JP4743907B2 - 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造 - Google Patents

通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造 Download PDF

Info

Publication number
JP4743907B2
JP4743907B2 JP2008257436A JP2008257436A JP4743907B2 JP 4743907 B2 JP4743907 B2 JP 4743907B2 JP 2008257436 A JP2008257436 A JP 2008257436A JP 2008257436 A JP2008257436 A JP 2008257436A JP 4743907 B2 JP4743907 B2 JP 4743907B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roof
panel
heat
heat insulating
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008257436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010084481A (ja
Inventor
征吉 丹
高光 櫻庭
Original Assignee
株式会社テスク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社テスク filed Critical 株式会社テスク
Priority to JP2008257436A priority Critical patent/JP4743907B2/ja
Publication of JP2010084481A publication Critical patent/JP2010084481A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4743907B2 publication Critical patent/JP4743907B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Building Environments (AREA)
  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)

Description

本発明は、木造建物の屋根を外張り断熱構造に構築するための通気性屋根パネルと、該屋根パネルで構築した木造外張り断熱屋根構造に関するものであり、木造家屋建築の技術分野に属するものである。
木造建物にあっても、省エネルギー住宅とするため、屋根を通気性外断熱被覆する工法は、例えば従来例1,2,3で挙げる如く、既に提案されている。
図8(A)は、従来例1であって、特許文献1として挙げたものであり、屋根垂木間に、断熱材と、断熱材への熱付加を輻射熱反射作用で軽減するための遮熱材とを重ねて配置するものである。
即ち、従来例1は、図8(A)に示す如く、屋根垂木の側面下端にパネル受材を取付け、屋根垂木間のパネル受材によって支承した断熱材上面に、上面シート、中間シート、下面シートを、空気層空間を保って一体化した、輻射熱反射作用を奏する遮熱材を載置し、遮熱材の上面シートの突出側縁を折曲して垂木側面に沿わせて、上面シートと垂木上面との間にも空気層を形成し、垂木上面に防風シート及び屋根下張材を固着したものである。
そして、屋根面からの加熱は、遮熱材が輻射熱を反射して空気層を流れる空気で放出し、断熱材への加熱付加は、遮熱材による輻射熱除去によって抑制するため、断熱材は従来の屋根断熱材より薄く出来、断熱材の蓄熱も軽減出来るようにしたものである。
また、図8(B)に示す従来例2は、特許文献2に開示された通気屋根パネルであって、該パネルは、図8(B)に示す如く、縦材としての垂木と、横材としての通風口を配置した継ぎ材とで格子枠を形成し、該格子枠内には断熱材を充填し、断熱材上面には、多数の突起を間隔を開けて突出したエンボス加工のプラスチック断熱シートを載置し、格子枠の上面に野地板を固定した屋根パネルであり、野地板下面に当接した突起群の隙間、及び継ぎ材の通風口を介して、空気をパネル内に貫流させるものである。
また、図8(C)に示す従来例3は、特許文献3に開示された、屋根瓦を支持するための野地パネルであって、下側面材上に断熱材を配置し、断熱材の上面に通気空間を保持して上側面材を配置し、下側面材と上側面材とを、両側縁及び中央の垂木で一体化したものである。
特開2003−171996号公報 特開平8−291600号公報 特開平5−230953号公報
図8(A)に示す従来例1の通気屋根構造は、断熱材の上面を輻射熱反射機能を備えた遮熱材で覆うため、断熱材への加熱負荷、及び蓄熱が軽減出来、断熱材も、従来の屋根断熱材より薄く出来る利点を備えているが、屋根垂木の上面には、直接に防風層及び屋根下張材(野地板)が面当接固定されているため、屋根面と小屋裏との間は、屋根仕上材→防風層→野地板→垂木の経路の熱橋を生じ、屋根構造の断熱機能は低下する。
しかも、垂木へのパネル受材の設置作業、垂木間への断熱材の支持作業、断熱材上面への遮熱材の配置作業、遮熱材上面に空気層を保っての防風シート及び屋根下地材の固定作業、と使用部材及び施工工数が多い。
そして、遮熱材は、下面シート、中間シート、上面シートから成る、変位し易いハニカム構造であるため、所期の輻射熱反射作用を奏する様に、垂木間に配置することは、注意を要する作業であり、通気性屋根の構築は、人手を要する煩雑な作業である。
また、図8(B)に示す従来例2の通気屋根構築手法は、垂木を組み込んだ通気屋根パネルを採用するため、施工現場での屋根構築は、工数が少なくて合理化出来るが、通気屋根パネルの製作自体が、垂木と予め通風口を切欠した継ぎ材とでの格子枠の製作、断熱材の格子枠内への充填、エンボス加工で突起群を形成した断熱シートの断熱材上面への配置、野地板の垂木への打付けによる被覆固定、とパネル自体の製作工数が多く、通気屋根パネル自体の製作が煩雑である。
