JP4734065B2 - 電気泳動装置および装置構成器具 - Google Patents

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Description

本発明は、電気泳動装置および当該装置を構成する器具に関するものであり、より詳細には、電気泳動実行中の所望の時点でサンプルに励起光を照射して蛍光を検出するための、高い検出感度を有する電気泳動装置および当該装置を構成する器具に関するものである。
電気泳動を用いた分析(例えば、質量分析)では、分離媒体である電気泳動ゲルが充填されたカセットを泳動槽に配置し、タンパク質を含むサンプルをアプライし、電気泳動を行った後にゲルをカセットから取り出し、ゲルを染色した結果を観察し、所望の部分をゲルから切り出し、切り出したゲル片を用いている。
サンプルの分離・展開に用いる電気泳動用のゲルは薄く、壊れやすい。電気泳動後のこのようなゲル中に含まれるタンパク質分離スポット(バンド)を検出および/または定量するためには、(1)カセットを泳動槽から取り外し、(2)カセットを分解してゲルを取り出し、(3)ゲルを検出装置へ搬送し(または搬送するために平坦な固定板に載せ)、そして(4)ゲルの変形を防止するために液体に浸す(またはサポートフィルムに固定化する)。このような操作は煩雑であり、ゲルは有毒であるので、取り出し操作は危険を伴う。さらに、電気泳動を行った後に取り出したゲルを染色するので無駄な時間を要する。蛍光染色を施したサンプルを用いてゲル染色までの工程を省略する方法(例えば、特許文献1および2を参照のこと)が知られている。
特開平5−215713号公報(平成5年8月24日公開) 特開平5−215714号公報(平成5年8月24日公開)
しかしながら、励起光波長と蛍光波長とが近接した蛍光物質(例えば、Cy5)を用いてタンパク質を定量する場合、ゲルおよび/またはカセットによる励起光の反射および/または散乱が検出感度に影響を与え、微量タンパク質スポットは、ゲルをカセットから取り出すことなく検出することができない。よって、特許文献1および2に記載されている技術を用いても分離したサンプルを観察するためには、電気泳動終了後に電気泳動装置から取り外したカセットからゲルを取り出して移動させることが必要であり、作業者が分離したサンプルを観察するためにはゲルとの接触を回避することはできなかった。
泳動槽の中のゲルを直接観察することができれば、電気泳動にて分離中のサンプルの観察を行うことができ、さらに電気泳動に供することもできる。しかし、このことは泳動槽による種々の反射光(散乱光)により妨げられてきた。特に、蛍光物質にて染色したサンプルを観察する場合、励起光の数十〜数百分の一程度にすぎない蛍光をロスなく検出することは不可能であった。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、電気泳動を開始した後、作業者が電気泳動ゲルに接触することなく、分離したタンパク質を容易に観察し、ゲルを取り出すことなく高感度な分析を行い得る電気泳動装置および装置構成器具を実現することにある。
本発明者らは、上記反射光(散乱光)のうち泳動槽の上面または下面において生じるものが特に不具合を生じることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明に係る電気泳動器具は絶縁物を有し、
該絶縁物は、
第1分離媒体を内部に収納するための第1分離媒体収納部;
第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
を備えており、
反射防止層が該光透過部を被覆していることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動器具は、絶縁物を有し、
該絶縁物は、
第1分離媒体が内部に収納されている第1分離媒体収納部;
第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
を備えており、
反射防止層が該光透過部を被覆していることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、分離サンプルを感度よく検出し得る。
本発明に係る電気泳動器具は、絶縁物を有し、
該絶縁物は、
第1分離媒体を内部に収納するための第1分離媒体収納部;
第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
を備えており、
第1分離媒体収納部を挟んで該光透過部の対面に光吸収層をさらに備えていることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動器具は、絶縁物を有し、
該絶縁物は、
第1分離媒体が内部に収納されている第1分離媒体収納部;
第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
を備えており、
第1分離媒体収納部を挟んで該光透過部の対面に光吸収層をさらに備えていることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、分離サンプルを感度よく検出し得る。
本発明に係る電気泳動器具において、上記光吸収層が、第1分離媒体収納部を挟んで前記反射防止層と対向して設けられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記光吸収層が、第1分離媒体収納部を挟んで前記反射防止層と対向して設けられていることにより、該反射防止層側に照射/検出部を設けた際に、第1分離媒体裏面における反射光(散乱光)を避けることができる。
本発明に係る電気泳動器具において、上記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆していることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、単純な構造を有する電気泳動器具として構築し得る。
本発明に係る電気泳動器具において、上記反射防止層が第2板状絶縁体上に設けられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、単純な構造を有する電気泳動器具として構築し得かつ反射防止層を随時設けることができる。
本発明に係る電気泳動器具は、前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆した構成において、第2板状絶縁体が反射防止層であることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、単純な構造を有する電気泳動器具として構築し得かつ構成部材の点数を低減させることができる。
本発明に係る電気泳動器具は、前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆した構成において、上記光吸収層が第1板状絶縁体上に設けられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、単純な構造を有する電気泳動器具として構築し得かつ反射防止層を随時設けることができる。
本発明に係る電気泳動器具において、第1板状絶縁体が光吸収層であることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、上記構成を有することにより、単純な構造を有する電気泳動器具として構築し得かつ構成部材の点数を低減させることができる。
本発明に係る電気泳動器具は、第1開口部にて第1分離媒体と接触させる第1緩衝液を充填するための第1緩衝液槽および第2開口部にて第1分離媒体と接触させる第2緩衝液を充填するための第2緩衝液槽がさらに備えられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、電気泳動に必要な緩衝液を充填するための緩衝液槽を有しているので、新たな組立ての必要性がない。
本発明に係る電気泳動器具において、上記絶縁物、第1緩衝液槽および第2緩衝液槽が一体形成されていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、電気泳動に必要な緩衝液を充填するための緩衝液槽を一体化して有しているので、操作/運搬が容易である。
