JP4743404B2 - 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法 - Google Patents

硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4743404B2
JP4743404B2 JP2005284577A JP2005284577A JP4743404B2 JP 4743404 B2 JP4743404 B2 JP 4743404B2 JP 2005284577 A JP2005284577 A JP 2005284577A JP 2005284577 A JP2005284577 A JP 2005284577A JP 4743404 B2 JP4743404 B2 JP 4743404B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cleaning
sulfuric acid
solution
persulfate
cleaned
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005284577A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007096058A (ja
Inventor
晴義 山川
達夫 永井
範人 池宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kurita Water Industries Ltd
Original Assignee
Kurita Water Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kurita Water Industries Ltd filed Critical Kurita Water Industries Ltd
Priority to JP2005284577A priority Critical patent/JP4743404B2/ja
Publication of JP2007096058A publication Critical patent/JP2007096058A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4743404B2 publication Critical patent/JP4743404B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrolytic Production Of Non-Metals, Compounds, Apparatuses Therefor (AREA)
  • Cleaning Or Drying Semiconductors (AREA)

Description

本発明は、シリコンウエハなどに付着した汚染物や不要になったレジストなどを剥離効果が高い過硫酸イオン含有溶液で洗浄剥離する際に、洗浄液を電解して繰り返し利用する硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法に関するものである。
超LSI製造工程におけるウエハ洗浄技術は、レジスト残渣、微粒子、金属および自然酸化膜などを剥離洗浄するプロセスであり、濃硫酸と過酸化水素の混合溶液(SPM)が用いられている。SPMによる洗浄効果は、過酸化水素が硫酸を酸化して生成する過硫酸イオンの高い酸化分解能にあることが知られている。また、過硫酸イオンを生成する方法として、上記方法の他に、硫酸イオンを含む水溶液を電解槽で電解して過硫酸イオン溶解水を得て洗浄に供する方法も知られている(特許文献1、2参照)。
特開2001−192874号公報 特表2003−511555号公報
SPMでの洗浄は、過硫酸イオンが分解して減少する分を補うために過酸化水素水の補給が必要である。しかし過酸化水素水の添加によって硫酸濃度が徐々に希釈されるため、液組成を一定に維持できず、所定時間もしくは所定の処理量毎に洗浄液が廃棄され、更新される。このため多量の薬品を保管・廃棄しなければならないという問題がある。加えて、この方法では生成する過硫酸イオンの濃度に限界があり、これが洗浄効果の限界につながっている。
これに対し、本願発明者等は、硫酸を電解処理することで過硫酸イオンを連続的に生成して硫酸をリサイクルする洗浄システムを開発し、提案している。該洗浄システムにより、これまでの洗浄方法では剥離除去が困難であった、高エネルギーでイオン注入されたレジストなどの付着有機物をドライプロセスを省略して電子基板材料等から剥離除去することができる。しかし、該洗浄システムにおける洗浄が不完全な状態で次工程に該被洗浄材が移送されると、次工程以降の洗浄工程では有機物を剥離除去することが困難なため、全工程の製品歩留まりを低下させる可能性がある。一方、洗浄が不足することがないように十分に時間をかけて洗浄を行うと、しばしば過度の洗浄を行うことになり、作業効率が著しく低下するという問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、硫酸を繰り返し使用しつつ硫酸から電気化学的作用により過硫酸イオンを生成することで過硫酸イオンをリサイクルして硫酸使用量を大幅に低減するとともに、洗浄面の検査を可能にして適切な洗浄処理を可能にする硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法を提供することを目的とする。
すなわち、請求項1記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として予め定めた時間で被洗浄材として半導体基板を洗浄する洗浄装置と、該洗浄槽から排出した洗浄液を電解して該洗浄液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造するものであって、前記洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件が設定される電解反応装置と、前記洗浄装置と電解反応装置との間で、前記過硫酸イオン含有溶液を循環させる循環ラインと、前記被洗浄材の洗浄面を検査して洗浄面の付着汚染物を認識して前記被洗浄材の洗浄度の判定が可能な洗浄面検査装置と、前記洗浄面検査装置によって判明した被洗浄材の洗浄度に基づいて、該被洗浄材の洗浄工程を制御し、洗浄度が洗浄完了であると判定される場合に、前記被洗浄材を次工程に搬送し、洗浄度が洗浄未了であると判定される場合に、直前の洗浄処理における洗浄時間以下の洗浄時間で前記被洗浄材の洗浄度に応じて該被洗浄材に対する再度の洗浄処理の洗浄時間を設定して前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で電解を行いつつ再度の洗浄を行う洗浄制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、請求項1に記載の発明において、 前記洗浄面検査装置は、前記洗浄面に検査光を照射する検査光照射部と、該洗浄面で反射する反射光を受光して洗浄面画像データを取得する画像データ取得部とを備えることを特徴とする。