そして、継ぎ材への通風口の切込み配置は、幅方向の配置個数があまり多く出来なくて通気口以外の部位が空気流の障害となること、及び断熱シートの突起群は空気の平滑な流れの障害となることにより、通気屋根パネルのパネル内での空気のスムーズな貫流は期待出来ない。
しかも、屋根パネルの野地板は、垂木と直接面当接固定であるため、野地板と垂木とは熱橋となって、屋根パネル自体の断熱作用は断熱材の厚みによる設定値より低下する。
また、必要厚さの断熱材の上面にプラスチック断熱シートを載置して通気構造を形成するため、例え屋根面の冷却作用は或程度期待出来ても、夏季の高温化した野地板下面の空間から断熱材への加熱は避けられず、断熱層側からの水蒸気放出も期待出来ない。
その上、パネル厚も大となり、屋根厚が大となって、建物の高さ制限の下では、階高が小となり、居住空間を圧迫する問題もある。
また、図8(C)に示す従来例3の野地パネルは、従来例2同様に、垂木一体化物であるため、施工現場での屋根構築は合理化出来るが、下側面材が天井板であるため、室内から小屋組みの露見する建物に限定される。
また、必要厚さの断熱材の上面に通気空間を形成するため、従来例2同様に、パネル厚が大となる。
しかも、上側面材と下側面材とが垂木を介して一体化しているため、上側面材と下側面材とは熱橋構造となり、夏季の高温化した通気空間から断熱材が熱的に保護されていない事と相俟って、野地パネル(屋根パネル)自体の断熱作用は、断熱材での設定値より低下する。
本発明は、これら従来例1〜3の通気断熱屋根の、施工上、パネル製作上、機能上の問題点を、一挙に解決又は改善するものであって、製作が容易で、小屋組み屋根への施工性に優れ、機能上、冬季も夏季も、断熱層での設定値の断熱機能を発揮し、且つ、均質生産品として準備出来る、新規な断熱通気性の屋根複合パネルを提供し、優れた断熱機能を備えた木造建物の通気断熱屋根を、合理的に構築出来る技術を提供するものである。
本発明の屋根複合パネルは、例えば図1に示す如く、断熱層2Bと屋根下地材2Aとを遮熱反射層を介して層着一体化した屋根複合パネル1であって、断熱層2Bは、層着面2Sに、通気用の条溝Gと、肉厚部2Tとを、交互に、平行に備えると共に、幅中央部及び両側縁部に、断熱層2Bと同厚の縦桟2W,2W´を一体化し、縦桟2W,2W´を含む断熱層2Bの層着面2Sには、表裏両面が輻射熱反射機能を有する遮熱反射層2Cを配置し、遮熱反射層2Cの上面に、パネル全幅に亘る屋根下地材2Aを、通気胴縁2D,2D´を介して、通気層G´を確保した形態で面当接一体化したものである。
この場合、断熱層2Bとしては、屋根下地材2Aに遮熱反射層2Cと一体化層着出来る保形性を備えた板状断熱板であり、且つ次世代省エネ基準に於ける断熱基準(1地区の北海道での木造気密住宅での熱抵抗値は4.3mk/w)を満たせば良く、ポリスチレンフォーム、硬質ウレタンフォーム等の、JISA9511の発泡プラスチック系断熱材が良く、典型的には、厚さT5が135mmの押出法ポリスチレンフォーム(熱伝導率:0.024kcal/mh℃以下)である。
また、通気用の条溝G群は、空気流aの最低限の上昇貫流を保証し、且つ断熱欠損を最小限に抑える深さにカッターで切欠配置すれば良く、典型的には、条溝Gは、深さGdが15mm、幅a1が45.5mmで、肉厚部2Tの幅a1と等幅である。
この場合、断熱層2Bの全面積に対して、条溝G群の配置面積を1/2とすれば、断熱層2Bの層厚に対する断熱欠損は、条溝Gの深さGdの1/2寸法となる。
そのため、所定基準厚の断熱層2Bに対する所定通気機能を奏する深さの条溝Gの配置面積は、断熱欠損抑制の面と、通気作用面とを配慮して決定すれば良い。
また、縦桟2W,2W´は、垂木としての機能を保持し、且つ断熱層2Bと同厚で一体化する木材であれば良い。
また、屋根下地材2Aは、屋根Rの野地板としての最低限の強度、耐衝撃性、加工性を備えた薄剛板であれば良く、典型的には、軽量(10kg/m)、高強度(240kgf/cm)で12mm厚の構造用合板(JASS規格品)である。
また、遮熱反射層2Cは、表面及び裏面が輻射熱反射機能を奏し、断熱層2Bの層着面2S上に面当接張設出来る遮熱反射シートであれば良い。
従って、本発明の屋根複合パネル1は、縦桟2W,2W´が垂木機能を奏しているため、小屋組みへの屋根施工が、母屋22B等への、上面からの縦桟2W,2W´からの釘等を介した単純な固定作業で容易となり、屋根パネル1の断熱層2Bが屋内を外断熱保護し、しかも断熱層2B表面の各通気用条溝G群では、屋内側からの断熱層を透過した水蒸気(湿気)を外部へ排出し、且つ、断熱層2Bから放出する熱線を、条溝Gの天井面を形成している遮熱反射層2Cが反射して断熱層2B面で輻射熱に変換し、変換輻射熱の一部は条溝Gから排出し、且つ一部の熱は再度断熱層2Bに付加するため、断熱層2Bは条溝G群を切欠したにもかかわらず、熱損失を最小限に抑制して水蒸気排出機能を発揮する。
しかも、屋根下地材2Aの下面の通気層G´は、屋根面からの透過熱を通気層G´下面の遮熱反射層2C面で反射して屋根下地材2A面で輻射熱に変換して放出するため、屋根面の冷却作用を奏し、屋根の損傷を抑制する。
即ち、本発明の屋根複合パネル1は、所定基準必要厚さを有する断熱層2Bに、断熱層2Bからの湿気排出用の通気層としての必要深さの条溝Gを切欠しても断熱層の断熱欠損を最小限に抑制し、条溝Gの切欠で生じた断熱欠損を遮熱反射層2Cが補償出来、且つ、輻射熱反射層2C上面の通気層G´が屋根面からの侵入熱を輻射熱として外部へ放出するため、屋根面での冬季及び夏季の熱的保護が好適に達成出来、省エネルギー家屋の屋根パネルとなる。
しかも、垂木を一体的に備えた施工性にも優れる屋根パネルとなる。
また、本発明の屋根パネル1は、図1に示す如く、条溝Gの幅と、肉厚部2Tの幅と、断熱層2B中央部の縦桟2Wの幅とが等幅であり、断熱層側縁の縦桟2W´の幅が、中央部の縦桟2Wの幅の1/2であるのが好ましい。
