JP4736253B2 - 多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機 - Google Patents

多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機、特に、主板から延びる複数の翼の端部が環状の側板により結ばれた多翼送風機の羽根車及びそれを備えた多翼送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】
気体清浄機やエアコンなどの気体調和機(以下、空調機という。)においては、送風を行うために、多翼送風機が用いられている。図1〜図3に、従来例の多翼送風機を示す。ここで、図1は、従来例の多翼送風機の側面図を示し、図2は、従来例の多翼送風機の羽根車の斜視図を示し、図3は、従来例の多翼送風機の羽根車の平面図を示している。
【0003】
多翼送風機10は、羽根車13、羽根車13を覆うケーシング11、羽根車13を回転するためのモータ14等から構成されている。羽根車13は、円板状の主板31の外周縁に多数枚の翼33の一端が固定され、それらの翼33の他端が環状の側板32で結ばれている。ケーシング11には、気体の吹出口11aと、ベルマウス12により囲われる気体の吸込口11bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車13の側板32に対向している。また、吹出口11aは、羽根車13の回転軸O−Oに対して略直交する向きに気体を吹き出すように、吸込口11bに直交する方向に形成されている。
【0004】
モータ14を回転して多翼送風機10を作動させると、羽根車13が、ケーシング11に対して、図3の回転方向Rの向きに回転する。これにより、羽根車13の各翼33が内周側の空間から外周側の空間へと気体を掻き出し、吸込口11bから羽根車13の内周側の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車13の外周側に押し出された気体が吹出口11aを通って送出される。すなわち、多翼送風機10は、吸込口11bから気体を吸い込み、吹出口11aから気体を送出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような多翼送風機10においては、主板31近傍において生じる乱れ渦に起因する騒音がある。具体的には、以下のような発生機構によって生じている。
【0006】
羽根車13の内部において、吸込口11bから吸い込まれた気体は、主に、図1(a)に示すように、主板31に向かう方向から徐々に外周に向かうように流れている(気体流れW参照)。ところで、図1(b)に示すように、吸込口11bから吸い込まれた気体の一部は、主板31近傍において、主板31に衝突した後、外周側に向かうように流れるものがある(気体流れX参照)。この気体流れXには、主板31への衝突による乱れ渦が発生している。この乱れ渦は、気体流れXが外周方向に向かうとともに、主板31に衝突する流れがさらに合流するため、徐々に乱れ渦が発達し翼33の内周側縁部において最大の乱れ渦を形成する。この発達した乱れ渦が翼33によって外周側に向かって掻き出されて、騒音が生じている。
【0007】
空調機に用いられる多翼送風機に対しては、さらに低騒音化が求められている。
【0008】
本発明の課題は、羽根車の主板近傍に生じる乱れ渦に起因する騒音が低減可能な羽根車の提供、及び低騒音の多翼送風機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の多翼送風機の羽根車は、回転軸を中心として回転する主板と、回転軸を中心として環状に配置され、それぞれ一端が前記主板に固定されている複数の翼と、複数の翼の他端を結ぶ環状の側板とを備えている。そして、主板の複数の翼の間に位置する翼間部は、の回転方向前方が、翼の外周側縁部から内周側縁部の全体にわたって切り欠かれるとともに、回転方向前方に隣接する他の翼の回転方向後方まで達しないように円周方向に部分的に切り欠かれている。
【0010】
この多翼送風機の羽根車では、主板の複数の翼の間に位置する翼間部の転方向前方が切り欠かれているため、気体流れの主板への衝突と流れの合流とによって発達した乱れ渦は、翼によって掻き出される直前に切り欠かれた翼間部から主板の軸方向外側に向かってその一部が逃がされる。これにより、翼によって気体流れを掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。
【0011】
また、この多翼送風機の羽根車では、翼間部は、主板の少なくとも回転方向前方が円周方向に部分的に切り欠かれており、翼間部の回転方向後方までは切り欠かれていない。