請求項記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、請求項記載の発明において、前記洗浄面検査装置は、予め基準画像データを保持し、かつ前記洗浄面画像データと該基準画像データとを比較して該比較の結果によって前記洗浄面の洗浄度を判定する洗浄度判定手段を備えることを特徴とする。
請求項記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、請求項記載の発明において、前記洗浄度判定手段は、前記洗浄面画像データと前記基準画像データとの相違に基づいて洗浄度を判定することを特徴とする。
請求項記載の硫酸リサイクル型洗浄システムの発明は、請求項1〜のいずれかに記載の発明において、前記電解反応装置に備える電極の少なくとも陽極が導電性ダイヤモンド電極であることを特徴とする。
請求項記載の硫酸リサイクル型洗浄方法の発明は、多段の洗浄工程により半導体基板を洗浄する際に、前記洗浄でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定して電解反応により溶液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造し、該過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として前記被洗浄材を洗浄するとともに、洗浄液を再度前記電解反応に供して、繰り返し過硫酸イオン含有溶液を再生して前記洗浄液に用い、前記洗浄液により洗浄した被洗浄材の洗浄面を検査して、検査の結果、洗浄面が清浄でないと判定される場合に再度前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で前記電解反応によって過硫酸イオン含有溶液を再生しつつ洗浄液による洗浄を行うことを特徴とする。また、その際は洗浄度によって、再洗浄の洗浄時間を適切に設定することができ、最初の洗浄の洗浄時間より短い時間で洗浄を行うことができる。
すなわち本発明によれば、洗浄液中の過硫酸イオンが自己分解して酸化力を発する。洗浄液に接した被洗浄材では、硫酸および過硫酸イオンの作用によって汚染物が効果的に剥離除去され、さらに洗浄液中に移行した汚染物が過硫酸イオンの作用などによって分解される。そして洗浄液では、溶液中の過硫酸イオンが自己分解することにより過硫酸イオン濃度が次第に低下する。この過硫酸イオン含有溶液は、循環ラインを通して電解反応装置に送液される。電解反応装置では、硫酸イオンを含む溶液に陽極及び陰極を浸漬し、電極間に電流を流し電解することによって硫酸イオンが酸化されて過硫酸イオンが生成され、過硫酸イオン濃度が十分に高い過硫酸イオン含有溶液に再生される。再生された過硫酸イオン含有溶液は、循環ラインを通して洗浄装置に戻され、上記と同様に被洗浄材を高濃度の過硫酸イオンによって効果的に剥離洗浄する。過硫酸イオン含有溶液は、洗浄装置と電解反応装置との間で繰り返し循環することで、過硫酸イオン濃度を維持した状態で効果的な洗浄を継続することができる。
なお、過硫酸イオンは、温度が高い程、自己分解速度が速くなり高い剥離洗浄作用が得られる。130℃といった高温では半減期が5分程度と自己分解速度が非常に速くなる。一方、電解反応装置では、溶液温度が低いほど過硫酸イオンの生成効率が良く、また電極の損耗も小さくなる。本発明では、洗浄装置と電解反応装置とを分離することから、電解反応装置で電解される溶液の温度を、洗浄液の温度よりも低く保持することが可能になり、洗浄装置および電解反応装置での効率を上げることができる。
洗浄液は、適宜の加熱手段により加熱して適温にすることができる。加熱手段としてはヒータや熱水、蒸気などとの熱交換を利用した加熱器などが例示されるが本発明としては特定のものに限定されない。洗浄液の適温としては、例えば100℃〜175℃を示すことができる。該温度範囲を下回ると、過硫酸イオンによる剥離洗浄効果が低下する。一方、175℃を超えると、過硫酸イオンの自己分解速度が極めて大きくなり、レジストを十分に酸化できないので、洗浄液の適温は上記範囲内である。
また、電解反応装置で電解される溶液は、適宜の冷却手段で冷却して適温にすることができる。冷却手段としては空冷、水冷などの冷却器を例示することができる。電解される溶液としての適温は、10〜90℃の範囲を示すことができる。上記温度範囲を超えると、電解効率が低下し、電極の損耗も大きくなる。一方、上記温度を下回ると、洗浄槽内温度130℃まで加熱するための熱エネルギーが莫大になるとともに、熱交換のための配管経路が大幅に長くなり実用的でない。なお、同様の理由により、下限を40℃、上限を80℃とするのが一層望ましい。
上記した加熱手段や冷却手段は、洗浄装置や電解反応装置に付設してもよく、また、循環ラインに設けても良い。さらに洗浄装置や電解反応装置に別ラインを設けて溶液の加熱や冷却を行うようにしてもよい。
また、電解される溶液と洗浄液とされる溶液との温度調整は、過硫酸イオン含有溶液を循環ラインで一方の装置から他方の装置に送液する際に互いに熱交換することにより行うことができる。すなわち、相対的に温度が高くされ、洗浄装置から電解反応装置に送液する過硫酸イオン含有溶液(戻り液)と、相対的に温度が低くされ、電解反応装置から洗浄装置に送液する過硫酸イオン含有溶液(送り液)とを互いに熱交換すると、温度の高い戻り液は、熱交換によって熱が奪われることで温度が低下し、電解反応装置の電解用の溶液として望ましい温度調整がなされる。また、温度の低い送り液は熱交換によって熱が与えられることで温度が上昇し、洗浄液として望ましい温度調整がなされる。熱交換は、熱交換器等の適宜の熱交換手段により行うことができる。熱交換器の流路を含めて循環ラインにおける流路材料には、過硫酸イオンによる損傷を受けにくい石英やテトラフルオロエチレンが望ましい。
なお、上記熱交換に加えて洗浄液を加熱する手段や電解される溶液を冷却する手段を付設することも可能である。
上記システムでは、電解反応装置で電解される溶液は、硫酸イオンを含むものであり、電解反応装置における過硫酸イオンの生成効率は、硫酸濃度に大きく影響される。具体的には硫酸濃度が低いほど過硫酸イオン発生効率は大きくなる。一方で、硫酸濃度を低くすると、レジスト等の有機化合物の溶解度が低くなり、被洗浄材から剥離しにくくなる。これらの観点から、システムに用いられる溶液の硫酸濃度は、例えば8M〜18Mの範囲が望ましい。同様の理由で、下限は12M、上限は17Mであるのが一層望ましい。
