JP4734497B2 - 化粧瓦棒取付け金具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、金属屋根板を横葺きした金属屋根や壁面に化粧瓦棒を取り付けて建築物にアクセントをもたせる化粧瓦棒の取付けに使用される取付け金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
比較的軽量で強度も良好な金属屋根は、屋根下地の躯体に加わる負荷が小さく、釘やビスを使用して簡単に結合できるため、一般家屋,公共施設等の各種建築物で使用されている。金属屋根を用いる屋根葺では、所定のサイズに成形された単位屋根板を使用することから横葺き工法が多用されている。
横葺き工法では、軒先側の金属屋根板1を野地板2に釘,ビス,ボルト等で固定した後、軒先側金属屋根板1の棟側にある係止突起1aに棟側金属屋根板1の係合凹部1bを噛み合わせて軒先側金属屋根板1に連結した棟側金属屋根板1を野地板2に固着する(図1)。以下、同様な作業を繰り返し、軒先から棟側に向けて金属屋根板1を敷設する。金属壁面も同様な工法で成形金属板が横葺きされる。
【0003】
横葺きしたままの金属屋根板1や金属壁面は、屋根一面にフラットな状態で敷き詰められているため、看者に与える印象が弱い。そこで、最近では、横葺き屋根に軒先から棟方向に延びる化粧瓦棒3を取り付け、或いは金属壁面に化粧瓦棒を鉛直方向に取り付け、屋根や壁面にアクセントを付けることが検討されている。本発明者等も、化粧瓦棒を取り付けた横葺き屋根を開発しており、その一部を特開平9−195450号公報,特開平9−324506号公報で紹介した。
【0004】
横葺きした金属屋根に化粧瓦棒3を取り付ける際に使用される取付け金具4は、軒先側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との連結部に挿し込まれる舌片4aが先端に形成された差込片4bを備えている(図2)。舌片4aの反対側で差込片4bから立ち上がった立上り部4cは折り返された後、棟側に曲げられた押え片4dになる。差込片4bにボルト4eが固着され、押え片4dに形成されたボルト孔を貫通して突出するボルト4eの先端にナット4fがねじ込まれる。ナット4fを締め付けると、押え片4dは弾性変形して舌片4aに接近する。立上り部4cには、支持板4gがリベット4hで固着されている。支持板4gは両側が棟方向に曲げ加工された側板4iになっており、化粧瓦棒3取付け用のボルトが挿通される長孔4jが側板4iに形成されている。
【0005】
取付け金具4は、軒先側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との連結部の隙間に舌片4aが挿し込まれた後、ボルト4eにナット4fをねじ込み押え片4dを下方に弾性変形させ、棟側金属屋根板1の軒先側端部を舌片4aと押え片4dとの間に挟み込むことにより固着される。次いで、取付け金具4に覆い被さるように化粧瓦棒3をあてがい、化粧瓦棒3に形成されているリベット孔(図示せず)に長孔4jを位置合せし、取付け金具4の側板4iに化粧瓦棒3をリベット止めする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この取付け金具4では、金属屋根板1の軒先側端部を挟み込む舌片4a及び押え片4dと化粧瓦棒3を固定する側板4iとがボルト4eの反対側に位置している。この位置関係では、舌片4a,押え片4dから長孔4jまでの距離が長く、側板4iに固定された化粧瓦棒3が風圧等の影響を受けると舌片4a,押え片4dを中心として立上り部4c側が浮き上がり易い。立上り部4cの浮き上がりによって金属屋根板1と化粧瓦棒3との間の隙間が大きくなると、見栄えが悪くなることは勿論、中空状になっている化粧瓦棒3の内部に吹き込まれた空気によって化粧瓦棒3が金属屋根板1から外れる虞れがある。
【0007】
そこで、本発明者は、側板4iに形成される長孔4jをボルト4eよりも舌片4a,押え片4d側に位置させた取付け金具を提案した(特開2000−310012号公報)。提案した取付け金具4を使用すると、化粧瓦棒3の固着個所を棟側金属屋根板1の軒側端部に近い位置に設定でき、化粧瓦棒3の固着部に加わるモーメントが小さく、風圧による取付け金具4及び化粧瓦棒3の浮き上りが防止される。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、先に提案した取付け金具を更に改良したものであり、幅広の取付け腕をもつ化粧瓦棒固定片を組み込むことによって、側板の下縁で軒側金属屋根板の棟側端部近傍又は下段側金属成形板の上部近傍を押さえ、その反力で化粧瓦棒を一層確実に固定保持し、耐食性にも優れた化粧瓦棒の取付けを可能にすることを目的とする。
