JP4743404B2 - 硫酸リサイクル型洗浄システムおよび硫酸リサイクル型洗浄方法 - Google Patents
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Description
上記した加熱手段や冷却手段は、洗浄装置や電解反応装置に付設してもよく、また、循環ラインに設けても良い。さらに洗浄装置や電解反応装置に別ラインを設けて溶液の加熱や冷却を行うようにしてもよい。
なお、上記熱交換に加えて洗浄液を加熱する手段や電解される溶液を冷却する手段を付設することも可能である。
本発明において、導電性ダイヤモンド電極は、通常は板状のものを使用するが、網目構造物を板状にしたものも使用できる。すなわち、本発明としては、電極の形状や数は特に限定されるものではない。
洗浄装置は枚葉式、バッチ式のいずれにも対応できるが、該洗浄装置では電子基板の洗浄時にレジスト等汚染物の剥離溶解に伴い洗浄液中に溶解性のTOCが発生する。このとき、洗浄液のTOCを効率良く除去し、電子基板材料への有機物の再付着を防ぐ必要があるため洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定する。これにより過硫酸イオンの消費と生成がバランスし、効率的な洗浄と効率的な電解処理がなされる。なお、同様の理由で下限を20、上限を300とするのが望ましい。
本発明では、前記被洗浄材の洗浄面を検査する洗浄面検査装置を備えることで、一旦洗浄を行った被洗浄材の洗浄面を検査して洗浄度を把握することができる。該洗浄度の把握によって、再洗浄や次工程への被洗浄材の搬送などを選択することができる。これにより被洗浄材の洗浄度によって適切な作業が選択されるので、最初に被洗浄材を洗浄する際に、その洗浄時間を必要以上に長く設定することは必要なく、標準的な汚染がなされている被洗浄材を想定して洗浄時間を定めることができる。
検査光は被洗浄面に照射されて被洗浄面で反射する。この反射光は、画像データ取得部に含まれる受光部で受光される。受光部は、CCDなどの受光素子で構成することができる。CCDで得られた信号は、例えばA/D変換をして、領域判別、空間フィルタ、濃度調整などの適宜の画像処理がなされて画像データが取得される。これらの一連の処理が画像データ取得部でなされる。得られた画像データはメモリ、HDDなどの適宜の記憶部に記憶することができる。
該機能は、表面検査装置に備える洗浄度判定手段により行うことができる。洗浄度判定手段には、CPUとこれを動作させるプログラムとを備え、さらにデータを適宜保存する記憶部を備えるものを例示できる。
洗浄度判定手段は、予め、洗浄度判定の基準となる画像データを保持しておく。この画像データは清浄な洗浄面を想定するものである。また、パターン生成をした半導体ウェハなどを洗浄対象とする場合、基準画像データには、パターンイメージを含むものとなる。したがって、被洗浄材に対応して基準画像データを保持しておくことで、種別の異なる被洗浄材においても的確に洗浄度判定を行うことができる。
洗浄度は、適宜定量化することができ、その数値に従って、洗浄完了や洗浄未了で洗浄度を定めることができる。この決定に際しては予め基準となる洗浄度基準データを定めておき、この基準データと測定によって得た洗浄度データとを比較して洗浄度を定めることができる。
該制御部では、洗浄度の判定が洗浄完了である場合、当該洗浄工程を終了し、次工程への被洗浄材の搬送などを行う。また、洗浄が十分でなく、洗浄未了と判定される場合には、再度当該洗浄工程での洗浄を行う。この際には、直前の洗浄処理で多くの汚染物が除去されているので、直前の洗浄処理よりも短い洗浄時間によって洗浄を行えばよく、したがって、この場合、直前の洗浄処理時間以下の洗浄時間を設定するのが望ましい。また、洗浄時間の設定に際しては、洗浄度に基づいて洗浄時間を定めることができる。すなわち、汚染物の残存が少ないほど洗浄時間を短くして無駄な作業時間のないようにすることができる。なお、検査と洗浄度の判定、必要に応じた再洗浄は繰り返し行うことができる。
本発明の硫酸リサイクル型洗浄システムは、枚葉式の洗浄槽1を含む洗浄装置と、電解反応槽20、25を含む電解反応装置と、戻り管10a、10b、送り管11a、11bを含む循環ラインを主要な構成としている。