この場合、縦桟2W,2W´は、断熱層2Bと一体となっているため、屋根複合パネル1の母屋22Bへの固定は、パネル1の屋根下地材2Aから縦桟2W,2W´部での、母屋22B、棟木22A、軒桁21Eへの長ねじ(図示せず)の打込みで強固に固定出来、各パネル1の並列当接配置により、パネル側縁の縦桟2W´もパネル中央の縦桟2Wと同幅形態となって、屋根面は均斉強度となる。
従って、通気用の条溝Gは、非条溝部、即ち肉厚部2T、と等幅で屋根面の全面に亘っての均等配置となるため、条溝Gの配置による断熱層2Bの断熱欠損が、計算上は、条溝深さ(標準:15mm)の1/2欠損(標準:7.5mm)に抑制出来、断熱層2Bから条溝G内に放出される熱線が遮熱反射層2Cでの反射によって断熱層2B面で熱交換されて、変換熱の一部は、再度断熱層2B内に付加されるため、断熱欠損の補償が好都合に達成出来、条溝G群の通気による断熱層2Bの放湿機能も、屋根全面の均等配分となり、通気層G´による屋根面の過加熱からの均斉保護、及び家屋内の外断熱保護が、パネル1の張設屋根面の全面に亘って平準化状態で達成出来る。
また、本発明屋根複合パネル1にあっては、遮熱反射層2Cは、図4(A),(B)に示す如く、プラスチック樹脂シート20a上に突起20b群を付設した芯材20の2枚を、突起20b群面を対向して層着し、表側及び裏側のシート20a面にアルミ箔20cを層着した遮熱反射シート2Cであるのが好ましい。
この場合、遮熱反射シート2Cは、内部が空気を封入した各突起20b群面の対向当接形態となって、空気層を突起20b群内、突起20b間に介在する形態となるものであり、表裏両面にアルミ箔層を備えた酒井化学工業(株)製のラミパックSD−W(商品名)の採用が可能であり、ラミパックSD−W(商品名)は、軽量(335g/m)、高遮熱性、高強度(引張強度3.9N/mm)で、熱輻射の侵入を阻止し、輻射熱のカット率が高く、耐久性に優れ、カッターや鋏で容易に切断出来る。
従って、遮熱反射層2Cは、内部に空気層を介在するため、表裏面のアルミ箔が輻射熱反射作用を発揮し、通気層G´及び条溝G内の輻射熱を外部に放出すると共に、遮熱反射層2C自体も、介在空気層によって断熱機能を発揮し、必要厚さの断熱層2Bに、十分な通気機能を奏する深さGd(標準:15mm)の条溝G群を切欠し、条溝G群の切欠による断熱欠損を生じても、条溝G内への断熱層2Bからの放出熱線は、条溝Gの天井面のアルミ箔で反射されて、断熱層2B面で熱に変換され、一部は放出され、一部は再度断熱層2Bに熱付加される。
そして、遮熱反射層2C自体の断熱機能によって、屋根下地材2Aと、断熱層2Bの縦桟2W,2W´との熱橋作用も阻止され、屋根パネル1は、設計値どおりの断熱機能を発揮する。
そのため、屋根パネル1は、遮熱反射層2Cが、下面側では、条溝G群による断熱欠損の補償を、上面側では屋根面からの侵入熱を輻射熱として放出し、且つ、屋根下地材2A側と断熱層2B側とを熱橋作用を阻止して断熱し、夏季も、冬季も好適な屋根断熱を達成する。
また、遮熱反射シート2Cは、厚さT2が8mmで、断熱層2Bの5〜7mm厚に相当する断熱効果を有するものが好ましい。
板厚T2が8mmの該遮熱反射層2Cは、熱伝導率が0.032kcal/mh℃(0.038w/mk)なので、熱抵抗が0.25kcal/mh℃(0.21w/mk)であり、押出ポリスチレンフォーム(熱伝導率:0.024kcal/mh℃)では6mm厚の断熱効果を有しているため、パネル1の縦桟2W,2W´上面及び肉厚部2T上面では、屋根面からの伝導熱を遮断し、条溝G(標準深さ:15mm)内では輻射熱反射と伝導熱遮断を果たす。
この場合、遮熱反射層2Cは、夏季にあっては、日射熱によって高温化した通気層G´内の輻射熱を放出除去すると共に、自体の断熱機能によって、断熱層2Bへの加熱付加を抑制し、冬季にあっては、断熱層2Bの冷却を断熱機能によって保護し、且つ、断熱層2Bから条溝G内へ放出される輻射反射熱の一部を断熱層2Bへ還元付加する作用も発揮する。
そのため、条溝G群の配置面積(標準:全面積の1/2)を適切に選定することにより、断熱層2Bの断熱欠損の完全補償が出来、必要通気層を備えた、夏季の外部からの断熱にも、冬季の屋内からの断熱にも好適な屋根パネルが得られる。
従って、遮熱反射層2Cは、条溝Gの天端面(天井面)では輻射熱反射作用及び伝導熱遮断作用を奏し、縦桟2W,2W´上面及び肉厚部2T上面では、断熱層2Bの5〜7mm厚に相当する伝導熱遮断作用を奏し、断熱層2Bの条溝G群を切欠したための断熱欠損を補償し、屋根複合パネル1は、夏季では、屋根面から侵入する大熱量を通気層G´内で輻射熱変換して排除すると共に、自体の断熱機能によって断熱層2Bへの伝導熱加熱を熱的に保護し、冬季では、断熱層2B上面からの放熱を抑制して屋根面からの断熱層2Bへの冷却を熱的に保護し、且つ、常時断熱層2Bからの水蒸気を放出するため、十分な通気機能を具備し、夏季にも冬季にも十分な外断熱機能を備えた、耐候性に優れた屋根パネルとなる。
また、本発明の屋根複合パネル1にあっては、断熱層2Bは、厚さT5が135mmの押出法ポリスチレンフォーム板であり、条溝Gの深さGdが15mmであり、条溝Gの全面積がパネル面積の1/2であるのが好ましい。
現行の、平成11年告示の次世代省エネルギー基準に於ける断熱基準(北海道地区)では、木造の気密住宅の熱抵抗値は4.3mk/wで、押出法ポリスチレンフォーム板では、必要厚さが125mmであるが、本発明の断熱層2Bは、押出法ポリスチレンフォーム板の135mmであり、図1(A)に示す如く、等配分の条溝Gの全面積が、パネル面積の1/2であり、条溝Gの深さGdが15mmであるため、断熱層2Bの断熱欠損は条溝Gの深さ15mm(Gd)の1/2(7.5mm)となる。
従って、深さ15mmの条溝Gを等配分した断熱層2Bの断熱欠損は7.5mm厚であり、135mm厚の断熱層2Bから断熱欠損を加味した断熱厚さは、127.5mm(135mm−7.5mm)であるため、施工基準厚(125mm)を満足するものとなる。
そのため、本発明の屋根複合パネル1は、遮熱反射層2Cとして、断熱機能の全く存在しない、輻射熱反射機能のみを備えた慣用のアルミ箔層着フィルムを採用しても、断熱基準を満たし、通気層G´内での屋根面からの侵入熱の排除を達成し、且つ、通気条溝G群内での遮熱反射層2Cでの輻射熱の一部の排除、及び一部の断熱層2Bへの付加を好適に発揮し、冬季にも夏季にも、必要断熱機能を発揮し、冷暖房の省エネルギー化を可能とする。
