSpartech A32434、
(B)約85%の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体及び約15%の塩化ビニリデン・メタクリレート共重合体のブレンド、及び
(C)33重量%のEXACT4053、25%のSCLAIR10B、40%のESCORENE LD701.ID及び2%のAmpacet501236。
1個の押出機をそれぞれの層について使用した。それぞれの押出機を熱可塑化樹脂が第1チューブを形成させつつ同時押出される環状同時押出ダイに連結した。それぞれの層のための樹脂混合物をホッパーから該混合物が熱可塑化され且つ3層同時押出ダイから押出されて第1チューブになる付属の一軸スクリュー押出機に供給した。遮断層(B)についての押出機バレル温度は、約250〜300°F(121〜149℃)であり、内部層(A)及び外部層(C)については約290〜330°F(143〜165℃)であった。同時押出ダイの温度分布は、約320〜350°F(163〜117℃)に設定した。押し出された多層第1チューブを冷却水道水による噴射によって50〜68°F(約10〜20℃)に冷却した。
約4インチ(10.16cm)のフラット幅の冷却第1チューブを、ニップローラーの対に通して製造した。この冷却された平坦な第1チューブを膨張させ、再加熱し、二軸延伸し、そして再度冷却して二軸延伸フィルムを製造し、そしてこれをスリット開放させ、平坦にしてほぼ16インチ(40.64cm)の幅を有するシートを形成させ、これをリールに巻き付けた。このMD延伸比は約5:1であり、TD延伸比は約4:1であった。延伸点又は延伸温度は、延伸されたそれぞれの層についての主融点以下であり且つそれらの層の主ガラス転移点以上であり、これは約68〜85℃であると思われる。得られた二軸延伸フィルムは、約2.5ミルの平均ゲージを有し且つ見事な外観を有していた。
このフィルムを約5.0MRの線量レベルで放射線照射した。上述のように、必須ではないが、フィルム全体に放射線を照射して放射線照射誘導架橋及び/又は切断によりヒートシールの範囲を広くし及び/又は内部層と外部層の靱性を向上させることが好ましい。放射線照射は、第1チューブで又は二軸延伸後に行うことができる。後放射線照射と呼ばれる後者が好ましく、これはLustig他の米国特許第4737391号に記載されている。所望ならば参照されたい。後放射線照射の利点は、比較的薄いフィルムを比較的厚い第1チューブの代わりに処理し、それによって所定の処理レベルについての所用電力を低減させることである。
このフィルムを巻き戻し、そして13インチ(33.02cm)の幅にスリットした。次いで、フィルムを袋製造装置に送って連続的な縦方向に伸びるラップシールを有するチューブ部材を形成させた。図1に示される袋10に従う袋を、チューブ部材にわたって横方向にシールし、そして同時にこのシールされた部分を連続チューブ構造から切り離すことによって形成させた。
様々な試験をフィルム及び/得られた発明品たる袋について実施した。フィルムの厚さは、平均2.1ミルであることを確認した。ラップシールを検査したところ、約8000〜10000グラムの非常に強い平均シール強度を有していた。また、この袋は、それぞれ48及び48の90℃での平均MD及びTD熱収縮度を有していた。ラム破壊の結果は同様に素晴らしかった。2.1ミル厚のフィルムの破壊抵抗を測定したところ、86ニュートン(N)の最大破壊力及び0.9ジュール(J)の総エネルギー損を有していた。この好ましい袋は、生の赤身肉の切り身を包装するために非常に望ましい非常に良好な熱収縮率及び極めて良好な破壊抵抗性を有する。従って、製造するのが経済的で、破壊抵抗性及び強力なシールを有し、しかもこれまでに知られていない特徴と商業的利点のユニークな組み合わせを有する熱収縮性袋が作られた。
有利には、袋10及び110は、これらの袋10及び110が所望の幅に作られなければならないシームレスチューブから形成されないため、おおよその形状から経済的に作ることができる。作られた袋の寸法についての唯一の制限は、規格を満たすのに十分な幅を有するストックシートフィルムの寸法である。標準的な巻取材シートフィルムは、100インチ(254cm)を超える幅で入手できる。本発明は、袋製造業者が巻取材の寸法制限までは任意の寸法の巻取材のフラットシートから任意の寸法の袋を製造するのを可能にさせる。例えば、巻取材が52インチの幅である場合には、使用される第1シール16又は116の重複又は接触量を除いて、ほぼ26インチの折り径を有するチューブ部材を作ることができる。製造業者が18インチの折り径を有する袋を作りたいと思うならば、その時に製造業者は標準的な巻取材を適切な幅(第1シール16又は116の面積のための余分をプラスしてほぼ36インチ)にスリットする。未使用部分のスリットは、別の寸法の袋を製造する用途のために再度巻き付けられる標準巻取材を形成する。この態様では、標準巻取材フィルムがさらに経済的に製造できる。というのは、フィルム製造装置は、フィルム幅製造の上限で又はその近くで作動でき、それによってこの装置の能力の殆ど全てを使用することができるからである。シームレスチューブから袋を製造すると、フィルム装置を制限された能力で作動させて異なる小さい幅のチューブを形成させることが必要となる。さらに、フィルム製造装置は、シームレスチューブを製造するコストを有意に増大させる費用のかかる設備及び異なる寸法という作業間の途絶を必要とする。
本発明の熱収縮性包装の好ましい具体例は、熱収縮性フィルム411のシート410から作られ、この熱収縮性フィルム411は、第1辺縁部412aとその反対側の第2辺縁部412bとを有しており、これらは第3辺縁部412cと第4辺縁部412dによって接続している。第1辺縁部412aと第2辺縁部412bは、好ましくは、フィルム411が長く平坦な平面状態にあるときに、互いに平行である。第3辺縁部412cと第4辺縁部412dは、好ましくは、フィルム411がレイフラットの平面状態にあるときに、互いに平行である。また、第1辺縁部412aと第2辺縁部412bは、好ましくは、フィルム411がレイフラットの平面状態にあるときに第3辺縁部412c及び第4辺縁部412dに対して垂直である。フィルム411は、この4つの辺の交点に4つの角を有している。これらの角は、第1辺縁部412aと第3辺縁部412cの接点によって決まる第1角412ac、第2辺縁部412bと第3辺縁部412cとの接点によって決まる第2角412bc、第1辺縁部412aと第4辺縁部412dの接点によって決まる第3角412ad及び第2辺縁部412bと第4辺縁部412dの接点によって決まる第4角412bdである。フィルム411は、辺412a、412c、412b及び412dによって形成された外周414によって囲まれた頂部表面413aと、また該外周414によって囲まれた反対側の底部表面413bとを有している。図10は、該底部表面413bを明らかにするために上向きにされたフィルム411の角412adを図示している。
