JP4740014B2 - 嵌合連結部材およびこれを用いたリターナブルカートン - Google Patents

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Description

この発明は嵌合連結部材およびこれを用いたリターナブルカートンに関し、嵌め易く外れ難く十分な嵌合力を確保できる嵌合連結部材とこれを用いて展開状態の箱状のカートンを組み立てたり分解することで、缶入り飲料などの重量のあるものの運搬用のカートンとして繰り返し使用できるようにしたものである。
清涼飲料やアルコール飲料などが入れられた缶は、従来からダンボールなどの紙製容器に所定本数入れて輸送・運搬が行われている。
例えば缶ビールの場合には、図6に示すように、製造ラインから供給コンベア1で供給された缶ビール2がグルーピング装置3で所定本数、例えば24本ずつ纏められて充填装置4に送られる一方、予め箱を展開した形状にダンボールを切断するとともに、印刷などが施されたシート状箱材5が、シートの取出装置6で取り出されてケースの搬送装置7に送られ、搬送しながらケースの成形装置8で箱状に成形するようにし、箱状に成形する途中で充填装置4から纏められた缶ビール2を充填して紙製容器9に箱詰するようにしている。
このようなダンボール等の紙製容器9に入れられた缶ビール2などは、小売店や自動販売機などまで、例えば横置き状態として輸送・運搬され、この後販売する場合には、例えば縦置きにした紙製容器9の上部から取り出されており、缶ビール2などが取り出された紙製容器9が廃棄物となってしまう。
一方、機械部品や食料品などの輸送・運搬にプラスチック製の容器を用い、輸送・運搬後に返送して循環使用することが考えられ、使用時には箱状に組み立て、返送時には折りたたむことができるようにしたものが種々提案されている(特許文献1〜3参照)が、いずれのプラスチック容器でもこれまでのケースの搬送装置7やケースの成形装置8を使用することができず、設備の大幅な変更が必要となる。
そこで、これまでのケースの搬送装置7やケースの成形装置8をそのまま使用することができるものが提案され(特許文献4参照)、ダンボールと同一形状の展開板状材を嵌合部材を嵌合することで組み立てたり、分解できるようにしている。
特開昭56−142142号公報 特開昭63−96031号公報 特開平10−264928号公報 特開2004−244046号公報
ところが、これまでのケースの搬送装置7やケースの成形装置8では、接着剤を用いてケースを組み立てるようにしているため、押し付け力や押し付け距離が小さく、嵌合部材を嵌合してケースを組み立てる場合に、完全に嵌合することができない場合が生じるという問題がある。
一方、これまでのケースの成形装置で組み立てることができるように、小さな押し付け力で組立できる嵌合部材を使用すると、嵌合力も小さくなって運搬途中で嵌合部材が外れるなど、運搬できなくなる恐れが生じるという問題がある。
この発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたもので、小さな押え力で嵌合することができるとともに、嵌合した状態では大きな嵌合力を得ることができ簡単に外れることがない嵌合連結部材を提供しようとするものである。
また、この発明は、上記嵌合連結部材を用いることで、これまでのダンボールなどの紙製容器の場合の充填装置やケースの搬送装置およびケース成形装置に大幅な変更を施すことなく使用でき、しかも返送して循環使用することができるリターナブルカートンを提供しようとするものである。
上記従来技術の有する課題を解決するためこの発明の請求項1記載の嵌合連結部材は、互いを着脱自在に嵌合連結し得る凹状嵌合部材と、凸状嵌合部材とからなる合成樹脂製の嵌合連結部材において、
前記凹状嵌合部材は、基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から中心部上方に向かって形成される湾曲部と、この湾曲部の上部中心に形成される嵌合孔部と、この嵌合孔部の内周縁部に形成される連結用突部とを有し、
