JP4737534B2 - ヒートポンプシステム - Google Patents
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Description
その結果、インバータ制御の電動ヒートポンプは、ガスヒートポンプと比較した場合に、回転数の幅が大きく取れるため部分負荷に対応し易いメリットを享受するに至っている。
そのため、GHPは、部分負荷における効率の点から、インバータ付き電動式ヒートポンプ(以下、「EHP」と記す)に差をつけられているのが実情である。
コンプレッサ2を2台装備したのは、負荷(例えば、空調負荷)が50%以下となった場合、何れか1方のコンプレッサ2のみを稼働させて、他方のコンプレッサ2を停止することにより、適切なコンプレッサ2容量を確保するためである。
図11において、ハイブリッドヒートポンプシステムは、定格出力が56kWの1台のガスエンジン1と、ガスエンジン駆動の1台のコンプレッサ2(例えば消費馬力が56kW)と、発電能力が9.9kWの1台の発電機3と、インバータ5制御で、消費馬力が28kWの電動コンプレッサ4とで構成されている。
従って、システムの負荷が小さな場合には、電動コンプレッサ4の電源は、商用電源に頼らざるを得ず、契約電力を押し上げることとなる。
しかし、係るシステムは設置作業の安全性の改善と、誤作業による不具合の改善を目的とするものであり、部分負荷時或いは回転数が低い領域におけるガスエンジンの効率低下という上述した問題に対処するものではない。
そして、(効率が良い負荷領域で)稼動しているガスエンジンによって駆動される発電装置(3)の発電出力が複数の電動圧縮機(4)へ供給され、電動圧縮機(4)が駆動することにより、当該複数のヒートポンプにおける負荷に対処するので、空調機として要求される仕事は、確実に実行される。
これに対して本発明では、多数のヒートポンプにおける消費電力を、各ユニット間の電力供給回路で出力をやりとりすることによって、それよりも少ない数のヒートポンプユニットの発電出力で賄うことが出来る。そして、電力供給については、冷媒循環量のような量的な制限は存在しないので、多数のヒートポンプにおける負荷を単一のガスエンジンの発電装置によって賄ったとしても、上述した様な規制には抵触しないのである。
先ず、図1を参照して、本発明の実施形態におけるヒートポンプシステムの全体構成を説明する。
各ヒートポンプHP1〜HP3の構成は共通である。以下、ヒートポンプHP1を例にとって、ヒートポンプの構成を説明する。
また、電動コンプレッサ4と空調負荷21とは冷媒循環ライン(図示では1本のラインで示しているが、実際には、循環ラインとなっている)L2で接続されており、例えば、電動コンプレッサ4で圧縮された気相冷媒が、凝縮し、減圧された後に、空調負荷21の図示しない室内機(例えば蒸発機)に送られ、室内冷房に供され供されて蒸発して、電動コンプレッサ4に戻る。
そして、ヒートポンプHP2のガスエンジン駆動コンプレッサ2は、冷媒循環ラインL3で空調負荷22と冷媒が循環可能に接続されており、ヒートポンプHP2の電動コンプレッサ4は、冷媒循環ラインL4で空調負荷22と冷媒が循環可能に接続されている。
また、ヒートポンプHP3のガスエンジン駆動コンプレッサ2は冷媒循環ラインL5で空調負荷23と冷媒が循環可能に接続されており、ヒートポンプHP3の電動コンプレッサ4は、冷媒循環ラインL6で空調負荷23と冷媒が循環可能に接続されている。
具体的には、ヒートポンプHP1の発電機3は、駆動電源供給ラインE1によりヒートポンプHP2の電動コンプレッサ4と接続され、駆動電源供給ラインE2によりヒートポンプHP3の電動コンプレッサ4と接続されている。
ヒートポンプHP2の発電機3は、駆動電源供給ラインE3によりヒートポンプHP3の電動コンプレッサ4と接続され、駆動電源供給ラインE4によりヒートポンプHP1の電動コンプレッサ4と接続されている。
ヒートポンプHP3の発電機3は、駆動電源供給ラインE5によりヒートポンプHP2の電動コンプレッサ4と接続され、駆動電源供給ラインE6によりヒートポンプHP1の電動コンプレッサ4と接続されている。
また、コントロールユニット10は、第1のヒートポンプHP1と制御信号ラインSo1で接続され、第2のヒートポンプHP2と制御信号ラインSo2で接続され、第3のヒートポンプHP3と制御信号ラインSo3で接続されている。