ここで、図11を参照すると、本発明の好ましい具体例が一般に図10の該フィルム411から作られた袋415として示されている。袋415は、第1辺縁部412aを第2辺縁部412bと重ね合わせ、そして、好ましくは熱でシールして平行な間隔をあけた点線417a及び417bと第3辺縁部412c及び第4辺縁部412dとによって決まる融着ラップシール416を生じさせることによって形成される。該ラップシール416は、辺412cから辺412dに延びる連続的な細長い長方形として示されているが、本発明は、このシールの形状が変更でき、且つ、例えば、望み通りに波線若しくはジグザグ形状又はその他の形状を形成できることをさらに意図することに留意されたい。また、シールの幅もさらに厚く又は薄くなるように望み通りに変更することができる。また、シールは、随意として、例えばフィルムを互いにシールするための斯界に周知の好適な熱管又は接着材料の適用によることを含めて代わりの又は追加の手段によって作ることもできる。該ラップシール416は、密封包装を形成するのに好適な連続ラップシール416として示されているが、いくつかの用途、例えばある種の工業用品又は保存のきく商品のために、例えば波線又は点線の外観を有する非連続的なシールを使用できることがさらに意図される。この断続的なシールの具体例は、真空を適用すること、又は閉じこめられた空気若しくはその他のガスのバブルと共にシールすること、又はその他の手段によって空気を除去することのいずれかが望ましくない場合に、包装操作中に空気を密閉容器から逃がすことを可能にさせる。随意として、当業者であれば、本出願の教示を参酌して、シールの強度をシールの形状、厚さ、連続又は断続性、シールの材料選択のタイプ及び異なるタイプのシールの強度を変更するための周知のパラメーターのような前述のパラメーターの選択によって、例えば、ヒートシールを生じさせるための保圧時間又は温度を調節することによって変更することができる。このような変更及び調節は、当業者であれば必要以上に実験することなくなし得る。
再度図11を参照すると、ラップシール416は、好ましくは、フィルム411の頂部表面413aと底部表面413bの間に溶着を形成させるヒートシールである。この重複シールされたフィルム411はチューブ部材418を画定し、そこではフィルム411の頂部表面413aが該チューブ部材418の内部フィルム表面419を形成する。第2シール420は、該チューブ部材418にわたってフィルム411の第3辺縁部412cに隣接して横方向に延び、それによって密閉袋端部421を形成している。様々なシールが使用できる。好ましくは、第2シール420は、袋のフィルムの内部表面419をそれ自体に融着させるヒートシールであろう。密閉袋縁部421の近くの第2シール420は、第1袋縁部422とその反対側の第2袋縁部423の両方を形成させ、そしてこの第2シールはチューブ部材418にわたって第1袋縁部422から第2袋縁部423に延びている。また、この第2シールは、前述したラップシール416の場合と同様に、様々な形状、厚さ、構造などを使用することもできる。ラップシールは、縁部422と423の間の中央に位置する必要はないが、好ましくはそれらの間のどこかに位置する。
密閉袋縁部421の反対側には、ラップシールされたフィルムによって第4辺縁部412dに基づき形成される袋枠があり、それを介して、チューブ部材418、密閉袋縁部421及び袋口部424によって画定される製品収容室425に製品(図示しない)を置くことができる。袋415を第1袋縁部422とその反対側の第2袋縁部423とを有するレイフラットの状態に折りたたむことができるように、第1袋縁部422は第1袋末端角部426から第1袋口部点427に延在でき、第2袋縁部423は第2袋末端角部428から第2袋口部点429に延在できる。レイフラットの状態又は図11に示されるようなレイフラットに近い状態では、袋端部421、袋口部424及びこれらに接続している第1袋縁部422と第2袋縁部423は、第1袋壁部430及びこれに接続した反対側の袋壁部431を画定する。チューブ部材418は、内部表面419と外部表面433を有する。第1袋壁部430は、第2辺縁部412b付近にあり且つ第2袋縁部423にまで延びる第1袋壁部第1面430aを有している。また、第1袋壁部430は、第1辺縁部412a付近にあり且つ第1袋縁部422に延びる反対側の第1袋壁部継目面430bも有している。
好ましくは、第2シール420は、第1シール416が第1袋壁部430及び第2袋壁部431のうちの一つの範囲内に位置し、それによって袋の「背部継目」を形成するような態様で備えられる。これは、袋の形成前又は袋が形成された後にフィルムに適用される印刷図形を含むことができる1個のシームレス袋壁部及び2個のシームレス袋縁部を与える。さらに、第2シール420は、第2シール420が端部421を密閉するように作用する限り、直線であるか又は曲線であるかを問わず、任意の形状をとることができる。第1シール416及び第2シール420のうち少なくとも一つは、可剥性シールからなる。本明細書において使用される「可剥性シール」(及び同様の用語)とは、包装の早期の破壊及び/又は包装の内容物の不慮の汚染若しくは流出を生じさせ得る包装材料の制御されない又は無作為の引き裂き若しくは破裂なしに、容易に剥離できるように設計されたシール、特にヒートシールをいう。可剥性シールは、ナイフ又はその他の器具を用いて包装を引き裂き又は破裂させることなく、包装をそのシール部分で開封させるために手で引き剥がすことのできるようなものである。本発明では、可剥性シールは、包装物品の標準的な熱収縮プロセス並びにさらには標準的な出荷及び輸送中にシールが破損するのを防止するのに十分なシール強度を有しなければならない。また、シール強度は、手によるシールの開放を可能にする程度に弱くなければならない。好ましくは、材料及びシール状態の選択のようなシールパラメーターを使用してシール強度を特定の包装及び用途のために望ましいレベルに調節する。
多くの様々な可剥性シールが斯界に知られており、これらは本発明で使用するのに好適である。可剥性シールは、一般的に、中に可剥性系を組み込んでなる熱可塑性フィルムから作られる。好適な可剥性フィルム及び/又は可剥性系は、米国特許第4944409号(Busche他)、同第4875587号(Lulham他)、同第3655503号(Stanley他)、同第4058632号(Evans他)、同第4252846号(Romesberg他)、同第4615926号(Hsu他)、同第4666778号(Hwo)、同第4784885号(Carespodi)、同第4882229号(Hwo)、同第6476137号(Longo)、同第5997968号(Dries他)、同第4189519号(Ticknor)、同第5547752号(Yanidis)、同第5128414号(Hwo)、同第5023121号(Pockat他)、同第4937139号(Genske他)、同第4916190号(Hwo)及び同第4550141号(Hoh)に開示されている。所望ならばこれらを参照されたい。本発明に従う袋を製造する際に使用するための好ましいフィルムは、可剥性シールを形成できる多層熱収縮性フィルムから選択できる。また、好ましいフィルムは、高い破壊抵抗性(例えば、ラム及び/又は温水破壊試験によって測定されるような)、高い収縮値、低い曇り度、高い光沢度、高いシール強度及び印刷適性を含めてこれらの特性の1つ以上又はそれらの全ての有利な組み合わせも与えることができる。本発明の袋は、有利には、エア抜き及びシール後に食品のような酸素又は湿気に感受性のある物品を保持するために使用できるため、酸素及び/又は湿気遮断層を含む熱可塑性フィルムを使用することが好ましい。本明細書で使用するときに、用語「遮断」又は「遮断層」とは、湿気又は酸素分子に対する物理的障壁として作用する多層フィルムの層を意味する。生の赤身肉のような酸素感受性製品を包装するために有利な遮断層材料とその他のフィルム層との結合体は、1気圧で73°F(23℃)の温度で24時間以内に70cc/平方メートル以下(好ましくは45以下、さらに好ましくは15以下)の酸素ガス透過度(O2GTR)及び0%の相対湿度を与えるであろう。