前記凸状嵌合部材は、前記凹状嵌合部材の前記基板部と平行な基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から上方に突出し前記嵌合孔部に挿脱される嵌合凸部と、この嵌合凸部の上端を連結する天面部と、前記嵌合凸部の上端部外周に形成されて前記連結用突部と係合連結される連結用溝部とを有し、
前記連結用突部と前記連結用溝部との係合連結状態で、係合方向基端の傾斜角に対し係合方向先端の傾斜角を大きくして係合し易く離脱し難く構成したことを特徴とするものである。
この嵌合連結部材によれば、凹状嵌合部材の湾曲部が嵌合連結の際には、外側に逃げるように弾性変形することで、小さな力で嵌合できるようにし、取り外そうとする場合には、湾曲部が内側に食い込むように変形することで、大きな嵌合力を得ることができるようになるとともに、凸状嵌合部材の天面部によって嵌合凸部の変形を抑えることで、嵌めやすく、外れ難くするようにし、さらに、前記連結用突部と前記連結用溝部との係合連結する場合の先後の傾斜面の角度を、係合方向基端の傾斜角に対し係合方向先端の傾斜角を大きくすることで、一層係合し易く離脱し難くしている。
また、この発明の請求項2記載の嵌合連結部材は、請求項1記載の構成に加え、前記凸状嵌合部材の前記連結用突部および前記天面部を、円周方向に複数に分割した分割構造としたことを特徴とするものである。
この嵌合連結部材によれば、前記凸状嵌合部材の前記連結用突部および前記天面部とを、円周方向に複数に分割した分割構造としており、係合し易く離脱し難くするための係合溝部の形成を割り型を用いることなく簡単に成形できるようになる。
さらに、この発明の請求項3記載の嵌合連結部材は、前記請求項1または2記載の構成に加え、前記凹状嵌合部材の前記凹部および前記凸状嵌合部材の前記凹部を、それぞれ前記基板部同士を重ねた場合に、略平面状にスタック可能に構成したことを特徴とするものである。
この嵌合連結部材によれば、前記凹状嵌合部材の前記凹部および前記凸状嵌合部材の前記凹部を、それぞれ前記基板部同士を重ねた場合に、略平面状にスタック可能に構成してあり、嵌合連結部材を取り付けた部材などを重ねる場合に略平坦にスタックすることができ、これまでと同じように積み重ねることができるようになる。
また、この発明の請求項4記載のリターナブルカートンは、前記請求項1〜3のいずれかに記載の嵌合連結部材を、展開状態の箱状容器の各容器板部材同士の連結部に配設して組立分解可能に構成したことを特徴とするものである。
このリターナブルカートンによれば、前記請求項1〜3のいずれかに記載の嵌合連結部材を、展開状態の箱状容器の各容器板部材同士の連結部に配設して組立分解可能に構成しており、上記嵌合連結部材を展開状態の容器の各板部材の連結部に配置することで、小さな力で組み立てることができるようになり、しかも外れ難くでき、組立と分解を繰り返すリタナーブルケースとして重量のある内容物の運搬にも適したものとなる。
この発明の請求項1記載の嵌合連結部材によれば、互いを着脱自在に嵌合連結し得る凹状嵌合部材と、凸状嵌合部材とからなる合成樹脂製の嵌合連結部材において、前記凹状嵌合部材は、基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から中心部上方に向かって形成される湾曲部と、この湾曲部の上部中心に形成される嵌合孔部と、この嵌合孔部の内周縁部に形成される連結用突部とを有し、前記凸状嵌合部材は、前記凹状嵌合部材の前記基板部と平行な基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から上方に突出し前記嵌合孔部に挿脱される嵌合凸部と、この嵌合凸部の上端を連結する天面部と、前記嵌合凸部の上端部外周に形成されて前記連結用突部と係合連結される連結用溝部とを有し、前記連結用突部と前記連結用溝部との係合連結状態で、係合方向基端の傾斜角に対し係合方向先端の傾斜角を大きくして係合し易く離脱し難く構成したので、凹状嵌合部材の湾曲部が嵌合連結の際には、外側に逃げるように弾性変形することで、小さな力で嵌合することができ、取り外そうとする場合には、湾曲部が内側に食い込むように変形することで、大きな嵌合力を得ることができる。