電解反応装置では、陽極と陰極とを対にして電解がなされる。これら電極の材質は、本発明としては特定のものに限定はしない。しかし、電極として一般に広く利用されている白金を本発明の電解反応装置の陽極として使用した場合、過硫酸イオンを効率的に製造することができず、白金が溶出するという問題がある。これに対し、ダイヤモンド電極は、過硫酸イオンの生成を効率よく行えるとともに、電極の損耗が小さい。したがって、電解反応装置の電極のうち、少なくとも一つの電極、特には少なくとも硫酸イオンの生成がなされる陽極をダイヤモンド電極で構成するのが望ましく、陽極、陰極ともにダイヤモンド電極で構成するのが一層望ましい。
導電性ダイヤモンド電極は、シリコンウエハ等の半導体材料を基板とし、このウエハ表面に導電性ダイヤモンド薄膜を合成させた後に、ウエハを溶解させたものや、基板を用いない条件で板状に析出合成したセルフスタンド型導電性多結晶ダイヤモンドを挙げることができる。また、Nb,W,Tiなどの金属基板上に積層したものも利用できるが、電流密度を大きくした場合には、ダイヤモンド膜が基板から剥離するという問題が生じやすい。
導電性ダイヤモンド電極によって、硫酸イオンから過硫酸イオンを製造することは、電流密度を0.2A/cm程度にした場合については報告されている(Ch.Comninellis et al.,Electrochemical and Solid−State Letters,Vol.3(2)77−79(2000),特表2003−511555号)。しかし、金属基板にダイヤモンド薄膜を担持した電極ではダイヤモンド膜の剥離が生じて、作用効果が短期間で消失するという問題がある。よって、基板上に析出させた後に基板を取り去った自立型導電性ダイヤモンド電極が望ましい。
なお、導電性ダイヤモンド薄膜は、ダイヤモンド薄膜の合成の際にボロン、窒素などの所定量をドープして導電性を付与したものであり、通常はボロンドープしたものが一般的である。これらのドープ量は、少なすぎると技術的意義が発生せず、多すぎてもドープ効果が飽和するため、ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、50〜20,000ppmの範囲のものが適している。
本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものも使用できる。すなわち、本発明としては、電極の形状や数は特に限定されるものではない。
この導電性ダイヤモンド電極を用いて行う電解処理は、導電性ダイヤモンド電極表面の電流密度を10〜100,000A/mとし、硫酸イオンを含む溶液をダイヤモンド電極面と平行方向に、通液線速度を1〜10,000m/hrで接触処理させることが望ましい。
洗浄装置は枚葉式、バッチ式のいずれにも対応できるが、該洗浄装置では電子基板の洗浄時にレジスト等汚染物の剥離溶解に伴い洗浄液中に溶解性のTOCが発生する。このとき、洗浄液のTOCを効率良く除去し、電子基板材料への有機物の再付着を防ぐ必要があるため洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定する。これにより過硫酸イオンの消費と生成がバランスし、効率的な洗浄と効率的な電解処理がなされる。なお、同様の理由で下限を20、上限を300とするのが望ましい。
過硫酸イオンは上記したように高い酸化分解能を持つことから、電子材料基板の有機汚染物除去に高い効果を示す。しかし、被洗浄面への有機物等汚れの付着状態によっては、規定する処理時間内で洗浄面の有機物が完全に除去されないことがある。該被洗浄材が次洗浄工程へ搬送されると、一般にRCA洗浄と言われる、アンモニアと過酸化水素水の混合溶液(SC−1)や塩酸と過酸化水素水の混合溶液(SC−2)などによる洗浄処理がなされる。このRCA洗浄工程では強固に付着したレジスト等の有機汚染物を剥離除去できないため、最終的には製品歩留まりの低下に繋がる。また、過硫酸イオンによる洗浄処理を行った後、超純水などを用いたリンス処理がなされる場合もあり、このような場合にも過硫酸イオンによる洗浄が適切になされていないと洗浄不良になってしまう。なお、洗浄結果のバラツキを考慮して、十分な時間を掛けて過硫酸イオンによる洗浄を行えば、上記した洗浄不良の問題を回避することは可能である。しかし、早期に洗浄が完了した被洗浄材についても長い時間を掛けて洗浄を行うことになり、作業効率の低下等を招いてしまう。
本発明では、前記被洗浄材の洗浄面を検査する洗浄面検査装置を備えることで、一旦洗浄を行った被洗浄材の洗浄面を検査して洗浄度を把握することができる。該洗浄度の把握によって、再洗浄や次工程への被洗浄材の搬送などを選択することができる。これにより被洗浄材の洗浄度によって適切な作業が選択されるので、最初に被洗浄材を洗浄する際に、その洗浄時間を必要以上に長く設定することは必要なく、標準的な汚染がなされている被洗浄材を想定して洗浄時間を定めることができる。
一般的には、被検査物の表面性状を観察するために、特開平10−103916や特許第3558203号のように検査用照明光を被洗浄面に照射し、被洗浄面からの像光をCCDカメラにより画像データとして取り込んで、モニタに表示し、これを観察者が目視して欠陥の発見や標準データの作製を行う方法が提案されている。しかし、これら方法では、欠陥品の発見や標準データの作製には役立つものの、被洗浄材の洗浄に際し洗浄を適切に行うために利用するものとして提案はなされていない。
本願発明では、検査用照射光には可視光や赤外線などを用いることができる。ただし、本願発明として照射光の種別が特に限定されるものではない。また、検査光を照射する検査光照射部もその構成が特に限定されるものではなく、ランプ、LED、レーザなどの適宜のものを用いることができる。
検査光は被洗浄面に照射されて被洗浄面で反射する。この反射光は、画像データ取得部に含まれる受光部で受光される。受光部は、CCDなどの受光素子で構成することができる。CCDで得られた信号は、例えばA/D変換をして、領域判別、空間フィルタ、濃度調整などの適宜の画像処理がなされて画像データが取得される。これらの一連の処理が画像データ取得部でなされる。得られた画像データはメモリ、HDDなどの適宜の記憶部に記憶することができる。
また、本発明の表面検査装置は、前記画像データを利用して洗浄面の付着汚染物を認識して前記被洗浄材の洗浄度の判定を可能とするのが望ましい。本願発明における検査結果は、作業者が確認して判断することもできるが、前記表面検査装置にはレジストなどの付着有機物が完全に除去されているか否かを判断できる機能を持たせるのが望ましい。
該機能は、表面検査装置に備える洗浄度判定手段により行うことができる。洗浄度判定手段には、CPUとこれを動作させるプログラムとを備え、さらにデータを適宜保存する記憶部を備えるものを例示できる。
洗浄度判定手段は、予め、洗浄度判定の基準となる画像データを保持しておく。この画像データは清浄な洗浄面を想定するものである。また、パターン生成をした半導体ウェハなどを洗浄対象とする場合、基準画像データには、パターンイメージを含むものとなる。したがって、被洗浄材に対応して基準画像データを保持しておくことで、種別の異なる被洗浄材においても的確に洗浄度判定を行うことができる。