【0012】
ところで、翼間部の回転方向後方を切り欠くと、気体流れとともに乱れ渦を回転方向後方から主板の軸方向外側に向かって逃がす効果を有するが、一方で、翼間部の回転方向後方は翼の負圧面であるため、気体流れのはくりが大きくなる。これにより、気体流れのはくりが生じ、騒音低減の効果が小さくなるおそれがある。従って、この多翼送風機の羽根車では、翼間部の回転方向後方は切り欠かれていないため、気体流れのはくりを増大することがない。これにより、翼間部の回転方向前方を切り欠くことによる騒音低減の効果を損なうことがない。
【0013】
さらに、この多翼送風機の羽根車では、翼間部が翼の外周側縁部から内周側縁部まで切りかかれているため、乱れ渦が、翼の外周側縁部まで到達する前に、切り欠かれた翼間部から逃がされやすい。これにより、翼の外周側縁部まで到達する乱れ渦をさらに減少させて、騒音を小さくできる。
【0014】
請求項に記載の多翼送風機は、請求項に記載の羽根車と、主板を回転させる駆動手段と、側板の内周側の開口部に対向する吸込口と羽根車の外周側に設けられ回転軸に略直交する方向に気体を送出する吹出口とを有し羽根車を覆うケーシングとを備えている。
【0015】
この遠心送風機では、駆動手段によって主板を回転させると、ケーシングに対して羽根車が回転する。すると、羽根車の各翼が内周側の空間から外周側の空間へと気体を掻き出し、吸込口から羽根車の外周側に押し出された気体が吹出口を通って送り出される。すなわち、多翼送風機は、吸込口から気体を吸い込み、吹出口から気体を送り出す。
【0016】
このとき、請求項1〜3のいずれかに記載の羽根車を採用しているため、気体流れの主板への衝突と流れの合流とによって生じる乱れ渦を主板の切り欠かれた翼間部から逃がすことができる。これにより、羽根車の外周側縁部に到達する乱れ渦を減少させ、騒音を小さくできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
(1)多翼送風機の構成
本発明の一実施形態にかかる多翼送風機(遠心送風機)は、図1〜図3に示す従来例の多翼送風機10の羽根車13において、主板31の複数の翼の内周側縁部の近傍に凹凸形の波形形状を有し、側板32の主板31側に凹凸形の波形形状を有し、主板31の複数の翼間部35の回転方向前方が切り欠かれた形状を有している点のみが異なる。
【0018】
図4は、本実施形態の多翼送風機40の側面図を示し、図5及び図6は、多翼送風機40の羽根車43の側面図及び平面図を示す。
【0019】
多翼送風機40は、主として、羽根車63と、羽根車63を覆うケーシング11と、羽根車43を回すモータ14とから構成されている。
【0020】
羽根車43は、円板状の主板61の外周縁に複数の翼33が固定され、複数の翼33の他端が環状の側板62で結ばれている。この羽根車43の詳細は後述する。
【0021】
ケーシング11には、気体の吹出口11aと、ベルマウス12により囲まれている気体の吸込口11bとが形成されている。吸込口11bは、羽根車43の側板62に対向するように配置されている。この吸込口11bを通って羽根車43の内周部の空間へ流れる気体は、概ね羽根車43の回転軸O−Oに沿った形で流入し、羽根車43の回転によって回転軸O−Oから離れる方向(羽根車43の外周方向)に流れていく。また、吹出口11aは、羽根車43の回転軸O−Oに対して略直交する向きに気体を吹き出すよう、吸込口11bに直交するように形成されている。
【0022】
モータ14は、その回転シャフトが主板61の中心孔61a(図6参照)に装着されており、主板61を回転させることによって羽根車43全体を回転させる。モータ14の本体部分は、ケーシング11に固定されている。
【0023】
次に羽根車43について説明する。
【0024】
羽根車43は、図5及び図6に示すように、主板61と、複数の翼33と、環状の側板62とから構成されている。この羽根車43は、本実施形態においては、金型を使って、主板61、複数の翼33及び側板62のすべてが一体成形される樹脂製品である。
【0025】
主板61は、図6に示すように、中心孔61aが形成された円板形状の部材であり、中心孔61aには、モータ14の回転シャフトが固定される。
【0026】
主板61の外周縁には、後述の複数の翼33が回転方向に等間隔に形成されており、これらの複数の翼33の内周側縁部の近傍には内周側縁部の周囲に沿って凹凸形状の波形形状64が成形されている。ここで、波形形状64は、三角波状を有し、波ピッチPが3mm、波高さHが2mmの三角波状である(図7(a)参照)。尚、波形形状は、三角波状に制限されるものではなく、図7(b)及び図7(c)に示されるような正弦波状や矩形波状でもよい。また、波形形状の寸法についても、本実施形態の寸法に制限されるものではなく、ピッチPは2mm以上、8mm以下の範囲であり、波高さHは1mm以上、5mm以下の範囲であればよい。