また、本発明の屋根複合パネル1にあっては、図1(B)に示す如く、パネル1の両側面1R,1Lが面一であって、一側縁1Rの通気胴縁2D´が側縁1Rから相欠け段差d4突出し、他側縁1Lの通気胴縁2D´が側縁1Lから相欠け段差d4入り込んでいるのが好ましい。
この場合、通気胴縁2D´の相欠け段差d4の寸法は、典型的には10mmである。
従って、該パネル1相互の左右接合は、側縁の突出した通気胴縁2D´の、側縁の入り込み胴縁2D´への嵌合相欠け接続作業となって、パネル相互の隙間の無い衝合接続作業が容易となる。
しかも、パネル1相互の左右接続部では、図5(B)に示す如く、屋根下地材2Aの当接界面vf及び縦桟2W´の当接界面vfと通気胴縁2D´の当接界面vf´とが突出段差寸法d4(標準:10mm)ずれるため、パネル1相互の左右接続部には、気密テープ張着等の気密処理も不要となり、屋根面構築の作業性が向上する。
また、本願の木造外張り断熱屋根構造の発明は、本願の請求項1に記載の屋根複合パネル1を張設した木造外張り断熱屋根構造であって、図6に示す如く、屋根複合パネル1を、軒部8から棟部7へ条溝G群、及び通気層G´による通気可能に、小屋組みの屋根面に配置し、各パネル1の縦桟2W,2W´を軒桁21E、母屋22B、棟木22Aに固定したものである。
この場合、各パネル1の固定は、各パネル1の、上下接続は、図5(A)に示す如く、断熱層2Bの衝合当接形態で、左右接続は、図5(B)に示す如く、通気胴縁2D´,2D´の相欠け接合での側縁の縦桟2W´の当接形態で、慣用の長ねじ、例えば、径5.5mm、長さ180mmの、サンコーテクノ(株)のコーススレッド(商品名)を、屋根下地材2Aの上面か、野地垂木兼用の縦桟2W,2W´を貫通して軒桁21E、母屋22B、棟木22Aに打込めば良い。
従って、屋根複合パネル1は、工場生産の均質品として準備出来、且つ野地垂木を兼用する縦桟2W,2W´を備えているため、木造外張り断熱屋根構造は、単に屋根複合パネル1の小屋組み屋根への簡単な打設固定作業で施工出来て、均質で、信頼性の高い通気性外断熱屋根構造が得られる。
そして、屋根複合パネル1を張設した屋根面に対しては、各パネル1の屋根下地材2Aの上下の上下当接界面hf´上には、慣用の気密テープ(図示せず)を張り、屋根下地材2Aの左右当接界面vfは通気胴縁2D´で保護されるため、気密テープを張ることなく、屋根複合パネル1の上面に、慣用の防水シート9、屋根仕上材10、を張設すれば良い。
そして、仕上がった屋根構造は、パネル左右接続部位では、半幅の縦桟2W´が2本合体するため、屋根強度が均斉となり、断熱層2Bも縦桟2W,2W´と下面が面一であるため、断熱層2Bの縦桟2W,2W´からの脱落は、棟木22A、母屋22B、軒桁21Eで阻止される。
そして、屋根面は、図6に示す如く、軒部8から棟部7へと、空気流aが通気層G´内、及び条溝G内を屋根面全面に均斉に貫流し、通気層G´内では、屋根面からの日射熱を遮熱反射層2Cが輻射熱として、空気流aによって棟部7から放出し、条溝G内では、断熱層2B内からの湿気を空気流aによって棟部7から放出し、屋根面の過加熱による損傷を抑制し、断熱層2Bの蓄熱も軽減し、且つ断熱層からの水蒸気(湿気)も放出する外断熱屋根となる。
また、本発明の屋根構造にあっては、図3に示す如く、棟部用パネル1Aは、屋根下地材2Aを下端部で相欠け段差d1突出させて準備し、中間部用パネル1Bは、屋根下地材2Aを、上端部で相欠け段差d1入り込ませ、下端部で相欠け段差d1突出させて準備し、軒部用パネル1Cは、屋根下地材2Aを、上端部で相欠け段差d1入り込ませ、下端部で大段差d2突出させ、且つ、各パネル1A,1B,1C共、両側の通気胴縁2D´を、一側縁1Rでは相欠け段差d4突出し、他側縁1Lでは相欠け段差d4入り込ませて準備し、図5(A),(B)に示す如く、棟部用パネル1A、中間部用パネル1B及び軒部用パネル1Cを、上下、左右に相欠け接合すると共に、軒部用パネル1Cの屋根下地材2Aの下端を鼻隠し23A上に固定して、鼻隠し23Aとパネル断熱層端面Dsとの間に空気流入間隔adを配置するのが好ましい。
この場合、鼻隠し23Aの上面には、図7(B)に示す如く、屋根下地材2Aの端部を載置する切欠C23を配置しておけば、屋根下地材2Aと鼻隠し23A上面とが面一に固定出来、パネル1の上面への防水シート9、屋根仕上材10の張設作業が容易となる。
従って、各屋根パネル1の上下、左右の衝合接続は、相欠け接合となって、パネル相互の隙間の無い接続作業が容易となり、屋根下地材2Aの縦方向(垂直)当接界面vfと通気胴縁2D´の縦方向当接界面vf´とが相欠け段差d4ずれるため、屋根下地材2Aの縦方向当接界面vf及び縦桟2W´の縦方向当接界面vfは通気胴縁2D´で保護され、各パネル1の左右相欠け接続部では、慣用の気密テープでの処理が不要となり、各パネル1相互の上下接続部のみに気密テープを張れば良くなり、パネル張設の作業性が向上する。
そして、軒部用パネル1Cは、屋根下地材2Aの下端を大段差d2(標準:30mm)突出したため、図7(B)に示す如く、大段差d2突出寸法の先端からの1/2寸法(標準:15mm)を鼻隠し23A上に載置して釘打ちするだけで、断熱層下端面Dsと鼻隠し23Aの内側面との間に、大段差d2の1/2寸法(標準:15mm)の間隔adが形成出来、パネルの通気層G´、及び条溝G群内への空気流入間隔adも、単なるパネル1の打設固定作業で簡単、且つ適正に形成出来、屋根構築の作業性が向上する。
本発明の屋根複合パネル1は、小屋組みの棟木22A、母屋22B、軒桁21E上に載置して各パネル1を当接配置し、縦桟2W,2W´部位を、長ねじで小屋組みに固定するだけで木造建物の屋根を通気性外断熱に施工出来る。