また、凸状嵌合部材の天面部によって嵌合凸部の変形を抑えることができ、これにより、嵌め易く、外れ難くすることができる。さらに、前記連結用突部と前記連結用溝部とを係合連結する場合の先後の傾斜面の角度を、係合方向基端の傾斜角に対し係合方向先端の傾斜角を大きくすることで、一層係合し易く離脱し難くすることができる。
また、この発明の請求項2記載の嵌合連結部材によれば、前記凸状嵌合部材の前記連結用突部および前記天面部を、円周方向に複数に分割した分割構造としたので、係合し易く離脱し難くするための係合溝部の形成を割り型を用いることなく簡単に成形できるようになる。
さらに、この発明の請求項3記載の嵌合連結部材によれば、前記凹状嵌合部材の前記凹部および前記凸状嵌合部材の前記凹部を、それぞれ前記基板部同士を重ねた場合に、略平面状にスタック可能に構成したので、嵌合連結部材を取り付けた部材などを重ねる場合に略平坦にスタックすることができ、これまでと同じように積み重ねることができる。
また、この発明の請求項4記載のリターナブルカートンによれば、前記請求項1〜3のいずれかに記載の嵌合連結部材を、展開状態の箱状容器の各容器板部材同士の連結部に配設して組立分解可能に構成したので、上記嵌合連結部材を展開状態の容器の各板部材の連結部に配置することで、小さな力で組み立てることができ、しかも外れ難くすることができ、組立と分解を繰り返すリタナーブルケースとして重量のある内容物の運搬にも適したものとなる。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1〜図3はこの発明の嵌合連結部材の一実施の形態にかかり、図1は嵌合連結状態の断面図、図2は凹状嵌合部材にかかる平面図、A−O−B断面図および部分拡大図、図3は凸状嵌合部材にかかる平面図、A−O−B断面図および部分拡大図である。
この嵌合連結部材10は、互いに着脱される凹状嵌合部材11と凸状嵌合部材21とで構成され、合成樹脂製としてある。
凹状嵌合部材11は、図1および図2に示すように、例えば正方形状の基板部12を備え、この基板部12に内接する外周円から中心に向かって窪む円錐面の凹部13が形成してある。この凹部13は、例えば角度が45度の円錐面としてある。
この円錐面の凹部13の底部から中心部上方に向かって凹部13とは逆の傾斜面或いは立ち上がり面状に形成された湾曲部14が形成してある。
したがって、この凹状嵌合部材11では、基板部12の外周側から中心に向かって凹部13と湾曲部14とで断面形状が略V字状の2つの円錐状面が連結された状態となっている。
そして、凹部13の底部から深さの1/3程度の湾曲部14の端部が嵌合孔部15とされ、円形の開口部が設けてある。この嵌合孔部15の内周縁部には、連結用突部16が形成され、上下が水平面とされるとともに、内周面が略V字状に突き出す2つの傾斜面16a,16bで構成されている。これら2つの傾斜面16a,16bは、下方の係合方向基端の傾斜面16aが下方に広がる長い斜面の傾斜面とされ、上端部の係合方向先端の傾斜面16bが上方に広がる短い斜面の傾斜面としてある。そして、下方の係合方向基端の傾斜面16aの傾斜角をαとし、上端部の係合方向先端の傾斜面16bの傾斜角をβとしてあり、後述するように、先端の傾斜角βが基端の傾斜角αより大きくしてある。
次に、この凹状嵌合部材11と嵌合連結される凸状嵌合部材21について、図1および図3により説明する。
この凸状嵌合部材21は、例えば正方形状の基板部22を備え、この基板部22に内接する外周円から中心に向かって窪む凹部23が形成され、円錐面23aとその内周側の水平の円板面23bとで構成してある。この凹部23の円錐面23aは、凹状嵌合部材11の凹部13の傾斜面の角度と略同一とされ、例えば角度が45度の短い斜面としてあり、凹状嵌合部材11の凹部13の深さの略1/2程度の深さとしてある。また、この凹部23の円板部23bの内径が凹状嵌合部材11の連結用突部16と略同一径としてある。