【0027】
また、主板61の複数の翼33の間に位置する翼間部65は、回転方向前方が切り欠かれている。これらの複数の翼間部65は、円周方向には、翼33の円周方向厚みよりも大きく、かつ、回転方向前方に隣接する他の翼33の回転方向後方に達しない長さに切り欠かれている。また、翼間部65の径方向は、翼33の形状に沿って、外周側縁部から内周側縁部まで達する長さに切り欠かれている。
【0028】
翼33は、回転方向前方に凹面形を有し、回転軸O−Oを中心として環状に複数配置された部材である。翼33は、一端が主板61の外周縁に固定され、そこから回転軸O−Oに沿ってねじれ無く長く延びている。そして、翼33の他端は、図5及び図6に示すように、環状の側板62で連結されている。
【0029】
環状の側板62は、翼33の他端の外周側に配置され、各翼33を連結している。この側板62も、主板61及び複数の翼33とともに一体成形されている。そして、側板62の主板61側の面には、凹凸形状の波形形状66が成形されている。ここで、波形形状66は、主板61の波形形状64と同様に、波ピッチPが3mm、波高さHが2mmの三角波状である(図7(a)参照)。尚、波形形状は、三角波状に制限されるものではなく、図7(b)及び図7(c)に示されるように、正弦波状や矩形波状でもよい。また、波形形状の寸法についても、本実施形態の寸法に制限されるものではなく、ピッチPは2mm以上、8mm以下の範囲であり、波高さHは1mm以上、5mm以下の範囲であればよい。
【0030】
(2)多翼送風機の動作
モータ14を回して多翼送風機40を作動させると、羽根車43が、ケーシング11に対して、図6に示す回転方向Rの向きに回転する。すなわち、多翼送風機40では、主として翼33の凹面となっている回転方向前方の面によって、気体を掻き出す。これにより、羽根車43の翼33が羽根車43の内周側の空間から外周側の空間へと気体を掻き出し、吸込口11bから羽根車43の内周側の空間に気体が吸い込まれるとともに、羽根車43の外周側に掻き出された気体が吹出口11aに集められて吹き出される(図4の気体流れZを参照)。すなわち、多翼送風機40は、吸込口11bから回転軸O−Oに沿った形で気体を吸い込み、吹出口11aから回転軸O−Oに直交する方向に気体を送り出す。尚、図4では回転軸O−Oの右側における気体流れZのみを表示しているが、回転軸O−Oの左側において羽根車13の外周側に掻き出された気体は、ケーシング11に沿って吹出口11aまで流れ、そこから吹き出される。
【0031】
(3)羽根車の輸送
羽根車43を輸送する際、複数の羽根車43を回転軸O−O方向に積載する。
【0032】
ここで、本実施形態の羽根車43の主板61の翼間部65は、前述のように、円周方向には、翼33の円周方向厚さよりも大きく、また、径方向には、翼33の曲がり形状に沿って翼33の外周側縁部から内周側縁部まで達する長さに切り欠かれている。この形状を利用して、二つの羽根車43を回転軸O−O方向から重ねる。一方の羽根車43の複数の翼間部65の切り欠きに、他方の羽根車43の対応する翼33を嵌め込むことができる。このようにして嵌合した二つの羽根車43は、さらに所定の積載高さまで積載された後、輸送される。
【0033】
(4)実験例
本実施形態の羽根車を使用した多翼送風機について、騒音測定実験を行った結果について説明する。
【0034】
本実験は、図2及び図3に示す従来例のものと、図5及び図6に示される本実施形態のものとについての測定実験を行った。尚、本実施形態においては、騒音低減を目的として、主板61に成形された波形形状64と、側板62に成形された波形形状66と、主板61の翼間部65を切り欠いたものとが同時に成形されている。そこで、これら3つの形状のそれぞれについての騒音低減の効果を確認するために、これら3つの形状の各一つのみを成形した羽根車を準備し、騒音測定実験を行った。以下に騒音測定実験の結果を示す。
【0035】
<1>主板61に波形形状64のみが成形された羽根車の場合
従来例に比べて、騒音値が0.8dB減少した。
【0036】
<2>側板62に波形形状66のみが成形された羽根車の場合
従来例に比べて、騒音値が0.5dB減少した。
【0037】
<3>主板61の翼間部65を切り欠いた形状のみを有する羽根車の場合
従来例に比べて、騒音値が0.5dB減少した。
【0038】
以上の結果より、本実施形態において騒音低減を目的として適用された3つの形状のいずれにおいても騒音値の低減が確認された。
【0039】
(5)多翼送風機の特徴