別の具体例では、このガス透過度は、米国特許第6511688号に記載されるように、例えばチーズのような呼吸性食品を包装するためにCO2を逃がすことができるように制御される。好ましくは、フィルムは、90℃で少なくとも一方向、好ましくは縦方向(MD)及び横方向(TD)の両方向で少なくとも20%(好ましくは少なくとも35%)の無制限の収縮率を有する。無制限(「自由」と呼ばれることもある)収縮は、縦及び横方向の各方向に10cm測って正方形のフィルム断片を切り取ることによって測定される。このフィルムを水中に90℃で5秒間浸漬させる。水から取り出した後に、この断片を測定し、そして元の各寸法との差にそれぞれ10を掛けてそれぞれの方向の収縮率を得る。
本発明の袋のために使用されるフィルムに含められ得る酸素遮断材料としては、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリアクリロニトリル、ポリアミド及び塩化ビニリデン共重合体(PVDC)が挙げられる。いくつかの用途については、ナイロンが、例えば冷凍食品で使用されるような特に低温で有用な酸素遮断性を与える。本発明で使用するための好ましい酸素遮断重合体は、塩化ビニリデン共重合体又は塩化ビニリデンと様々なコモノマーとの共重合体、例えば塩化ビニルとの共重合体(VC・VDC共重合体)又はアクリル酸メチルとの共重合体(MA・VDC共重合体)並びにEVOHである。特に好ましい遮断層は、例えばSchuetz他の米国特許第4798751号に記載されるように、約85%の塩化ビニリデン・アクリル酸メチル共重合体及び約15%の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体からなる。好適な且つ好ましいEVOH共重合体は、米国特許第5759648号に記載されている。所望ならばこれらの特許明細書を参照されたい。
様々な可剥性フィルム及び可剥性シール系を本発明で使用することができる。好ましい具体例では、外部層と、内部ヒートシール層と、該外部層と内部ヒートシール層の間に配置されるタイ層とを有する少なくとも3個の層(以下に記載される1個以上の混成シール層を使用する系から区別するために3層可剥性系と呼ばれる)の同時押出物からなるフィルムが使用される。この好ましい3層系の具体例では、これらのフィルム層は、剥離がタイ層及び/又はタイ層と外部層及び内部層の少なくとも1個との間の結合をバラバラに破壊させることによって生じるように選択される。耐久性の結合、可剥性の結合及び破損性の結合は、例えば、2個の隣接する第1及び第2層であってこの第2層と比較して互いに親和性が高い材料を有するもの及び2つの材料が互いにより低い親和性を有するときにこれらの層間に比較的耐久性の結合を確立させる隣接する第3層を与えることによって、同時押出プロセスに組み入れることができる。この3層構造は、第1層及び第2層(これらは互いに第2層よりも高い親和性を有する)の間又は低い親和性を有する第3層の間(この場合には第2層がタイ層若しくは結合層として第1層及び第3層の両方に共通する)に比較的耐久性の結合を確立させる。従って、第1層と第2層に対して第2層と第3層の間の低い親和性は、第2層と第3層の間に比較的可剥性の結合を生じさせる。様々な材料の選択は、結合の性質、即ち、それが耐久性か、可剥性か、破損性か又はそれらの組み合わせかどうかを決定する。
外部層、タイ層及び内部ヒートシール性層に使用するのに好適な重合体としては、エチレン単独重合体及び共重合体のようなポリ型材料並びにイオノマー型材料の両方が挙げられる。好適な重合体の例としては、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンα−オレフィン共重合体、線状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、中和エチレン・酸共重合体、プラストマー、エチレンアクリル酸エステル共重合体、エチレンアクリル酸メチル共重合体及び部分的に又は完全に中和されたエチレン・メタクリル酸共重合体の亜鉛又はナトリウム塩が挙げられる。内部ヒートシール層は、有益にはヒートシール性材料を使用する。タイ層は、外部層又は内部ヒートシール層のいずれか一つに剥離できるように結合するときに比較的低い剥離強度を有するように選択される。タイ層は、典型的には、約5〜30%のポリブチレンと別の成分、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体、C4〜C8のα−オレフィンとのエチレン共重合体、線状低密度ポリエチレン、イオノマー、中和されたエチレン・酸共重合体又は中和されていないエチレン・酸共重合体及びそれらの2種以上の混合物とのブレンドからなる。本明細書で使用されるときに、用語「ポリブチレン」には、1−ブタンから誘導された重合体単位を主成分(75%の重合体単位)として有し、好ましくはその重合体単位の少なくとも80%が1−ブタンから誘導されたものが含まれる。好ましいポリブチレンは、報告によれば0.908g/cm3の密度、1.0g/10分のメルトインデックス及び243°Fの融点を有し、商品名PB8640の下にバーゼルポリオレフィン社(ネバダ州、オランダ国法人)から入手できる1−ブテンとエチレンのランダム共重合体である。この好ましい可剥性の具体例では、内部ヒートシール層とヒートシールされる別の層との間に形成されるヒートシールは、別のフィルムの部分であるか又は同一のフィルムの部分であるかを問わず、永続的、即ちタイ層とその隣接層の一つとの間の可剥性結合よりも大きいシール強度を有するべきである。上記の好ましい3層同時押出剥離性構造は、4、5、6、7、8、9、10個以上の層のフィルムを製造するための随意の追加層を意図している。1個以上の追加の層が上記の3層と共に又は別々に同時押出できること、また多層フィルム構造が同時押出によって形成できるだけでなく、被覆剤積層、接着剤積層若しくはそれらの組み合わせのような斯界に周知の他の方法によっても形成できることがさらに意図される。
また、このような1個以上の追加の層が上記3層のいずれかに隣接し又はそれらの間にあることができることも意図される。本発明の一具体例では、ヒートシール層の代わりに、加温若しくは溶融状態、液体の状態又は他の状態で適用してもしなくてもよい耐久性接着剤を使用することができる。しかしながら、ヒートシール性層を使用することが好ましい。
また、1個以上のいわゆる「混成」表面層を使用する可剥性シールが使用できる(この場合には、剥離がフィルム411の内側層ではなくシール層境界面432で生じる)ことも意図される。このタイプの剥離系は、例えば、高いシール強度を与える拡散性の特性を剥離のために望ましい低い形で制御すること、並びに、シール完全性に悪影響を及ぼし得る条件下、例えば包装されるある種の物品がシール強度を低下させ又は例えばヒートシールによる強力な密封融着のような所望の強度のシールを与える能力を阻害し得る粒状物、澱粉、脂肪、グリース又はその他の成分を付着させるという条件下でシールする問題に伴う不利益を有する。このようなシール系は、多くの場合2層剥離系と呼ばれるが、そのフィルム構造に3、4、5、6、7、8、9、10個以上の層を含んでいてもよい。