これにより、凸状嵌合部材21の内側に凹状嵌合部材11を重ねるように配置した状態で、基板部12、22が平行となるとともに、凹部13、23の傾斜面が平行になるようにしてある。
この凹部23の底部である円板部23bの内周に上方に突き出す円筒状の嵌合凸部24が形成され、嵌合凸部24の天面部25である円筒上端面を塞ぐように連結してある。
尚、前記嵌合凸部24は円錐台形状でも良く、この場合、成形時の型抜きが容易となる。
この嵌合凸部24の上端部外周には、凹状嵌合部材11の連結用突部16に対応して連結用溝部26が形成してあり、略V字状の2つの傾斜面26a,26bで構成されている。これら2つの傾斜面26a,26bは、下方の係合方向基端の傾斜面26aが下方に広がる長い斜面の傾斜面とされ、上端部の係合方向先端の傾斜面26bが上方に広がる短い斜面の傾斜面としてある。そして、下方の係合方向基端の傾斜面26aの傾斜角が連結用突部16の傾斜面16aと同一の傾斜角α´とされ、上端部の係合方向先端の傾斜面26bの傾斜角が連結用突部16の傾斜面16bと同一の傾斜角β´としてある。
尚、前記した嵌合凸部24の上端部外周の連結溶溝部26に形成される2つの傾斜面26a、26bの傾斜角α、βは、凹状嵌合部材11の連結用突部16の傾斜面16a、16bの傾斜角α´、β´よりも若干大としても良い。
このように構成した嵌合連結部材10では、凹状嵌合部材11と凸状嵌合部材21とが次のように互いが着脱されて図1に示す係合状態とされたり、離脱される。
凹状嵌合部材11の嵌合孔部15に凸状嵌合部材21の嵌合凸部24を挿入していくと、まず、嵌合凸部24の先端外周が嵌合孔部15の連結用突部16の基端傾斜面16aと接触する。
この後、凸状嵌合部材21を押し込むと、凹状嵌合部材11の基端傾斜面16aが湾曲部14を支点として外側に押し広げられるように弾性変形する。
そして、凸状嵌合部材21の嵌合凸部24の先端部が、さらに押し込まれて嵌合孔部15の連結用突部16の基端傾斜面16aを乗り越えると、嵌合凸部24の上端部外周の連結用溝部26の略V字状の2つの傾斜面26a,26bと、凹状嵌合部材11の連結用突部16の対応する2つの傾斜面16a、16bとが嵌り合った係合状態となる。
このような嵌合連結部材10の連結の際、凸状嵌合部材21の押し込みで凹状嵌合部材11が湾曲部14を支点として外側に広がるように弾性変形することで、小さな力で嵌合連結することができる。
一方、嵌合連結部材10の凹状嵌合部材11から凸状嵌合部材21を取り外す場合には、嵌合凸部24の先端の連結用溝部26の傾斜角がβと大きい傾斜面26bを、凹状嵌合部材11の嵌合孔部15の連結用突部16の先端の傾斜角がβと大きい傾斜面16bを乗り越えるように引き抜く必要があり、しかも凸状嵌合部材21の引き抜きにより、凹状嵌合部材11が湾曲部14を支点として内側にすぼむように弾性変形することから、簡単に引き抜くことができず、大きな力でなければ連結を開放することができない。
また、この連結を開放する場合に、嵌合孔部15の連結用突部16から嵌合突部24を引き抜くことになるが、嵌合突部24の天面が天面部25で連結してあるので、中心に向かう変形が抑えられ、これによって引き抜き力を大きくしている。
このような嵌合連結部材10によれば、凹状嵌合部材11と凸状嵌合部材21との嵌合連結は比較的小さな力で押し込むことで連結することができ、離脱する場合には、連結の場合に比べて大きな引き抜き力が必要となり、入れ易く外し難いものとすることができる。
このような入れ易く外し難くするため、連結用突部16および連結用溝部26の基端傾斜面16a,26aの傾斜角αに対して先端傾斜面16b,26bの傾斜角βを大きくしてある。