本実施形態の多翼送風機の特徴には、以下のようなものがある。
【0040】
<1>羽根車の主板に成形された波形形状による騒音低減
従来例の多翼送風機10においては、主板31近傍において生じる乱れ渦に起因する騒音がある。具体的には、以下のような発生機構によって生じている。
【0041】
羽根車13の内部において、図1(b)に示すように、吸込口11bから吸い込まれた気体の一部は、主板31近傍において、主板31に衝突した後、外周側に向かうように流れているものがある(気体流れX参照)。この気体流れXには、主板31への衝突による乱れ渦が発生している。この乱れ渦は、気体流れXが外周方向に向かうとともに、主板31に衝突する流れがさらに合流する。そして、気体流れXの乱れ渦が徐々に発達し、翼33の内周側縁部において最大の乱れ渦を形成する。この発達した乱れ渦が翼33によって外周側に向かって掻き出されて、騒音が生じている。
【0042】
一方、本実施形態の多翼送風機40の羽根車43では、主板61の側板62側の面の少なくとも翼33の内周側縁部の近傍に凹凸形の波形形状64が成形されているため、図8(a)に示すように、気体流れZ1の主板61への衝突と流れの合流とによって発達した乱れ渦は、翼33に到達する直前につぶされて小さくなる。これにより、翼33によって気体流れZ1を掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。
【0043】
<2>羽根車の側板に成形された波形形状による騒音低減
従来例の多翼送風機10においては、側板32の外周端近傍を渦中心とした旋回渦が生じている。この旋回渦は、羽根車13の送風仕事に寄与しないため、結果として、送風機効率の低下や騒音の原因となっている。具体的には、以下のような発生機構によって生じている。
【0044】
図1(c)に示すように、ケーシング11内の気体の一部は、側板32近傍において、羽根車13の外周に掻き出された後、羽根車13のベルマウス12近傍から羽根車13の内周側に再度吸い込まれるような旋回渦Yを生じている。このため、羽根車13において、羽根車13の軸方向全長Bに対する旋回渦Yが生じている部分の軸方向長さbの比b/B(以下、ブロッケージファクタBFとする。)に相当する分については、有効に送風仕事ができていない。これにより、送風機効率の低下や騒音が生じる。
【0045】
一方、本実施形態の多翼送風機40の羽根車43では、側板62の主板61側の面に凹凸形状の波形形状66が成形されているため、側板62の羽根車43出口近傍の圧力変動が緩和される。すると、図8(b)に示すように、羽根車43によって出口側に掻き出された気体流れは、羽根車43の回転軸方向側板62側から再度羽根車43の内周側に吸い込まれにくくなるため、側板62の近傍において生じていた旋回渦Z2が小さくなる。これにより、BF値がb1/B1と小さくなり羽根車43の有効に送風仕事ができる部分が大きくなるため、送風機効率が向上し、騒音も小さくなる。
【0046】
<3>羽根車の主板の翼間部を切り欠くことによる騒音低減
本実施形態の多翼送風機40の羽根車43では、主板61の複数の翼33の間に位置する翼間部65の少なくとも回転方向前方が切り欠かれているため、図8(c)に示すように、気体流れZ3の主板61への衝突と流れの合流とによって発達した乱れ渦は、翼33によって掻き出される直前に切り欠かれた翼間部65から主板61の軸方向外側に向かってその一部が逃がされる。これにより、図8(a)に示す主板61に成形された波形形状64と同様に、翼33によって気体流れを掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。
【0047】
また、本実施形態の羽根車43の翼間部65は、主板61の回転方向前方が円周方向に部分的に切り欠かれており、翼間部65の回転方向後方までは切り欠かれていない。従って、翼間部65の回転方向後方における気体流れのはくりを増大することがない。これにより、翼間部65の回転方向前方を切り欠くことによる騒音低減の効果を損なうことがない。
【0048】
さらに、本実施形態の羽根車43の翼間部65は、翼33の外周側縁部から内周側縁部まで切り欠かれているため、気体流れZ3の乱れ渦が、翼33の外周側縁部まで到達する前に、切り欠かれた翼間部65から逃がされやすい。これにより、翼33の外周側縁部まで到達する乱れ渦をさらに減少させて、騒音を小さくできる。
【0049】
<4>羽根車の輸送時の積載効率の向上