図2において、コントロールユニット10は、負荷決定手段11と、比較手段12と、加算手段13と、稼働ガスエンジン決定手段14と、制御信号発生手段15と、記憶手段であるデータベース16とを備えている。
制御信号発生手段15から上述した信号が発信される事により、稼働ガスエンジン1を有するヒートポンプのみが稼動して、それ以外のヒートポンプにおけるガスエンジン1が停止する。それと共に、各ヒートポンプHP1〜HP3の電動コンプレッサ4が、稼働ガスエンジン1と直結する発電機3から電力が供給される様になる。
図3では、ガスエンジン1の定格出力は56kW、ガスエンジン駆動のコンプレッサ2の定格消費馬力は56kW、発電機3の定格発電出力は9.9kW、電動コンプレッサ4の定格消費馬力は28kWである。
また発電機3は、動力伝達手段D2によってガスエンジン1の出力軸と接続されているが、動力伝達手段D2の端部には、図示しないクラッチ機構が介装されていて、ガスエンジン1の駆動力を発電機3に伝達し(「接」)、或いは遮断する(「断」)する様に構成されている。その他の構成については、図1で説明したのと同様である。
例えば、空調負荷が28kW〜56kWの間(図4のW2の領域で、従来例(図10)では2台のコンプレッサを稼働していた領域)であれば、ガスエンジン1を稼働し、その駆動力でガスエンジン駆動のコンプレッサ2を運転する。
一方、空調負荷が28kW以下(図4のW1の領域)であれば、ガスエンジン1で発電機3を駆動し、発電された発電電力によって電動コンプレッサ4を駆動する。
図4で空調負荷が28kW以下(図4のW1の領域)の場合、図示の実施形態によれば、発電機3による発電電力は、当該ヒートポンプの電動コンプレッサ4のみならず、他のヒートポンプにおける電動コンプレッサ4に投与する場合がある。図示の実施形態における制御の詳細については、図8及び図9の制御フローチャートを参照して後述する。
図示の例では、ヒートポンプ1台当りの負荷能力は84kWである。
ここで、領域W4は、電動コンプレッサ4を商用電力で駆動する領域であり、電動コンプレッサ4を円滑にスタートさせるために、所定値以上の電力を投入するために設けている領域である。
図5は、図示のヒートポンプシステムを構成する各ヒートポンプHP1〜HP3が、ガスエンジン駆動領域(図4のW2)以上の負荷の存在下で、ガスエンジン1が稼働している状態を模式的に示した図である。
図5及び図6において、稼働している機器(稼動しているガスエンジン1、ガスエンジン駆動コンプレッサ2、電動コンプレッサ4)は太線の枠で囲って、表現されている。
なお、図5においては、「GHP」なる符号はガスエンジン1及びガスエンジン駆動コンプレッサ2を示しており、図6では「GHP」なる符号はガスエンジン1のみを示している。そして、符号「EHP」は、図5及び図6において電動コンプレッサ4を示している。
そのため、図示の実施形態では、図6の様に、複数のヒートポンプ(ハイブリットユニット)の内の1台のガスエンジンのみを効率の良い負荷レベル(図4における領域W2)で駆動し、発電機3を稼動して、その発電出力により、3台のヒートポンプ(ハイブリットユニット)における電動コンプレッサ4を駆動する。
各ヒートポンプの負担する空調負荷は、例えば何れも5HP(5馬力)である。従って、各ヒートポンプの電動コンプレッサ3の消費電力も同じ3.3kWである。この消費電力全てをヒートポンプHP1のガスエンジン1で同ヒートポンプ(HP1)の発電機3を駆動して得た発電電力9.9kWで賄うのである。
そして、負荷がエンジン駆動領域(図4のW2)よりも小さいヒートポンプを選択する(負荷が図4の領域W1のヒートポンプをピックアップ:ステップS4)。換言すれば、負荷をガスエンジンで処理しているヒートポンプ(負荷がエンジン駆動領域W2以上であるヒートポンプ)は、制御の対象外とする(ステップS4)。すなわち、負荷が小さく、GHPではなくEHPで処理しなくてはならないユニットが、図8で示す制御の対象となる。
なお、ステップS3とステップS4の順序を逆にしても良い。
或いは、当該ヒートポンプシステムが負う負荷が、1台の発電機定格負荷の100%以下であれば、1台のガスエンジン1及び発電機3を稼働させ、2台は停止させておく。