そして、屋根パネル1は、断熱層2Bの条溝G群の天井面に遮熱反射層2Cを備え、遮熱反射層2Cの上面に通気層G´を保って屋根下地材2Aを備えているため、且つ遮熱反射層2Cが表裏面で輻射熱反射機能を備えているため、屋根面からパネル1内に侵入する熱は反射輻射熱として通気層G´から排出し、断熱層2Bへの加熱は抑制出来、条溝G内では、断熱層2Bからの湿気(水蒸気)を放出するとともに、断熱層2Bから条溝G内へ放出される輻射熱の一部は外部へ排出し、一部は断熱層2Bへ再付加されるため、夏季、冬季を通じて屋内を外断熱保護し、優れた外断熱機能を発揮し、木造建物の省エネルギー屋根を提供する。
そして、断熱層2Bの条溝G群の天井面を遮熱反射層2Cが覆っているため、断熱層2Bから条溝G内に放出される熱量の輻射熱の一部は、再度断熱層2Bへの付加作用を奏し、条溝G群を配置したための断熱欠損が、遮熱反射層2Cで好適に補償出来、断熱層2Bの層厚T5(標準:135mm)を必要基準厚の下に、条溝G群の切欠配置が可能となる。
しかも、屋根面から屋根下地材2Aに付加される熱は、遮熱反射層2Cによって輻射熱として通気層G´から放出されるため、断熱層2Bへの負荷とはならない。
そのため、本発明の屋根複合パネル1は、パネル内湿気を放出し、且つ屋根面からの熱を外断熱保護する高性能の通気性外断熱屋根を簡単に、且つ均質に構築出来る。
また、屋根複合パネル1は、工場生産の均質品として準備出来、野地垂木を兼用する縦桟2W,2W´を備えているため、木造建物の外張り断熱屋根構造は、各パネル1を、上下方向では断熱層相互を衝合当接し、左右方向では側縁部の通気胴縁2D´での相欠け接合による縦桟2W´の衝合当接で小屋組み屋根に固定するだけで、均質で、信頼性の高い外断熱屋根構造となる。
そして、仕上がった屋根構造は、軒部8から棟部7へと、空気流aが、屋根下地材2A下面の通気層G´と断熱層2B上面の条溝G群とを、屋根面全面に均斉に貫流し、遮熱反射層2Cの上面の通気層G´は、屋根面から侵入する輻射熱を放出して断熱層2Bを熱的に保護し、遮熱反射層2Cの下面では、条溝G群で、断熱機能の低下を招く湿気を放出するため、屋根面の過加熱による損傷を抑制して断熱層2Bを熱的に保護し、耐候性に優れた外断熱屋根となる。
〔屋根複合パネルの構造(図1、図3)〕
屋根複合パネル1は、野地垂木を含む断熱層2B上に、遮熱反射層2Cを配置し、遮熱反射層2C上に、屋根下地材2Aを、通気胴縁2D,2D´で通気層G´を確保した形態で一体化したパネルであって、図1(A)はパネル1の斜視図であり、図1(B)は図1(A)のB−B線断面図である。
また、図3は、屋根複合パネル1の全体斜視図であって、図3(A)は棟部用パネル1Aを、図3(B)は中間部用パネル1Bを、図3(C)は軒部用パネル1Cを示すものである。
即ち、屋根複合パネル1の断面構造は、図1(A),(B)に示す如く、野地垂木の機能を有する、幅a1が45.5mmの縦桟2Wが、断熱層2Bの幅中央に、幅が半幅a2の22.75mmの縦桟2W´が、断熱層2Bの両側面に、断熱層2Bに対して、下面と上面を面一形態で、断熱層2Bと一体化しており、断熱層2Bの肉厚部2T、条溝G、及び縦桟2W,2W´の全上面に面当接する形態に、遮熱反射層2Cを貼着し、遮熱反射層2C上の縦桟2W,2W´の部位に通気胴縁2D,2D´を配置し、通気胴縁2D,2D´上から厚さT4(12mm)の屋根下地材を、釘nで通気胴縁2D,2D´を介して縦桟2W,2W´に打設一体化したものである。
そして、遮熱反射層2Cと屋根下地材2Aとの間には、通気胴縁2D,2D´の厚さ(標準厚さT6:20mm)で通気層G´を形成し、通気胴縁2D,2D´の配置は、図1(B)に示す如く、中央の通気胴縁2Dを中央の縦桟2W部位に、両側縁の通気胴縁2D´を両側の縦桟2W´部位に配置し、且つ、一側(1R)の通気胴縁2D´をパネル側縁から相欠け段差d4(10mm)突出し、他側(1L)の通気胴縁2D´をパネル側縁から相欠け段差d4(10mm)入り込ませた形態で、屋根下地材2A上面から釘nを打込んだものであり、断熱層2Bの肉厚部2Tの幅a1、縦桟2Wの幅a1、及び条溝Gの幅a1を等幅とし、通気層G´の深さG´dが20mm、条溝Gの深さGdが15mmであって、パネル幅AWが910mm、パネル厚T3が175mmのパネルである。
また、図3に示す如く、棟部用パネル1A、中間部用パネル1B、軒部用パネル1Cは、共に、断面形状は同一、且つ同幅AW(910mm)であって、棟部用パネル1Aは、断熱層長さBLが1820mmで、屋根下地材2Aの長さALは、断熱層2Bに対し、上端(図面の右上端)が面一、下端が相欠け段差20mm(d1)突出したものであり、中間部パネル1Bは、屋根の棟から軒先までの寸法に応じて断熱層2Bの長さBLを決定するものであるが、標準タイプは、断熱層長さBLが1820mmで、屋根下地材2Aの長さALは、断熱層2Bに対し、上端で相欠け段差20mm(d1)入り込み、下端で相欠け段差20mm(d1)突出したものであり、軒部用パネル1Cは、断熱層長さBLが1820mmで、屋根下地材2Aの長さALが、断熱層2Bに対し、上端では、相欠け段差20mm(d1)入り込み、下端では30mm(d2)突出したものである。
〔屋根複合パネルの製作(図2)〕
図2はパネル1の分解説明図であって、(A)は屋根下地材2Aの斜視図、(B)は胴縁2D,2D´の斜視図、(C)は遮熱反射層2Cの斜視図、(D)は断熱層2Bの斜視図、(E)は断熱層2Bの分解斜視図である。
遮熱反射層2Cは、図4(A),(B)に示す如く、プラスチックシート20aに径10mmの空気封入突起20b群を付設した芯材20の2枚を、突起20b群面を対向して層着一体化し、外面になる表裏面にアルミ箔を層着した厚さ8mmの遮熱反射シート2Cを採用する。
該シート2Cは、ラミパックSD−W(商品名)として酒井化学工業(株)から入手可能である。
断熱層2Bとしては、図2(E)に示す如く、厚さT5が135mmの押出法ポリスチレンフォーム板(JISA9511)の断熱板2Bを、幅409.5mm(BW)、長さ1820mm(BL)で用意し、断熱板の上面には、幅45.5mm、深さGdが15mmの条溝G群を幅45.5mmの肉厚部2T間に切削配置する。
また、幅45.5mm、厚さ135mmの木材の縦桟2Wと、幅22.75mm、厚さ135mmの木材の縦桟2W´を用意し、広幅の縦桟2Wを挟んで、図2(D)に示す如く、両側に断熱板2Bを接着固定し、断熱層2Bの両側に半幅の縦桟2W´を接着固定して、縦桟2W,2W´を断熱板2Bと一体化し、上面に条溝G用切削を備えた、図2(D)に示す、幅AWが910mm、長さBLが1820mmの断熱層2Bを形成する。