本実施形態の羽根車43の主板61の翼間部65には、前述のように、円周方向には、翼33の円周方向厚さよりも大きく、また、径方向には、翼33の曲がり形状に沿って翼33の外周側縁部から内周側縁部まで達する長さに切り欠かれている。この形状を利用して、二つの羽根車43を回転軸O−O方向から重ねて、複数の翼間部65の切り欠きに、それぞれ対応する翼33を嵌め込むことができる。これにより、羽根車43の積載時の積載効率を向上することができる。
【0050】
他の実施形態
前記実施形態では、樹脂製の羽根車を用いた遠心送風機に本発明を適用しているが、板金製の羽根車を用いた遠心送風機に対しても本発明を適用することができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0052】
請求項1にかかる発明では、多翼送風機の羽根車は、主板の複数の翼の間に位置する翼間部の転方向前方が切り欠かれているため、気体流れの主板への衝突と流れの合流とによって発達した乱れ渦は、翼によって掻き出される直前に切り欠かれた翼間部から主板の軸方向外側に向かって逃がされる。これにより、翼によって気体流れを掻き出す際に発生する騒音を小さくできる。また、多翼送風機の羽根車の翼間部は、主板の回転方向前方が円周方向に部分的に切り欠かれているため、翼間部の回転方向後方の気体流れのはくりが増大せず、騒音低減の効果を損なうことがない。さらに、多翼送風機の羽根車の翼間部は、翼の外周側縁部から内周側縁部まで切り欠かれているため、乱れ渦が、翼の外周側縁部まで到達する前に、切り欠かれた翼間部から逃がされる。これにより、翼の外周側縁部まで到達する乱れ渦をさらに減少させて、騒音を小さくできる。
【0053】
請求項にかかる発明では、多翼送風機は、請求項に記載の羽根車を採用しているため、気体流れの主板への衝突と流れの合流とによって生じる乱れ渦が、主板の翼間部を切り欠くことにより、乱れ渦を主板の切り欠かれた翼間部から逃がすことができる。これにより、羽根車の外周側縁部に到達する乱れ渦を減少させ、騒音を小さくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)従来例の多翼送風機の側面図(ケーシング部分は断面図)。
(b)従来例の多翼送風機の側面図であって、主板近傍の騒音の発生機構を説明する図(一部羽根車の断面を図示)。
(c)従来例の多翼送風機の側面図であって、側板近傍の騒音の発生機構を説明する図(一部羽根車の断面を図示)。
【図2】 従来例の多翼送風機の羽根車の斜視図。
【図3】 従来例の多翼送風機の羽根車の平面図。
【図4】 第1実施形態の多翼送風機の側面図(ケーシング部分は断面図)。
【図5】 第1実施形態の多翼送風機の羽根車の側面図(一部断面を図示)。
【図6】 第1実施形態の多翼送風機の羽根車の平面図。
【図7】 (a)波形形状(三角波状)の拡大図。
(b)波形形状(正弦波状)の拡大図。
(c)波形形状(矩形波状)の拡大図。
【図8】 (a)第1実施形態の多翼送風機の側面図であって、主板に成形された波形形状の騒音低減効果を説明する図(一部羽根車の断面を図示)。
(b)第1実施形態の多翼送風機の側面図であって、側板に成形された波形形状の騒音低減効果を説明する図。
(c)第1実施形態の多翼送風機の側面図であって、主板の翼間部を切り欠いた形状の騒音低減効果を説明する図(一部羽根車の断面を図示)。
【符号の説明】
10、40 多翼送風機
11 ケーシング
11a 吹出口
11b 吸込口
12 ベルマウス
13、43 羽根車
14 モータ(駆動手段)
31、61 主板
32、62 側板
33 翼
64 波形形状(主板側)
35、65 翼間部
66 波形形状(側板側)

Claims (2)

  1. 回転軸(O−O)を中心として回転する主板(61)と、
    前記回転軸(O−O)を中心として環状に配置され、それぞれ一端が前記主板(61)に固定されている複数の翼(33)と、
    前記複数の翼(33)の他端を結ぶ環状の側板(62)と、
    を備え、
    前記主板(61)の前記複数の翼(33)の間に位置する翼間部(65)は、記翼(33)の回転方向前方が、前記翼(33)の外周側縁部から内周側縁部の全体にわたって切り欠かれるとともに、回転方向前方に隣接する他の前記翼(33)の回転方向後方まで達しないように円周方向に部分的に切り欠かれている、
    多翼送風機の羽根車(43)。
  2. 請求項に記載の羽根車(43)と、
    前記主板(61)を回転させる駆動手段(14)と、
    前記側板(62)の内周側の開口部に対向する吸込口(11b)と、前記羽根車(43)の外周側に設けられ前記回転軸(O−O)に略直交する方向に気体を送出する吹出口(11a)とを有し、前記羽根車(43)を覆うケーシング(11)と、
    を備えた多翼送風機。
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