好ましい可剥性シールフィルム及び可剥性シール系は、米国特許第4944409号(発明の名称「Easy Open Package」)に開示されている。所望ならば参照されたい。
本発明に従う袋を製造する際に使用するための好ましい多層遮断フィルム構造を図12に例示しており、これは、図11の熱収縮性フィルム411のシートから作られた第1シール416の拡大端面図を表している。図12及びここに示されているその他の図の層の厚さは一律の縮尺に従うものではないが、例示を容易にするために特定の寸法にしてある。好ましい易剥離性熱収縮性フィルム411は、5層同時押出物であり且つチューブ部材419(図11参照)の内部表面419から反対側の外部表面433までを含む。
(a)内部表面のヒートシール性層434は、好ましくはエチレン酢酸ビニル(EVA)とポリエチレンのブレンドからなり、
(b)遮断層435は、好ましくは塩化ビニリデン共重合体(PVDC)からなり、
(c)コア層436は、好ましくはEVAとポリエチレンのブレンドからなり、
(d)タイ層437は、好ましくはポリエチレンとポリブチレンのブレンドからなり、
(e)外部表面のヒートシール性層438は、好ましくはポリエチレンからなる。
フィルム411の全厚さを基にしたそれぞれの層の厚さは、典型的には、内部表面ヒートシール性層434が<50%、遮断層435が<20%、コア層436が<28%、タイ層437が<15%、外部ヒートシール性層438が<15%であることができる。第1シール416は、内部フィルム表面419と外部フィルム表面433が重複するように、フィルム411の内部フィルム表面419を外部フィルム表面433にそれらのそれぞれの長さに沿って縦方向にヒートシールすることによって作られる。この態様では、内部表面ヒートシール性層434と外部表面ヒートシール性層438の間で融着が生じる。この系の可剥性結合はタイ層437によって与えられ、そしてそこで、例えば外部表面ヒートシール性層438とのタイ層境界面で、及び/又はコア層436とのタイ層境界面で、及び/又は外部層438とコア層436の間で剥離が生じる。従って、図11及び12を参照すると、フィルムの可剥性部分はチューブ部材418の外側にあるが、これが好ましい。これは、第1シール416が可剥性であると同時に、第2シール420及び最後の密閉シール(図示しない)がそれぞれの袋壁部430及び431の内部表面ヒートシール性層434の間の強力な溶融シールであることを確実なものにするであろう。
図13を参照すると、図11の線B−Bに沿って切断した部分断面図は、本発明の好ましい具体例がいかにしてラップシールを易開封性剥離シールとして機能させると同時に強力な末端シールを生じさせるように機能するのかを例示している。図13では、フィルム411は、外部表面433を、そこからの連続層である外部表面層438、タイ層437、コア層436、遮断層435及び内部ヒートシール性層434と共に有している。図11を参照すると、第2シール420がチューブ部材418にわたって備えられてその表面419がそれ自体でたたまれている。再度図13を参照すると、このシールは、可剥性タイ層437が末端シール境界面439から遠くに位置した状態で内部表面ヒートシール性層434をそれ自身に密着させている。この図11〜13に示された本発明の好ましい具体例は、(a)強力なシール性を有する同様の材料を、容易に剥離できるタイ層437を遠くに保持しつつ互いに結合させる末端シールと(b)外部表面ヒートシール性層438及びラップシール境界面432の近くに剥離性タイ層437を有するラップシールを兼ね備え、それによって上記の構成を使用して作られる袋又は包装材料に容易に剥離できる開口部を与える。
フィルム411は、手で剥離するときのフィルムの破損を制御するように設計されている。可剥性タイ層437の組成、ラップシール境界面432に近いそれの位置、及び好ましい3層可剥性系の場合には外部表面ヒートシール性層438の薄さと組成のため、第2辺縁部417bがラップシール416にわたってそれから手で引き離されるときに、最初の裂壊又は引き裂きが始まる。この引き裂きは、ラップシール境界面432の縁部417bでのヒートシールからその外部ヒートシール性層438に広がる。可剥性の結合がタイ層437で生じるように設計される場合には、開封力の連続適用は、その引き裂きがヒートシール416の反対側の辺縁部417aに達するまで、タイ層437/外部ヒートシール性層438の境界面に沿って若しくはタイ層437/コア層436の境界面に沿ってこの接着層の層間剥離又は破壊を生じさせ、及び/又はタイ層437の破損を生じさせ、或いはこれらを一緒に生じさせ、そしてそこでその引き裂きが外部層438にわたって縁部412a又は背面のいずれかに広がり、それによって袋が開封される。
一般に、本発明の熱収縮性袋に使用されるフィルムは、そのフィルムが、フィルムを使用する特定の包装操作にとって望ましい特性、例えば、可剥性シール、破壊抵抗性、モジュラス、シール強度、遮断性、光学性などを与えるのに十分な厚さ及び組成を有する限り、任意の所望の厚さを有することができる。材料の効率及び保護のためには、最大のフィルム厚を使用して必要な破壊抵抗性及びその他の特性を与えることが望ましい。好ましくは、フィルムは、約1.25〜約8.0ミル、さらに好ましくは約1.75〜約3.0ミルの全厚さを有する。
本発明の別の具体例を図14及び15に一般的に袋415aとして例示する。袋415にも見いだされる同一の参照数字を袋415aについても使用している。袋415aは、引張フラップ440をさらに含んでいる。この引張フラップ440は、第1辺縁部412aと第2辺縁部412bをさらに離して移動させることによって追加の重複を与え、しかも製品収容室425の外側で第1袋壁部の第2側430bと重複する第1袋壁部の第1側430aの一部分が第2側430bにシールされないように第1ラップシール416を位置させることによって形成されている。この引張フラップ440は、剥離性系を有しない包装材料を開封するときにしばしば必要とされるような切断器具の手段を取ることなく、最終使用者がこれを容易に把持し且つ引っ張ってその包装品を容易に開封することができる。袋415aの全長を拡張するように示されているが、当業者であれば、引張フラップ440を所望の形状に切断できること、或いは剥離の開始を助成することが知られている任意の他の周知の仕組みを取り入れることができることを認識するであろう。また、先に説明した図10、12及び13に例示されている好ましいフィルムも袋415aで使用するために好ましい。
図14及び15に例示された別の具体例は、図11の袋口部424及び第2シール420の位置を逆にしており、これは、図14に袋口部424a及び第2シール420aとして表されている。