また、遮熱反射層2Cとしては、図4に示す如く、両面にアルミ箔層を備えた8mm厚の、ラミパックSD−W(酒井化学工業(株)製、商品名)を、図2(C)の如く、幅AWが910mm、長さBLが1820mmで用意する。
次いで、図1(B)に示す如く、断熱層2Bの、肉厚部2T上面、及び縦桟2W,2W´の上面に接着剤を塗布して面当接接着し、長さBLが1820mm、幅AWが910mmの、遮熱反射層2Cを層着した断熱層2Bを得る。
そして、図2(B)に示す如く、木材の通気胴縁として、幅a3が33mm、厚さT6が20mmで長さBL(1820mm)の角材を両側用の通気胴縁2D´として、幅a1が45.5mm、厚さT6が20mmで長さBLの角材を、中央の通気胴縁2Dとして用意しておき、図1(B)に示す如く、中央通気胴縁2Dを中央縦桟2Wの部位に、両側通気胴縁2D´を、それぞれ、両側縦桟2W´部位に、且つ、一側(1R)の通気胴縁2D´は、パネル側縁1Rから相欠け段差d4(10mm)の突出形態に、他側(1L)の通気胴縁2D´は、パネル側縁1Lから相欠け段差d4(10mm)入り込んだ形態で、遮熱反射層2C上面に接着固定する。
また、屋根下地材2Aとしては、軽量(10kg/m)、高強度(240kgf/cm)で、12mm厚の構造用合板(JASS規格品)を、断熱層2Bと同幅(910mm)で用意する。
そして、図3に示す如く、棟部用パネル1Aは、屋根下地材2Aを、断熱層2Bに対し、上端を面一に、下端をd1(20mm)突出形態として、断熱層2B上の遮熱反射層2C上面に接着固定した通気胴縁2D,2D´の上面に、図1(B)に示す如く、接着剤を塗布して接着固定し、断熱層2Bの縦桟2W,2W´部位で、屋根下地材2Aを、通気胴縁2D,2D´を介して接着一体化し、必要に応じて、縦桟2W,2W´に釘nで固定して、棟部用の屋根複合パネル1Aを得る。
同様に、中間部用パネル1Bは、屋根下地材2Aを、断熱層2Bに対し、上端ではd1(20mm)入り込み、下端ではd1(20mm)突出形態で、遮熱反射層2Cを備えた断熱層2Bと、通気胴縁2D,2D´を介して一体化固定し、中間部用の屋根パネル1Bを得る。
また、同様に、軒部用パネル1Cは、屋根下地材2Aを、断熱層2Bに対し、上端ではd1(20mm)入り込み、下端ではd2(30mm)突出形態で、遮熱反射層2Cを備えた断熱層2Bと、通気胴縁2D,2D´を介して一体化固定し、軒部用の屋根パネル1Cを得る。
〔屋根複合パネルの張設(図6、図7)〕
図6は、小屋組み屋根に屋根複合パネル1を張設した屋根構造の、一部切欠断面図であり、図7(A)は、屋根棟部の断面図であり、図7(B)は軒部の断面図である。
小屋組み屋根は、図6(A)に示す如く、慣用の手法によって構築したもので、柱21A,21B、小屋束22C、棟木22A、母屋22B、軒桁21Eを備えている。
そして、小屋組み屋根の、棟木22A、母屋22B、軒桁21E上に、屋根パネル1A,1B,1C群を、上下方向では、断熱層2Bの衝合当接で、左右方向では、通気胴縁2D´相互の相欠け嵌合で、パネル側縁の半幅の縦桟2W´を衝合当接して配置し、各パネル1A,1B,1Cを、縦桟2W,2W´部位で、屋根下地材2A上面から、パネル下面の棟木22A、母屋22B、軒桁21Eへ、径5.3mm、長さ180mmの長ねじ(サンコーテクノ(株)のコーススレッド(商品名))を打込んで固定する。
該長ねじは、JISA5508の木工事用鉄丸釘(許容剪断耐力:70kgf/本)の5倍の強度を有するので、長ねじの打込み間隔が広く出来、軒桁21E、母屋22B、棟木22Aを割裂することも抑制出来、作業性も良い。
従って、張設した各パネル1A,1B,1C群は、各パネルの左右当接部は、図5(B)に示す如く、側面が面一の各パネルの縦桟2W´の衝合当接形態での、通気胴縁2D´相互の相欠け接合であるため、パネルの左右接合部では、幅a2(22.75mm)の縦桟2W´が2本当接してパネル中央の幅a1(45.5mm)と同幅となって、屋根面は等幅(45.5mm)の垂木(縦桟)群の配置となり、屋根強度の均斉を保証する。
しかも、左右当接部は、図5(B)に示す如く、屋根下地材2A及び縦桟2W´の当接界面vfを通気胴縁2D´が保護するため、パネルの左右当接部には気密テープ処理が不要となる。
そして、パネル1の上下当接部、即ち屋根下地材2Aの横方向当接界面hfには、慣用の気密テープを貼着して気密処理する。
また、軒部用パネル1Cの下端は、図7(B)に示す如く、鼻隠し23Aの上面の切欠C23に、屋根下地材2Aの下端突出d2(標準:30mm)の、先端の半寸15mmを載置して釘打ちし、鼻隠し23Aとパネル断熱層下端面Dsとの間に、下端突出d2の半寸(15mm)の通気用の間隔adを形成する。
屋根仕上げは、慣用の手法で、屋根パネル面上に、図7(A)に示す如く、防水シート9、屋根仕上材10を配置し、棟部7では、棟下地材25C、棟換気材25B、棟材25A、水切材25D、防水処理材25Eで慣用の換気構造を形成し、鼻隠し23Aの間隔ad(15mm)から流入する上昇空気流aを、通気層G´(深さG´d:20mm)及びパネル条溝G(深さGd:15mm、幅a1:45.5mm)の上下二段の通気層を経て棟部7から排出する構造とする。
従って、本実施例で構築した屋根構造は、屋根複合パネル1相互の上下左右接合が相欠け接続となったことと、パネルの縦桟2W,2W´が垂木を兼用し、小屋組み屋根へのパネル群の張設が、縦桟2W,2W´での長ねじによる固定となったことにより、作業性良く実施出来た。
そして、表裏面が反射機能を備え、且つ断熱機能を備えた遮熱反射層2Cを通気層G´の下面と、条溝Gの上面との間に介在したため、屋根面からの加熱に対する断熱層2Bの保護、及び屋根面の過加熱に対する冷却保護と、断熱層2Bに切欠配置した条溝G群でのパネル1内の湿気放出機能と、条溝G群の切削で生じた断熱欠損の熱的補償作用とが可能となり、冬季の暖房時にも、夏季の冷房時にも、省エネルギー化に有効な、断熱機能の優れた通気構造屋根となった。
〔その他〕