洗浄度判定では、前記画像データ取得された画像データと基準画像データとの比較により行うことができ、例えば、検査画像データの画像データで汚染部と認められる画像領域を決定し、この画像領域の面積率などで洗浄度を判定することができる。洗浄度判定は、洗浄完了と洗浄未了とを区別するだけのものであってもよく、さらに洗浄未了の場合に、さらに洗浄度の度合いを区別するようにしても良い。
洗浄度は、適宜定量化することができ、その数値に従って、洗浄完了や洗浄未了で洗浄度を定めることができる。この決定に際しては予め基準となる洗浄度基準データを定めておき、この基準データと測定によって得た洗浄度データとを比較して洗浄度を定めることができる。
また本願発明では、洗浄度に基づいて洗浄工程を制御する制御部を設けることができる。
該制御部では、洗浄度の判定が洗浄完了である場合、当該洗浄工程を終了し、次工程への被洗浄材の搬送などを行う。また、洗浄が十分でなく、洗浄未了と判定される場合には、再度当該洗浄工程での洗浄を行う。この際には、直前の洗浄処理で多くの汚染物が除去されているので、直前の洗浄処理よりも短い洗浄時間によって洗浄を行えばよく、したがって、この場合、直前の洗浄処理時間以下の洗浄時間を設定するのが望ましい。また、洗浄時間の設定に際しては、洗浄度に基づいて洗浄時間を定めることができる。すなわち、汚染物の残存が少ないほど洗浄時間を短くして無駄な作業時間のないようにすることができる。なお、検査と洗浄度の判定、必要に応じた再洗浄は繰り返し行うことができる。
なお、上記過硫酸イオンを用いた洗浄工程の後工程では、適宜の洗浄処理やリンス処理を行うことができる。本願発明としてはこれら工程の内容は特に限定されるものではない。例えば、前記したSC−1、SC−2溶液あるいは希フッ酸などを用いた洗浄工程が挙げられる。
以上説明したように、本発明の硫酸リサイクル型洗浄システムによれば、過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として被洗浄材を洗浄する洗浄装置と、電解反応により溶液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造する電解反応装置と、前記洗浄装置と電解反応装置との間で、前記過硫酸イオン含有溶液を循環させる循環ラインと、前記被洗浄材の洗浄面を検査する洗浄面検査装置とを備えるので、硫酸溶液を繰り返し利用するとともに剥離効果を高めるための過硫酸イオン含有溶液を電解反応装置によってオンサイトで再生して洗浄に使用することができる。そして、一旦洗浄を行った後、被洗浄材の洗浄面を洗浄面検査装置で検査することで、被洗浄材の洗浄度が認識され、この洗浄度に基づいて洗浄終了、洗浄続行の判定を適切に行って効率のよい洗浄作業が可能になる。すなわち、製品歩留まりの低下を抑えることができる。また、これまでは完全に汚染物を除去するため処理時間を必要時間よりも長く設定してきたが、処理時間を余分に長くする必要がなくなり、スループットを向上することが可能となる。
以下に、本発明の一実施形態を図1に基づいて説明する。なお、これから説明する実施形態は本発明の一形態であり、本発明を限定するものではない。
本発明の硫酸リサイクル型洗浄システムは、枚葉式の洗浄槽1を含む洗浄装置と、電解反応槽20、25を含む電解反応装置と、戻り管10a、10b、送り管11a、11bを含む循環ラインを主要な構成としている。
洗浄装置では、液滴噴流形成装置として液体スプレーノズル2を備えており、該液体スプレーノズル2の先端側噴出部が洗浄槽1内に位置している。該液体スプレーノズル2には、後述する電解反応装置との間で過硫酸イオン含有溶液16を循環させる循環ラインの戻り管10bと、Nガスの供給管3とが接続されている。液体スプレーノズル2は、戻り管10bから供給される過硫酸イオン含有溶液16と、Nガスの供給管3から供給される高圧のNガスとを混合して、過硫酸イオン含有溶液16の液滴を下方に向けて噴出するように構成されている。なお、戻り管10bには、液体スプレーノズル2の接続部の直前に、加熱装置19が設けられており、液体スプレーノズル2に供給される過硫酸イオン含有溶液16を好適には100〜180℃に加熱する。
また、洗浄槽1内には、液体スプレーノズル2の噴出方向に、基板保持具4が被洗浄材保持手段として設置されている。基板保持具4には、被洗浄材である半導体基板30が載置される。該基板保持具4または液体スプレーノズル2は、基板30の表面上に液滴はむらなく当たるように相対的に移動可能とするのが望ましい。また、該基板30を洗浄槽内外に搬送する搬送装置29が設けられている。
さらに、洗浄槽1の内部には、上記洗浄槽1内で洗浄を行った半導体基板30に検査光を照射してその反射光を受光する受発光部27が設けられており、該受発光部27は、洗浄槽1外部の制御装置28に接続されて、本発明の洗浄面検査装置が構成されている。
また、洗浄槽1の排水部には、循環ラインの送り管11aが接続されており、該送り管11aには過硫酸イオン含有溶液を送液するための送液ポンプ12が介設されている。送液ポンプ12の下流側には、戻り管10bと送り管11aとの間で、熱交換を行う熱交換器13が配置され、その下流側で溶液貯槽14に接続されている。溶液貯槽14には、超純水を供給するための超純水供給ライン15が接続されている。溶液貯槽14からはさらに送り管11bの一端が接続されており、該送り管11bは、送液ポンプ17を介して、他端が電解反応槽20の入口側に接続されている。
上記電解反応槽20には、陽極21aおよび陰極21bが配置され、さらに陽極21aと、陰極21bとの間に所定の間隔をおいてバイポーラ電極21c…21cが配置されている。なお、本発明としてはバイポーラ式ではなく、陽極と陰極のみを電極として備えるものであってもよい。上記陽極21aおよび陰極21bには、直流電源22が接続されており、これにより電解反応槽20での直流電解が可能になっている。
電解反応槽20では、上記電極間を溶液が通液するように構成されており、該電解反応槽20の出口側には連結管23が接続されて、その他端が電解反応槽25の入口側に接続されている。
電解反応槽25は、電解反応槽20と同様の構成を有しており、陽極26aおよび陰極26bが配置され、さらに陽極26aと、陰極26bとの間に所定の間隔をおいてバイポーラ電極26c…26cが配置されている。上記陽極26aおよび陰極26bにも、前記直流電源22が接続されている。
この実施形態では、上記電極21a、21b、21c、26a、26b、26cはダイヤモンド電極によって構成されている。該ダイヤモンド電極は、基板状にダイヤモンド薄膜を形成するとともに、該ダイヤモンド薄膜の炭素量に対して、好適には50〜20,000ppmの範囲でボロンをドープすることにより製造したものである。また、薄膜形成後に基板を取り去ってセルフスタンド型としたものであってもよい。