【0009】
本発明の化粧瓦棒取付け金具は、その目的を達成するため、横葺きされた金属屋根の棟側金属屋根板と軒側金属屋根板との連結部又は横葺きされた金属壁面の上段側金属成形板と下段側金属成形板との連結部に装着される化粧瓦棒取付け金具であり、先端が棟側金属屋根板又は上段側金属成形板と軒側金属屋根板又は下段側金属成形板との隙間に挿し込まれる着座部の後端から起立部が立ち上がる着座片と、該着座片の起立部に固着され、化粧瓦棒を内側から支持する平面部の両側から棟方向に取付け腕が延びている化粧瓦棒固定片と、着座片の起立部と化粧瓦棒固定片の平面部との間に基端部が差し込まれ、棟側金属屋根板の軒側端部近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に押し付けられる押え部が先端に形成された押え金具と、着座片のボルト孔に挿通され、押え金具のボルト挿通孔から突出する脚部にナットが装着され、ナットの締め付けによって押え金具の押え部を棟側金属屋根板の軒側端部近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に押し付けるボルトとを備え、化粧瓦棒固定片の取付け腕は平面部よりも下方に突出し、化粧瓦棒が装着された状態では取付け腕の下縁が化粧瓦棒を介して軒側金属屋根板の棟側近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に接触することを特徴とする。
【0010】
【実施の形態】
本発明に従った化粧瓦棒取付け金具Aは、たとえば図3の分解斜視図に示すように、金属屋根板1(図1)上に配置される着座片10,着座片10にリベット21で固着される化粧瓦棒固定片20,着座片10に形成されているスリット11に基端部31が挿し込まれる押え金具30を備えている。以下の説明では、横葺きした金属屋根に対する化粧瓦棒の取付けを例に本発明を具体的に説明するが、金属成形板を横葺きして構築された壁面に対しても同様な方法で化粧瓦棒が取り付けられることは勿論である。
着座片10は、金属屋根板1の表面に接する着座部12の先端(図4では右下側)が若干上方に傾斜した差込部13になっている。着座部12の中央には、ボルト40が挿し込まれるボルト孔14が設けられている。ボルト孔14の周辺は、ボルト40の頭部41を収容するため若干盛り上がっている。ボルト孔14は、矩形状に穿設されており、ボルト40の頭部41と脚部42との間に形成されている矩形部43が嵌まり込むことによりボルト40を回り止めする。ボルト40は、着座片10と別体にする必要はなく、溶接等で着座片10に固着して起立させたボルトも使用可能である。着座部12には、ボルト孔14の両側にビード15,15が形成されている。ビード15は、着座部12を補強すると共に、着座部12の弾撥力を高める。
【0011】
差込部13とは反対側の端部から、スリット11が形成された起立部16が立ち上がっている。起立部16にも、ビード15から連続してほぼ同じ形状のビード17が形成されている。スリット11の上部は棟側に若干***した差込部18になっており、リベット孔19,22に挿し込まれたリベット21で起立部16に化粧瓦棒固定片20を固着したとき、化粧瓦棒固定片20の平面部23と起立部16との間に押え金具30の基端部31が挿し込まれる隙間を形成する。リベット21に替え、ボルト,溶接等で化粧瓦棒固定片20を着座片10に固着することもできる。
【0012】
化粧瓦棒固定片20の平面部23は、化粧瓦棒50に断面形状に対応して五角形状,矩形状,半円形状に形成されている。図示の例では、半円筒状の化粧瓦棒50(図5)を支持する五角形状になっており、平面部23の縁が化粧瓦棒50を内側に支持する支持稜24となる。また、起立部16のリベット孔19に対応する位置にリベット孔22が形成されている。
平面部23の形状は、化粧瓦棒50の断面形状に応じて適宜変更される。半円筒状の化粧瓦棒50(図6)を使用する場合には、背の低い平面部23で良いが、大きな内部空間をもつ化粧瓦棒50に対してはその内部空間に見合ったサイズの平面部23に設計される。
【0013】
平面部23の両側から取付け腕25が棟側に延びている。取付け腕25は、平面部23よりも下方に突出している。取付け腕25の下縁は、化粧瓦棒50を装着した状態では化粧瓦棒50の内曲げ部51(図5)を介して金属屋根板1に接触する押圧辺26となる。
取付け腕25には、棟方向に長い長孔27が形成されている。長孔27は、可能な限り取付け腕25の棟側縁部近傍に形成することが好ましく、少なくとも着座片10に化粧瓦棒固定片20を固着した状態ではボルト40と差込部13との間に位置させる。この位置関係により、長孔27形成部分に加わる回転モーメントが大幅に軽減される。
【0014】
押え金具30は、スリット11から挿し込んだ基端部31を差込部18と平面部23との間に挟み、化粧瓦棒固定片20を着座片10に固着するとき、着座片10に片持ち状態で支持される。押え金具30は、中央にボルト挿通孔32が形成された押え本体33を備えている。ボルト挿通孔32の両側位置で、補強及び弾性力向上に有効なビード34,34が棟方向に沿って形成されている。また、ボルト40にナット45をねじ込んだとき、弾撥力が効果的に働くようにボルト挿通孔32の周辺が上方に***した盛上げ部35になっている。
【0015】
基端部31の反対側で、押え本体33の棟側縁部が折り下げられて押え部36が形成されている。押え本体33と基端部31との間の角度は、若干鋭角にすることが好ましい。これにより、差込部18と平面部23との間に基端部31が挿し込まれた状態で押え本体33が若干上方に傾斜し、ボルト40にワッシャ44を介してナット45をねじ込んだときナット45のねじ込み力が押え本体33の弾性変形に効率よく利用される。押え本体33と押え部36との間の角度は、押え部36の下端が金属屋根板1の表面に直接又は間接に接触する限り、特に制約されるものではない。
【0016】
押え金具30を着座片10と別体にし、差込部18と平面部23との間に基端部31を差し込む方式を採用しているので、図3で上下方向に関して押え金具30が移動できる距離が大きく、化粧瓦棒50を取り付けようとする屋根に葺かれている金属屋根板1の軒側高さ(厚み)に応じて差込部13と押え部36との間隙を調整できる。
押え本体33から押え部36が曲がる位置で、押え本体33の幅方向中心部に位置合せ用のマーク37が刻印されている。マーク37が押え本体33の中心にあるため、左揃え,右揃え等の誤作業がなく、横葺きした金属屋根板1に引いた罫書き線にマーク37を位置合せすることにより、取付け金具Aを棟方向に沿って直線配列できる。
【0017】
押え部36には、キャップ38を装着することが好ましい。キャップ38を図3に示すように屋根左右方向にみてほぼL型断面にし、押え部36に被せたキャップ38が押え本体33の押え部36近傍まで覆い被さるとき、装着されたキャップ38が容易に離脱しなくなる。キャップ38を透明軟質樹脂で作ると、押え部36及び押え本体33の先端部がキャップ38で覆われた状態でもキャップ38を透かしてマーク37を観察できる。或いは、キャップ38の幅方向中央部にマークを刻印し、このマークを指標とすることもできる。
【0018】
取付け金具Aを介して横葺き屋根に取り付けられる化粧瓦棒50は、図5に示すように金属屋根板1の棟方向実効長さwに一致する内曲げ部51を備えている。内曲げ部51は、金属切板の幅方向端部を所定形状に切り出した後、幅方向端部を化粧瓦棒50の内方向に曲げ加工することにより形成される。内曲げ部51は、横葺き屋根の上に配置した化粧瓦棒50の安定性を向上させることにも役立つ。
軒先側内曲げ部51と棟側内曲げ部51との間の段差hは、横葺きした軒側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との間の段差hに等しく設定されている。図5では半円筒状の外観をもつ化粧瓦棒50を図示しているが、ユーザーニーズに対応して種々の形状に化粧瓦棒50を成形できることは勿論である。また、化粧瓦棒50の形状に応じて取付け金具の化粧瓦棒固定片20が選択される。
【0019】
段部より若干軒側の位置で、化粧瓦棒50の長手方向に沿って複数のリベット挿通孔52が半円筒状基部53に穿設されている。リベット挿通孔52は、化粧瓦棒50の軒先側端部及び棟側端部に形成され、更に中間の半円筒状基部53にも形成される。棟方向に隣り合うリベット挿通孔52,52間の距離Lは、金属屋根板1の棟方向実効長さwの整数倍(具体的には、1〜4倍)に設定される。