予め定められたルール(所定のルール)に則って定められたガスエンジンのみが稼動して発電運転を行い、それ以外のヒートポンプ(EHPで負荷を処理しているヒートポンプであって、ガスエンジンが駆動しない様に決定されたヒートポンプ)のガスエンジンは停止させる。
この場合、ステップS8で説明するように、EHPで負荷を処理している全てのヒートポンプで電動コンプレッサ4の駆動に必要な全ての電流は、予め定められたガスエンジン1(発電運転を行っているガスエンジン)の発電装置3から供給される様に、電力供給系(E1〜E6)を切り換える。
(1) 累積運転時間の少ないガスエンジンを優先的に稼働する。
(2) 稼働の優先順位を所定期間(例えば1週間)毎に変更する。
(3) 稼働するガスエンジンを、特定のヒートポンプのものに固定する。
上記(1)は、ガスエンジンの寿命の均等化が狙いである。但し、上述した所定の規則或いはルールとしては、上記(1)〜(3)の何れであっても良い。
発電運転を行うガスエンジンを定める時点において稼動していないヒートポンプのガスエンジン(停止しているガスエンジン)は、上述した通り、そもそも制御の対象外であるので、その様なヒートポンプ或いはガスエンジンは、稼動するガスエンジンとしては選択されない。
先ず、ステップS11で、負荷(例えば空調負荷)を検出する。そしてステップS12に進み、空調負荷がガスエンジン1の定格出力を超えているか否かを判断する。
ステップS15では、コントロールユニット10は、制御を終了するか否かを判断する。制御を終了するのであれば(ステップS15でYES)、そのまま終了する。一方、制御を続けるのであれば(ステップS15でNO)、ステップS11まで戻り、再びステップS11以下を繰り返す。
これにより、部分負荷運転時の効率が良くないというGHPの問題点を解消することこととなる。このことは、ランニングコストの削減にも繋がるのである。
これに対して、図示の実施形態では、多数のヒートポンプにおける電動コンプレッサ4の消費電力を、一部のガスエンジン1及び発電機3で発生し、且つ、各ヒートポンプ間の電力供給回路で電力をやりとりすることによって、電動コンプレッサが稼動しているヒートポンプの数よりも少ない数のヒートポンプの発電出力で賄うことが出来る。
2・・・ガスエンジン駆動コンプレッサ
3・・・発電機
4・・・電動コンプレッサ
5・・・空調負荷
10・・・制御装置/コントロールユニット
11・・・負荷決定手段
12・・・比較手段
13・・・加算手段
14・・・稼働ガスエンジン決定手段
15・・・制御信号発生手段
16・・・記憶手段/データベース
HP1、HP2、HP3・・・ヒートポンプ
L1、L2・・・ヒートポンプ1の冷媒循環ライン
L3、L4・・・ヒートポンプ2の冷媒循環ライン
L5、L6・・・ヒートポンプ3の冷媒循環ライン
E1・・・ヒートポンプ1からヒートポンプ2への駆動電源供給ライン
E2・・・ヒートポンプ1からヒートポンプ3への駆動電源供給ライン
E3・・・ヒートポンプ2からヒートポンプ3への駆動電源供給ライン
E4・・・ヒートポンプ2からヒートポンプ1への駆動電源供給ライン
E5・・・ヒートポンプ3からヒートポンプ2への駆動電源供給ライン
E6・・・ヒートポンプ3からヒートポンプ1への駆動電源供給ライン
Si1〜Si3・・・入力信号ライン
So1〜So3・・・制御信号ライン
Claims (1)
- ガスエンジンとそのガスエンジンで駆動される圧縮機とそのガスエンジンで駆動される発電機とその発電機で駆動される電動圧縮機とよりなるヒートポンプを複数台備え、それらの電動圧縮機はそれぞれ負荷に接続されているヒートポンプシステムにおいて、各発電機は他のヒートポンプの電動圧縮機と駆動電源供給ラインによって接続され、前記各負荷の負荷センサと接続されて稼動するガスエンジンを決定する制御手段を設け、その制御手段は各ヒートポンプの負荷を検出し、負荷がガスエンジンの駆動領域よりも小さいヒートポンプを選択し、ピックアップされたヒートポンプの負荷の総和を求め、発電運転を行うガスエンジンの台数を決定し、発電運転するヒートポンプを決定し、発電運転するヒートポンプ以外のヒートポンプのガスエンジンを停止させ、そのガスエンジンを停止したヒートポンプの電動圧縮機に駆動電源供給ラインを発電運転するヒートポンプの発電出力に接続する機能を有することを特徴とするヒートポンプシステム。
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