上記電解反応槽25の出口側に戻り管10aが接続されている。すなわち、直列に接続された電解反応槽20、25、直流電源22および連結管23によって、電解反応装置が構成されている。
電解反応槽25に接続された戻り管10aは、前記溶液貯槽14に接続されており、さらに溶液貯槽14に接続された戻り管10bは、送液ポンプ18を介して前記した熱交換器13に接続され、さらに上記したように加熱装置19を介して前記した液体スプレーノズル2に接続されている。
次に、前記した洗浄面検査装置の詳細を図2に基づいて説明する。
受発光部27は、洗浄を行った半導体基板30に対し検査光を照射する検査光照射部271と、半導体基板30で反射した反射光を受光する受光部272からなる。検査光照射部271はランプなどにより構成され、受光部272は、CCDなどの受光素子により構成されている。
また、制御装置28は、洗浄システム全体を制御する制御部280を備えており、該制御部280は、CPUおよびこれを動作させるプログラムを主として構成されている。制御部280は、前記した搬送装置29を制御して半導体基板30を洗浄槽1内に搬入したり、洗浄後の半導体基板を図示しない次工程に搬送したりする。また、制御部280は、液体スプレーノズル2やポンプ12、17、18または直流電源22などを制御して過硫酸イオン含有溶液の循環、噴射を制御して洗浄処理の実行、終了を行うことができる。
また、制御装置28には、制御部280によってデータの読み書きが可能な記憶部281が設けられている。該記憶部281は、フラッシュメモリやRAM、HDDなどによって構成することができ、これら複数種の記憶媒体を備えるものであっても良い。記憶部281には、洗浄対象となる半導体基板30の清浄な洗浄面を想定した基準画像データが予め格納されている。該基準画像データは、例えばパターン形成済みの半導体基板30を洗浄対象とする場合、該パターンを画像として含むように用意される。
制御部280には、照射部駆動部270が接続されており、該照射部駆動部270は、前記した検査光照射部271を駆動するように該検査光照射部271に接続されている。これにより、制御部280によって検査光照射部271での照射オンオフを制御することができる。また、制御部280には画像処理部274が接続されており、該画像処理部274には、受光部272に接続されたA/D変換部273が接続されている。これにより受光部272で受光されて画像処理がなされた画像データが制御部280に入力されるように構成されている。上記受光部272、A/D変換部273、画像処理部274は本発明の画像データ取得部を構成している。また、制御部280は、検査画像データと記憶部に格納された基準画像データとを比較して半導体基板30の洗浄度を判定するように構成されており、制御部280を構成するCPUおよびこれを動作させるプログラムは、本発明の洗浄度判定手段として機能する。
次に、上記構成よりなる硫酸リサイクル型枚葉式洗浄システムの作用について図3のフローチャートを参照しつつ説明する。
洗浄の開始に際し、制御部280の制御によって搬送装置29を動作させ、半導体基板30を洗浄槽1外から洗浄槽1の基板保持具4上に搬送する。さらに、制御部280によって洗浄システム各部を制御して洗浄を開始する。この際には予め定められている洗浄時間に基づいて洗浄を行うように制御する。なお、基準となる洗浄時間は、例えば前記記憶部281にデータとして格納しておき、洗浄に際し、制御部280によって該データを読み出して初期設定を行うことができる(ステップS1)。
洗浄処理(ステップS2)では、上記溶液貯槽14内に、硫酸を収容し、これに超純水供給ライン15より所定の体積比で超純水を混合して硫酸濃度が10〜18Mの硫酸溶液とする。これを送液ポンプ17によって順次、電解反応槽20に送液する。電解反応槽20では、陽極21aおよび陰極21bに直流電源22によって通電すると、バイポーラ電極21c…21cが分極し、所定の間隔で陽極、陰極が出現する。電解反応槽20に送液される溶液は、これら電極間に通液される。この際に通液線速度が1〜10,000m/hrとなるように送液ポンプ17の出力を設定するのが望ましい。なお、上記通電では、ダイヤモンド電極表面での電流密度が10〜100,000A/mとなるように通電制御するのが望ましい。
電解反応槽20で溶液に対し通電されると、溶液中の硫酸イオンが酸化反応して過硫酸イオンが生成され高濃度の過硫酸イオン含有溶液16が得られる。この過硫酸イオン含有溶液16は、連結管23からさらに電解反応槽25に送られ、電解反応槽20と同様に直流電源22によって通電されて過硫酸イオンの生成がなされる。このようにして高い濃度とされた過硫酸イオン含有溶液16は、戻り管10aを通して一旦、溶液貯槽14に貯留される。溶液貯槽14に貯留された過硫酸イオン含有溶液16は、戻り管10bを通して送液ポンプ18によって洗浄槽1側に送液される。送液される過硫酸イオン含有溶液16は、熱交換器13を通り、ここで、洗浄槽1から溶液貯槽14に向けて送液される送り管11aの溶液との間で熱交換されて昇温する。この過硫酸イオン含有溶液16はさらに洗浄槽1側に送液され、加熱装置19によって100〜150℃に加熱されて液体スプレーノズル2に供給される。
洗浄槽1では、液体スプレーノズル2において加熱過硫酸イオン含有溶液とNガスとが混合されて、高温の過硫酸イオン含有液滴が一定時間噴出される。
基板保持具4上には半導体基板30が設置されており、基板保持具4によって半導体基板30が回転し、前記過硫酸イオン含有液滴によって半導体基板30の表面の清浄がなされ、硫酸イオン及び過硫酸イオンの作用によってレジストなどが剥離、除去がなされる。噴出された過硫酸イオン含有溶液16は、半導体基板30を洗浄した後、飛散・落下して、レジスト溶解物などともに送り管11aに排出される。送り管11aでは、送液ポンプ12によって上記過硫酸イオン含有溶液16が溶液貯槽14側へと送液される。この際には、熱交換器13によって戻り管10bとの間で熱交換されて過硫酸イオン含有溶液の温度が低下し、さらに、自然冷却によっても次第に降温し、電解反応に好適な10℃から90℃の範囲内の温度となる。その後、溶液貯槽14に一時貯留される。なお、確実に温度を低下させたい場合には、溶液貯槽14を水冷、空冷するなどして強制的に冷却する冷却手段を付設することもできる。上記送り管11aでの送液に際しては、洗浄槽1で剥離除去されたレジスト溶解物の分解がなされる。また溶液貯槽14では、上記熱交換によって溶液の温度が低下しており、自己分解が抑制されている。また、溶液貯槽14で溶液が一時貯留される際にもレジスト溶解物の分解が進行し、電解反応装置へのレジスト溶解物の流入が効果的に阻止される。
なお、溶液貯槽14では、枚葉式洗浄装置におけるレジスト等汚染物の剥離・溶解に伴ってTOCが生成する。このTOCは、図示しないTOC測定装置などによって測定し、その測定結果の時間的変化に基づいてTOC増加速度を算出することができる。