次いで、取付け金具Aを用いて横葺き屋根に化粧瓦棒50を取り付ける作業を説明する。
金属屋根板1は従来工法に従って軒先から棟に向けて多段に葺き上げられる。軒先側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との間に段差h(図6)が生じる。棟から軒先にかけて罫書き線を直線状に引き、罫書き線にマーク37を一致させ、軒先側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との間の連結部に差込部13を挿し込む。
【0020】
係止突起1aに突き当たるまで差込部13を挿し込むと、棟側金属屋根板1の軒先側端面から長孔27までの距離が一定になる。棟方向に沿って複数の取付け金具Aが挿し込まれるが、棟方向に隣り合う取付け金具Aの間隔は、化粧瓦棒50に形成されているリベット挿通孔52,52間の距離Lに一致させる。
差込部13は、着座部12から若干上向きに傾斜しているので、棟側金属屋根板1の係止突起1aに下方から押し当てられる。また、着座部12は、軒先側金属屋根板1の表面に着座する。挿し込まれた複数の取付け金具Aは、罫書き線にマーク36を一致させているので、棟から軒先にかけて罫書き線に沿った直線配列になる。
【0021】
個々の取付け金具Aについて、ボルト40にナット45を締め付け押え本体33を押し下げると、押え部36が金属屋根板1の軒先側端部に押し付けられる。その結果、金属屋根板1の軒先側端部が差込部13と押え部36との間で弾性的に挟持され、取付け金具Aが棟側金属屋根板1の軒先側端部に固定される。このとき、押え部36にキャップ38が装着されているので、押え部36の押圧によって金属屋根板1の表面が疵付くことはない。
【0022】
所定間隔で複数の取付け金具Aを金属屋根板1に取り付けた後、取付け金具Aに化粧瓦棒50を覆い被せる。棟側化粧瓦棒50の軒先側端部は、それぞれのリベット挿通孔52を位置合せして軒先側化粧瓦棒50の棟側端部に覆い被せられる。化粧瓦棒50の装着に際しては、取付け金具Aに当る位置にある左右の内曲げ部51を押し広げ、内曲げ部51が取付け腕25を乗り越えた時点で拡開力を解放する。このとき、金属屋根板1の表面が若干弾性変形して取付け腕25との間に隙間が生じており、その隙間に化粧瓦棒50の弾性復元力によって内曲げ部51が挿し込まれる。内曲げ部51を差し込んだ後、化粧瓦棒50を棟側に若干スライドさせると、化粧瓦棒50の段差が金属屋根板1の段差部に当接する。
【0023】
棟側金属屋根板1の軒先側端部に固定した取付け金具Aの取付け腕25と軒側金属屋根板1との隙間に化粧瓦棒50の内曲げ部51を挿し込むと、取付け腕25が幅広になっているので押圧辺26が化粧瓦棒50の内曲げ部51を介して軒側金属屋根板1の棟側上部近傍に押し当てられる。したがって、棟側金属屋根板1に化粧瓦棒50が密着すると共に、反力によって取付け金具A自体の取付け状態も強固になる。また、取付け金具Aを介して化粧瓦棒50が強固に取り付けられるため、隣接するリベット挿通孔52の距離Lを大きく設定でき、化粧瓦棒50の固定に必要なリベット打ち等の作業工数を軽減することが可能となる。
【0024】
しかも、押圧辺26,内曲げ部51,軒側金属屋根板1の棟側上部近傍が蜜に接触しているため、屋根傾斜面に沿って流下した雨水の横走りが防止され、取付け金具Aの内部に雨水が流入することもない。仮に流入した場合でも、平面部23と軒側金属屋根板1との間にある隙間gを介して取付け金具Aから雨水が流出する。したがって、取付け金具Aの内部に滞留する水分がなく、腐食に強い取付け構造となる。
棟側金属屋根板1の軒先側端面から長孔27までの距離が一定で、段差hのある部分からリベット挿通孔52までの距離も固定されている。また、棟方向に隣り合う取付け金具A,A間の距離を隣り合うリベット挿通孔52,52間の距離Lに一致させているので、一つのリベット挿通孔52を化粧瓦棒固定片20の長孔27に合せると、残りのリベット挿通孔52も他の長孔27に臨む。
【0025】