そして、基端傾斜角αによる締結力の変化は小さく、10<α<45度、好ましくは10<α<30度とする。傾斜角αを10度より小さくすると、連結しやすくなるが、連結に必要なストロークが長くなり、嵌合方向の寸法の増大を招く。一方、αを45度を越えて大きくすると、連結を繰り返すと、合成樹脂材料が塑性化して破損する可能性が高まることになる。
また、先端傾斜角βにより開放力が変化し、傾斜角βが大きくなれば開放力が増加するが、10<β<45度、好ましくは30<β<45度とする。傾斜角βを10度より小さくすると、必要な開放力を得ることができず、45度を越えて大きくすると、材料の塑性化による破損のおそれがある。
なお、実験では、傾斜角αを15.3度、傾斜角βを31.2度(一定)とした場合の締結力が116.6Nであり、同一寸法の嵌合連結部材で、α=20度とした場合の締結力は82.2N、α=30度の場合で111.7N、α=40度の場合で132.9Nであった。
さらに、この嵌合連結部材10では、合成樹脂材料の弾性の範囲内での嵌合連結になるので、物性的には材料が有する縦弾性係数(ヤング率)によって締結力が変化するが、湾曲部14の変形も嵌合連結に利用しているので、縦弾性係数が大きい材料でも嵌合連結は可能であるが、繰り返しの着脱による塑性化の観点から合成樹脂製とすることが好ましい。
合成樹脂材料としては、例えばポリプロピレン、高密度ポリエチレンなど1種類の合成樹脂もしくは2種類以上からなる合成樹脂であっても良い。
また、この嵌合連結部材10では、基板部12、22に対して凹部13、23を形成し、これら凹部13、23の底部から嵌合孔部15や嵌合凸部24を上方に突き出すように形成したので、板状の部材に凹状嵌合部材11や凸状嵌合部材21を同一位置に取り付けて重ねる場合でも、略平面状態を保って重ねることができ、容易にスタックすることができる。
なお、上記実施の形態では、凸状嵌合部材21の嵌合凸部24の天面部25を塞いだ状態とするとともに、側面に連結用溝部26を形成したもので説明したが、合成樹脂による金型成形の際、一体の金型で成形しようとすると、溝部分を無理抜きしなければならないが、嵌合凸部24の天面部25を円周方向複数に分割してわずかな隙間を形成することで、一体の金型で容易に成形することができる。
次に、この発明の嵌合連結部材の実施例について、比較例とともに説明するが、本発明は実施例に限定するものでない。
凹状嵌合部材として、凹部外径を23mm、凹部深さを6mm,嵌合孔部の内径を9mm,連結用突部の傾斜角αを15.3度、傾斜角βを31.2度とした。
凸状嵌合部材として、凹部外径を23mm、凹部深さを3.5mm,嵌合凸部の底部からの高さを4.5mm,連結用溝部の傾斜角αを15.3度、傾斜角βを31.2度とした。そして、それぞれをポリプロピレンで成形した。
成形した嵌合連結部材の開放荷重(N)と締結荷重(N)を測定し、その結果を表1中に1として示した。
同表から明らかなように、開放荷重が620.50Nであるのに対し、締結荷重は119.44Nであり、その差が501.06Nであった。
これにより、嵌め易く外し難いことが分かる。
比較例
嵌合連結部材の形状による効果を比較するため、表1および図4に示すように、嵌合孔部として湾曲部を採用したものを○印、嵌合凸部として天面部を採用したものを○印、嵌合面として傾斜角α、βを採用したものを○印とした。
表中の2は、湾曲部のみがないもの、3は、天面部のみがないもの、4は嵌合面が円弧状で傾斜角α、βのみがないもの、5は、湾曲部と天面部がないもの、6は天面部と嵌合面が円弧状で傾斜角α、βがないもの、7は湾曲部と嵌合面が円弧状で傾斜角α、βがないもの、8は全てがないものである。
これら比較例(表中の2〜8)のいずれも本願実施例に比較し、開放荷重は小さく、締結荷重が大きいものがほとんどで、これらの差は非常に小さく、到底嵌め易く外し難いものとは、いえないものであることが分かる。
Figure 0004740014
次に、このような嵌め易く外れ難い嵌合連結部材を用いたリターナブルカートンの一実施の形態について説明する。
このリターナブルカートン30(以下、カートン30とする。)は、すでに図6で説明したダンボールによる紙製容器9の取出装置6、搬送装置7、成形装置8を大幅に改造することなく使用して缶ビール2などを充填装置4で充填して、例えば横置き状態で箱詰めできるようにするものであり、合成樹脂の薄板製とされ、例えばポリプロピレン製とされ、その板厚がダンボールの場合とほぼ同一の3mm程度のもので構成される。
なお、カートンの材料としては、ポリプロピレンにかぎらず他の合成樹脂材料であっても良く、箱詰されるものによる荷重に耐える強度が確保できるものであれば良い。
このカートン30は、直方体状の6面体で構成され、例えば缶ビール2などを充填した状態では、これまでのダンボールなどの紙製容器9の場合と同様に、横置き状態で輸送・運搬が行われ、小売店などで販売する場合や自動販売機に補充する場合などに缶ビール2などを取り出すときには、縦置きとして使用するもので、以下の説明では、縦置き状態でのカートンとして説明するが、内容物の充填や取出しなどはいずれの状態であっても良いことはいうまでもない。
このカートン30は、縦置き状態で4つの大側壁面31,小側壁面32,大側壁面33,小側壁面34が展開状態で直線状に連結され、小側壁面34に連結代35が設けられている。そして、各大側壁面31、33の上下には、それぞれ底壁面36および上壁面37の半分を構成する底面フラップ36aおよび上面フラップ37aがそれぞれ連結され、小側壁面32、34の上下には、連結代38となる連結フラップ38aが連結されて構成されている。
この展開状態のカートン30では、箱状に連結される部分に嵌合連結部材10が設けられる。
例えば、側壁面31〜34を連結するため、連結代35に等間隔に4個の凹状嵌合部材11を取り付けるとともに、大側壁面31の対応する部分に凸状嵌合部材21を4個設ける。さらに、大側壁面31、33の底面フラップ36aおよび上面フラップ37aの両端部にそれぞれ凸状嵌合部材21を取り付けるとともに、連結フラップ38aの対応する部分にそれぞれ凹状嵌合部材11を設ける。
これにより、カートン30は側壁面が4個の嵌合連結部材10で連結されるとともに、底面フラップ36aおよび上面フラップ37aはそれぞれ両端部の嵌合連結部材10で連結されて箱状に組み立てることができる。
このように嵌合連結部材10を配置することで、すでに図6で説明したダンボールによる紙製容器9の取出装置6、搬送装置7、成形装置8を大幅に改造することなくそのまま使用して缶ビール2などを充填装置4で充填して、例えば横置き状態で箱詰めすることができる。
そして、輸送・運搬後に缶ビール2などを全部取り出した後は、嵌合連結部材10の連結を開放して展開状態にすることでシート状にし、返送するようにすれば良い。
このようなカートン30によれば、従来のダンボールなどの紙製容器とほぼ同一の工程および装置でプラスチック薄板から箱状に成形できるとともに、缶ビールなどを充填して箱詰めすることができる。
したがって、設備の変更や工程の変更を最少限にしてダンボールなどの紙製容器からプラスチック製のカートン30に変えることができ、廃棄物を出さずに循環使用することができる。
また、このカートン30では、接着剤を使用せず、嵌合連結部材10を用いるようにしたので、組立および分解が簡単にできるとともに、組み立て易く、しかも組立状態では、開放荷重が大きいので、大きな荷重に対しても箱状に保持することができる。
なお、このカートン30では、プラスチック薄板を透明や半透明とすることで、中に充填する缶ビールなどを外から識別することができ、内容物ごとに印刷する必要もなく、大きさが同一の缶であれば同じように箱詰めに使用することができ、専用とせずに汎用性を高めることができる。
また、従来のダンボールなどの場合と同様に透明や半透明でないプラスチック薄板を用い、印刷などを施すようにしても良いことはいうまでもない。
さらに、カートン30の壁面をほぼ密閉する板状とする場合に限らず、孔をあけて通気性を高めたり、軽量化を図るようにしても良く、さらに、格子状や網状などの壁面で構成するようにしても良く、或いは材料に発泡材を混合して軽量化を図っても良い。
また、このカートン30では、嵌合連結部材10の凹部13、23を利用して、カートン30同士を積み重ねる場合の位置決め用に利用することで、輸送・運搬する場合に積み重ねても滑らないようにすることができる。
なお、上記実施の形態では、缶ビールを充填して箱詰めする場合で説明したが、これに限らず他の飲料缶や他の形状の食料品などであっても良く、これまでの展開状態のダンボールなどを成形しながら紙製容器に充填して箱詰めしていたものに広く適用することができる。
また、嵌合連結部材の配置や個数などは、嵌合状態で各壁面が外れないようにできれば良く、その配置や個数も図示例に限定せず、適宜設計すれば良い。
この発明の嵌合連結部材の一実施の形態にかかる嵌合連結状態の断面図である。 この発明の嵌合連結部材の一実施の形態にかかる凹状嵌合部材にかかる平面図、A−O−B断面図および部分拡大図である。 この発明の嵌合連結部材の一実施の形態にかかる凸状嵌合部材にかかる平面図、A−O−B断面図および部分拡大図である。 この発明の嵌合連結部材の形状の説明断面図で、(a)は実施例の形状を、(b)はそれぞれ比較例の形状を示すものである。 この発明の嵌合連結部材を用いたリターナブルカートンの一実施の形態にかかる展開状態の説明図である。 この発明が適用される紙製容器による缶ビールの充填・箱詰めの工程説明図である。
符号の説明
1 供給コンベア
2 缶ビール
3 グルーピング装置
4 充填装置
6 シートの取出装置
7 ケースの搬送装置
8 ケースの成形装置
10 嵌合連結部材
11 凹状嵌合部材
12 基板部
13 凹部
14 湾曲部
15 嵌合孔部
16 連結用突部
16a 基端傾斜面
16b 先端傾斜面
21 凸状嵌合部材
22 基板部
23 凹部
23a 円錐面
23b 円板面
24 嵌合凸部
25 天面部
26 連結用溝部
26a 基端傾斜面
26b 先端傾斜面
α 基端傾斜面の傾斜角
β 先端傾斜面の傾斜角
30 リターナブルカートン
31 大側壁面
32 小側壁面
33 大側壁面
34 小側壁面
35 連結代
36 底壁面
36a 底面フラップ
37 上壁面
37a 上面フラップ
38 連結代
38a 連結フラップ

Claims (4)

  1. 互いを着脱自在に嵌合連結し得る凹状嵌合部材と、凸状嵌合部材とからなる合成樹脂製の嵌合連結部材において、
    前記凹状嵌合部材は、基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から中心部上方に向かって形成される湾曲部と、この湾曲部の上部中心に形成される嵌合孔部と、この嵌合孔部の内周縁部に形成される連結用突部とを有し、
    前記凸状嵌合部材は、前記凹状嵌合部材の前記基板部と平行な基板部に形成した凹部と、この凹部の底部から上方に突出し前記嵌合孔部に挿脱される嵌合凸部と、この嵌合凸部の上端を連結する天面部と、前記嵌合凸部の上端部外周に形成されて前記連結用突部と係合連結される連結用溝部とを有し、
    前記連結用突部と前記連結用溝部との係合連結状態で、係合方向基端の傾斜角に対し係合方向先端の傾斜角を大きくして係合し易く離脱し難く構成したことを特徴とする嵌合連結部材。
  2. 前記凸状嵌合部材の前記連結用突部および前記天面部を、円周方向に複数に分割した分割構造としたことを特徴とする請求項1記載の嵌合連結部材。
  3. 前記凹状嵌合部材の前記凹部および前記凸状嵌合部材の前記凹部を、それぞれ前記基板部同士を重ねた場合に、略平面状にスタック可能に構成したことを特徴とする請求項1または2記載の嵌合連結部材。
  4. 前記請求項1〜3のいずれかに記載の嵌合連結部材を、展開状態の箱状容器の各容器板部材同士の連結部に配設して組立分解可能に構成したことを特徴とするリターナブルカートン。

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