このTOC増加速度に基づいて、電解反応槽20、25では、(過硫酸イオン生成速度[g/l/hr])/(洗浄液槽内TOC増加速度[g/l/hr])が10〜500を満たすように、電解条件を設定しておく。該電解条件の設定は、電流密度、通液線速度、溶液温度の調整によって行うことができる。
溶液貯槽14に収容された過硫酸イオン含有溶液16は、その後、前記と同様に電解反応装置に送液され、自己分解によって過硫酸イオン濃度が低下した溶液を電解して硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して、過硫酸イオン含有溶液16の再生を行って、再度、溶液貯槽14に収容され、その後は、前記と同様に洗浄装置に戻されて洗浄液として使用される。
上記硫酸リサイクル型枚葉式洗浄システムによって半導体ウエハの洗浄を行うことで、過酸化水素水やオゾンの添加を必要とすることなく、硫酸溶液を繰り返し使用して過硫酸イオン含有溶液16を再生しつつ効果的な洗浄を継続することができる。
上記洗浄処理において予め定めた洗浄時間での洗浄が終了すると、液体スプレーノズル2からの過硫酸イオン含有溶液16の噴出は停止され、洗浄面検査装置による半導体基板30の洗浄面の検査が開始される(ステップS3)。
この行程では、制御部280の指令によって照射部駆動部270を制御し、検査光照射部271から半導体基板30の洗浄面に検査光を照射する。検査光は、洗浄面全体に亘って照射されるように、半導体基板や受発光部を走査するものであってもよい。
検査光は、洗浄面で反射してその反射光は受光部272で受光される。反射光は洗浄面の性状によってパターンや汚染物の付着に応じたものとなっている。該反射光は、受光部272で電気信号として出力されてA/D変換部273に出力される。A/D変換部273で二値化された後、画像処理部274に入力され、該画像処理部274で適宜の画像処理を行って検査画像データを取得する。該検査画像データは、半導体基板30の洗浄面が画像化されたものであり、表面性状にしたがった画像からなる。該検査画像データは、制御部280へと出力される。制御部280では、記憶部281に記憶された基準画像データを読み出して、前記した検査画像データとの比較を行う。比較の結果、そのデータの差異から汚染物の付着部分と判定される汚染領域が認識される。該汚染領域の面積率を算出し、予め定めた基準に基づいて洗浄度を判定する(ステップS4)。
洗浄度判定行程で洗浄度が洗浄完了と判定される場合、過硫酸イオン含有溶液を用いた必要な洗浄は完了したものとし、搬送装置29を制御して半導体基板30を洗浄槽1から取り出して、次工程のRCA洗浄工程などに搬送し(ステップS6)、洗浄を終了する。引き続き他ロットの洗浄が必要な場合には、他の半導体基板30に対し上記と同様の洗浄処理を続行する。
一方、上記洗浄度判定行程で洗浄未了と判定される場合、再度洗浄を行うための洗浄時間の設定を行う(ステップS5)。この設定に際しては、判定された洗浄度の度合いに応じて洗浄時間を定めることができる。すなわち、洗浄度の度合いが低くて汚染度が高い場合には、長い洗浄時間を設定し、洗浄度の度合いが比較的高くて汚染度が低い場合には、短い洗浄時間を設定する。いずれにしても、直前の洗浄によって当初よりは汚染度は低下しているものであるから、直前の洗浄において定められた洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定することができる。また、洗浄未了の場合には、直前の洗浄時間よりも短い洗浄時間を一律に定めるものであってもよい。なお、洗浄度に応じて洗浄時間を設定する場合に、記憶部に基準となる複数の洗浄度と洗浄時間とを関連付けてデータとして格納しておき、これらのデータを適宜読み出すことで洗浄度に応じた洗浄時間を容易に設定することができる。
洗浄時間を設定した後は、前記したステップS2に移行して洗浄処理を行い、さらに洗浄面検査を行って洗浄度の判定を行う。これを繰り返すことで、過度に長い時間で洗浄処理をすることが回避され、また、洗浄も確実に行って清浄度の高い処理を行うことができる。
なお、上記実施形態では、表面検査装置の一部(受発光部)を洗浄槽の内部に設置するものとしたが、表面検査装置を洗浄装置外に設置し、被洗浄材を洗浄した後、ここに移送して被洗浄面の検査を行うことも可能である。
また、上記実施形態では、洗浄装置として枚様式のものについて説明したが、バッチ式の洗浄装置であってもよく、該バッチ式の洗浄装置では、洗浄槽に浸漬された被洗浄材を超純水でリンス処理し、該洗浄装置外に設置した表面検査装置に搬送して被洗浄面の検査を行うことも可能である。
図1に示す洗浄システムを用いて、溶液貯槽14に97%硫酸40L、超純水8Lの割合で調製した高濃度硫酸溶液を収容した。電解反応装置では、直径15cm、厚さ0.5mmのボロンドープした導電性ダイヤモンド電極を10枚組み込んだ電解反応装置を2槽直列に配置させた。電解のための有効陽極面積は30dmであり、電流密度を30A/dmに設定して電解した。このとき電解反応装置では過硫酸イオン生成速度が3g/L/hであることを確認した。溶液貯槽から過硫酸イオンを含有した洗浄液を、枚葉式洗浄装置に2L/min.で液送し、その途中で加熱装置により130℃程度まで加熱して流体スプレーノズル2に導入した。基板保持具4に保持されたレジスト塗布6インチのシリコンウエハを3min./枚程度の速度で洗浄した。洗浄廃液は溶液貯槽に回収した。枚葉式洗浄装置で洗浄されたシリコンウエハは、さらに超純水で1min./枚程度の速度でリンスし、スピン乾燥した。このとき、表面検査装置によって、該シリコンウエハの画像データを取り込み、制御装置に転送した。
制御装置では、レジストが完全に剥離して清浄が確認されているシリコンウエハの画像データと比較し、該シリコンウエハの洗浄面から完全にレジストが剥離されているか検査した。なお、清浄でないと判断されたシリコンウエハは再び本洗浄装置によって2min./枚の洗浄速度で再洗浄を実施するようにシステムを組んだ。通常に洗浄が完了した場合はリンス行程などを含めてシリコンウエハ1枚に対して5分程度の処理時間であり、洗浄が2度繰り返される場合には8分程度の処理時間となった。このような洗浄を行ったシリコンウエハをウエハアナライザに持ち込み、400℃に加熱して有機物残渣を質量分析計により測定したところ、残渣は200〜300pg/cm程度であり、清浄度の高いウエハが得られることを確認した。さらに、低加速電圧の走査型電子顕微鏡によりパターン周辺を観察したところ、レジスト残渣は全く確認されなかった。このような洗浄処理を8時間連続して行い、90枚のシリコンウエハを得た。このうち、制御装置が作動して洗浄工程を2度繰り返したウエハは9枚あった。洗浄を終えた90枚のシリコンウエハについて、上記のウエハアナライザおよび質量分析計にて有機物残渣をそれぞれ測定した結果、全てのシリコンウエハの有機物残渣は300pg/cm以下であり、レジストが完全に剥離した清浄なウエハを得ることができた。また、この間に新たな薬品の添加は行わず、溶液貯槽内の洗浄液のTOC濃度は検出限界以下であった。