洗浄装置では、液滴噴流形成装置として液体スプレーノズル2を備えており、該液体スプレーノズル2の先端側噴出部が洗浄槽1内に位置している。該液体スプレーノズル2には、後述する電解反応装置との間で過硫酸イオン含有溶液16を循環させる循環ラインの戻り管10bと、N2ガスの供給管3とが接続されている。液体スプレーノズル2は、戻り管10bから供給される過硫酸イオン含有溶液16と、N2ガスの供給管3から供給される高圧のN2ガスとを混合して、過硫酸イオン含有溶液16の液滴を下方に向けて噴出するように構成されている。なお、戻り管10bには、液体スプレーノズル2の接続部の直前に、加熱装置19が設けられており、液体スプレーノズル2に供給される過硫酸イオン含有溶液16を好適には100〜180℃に加熱する。
さらに、洗浄槽1の内部には、上記洗浄槽1内で洗浄を行った半導体基板30に検査光を照射してその反射光を受光する受発光部27が設けられており、該受発光部27は、洗浄槽1外部の制御装置28に接続されて、本発明の洗浄面検査装置が構成されている。
電解反応槽25は、電解反応槽20と同様の構成を有しており、陽極26aおよび陰極26bが配置され、さらに陽極26aと、陰極26bとの間に所定の間隔をおいてバイポーラ電極26c…26cが配置されている。上記陽極26aおよび陰極26bにも、前記直流電源22が接続されている。
上記電解反応槽25の出口側に戻り管10aが接続されている。すなわち、直列に接続された電解反応槽20、25、直流電源22および連結管23によって、電解反応装置が構成されている。
受発光部27は、洗浄を行った半導体基板30に対し検査光を照射する検査光照射部271と、半導体基板30で反射した反射光を受光する受光部272からなる。検査光照射部271はランプなどにより構成され、受光部272は、CCDなどの受光素子により構成されている。
また、制御装置28は、洗浄システム全体を制御する制御部280を備えており、該制御部280は、CPUおよびこれを動作させるプログラムを主として構成されている。制御部280は、前記した搬送装置29を制御して半導体基板30を洗浄槽1内に搬入したり、洗浄後の半導体基板を図示しない次工程に搬送したりする。また、制御部280は、液体スプレーノズル2やポンプ12、17、18または直流電源22などを制御して過硫酸イオン含有溶液の循環、噴射を制御して洗浄処理の実行、終了を行うことができる。
洗浄の開始に際し、制御部280の制御によって搬送装置29を動作させ、半導体基板30を洗浄槽1外から洗浄槽1の基板保持具4上に搬送する。さらに、制御部280によって洗浄システム各部を制御して洗浄を開始する。この際には予め定められている洗浄時間に基づいて洗浄を行うように制御する。なお、基準となる洗浄時間は、例えば前記記憶部281にデータとして格納しておき、洗浄に際し、制御部280によって該データを読み出して初期設定を行うことができる(ステップS1)。
基板保持具4上には半導体基板30が設置されており、基板保持具4によって半導体基板30が回転し、前記過硫酸イオン含有液滴によって半導体基板30の表面の清浄がなされ、硫酸イオン及び過硫酸イオンの作用によってレジストなどが剥離、除去がなされる。噴出された過硫酸イオン含有溶液16は、半導体基板30を洗浄した後、飛散・落下して、レジスト溶解物などともに送り管11aに排出される。送り管11aでは、送液ポンプ12によって上記過硫酸イオン含有溶液16が溶液貯槽14側へと送液される。この際には、熱交換器13によって戻り管10bとの間で熱交換されて過硫酸イオン含有溶液の温度が低下し、さらに、自然冷却によっても次第に降温し、電解反応に好適な10℃から90℃の範囲内の温度となる。その後、溶液貯槽14に一時貯留される。なお、確実に温度を低下させたい場合には、溶液貯槽14を水冷、空冷するなどして強制的に冷却する冷却手段を付設することもできる。上記送り管11aでの送液に際しては、洗浄槽1で剥離除去されたレジスト溶解物の分解がなされる。また溶液貯槽14では、上記熱交換によって溶液の温度が低下しており、自己分解が抑制されている。また、溶液貯槽14で溶液が一時貯留される際にもレジスト溶解物の分解が進行し、電解反応装置へのレジスト溶解物の流入が効果的に阻止される。
このTOC増加速度に基づいて、電解反応槽20、25では、(過硫酸イオン生成速度[g/l/hr])/(洗浄液槽内TOC増加速度[g/l/hr])が10〜500を満たすように、電解条件を設定しておく。該電解条件の設定は、電流密度、通液線速度、溶液温度の調整によって行うことができる。
上記硫酸リサイクル型枚葉式洗浄システムによって半導体ウエハの洗浄を行うことで、過酸化水素水やオゾンの添加を必要とすることなく、硫酸溶液を繰り返し使用して過硫酸イオン含有溶液16を再生しつつ効果的な洗浄を継続することができる。