図16を参照すると、断面図で表した第2シール420aの例示は、第1袋壁部が第1袋縁部422から第2袋壁部423の第2袋壁部431にシールされ、また第1辺縁部412aと第2辺縁部412bの間に位置する第1ラップシールにわたってシールされていることを示している。周知のヒートシール方法では、相対するシール用棒又はワイヤーで、フィルムの層を高温及び高圧下でその層間の融着を生じさせるのに十分な時間にわたって互いにプレスする。これらのヒートシール棒は硬質及び/又は可撓性であることができるが、一般にはこれは柔軟ではなく又はフィルムがシールされる程度に柔軟ではない。図16に示されるように、第2シール420aはシール境界面439aを有しており、この境界面439aは、第1辺縁部412aと第2辺縁部412bの近くに、シール圧力がシール操作中に減少し得る2つの想定される点を有している。即ち、第2シール境界面439aの縁部412bの下にある点441でシール圧力が減少し、また第1縁部412aに隣接する点442でもシール圧力が減少し得る。また、例えば点442にボイド(隙間)が存在し得ることも想定される。特に点411及び422で、並びに第2シール境界面439aに沿う全てで所望の強いシールを生じさせるために、圧力、温度、保圧時間及びヒートシール性層の組成のようなシールパラメーターを望み通りに調節することができる。特に、ヒートシール層に高メルトフローインデックス重合体成分を使用することが潜在的なボイドを満たすために有利であることが分かった。また、縁部412a及び412bの一つ又は両方にテーパーをつけて重複するフィルム間、特に点441及び442並びに隣接する領域で接触面及び/又は圧力を増大させることも有利であるかもしれない。
本発明の別の具体例を図17に一般的には袋415bとして例示している。また、同様の要素には同様の参照数字が含まれている。袋415bは第1フィンシール516を含み、この第1フィンシール516は、袋壁部430の第1側430aと第2側430bを、それぞれの側の内部フィルム表面419が対面で接触し、フィンシール境界面517を有するように結合させている。第1辺縁部412a及び第2辺縁部412bの一方又は両方は、引張フラップ(図示しない)が備えられるように、第1フィンシール境界面517を超えて外側に延びることができる。袋415a(図14)は、袋415bよりも好ましい。なぜならば、第1シール416の平面が、熱収縮プロセス中に出くわす収縮力の平面に対して平行だからである。袋415bの第1フィンシール516は、そのヒートシールの平面を収縮力(図19において矢印Z'及びZ''によって示されるような)に対して垂直に位置させており、これは、熱収縮プロセス中のシール破損(早期の剥離)の危険性を増大させる。さらに、本発明の容器は、有利には単一のフィルムシート又はウェブから作られるため、このときの第1シール516のようなフィンシールの配置は、該容器のそれぞれのシールが可剥性シールであることを必要とする。また、第2シール420及び最後の密閉シール(図示しない)も必ず可剥性である。というのは、第1袋壁部430aと第2袋壁部430bは、そのフィルムが同一の接触関係にある状態でシールされるからである。例えば、図19は、袋415及び415aに関して上に議論した好ましいフィルムの個々の層を示す断面で示された第1フィンシール516の拡大図である。シール516のぞれぞれの壁部450及び452は、シーラント層438のシール境界面から等距離にあり且つそれに近い3層可剥性系(タイ層437)を含んでいる。従って、これは、その壁部450又は452で剥離の失敗が生じることを予め決定できないだけでなく、全てのシールが容易に剥離され、しかも収縮力の方向が強力なシールを作る能力をさらに減少させることも予め決定できない。これらの全ての不都合のために、この具体例はさほど好ましくない。
本発明の別の具体例を図20及び21に一般的には袋415cとして例示している。再び、同様の要素には同様の参照数字が含まれている。袋415cは第1シール616を含み、この第1シール616は、第1枠部607、第2枠部609、シール表面615及び外部表面614を有する突き合わせシールフィルム611からなる突き合わせシールテープ641を含む。第1シール616は第1ヒートシール618を含み、この第1ヒートシール618は、袋壁部430の第1側430aを突き合わせシールテープ641の第1枠部607に縦方向に密着させ、そして第2ヒートシール619は、袋壁部430の第2側430bを突き合わせシールテープ641の第2枠部609に縦方向に密着させている。しかして、第1側430aと第2側430bは、隣接する切縁の関係で結合し、それによってその間に直接のヒートシールなしに袋壁部430を形成している。好ましくは、突き合わせシールフィルム611は、上記の及び図10〜19で例示した袋415、415a及び415bについて記載されたものと同一のフィルムからなり、外部ヒートシール性層438(図11)は内部表面615を成す。従って、袋415cは、中に可剥性系を含まないフィルムから製造できるが、第1シール616を形成させるのに使用される突き合わせシールテープ641に含められる可剥性系の手段によって剥離できるシールを含んでいる。逆に言えば、フィルム411は、好ましくは、可剥性系を含むが突き合わせシールテープはそれを含まず、或いはフィルム411と突き合わせシールフィルム611の両方は、他のものと相容性のある可剥性系を含み得る。突き合わせシールフィルム611は、好ましくは熱収縮性であるが、必須ではない。引張フラップ440を突き合わせシールテープ641に備えて消費者が袋415を容易に開封するために把持して引っ張るための領域を与えることができる。突き合わせシールテープ641がフィルム411の内部表面419にシールされるならば、そのときには第1側430a又は第2側430bの一部分が第1ヒートシール618又は第2ヒートシール619を超えて外側に延びて消費者が把持するための引張フラップを備えることができる。第2シール420は、好ましくは、第1袋壁部430aと第2袋壁部430bの内部表面419間に作られる耐久性のシールである。
図20では、第1側430aと第2側430bの外部表面433にシールされているように示されているが、当業者であれば、第1シール616を形成する突き合わせシールテープ641が袋410cの内側に位置でき(図示しない)、それによってシール表面615が第1側430aと第2側430bの内部表面419にヒートシールされることを認識するであろう。この場合には、好ましくは、第1側430a及び第2側430bの少なくとも一つは、このヒートシールを超えて突き合わせシールテープ641に対して外側に延びる部分を含む。しかして、消費者に掴むための引張フラップが提供される。
本発明のさらなる具体例を図22及び23に一般的には415dとして例示する。袋415、415a、415b及び415cに関して上述した同様の要素は、袋415dでも同一の参照数字を与えられている。袋415dは第1シール716を含み、この第1シール716は、内側表面714と外側表面715を有するストリップフィルム711よりなるシールストリップ741から構成されている。シールストリップ741は第1縁辺部718を含み、この第1縁辺部718は、外側表面715がフィルム411の内部表面419と対面接触でヒートシールされるように、第1ヒートシール720によって第1側430aに縦方向にヒートシールされている。シールストリップ741は第2縁辺部719を含み、この第2縁辺部719は、内側表面714が第2側430bの外部表面433と対面接触でシールされるように、第2ヒートシール721によって第2側430bに縦方向にヒートシールされている。引張フラップ440が第2縁辺部719と第2側430bを結合させる第2ヒートシール721を超えて外側に延びるストリップフィルム711の一部分を含むことによって備えられる。別法として、第1側430aに、第2ヒートシール420を超えて外側に延びる部分を備えてもよい。