(比較例1)
実施例1の洗浄装置と同様の条件で稼動し、洗浄面検査装置および制御装置を作動させないで、同様の洗浄工程および洗浄速度でレジストを塗布した6インチシリコンウエハを洗浄した。このような洗浄処理を8時間連続して行い、96枚のシリコンウエハを得た。
この間に新たな薬品の添加は行わず、溶液貯槽内の洗浄液のTOC濃度は検出限界以下であった。洗浄を終えた96枚のシリコンウエハについて、上記記載のウエハアナライザおよび質量分析計にて有機物残渣をそれぞれ測定した結果、87枚シリコンウエハの有機物残渣は300pg/cm以下であり、レジストが完全に剥離した清浄なウエハを得ることができたが、9枚は有機物残渣が5000pg/cm以上検出された。また、これらのシリコンウエハについて低加速電圧の走査型顕微鏡によって表面観察したところ、パターンの周囲にレジスト残渣と思われる付着有機物を確認した。
このように表面検査装置および制御装置がない場合は、通常の処理時間で洗浄が完了しなかったシリコンウエハが次工程に持ち込まれるため、半導体製造工程の歩留まり低下を招く結果となった。
(比較例2)
実施例1の洗浄装置と同様の条件で稼動し、洗浄面検査装置および制御装置を作動させないで、同様の洗浄工程でレジストを塗布した6インチシリコンウエハを洗浄した。なお、洗浄速度は5min./枚とし、超純水リンス工程およびスピン乾燥工程を含めるとシリコンウエハ1枚の処理時間は7.5分程度であった。このような洗浄処理を8時間連続して行い、64枚のシリコンウエハを得た。この間に新たな薬品の添加は行わず、溶液貯槽内の洗浄液のTOC濃度は検出限界以下であった。洗浄を終えた64枚のシリコンウエハについて、上記記載のウエハアナライザおよび質量分析計にて有機物残渣をそれぞれ測定した結果、全てのシリコンウエハの有機物残渣は300pg/cm以下であり、レジストが完全に剥離した清浄なウエハを得ることができたが、実施例1に比べ、処理枚数は大きく減少した。このように、洗浄速度を低下すると装置のスループットが低下する。
本発明の一実施形態の硫酸リサイクル型洗浄システムを示す図である。 同じく、一部詳細図である。 同じく、洗浄処理工程を示すフローチャートである。
符号の説明
1 洗浄槽
2 液体スプレーノズル
3 Nガス供給管
4 基板保持具
10a 戻り管
10b 戻り管
11a 送り管
11b 送り管
12 送液ポンプ
13 熱交換器
14 溶液貯槽
15 超純水供給ライン
16 過硫酸イオン含有溶液
17 送液ポンプ
18 送液ポンプ
19 加熱装置
20 電解反応槽
21a 陽極
21b 陰極
21c バイポーラ電極
22 直流電源
23 連結管
25 電解反応槽
26a 陽極
26b 陰極
26c バイポーラ電極
27 受発光部
271 検査光照射部
272 受光部
28 制御装置
280 制御部
281 記憶部
29 搬送装置
30 半導体基板

Claims (6)

  1. 過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として予め定めた時間で被洗浄材として半導体基板を洗浄する洗浄装置と、該洗浄槽から排出した洗浄液を電解して該洗浄液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造するものであって、前記洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件が設定される電解反応装置と、前記洗浄装置と電解反応装置との間で、前記過硫酸イオン含有溶液を循環させる循環ラインと、前記被洗浄材の洗浄面を検査して洗浄面の付着汚染物を認識して前記被洗浄材の洗浄度の判定が可能な洗浄面検査装置と、前記洗浄面検査装置によって判明した被洗浄材の洗浄度に基づいて、該被洗浄材の洗浄工程を制御し、洗浄度が洗浄完了であると判定される場合に、前記被洗浄材を次工程に搬送し、洗浄度が洗浄未了であると判定される場合に、直前の洗浄処理における洗浄時間以下の洗浄時間で前記被洗浄材の洗浄度に応じて該被洗浄材に対する再度の洗浄処理の洗浄時間を設定して前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で電解を行いつつ再度の洗浄を行う洗浄制御手段と、を備えることを特徴とする硫酸リサイクル型洗浄システム。
  2. 前記洗浄面検査装置は、前記洗浄面に検査光を照射する検査光照射部と、該洗浄面で反射する反射光を受光して洗浄面画像データを取得する画像データ取得部とを備えることを特徴とする請求項1記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
  3. 前記洗浄面検査装置は、予め基準画像データを保持し、かつ前記洗浄面画像データと該基準画像データとを比較して該比較の結果によって前記洗浄面の洗浄度を判定する洗浄度判定手段を備えることを特徴とする請求項2記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
  4. 前記洗浄度判定手段は、前記洗浄面画像データと前記基準画像データとの相違に基づいて洗浄度を判定することを特徴とする請求項3記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
  5. 前記電解反応装置に備える電極の少なくとも陽極が導電性ダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
  6. 多段の洗浄工程により半導体基板を洗浄する際に、前記洗浄でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定して電解反応により溶液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造し、該過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として前記被洗浄材を洗浄するとともに、洗浄液を再度前記電解反応に供して、繰り返し過硫酸イオン含有溶液を再生して前記洗浄液に用い、前記洗浄液により洗浄した被洗浄材の洗浄面を検査して、検査の結果、洗浄面が清浄でないと判定される場合に再度前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で前記電解反応によって過硫酸イオン含有溶液を再生しつつ洗浄液による洗浄を行うことを特徴とする硫酸リサイクル型洗浄方法。