遮熱反射層2Cとして、実施例では、ラミパックSD−W(商品名)を採用したが、遮熱反射層2Cは、表裏面に反射層を備えて、通気層G´内、及び条溝G内に入り込む熱線を反射すれば良いものであるため、慣用の両面アルミ箔シートを採用しても所期の目的は達成出来る。
この場合は、アルミフィルムが可撓性の薄いシートであるため、通気胴縁2D,2D´での挟着一体化保持作業が容易である。
本発明の屋根複合パネルの説明図であって、(A)は全体斜視図、(B)は(A)のB−B線断面図である。 屋根複合パネルの分解説明図であって、(A)は屋根下地の斜視図、(B)は通気胴縁の斜視図、(C)は遮熱反射層の斜視図、(D)は断熱層の斜視図、(E)は断熱層の分解斜視図である。 屋根複合パネルの斜視図であって、(A)は棟部用パネルを、(B)は中間部用パネルを、(C)は軒部用パネルを示す図である。 遮熱反射層の説明図であって、(A)は遮熱反射層の断面図、(B)は(A)のB−B線断面図、である。 屋根複合パネル相互の接合説明図であって、(A)は上下接続部の断面を、(B)は左右接続部の断面を表す図である。 本発明の屋根構造の一部切欠断面図である。 図6の部分拡大図であって、(A)は棟部を、(B)は軒部を表す図である。 従来例図であって、(A)は従来例1の一部切欠要部斜視図、(B)は従来例2の一部切欠斜視図、(C)は従来例3の斜視図である。
符号の説明
1 屋根複合パネル(屋根パネル、パネル)
1A 棟部用パネル(屋根パネル、パネル)
1B 中間部用パネル(屋根パネル、パネル)
1C 軒部用パネル(屋根パネル、パネル)
1L,1R 側縁(側面)
2A 屋根下地材
2B 断熱層(断熱板)
2C 遮熱反射層(遮熱反射シート)
2D,2D´ 通気胴縁
2S 層着面
2T 肉厚部
2W,2W´ 縦桟
7 棟部
8 軒部
9 防水シート
10 屋根仕上材
20 芯材
20a プラスチック樹脂シート(シート)
20b 突起
20c アルミ箔
21A,21B 柱
21E 軒桁
22A 棟木
22B 母屋
22C 小屋束
23A,23B 鼻隠し
25A 棟材
25B 棟換気材
25C 棟下地材
25D 水切材
25E 防水処理材
a 空気流(空気)
ad 間隔
C23 切欠
Ds 断熱層下端面
G 条溝(通気用条溝)
G´ 通気層
Gd 条溝深さ
G´d 通気層深さ
hf,hf´ 水平当接界面(横方向当接界面)
n 釘
R 屋根
vf,vf´ 縦方向当接界面
wf 木造躯体

Claims (8)

  1. 断熱層(2B)と屋根下地材(2A)とを遮熱反射層を介して層着一体化した屋根複合パネル(1)であって、断熱層(2B)は、層着面(2S)に、通気用条溝(G)と、肉厚部(2T)とを、交互に、平行に備えると共に、幅中央部及び両側縁部に、断熱層(2B)と同厚の縦桟(2W,2W´)を一体化し、縦桟(2W,2W´)を含む断熱層(2B)の層着面(2S)には、表裏両面が輻射熱反射機能を有する遮熱反射層(2C)を配置し、遮熱反射層(2C)の上面に、パネル全幅に亘る屋根下地材(2A)を、通気胴縁(2D,2D´)を介して、通気層(G´)を確保した形態で一体化した通気性屋根複合パネル。
  2. 条溝(G)の幅と、肉厚部(2T)の幅と、断熱層(2B)中央部の縦桟(2W)の幅とが等幅であり、断熱層側縁の縦桟(2W´)の幅が、中央部の縦桟(2W)の幅の1/2である、請求項1に記載の屋根複合パネル。
  3. 遮熱反射層(2C)がプラスチック樹脂シート(20a)上に突起(20b)群を付設した芯材(20)の2枚を、突起(20b)群面を対向して層着し、表裏のシート(20a)面にアルミ箔(20c)を層着した遮熱反射シート(2C)である、請求項1又は2に記載の屋根複合パネル。
  4. 遮熱反射シート(2C)は、厚さ(T2)が8mmで、断熱層(2B)の5〜7mm厚に相当する断熱効果を有する、請求項3に記載の屋根複合パネル。
  5. 断熱層(2B)は、厚さ(T5)が135mmの押出法ポリスチレンフォーム板であり、条溝(G)の深さ(Gd)が15mmであり、条溝(G)の全面積がパネル面積の1/2である、請求項1又は2に記載の屋根複合パネル。
  6. パネル(1)の両側面が面一であって、一側縁(1R)の通気胴縁(2D´)が側縁(1R)から相欠け段差(d4)突出し、他側縁(1L)の通気胴縁(2D´)が側縁(1L)から相欠け段差(d4)入り込んだ、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の屋根複合パネル。
  7. 請求項1に記載の屋根複合パネル(1)を張設した木造外張り断熱屋根構造であって、屋根複合パネル(1)を、軒部(8)から棟部(7)へ条溝(G)群、及び通気層(G´)による通気可能に、小屋組みの屋根面に配置し、各パネル(1)の縦桟(2W,2W´)を軒桁(21E)、母屋(22B)、棟木(22A)に固定した木造外張り断熱屋根構造。
  8. 棟部用パネル(1A)は、屋根下地材(2A)を下端部で相欠け段差(d1)突出させて準備し、中間部用パネル(1B)は、屋根下地材(2A)を、上端部で相欠け段差(d1)入り込ませ、下端部で相欠け段差(d1)突出させて準備し、軒部用パネル(1C)は、屋根下地材(2A)を、上端部で相欠け段差(d1)入り込ませ、下端部で大段差(d2)突出させ、且つ、各パネル(1A,1B,1C)共、両側の通気胴縁(2D´)を、一側縁(1R)では相欠け段差(d4)突出し、他側縁(1L)では相欠け段差(d4)入り込ませて準備し、棟部用パネル(1A)、中間部用パネル(1B)及び軒部用パネル(1C)を、上下、左右に相欠け接合すると共に、軒部用パネル(1C)の屋根下地材(2A)の下端を鼻隠し(23A)上に固定して、鼻隠し(23A)とパネル断熱層端面(Ds)との間に空気流入間隔(ad)を配置した、請求項7に記載の木造外張り断熱屋根構造。