本発明に係る電気泳動器具は、第1緩衝液槽および第2緩衝液槽がそれぞれ第1電極および第2電極を備えていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、第1開口部または第2開口部が、サンプルを保持した第2分離媒体を密着させる形状を有していることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具は、第1開口部または第2開口部が、サンプルを保持した第2分離媒体を密着させる形状を有していることにより、サンプルを確実に第1分離媒体に移動させることができ、かつ第1分離媒体においてより高度な分離を遂行することができる。
本発明に係る電気泳動器具が上記構成を有することにより、別の分離媒体にて分離したサンプルを第1分離媒体に供給することができ、2次元電気泳動を実行し得る。
本発明に係る電気泳動装置は、上記の電気泳動器具、第1分離媒体中のサンプルを照射するための照射手段、および該サンプルからの蛍光を検出するための検出手段が備えられていることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、分離中のサンプルを高感度にて観察することができる。
本発明に係る電気泳動装置において、第1分離媒体に電圧を印加するための第1電圧印加手段がさらに備えられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置において、第1緩衝液槽および第2緩衝液槽に挿入するための第1電極および第2電極が、第1電圧印加手段と連結された第1配線手段に設けられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、緩衝液槽とは独立した形態で電極を有することにより、電極の取替えや洗浄を容易に行い得る。
本発明に係る電気泳動装置において、サンプルを第2分離媒体中で分離するための分離器具がさらに備えられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、前記分離器具にて第2分離媒体に電圧を印加するための第2電圧印加手段がさらに備えられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、分離器具に挿入するための第3電極が、第2電圧印加手段と連結された第2配線手段に設けられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、サンプルを保持した第2分離媒体を第1開口部または第2開口部へ移動するための移動手段がさらに備えられていることが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、前記移動手段が、第2分離媒体を該分離器具から第1開口部または第2開口部へ移動することが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、前記移動手段が、第1配線手段を移動することが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明に係る電気泳動装置において、前記移動手段が、第2配線手段を移動することが好ましい。
本発明に係る電気泳動装置は、上記構成を有することにより、高度に自動化された2次元電気泳動を可能にする。
本発明を用いれば、電気泳動を開始した後、煩雑な作業を伴うことなく、分離したサンプルを高感度に検出し得、定量的な分析を行い得る。
本発明に係る電気泳動器具の第1の実施形態を、2次元電気泳動用の2Dチップ(2次元目電気泳動用チップ)として利用可能な電気泳動器具100を例として、図1〜4に基づいて説明する。
本発明の一実施形態に係る電気泳動器具100の要部構成を示す斜視図を図1に示す。本実施形態に係る電気泳動器具100において、下部基板(第1板状絶縁体)1、上部基板(第2板状絶縁体)2からなる絶縁物10に対して、2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4を収納する溝部(第1分離媒体収納部)4’、第1緩衝液槽5、および第2緩衝液槽6が設けられており、上部基板2上を反射防止層3が被覆している。図1に示す電気泳動器具100の断面図を図2に示す。
このような電気泳動器具100を作製するためには、先ず、上面に溝部4’を設けた下部基板1上に、上部基板2を重ね合わせて、溝部4’を絶縁物10により覆い、さらにその上から反射防止層3にて被覆する(図3および4を参照のこと)。そして上部基板2を貫く2つの溝(第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6)が下部基板1に設けられている。第1分離媒体収納部4’に収納された第1分離媒体4は、第1開口部7および第2開口部8において絶縁物10の外部と連絡している。
第1開口部7および第2開口部8は、電気泳動器具100に設けられた第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6にそれぞれ面している。サンプルの分離を実行するために、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6には、溝部4’に収納された第1分離媒体4と第1開口部7および第2開口部8にて接する第1緩衝液および第2緩衝液がそれぞれ充填される(図示せず)。
用語「サンプル」は当該分野において標本、調製物と同義で用いられ、本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」またはその等価物が意図される。「生物学的サンプル」は、供給源としての生物材料(例えば、個体、体液、細胞株、組織培養物もしくは組織切片)から得られる、任意の調製物が意図される。生物学的サンプルとしては、体液(例えば、血液、唾液、歯垢、血清、血漿、尿、滑液、および随液)および組織供給源が挙げられる。好ましい生物学的サンプルは、被験体サンプルである。好ましい被験体サンプルは、被験体から得た皮膚病変部、喀痰、咽頭粘液、鼻腔粘液、膿、または分泌物である。本明細書中で使用される場合、用語「組織サンプル」は、組織供給源より得られた生物学的サンプルが意図される。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知である。本明細書中で使用される場合、用語「サンプル」としては、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプル以外に、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプルより抽出したタンパク質サンプル、ゲノムDNAサンプルおよび/または総RNAサンプルも挙げられる。
上記所望のタンパク質(またはDNAなど)が蛍光標識(または蛍光染色)されている場合、タンパク質(またはDNAなど)バンドの蛍光を検出する必要がある。この場合、蛍光を発生させるためには励起光がタンパク質(またはDNAなど)に届かなければならず、発生した蛍光が第1分離媒体外部に放出されなければならない。
本実施形態に係る電気泳動器具100において、上方より反射防止層3を介して第1分離媒体4を観察するので、上部基板2のうち、第1分離媒体収納部4’と反射防止層3との間の部分は透過性材料からなる透過部である。この場合、タンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質に励起光を照射するための照射手段30、およびタンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質が発する蛍光を検出するための検出手段40を、図9に示すように、第1分離媒体4の上方に設置されることが好ましい。なお、上部基板2全体が光透過性であってもよい。
もちろん、下部基板1が光透過性であれば、下部基板1の下方に照射手段30および検出手段40を設置してタンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質が発する蛍光を検出することも可能であり、照射手段30および検出手段40を設ける部位は、反射防止層3の部位およびそれに伴う光透過部の部位に応じて適宜設定され得る。