この行程では、制御部280の指令によって照射部駆動部270を制御し、検査光照射部271から半導体基板30の洗浄面に検査光を照射する。検査光は、洗浄面全体に亘って照射されるように、半導体基板や受発光部を走査するものであってもよい。
検査光は、洗浄面で反射してその反射光は受光部272で受光される。反射光は洗浄面の性状によってパターンや汚染物の付着に応じたものとなっている。該反射光は、受光部272で電気信号として出力されてA/D変換部273に出力される。A/D変換部273で二値化された後、画像処理部274に入力され、該画像処理部274で適宜の画像処理を行って検査画像データを取得する。該検査画像データは、半導体基板30の洗浄面が画像化されたものであり、表面性状にしたがった画像からなる。該検査画像データは、制御部280へと出力される。制御部280では、記憶部281に記憶された基準画像データを読み出して、前記した検査画像データとの比較を行う。比較の結果、そのデータの差異から汚染物の付着部分と判定される汚染領域が認識される。該汚染領域の面積率を算出し、予め定めた基準に基づいて洗浄度を判定する(ステップS4)。
一方、上記洗浄度判定行程で洗浄未了と判定される場合、再度洗浄を行うための洗浄時間の設定を行う(ステップS5)。この設定に際しては、判定された洗浄度の度合いに応じて洗浄時間を定めることができる。すなわち、洗浄度の度合いが低くて汚染度が高い場合には、長い洗浄時間を設定し、洗浄度の度合いが比較的高くて汚染度が低い場合には、短い洗浄時間を設定する。いずれにしても、直前の洗浄によって当初よりは汚染度は低下しているものであるから、直前の洗浄において定められた洗浄時間よりも短い洗浄時間を設定することができる。また、洗浄未了の場合には、直前の洗浄時間よりも短い洗浄時間を一律に定めるものであってもよい。なお、洗浄度に応じて洗浄時間を設定する場合に、記憶部に基準となる複数の洗浄度と洗浄時間とを関連付けてデータとして格納しておき、これらのデータを適宜読み出すことで洗浄度に応じた洗浄時間を容易に設定することができる。
洗浄時間を設定した後は、前記したステップS2に移行して洗浄処理を行い、さらに洗浄面検査を行って洗浄度の判定を行う。これを繰り返すことで、過度に長い時間で洗浄処理をすることが回避され、また、洗浄も確実に行って清浄度の高い処理を行うことができる。
また、上記実施形態では、洗浄装置として枚様式のものについて説明したが、バッチ式の洗浄装置であってもよく、該バッチ式の洗浄装置では、洗浄槽に浸漬された被洗浄材を超純水でリンス処理し、該洗浄装置外に設置した表面検査装置に搬送して被洗浄面の検査を行うことも可能である。
実施例1の洗浄装置と同様の条件で稼動し、洗浄面検査装置および制御装置を作動させないで、同様の洗浄工程および洗浄速度でレジストを塗布した6インチシリコンウエハを洗浄した。このような洗浄処理を8時間連続して行い、96枚のシリコンウエハを得た。
この間に新たな薬品の添加は行わず、溶液貯槽内の洗浄液のTOC濃度は検出限界以下であった。洗浄を終えた96枚のシリコンウエハについて、上記記載のウエハアナライザおよび質量分析計にて有機物残渣をそれぞれ測定した結果、87枚シリコンウエハの有機物残渣は300pg/cm2以下であり、レジストが完全に剥離した清浄なウエハを得ることができたが、9枚は有機物残渣が5000pg/cm2以上検出された。また、これらのシリコンウエハについて低加速電圧の走査型顕微鏡によって表面観察したところ、パターンの周囲にレジスト残渣と思われる付着有機物を確認した。
このように表面検査装置および制御装置がない場合は、通常の処理時間で洗浄が完了しなかったシリコンウエハが次工程に持ち込まれるため、半導体製造工程の歩留まり低下を招く結果となった。
実施例1の洗浄装置と同様の条件で稼動し、洗浄面検査装置および制御装置を作動させないで、同様の洗浄工程でレジストを塗布した6インチシリコンウエハを洗浄した。なお、洗浄速度は5min./枚とし、超純水リンス工程およびスピン乾燥工程を含めるとシリコンウエハ1枚の処理時間は7.5分程度であった。このような洗浄処理を8時間連続して行い、64枚のシリコンウエハを得た。この間に新たな薬品の添加は行わず、溶液貯槽内の洗浄液のTOC濃度は検出限界以下であった。洗浄を終えた64枚のシリコンウエハについて、上記記載のウエハアナライザおよび質量分析計にて有機物残渣をそれぞれ測定した結果、全てのシリコンウエハの有機物残渣は300pg/cm2以下であり、レジストが完全に剥離した清浄なウエハを得ることができたが、実施例1に比べ、処理枚数は大きく減少した。このように、洗浄速度を低下すると装置のスループットが低下する。
2 液体スプレーノズル
3 N2ガス供給管