好ましくは、ストリップフィルム711は可剥性系を含み、且つ、上記の及び図10〜21に例示された袋415、415a及び415bについて記載されたものと同一のフィルムからなり、その外部ヒートシール性層438(図12〜13)は、内側表面714を成す。この態様では、ヒートシール721は可剥性であり、しかもフィルム411は可剥性系を含まないことが必要である。別法として、外部ヒートシール性層は、ヒートシール720が剥離できるように外側表面715を含んでいてもよい。この場合には、フィルム411は可剥性系を含まないことが必要であり、第2シール420を耐久性にすることができる。袋415cについて記載されたものと同様の態様では、ストリップフィルム711は可剥性系を含まなくてもよいと共にフィルム411は可剥性系を含まず、或いはフィルム411とストリップフィルム711の両方は、相容性のある可剥性系を含んでいてよい。ストリップフィルム711は、好ましくは熱収縮性であるが、必須ではない。
本発明に従う袋は、好ましくは、2003年2月20日に出願されたGregory Robert Pockat他の米国特許出願第10/371950号(発明の名称「Heat−Shrinkable Packaging Receptacle」)に記載されるような連続シート又は巻取材から連続的に作られる。この巻取材は、所望の幅にスリットされ、そして袋製造装置に供給され、そこで、フィルムの縦方向の縁部を互いに合わせ且つラップシール(袋415及び415a)又はフィンシール(袋415b)のいずれかで縦方向にシールして連続的な単一継目チューブ又はチューブ部材を形成させる。このチューブ部材にわたって横方向のシールを作り、そしてこの横方向のシールを含む部分を連続チューブから切り離して個々の袋を形成させる。一般には、ヒートシールは、2個の重合体フィルム層表面間に十分な熱と圧力をこの重合体フィルム層間の融着を生じさせるのに十分な時間にわたって加えることによって作られる。ヒートシールを形成させる一般的な方法としては、隣接する重合体層を、相対する棒であってそのうちの少なくとも一つが加熱されるものによって対面接触で保持する加熱棒シール法、隣接する重合体層を、相対する棒であってそのうちの一つがフィルム層に融着を生じさせるのに十分な熱を生じさせる程度に短い時間にわたって電流が通されるワイヤー又はリボンを含むものによって対面接触で保持するインパルスシール法が挙げられる。一般的に、加熱棒シールに対してインパルスシールでより少ない面積が結合するため、フィルムのシール性層の性能がさらに重要となる。しかしながら、インパルスシールは、一般には、より少ない面積を使用して結合を形成させるため、より審美的である。
本発明の容器を作るために選択されるフィルムは、好ましくは、例えば米国特許第3456044号及び同第6511688号に記載されるような周知のインフレート又はダブルバブル技術によって二軸延伸される。所望ならばこれらを参照されたい。この技術では、チューブ押出ダイを離れる押し出された第1チューブを冷却させ、たたみ、次いで、好ましくは再加熱によって延伸させ、再度インフレートして第2バブルを形成させ、そして再度冷却させる。フィルムは、好ましくは二軸延伸され、そこで、横方向(TD)の延伸が加熱フィルムを径方向に膨らませるためのインフレーションによって達成される。縦方向(MD)の延伸は、好ましくは、異なる速度で回転するニップロールを使用してフィルムチューブを縦方向に引く又は圧伸することにより達成される。袋材料を形成させるための二軸延伸の延伸比は、好ましくは、フィルムに約1〜8ミルの全厚さを与えるのに十分なものである。MD延伸比は、典型的には3:1〜5:1であり、TD延伸比も典型的には3:1〜5:1である。
ここで、図24を参照すると、ダブルバブル法(インフレート法としても知られている)が示されている。いくつかの層を構成する重合体ブレンドは、別々の溶融流れ611a、611b及び611cをダイ630に運搬することによって同時押出される。これらの重合体溶融物は一緒にされ、そして比較的厚い壁のある多層チューブ632として環状ダイから同時押出される。この押出ダイを離れる厚い壁付き第1チューブ632は冷却され、そしてニップローラー631によってたたまれ、次いでこのたたまれた第1チューブ632は運搬ローラー633a及び633bによって再加熱区域に運搬され、ここでチューブ632は、延伸されつつあるこれらの層の融点以下に再加熱され且つ閉じこめられた流体、好ましくはガス、最も好ましくは空気でインフレートされて第2バブル634が形成され、そして冷却される。第2バブル634は、このバブルの一方の末端にあるニップローラー636の第1ペア及び該バブルの反対側の末端にあるニップローラー637の第2ペアの間に閉じこめられた流体によって形成される。フィルムを径方向に膨らませるインフレーションは、横方向(TD)の伸張及び延伸を与える。縦方向(TD)の延伸は、ニップローラー636及びニップローラー637の相対速度及び/又は寸法を調節してフィルムを縦方向に伸張させる(延伸させる)ことによって達成される。
二軸延伸は、好ましくは、多層フィルムに10ミル以下、典型的には約1.25〜8.0ミル、より好ましくは5ミル以下、さらに好ましくは1.75〜3.0ミル(44.5〜76μm)の全厚さを与えるのに十分なものである。
延伸後に、チューブ状フィルム638は、好ましくは、80インチまで、典型的には約5〜30インチの折り径にたたまれ、縦方向に切り開かれ、平坦にされ、そして巻取材として使用するためにリール639に巻き付けられる。当業者であれば、上記の方法を使用してフィルムを形成できる一方で、その後の伸張を伴う単一バブル吹き込みフィルム又はスロット流延シート押出法を含めて、その他の慣用法、例えば延伸を与えるための幅出しによってフィルムを作ることができることを認識するであろう。さらに、当業者であれば、たたまれたチューブのフラット幅がそれから生じるシートフィルムの幅を決めることも認識するであろう。従って、第1チューブの寸法及びその後の処理加工は、所望の用途のために最大のフラット幅及びフィルム厚を与えるように選択でき、それによって有利にはフィルム製造装置の製造能力を最大化させることができる。
有利には、袋の製造業者は、フィルム巻取材のロールから様々な長さ及び幅の袋を、特定の袋又は一続きの袋のためにそのシートの幅及び横方向末端シールと袋口部の間の間隔を調節することによって製造できる。これは、有利には、近年精肉業者によって広く使用され且つ可剥性シールを含まない特定の幅のシームレスチューブを製造する費用のかかる必要性をなくす。また、本発明は、標準的な巻取材から多くの幅及び長さの袋を製造するのを可能にすることによって費用節約及び製造の効率化を可能にさせる。袋製造業者は、単にフィルム巻取材を所望の幅にスリットし、そして袋415、415a及び415bについて記載されるように相対する側部を縦方向にシールすることによって連続チューブ部材を形成させるだけでよい。調節可能な長さの袋は、チューブ部材を横方向にシールし且つこのチューブ部材をこの横方向のシールから間隔をあけた位置で切断することによって作ることができる。