反射防止層3は、少なくとも励起光のピーク波長に対する反射率が5%以下であることが好ましく、2%以下であることが好ましい。反射防止層3としては、屈折率の低い物質(低屈折率材料)からなる層から構成されたものや、低屈折率材料、屈折率の高い物質(高屈折率材料)、低屈折率材料と高屈折率材料との中間の屈折率を有する物質(中屈折率物質)などを組み合わせて構成された多層膜が用いられ得る。
低屈折率材料としては、珪素酸化物、フッ化マグネシウムなどが挙げられ、高屈折率材料としては、チタン酸化物、ニオブ酸化物、亜鉛酸化物、インジウム酸化物などが挙げられ、中屈折率材料としては、アルミニウム酸化物などが挙げられるが、いずれもこれらに限定されない。例えば、反射防止層3としては、上部基板2に、酸化チタン、酸化ケイ素、または酸化チタンと酸化ケイ素とを順次スパッタリング法にて積層したものが好ましく用いられ得る。かような材料から構成される反射防止層3は、上部基板2上に直接設けられても、別の基材上に設けられたものを上部基板2と貼り合わせる構成であってもよい。
上記基材としては、ガラス基材、ポリエステル系樹脂フィルム、セルロース系樹脂フィルム、ポリオレフィン系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルムなどが挙げられる。上記種々の材料を基材上に設ける方法としては、該材料を蒸着法、スパッタリング法などの乾式法により形成させる方法、および、該材料を含む溶液をコーティング法などの湿式法により形成させる方法が挙げられる。
反射防止層3は、励起波長の透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましい。なお、励起光が入射する方向での反射率が上記範囲内であることが重要であるので、入射方向を考慮して反射防止層3の光学設計を行うことが必要である。
第1の実施形態において、透過部は、励起波長および蛍光波長の反射/吸収が低いことが望まれる。透過部を構成するに好ましい材料としては、励起波長および蛍光波長の反射/吸収が低くなるように設計されたセラミック材料およびプラスチック材料が挙げられるが、これらに限定されない。また、下部基板1および/または上部基板2自体が透過部であってもよく、この場合、下部基板1および/または上部基板2が絶縁性を有していることを考慮して、これらを構成するに好ましい材料としては、ガラス、アクリル樹脂、ポリオレフィン系樹脂などが挙げられるが、これらに限定されない。
電気泳動器具において第2開口部8から第1開口部7に向かってのみ電流が流れる必要があるので、絶縁物10は第1開口部7および第2開口部8を除いた部位にて第1分離媒体4に密着しかつ第1分離媒体4を絶縁しなければならない。また、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6において液体(緩衝液)が保持されなければならないので、絶縁物10は防水性が高いことが好ましい。このような特性を有する絶縁物としては、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
電気泳動器具100において、絶縁物10、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6が一体形成されている態様を用いて本発明を説明してきたが、これらは別々に構成されていてもよい。
第1開口部7および第2開口部8においてのみ第1分離媒体4が緩衝液と接していることが好ましいので、第1分離媒体4を覆う絶縁物10は防水性が高い物質からなることが好ましい。また、電気泳動終了時または電気泳動中における高感度での分析のように第1分離媒体4を絶縁物10から取り外すことなくサンプルを検出するためには、絶縁物10は光透過性の高い物質からなることが好ましい。このような特性を兼ね備えた物質としては、ガラス、樹脂が挙げられ、樹脂材料としてはアクリル樹脂、PDMS、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリスチレン、PET、塩ビなどが挙げられ、重量や操作性、生産性の観点からアクリル樹脂(例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)など)が好ましい。
なお、第1分離媒体4を第1分離媒体収納部4’にて作製しても、別途作製した第1分離媒体4を移動して第1分離媒体収納部4’に固定してもよい。第1分離媒体収納部4’は溝である必要はなく、その場合、下部基板1上の第1分離媒体4を固定する部位を囲むように、第1分離媒体4の厚みと等しいスペーサ(図示せず)を配置し、スペーサを介して下部基板1と上部基板2とを接着すればよい。
本発明に係る電気泳動器具の第2の実施形態を、2次元電気泳動用の2Dチップ(2次元目電気泳動用チップ)として利用可能な電気泳動器具101を例として、図5〜8に基づいて説明する。
本実施形態に係る電気泳動器具101の要部構成を示す断面図を図5に示す。本実施形態に係る電気泳動器具101において、下部基板(第1板状絶縁体)1、上部基板(第2板状絶縁体)2からなる絶縁物10に対して、2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4を収納する溝部(第1分離媒体収納部)4’、第1緩衝液槽5、および第2緩衝液槽6が設けられている。
第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、上方より第1分離媒体4を観察するので、上部基板2のうち、第1分離媒体収納部4’を被覆する部分は透過性材料からなる透過部である。この場合、タンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質に励起光を照射するための照射手段30、およびタンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質が発する蛍光を検出するための検出手段40を、図9に示すように、第1分離媒体4の上方に設置されることが好ましい。なお、上部基板2全体が光透過性であってもよい。
第2の実施形態において、電気泳動器具101は、第1分離媒体収納部4’を挟んで上記光透過部の対面の下部基板1上に光吸収層9をさらに備えている。また、上部基板2を貫く2つの溝(第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6)が下部基板1に設けられている。第1分離媒体収納部4’に収納された第1分離媒体4は、第1開口部7および第2開口部8において絶縁物10の外部と連絡している。
第1開口部7および第2開口部8は、電気泳動器具101に設けられた第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6にそれぞれ面している。サンプルの分離を実行するために、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6には、溝部4’に収納された第1分離媒体4と第1開口部7および第2開口部8にて接する第1緩衝液および第2緩衝液がそれぞれ充填される(図示せず)。
第2の実施形態において、光吸収層9は下部基板1の第1分離媒体収納部4’直下(図5を参照のこと)に設けられても下部基板1の底面(図6を参照のこと)に設けられてもよい。また、光吸収層9は下部基板1のうちの第1分離媒体収納部4’を支持する部分全体(図7を参照のこと)であっても下部基板1全体(図8を参照のこと)であってもよい。
もちろん、下部基板1が透過部を備え、下部基板1の下方に照射手段30および検出手段40を設置してタンパク質(またはDNAなど)を標識する蛍光物質が発する蛍光を検出することも可能である。この場合は、光吸収層9は上部基板2のうちの第1分離媒体分離部4’を被覆する部分であり得、上部基板2全体が光吸収層9であってもよい(図示せず)。このように、照射手段30および検出手段40を設ける部位は、光透過部の部位およびそれに伴う光吸収層9の部位に応じて適宜設定され得る。
光吸収層9は、少なくとも励起光のピーク波長に対する透過率が5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。このようなものとしては、励起光のピーク波長に吸収体を有する色素または顔料などが用いられ得る。具体的には、上記色素または顔料などを溶剤または樹脂バインダに混入した組成物が、コーティング法などの湿式法により形成され得る。また、下部基板1が光吸収層9を兼ねる場合は、上記色素または顔料などを基板に混入すればよい。さらに、光吸収層9は蛍光波長の透過率もまた5%以下であることが好ましく、2%以下であることがより好ましい。