4 基板保持具
10a 戻り管
10b 戻り管
11a 送り管
11b 送り管
12 送液ポンプ
13 熱交換器
14 溶液貯槽
15 超純水供給ライン
16 過硫酸イオン含有溶液
17 送液ポンプ
18 送液ポンプ
19 加熱装置
20 電解反応槽
21a 陽極
21b 陰極
21c バイポーラ電極
22 直流電源
23 連結管
25 電解反応槽
26a 陽極
26b 陰極
26c バイポーラ電極
27 受発光部
271 検査光照射部
272 受光部
28 制御装置
280 制御部
281 記憶部
29 搬送装置
30 半導体基板
Claims (6)
- 過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として予め定めた時間で被洗浄材として半導体基板を洗浄する洗浄装置と、該洗浄槽から排出した洗浄液を電解して該洗浄液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造するものであって、前記洗浄装置でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解反応による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件が設定される電解反応装置と、前記洗浄装置と電解反応装置との間で、前記過硫酸イオン含有溶液を循環させる循環ラインと、前記被洗浄材の洗浄面を検査して洗浄面の付着汚染物を認識して前記被洗浄材の洗浄度の判定が可能な洗浄面検査装置と、前記洗浄面検査装置によって判明した被洗浄材の洗浄度に基づいて、該被洗浄材の洗浄工程を制御し、洗浄度が洗浄完了であると判定される場合に、前記被洗浄材を次工程に搬送し、洗浄度が洗浄未了であると判定される場合に、直前の洗浄処理における洗浄時間以下の洗浄時間で前記被洗浄材の洗浄度に応じて該被洗浄材に対する再度の洗浄処理の洗浄時間を設定して前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で電解を行いつつ再度の洗浄を行う洗浄制御手段と、を備えることを特徴とする硫酸リサイクル型洗浄システム。
- 前記洗浄面検査装置は、前記洗浄面に検査光を照射する検査光照射部と、該洗浄面で反射する反射光を受光して洗浄面画像データを取得する画像データ取得部とを備えることを特徴とする請求項1記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
- 前記洗浄面検査装置は、予め基準画像データを保持し、かつ前記洗浄面画像データと該基準画像データとを比較して該比較の結果によって前記洗浄面の洗浄度を判定する洗浄度判定手段を備えることを特徴とする請求項2記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
- 前記洗浄度判定手段は、前記洗浄面画像データと前記基準画像データとの相違に基づいて洗浄度を判定することを特徴とする請求項3記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
- 前記電解反応装置に備える電極の少なくとも陽極が導電性ダイヤモンド電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の硫酸リサイクル型洗浄システム。
- 多段の洗浄工程により半導体基板を洗浄する際に、前記洗浄でレジストの剥離溶解に伴って生成するTOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、電解による過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となるように電解条件を設定して電解反応により溶液に含まれる硫酸イオンから過硫酸イオンを生成して過硫酸イオン含有溶液を製造し、該過硫酸イオン含有溶液を洗浄液として前記被洗浄材を洗浄するとともに、洗浄液を再度前記電解反応に供して、繰り返し過硫酸イオン含有溶液を再生して前記洗浄液に用い、前記洗浄液により洗浄した被洗浄材の洗浄面を検査して、検査の結果、洗浄面が清浄でないと判定される場合に再度前記TOC生成速度〔g/l/hr〕に対して、前記電解反応装置での過硫酸イオン生成速度〔g/l/hr〕が10倍から500倍となる電解条件で前記電解反応によって過硫酸イオン含有溶液を再生しつつ洗浄液による洗浄を行うことを特徴とする硫酸リサイクル型洗浄方法。
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