好ましくは、袋の製造は、図25に図示される連続プロセスであり、このプロセスでは、フィルムは、個々の末端シール袋が作られる袋製造用集成装置(図示しない)に向けられる。フィルム411は、リール639から連続的に供給され、そして随意にスリットされて所望の幅のフィルム411aと使用されないフィルム411bが形成される。フィルム411aは、袋製造用集成装置(図示しない)に供給される。使用されないフィルム411bは、後の使用のためにリール639bに巻き付けられ、或いは別の袋製造用集成装置に供給され得る。フィルム411aの第1側部430aと第2側部430bを互いに合わせ、そして好ましくは第1シール、例えば引張フラップとして機能する追加の重複部分を有するラップシール416で縦方向にシールして背部に継目のある連続的なチューブ部材418を形成させる。第2シール420は、チューブ部材418にわたって開口部424から離れた所望の位置で横方向に備えられる。チューブ部材418を次いで(好ましくは同時に)切断して第2シールを含む部分を連続チューブから切り離し、それによって袋415を形成させる。典型的には、横方向シールが1個の袋について作られるときには、隣接する袋の口を形成させる横方向の切断部が作られつつある。このプロセスは、平坦にしたときに、横方向のヒートシールによって形成される底部縁部と、切断された縁部によって形成される開口部と、チューブ部材が平坦にされるときに生じる折れ目によって形成される2つの側縁部とを有するいわゆる「末端シール」袋を形成させる。
横方向シールは、チューブ部材全体にわたって延在して気密密封を確実にすべきである(このようなものが望ましい場合には)。1本のチューブ部材から形成されつつあるそれぞれの袋は、チューブ部材のセグメントになり得る少なくとも2個の通常は平行で間隔のあいた横方向の切断部によって必然的に形成され、そして通常これらの切断部の一つに隣接する1個の横方向のシールは、その遠い方の切断部によって形成される袋開口部の反対側に位置する袋底部を決めるであろう。この横方向のシールと開口部の間隔(これは変更することができる)は、形成される袋の長さを決定するであろう。袋の長さは、横方向のシールと切断部の間の間隔を変えることによって容易に変更できる。また、袋の幅も標準的な巻取材をスリットすることによってフィルムの幅を変えることにより容易に変更できる。
特に注記しない限り、次の物理的性質は、本発明のフィルム及びシールを説明するために使用される。これらの性質は、以下に記載される試験手順又は次の方法に類似する試験法のいずれかによって測定される。
平均ゲージ:ASTM D−2103
引張強さ:ASTM D−882、方法A
1%割線モジュラス:ASTM D−882、方法A
酸素ガス透過度(O2GTR):ASTM D−3985−81
破断点伸び率:ASTM D−882、方法A
分子量分布:ゲル透過クロマトグラフィー
光沢度:ASTM D−2457、角度45°
曇り度:ASTM D−1003−52
メルトインデックス:ASTM D−1238、条件E(190℃)(ただし、条件L(230℃)で試験されるプロペンベース(>50%C3含有量)重合体を除く)
融点:ASTM D−3418、10℃/分の加熱速度でDSCによって決定されるピークm.p.
ビカー軟化点(Vsp):ASTM D−1525−82
シール強度:ASTM F88−94(可撓性遮断材料のシール強度についての標準的な試験法)。
ここに記した全てのASTM試験法は、参照によってこの開示に含めている。
収縮値:
収縮値は、90℃(又は異なるならば指示温度)の水中に10秒間にわたって浸漬された10cm2の試料の無制限の収縮を測定することによって得られる。4種の試験片を試験されるフィルムの所定の試料からカットする。試験片を10cmの長さ(MD)×10cmの長さ(TD)の正方形にカットする。それぞれの試験片を90℃(又は異なるならば指示温度)の水浴中に5〜10秒間にわたって完全に浸漬させる。次いで、この試験片を水浴から取り出し、収縮した試験片の端部間の間隔をMD及びTDの両方向について測定する。収縮した試験片について測定された間隔と元の10cmの各辺との差に10を掛けて各方向の収縮率を得る。4種の試験片の収縮率を平均し、その平均MD及びTD収縮値を報告する。用語「90℃での熱収縮性フィルム」とは、少なくとも一方向で少なくとも10%の無制限の収縮値を有するフィルムを意味する。
引張シール強度(シール強度)試験
フィルムの5個の同一の試料を1インチ(2.54cm)の幅及び試験用装置のために好適な長さ、例えば、約5インチ(12.7cm)の長さにカットし、1インチ(2.54cm)の幅のシール部分を中央に且つ横方向に配置する。フィルム試料の相対する部分を汎用型引張試験用器具の相対するクランプに固定する。このフィルムを試験開始前に伸長させることなく該クランプ間にピンと張った滑り嵌めで固定する。この試験を周囲温度又は室温(RT)(約23℃)の試験温度で実施する。この器具を作動させてフィルムを1分当たり12.0インチ(30.48cm)の等速度でシールに対して横にあるクランプを介してフィルムが破損(フィルム若しくはシールの破断又は層間剥離及びフィルムの完全性の損失)するまで引っ張る。示された試験温度及び1bs.の破断点力を測定し且つ記録する。この試験を4種の追加試料について繰り返し、その破断点での平均グラムを報告する。
ラム破壊試験
ラム破壊試験を使用して半球形又は球形形状のハンマーで打ったときの可撓性フィルムの最大の破壊負荷又は破壊力及び最大の破壊応力を決定する。この試験は、薄いプラスチックフィルムの破壊抵抗性の定量的測定値を与える。この試験は、米国特許出願第09/401692号にさらに記載されている。所望ならば参照されたい。
次は、本発明を例示するために与えられる例及び比較例である。
次の全ての例において、特に注記しない限り、フィルム組成物は、一般には、同時押出型のインフレート法を記載する米国特許第3456044号(Pahlke)及び同第6511688号(Edwards他)に記載された装置及び方法を使用し、さらに上記の詳細な説明に従って製造された。次の例において、全ての層は第1チューブとして押し出され(多層の例では同時押出される)、これはダイを出ると同時に、例えば水道水による噴射によって冷却される。次いで、この第1チューブは、上記の特許に教示されるように、再加熱され、伸張され、そして冷却される。
例2
図10及び11に一般に例示されるような本発明に従う熱収縮性袋を、内部表面から外部表面に(A)内部ヒートシール性層、(B)遮断層、(C)コア層、(D)タイ層及び(E)外部ヒートシール性層を有する同時押出5層二軸延伸収縮フィルムからなるフィルムから製造する。内部層及び外部層は、遮断層の相対する面に直接結合している。この5層は次の組成物を含んでいた。
(A)37重量%のVLDPE、24%のEVA、33%のプラストマー(EXACT4053)、6%の加工助剤
(B)約85%の塩化ビニリデン・塩化ビニル共重合体及び約15%の塩化ビニリデン・メタクリル酸エステル共重合体のブレンド
(C)100重量%のEMA
(D)20重量%のVLDPE、33%のプラストマー(EXACT4053)及び20重量%のポリブチレン、及び
(E)40重量%のVLDPE、33%のプラストマー(EXACT4053)、25%のEVA、2%の加工助剤。