JP2008257436A 2008-10-02 2008-10-02 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造 Expired - Fee Related JP4743907B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008257436A JP4743907B2 (ja) 2008-10-02 2008-10-02 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008257436A JP4743907B2 (ja) 2008-10-02 2008-10-02 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010084481A JP2010084481A (ja) 2010-04-15
JP4743907B2 true JP4743907B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=42248709

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008257436A Expired - Fee Related JP4743907B2 (ja) 2008-10-02 2008-10-02 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4743907B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5592755B2 (ja) * 2010-10-27 2014-09-17 株式会社仲井 遮熱断熱材取付具
KR102347846B1 (ko) * 2021-08-06 2022-01-06 주식회사 테스 지붕 패널구조시스템 및 이를 이용한 시공방법

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0781372B2 (ja) * 1988-08-19 1995-08-30 ミサワホーム株式会社 防水パネル
JPH0694603B2 (ja) * 1989-07-25 1994-11-24 株式会社石川製作所 パンテイストッキング
JP3690794B2 (ja) * 2001-11-26 2005-08-31 松本建工株式会社 屋根垂木を一体化した断熱屋根パネル
JP3657935B2 (ja) * 2002-09-27 2005-06-08 キッコーナ株式会社 通気性屋根下地構造
JP2005105532A (ja) * 2003-09-26 2005-04-21 Tostem Corp 屋根パネル、及び屋根材
JP4859188B2 (ja) * 2004-11-19 2012-01-25 日本住環境株式会社 遮熱・断熱通気材及びそれを用いた屋根部通気、小屋裏換気方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010084481A (ja) 2010-04-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8528284B2 (en) Thermal energy venting system
JP5105628B2 (ja) 木造建物を外断熱被覆するための基本形パネル、外壁複合パネル及び屋根複合パネル
WO2008029462A1 (fr) Corps de mur extérieur
JP4743907B2 (ja) 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造
JP4730973B2 (ja) 通気性断熱屋根複合パネル、及び該パネルを用いた木造外張り断熱屋根構造
JP5335177B2 (ja) 屋根の断熱構造
JP4743639B2 (ja) 木造外張り断熱屋根構造
US10590653B1 (en) Roof assemblies with inset solar panels, methods for their manufacture, and the use of such assemblies in a building
JP4743908B2 (ja) 木造建物の通気性外断熱の外壁構造
JP4375808B2 (ja) 鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造、及び外壁の構築方法
JP3665301B2 (ja) 遮熱材を用いた外壁断熱構造、及び断熱パネル
JP3690793B2 (ja) 住宅の屋根断熱構造及び屋根パネル
JP2003160994A (ja) 屋根垂木を一体化した断熱屋根パネル
JP2014163179A (ja) 建築物の断熱工法
JPH11117432A (ja) 外壁断熱パネル構造およびパネル材
JP3233066U (ja) 屋根構造及び屋根裏部屋
JPH09144156A (ja) 断熱屋根構造及び断熱パネル
JPH11222985A (ja) 断熱パネル及び該断熱パネルを用いた断熱構造
JP2003171996A (ja) 遮熱材一体断熱材を用いた住宅の屋根断熱構造
US10640973B1 (en) Buildings with continuous insulation bridging a roof assembly and a floor assembly
JP2599003Y2 (ja) 断熱パネル
JP4257923B2 (ja) 鉄筋コンクリート造外断熱建物の外壁構造、及び外壁の構築方法
JP2588811Y2 (ja) 断熱パネル
JP6837300B2 (ja) 屋根の遮熱構造及びその施工方法
JP2023135573A (ja) 木造建物の外張り断熱通気耐震構造

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110509

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110509

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4743907

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees