JP4739192B2 - Baceのグリコシル化変異体 - Google Patents

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Description

本発明は、組換えヒトBACEに関する。より詳しくは、本発明は、N結合グリコシル部位が修飾されたヒトBACEに関する。
主にアミロイドβタンパク質(Aベータ又はAβ)を含む神経炎プラークは、アルツハイマー病の特徴の1つである。β部位APP切断酵素(BACE)は、ベータセクレターゼ、βセクレターゼ、Asp2及びメマプシンとしても知られ、アミロイド前駆体タンパク質(APP)をプロセシングしてAベータペプチドのN末端部分を産生することに関与する酵素であると特定されている。この酵素は、Aベータペプチドの産生を律速することが示唆されている。[例えば、Sinhaら(1999、Nature 402:537−554)及びPCT出願WO00/17369、同WO01/23533、並びに同WO00/47618を参照のこと。またHussain,I.ら(1999、Mol.Cell.Neurosci.14:419−427);Vassar,R.ら(1999、Science 286:735−741);Yan,R.ら(2000、Nature 402:533−537);及びLin,X.ら(2000、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97:1456−1460、2000)を参照のこと]。
BACEは、比較的大きな構造的に複雑な酵素である。小胞体で合成されたままのBACEの一次構造を図1に示す。この酵素は、501のアミノ酸を含んでおり、これには約21のアミノ酸(プレ配列ドメイン)のN末端シグナル(リーダー)配列とこれに続いて、ほぼ残基22〜45(プロ配列ドメイン)からなるプロ配列ドメインが含まれるが、このプロ配列ドメインは、この酵素がゴルジ体中の目的地に達したら、タンパク質分解で除去され、これによって成熟タンパク質が生成される。
BACEは、膜にタンパク質を固定する約27アミノ酸の膜貫通ドメインを含む。21アミノ酸からなる短い細胞質ゾルのC末端尾部がこの膜貫通ドメインに続く。膜に付加することでBACEはAPPと相互作用ができ、Aベータ生成の最初且つ必須のステップであるAPPの切断ができる。
ヒトの脳から単離されたBACEは多量にグリコシル化されている。安定的にトランスフェクトされた293T細胞系で発現される場合、BACEは、4つのアスパラギン、132、151、202、333でグリコシル化されている。BACEを安定的に過剰発現しているHEK293細胞の分析では、この酵素がセリン477でリン酸化されており、またリン酸化によって酵素の細胞間往来が調整されていることがわかる(Walterら、2001、J.Biol.Chem.276:14634−41)。活性には不可欠であると示唆される3つのジスルフィド結合が、システイン残基対:Cys216−Cys420、Cys278−Cys443及びCys330−Cys380間に形成されている(Haniuら、2000、J.Biol.Chem.275:21099−21106)。
BACEポリペプチドのこうした構造的特徴はすべて、酵素活性に関係する特異的な作用を有すると思われる。昆虫及びCHO細胞で発現される酵素は、適切に再び折り畳まれて活性を示す。これらのタンパク質はグリコシル化されている。例えば、昆虫細胞では、昆虫細胞で利用可能なマンノースに富むグリカン由来のグリコシル化されたBACEが発現される。CHOで発現するBACEでは、複合型2股及び3股のオリゴ糖類によってグリコシル化がなされている(Charlwoodら、2001 J.Biol.Chem.276:16739−48)。
公開特許出願WO00/47618、同WO01/23533及び同WO00/17369では、ベータセクレターゼ酵素及びその様々な使用方法が特定されている。βセクレターゼの活性のメカニズムをよりよく理解し、アルツハイマー病の薬剤発見のための新規戦略を策定するために、BACEの4箇所のN結合グリコシル化部位の役割を理解することが重要となってきている。これを理解すれば、BACE酵素活性の変異を探索することのみならず目的分子の活性可能部位の探索が可能になるであろう。
1つの態様では、本発明は、以下のアミノ酸置換:S174I、N223A、N153Q、及びN354Sの少なくとも1つを有するBACEポリペプチドのアミノ酸配列を有する単離されたポリペプチドを対象とする。これらの配列の具体例は配列番号2及び3に示される。配列は、452と501との間にある残基から選択されるC末端を有していてもよい。さらに、配列は、46位の残基に対応するN末端残基、又は42〜45位にアミノ酸NINL(配列番号13)を有するN末端を有していてもよい。
別の態様では、本発明は、(i)長さ約450未満のアミノ酸残基であり、(ii)その同類置換を含む配列番号2〜5のいずれか1つと少なくとも90%同一であって、グリコシル化部位は配列番号2〜5と同一であり、(iii)基質MBP−C125Sweを切断する能力によりβセクレターゼ活性を示すポリペプチドを有する単離されたタンパク質を対象とする。このポリペプチドは、配列番号2〜5のいずれか1つと少なくとも95%同一であり得る。また別の態様では、本発明は、本発明の精製されたポリペプチドから形成される結晶質タンパク質組成物を対象とする。
さらに、本発明は、本発明の単離されたポリペプチドと(a)試験化合物及び(ii)βセクレターゼ基質とを接触させるステップと、ポリペプチドが、この化合物の非存在下よりも存在下でより小さなβセクレターゼ活性を示した場合にAβ産生を阻害することが可能な該化合物を選択するステップとを含む、Aβの産生を阻害する化合物のスクリーニング方法を対象とする。
さらに本発明は、精製された本発明のβセクレターゼポリペプチドとβセクレターゼ阻害剤化合物との結合を、試験化合物の存在下で測定するステップと、試験化合物存在下での阻害剤の結合が、試験化合物の非存在下での阻害剤の結合よりも少ない場合に、Aβ産生の阻害剤として試験化合物を選択するステップとを含むAβ産生を阻害する化合物をスクリーニングする方法を対象とする。
他の態様では、本発明は、遺伝子コードの縮重によって本発明のポリペプチドのいずれかをコードする精製され単離されたDNA配列を対象とする。発現ベクター、宿主細胞及びポリペプチドを産生する方法が含まれる。
本発明を詳細に記載する前に、多くの用語について定義する。特に表示がない限り、本明細書に使用されたすべての用語は、本発明の技術分野の技術者が認識しているものと同義を有する。実践者には、分子生物学、特にここで記載されるクローニングのプロトコールに関する技術分野で既知の技術及び標準法の定義及び用語については、Sambrookら(1989)の分子クローニング(Molecular Cloning):実験室マニュアル(A Laboratory Manual)第2版(Cold Spring Harbor Press、Plainview、N.Y.)及びAusubel F.M.ら(1998)の分子生物学の現行プロトコール)((Current Protocols in Molecular Biology)、John Wiley & Sons、New York、NY)を特に指示する。本発明は、記載されている具体的な方法論、プロトコール及び試薬に限定されるものではなく、同じ結果をもたらすものであれば、これらを変更してもよいことは自明である。
「βセクレターゼ」及び「BACE」(ベータ部位APP切断酵素)という用語は、本明細書では互換的に使用され、アミロイド前駆体タンパク質(APP)を、残基596と597(APP695番号付慣例)との間で又は670と671(APP770番号付慣例)との間で切断する酵素を指す。多くのグループによってこの酵素のヒト及びマウス型がクローンされ、膜固定アスパルチルプロテアーゼであると報告されている(Sinha、Nature 402:537−540、1999;Yan、Nature 402:533−536、1999;Vassar、Science、286:735−741、1999)。これらの出版物に報告されている配列は、同じ遺伝子の対立遺伝子である。ベータセクレターゼの第2の非対立遺伝子型は、公開特許出願WO00/17369、同WO00/47618及び同WO01/23533(いずれもその全内容は参照により本明細書に組み込まれている)並びにFrazenら、Proc Natl Acad Sci USA.2000 Aug 15;97(17):9712−7に記載されている。
図1に示すヒトBACEの特徴には、21アミノ酸リーダー(シグナル又はプレ)配列(イタリック体で示す)及び24アミノ酸プロ配列(ボールド体で示す)が含まれることである。27アミノ酸膜貫通ドメインには下線が付され、細胞質ゾルC末端尾部がそれに続いている。ジスルフィド架橋がシステイン(Cys216−Cys420、Cys278−Cys443及びCys330−Cys380)によって形成されている。
このポリペプチドは、4つのN結合グリコシル化部位、Asn153、Asn172、Asn223、及びAsn354(図1に太字及び拡大印字(N)で示す)を有する。BACEのグリコシル化部位は、共通配列、−アスパラギン−X−セリン−及び−アスパラギン−X−スレオニン−(Xは、プロリン以外の任意の通常アミノ酸)で特定される。本発明では、BACEの4つのN結合グリコシル化部位を1箇所又は複数箇所欠損させることで創造される一連のBACE変異体が提供される。N結合部位の欠損は、例えば、グリコシル化部位のアルパラギン、セリン又はスレオニン残基を置換するといった、共通のグリコシル化部位の変異によって達成し得る。
本明細書で使用するBACEポリペプチドは、シグナル配列、プロ配列、膜貫通ドメイン及び/又はC末端尾部を、完全に又は部分的に任意選択で含み得るポリペプチド及びその断片を指す。「部分的」とは、様々な配列中の任意数のアミノ酸を指す。本発明の様々な態様では、BACEポリペプチド配列は、BACEポリペプチドのN末端及び/又はC末端が切除(トランケート)された配列、例えば、残基46〜451、残基46〜453、残基1〜451、残基22〜451、残基46〜480などのポリペプチドである。他の態様では、本発明は、トランケート配列のC末端及びN末端におけるBACEポリペプチド配列のアミノ酸の数は任意であってよい。
本明細書で使用する「ポリペプチド」という用語は、ペプチド結合で連結されたアミノ酸残基の単一鎖からなる化合物を指す。「タンパク質」という用語は、「ポリペプチド」という用語と同義であってもよく、又は2種以上のポリペプチドの複合体を指していてもよい。
本発明のポリペプチドに言及する際の「修飾された」という用語は、プロセッシング又はその他の転写後に行われる修飾など、自然のプロセスによって又は当技術分野で既知の化学的修飾技法によって修飾されるポリペプチドを意味する。実在する多くの既知修飾法には、アセチル化、アシル化、アミド化、ADPリボシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、脂質又は脂質誘導体の共有結合による付加、メチル化、ミリスチレーション化、PEG付加、プレニル化、リン酸化、ユビキチン化、又はこれらに類似のプロセスがあるが、これらには限定されない。
「βセクレターゼ」という用語に関連して使用される「生物学的に活性がある」という用語は、ベータアミロイド前駆体タンパク質(APP)を切断してβアミロイドペプチド(Aβ)を産生する能力などのβセクレターゼ活性を持つことを意味する。
本発明のβセクレターゼに言及する際の「断片」という用語は、アミノ酸配列が全部ではないが部分的に完全長βセクレターゼポリペプチドのアミノ酸配列と同じであるペプチドを意味する。本発明の状況では、βセクレターゼは、一般に配列番号1(完全長ヌクレオチドのORF)と同一であると特定されるが、本発明の1つの態様によると、活性型にはアミノ酸46〜501、22〜501、58〜501又は63〜501などのN末端がトランケートされた1種又は複数種のタイプがあり、他の活性型にはアミノ酸約450と452との間で終わるC末端トランケート型がある。全編で使用される番号付システムは、配列番号1の番号付に基づいている。
「活性断片」とは、上記で記述したβセクレターゼ酵素活性及び/又は本明細書でP10−P4’staD→V(配列番号6)と記載される阻害剤物質に結合する能力を含めたβセクレターゼの少なくとも1種の作用又は活性を保持するβセクレターゼ断片であるが、これらには限定されない。このような断片には、βアミロイド前駆体タンパク質を切断してβアミロイドペプチドを産生する能力を保持しているβセクレターゼ断片が考えられるが、これには限定されない。このような断片には、本明細書に記載したように、βセクレターゼの少なくとも350、より好ましくは、少なくとも400の連続したアミノ酸又は同類置換体が挙げられる。より好ましくは、この断片が、本明細書に記載したグリコシル化部位に変異を有する配列番号1として示した一次ポリペプチド構造によって特定且つ規定される構造的近似物中に活性なアスパルチル酸残基を含むことである。
「同類置換」とは、あるクラスのアミノ酸を同じクラスのアミノ酸によって置換することを指す。この場合、クラスは、自然に見られる相同タンパク質中の共通した生理化学的アミノ酸側鎖の性質及び高い置換頻度(例えば、標準Dayhoff頻度交換マトリックス(a standard Dayhoff frequency exchange matrix)又はBLOSUM マトリックス(BLOSUM matrix)によって決定される)によって規定される。アミノ酸側鎖の6つの一般クラスは、上記に記載のようにカテゴリー化されており、これにはクラスI(システイン);クラスII(セリン、スレオニン、プロリン、アラニン、グルタミン);クラスIII(アスパラギン、アスパギン酸、グルタミン、グルタミン酸);クラスIV(ヒスチジン、アルギニン、リジン);クラスV(イソロイシン、ロイシン、バリン、メチオニン):及びクラスVI(フェニールアラニン、チロシン、トリプトファン)が含まれる。例えば、アスパラギン、グルタミン又はグルタミン酸などのクラスIIIの他の残基をアスパラギン酸で置換するのは、同類置換と考えられる。
「最適アライメント」は、最高の%同一性得点を与えるアライメントと規定される。このようなアライメントとは、デフォールトPAMのデフォールトパラメターであるktup=1を使用する局所アライメントプログラムLALIGNなど、様々な市販の配列分析プログラムを使用して実行できる。好ましいアライメントは、オープンギャップペナルティー10.0、延長ギャップペナルティー0.1及びBLOSUM30類似性マトリックスを含めたデフォールトパラメターで操作するMacVector中のCLUSTAL−Wプログラムを使用するペアを作るアライメントである。
2種のアミノ酸又はポリヌクレオチド配列についての「%配列同一性」は、2種の配列を最適に並べたときのこれらの配列で同一である残基のパーセントを指す。したがって、80%のアミノ酸配列同一性とは、2種以上の最適に並べたポリペプチド配列において、80%のアミノ酸が同一であることを意味する。もし、第1の配列を第2の配列と最適に並べるために、第1の配列にギャップを入れる必要がある場合は、%同一性は、対応するアミノ酸残基と対になる残基のみを使用して算出される(即ち、算出には、第1の配列の「ギャップ」に入る第2の配列の残基は考えに入れない)。
第1のポリペプチド領域が、第2のポリペプチド領域に「対応」するという場合は、これらの領域を含む配列を、上記のように配列アライメントプログラムを使用して並べるとき、基本的に共に延長可能である場合である。対応するポリペプチド領域は、同一ではなくても似たような数の残基を含むのが標準的である。しかし、対応する領域は、お互いに残基の挿入又は欠損のみならずそれらの配列中に若干の差異を含んでいてもよい。
第1のポリヌクレオチド領域が、第2のポリヌクレオチド領域に「対応」するという場合は、これらの領域を含む配列を、上記のように配列アライメントプログラムを使用して並べるとき、基本的に共に延長できる場合である。対応するポリヌクレオチド領域は、同一ではなくても似たような数の残基を含むのが標準的である。しかし、対応する領域は、お互いに塩基の挿入又は欠損のみならずそれらの配列中に若干の差異を含んでいてもよい。
「配列同一性」という用語は、上記に規定したように並べた2種以上の並べた核酸又はアミノ酸配列が同一であることを意味する。
2種のポリペプチドの「配列同一性」は、1種のポリペプチドのアミノ酸配列及び保存性アミノ酸置換を第2のポリペプチドの配列に対し比較して決定する。80%のタンパク質配列同一性は、2種以上のタンパク質配列を並べた際、80%のアミノ酸残基が保存性アミノ酸残基、即ち保存性置換体であることを意味する。
「ポリヌクレオチド」及び「核酸」という用語は、互換的に使用され、標準的なポリヌクレオチドに対して水素結合できる塩基を支持するバックボーンを有するポリマー分子を指し、この場合、ポリマーのバックボーンとは、ポリマー分子と標準的なポリヌクレオチド(例えば単一鎖DNA)との間を配列特異的に水素結合させる塩基を与えるものである。このような塩基には、イノシン、アデノシン、グアノシン、シトシン、ウラシル及びチミジンなどが標準的である。ポリマー分子には二重鎖及び単一鎖の標準RNA及びDNA並びにそのバックボーンが修飾されたもの(例えば、メチルホスホネート)が含まれる。
「ハイブリダイゼーション」には、これによって核酸の鎖が、相補的核酸の鎖と塩基対によって合併される任意のプロセスが含まれる。したがって、厳密に言えば、この用語は、テスト配列を結合するための目的配列が相補性であること或いはその逆を指す。
「ハイブリダイゼーション条件」は、一部核酸結合複合体溶融温度(TM)又はプローブに基づくが、標準的には、ハイブリダイゼーションが測定される条件の「厳密さ」の程度によって分類される。様々な厳密さの程度(高、中、低)を決定する特異的な条件は、ハイブリダイゼーションを望むポリヌクレオチドの性質、特にGC含有量に依存し、当技術者分野に既知の方法に従って実験的に決定される。機能的には、ハイブリダイゼーションプローブと厳密な同一性を有する核酸配列を特定するには最高の厳密性条件を使用してもよいが一方、プローブと80%以上の厳密性を有する核酸配列を特定するためには高位の厳密性条件を使用する。
本明細書で使用される「遺伝子」という用語は、ポリペプチド鎖の作成に関与するDNAのセグメントを意味する、つまり、この「遺伝子」には、コード領域の前後の領域、例えば5’未翻訳(5’UTR)配列又は「リーダー」配列及び、3’UTR配列即ち「トレーラー」配列のみならず個々のコードセグメント(エクソン)間の介在配列(イントロン)が含まれる。
「単離された」という用語は、物質が元々あった環境(例えば、物質が自然のものであれば、自然環境から)除去されることを意味する。例えば、生きている動物に存在する自然発生のポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されないが、同種のポリヌクレオチド又はポリペプチドであっても、自然系に共存するいくつかの物質又はすべての物質から分離され、単離される。このような単離されたポリヌクレオチドはベクターの一部であってもよく、且つ/又はこのような単離されたポリヌクレオチド又はポリペプチドは、ポリペプチドを発現する組換えで産生された細胞(異種細胞)などの構成物の一部であってもよいし、このようなベクター又は構造物が自然環境の一部でない場合にも単離される。
「単離された」は、これをβセクレターゼをコードするポリヌクレオチド配列に適用する場合には、βセクレターゼのコード配列を含むポリヌクレオチド又はその活性断片を、(i)単独で、(ii)βセクレターゼのコード配列が優勢なコード配列である場合、融合タンパク質又はシグナルペプチドなどの他のコード配列と組み合わせて、(iii)例えばイントロンなどの非コード配列、及び適切なホストでのコード配列を発現させるのに有効なプロモーター及びターミネータ要素又は5’及び/又は3’未翻訳領域などのコントロール配列と組み合わせて、及び/又は(iv)βセクレターゼのコード配列が異種遺伝子であるベクター又はホスト環境で含むポリヌクレオチドとなる。
「異種DNA」「異種RNA」「異種核酸」「異種遺伝子」及び「異種ポリヌクレオチド」という用語は、それらが存在する細胞又はゲノムの一部にとって内因性でないヌクレオチドを指す。一般的に、このようなヌクレオチドは、細胞にトランスフェクション、マイクロインジェクション、電気穿孔又はその他の方法で付加されている。このようなヌクレオチドは一般的に少なくとも1種のコード配列を含むが、そのコード配列は発現される必要はない。
「異種細胞」という用語は少なくとも1種の異種DNA分子を含む組換えで産生される細胞を指す。
「組換えタンパク質」は単離され、精製され又は異種細胞中で発現されることで特定されたタンパク質であって、異種細胞とは、宿主細胞でこのタンパク質の発現を推進するように工作された組換え発現ベクターを一時的に或いは安定的に形質導入又はトランスフェクトした細胞である。
「発現」という用語は、異種核酸を細胞にトランスフェクトした結果、通常タンパク質がその細胞によって産生されることを意味する。
「共発現」は、目的の2種以上のタンパク質又はRNA種が、単一細胞中で発現するプロセスである。2種以上のタンパク質の共発現は、標準的には、このタンパク質のコード配列を担持する1種又は複数種の組換え発現ベクターを細胞にトランスフェクトすることで達成される。本発明の状況において、例えば、2つのタンパク質のうち1方又は両方が細胞にとって異種であれば、細胞は2種のタンパク質を「共発現」すると言うことができる。
「ベクター」又は「発現ベクター」という用語は、新規核酸と同化でき、新規配列を適切なホスト中で繁殖させることができる、つまり外来細胞中で異種DNA断片を取り込んだり発現したりできるような、核酸配列を有するポリヌクレオチドを指す。ベクターには、組換えプラスミド及びウィルスがあるがこれらには限定されない。本発明の核酸を含むベクター(例えば、プラスミド又は組換えウィルス)は、キャリア(例えば、タンパク質と複合したプラスミド、脂質ベースの核酸形質導入系又はその他の非ウィルス性キャリア系と複合したプラスミドなど)の中にあってもよい。適切な発現ベクターは、当業者の知識の範囲内で選択する。
「精製された」又は「実質的に精製された」という用語は、自然の環境から除去されるか、単離されるか又は分離された、ポリヌクレオチド又はポリペプチドであって、自然に結合している他の成分から少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95から99%遊離している分子を指す。以上にかかわらず、このような記載には、スプライス変異体又は他のタンパク質変異体(グリコシル化変異体)が同じサンプル中又は均一サンプル中に存在することを除外するものではない。
タンパク質又はポリペプチドは、これを含むサンプルが銀染色ポリアクリルアミド電気泳動ゲルで単一のバンドを示した場合、一般に「見かけ上均質となるまで精製されている」とみなされる。
「結晶化されたタンパク質」という用語は、溶液から共沈殿したタンパク質を意味する。純粋な結晶は、結晶のみからなるが、タンパク質にしっかり結合した他の成分を含む可能性がある。
「変異」ポリヌクレオチド配列は、基準ポリペプチドから1種又は複数種のアミノ酸だけが変化している「変異」アミノ酸配列をコードしていてもよい。変異ポリヌクレオチド配列は、「保存性」置換を含む変異アミノ酸配列をコードしてもよく、この場合、置換されたアミノ酸は、それが置き換わったアミノ酸と類似の構造的又は化学的特徴を有している。さらに又は代わって、変異ポリヌクレオチド配列は「非保存性」置換を含む変異アミノ酸配列をコードしてもよく、この場合置換されたアミノ酸は、それが置き換わったアミノ酸と異なる構造的又は化学的特徴を有している。変異ポリヌクレオチドはまた、変異アミノ酸配列をコードしてもよく、この変異アミノ酸配列は、アミノ酸挿入又は欠損或いはその両方を含む。さらに、変異ポリヌクレオチドは、基準のポリヌクレオチド配列と同様のポリペプチドをコードしていてもよいが、遺伝子コードの縮重のため、基準のポリヌクレオチド配列から一種又は複数種の塩基だけ変化しているポリヌクレオチド配列を有している。
「対立遺伝子変異」は、ポリヌクレオチド配列の代替型であって、コードされるポリペプチドの機能を実質的に変えることなく1種又は複数種のヌクレオチドの置換、欠損又は付加を有していてもよい。
「選択的スプライシング」は、多数のポリペプチド同型が単一遺伝子から生成するプロセスであって、遺伝子の全部ではないが数個の転写物がプロセッシングされる際、非連続のエクソンを一緒にスプライスすることを包含する。したがって、特殊なエクソンが、数個の代替エクソンのいずれかと結合してメッセンジャーRNAが形成され得る。選択的スプライシングされたmRNAは、ある部分は共通で他の部分が異なるポリペプチド(「スプライス変異体」)を生成する。
βセクレターゼの「スプライス変異体」とは、mRNA転写物に関連して言及する場合には、βセクレターゼ遺伝子からのコード領域、即ちエクソンの選択的スプライシングによって生成されるmRNAである。βセクレターゼの「スプライス変異体」とは、タンパク質自身に関連して言及される場合には、選択的にスプライスされたβセクレターゼのmRNA転写物によってコードされるセクレターゼ翻訳物である。
「変異体」アミノ酸又はポリヌクレオチド配列は、変異体アミノ酸配列又は変異体ポリヌクレオチド配列であり、これは、自然発生タンパク質の生物学的活性又は機能とは著しく違う変異体アミノ酸配列をコードしている。
「置換」とは、1種又は複数種のヌクレオチド又はアミノ酸が、異なるヌクレオチド又はアミノ酸にそれぞれ置換された結果生じる。
本明細書で使用される「変調」という用語は、本発明のポリペプチドの活性の変化を指す。変調は、分子の生物学的活性、結合特性、又は他の任意の生物学的、機能的、若しくは免疫学的特性の増加又は低下に関連し得る。
「拮抗剤」及び「阻害剤」という用語は、本明細書では互換的に使用され、本発明のポリペプチドに結合すると生物学的活性の持続期間を遮蔽、低下又は短縮することによって酵素の活性を変調させる分子を指す。本明細書で使用される拮抗剤はまた、「βセクレターゼ阻害剤」又は「βセクレターゼ遮蔽剤」とも呼ばれる。拮抗剤そのものは、ポリペプチド、核酸、炭水化物、脂質、小分子(通常1000kD未満)又はその誘導体或いは、酵素に結合して酵素活性を変調させる他のリガンドであってよい。
1つの態様では、本発明のBACEポリペプチド配列は、欠損した4つのN結合グリコシル化部位を少なくとも1部位有する。これら部位の欠損は、変異:N153Q、S174I、N223A、及びN354Sを1種又は複数種の図1に示す野生型BACE配列に導入することによって達成し得る。図2〜5を参照すると、これら配列の具体例が下記変異を有することが示され、下記のように呼称される。
Δ3−−N223A(図2、配列番号:2);
Δ2、3−−S174I及びN223A(図3、配列番号:3)
Δ1、2、3−−N153Q、S174I及びN223A(図4、配列番号:4);
Δ1、2、3、4−−N153Q、S174I、N223A及びN354S(図5、配列番号:5)。
本発明の別の態様では、配列は残基451後でトランケートされ、残基452がフラッグ配列で置換されてその後に終止配列が続いて、膜貫通及び細胞質ドメインが除かれている。本明細書でこれらの配列は、452フラッグ配列、例えば、Δ3−452フラッグと呼ばれる。別の態様では、本発明のBACEポリペプチドの膜貫通領域が、ヒスチジン標識で置換されている。このような配列は452H配列、例えば、Δ3−452Hと呼ばれる。
4つのN結合グリコシル化部位の重要性は、HEK293細胞中で配列番号2〜5を発現させようとしてわかった。Δ1、2、3−452フラッグ及びΔ1、2、3、4−452フラッグが発現しても、βセクレターゼの産生をもたらすことはなかった。これによって、哺乳類細胞中で適切に折り畳まれるためには、最初と最後の部位のグリコシル化が重要であるのではないかということが示唆される。対照的に、Δ3−452フラッグ及びΔ2、3〜452フラッグが発現すると、完全にグリコシル化された452フラッグに匹敵するレベルで溶解性βセクレターゼが分泌された。APP(本明細書ではMBP−C125Sweと呼ばれる)のスウェーデン変異体((Lys670AsnとMet671Leu二重変異)のC末端125アミノ酸に融合されたマルトース結合タンパク質(MBP)を含むバクテリア性融合蛋白に対する活性分析では、これら3つすべての蛋白(452フラッグ、Δ3−452フラッグ及びΔ2、3−452フラッグ)が、同様の特異的活性を有していた。これによって4つのN結合グリコシル化部位のうち少なくとも2部位は、BACEの安定化又は活性には必要でないことが示唆される。さらに、これら3つの配列のN末端シーケンスを行うと、これらの酵素が前駆体型から成熟蛋白へと、同程度までプロセスされることがわかった。
別の態様では、本発明は、選択的変異生成によって調製され、本発明のアミノ酸配列をコードする配列を有するBACE DNA構築物を提供する。これらのDNA構築物の調製は、当業者に公知の技法によって野生型BACEの部位特異的変異生成で達成できる。組換えBACEは、例えば、HEK293細胞又は他の適切な宿主細胞で、BACEをコードする、例えば、図1に示すアミノ酸配列の少なくとも一部分をコードするcDNAの少なくとも一部分を含む構築物を発現させることで産生することができる。この構築物は又、例えば、所望に応じて、組換えポリペプチドの精製及び/又は発現を助け得るその他のヌクレオチド配列を含むこともできる。
本発明の1つの態様は、バキュロウィルス発現系で産生される最小限にグリコシル化された溶解性BACEを提供することである。この系で発現され得る変異型は図2〜5の配列のいずれかを含めた、1箇所又は複数箇所のグリコシル化部位を欠くBACEポリペプチドであって、本発明の特殊な態様では、ヒスチジン標識を有する変異体Δ2、3が、膜貫通ドメイン(Δ2、3−452Hとして知られる)の代わりに産生され、これは変異体をコードするポリヌクレオチド配列を、バキュロウィルス発現ベクターpVL1392に挿入して、Sf9細胞中でこの配列を発現させることによって産生された。
加えて、バキュロウィルス発現系で産生されたBACE分子の相同性を高めるために、NINL変異をプロ配列切断部位R42434445に導入した。NINL(配列番号13)変異によって、切断部位のアミノ酸配列がR42434445からNINL(配列番号13)に変更される。この変異によって、通常のプロ領域プロセッシング部位及び4アミノ酸上流の部位が共に有効に切断できるようになり、その結果、未プロセッシングBACEタンパク質を低レベルから未検出レベルで有する物質となる。これは、異種混合物であるが、NINL(配列番号13)変異を使用して産生された2種の型は、わずか4アミノ酸のみ相違するだけである。サイズの小さな違いによって、完全に処理されたBACEと45アミノ酸プロ領域全体を含むBACEとの混合物を産生する野生型BACEのような物質よりも優れた、結晶を生成するための物質が提供される。したがって、NINL(配列番号13)変異によって、プロ領域のないBACEタンパク質の比較的均一な供給源が提供される。
本発明は単離された活性ヒトβセクレターゼ酵素を提供する。このβセクレターゼ酵素はさらに、必要に応じて精製された型で、アスパルチル(アスパラギン酸)プロテアーゼ又はプロテナーゼであるという特徴を有する。より完璧に規定すると、βセクレターゼは、米国特許第5,744,346号(全内容は、参照により本明細書に組み込まれている)に記載されるように、βアミロイド先駆体タンパク質(APP)からβアミロイドペプチドを産生させることに関与するタンパク質分解活性を示す。又或いはさらに、βセクレターゼは、配列KTEEISEVN[sta]VAEF(配列番号6、ここでstaはスタチン分子)を有するP10−P4’staD→Vと本明細書で記載される阻害物質に対し、やや高い親和性をもって結合する能力で特徴付けられる。このポリペプチドを作る手順は、米国特許第6,627,739号(全内容は参照により本明細書に組み込まれている)の実施例7に提供されている。
本発明の他の態様によると、酵素の変異体をコードするヌクレオチド配列を特定している。加えて、この酵素は、変異又は自然発生組換え酵素と同様のプロテアーゼ活性を有するトランケート型のような変化型で、発現がさらに変わることがある。本明細書に提供された情報を使用して、実践者らは、このタンパク質の種々の活性型をコードするDNAを利用可能な供給源から単離することができ、従来の発現系で、組換えを利用してこのタンパク質を発現できる。
βセクレターゼは、その活性及びアルツハイマー病、ダウン症候群及び他のCNS疾患に見られるような中枢神経系(CNS)において、アミロイドプラークの主成分である筋原線維性ペプチド成分を生成することに関与するため、特に重要である。したがって、本発明の有用な特徴には、例えば、このような疾患治療候補となる阻害剤物質をスクリーニングするために使用できる酵素の単離した型が含まれる。
本明細書に記載されたようなβセクレターゼのグリコシル化部位変異体は、酵素の結晶学的な構造及び座標を決定するための出発物質として使用できる。本明細書に記載した種々のBACE形はどれでも、結晶学的研究に使用できるけれども、BACEの最小限にグリコシル化された形は、完全にグリコシル化された形よりももっと簡単に結晶化される、より均一な分子を提供することが期待される。このような構造決定は、基質結合部位の形態及び大きさを規定するのに特に有用である。こうした情報は、酵素の基質阻害剤のデザイン及びモデル化に使用できる。本明細書で記述したように、このような阻害剤は、Aβペプチドアミロイド沈着によって特徴付けられるアルツハイマー病及び他のアミロイド疾病を治療する治療用分子の候補である。
βセクレターゼの結晶学的構造は、まずその精製されたタンパク質を結晶させて決定される。タンパク質、特にプロテアーゼを結晶化する方法は、現在当分野でよく知られている。実践者は、結晶学の一般的な原理について「タンパク質X線結晶学の原理」(Principles of Protein X−ray Crystallography;J.Drenth、Springer Verlag、NY 1999))を参照されたい。さらにタンパク質結晶を生成するためのキットが、ハンプトンリサーチ(Hampton Research(Laguna Niguel、CA))などの市販業者から一般に入手可能である。その他指導手引きが、プロテアーゼ阻害剤、特にアスパラギン酸プロテアーゼであるHIV−1及びHIV−2プロテアーゼについての結晶学領域で記載されている数多くの研究文献から得られる。
本明細書に記載の様々な型のβセクレターゼはいずれも結晶学的研究に使用できるが、ある態様では、配列番号1に示される配列の最初の45アミノ酸を欠損しているβセクレターゼが使用される。というのは、これが、ヒトの脳において最も顕著に自然発生する形と思われるからである。ポスト翻訳修飾のある型は、自家触媒的に働き最初の45アミノ酸を、かなり早いスピードで除去する。というのは、今日まで、自然発生的する酵素が、最初の45アミノ酸をすべて完全に保持して単離されたことは実際ないからである。本発明の別の態様では、推定される膜貫通領域は、結晶化される前に分子から取り除かれる。というのはこの領域は結晶化に必要ではなく、またこの領域のため、この分子の結晶化がより難しくなる可能性があるからである。
したがって、良好な結晶化候補は、ポリペプチド46−451を有するβセクレターゼ変異体型である。つまりこれは、この酵素断片の自然型は(a)自然発生のN末端を優先的に提供し、また(b)「粘着型」膜貫通領域を欠損する一方、(c)βセクレターゼ活性を保持しているからである。これに代えて、膜貫通ドメインに至る部分(約10−15アミノ酸)を延長させた延長部を有する酵素型を使用してもよい。一般的に、リガンド結合部位のX線結晶学座標を決定するために、(i)βセクレターゼ活性を示すか、及び/又は(ii)阻害剤リガンドであるP10−P4’staD→Vなどの既知の阻害剤と、P10−P4’staD→Vに対するβセクレターゼ[46−501]の結合親和性の少なくとも1/100の結合親和性をもって結合する酵素であれば、何型でも使用できる。したがって、その他のトランケート型の酵素が数多くこうした研究に使用できる。いずれの特異的型であっても、それをP10−P4’staD→V親和性マトリックスと接触させてその適性を評価できる。マトリックスに結合する酵素のトランケート型は、こうしたさらなる分析に適している。したがって46−451に加えて、実験では、残基419で終わる、より適切には46−419のトランケート型の自然発生βセクレターゼもまた親和性マトリックスに結合するので、βセクレターゼ変異型のX線結晶学的分析用候補タンパク質組成物の代替となり得る。より一般には、膜貫通ドメインの前で終わる酵素、具体的には、残基約419と452との間で終わる酵素であれば、いずれの型もこの点に関しては適切である。
上記に記載したように、N末端では通常最初の45アミノ酸が、細胞プロセッシング中に除去されることになる。他の自然発生的又は発現型も知られている。これらには例えば、残基22から始まるタンパク質、残基58から始まるタンパク質、残基63から始まるタンパク質が含まれる。しかしながら、残基1からはじまる全酵素の分析も、酵素についての情報を提供できる。この点で、例えば1−440などの中間型を含めた1−420から1−452などの他の型も有用となる。NINL(配列番号13)プロ領域が変異すると、46及び42で始まる型が生成される。このいくつかの型を混合した構造もまた有益であろう。一般に、活性型酵素のサブドメインについての構造を得る事もまた有用となる。
活性型を含めたタンパク質を精製する方法は既知である。さらに、タンパク質は、自然発生型(及び哺乳類発現される組み換え型)では明らかにグリコシル化されているので、本明細書に記載の変異タンパク質を発現させ、その変異タンパク質を、哺乳類タンパク質をグリコシル化しないバクテリア供給源から精製すること、又は昆虫細胞などの供給源中で発現させ、変異タンパク質に均一なグリコシレーションパターンを与えることが望ましい。これは、本発明のいくつかの態様において、除去されていないグリコシレーション部位について、均一な組成物を得るためになされる。適切なベクター及びこれを達成するためのコドンの最適化プロセスは、当分野で既知である。
発現及び精製の後、タンパク質は約1〜20mg/mlの濃度に調整される。他の結晶タンパク質について行われる方法に従って、緩衝液及び初期タンパク質溶液中に存在する塩濃度をできるだけ低いレベルまで低減する。これは、当分野に既知のマイクロ透析技法を使用してサンプルを開始緩衝液に対して透析することによって達成できる。緩衝液及び結晶学的条件は、タンパク質によっても異なり、また活性なβセクレターゼの断片によっても場合によって異なるが、最適結晶化条件を決定するための、例えばマトリックス法を使用して実験的に決定することができる(Drentz,J.、同上;Ducruix,A.ら編集.核酸及びタンパク質の結晶化:実践的アプローチ(Crystallization of Nucleic Acids and Proteins:A practical Approach)Oxford University Press、New York、1992)。
透析に続いて、タンパク質を結晶化するための条件の最適化を行う。一般に、最適化の方法には、タンパク質溶液の1μlの液滴を、pH及びイオン強度を変えた緩衝液であるウエル溶液1μlと混合して「グリッド」を作成することが含まれる。これらの液滴は、個々の密閉ウエル中に、例えば、市販容器に、標準的には「宙ぶらりん液滴」の形状で入れられる(Hampton Research、Laguna Niguel、CA)。沈殿/結晶化は、標準的には2日から2週間で発生する。沈殿及び結晶の形跡についてウエルをチェックし、条件の最適化を行って結晶を作成する。最適化された結晶は、大きさ又は形状によって判断するのではなく、結晶の回折性(3Å解像度より良好なもの)によって判断される。標準的沈殿剤には、硫酸アンモニウム(NHSO)、ポリエチレングリコール(PEG)及びメチレンペンタンジオール(MPD)が含まれる。使用されるすべての化学剤は、できるだけ等級の高いもの(例えばACS)にすべきであり、また使用前に当分野で既知の標準法によって再精製してもよい。
結晶化状態を決定するための実験用グリッドを形成する実験用緩衝液及び沈殿剤は市販されている。例えば、「クリスタルスクリーン」キット(Hampton Research)は、巨大分子の既知結晶化条件に偏って選択された試行条件であるスパースマトリックス法を提供する。これによって広範な領域のpH、塩、及び非常に少量のサンプル(50から100マクロリットル)の巨大分子を使用して沈殿物をすばやく処理するためのグリッドが提供される。このような研究では、1μlの緩衝液/沈殿物溶液を、等量の透析タンパク質溶液に添加し、混合物を少なくとも2日から2週間静置して、結晶化を注意深くモニターする。化学剤は、一般の市販供給業者から入手できるが、Hampton Research(Laguna Niguel、CA)から供給されるような結晶化研究用に適する純粋な等級を使用することが好ましい。一般的緩衝剤には、クエン酸、TEA、CITES、酢酸塩、ADA等(至適pHの範囲を提供する)があり、標準的には、約100mM濃度で使用する。標準的な沈殿剤には、(NHSO、MgSO、NaCl、MPD、エタノール、種々のサイズのポリエチレングリコール、イソプロパノール、KC1等(Ducruix)が含まれる。
結晶の特徴を改良する助けとなる種々の添加物が使用できる。これには下記パート2で記述するような基質類似物、リガンド又は阻害剤のみならずある種の添加物:
5%ジェファミン(Jeffamine)
5%ポリプロピレングリコールP400
5%ポリエチレングリコール400
5%エチレングリコール
5%2−メチル−2,4−ペンタンジオール
5%グリセロール
5%ジオキサン
5%ジメチルスルホキシド
5%n−オクタノール
100mM (NH4)2SO4
100mM CsC1
100mM CoSO4
100mM MnCl2
100mM KCl
100mM ZnSO4
100mM LiCl2
100mM MgCl2
100mMグルコース
100mM 1,6−ヘキサンジオール
100mM硫酸デキストラン
100mM 1,6ヘキサンジアミン
100mM 1,8ジアミノオクタン
100mMスペルミジン
100mMスペルミック
0.17mM n−ドデシル−β−DマルトシドNP40
20mM n−オクチル−β−D−グルコピラノシド
が含まれるがこれには限定されない。
完全長βセクレターゼ酵素は、少なくとも1種の膜貫通ドメインを含み、その精製には、活性剤(トライトンX−100)の使用が助けとなる。膜タンパク質は完全に結晶化することができるが、CG(8−アルキル−β−グルコシド)又はn−アルキル−マルトシド(CM)などの非イオン性活性剤を添加するなどの特化した条件が必要となる。このような活性剤は、多少実験的に選択されるが、ある種の活性剤が一般的に使用される。多くの膜タンパク質の「析出」は、高い濃度の塩を混合物に添加することにより成功を収めてきた。PEGもまた、多くの膜タンパク質を成功裏に沈殿させるのに使用されてきた(Ducruixら、同上)。
結晶化条件が決定すれば、多量のタンパク質が蒸気拡散法又は平衡透析法など当分野に既知の方法で結晶化できる。蒸気拡散法では、一滴のタンパク質溶液が、沈殿剤又は別の乾燥剤を含む多量の貯蔵溶液に対して平衡化される。密閉した後、タンパク質の超飽和濃度を達成するため溶液を平衡化させ、これによって液滴中の結晶化が誘導される。
低イオン強度でのタンパク質の結晶化に平衡透析が使用できる。このような状況下、「塩溶」として知られている現象が起こり、これによってタンパク質分子が、他のタンパク質分子との相互作用を通して静電気的電荷バランスを達成する。この方法は、タンパク質の溶解性が低イオン強度で低い場合には特に有効である。下部で曲げることができる毛細管の底に透析膜が付いているマイクロ拡散細胞を含め様々な機器及び方法が使用される。最終的結晶化条件は、外液の組成をゆっくり変えることで達成される。これらの方法の変法としては、濃度勾配平衡透析設備が使用される。マイクロ拡散細胞は、Hampton Research(Laguna Niguel、CA)などの市販業者から入手可能である。
一旦結晶化が達成されると、結晶は純度(例えばSDS−PAGE)及び生物学活性について特徴付けられる。大きな結晶(>0.2mm)はX線回折の解像度を、好ましくは10−1.5オングストロームのオーダーで、高めるので好ましい。選択された結晶は、シンクロトロン源又は回転陽極発生器など強い単色X線供給源を使用したX線回折に供され、得られたX線回折パターンを当分野に既知の方法を使用して分析する。
1つの応用例では、βセクレターゼアミノ酸配列及び/又はX線回折データはコンピューター読み取り可能な媒体(読み取り可能であってコンピューターが直接アクセスできる任意の媒体を意味する)に記録される。これらのデータは、酵素、酵素のサブドメイン又は酵素のリガンドのモデルを作るために使用し得る。この応用例に有用なコンピューターの計算法は、公に入手可能でありまた市販されている。
本発明はさらに、例えば、下記に記述する標準法に準拠してこのタンパク質をコードするポリヌクレオチドを標準の発現ベクターに挿入して、適切な宿主細胞にトランスフェクトすることによる、上記記載のアスパルチルプロテアーゼファミリーのメンバーのクローニング及び発現を包含する。例えば、本明細書に記載のヒトβセクレターゼ酵素を発現するような発現ベクター及び細胞は、例えば、本明細書で記述したスクリーニングアッセイのための構成物(精製酵素又はトランスフェクト細胞)を産生する際のユーテイリティーを有する。このように精製された酵素はまた、酵素を結晶化するための出発物質を提供する際のユーテイリティーを有する。
本発明によると、本明細書でまとめて「ヒトβセクレターゼ」と呼ぶヒトβセクレターゼ、スプライス変異体、タンパク質の断片、融合タンパク質、又はそれらの機能的同等物をコードするポリヌクレオチド配列は、適切な宿主細胞中でβセクレターゼの発現を指示する組換えDNA分子中で使用してもよい。遺伝子コードの固有の縮重により、実質的に同等又は機能的に同等アミノ酸配列をコードする他の核酸配列を、βセクレターゼをクローン及び発現するために使用してもよい。当業者にとって、このような変更は容易に了解できるであろう。
本発明のポリヌクレオチドは、様々な理由でβセクレターゼコード配列を変更するために工作できる。その変更には、遺伝子産物のクローニング、プロセッシング及び/又は発現を修飾する変更が含まれるがこれには限定されない。例えば、当分野によく知られている技法、例えば部位特異的変異生成を使用して変更を導入して新規制限部位を挿入したり、グリコシル化パターンを変更したり、コドンの優先順位を変えたり、スプライス変異体を産生してもよい。例えば、自然には発生しないコドンをプロセッシングするβセクレターゼをコードする核酸配列を産生することは有益であるかもしれない。例えば、βセクレターゼポリペプチド発現率を高めるため、又は自然発生的配列から産生される転写物よりも半減期が長いといった望ましい特性を有する組換えRNA転写物を産生するために、特殊な原核類又は真核類ホスト(Murray,E.ら(1989)Nuc.Acids Res.17:477−508)によって好まれるコドンが選択できる。これは、バクテリア性、酵母又は昆虫細胞などの非哺乳類細胞で組換え酵素を産生する際に特に有用であり得る。本発明はまた、上記に広く記載された配列を1種又は複数種含む組換え構築物を包含する。こうした構築物には、本発明の配列が、順配向又は逆配向に挿入されているプラスミドベクター又はウィルスベクターなどのベクターが含まれる。本実施形態の好ましい態様では、構築物は調整配列をさらに含み、これは例えば操作可能にこの調整配列に連結されたプロモーターを含む。適切なベクター及びプロモーターは数多く当業者に知られておりまた市販されている。原核性及び真核性ホストの使用に適切なクローニング及び発現ベクターはSambrookら(同上)にも記載されている。
本発明はまた、本発明のベクターで遺伝子工学的に工作した宿主細胞及び組換え技法によって本発明のタンパク質及びポリペプチドを産生することに関する。宿主細胞は、例えば、クローニングベクター又は発現ベクターであってもよい本発明のベクターで遺伝子工学的に工作(例えば、形質導入、トランスフォーム又はトランスフェクト)される。ベクターは、例えば、プラスミド、ウィルス粒子、ファージなどの形であってもよい。工作された宿主細胞は、プロモーターを活性化するため、トランスフォーム体を選択するため又はβセクレターゼ遺伝子を増幅するために、適切に修飾した慣用の栄養培地で培養できる。温度、pH及びその他の培養条件は、発現用に選択した宿主細胞で先に使用したものであり、当業者には自明であろう。
上記に記載したように、本発明の好ましい実施形態によると、細胞環境において活性を測定するために、宿主細胞にはAPP(野生型又はスウェーデン変異型など)などの酵素基質と共にトランスフェクトできる。このような宿主細胞は、特に細胞膜を貫通することができる治療薬をスクリーニングするための本発明のスクリーニングアッセイにおける特別なユーテイリティーである。
本発明のポリヌクレオチドは、ポリヌクレオチドを発現させるために適切なベクターであればいずれに入れてもよい。このようなベクターには、例えば、SV40の誘導体などの染色体DNA配列、非染色体DNA配列及び合成DNA配列、バクテリア性プラスミド、ファージDNA、バキュロウィルス、酵母プラスミド、またプラスミドとファージDNAとの組合せから派生するベクター、ワクシニア、アデノウィルス、鶏痘ウィルス並びに仮性狂犬病ウィルスなどのウィルスDNAが含まれる。しかし、ホスト中で複製可能であり生存可能である限りその他の任意のベクターを使用してもよい。適切なDNA配列を様々な手段によってベクターに導入してもよい。一般に、DNA配列は適切なエンドヌクレアーゼ制限部位に当分野に既知の手段で挿入する。このような手段及び関連するサブクローン手法は、当業者の範疇であるとみなされる。
発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指示する適切な転写コントロール配列(プロモーター)に操作可能に連結している。このようなプロモーターには、CMV、LTR又はSV40プロモーター、大腸菌Lac又はTrpプロモーター、ファージラムダPLプロモーター及び原核又は真核細胞或いはそれらのウィルス中で遺伝子の発現をコントロールすることが知られるその他のプロモーターが含まれる。発現ベクターにも、翻訳開始のためのリボソーム結合部位及び転写ターミネータが含まれる。このベクターにはまた、発現を増幅するための適切な配列が含まれていてもよい。さらに、発現ベクターには、トランスフォームされた宿主細胞を選択するための表現特質を提供するために、真核細胞培養用ジヒドロ葉酸還元酵素又はネオマイシン耐性、或いは大腸菌におけるテトラサイクリン又はアンピシリン耐性などの1種又は複数種の選択マーカー遺伝子が含まれていてもよい。
上記記載のような適切なDNA配列のみならず適切なプロモーター又はコントロール配列を含むベクターを使用して、適切なホストをトランスフォームしてホストにタンパク質を発現させるようにしてもよい。適切な発現ホストの例には、大腸菌、ストレプトミセス、及びネズミチフス菌などのバクテリア細胞、酵母などの菌類細胞、ショウジョウバエ、スポドプテラSf9などの昆虫細胞、CHO、COS、BHK、HEK293又はBowesメラノーマなどの哺乳類細胞、アデノウィルス、植物細胞、その他などが含まれる。すべての細胞又は細胞系が十分に機能的なβセクレターゼを産生可能とは限らないことは了解されよう。本明細書の教示から適切なホストを選択することは、当業者の範疇であるとみなされる。本発明は使用された宿主細胞によって限定されることはない。
バクテリア系では、多くの発現ベクターをβセクレターゼ用に使用されることを目的として選択してもよい。例えば、抗体誘導のためβセクレターゼ又はその断片を大量に必要とする場合、容易に精製される融合タンパク質を高レベルで発現するベクターが望ましい。このようなベクターには、Bluescript(登録商標)(ストラータジーン(Stratagene、La Jolla、CA))(この場合、βセクレターゼのコード配列が、ハイブリッドタンパク質を産生するようにβガラクトシダーゼのアミノ末端メチオニンから及びそれに続く7残基までの配列と共にベクターのフレーム内に連結されていてもよい)、pINベクター(Van Heeke & Schuster(1989)J Biol Chem.264:5503−5509)、pETベクター(Novagen、Madison、WI)及びその他などの多機能性大腸菌クローニング及び発現ベクターがあるが、これらには限定されない。
酵母(Saccharomyces cerevisiae)では、アルファファクター、アルコールオキシダーゼ、PGHなどの構成的又は誘導的プロモーターを含む多くのベクターが使用可能である。参考として、Ausubelら(同上)及びGrantら(1987;酵素学における方法(Methods in Enzymology)153:516−544)を参照されたい。
植物性発現ベクターを使用する場合、βセクレターゼをコードする配列の発現は、多くのプロモーターのうちいずれによって推進されてもよい。例えば、CaMV(Brissonら(1984)Nature 310:511−514)の35S及び19Sプロモーターなどのウィルス性プロモーターを単独で又はTMV(Takamatsuら(1987)EMBO J 6:307−311)由来のΩリーダー配列と組み合わせて使用してもよい。これに代えて、RUBISCO(Coruzziら(1984)EMBO J 3:1671−1680;Broglieら(1984)Science 224:838−843)の小ユニット、又はヒートショックプロモーター(Winter J and Sinibaldi RM(1991)Results.Probl.Cell Differ.17:85−105)などの植物性発現プロモーターを使用してもよい。これらの構築物は、直接的なDNAトランスフォーメーション又は病原菌の媒介によるトランスフェクションによって植物細胞に導入することができる。このような技法の参考として、Hobbs S又はMurry LE(1992)、McGraw Hill Yearbook of Science and Technology、McGraw Hill、New York、NY、pp.191−196;又はWeissbach and Weissbach(1988)、植物分子生物学のための方法(Methods for Plant Molecular Biology)、Academic Press、New York、NY、pp.421−463)を参照されたい。
βセクレターゼはまた、昆虫系で発現し得る。このような系の例には、バキュロウィルス又はオウトグラファカルフォルニカ(Autographa californica)核多角体病(AcNPV)をベクターとして使用し、外来遺伝子をスポドプテラフルギペルダ(Spodoptera frugiperda)Sf9細胞又はトリコプルジア(Trichoplusia)幼虫中で発現させる系がある。βセクレターゼコード配列は、このウィルスのポリヘドリン遺伝子などの不必要な領域にクローンしてポリヘドリンプロモーターのコントロール下に置かれる。AcNPVについては、Kv−SLコード配列の挿入が成功すれば、ポリへドリン遺伝子が不活性化され、コートタンパク質被覆を欠いた組換えウィルスが産生される。次に組換えウィルスを使用して、βセクレターゼが発現されるスポドプテラフルギペルダ(Frugiperda)細胞又はトリコプルジア(Trichoplusa)幼虫を感染させる(Smithら(1983)J Virol 46:584;Engelhard EKら(1994)Proc.Nat Acad Sci.91:3224−3227)。
哺乳類宿主細胞において、多くのウィルスベースの発現システムが利用され得る。アデノウィルスを発現ベクターとして使用する場合、βセクレターゼコード配列を、後期プロモーター及び3部からなるリーダー配列から構成されるアデノウィルスの転写/翻訳複合体に連結してもよい。ウィルスゲノムの不必須領域E1又はE3に挿入すると、感染した宿主細胞でこの酵素を発現できる生存ウィルスが得られる(Logan及びShenk(1984)Proc Natl Acad Sci 81:3655−3659)。さらに、ラウス肉腫ウィルス(RSV)エンハンサーなどの転写エンハンサーを使用して、哺乳類宿主細胞での発現を高めてもよい。
βセクレターゼコード配列を有効に翻訳するためには、特定の開始シグナルも必要となる。これらのシグナルには、ATG開始コドン及び近隣の配列が含まれる。βセクレターゼコード配列の場合、その開始コドン及びその上流配列が適切な発現ベクター中に挿入されているので、他の転写コントロールシグナルは必要とされない。しかしコード配列のみ又はその一部が挿入されている場合は、ATG開始コドンを含めた外因性転写コントロールシグナルを提供しなければならない。さらに、開始コドンは、全挿入物の転写を確実に行うために正しい読み取り枠になければならない。外因性の転写要素及び開始コドンは、その起源は様々であってよく、自然由来であっても合成であってもよい。発現効率は使用する細胞系に適切なエンハンサーを含めることで高めてもよい(Scharf Dら(1994)Results Probl Cell Differ 20:125−62;Bittnerら(1987)酵素学における方法(Methods in Enzymol)153:516−544)。
さらなる実施形態において、本発明は上記記載の構築物を含む宿主細胞に関する。宿主細胞は哺乳類或いは昆虫細胞などの高位の真核細胞であっても或いは酵母細胞などの低位の真核細胞であってもよく、又は宿主細胞はバクテリア細胞などの原核細胞であってよい。宿主細胞への構築物の導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン媒介トランスフェクション又は電気泳動(Davis,L.、Dibner,M.、及びBattey,I.(1986)、分子生物学の基本方法(Basics Methods in Molecular Biology))又は「FUGENE」(Roche Molecular Biochemicals、Indianapolis、IN)或いは「EFFECTENE」(Quiagen、Valencia、CA)による脂質トランスフェクションを含めた新規方法、或いは他のDNA担体分子によって行われる。無細胞翻訳系も、本発明のDNA構築物由来のRNAを使用したポリペプチドを産生するのに使用できる。
宿主細胞株は、挿入された配列の発現を修飾する能力又は発現されたタンパク質を所望の方法でプロセスする能力で選択される。このようなタンパク質の修飾にはアセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化及びアシル化が含まれるがこれらには限定されない。タンパク質の「プレプロ」型を切断する翻訳後プロセッシングも、正しい挿入、折り畳み、及び/又は機能のために重要であり得る。例えば、βセクレターゼの場合、N末端は切除され易く、その結果タンパク質が、例えばアミノ酸22、46、又は57−58から始まる。CHO、HeLa、BHK、MDCK、293、WI38などの様々な宿主細胞は、このような翻訳後の作用について特殊な細胞機構及び特徴的なメカニズムを有し、導入された外来タンパク質の正しい修飾及びプロセッシングを確実に行うために選択され得る。
長期的に組換えタンパク質を高生産するためには、安定した発現が好ましい。例えば、βセクレターゼを安定的に発現する細胞系を、ウィルス性複製オリジン又は内在的発現要素及び選択マーカー遺伝子を含む発現ベクターを使用してトランスフォームしてもよい。ベクターを導入した後、選択培地に移行させる前に、細胞を1〜2日、エンリッチ培地で生育させる。選択マーカーの目的は、選択のために抵抗性を与えることであり、選択マーカーの存在により、導入された配列を発現することができる細胞の成長及び回収が可能になる。安定的にトランスフォームされた細胞の抵抗性細胞塊は、細胞の種類に適した組織培養技法を使用して増殖できる。
βセクレターゼをコードする核酸配列によってトランスフォームされた宿主細胞は、コードされたタンパク質の発現及び細胞培養物から回収に適する条件下で培養してもよい。組換え細胞によって産生されたタンパク質又はその断片は、使用された配列及び/又はベクターに依存して、分泌型、膜結合型又は細胞内在性となる。当業者によって理解されるように、βセクレターゼをコードするポリヌクレオチドを含む発現ベクターは、βセクレターゼのポリヌクレオチドを原核又は真核細胞膜を通して直接分泌することを指示するシグナル配列を有するようにデザインできる。
βセクレターゼはまた、タンパク質精製を促進するために付加された1種又は複数種の付加ポリペプチドドメインを有する組換えタンパク質として発現されてもよい。このような精製促進ドメインには、固定された金属上で精製できるヒスチジン−トリプトファンモジュールなどの金属キレートペプチド、固定化されたイムノグロブィン上で精製できるプロテインAドメイン、及びFLAGS伸張/親和性精製システムで利用されるドメイン(Immunex Corp、Seattle、Wash.)があるがこれらには限定されない。プロテアーゼ切断可能ポリペプチドリンカー配列をこの精製ドメインとβセクレターゼとの間に包含させると、精製を促進するのに有用である。このような発現ベクターは、エンテロキナーゼ切断部位で分離されるポリヒスチジン領域に融合したβセクレターゼを含む融合タンパク質(例えば溶解性βセクレターゼ断片)を発現する。このヒスチジン残基は、IMIAC(固定化金属イオン親和性クロマトグラフィー、Porathら(1992)、タンパク質の発現及び精製(Protein Expression and Purification 3:263−281に記載))での精製を促進する一方、エンテロキナーゼ切断部位が、βセクレターゼを融合タンパク質から単離する手段となる。またpGEXベクター(Promega、Madison、WI)も、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)を有する融合タンパク質である外来ポリペプチドを発現させるために使用し得る。一般に、このような融合タンパク質は可溶性であって、リガンド−アガロースビーズ(例えば、GST融合物の場合はグルタチオン−アガロース)に吸着させ、その後、遊離リガンドの存在下で抽出させることにより、溶菌細胞から簡単に精製できる。
適切なホスト株をトランスフォームさせ、そのホスト株を適切な細胞密度まで成育した後、選択されたプロモーターを適切な手段(例えば、温度をシフトさせて化学誘導)で誘導して、細胞をさらにある期間培養する。細胞は、遠心で標準的に回収し、物理的又は化学的手段で破砕し、その結果得られた粗抽出物をさらなる精製に備えて保持しておく。タンパク質の発現に使用する微生物細胞は、冷凍解凍サイクル、音波、機械的破砕又は細胞用菌剤の使用或いは他の方法を含む当業者に公知の任意の従来法で破砕できる。
βセクレターゼは、当分野に既知の数多くの方法の内いかなる方法によっても組換え細胞培養物から回収し精製できる。成熟タンパク質の構造を完成させるにあたって、必要に応じて、タンパク質の再折り畳みステップを行ってもよい。
本発明はまた、本明細書に記載したβセクレターゼの活性に阻害効果を与え、一般的には酵素の阻害剤、拮抗剤又は遮蔽剤と呼ばれる、合成医薬品、抗体、ペプチド、又は他の分子などの分子を特定するための方法を包含する。このようなアッセイには、配列番号2〜5からなるβセクレターゼなどのヒトβセクレターゼを提供するステップが含まれ、或いはより具体的には、本発明を参照して、その保存性置換も含む配列番号2〜5と少なくとも90%同一のアミノ酸配列を含み、本明細書に記載されたようにβセクレターゼ活性を示す、長さ約450アミノ酸残基の単離されたタンパク質を提供するステップが含まれる。βセクレターゼ酵素を試験化合物と接触させ、酵素の活性を変調させる効果を有するかどうかを下記に記載されるように決定し、試験化合物からβセクレターゼ活性を変調させることができるものを選択する。特に、阻害性化合物(拮抗剤)は、アミロイド沈着に関連する病的状態、特にアルツハイマー病を治療するのに有用である。当業者なら、このようなアッセイが簡便にキット化されるであろうことが了解されるであろう。
特に有用なスクリーニング分析では、βセクレターゼ及びAPPの両者を発現する細胞を使用する。このような細胞は、タンパク質をそれぞれコードするポリヌクレオチドを一緒にトランスフェクトすることにより組換えで作成できるか又は自然にこれらタンパク質のうち1種を含む細胞に第2のタンパク質をトランスフェクトすることによって作成できる。具体的な実施形態では、このような細胞を多数ウエル培養皿で生育させ、様々に濃度を変えてある試験化合物又は化合物類に、実験的な決定ができる所定の時間接触させる。対照(下記に記載)と比べて著しく活性を阻害する試験化合物を治療薬候補とみなす。
単離されたβセクレターゼ、そのリガンドに結合する、触媒的又は免疫性の断片或いはそのオリゴペプチドが、様々なドラッグスクリーニング技法の内のどの方法においても、治療用化合物をスクリーニングするために使用できる。このようなテストに使用されるタンパク質は、膜に結合、溶液中で遊離、固体支持体に固定、細胞表面で産生又は細胞内に存在していてもよい。βセクレターゼと被テスト剤との間の結合複合体の形成が測定できる。APP又はAPP断片などのβセクレターゼとその基質の結合を阻害する化合物が、このようなアッセイで検出され得る。酵素活性をモニターし、このような活性を阻害する能力を基にして候補化合物を選択することが好ましい。即ち、測定されたβセクレターゼの活性が、試験化合物非存在下で測定されたβセクレターゼ活性よりも著しく低ければ、試験化合物はβセクレターゼの阻害剤としてみなされることになる。このような状況で、「著しく低い」という用語は、試験化合物存在下で、酵素が酵素活性を示すが、この酵素活性を試験化合物非存在下で測定した酵素活性を比較した場合、アッセイの信頼限界内で、ある測定できる程度に低いことを意味する。このような測定値は、K及び/又はVmax2シングルアッセイ終点分析又は当分野の標準である他の方法において、変化によって評価される。
例えば、前記の研究に基づいて、MBP−C125swe分析では、化合物がそのβセクレターゼ活性を阻害する能力を基に選択できる。さらなるスクリーニングに供するためには、約50μM未満の濃度で酵素活性を阻害する化合物が選択できる。
活性阻害剤の最も有望な候補化合物のグループには、本発明のまた別の態様が含まれる。前記研究で、P10−P4’staD→V(配列番号6)として本明細書に記載されたペプチド化合物は、理にかなって有力な酵素阻害剤である。この配列及びこの配列のペプチド擬晶部分を基にしたさらなる研究では、多くの小分子阻害剤が解明されている。
ペプチド又は他の化合物のランダムなライブラリーもまた、βセクレターゼ阻害剤としての適性についてスクリーニングできる。一歩ずつ合成できる多種類の化合物について組合せライブラリーが作成できる。このような化合物には、ポリペプチド、βターン模擬物、多糖類、リン脂質、ホルモン、プロスタグランジン、ステロイド、芳香族化合物、複素環式化合物、ベンゾジアゼピン、オリゴマーN置換グリシン及びオリゴカルバメイトが含まれる。化合物の巨大な組合せライブラリーが、アフィマックス社(Affymax)の国際公開番号WO95/12608、アフィマックス社の国際公開番号WO93/06121、コロンビア大学国際公開番号WO94/08051、薬局方、国際公開番号WO95/35503及びスクリプス国際公開番号WO95/30642(それぞれは、すべての目的のため引用によって取り込む)に記載のコード化合成ライブラリー(ESL)法によって構築できる。
組合せライブラリー及び他の化合物は、本明細書で記載したアッセイのいずれか或いは当分野に既知の方法でβセクレターゼに結合する能力、より好ましくはβセクレターゼの活性を阻害する能力を決定することによってまず適合性についてスクリーニングされる。このようなスクリーニングで特定された化合物はさらにこのような分析で効力について分析される。次に阻害剤化合物は予防及び治療効果について、アミロイド性疾患に罹りやすくした、ヒトAPPを含むトランス遺伝子を担持する様々な齧歯類、例えばGamesら、Nature 373:523−527、1995及びWadsworthら(米国特許第5,811,633号、第5,604,131号、第5,720,936号)に記載のAPPの717変異を持つマウス、及びMcConlogueら(米国特許第5,612,486号)及びHsiaoら(米国特許第5,877,399号);Staufenbielら、(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、13287−13292(1997);Struchler−Pierratら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94、13287−13292(1997);Borcheltら、(Neuron 19、939−945(1997))(これらはすべて引用によって本明細書に取り込む)に記載のようなAPPのスウェーデン変異などの種々のねずみなどのトランスジェニック動物でテストすることができる。このような動物モデルで有効且つ安全であるとわかった化合物又は作用剤は、さらに標準毒性分析でテストすることになる。適切な毒性且つ動的薬理学的特性を示した化合物は、アルツハイマー疾患及びその関連疾患を治療するためのヒト臨床試験に移行される。同様のスクリーニング手法が、上記に記載のタンパク質模倣物などの他の有力な作用剤に使用できる。
一般に、以上のアッセイに基づいて治療用化合物を選択する際に、試験化合物が、例えば種々のインビトロ細胞及び動物モデルで、許容可能な毒性特性を有するかどうかを決定することが有用である。また、テストして特定した化合物を、現存の化合物データベースを対照にサーチし、化合物又はその類縁体が以前に医薬目的で使用されたかどうか、使用されたのであれば、最適な投与経路及び投薬量範囲を決定することもまた有用であろう。また、投与経路及び投薬量範囲は、例えば、トランスジェニックPDAPP動物モデル(例えばGames,D.ら、Nature 373:523−527、1995;Johnson−Wood,K.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:1550−1555、1997)などの標準動物モデルに適用される当分野に既知の方法を使用して実験的に決定できる(Benet,L.Z.ら、Pharmacokinetics in Goodman & Gilman’s治療薬の薬理学的ベース(The Pharmacological Basis of Therapeutics)、第9版、Harmdan,J.G.ら編集、McGraw−Hill、New York、1966参照のこと)。化合物の活性及び/又は特異性を最適化するために、より大きな特異性及び/又は活性を有する類似物をサーチするために、近隣の類似物のライブラリーを構築することが望ましい。近隣及び/又は目的の化合物ライブラリーを合成する方法は、組合せライブラリー分野で既知である。
また実践者には、例えば、本明細書に提供された方法に従って精製された酵素を結晶化することによって酵素の結合部位をさらに精製するための豊富なガイダンスが提供される。HIVプロテアーゼ阻害剤開発の領域で享受されてきたこの分野での成功に注目すれば、このような努力によって、本明細書に記載された試験化合物がさらに最適化されると考えられる。最適化された化合物が手に入れば、化合物のファルマコフォアを規定することが可能となり、さらに、はじめに発見された化合物と二次構造組成が異なるかもしれないが共通のファルマコフォア及び活性を共有している他の化合物を特定するために現存の、例えば、トリプロス(Tripros)によって提供されるファルマコフォアのデータベースをサーチすることが可能となる。試験化合物は本明細書に記載の任意の阻害アッセイで、その開発の様々な段階で分析される。したがって、本発明には、本明細書で記載した任意の方法、具体的には、阻害分析及び結晶化/最適化プロトコールによって発見されるβセレクターゼの阻害剤が含まれる。このような阻害剤はアルツハイマー病のみならずAβペプチド沈着を特徴とする他のアミロイド症を治療するための治療薬の候補である。上記パートBで記述した治療指標(毒物学)、生物利用性及び投与量に関する考察もまた、これらの治療剤候補について考えるためには重要である。
本発明はまた、βセレクターゼ活性を高める変異を担持している個人を診断する方法も提供する。例えば、原因となる遺伝疾患がいまだ確認されていない家族性アルツハイマー病の型が存在する。遺伝的に罹患しやすい家族のメンバーは、βセレクターゼ及び/又はそのプロモーター領域をコードする核酸配列の変異についてモニターできる。というのは、本明細書の教示に照らすと、酵素を過剰発現している個人又はこの酵素を触媒的により有効な形で所有する個人は、Aβペプチドを比較的多く産生すると思われるからである。この仮定は本明細書で報告した、細胞中のAβの産生はβセレクターゼ酵素の量によって律速されるという観察によってサポートされる。
即ち、疾患に罹りやすい傾向を有すると疑われる人又はすでに疾患に罹患している人のみならず一般の人は、その細胞(例えば血液細胞又は繊維芽細胞であってもよい)のサンプルを得て、そのサンプルをβセレクターゼ遺伝子の遺伝的変異の有無について、例えば、本明細書に記載の配列番号1と比較してテストすることによってスクリーンしてもよい。又は或いはさらに、このような個人由来の細胞は、βセレクターゼ活性についてテストできる。本実施形態によると、具体的な酵素調製物は、本明細書に記載したようなMBP−C125swenなどのβセレクターゼ基質について親和性及び/又はVmaxの増加について、一般集団中で測定された正常値の範囲と比較してテストしてもよい。βセレクターゼ活性が通常値と比較して増加した個人は、Aβペプチドの堆積が関与するアルツハイマー病又は他のアミロイド性疾患に罹りやすい傾向にある。
下記に実施例を提供するが、この目的は上記に上位概念語で記載した本発明の範囲を限定することではない。この開示に引用した引用文献はすべて参照により本明細書に組み込まれている。
(実施例1)
BACEの調製
BACEをコードするcDNAを、発現を指示するCMVプロモーター及びCOS細胞においてプラスミドの複製を推進するSV40複製起源を含む哺乳類発現ベクター中に挿入した。この発現カセットを、FuGENE(商標)試薬(Roche Applied Science)を使用してCOSA2細胞にトランスフェクトした。細胞のペレットをトランスフェクション後48時間して採集した。凍結細胞ペレットを20mM HEPES、2mM EDTA、5μg/mlE−64、10μg/mlペプスタチン、1mMフェニルメチルスルホニルフッ化物、pH7.5中でホモジェナイズした。膜分画粗製物を15,000×gで40分間の遠心分離で回収した。膜ペレットを20mMトリス、2mM EDTA、0.2%トリトンX−100中、5μg/mlE−64、10μg/mlペプスタチン、1mMフェニルメチルスルホニルフッ化物、pH7.5で抽出した。この抽出物を4体積量のSP緩衝液(20mM酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.2%トリトンX−100、60mM塩化ナトリウム、pH5.0)で希釈し、HiTrap(商標)SPカチオン交換カラム(Amersham Biosciences)に通した。BACEをSinhaら(Nature、1999)に記載のように、P10−P4’staV−セファロース上で親和性クロマトグラフによってSP流から精製した。親和性精製したBACEは、銀染色SDSポリアクリルゲルによって均質化した。
本研究に使用したヒト脳のβセクレターゼは、ヒト脳膜分画のトリトンX100抽出物から、Sinhaら(Nature、1999)よって前記に記載のように、WGAアガロース及びSPカチオン交換を使用して、部分的に精製した。SP流をトリス塩基でpH7.5に調整して、HiTrap(商標)Qカラム(Amersham Biosciences)に適用し、そこで50mMから450mM塩化ナトリウム勾配により、20mMトリス、pH7.5、2mM EDTA及び0.2%水添トリトンX−100(Calbiochem)中で抽出を行った。βセクレターゼ活性を含む画分をプールし、アリコットして冷凍保存した。
(実施例2)
BACE細胞外ドメイン構築物の調製
膜トランケートBACEのC末端フラッグエピトープ標識構築物を、BACEcDNA鋳型(Sinhaら)を使用し、非相補性BamHI部位(下の事例)をコードする下記順方向プライマーでPCRにより工作した。
Figure 0004739192

及び逆方向プライマー(下記事例ではフラッグ標識配列をプラス)
Figure 0004739192

2つの逆方向プライマーは、PCR増幅断片のクローニングを促進するためSalI部位を含んでいた。増幅断片をDNA配列確認のため、pCRScript(登録商標)(Stratagene)にクローンした。452トランケート構築物をコードするcDNA挿入物を、pIRES−EGFP(Clonetech)にサブクローンした。このクローンを、pSV2Neo(Clonetech)と一緒にA293細胞中に共トランスフェクトし、抗菌剤耐性細胞を選択して大量に増幅させた。大量の選択した細胞を、限界希釈法によりクローンし、またフローサイトメトリーで選別し、中レベル又は高レベルのEGFPを発現する濃縮細胞集団を産生した。細胞を50μMエタノールアミン、10nM亜セレン酸ナトリウム及び1mMピルビン酸を補給したDMEM:F12(1:1)で16から48時間増殖させた。調製された培地を回収して、4体積量の、5μg/ml E−64、10μg/mlペプスタチン、1mMフェニルメチルスルホニルフッ化物を含むSP緩衝液で希釈し、HiTrap(商標)SPカラムに通した。BACEをSP流からカラムを抽出前に、125mM、250mM及び500mM塩化ナトリウムをこの順番で含む20mMの酢酸ナトリウム、2mM EDTA、0.2%トリトンX−100、pH4.5で洗浄した以外は上記に記載のように親和性クロマトグラフィーによって精製した。精製されたBACEは、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動で均質化した。