第2の実施形態において、絶縁物10および透過部は、第1の実施形態と同様であってよい。また、電気泳動器具101において、絶縁物10、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6が一体形成されている態様を図5〜8に示したが、これらは別々に構成されていてもよい。
以上のように、1つの局面において、本発明に係る電気泳動器具100・101は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、該下部基板1を被覆する上部基板2を有し、該上部基板2上に反射防止層3を設けてなることを特徴としている。
他の局面において、本発明に係る電気泳動器具100・101は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、該下部基板1を被覆する上部基板2を有し、該下部基板1が黒色であるかまたは該下部基板1に黒色層9が設けられていることを特徴としている。
さらに他の局面において、本発明に係る電気泳動器具100・101は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、該下部基板1を被覆する上部基板2を有し、該上部基板2上に反射防止層3を設けてなり、かつ該下部基板1が黒色であるかまたは該下部基板1に黒色層9が設けられていることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動器具100・101において、上記下部基板1上に第1分離媒体4があることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具100・101において、上記第1分離媒体4がゲル状物質であることが好ましい。
本発明に係る電気泳動器具100・101において、反射防止層3は、上部基板2に、酸化ケイ素、または酸化チタンと酸化ケイ素とを順次スパッタリング法にて積層したものであり得る。
透過波長には幅があるので検出手段における工夫(例えば、CCDカメラでの蛍光フィルターの使用)だけでは、蛍光を観察する際に励起光を完全に遮断することはできない。しかし、上記構成を有する本発明を用いることにより、カセットによる反射光および/または散乱光を首尾よく排除することができ、よって、励起光波長と蛍光波長とが近接する蛍光物質を用いてタンパク質(またはDNA)サンプルを検出および/または分析することができる。
さらに、本発明を用いれば、ゲルを取り出す必要がないので、ゲルの乾燥および/または変形を防止し得るとともに、ゲルを取り出した際に不可欠のゲルの洗浄を行うことなく低バックグラウンドにて分析し得る。
なおさらに、電圧印加終了(電気泳動終了)の後に生じ得るタンパク質(またはDNA)のスポットの拡散を防止し得る。
また、電圧印加終了(電気泳動終了)の後には、泳動終了時の目印となる色素マーカー、染料、およびサンプルに標識化されなかった蛍光色素がゲル端面(低分子量側)に分離している。これらの物質がサンプル分離後のゲルに接触することを防止し得るので、誤った分析を防止し得る。
本発明に係る電気泳動装置の一実施形態を、図9または10に基づいて説明する。
図9は、本発明に係る電気泳動器具の第1の実施形態100を備えた電気泳動装置200の一実施形態を示す断面図である。本実施形態に係る電気泳動装置200は、電気泳動器具100、照射手段30および検出手段40を備えている。本実施形態において、電気泳動器具100には、下部基板(第1板状絶縁体)1、上部基板(第2板状絶縁体)2からなる絶縁物10に対して、2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4を収納する溝部(第1分離媒体収納部)4’、第1緩衝液槽5、および第2緩衝液槽6が設けられており、上部基板2上が反射防止層3により被覆されている。第1分離媒体収納部4’に収納された第1分離媒体4は、第1開口部7および第2開口部8において絶縁物10の外部と連絡している。
第1開口部7および第2開口部8は、電気泳動器具101に設けられた第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6にそれぞれ面している。サンプルの分離を実行するために、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6には、溝部4’に収納された第1分離媒体4と第1開口部7および第2開口部8にて接する第1緩衝液および第2緩衝液がそれぞれ充填される(図示せず)。
本実施形態に係る電気泳動装置200では、かような電気泳動器具100に励起光を照射手段30より照射して蛍光標識されたサンプルからの蛍光を検出手段40にて検出するので、上部基板2のうち、第1分離媒体収納部4’と反射防止層3との間の部分は透過性材料からなる透過部であり、より好ましくは上部基板2全体が透過性である。
本実施形態に係る電気泳動装置200では、照射手段30および検出手段40が反射防止層3(および/または下部基板1)の特性を利用して、微量タンパク質(またはDNAなど)であってもシャープな検出画像を感度よく得ることができる。具体的には、従来、微量のサンプルに対して、長時間露光することによりバックグラウンドノイズとの差が不明瞭であったシグナルの検出強度を上げていたが、本実施形態を用いれば、短時間の露光であっても高いS/N比(シグナルS:蛍光、ノイズN:励起光)を得ることができ、高感度で検出することができる。
図10は、本発明に係る電気泳動器具の第2の実施形態101を備えた電気泳動装置200の一実施形態を示す断面図である。本実施形態に係る電気泳動装置200は、電気泳動器具101、照射手段30および検出手段40を備えている。本実施形態において、電気泳動器具101には、下部基板(第1板状絶縁体)1、上部基板(第2板状絶縁体)2からなる絶縁物10に対して、2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4を収納する溝部(第1分離媒体収納部)4’、第1緩衝液槽5、および第2緩衝液槽6が設けられている。電気泳動器具101は、下部基板1上に光吸収層9をさらに備えている。また、第1分離媒体収納部4’に収納された第1分離媒体4は、第1開口部7および第2開口部8において絶縁物10の外部と連絡している。
第1開口部7および第2開口部8は、電気泳動器具101に設けられた第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6にそれぞれ面している。サンプルの分離を実行するために、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6には、溝部4’に収納された第1分離媒体4と第1開口部7および第2開口部8にて接する第1緩衝液および第2緩衝液がそれぞれ充填される(図示せず)。
本実施形態に係る電気泳動装置200では、かような電気泳動器具101に励起光を照射手段30より照射して蛍光標識されたサンプルからの蛍光を検出手段40にて検出するので、上部基板2のうち、第1分離媒体収納部4’を被覆する部分は透過性材料からなる透過部であり、より好ましくは上部基板2全体が透過性である。
本実施形態に係る電気泳動装置200では、照射手段30および検出手段40が光反射層9の特性を利用して、移動中のタンパク質(またはDNAなど)であっても高感度で検出することができる。
照射手段30は、第1分離媒体4中にて分離・展開される蛍光標識化したサンプルに対して励起光を照射し、検出手段40は、サンプルから生じた蛍光を検出し得る。このような構成を有することにより、電気泳動装置200を用いる際に、作業者はゲルに接触する必要がない。また、本実施形態に係る電気泳動装置200では、短時間の露光であっても高いS/N比の高感度検出が可能であるため、電気泳動の最中に電圧負荷を一旦停止させることなく、高感度で検出することができる。
照射手段30によって光照射されるタンパク質(またはDNAなど)は予め染色されていることが好ましく、蛍光染色されていることがより好ましい。