1個の押出機をそれぞれの層のために使用した。それぞれの押出機を熱可塑化樹脂が第1チューブを形成させつつ同時押出される環状同時押出ダイに連結した。それぞれの層についての樹脂混合物をホッパーから付属の一軸スクリュー押出機に供給し、そしてここで、同時係属米国特許出願第10/371950号に開示される条件と同様の条件下で該混合物が熱可塑化され且つ5層同時押出ダイから第1チューブに押出された。
必須ではないが、フィルム全体に放射線を照射してヒートシールの範囲を広げること、及び/又は、内部層と外部層の靱性を放射線誘導架橋及び/又は切断によって向上させることが好ましい。これは、好ましくは、少なくとも約2メガラド(MR)、好ましくは3〜5MRの範囲の線量レベルでの電子ビームによる照射によって行われるが、より高い線量を、具体的にはより厚いフィルムについて又は第1チューブを放射線照射する場合に使用してもよい。放射線照射は、第1チューブについて又は二軸延伸後に行うことができる。後放射線照射と呼ばれる後者が好ましく、これはLustig他の米国特許第4737391号に記載されている。所望ならば参照されたい。後放射線照射の利点は、比較的薄いフィルムを比較的厚い第1チューブの代わりに処理し、それによって所定の処理レベルのための所用電力を低減させることである。
このフィルムを巻き付け、そして所望の幅にスリットする。次いで、フィルムを袋製造装置に供給して縦方向に延びる連続ラップシールを有するチューブ部材を形成させる。図14に示される袋415aに従う袋は、チューブ部材にわたって横方向にシールし且つ同時にこのシールされた部分を連続的なチューブ構造体から切り離すことによって形成できる。
様々な試験が得られた本発明の袋について実施できる。ゲージ厚は、典型的には、10ミル以下、好ましくは1.25〜5.0ミルのフィルム厚であろう。ラップシールは、典型的には、少なくとも2Kg/インチの平均シール強度を有するべきである。末端シールは、典型的には、少なくとも3Kgの平均シール強度を有するであろう。また、袋は、両方向でそれぞれ少なくとも20%、好ましくは少なくとも40%の90℃での平均MD及びTD熱収縮率も有するであろう。この好ましい袋は、生の赤身肉の切り身を包装するために非常に望ましい非常に良好な熱収縮率を有し、また極めて良好な破壊抵抗性をも有し、さらに有利には、これまで個々の食品包装用袋には見られなかった可剥性シールを取り入れている。従って、製造するのが経済的で、可剥性シール、破壊抵抗性及び強力な末端シールを有し、しかもこれまでに知られていない特徴と商業的な利点のユニークな組み合わせを有する熱収縮性袋が提供される。
本発明は、有利には、容易に剥離できるシールを有する個々の熱収縮性袋を提供する。従って、本発明の容器又は袋は、ナイフ又はその他の切断/開封器具の手段をとることなく容易に開封でき、そしてこのことは、食品製造業者が望ましい消費者志向の包装品を提供するのを可能にさせる。
本発明の別の好ましい具体例は、背部に継目のある材料を製造するために7層の熱収縮性フィルムを使用する。この7層フィルムは、3及び5層を超えるいくつかの利点を有する。シーラント層に2.0dg/10分以上の高いメルトインデックスを有する重合体、例えばEXACT4053のようなエチレンα−オレフィン共重合体を使用すると、シール内のひだ及び皺によって密封が助成される。このことは重要である。なぜならば、重複した領域は、シール内に皺を創り出すからである。
別の利点は、強力な密着性重合体、例えば、EmactSP1330(このものは、0.948g/cm3の密度、2.0g/10分のメルトインデックス、93℃の融点、49℃の軟化点及び22%のアクリル酸メチル(MA)含有量を有すると報告されている)のようなエチレンアクリル酸メチル共重合体(EMA)をPVDCタイ層として使用して改善された密着力を与えることである。これは、優れた密着力を与えることが示された。EMAは、完成フィルムに100gを超える密着性を与える。好ましい7層構造は、エチレンα−オレフィン共重合体(エクソン社製EXACT3139)からなる第1ヒートシール層と、EVA(Exxon701.ID)、エチレン・1−ブテン共重合体(エクソン社製EXACT4053)、エチレン・1−オクテン共重合体(ノバ社製VLDPE10B)をぞれぞれ15〜35%有する重合体ブレンドからなる第2可剥性タイ層と、例えばEMA(Voridian SP1330)からなる第3タイ層と、例えば例1に記載されるような第4遮断層と、例えばEMAからなる第5タイ層と、EVA、エチレン・1−ブテン共重合体及びエチレン・1−オクテン共重合体をそれぞれ20〜45%有するブレンドからなる第6中間層と、エチレン・α−オレフィン共重合体、例えばエクソン社製EXACT3139からなる第7外部表面層とを有する。
上記のフィルムは、好ましくは全体として2ミルの厚さであり、第1〜第7層についての層の厚さの比は、それぞれ10:42:5:18:5:15:5である。
袋415、415a、415b、415c及び415dは、ほぼ任意の寸法から経済的に製造できる。なぜならば、これらの袋は、所望の幅に作られなければならないシームレスチューブから形成されないからである。作られた袋の寸法についての唯一の制限は、巻取材フィルムの寸法である。標準的な巻取材フィルムは、100インチを超える幅で入手できる。本発明は、袋製造業者が同一の巻取材のフラットシートからこの巻取材の寸法制限までの任意の寸法の袋を製造するのを可能にさせる。例えば、巻取材が52インチ幅である場合には、使用される第1シール416、516、616及び716の重複、隙間又は接触部の量を考慮に入れて、ほぼ26インチの折り径を有するチューブ部材が製造できる。例えば、製造業者が18インチの折り径を有するラップシール又はフィンシール袋を製造しようとするならば、このときに製造業者は、標準巻取材を適切な幅(第1シール416又は516の領域のための余白をプラスしてほぼ36インチ)にスリットする。標準巻取材からスリットされた使用しない部分は、別の寸法の袋を製造する用途のために再度巻き取られる。この態様では、標準巻取材フィルムがより経済的に製造できる。というのは、フィルム製造装置は、フィルム幅製造の上限で又はその近くで動作でき、それによって該装置の容量の殆ど全てを使用できるからである。シームレスチューブから袋を作ると、このフィルム製造装置を制限された能力で動作させて異なる小さな幅のチューブを形成させることが必要になる。さらに、このフィルム製造装置は、シームレスチューブを製造するコストを有意に増大させる費用のかかる設備及び異なる寸法という作業間の途絶を必要とする。
容易に剥離できる熱収縮性フィルムを継目のない側部を有する末端シール袋について上記してきたが、この開示を参酌すれば、複数のフィルムから作られる側部シール熱収縮性袋及びパウチも本発明に適合して剥離開封するのが容易な熱収縮性容器を与えることができることは明白であろう。本発明は、米国特許第6015235号(Kraimer他)及び同第6206569号(Kraimer他)に記載されるようなポーチに形成される熱収縮性の状態で使用できる。所望ならばこれらを参照されたい。
本発明をある特定の具体例について記載してきたが、当業者であれば、本発明の範囲及精神から逸脱することなく多くの改変が可能であり、そしてこのような改変は本発明の特許請求の範囲内にあると認められることを認識するであろう。