BACEの成熟及びプロフォームを、固定化した9H10、即ちBACEプロドメインに向けられたモノクローナル抗体、上で免疫親和性クロマトグラフィーにより分離した。プロフォームを、50mM酢酸、150mM塩化ナトリウム、0.2%のトリトンXにより0〜4℃でカラムを抽出し、抽出された分画をすばやくトリス塩基で中和して回収した。このような条件下においては、BACEの活性は何も影響を受けなかった。BACEプロフォームとして抽出された物質は、エドマン(Edman)シークエンシングによって特定されて、Thr(スレオニン)22で始まる配列のみが観察された。
BACE中のN結合グリコシル化部位の部位特異的変異生成を、増幅鋳型である配列が確認された452フラッグ溶解性BACEcDNA上で、QuickChange(登録商標)部位特異的変異キット(Stratagene)を使用して、メーカーの指示書に従って実施した。変異生成に使用したプライマーの配列は下記のとおり(センス鎖のみ示す)である。
Figure 0004739192
変異生成をN223A、N223A+S174I、N223A+S1174I+N1153Q及び最後にN223A+S174I+N153Q+N354Sの順番で行った。中間産物はすべて、次の変異を行う前に配列について確認された。変異体を哺乳動物発現ベクターpCFに、HEK293細胞でタンパク質を発現させるために、クローンした。
(実施例3)
βセクレターゼ分析
ペプチド基質MBP−C125SWeをすべての分析に使用した。MBP−C125Sweは、APPのスウェーデン変異体(リジン670アスパラギン、メチオニン671ロイシンの二重変異)のC末端125アミノ酸に融合させたマルトース結合タンパク質MBPを含むバクテリア融合タンパク質(Sinhaら)(1999)である。C末端125アミノ酸を発現ベクターpMALc(New England Biolabs)にクローンして、大腸菌にトランスフェクトした。融合タンパク質をペレット化したバクテリアを音波処理することによって誘導し溶解した。タンパク質をアミロースアガロース上で親和性クロマトグラフィーで精製して、3Mグアニジンとして、10mMトリス、pH7.5、0.2%トリトンX−100及び0.15Mグアニジン中で貯蔵した。
消化はすべて、0.02μL BACE(Δ3、0.69μM;Δ2、30.77μM;野生型0.66μM)により37℃で、全量50μLの0.06%トリトンX−100及び20mM酢酸ナトリウム、pH4.5中で行った。サンプルを、MBP−C125Swe基質(10μg/mL、220nM)で1時間インキュベートした。消化物をELISA法、抗MBP抗体による捕捉し、ビオチン化Sw192による検出、APPSwe配列のβセクレターゼN末端切断産物の遊離C末端ロイシンを認識するネオエピトープ特異性抗体によって分析した(Seubert.P.ら、Nature 361:260−263(1993)及びKnops、J.ら、J.Biol.Chem.270:2419−2422(1995)参照のこと)。産物を24時間4℃で結合させて、ストレプトアビジンホースラディッシュペルオキシダーゼで定量した。N末端切断産物に対応するビオチン化ペプチド合成し、標準として使用した。結果を表1に示す。
Figure 0004739192
図6は、分析結果をKcat/K単位(mM−1sec−1)で示す。これらの値は、下記等式によって上記データから変換された。
nM産物/時間(ng酵素)×45ng酵素/pm酵素×1/220nM基質×1/3,660秒/時間×50,000nL/反応物。
(実施例4)
BACE変異物の昆虫細胞中でのバキュロウィルスベクターによる発現
物質から結晶学作品を生成するためBACEの変異型をバキュロウィルス中で産生した。最小限にグリコシル化した溶解性βセレクターゼの活性型を産生するため、ヒスチジン標識(Δ2、3−452H)を付した酵素のS174I、N223Aグリコシル化変異型を、バキュロウィルス発現ベクターpVL1392中に入れた。さらに、プロ領域変異体を溶解性野生型及びグリコシル化変異酵素(452H、NINL及びΔ2、3−452H、NINL)から作成し、均質にプロセスされた可溶性酵素を生成させた。このNINL変異物は、切断部位のアミノ酸配列を、R42434445からNINLに変えて、上記に記載のようにプロ領域の切断を最適化している。
3つの変異体をSf9細胞中にトランスフェクトした。酵素を各トランスフェクションプールの調整培地から、p10−p4’staD→V親和性樹脂を使用して精製した。発現及び活性が実証された。組換えウィルスΔ2、3−452H及び452H、NINLを2回さらにプラーク精製し、ウィルス備蓄物とした。BACEの各変異型の精製及び特徴化を行うため、無血清培地で感染を行った。
クマシーブルーで染色したタンパク質ゲル及びウエスタンブロットにより、精製された変異酵素の良好な発現が確認された。酵素活性をMBP−C125Swe分析で測定し、すべてのテストされたサンプルにつき良好な活性が得られた。
3つの精製された酵素で、N末端シーケンスを行った。2つのプラーク精製されたβ452Hの単離物は、物質の少なくとも90%が、プロフォーム(TQHGIRLPPR...)であり、約10%が完全にプロセスされた酵素であった(ETDEEPEE...)。Δ2,3−452H物質は、物質の約2/3がプロフォームであり、残りの1/3が完全にプロセスされていた。Δ2,3−452H、NINL物質には2つの優占型があった。1つは、完全にプロセスされた酵素であり、2番目の型は変異のプロセシング部位の直前で切断されていた(NINLETDEEP...)。これは哺乳類で発現される物質に見られるもの類似していた。
本発明の様々な具体的実施態様が本明細書には記載されているが本発明はこれらの詳細な実施態様に限定されることはなく、当業者によって本発明の範囲及び精神から逸脱することなく様々な変更又は修正が加えられることは理解すべきである。
ヒトBACEのアミノ酸配列を示す[配列番号1]。 本明細書でΔ3と呼ばれる本発明のアミノ酸配列を示し、ここでは野生型BACEの223位に対応するアミノ酸がアスパラギンからアラニン(N223A)に変化している[配列番号2]。 本明細書でΔ2、3と呼ばれる本発明のアミノ酸配列を示し、ここでは野生型BACEの174及び223位に対応するアミノ酸がセリンからイソロイシン(S174I)に、またアスパラギンからアラニン(N223A)に変化している[配列番号3]。 本明細書でΔ1、2、3と呼ばれる本発明のアミノ酸配列を示し、ここでは野生型BACEの、153、174及び223位に対応するアミノ酸がアスパラギンからグルタミン(N153Q)に、セリンからイソロイシン(S174I)に、またアスパラギンからアラニン(N223A)に変化している[配列番号4]。 本明細書でΔ1、2、3、4と呼ばれる本発明のアミノ酸配列を示し、ここでは野生型BACEの、153、174、223及び354位に対応するアミノ酸がアスパラギンからグルタミン(N153Q)に、セリンからイソロイシン(S174I)に、アスパラギンからアラニン(N223A)に、またアルパラギンからセリン(N354S)に変化している[配列番号5]。 グリコシル化部位が欠損したBACE変異体の基質MBP−C125sweに対する活性を十分にグリコシル化されたBACEと比較して分析した結果を示すグラフである。活性は、pM産生物/秒/pM精製されたBACE/mM基質である。

Claims (21)

  1. 配列番号1のアミノ酸の番号において以下のアミノ酸置換:S174I及びN223Aの少なくとも1つを有するβ部位APP切断酵素(BACE)ポリペプチドのアミノ酸配列を含む単離されたポリペプチドであって、該S174I及びN223Aの少なくとも1つを有しつつ、配列番号1の46番目-451番目のアミノ酸残基と少なくとも95%の配列同一性を有し、APP切断活性を有するポリペプチド。
  2. アミノ酸置換N223Aを有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  3. アミノ酸置換S174I及びN223Aを有する、請求項1に記載のポリペプチド。
  4. 配列番号2を含む単離されたポリペプチド。
  5. 配列番号3を含む単離されたポリペプチド。
  6. 452と501との間の残基から選択されたC末端を有する、請求項1から3までに記載の単離されたポリペプチド。
  7. 残基位置46に対応するN末端残基を有する、請求項1から3までに記載の単離されたポリペプチド。
  8. 前記N末端が位置42から45にアミノ酸NINL(配列番号13)を含む、請求項1から3までに記載の単離されたポリペプチド。
  9. 配列番号1のアミノ酸配列からなる単離されたポリペプチドであって、さらにアミノ酸置換N223Aもしくは;アミノ酸置換S174I及びN223Aを有するポリペプチド。
  10. アミノ酸置換S174I及びN223Aを有する、請求項9に記載のポリペプチド。
  11. 452と501の間の残基から選択されたC末端を有する、請求項9から10までに記載の単離されたポリペプチド。
  12. 残基位置46に対応するN末端残基を有する、請求項9から10までに記載の単離されたポリペプチド。
  13. 前記N末端が位置42から45にアミノ酸NINL(配列番号13)を含む、請求項9から10までに記載の単離されたポリペプチド。
  14. 請求項1から13までに記載の精製されたポリペプチドから形成される結晶性タンパク質組成物。
  15. 請求項1から13までに記載の単離されたポリペプチドと(i)試験化合物及び(ii)βセクレターゼ基質とを接触させるステップと、前記ポリペプチドが、前記化合物の非存在下よりも存在下でより小さいβセクレターゼ活性を示す場合にAβ産生を阻害することが可能な前記試験化合物を選択するステップとを含む、Aβの産生を阻害する化合物のスクリーニング方法。
  16. 請求項1から13までのいずれか一項に記載の精製されたβセクレターゼポリペプチドとβセクレターゼ阻害剤化合物との、試験化合物の存在下での結合を測定するステップと、前記試験化合物存在下での前記阻害剤の結合が、前記試験化合物の非存在下での前記阻害剤の結合よりも少ない場合に、Aβ産生の阻害剤として前記試験化合物を選択するステップとを含む、Aβ産生を阻害する化合物をスクリーニングする方法。
  17. 前記阻害剤がアミノ酸配列KTEEISEVN[sta]VAEF(配列番号6)を有するペプタイドである、請求項16に記載の方法。
  18. 請求項1から13までのポリペプチドのいずれかをコードする配列からなる精製及び単離されたDNA。
  19. 請求項18に記載のDNA配列を含む発現ベクター。
  20. 請求項19に記載のベクターを含む組換え宿主細胞。
  21. 請求項20に記載の細胞を、細胞の成長及びポリペプチドの発現を促進する条件下で培養するステップと、ポリペプチドを精製するステップとを含む、請求項1から13までのいずれか一項に記載の単離されたポリペプチドを産生する方法。
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