従来、ゲル中の蛍光標識化タンパク質(またはDNAなど)を検出する場合、電気泳動終了後(すなわち、タンパク質(またはDNAなど)の移動が停止している状態)にゲルの直上からの照射光をゲルの直上にて観察する構成を有している。このような構成を有する検出機器を用いたとしても、電気泳動中のタンパク質(またはDNAなど)を検出することは非常に困難である。なぜなら、標的のタンパク質(またはDNAなど)を高感度で検出するためには露光時間を長くする必要があったので、サンプルの移動とともに不明瞭な分離を検出することとなり、分析が不可能だからである。
なお、本発明に係る電気泳動装置200は、照射手段30および検出手段40の動作を首尾よく制御し、かつ収集したデータを処理する制御手段(図示せず)を備えている。本実施形態における制御手段は、演算部、記憶部、処理部などの複数の機能部位を併せ持つ構成を有する制御部を備えている。制御手段の記憶部には、制御手段の処理部にて行われる演算を実行するプログラムが格納されており、記憶部には収集されたデータもまた記録され、必要に応じて処理部に入力される。制御部において、記憶部に格納されたプログラムを演算部が実行し、図示しない入出力回路などの周辺回路を制御することによって、制御が実現される。周辺回路としては、種々の設定値(例えば、用いる蛍光物質の励起波長/蛍光波長など)を格納する格納部、検出された値と格納されている値とを比較する比較部、比較結果に基づいて移動手段などを制御するための出力を算出する処理部などの間に形成される回路などが挙げられるが、これらに限られない。これらの機能ブロックは、全て演算部の制御を受けており、これら機能ブロックは、その具体的な構成、機能等は特に限定されるものではない。
図11は、本発明に係る電気泳動器具100および101の特徴を兼ね備えた電気泳動器具102と電気泳動器具102以外の分離器具70とを組み合わせて2次元電気泳動を行う際に電圧を印加するための電圧印加手段を備えた2次元電気泳動装置201の断面図を示す。
電気泳動装置201にて実際に電気泳動を行うために、図11に示すように、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に挿入された第1電極52および第2電極53を介して第1電圧印加手段50によって第1分離媒体4に電圧が印加される。その結果、第2開口部8から第1開口部7に向かって電流が流れるとともに第1分離媒体4にアプライされたサンプルが第1開口部7から第2開口部8に向かって展開/分離される。
本実施形態に係る電気泳動装置201では、第1電極52および第2電極53が配線手段51によって第1電圧印加手段50と連結されており、第1電極52および第2電極53は、それぞれ第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に挿入されている。第1電極52および第2電極53は、それぞれ第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に固定されていてもよいが、電気泳動器具102を用いるサンプルごとに交換することを考慮すると、固定されていないことがより好ましい。配線手段51が移動手段(図示せず)によって移動可能である場合は、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に設けられた電極固定部(図示せず)に着脱可能な形態であってもよい。なお、第1電極52および第2電極53は、固定されずに移動可能である場合、容易に洗浄され得る。
電気泳動装置201にて2次元電気泳動を行う場合は、分離器具70は、1次元目分離を行うための1Dセルとして、電気泳動器具100は、2次元目分離を行うための2Dセルとして用いられ得る。
図11に示すように、本実施形態に係る2次元電気泳動装置201は、2Dセル(電気泳動器具)100および1Dセル(分離器具)70を備えている。2Dセル100には、下部基板1および上部基板2からなる絶縁物10、上部基板2の間に設けられた反射防止層3、下部基板1の下面に設けられた光吸収層9、および2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4が収納されている下部基板1の溝部4’が備えられている。
電気泳動装置201では、1Dセル70は、実際に電気泳動を行うために1D分離槽71を有する。1D分離槽71では、図11に示すように、第3電極82を介して第2電圧印加手段80によって1Dゲル(第2分離媒体)(図示せず)に電圧が印加される。その結果、1Dゲルにアプライされたサンプルが図11の紙面垂直方向に向かって展開/分離される。
本実施形態に係る2次元電気泳動装置201では、第1電極52および第2電極53が配線手段51によって第1電圧印加手段50と連結されており、かつ第3電極82が第2配線手段81によって第2電圧印加手段80と連結されている。また、第1電極52および第2電極53はそれぞれ第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に、第3電極82は1D分離槽71に挿入されている。
第1電極52および第2電極53は、それぞれ第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に固定されていてもよいが、2Dセル100を用いるサンプルごとに交換することを考慮すると、固定されていないことがより好ましい。配線手段51が移動手段(図示せず)によって移動可能である場合は、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に設けられた電極固定部(図示せず)に着脱可能な形態であってもよい。また、図8に示すように、第1電極52および第2電極53は、それぞれ第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に充填される緩衝液中に挿入されるだけでもよい。
第3電極82は、第1電極52および第2電極53と同様に、1D分離槽82に固定されていてもよいが、1Dセル70および2Dセル100を用いるサンプルごとに交換することを考慮すると、固定されていないことがより好ましい。配線手段81が移動手段(図示せず)によって移動可能である場合は、1D分離槽71に設けられた電極固定部(図示せず)に着脱可能な形態であってもよい。また、図8に示すように、第3電極82は、1D分離槽71に充填される緩衝液中に挿入されるだけでもよい。
なお、第1電極52、第2電極53および第3電極82は、固定されずに移動可能である場合、容易に洗浄され得る。また、装置の自動化を考慮すると、1Dセル70および2Dセル100は、ステージ(固定基板)60上に固定されていることが好ましい。
図12は、本実施形態に係る2次元電気泳動装置201における工程を自動化にて行うための要部構成を示す。本実施形態に係る2次元電気泳動装置201は、2Dセル(電気泳動器具)100および1Dセル(分離器具)70を備えている。2Dセル100には、下部基板1および上部基板2からなる絶縁物10、上部基板2の間に設けられた反射防止層3、下部基板1の下面に設けられた光吸収層9、および2次元目電気泳動を行う第1分離媒体4が収納されている下部基板1の溝部4’が備えられている。
図12に示すように、1Dゲル72が支持板73と接着しゲル付支持板74を形成している。市販されている1Dゲル72の裏面には約0.2mm厚の透明樹脂シートが付着しているので、接着剤を用いてこのシート部分と支持板73とを接着すればよい。なお、接着材は当該分野において公知のものを使用すればよいが、1Dゲル72を支持板73と接着させた状態で使用時まで低温(−20℃)で保存することが好ましいので、低温保存に適した接着剤を用いることが好ましい。また、このような温度特性は、支持板73についても同様である。支持板73は本実施形態に係る2次元電気泳動装置201の移動手段(図示せず)によって駆動されるアーム90によって保持される。アーム90は移動手段(図示せず)によって、図中に示すようにX方向および/またはZ方向に移動可能である。
第1緩衝液槽5において上部基板2を貫く開口の幅は、対応する下部基板1の溝幅より広い。この差分によって形成されたサンプル供給口によって、1Dゲル72と2Dゲル4とを密着させ得、よって1D分離槽71にて1次元目のサンプル分離を終えた1Dゲル72中のサンプルの2次元目分離を首尾よく行い得る。なお、本実施形態では、図12に示すように、第1開口部7がサンプル供給口を兼ねている。
図12において左方から右方に向けて2次元電気泳動が実行される。2次元電気泳動装置201において実行される各工程について説明すると以下の通りである。
2次元電気泳動に必要なサンプル、試薬、分離媒体を所定の位置にセットした後に、制御手段(図示せず)は、2次元電気泳動装置201の手段を適切に制御しかつ全工程を自動にて実行させる。制御を開始することにより制御手段により駆動される移動手段(図示せず)がアーム90を移動(搬送)し、よって、1Dゲル72は、間接的に移動(搬送)される。
1次元目のサンプル分離に必要な処理を施された1Dゲル72は、第2分離槽71まで搬送され、第2分離槽71内の第3電極62間に配置される。ここで、第2電圧印加手段80によって1Dゲル72に電圧が印加されて、サンプルが1Dゲル72中にて第1方向に分離される。サンプル分離に必要な時間および必要な電圧に関する情報もまた、制御手段の格納部に記録されている。上述した各情報は、制御手段の格納部に記録されたプログラムによって、用いる1Dゲル72の種類、サンプルの種類、各試薬の種類に従って適宜選定かつ実行される。
1Dゲル72中にて第1方向への分離が終了した後、1Dゲル72は、1次元目のサンプル分離後(2次元目のサンプル分離前)に必要な処理を施すために所定位置まで移動手段により搬送され、必要に応じて微小振盪される。次いで、処理後の1Dゲル72は、2Dゲル4のサンプル供給口7まで移動手段により搬送され、2Dゲル4に密着される。
1Dゲル72が2Dゲル4に密着された後に第1電圧印加手段50によって2Dゲル4に電圧が印加されることにより、2Dゲル4において、1Dゲル72中で第1方向に分離した分離サンプルが、第1方向(Y軸方向)と異なる第2方向(X軸右方向)にさらに分離される。この第2方向へのサンプル分離を実行するために、2Dセル100では、第1方向に分離したサンプルを含む1Dゲル72を2Dゲル4に密着させる工程;2Dゲル4に電圧を印加してサンプルを第2方向に分離する工程;第2方向への分離中のサンプルを検出する工程が行われる。
なお、2Dゲル4での分離において必要な時間などの情報もまた、制御手段の格納部に記録されている。上述した各情報は、制御手段の格納部に記録されたプログラムによって、用いる1Dゲル72および2Dゲル4の種類、サンプルの種類、各試薬の種類に従って適宜選定かつ実行される。
照射手段30および検出手段40を用いることにより、サンプルの第2方向への分離途中にサンプルの分離状況を電気泳動終了時または電気泳動中に感度よく分析する。必要に応じて、第1電圧印加手段50による2Dゲル4への電圧印加を停止し、目的の位置に存在する蛍光標識化されたタンパク質(またはDNAなど)のバンドを切り出し手段(示さず)によって切り出す。
なお、用いる蛍光物質の特性などの情報もまた、制御手段の格納部に記録されている。上述した各情報は、制御手段の格納部に記録されたプログラムによって、用いる1Dゲル72および2Dゲル4の種類、下部基板1および/または反射防止層3の種類、光吸収層9の種類、サンプルの種類、各試薬の種類に従って適宜選定かつ実行される。
2次元電気泳動装置201では、1Dゲル72にてサンプルは第1方向に分離され、次いで、2Dゲル4にて第2方向に分離される。第1方向への分離と第2方向への分離を規定するパラメータは同じであってもよいが、分離性能を向上させるためにはそれぞれ異なることが好ましい。これら2方向への分離を規定するパラメータとしては、タンパク質の等電点、分子量、単位サイズあたりの表面電荷(ゾーン電気泳動)、ミセルへの分配係数(ミセル動電クロマトグラフィー)、固定相−移動相への分配係数(電気クロマトグラフィー)、相互作用物質との親和定数(親和結合電気泳動)などが挙げられるが、通常の2次元電気泳動では、第1方向への分離が等電点に基づいて、第2方向への分離が分子量に基づいて行われる。
1Dセル70および2Dセル100をサンプルごとに交換して用いるべきであることを考慮すると、これらの固定化は着脱可能であることが好ましい。1Dセル70および2Dセル100を、ステージ(固定基板)60に固定するための機構としては、真空吸引機構、挟固定機構、磁力固定機構および静電吸着機構が挙げられるが、これらに限定されない。アーム90によるゲル付支持板74の保持もまた同様である。また、真空吸引機構を採用する場合は、真空吸着プレート(図示せず)を介して固定することが好ましい。
電気泳動装置201においては、ゲル付支持板74の3次元での位置精度が重要であるが、電気泳動装置201の有する制御手段(図示せず)の制御下にてアーム90が精度よく移動され、1Dゲル72に対して種々の工程が精度よく実行される。また、電極52・53・82の搬送/固定を自動化にて行う場合は、制御手段の制御下にてアーム90が、第1緩衝液槽5、第2緩衝液槽6および1D分離槽71への電極52・53・82の搬送/固定を行い得る。
電気泳動は高電圧下にて行われるので、サンプルの分離中には1Dセル70および2Dセル100は高温になる。よって2次元電気泳動装置201には、1Dセル70および2Dセル100ならびにこれらを固定するステージ60を冷却するための冷却手段(図示せず)がステージ60直下に設けられている。特に、2次元電気泳動装置201は、ペルチェ冷却制御機構を採用することにより、電気泳動時の1Dセル70および2Dセル100の温度を一定に保つことができる。
また、本発明に係る2次元電気泳動装置201は、図中に明示していないが、1Dゲル72および2Dゲル4の温度制御を行うための温度制御手段(図示せず)などを備えることにより、さらに高度なサンプル分離を行い得る。
このように2次元電気泳動装置201において、制御手段による上述したような制御が実行されることにより、2次元電気泳動の工程を全自動にて行い得る。また、2次元電気泳動装置201が、上述したような制御が実行する制御手段を有することにより、種々のプロトコルの選定および/または導入を容易に行って、サンプル分離性能を追求することができる。また、2次元電気泳動の電圧印加プログラムをコンピュータにてフィードバック制御するための2次元用高電圧印加制御システムを導入し、自動ステージと連携して制御することができる。
以上のように、1つの局面において、本発明に係る電気泳動用装置200・201は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、電極52および53を有しかつ緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、下部基板1に保持された第1分離媒体4上に上部基板2を有し、該上部基板2上に反射防止層3を設けてなり、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6は緩衝液で満たされてなることを特徴としている。
他の局面において、本発明に係る電気泳動用装置200・201は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、電極52および53を有しかつ緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、下部基板1に保持された第1分離媒体4上に上部基板2を有し、該下部基板1が黒色であるかまたは該下部基板1に黒色層9が設けられてなり、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6は緩衝液で満たされてなることを特徴としている。
さらに他の局面において、本発明に係る電気泳動用装置200・201は、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、電極52および53を有しかつ緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備え、下部基板1に保持された第1分離媒体4上に上部基板2を有し、該上部基板2上に反射防止層3を設けてなり、かつ該下部基板1が黒色であるかまたは該下部基板1に黒色層9が設けられてなり、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6は緩衝液で満たされてなることを特徴としている。
本発明に係る電気泳動用装置200・201において、上記上部基板2の上方に光照射部30および蛍光検出部40を備えることが好ましい。上記光照射部30は、蛍光物質を励起し得る特定波長を照射することがより好ましい。
本発明に係る電気泳動用装置200・201において、上記第1分離媒体4がゲル状物質であることが好ましい。
本発明に係る電気泳動用装置200・201において、反射防止層3としては、上部基板2に、酸化ケイ素、または酸化チタンと酸化ケイ素とを順次スパッタリング法にて積層したものであり得る。
ヒトゲノムプロジェクトが終了した後、プロテオーム研究が盛んに行われている。「プロテオーム」とは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産されているタンパク質全体が意図され、その研究としてはタンパク質のプロファイリングなどが挙げられる。
タンパク質をプロファイリングする手法の1つとして最も用いられているものが、タンパク質の2次元電気泳動である。タンパク質は、電荷および分子量の独特の性質を有しているので、多数のタンパク質の混合物であるプロテオームから電荷のみまたは分子量のみに依存して個々のタンパク質を分離するよりも、両者を組み合わせることにより、より多くのタンパク質を高分解能にて分離することができる。
2次元電気泳動は、タンパク質を電荷に依存して分離する等電点電気泳動、および分子量に依存して分離するスラブゲル電気泳動(特に、SDS−PAGE)の2つの電気泳動ステップからなる。また、2次元電気泳動は、用いるサンプルを変性剤存在下または非存在下にて行うことことも可能であり、数百種類以上のタンパク質を一度に分離し得る、優れた手法である。
2次元電気泳動では、サンプルを1次元目ゲルにて等電点電気泳動を行った後、1次元目ゲルを取り出して2次元目ゲルにアプライし、分子量に基づいて2次元目の分離を行う。通常、等電点電気泳動を行う1次元目ゲルは、その幅や長さに比べて非常に薄い形状を有している。よって、ゲルの表裏、pH勾配の方向の識別が困難であるだけでなく、反りや捩れが発生しやすく、形状を一定に保つことが困難である。このことは電気泳動結果の再現性が悪い要因となりやすい。さらに、1次元目ゲルの操作もまた容易ではなく、1次元目ゲルを2次元目ゲルまで移動する際の位置精度を向上させることは困難である。
このように2次元電気泳動は優れた手法である一方で、熟練した技術を要する。作業者の熟練度に依存するので、2次元電気泳動を用いて再現性よく定量的なデータを取得することは困難である。
しかし、本発明を用いれば、2次元電気泳動の工程を全自動にて行い得、かつ再現性よく定量的なデータを取得することができる。
なお、本明細書において、電気泳動器具および電気泳動装置について本発明を説明してきたが、本明細書を読んだ当業者は、本発明はまた、タンパク質の分離方法(タンパク質の電気泳動方法)を提供することを容易に理解する。
すなわち、1つの局面において、本発明は、
・第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備えた電気泳動器具100・101の下部基板1に、予め蛍光染色済みのタンパク質試料を含む第1分離媒体4を保持する工程、
・該保持された第1分離媒体4上に反射防止層3を有する上部基板2を配置する工程、
・第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に緩衝液を充填する工程、
・第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に電極52および53を配置する工程、
・電気泳動によりタンパク質を分離する工程、
・分離する様子又は分離した結果を該上部基板2の上方に位置する光照射部30および蛍光検出部40により検出する工程、
を有することを特徴としているタンパク質の分離方法を提供する。
上記光照射部30は、蛍光物質を励起し得る特定波長を照射することがより好ましい。
他の局面において、本発明は、
・黒色であるまたは黒色層9が設けられている、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備えた電気泳動用カセットの下部基板1に、予め蛍光染色済みのタンパク質試料を含む第1分離媒体4を保持する工程、
・該保持された第1分離媒体4上に反射防止層3を有する上部基板2を配置する工程、
・第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に緩衝液を充填する工程、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に電極52および53を配置する工程、
・電気泳動によりタンパク質を分離する工程、
・分離する様子又は分離した結果を該上部基板2の上方に位置する光照射部30および蛍光検出部40により検出する工程、
を有することを特徴としているタンパク質の分離方法を提供する。
上記光照射部30は、蛍光物質を励起し得る特定波長を照射することがより好ましい。
さらに他の局面において、本発明は、
・黒色であるまたは黒色層9が設けられている、第1分離媒体4を保持する下部基板1と、該下部基板1の両端に、緩衝液を充填する第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6を備えた電気泳動用カセットの下部基板1に、予め蛍光染色済みのタンパク質試料を含む第1分離媒体4を保持する工程、
・該保持された第1分離媒体4上に反射防止層3を有する上部基板2を配置する工程、
・第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に緩衝液を充填する工程、第1緩衝液槽5および第2緩衝液槽6に電極52および53を配置する工程、
・電気泳動によりタンパク質を分離する工程、分離する様子又は分離した結果を該上部基板2の上方に位置する光照射部30および蛍光検出部40により検出する工程、
を有することを特徴としているタンパク質の分離方法を提供する。
上記光照射部30は、蛍光物質を励起し得る特定波長を照射することがより好ましい。
本発明に係るタンパク質の分離方法において、上記第1分離媒体4がゲル状物質であることが好ましい。
尚、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様および以下の実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、当業者は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲内で変更して実施することができる。
また、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
第1分離媒体(2Dゲル)としてポリアクリルアミド(泳動方向45mm×幅80mm×厚さ1mm)を作製した。ゲルの一方の端面にサンプルアプライ部を定法に従って設けた。電気泳動器具として、ガラス、PMMAまたはPVCからなるカセット(泳動方向60mm×幅100mm×厚さ5.5mm)を用いた。このカセットの第1分離媒体収納部は厚さ1mmであり、幅方向に各10mmのスペーサが設けられている。反射防止層を有する実施例として、反射防止層を構築したシートを、第1分離媒体を被覆するようにカセットに貼った。光吸収層を有する実施例として、カセットの裏面に黒色スプレー塗料を塗布した。反射防止層と光吸収層の両層を有する実施例として、反射防止層を構築したシートを第1分離媒体を被覆するようにカセットに貼り、カセットの裏面に黒色スプレー塗料を塗布した。
分子量マーカー(SIGMA)を分離サンプルとして用いた。電気泳動前に予めCy5(Amersham biosciences)を製造業者の指示書に従って用いて、サンプルを蛍光標識した。蛍光標識したサンプルを上記サンプルアプライ部に注入し、200V定電圧を20分間印加して電気泳動を行った。
照射手段として、励起光波長620nmのキセノン光源を、カセット観察面に対して45°にて入射するように設置し、検出手段として、蛍光フィルター(680nm)を有するCCDカメラを、カセット観察面の法線方向に設置した。これらの検出系を用いて、電気泳動後の分離サンプル、および分離サンプルのないポリアクリルアミドゲル部の樹脂基板を撮影した。
上述したように、カセットに対して45°にて励起光を入射し、カセット面に対して法線方向からCCDカメラ(蛍光フィルター680nm)にて撮影を行った結果、樹脂基板において、以下に示す光強度が観察された。これは、カセット樹脂基板とステージ上方の空気層との間に反射・散乱した励起光である。これらは、カセットを通して蛍光サンプルを観察する場合にバックグラウンド値を生じさせ、観察すべき各スポットの蛍光強度値に加算される。
このような基板を用いて実験を行った結果、基板裏面に黒色の光吸収層を設けた場合に励起光の反射・散乱を吸収し、バックグラウンド値が低下した。カセット表面における励起光(620nm)の反射光をCCDで検出した結果を図13に示す。これらにより、それぞれのカセットにおいて同様の効果が見られることがわかった。
タンパク質スポットにおいて、蛍光標識タンパク質はその濃度に比例した蛍光強度を有することが知られている。2D電気泳動において分離されるスポットはいずれも小さく、すなわち、分離されるタンパク質はその大部分が微量である。
従来のカセットを用いて検出した場合、バックグラウンドのノイズ(揺らぎ)の範囲内に蛍光強度値が含まれてしまい、スポットが存在するにもかかわらず、その蛍光を検出し得ないことが多かった。
本発明に係る電気泳動器具を用いれば、反射防止層および/または光吸収層が設けられているので、0.1μg/μL以下のタンパク質サンプルをアプライした場合であってもそのタンパク質を検出し得る(図14を参照のこと)。
また、スポット強度の大きな高濃度タンパク質から発せられる蛍光に起因する散乱光もまた、本発明に係る電気泳動器具に設けられた光吸収層によって吸収される。よって、本発明に係る電気泳動器具は、スポット強度(濃度)が広範囲にわたるタンパク質サンプルを2次元分離する際に非常に有効である。
本発明に係る電気泳動器具は、電気泳動装置(特に2次元電気泳動装置)の不利益を改善し得、現在盛んに行われているプロテオーム研究をより発展させることができる。また、本発明に係る電気泳動器具を電気泳動装置の一部として、または一部材として別々に作製・販売することができるので、機械分野、化学分野、生物分野を問わず、市場を活性化することができる。
本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を説明するための模式図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を説明するための断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電気泳動器具の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動化2次元電気泳動装置の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動化2次元電気泳動装置の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動化2次元電気泳動装置の要部構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る自動化2次元電気泳動装置の要部構成を示す断面図である。 種々のカセット樹脂基板におけるカセット表面での励起光の反射光をCCDで検出した結果を示すグラフである。 電気泳動器具にアプライしたサンプルのタンパク質量と検出される蛍光強度の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 下部基板(第1板状絶縁体)
2 上部基板(第2板状絶縁体)
3 反射防止層
4 2Dゲル(第1分離媒体)
4’ 溝部(第1分離媒体収納部)
5 第1緩衝液槽
6 第2緩衝液槽
7 第1開口部
8 第2開口部
9 光吸収層
10 絶縁物
30 照射手段(光照射部)
40 検出手段(蛍光検出部)
50 第1電圧印加手段
51 第1配線手段
52 第1電極
53 第2電極
60 ステージ(固定基板)
70 1Dセル(分離器具)
71 1D分離槽
72 1Dゲル(第2分離媒体)
73 支持板
74 ゲル付支持板
80 第2電圧印加手段
81 第2配線手段
82 第3電極
90 アーム
100 2Dセル(電気泳動器具)
101 2Dセル(電気泳動器具)
200 電気泳動装置
201 2次元電気泳動装置

Claims (15)

  1. 絶縁物を有する電気泳動器具であって、
    該絶縁物は、
    第1分離媒体を内部に収納するための第1分離媒体収納部;
    第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
    第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
    を備えており、
    第1分離媒体収納部を挟んで該光透過部の対面に光吸収層をさらに備えていることを特徴とする電気泳動器具。
  2. 絶縁物を有する電気泳動器具であって、
    該絶縁物は、
    第1分離媒体が内部に収納されている第1分離媒体収納部;
    第1分離媒体収納部と外部とを連絡しかつ第1分離媒体での分離方向を規定するための第1開口部および第2開口部;ならびに
    第1分離媒体収納部内部を外部から観察するための光透過部
    を備えており、
    第1分離媒体収納部を挟んで該光透過部の対面に光吸収層をさらに備えていることを特徴とする電気泳動器具。
  3. 前記光透過部を被覆する反射防止層を備え、
    前記光吸収層が、第1分離媒体収納部を挟んで該反射防止層の対面に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の電気泳動器具。
  4. 前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気泳動器具。
  5. 前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆し、前記反射防止層が第2板状絶縁体上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動器具。
  6. 前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆し、前記反射防止層が第2板状絶縁体であることを特徴とする請求項3に記載の電気泳動器具。
  7. 前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆し、前記光吸収層が第1板状絶縁体上に設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気泳動器具。
  8. 前記絶縁物が第1板状絶縁体および第2板状絶縁体を備え、第1分離媒体収納部が第1板状絶縁体上に設けられた凹部であり、第2板状絶縁体が該凹部を被覆し、前記光吸収層が第1板状絶縁体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気泳動器具。
  9. 第1開口部にて第1分離媒体と接触させる第1緩衝液を充填するための第1緩衝液槽および第2開口部にて第1分離媒体と接触させる第2緩衝液を充填するための第2緩衝液槽がさらに備えられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気泳動器具。
  10. 前記絶縁物、第1緩衝液槽および第2緩衝液槽が一体形成されていることを特徴とする請求項9に記載の電気泳動器具。
  11. 第1緩衝液槽および第2緩衝液槽がそれぞれ第1電極および第2電極を備えていることを特徴とする請求項9または10に記載の電気泳動器具。
  12. 第1開口部または第2開口部が、サンプルを保持した第2分離媒体を密着させる形状を有していることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の電気泳動器具。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の電気泳動器具、第1分離媒体中のサンプルを照射するための照射手段、および該サンプルからの蛍光を検出するための検出手段が備えられていることを特徴とする電気泳動装置。
  14. 第1分離媒体に電圧を印加するための第1電圧印加手段がさらに備えられていることを特徴とする請求項13に記載の電気泳動装置。
  15. 第1緩衝液槽および第2緩衝液槽に挿入するための第1電極および第2電極が、第1電圧印加手段と連結された第1配線手段に設けられていることを特徴とする請求項13または14に記載の電気泳動装置。
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