そこで、化粧瓦棒固定片20の長孔27及び化粧瓦棒50のリベット挿通孔52にリベット(図示せず)を挿し通し、化粧瓦棒固定片20に化粧瓦棒50の半円筒状基部53をリベット止めする。軒先側化粧瓦棒50と棟側化粧瓦棒50との接続部では、軒先側化粧瓦棒50の棟側端部にあるリベット挿通孔52及び棟側化粧瓦棒50の軒先側端部にあるリベット挿通孔52にリベットを挿し通し、軒先側化粧瓦棒50及び棟側化粧瓦棒50が重なり合った状態で取付け金具Aにリベット止めされる。リベット止めに替えてボルト締めによって、半円筒状基部53を取付け金具Aの化粧瓦棒固定片20に固定することも可能である。
【0026】
取付け金具Aを介して横葺き屋根に取り付けられた化粧瓦棒50は、軒先側金属屋根板1と棟側金属屋根板1との間にある段差hに対応する段差hを付けた半円筒状基部53をもっている。そのため、金属屋根板1の段差hが化粧瓦棒50の段差hで吸収され、金属屋根板1と化粧瓦棒50との間に隙間が生じない。
また、内曲げ部51が金属屋根板1の表面に面接触するため化粧瓦棒50が安定配置され、平面部23のコーナーが複数箇所で化粧瓦棒50の内面に接触するため横葺き屋根に取り付けられた化粧瓦棒50の形状安定性も向上する。しかも、化粧瓦棒固定片20の長孔27を棟側金属屋根板1の軒先側端面に接近させているので、化粧瓦棒50をリベット止めした個所に加えられるモーメントが小さくなり、取付け金具Aの浮き上がりが防止される。
このように、取付け金具Aを金属屋根板1の軒先側端部に挿し込み、取付け金具Aに化粧瓦棒50をリベット止めするだけの簡単な作業によって、化粧瓦棒50が金属屋根板1を多段に葺き上げた横葺き屋根に取り付けられる。
【0027】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の化粧瓦棒取付け金具は、化粧瓦棒固定片の取付け腕と金属屋根板との間の狭間隙に化粧瓦棒の内曲げ部が差し込まれる方式を採用しているため、取付け腕の下縁にある押圧辺が内曲げ部を介して金属屋根板又は金属成形板に接触する。したがって、化粧瓦棒が金属屋根板又は金属成形板に密に取り付けられ、機械的強度が向上すると共に、取付け金具の内部に雨水が滞留することもなく腐食に強い取付け構造となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 金属屋根板を横葺きした屋根に化粧瓦棒を取り付けた概略斜視図
【図2】 従来の化粧瓦棒取付け金具の斜視図(a)及び側面図(b)
【図3】 本発明に従った化粧瓦棒取付け金具の分解斜視図
【図4】 同化粧瓦棒取付け金具の化粧瓦棒固定片の斜視図
【図5】 金属屋根に取り付けられる化粧瓦棒の一例
【図6】 化粧瓦棒の取付け状態を示す要部断面図
【符号の説明】
1:金属屋根板 A:化粧瓦棒取付け金具 w:棟方向実効長さ h:横葺き屋根の段差 g:平面部23と金属屋根板1との間の隙間
10:着座片 12:着座部 13:差込部 16:起立部
20:化粧瓦棒固定片 23:平面部 24:支持稜 25:取付け腕
26:押圧辺
30:押え金具 31:基端部 36:押え部
40:ボルト 45:ナット
50:化粧瓦棒 51:内曲げ部
Claims (1)
- 横葺きされた金属屋根の棟側金属屋根板と軒側金属屋根板との連結部又は横葺きされた金属壁面の上段側金属成形板と下段側金属成形板との連結部に装着される化粧瓦棒取付け金具であり、先端が棟側金属屋根板又は上段側金属成形板と軒側金属屋根板又は下段側金属成形板との隙間に挿し込まれる着座部の後端から起立部が立ち上がる着座片と、該着座片の起立部に固着され、化粧瓦棒を内側から支持する平面部の両側から棟方向に取付け腕が延びている化粧瓦棒固定片と、着座片の起立部と化粧瓦棒固定片の平面部との間に基端部が差し込まれ、棟側金属屋根板の軒側端部近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に押し付けられる押え部が先端に形成された押え金具と、着座片のボルト孔に挿通され、押え金具のボルト挿通孔から突出する脚部にナットが装着され、ナットの締め付けによって押え金具の押え部を棟側金属屋根板の軒側端部近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に押し付けるボルトとを備え、化粧瓦棒固定片の取付け腕は平面部よりも下方に突出し、化粧瓦棒が装着された状態では取付け腕の下縁が化粧瓦棒を介して軒側金属屋根板の棟側近傍又は上段側金属成形板の下部近傍に接触することを特徴とする化粧瓦棒取付け金具。
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