JP2005284577A 2005-09-29 2005-09-29 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法 Expired - Fee Related JP4743404B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005284577A JP4743404B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005284577A JP4743404B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007096058A JP2007096058A (ja) 2007-04-12
JP4743404B2 true JP4743404B2 (ja) 2011-08-10

Family

ID=37981384

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005284577A Expired - Fee Related JP4743404B2 (ja) 2005-09-29 2005-09-29 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4743404B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011192779A (ja) * 2010-03-15 2011-09-29 Kurita Water Ind Ltd 電子材料の洗浄方法および洗浄システム
JP2011205015A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Kurita Water Ind Ltd 電子材料の洗浄方法
JP2016186438A (ja) * 2015-03-27 2016-10-27 高電工業株式会社 衛生管理システム、混合物及び吐出容器
JP6669354B2 (ja) * 2016-03-25 2020-03-18 独立行政法人国立高等専門学校機構 複合材の処理方法
JP6857887B2 (ja) * 2019-09-10 2021-04-14 高電工業株式会社 衛生管理システム

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3383334B2 (ja) * 1992-12-16 2003-03-04 クロリンエンジニアズ株式会社 硫酸の再生利用方法
DE19948184C2 (de) * 1999-10-06 2001-08-09 Fraunhofer Ges Forschung Elektrochemische Herstellung von Peroxo-dischwefelsäure unter Einsatz von diamantbeschichteten Elektroden
JP2003100688A (ja) * 2001-09-25 2003-04-04 Dainippon Screen Mfg Co Ltd 基板処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007096058A (ja) 2007-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4462146B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型過硫酸供給装置
JP4743404B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法
JP2011192779A (ja) 電子材料の洗浄方法および洗浄システム
US8236161B2 (en) Apparatus for electrolyzing sulfuric acid, method of performing electrolysis, and apparatus for processing a substrate
JP2007059603A (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム
JP5729571B2 (ja) メタルゲート半導体の洗浄方法
JP4605393B2 (ja) 電解ガス処理装置および硫酸リサイクル型洗浄システム
JP4407529B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム
JP4412301B2 (ja) 洗浄システム
JP2016162963A (ja) 液中の金属イオン濃度の測定方法および測定装置並びに電子デバイスの洗浄システム
JP4573043B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム
JP2007266497A (ja) 半導体基板洗浄システム
JP2006278687A (ja) 硫酸リサイクル型枚葉式洗浄システム
JP4600667B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法
JP4407557B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄方法および硫酸リサイクル型洗浄システム
JP2007266477A (ja) 半導体基板洗浄システム
JP5024521B2 (ja) 高温高濃度過硫酸溶液の生成方法および生成装置
WO2011155336A1 (ja) 洗浄システムおよび洗浄方法
JP4771049B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム
JP4862981B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システムおよびその運転方法
JP2008294020A (ja) 洗浄液供給システムおよび洗浄システム
JP4561993B2 (ja) 硫酸リサイクル型過硫酸供給装置
JP4816888B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム
JP2007103429A (ja) 洗浄装置および洗浄方法
JP4557167B2 (ja) 硫酸リサイクル型洗浄システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080718

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100602

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100804

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101004

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140520

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees