JP4316596B2 - サンプルの分析方法並びに分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は、生物学的なサンプルを分析するためのサンプル分析方法および分析装置に関するものであり、より詳細には、単一のサンプルを連続的に複数回の分析に供するための方法、ならびに装置および構成器具に関するものである。
ヒトゲノムプロジェクトが終了した後、プロテオーム研究が盛んに行われている。「プロテオーム」とは、特定の細胞、器官、臓器の中で翻訳生産されているタンパク質全体が意図され、その研究としてはタンパク質のプロファイリング(分析)などが挙げられる。
プロテオームは多種多様なタンパク質を含んでいるので、プロテオーム研究には、高分解能および/または高感度なタンパク質の分析手法が求められる。よって、サンプル成分(多種多様なタンパク質)の分析は、一般的に、タンパク質が有する特性に依存した分離法および/または検出法を複数組み合わせることによって行われる。
複数のタンパク質成分を含んでいる単一サンプルを連続的に複数回分析する手法としては、2次元電気泳動が挙げられる。タンパク質が有する電荷および分子量はタンパク質の種類ごとに異なるため、2次元電気泳動を用いたタンパク質の分離は、多種類のタンパク質の混合物であるプロテオームの分析に適している。つまり、電荷のみまたは分子量のみに依存して個々のタンパク質を分離するよりも、両者を組み合わせることにより、より多くのタンパク質を高分解能にて分離することができる。
2次元電気泳動は、タンパク質を電荷に依存して分離する等電点電気泳動、および分子量に依存して分離する分子量分画電気泳動(特に、SDS−PAGE)の2つの電気泳動ステップからなる。また、2次元電気泳動は、変性剤存在下または非存在下にて行うことも可能であり、数百種類以上のタンパク質を一度に分離し得る、優れた手法である(例えば、特許文献1を参照のこと)。
タンパク質を分析する他の手法としては、キャピラリー中に液体を充填し、タンパク質を液体中で分離するキャピラリー電気泳動と呼ばれる手法がある。キャピラリー電気泳動は、キャピラリーに充填される液体に応じて、キャピラリー等電点電気泳動、ゾーン電気泳動、キャピラリー等速電気泳動、ミセル動電クロマトグラフィーなどの種類がある。つまり、分離媒体である溶液を変えることにより、タンパク質を異なる特性に依存して分離することができる。
キャピラリー電気泳動は、タンパク質の分離媒体として溶液を用いるため、分離媒体として抵抗の大きいゲルを用いるゲル電気泳動と比較して、分離に要する時間が非常に短い。中でも、キャピラリー等電点電気泳動は、サンプル成分(例えば、タンパク質)を、サンプル成分が有する電荷に依存して、非常に狭い領域に濃縮させること(分離すること)ができる。このため、キャピラリー等電点電気泳動は、タンパク質などの両性分子が多種類含まれているような複合物を高感度に分離する方法として注目を集めている。
しかし、キャピラリー電気泳動は、分離媒体として溶液を用いているため、分離媒体への電圧の印加を停止すると、濃縮させたタンパク質が拡散してしまう。このため、狭い領域に濃縮されたバンドのパターンを乱すことなく、サンプル成分を回収することが困難であった。よって、キャピラリー電気泳動と他の分析手法とを組み合わせることは困難であった。このような困難を解決する方法として、特許文献2には、電気泳動の終了後、乾燥させることによりタンパク質を分離した位置に保持させ、保持したタンパク質をレーザー照射によりイオン化して質量分析を行う方法について開示されている。
特開平11−30605号公報(公開日:平成11年2月2日) 特表2005−517954号公報(公表日:平成16年6月16日)
ゲル電気泳動を用いてタンパク質を分離する方法では、分離後のタンパク質の位置を維持することは容易であるが、分離媒体であるゲルの抵抗が大きいため、タンパク質の分離(泳動)に長い時間を要する。例えば、等電点ゲル電気泳動行う場合、タンパク質が有する電荷のみに依存して分離を行うため、タンパク質のサイズあたりの電気的移動度(電荷量)が小さい。このため、等電点ゲル電気泳動を用いたタンパク質の分離には、長い分析時間および高い印加電圧を要する(8000Vの印加電圧で8時間程度)。
タンパク質の分離手法として、例えば、特許文献1に記載の2次元電気泳動を用い、他の分析手法と組み合わせてタンパク質の分析を行った場合、分析の終了には、最低でも半日〜1日程度の時間が必要である。つまり、従来の2次元電気泳動を用いたタンパク質の分離法は、スループットが低く、多種類のサンプルを複数回の分析に供する必要のあるプロテオーム解析の手法として好ましくない。
これに対し、キャピラリー等電点電気泳動は、抵抗の小さい液体を分離媒体として用いるため、分離に要する時間は短い(5分程度)。しかし、抵抗が小さいために、液体に印加していた電圧を停止すると、電気泳動後のサンプル成分(個々のタンパク質)は、拡散してしまう。つまり、等電点に依存して濃縮されていたパターンを乱すことなくサンプル成分を回収することが困難であるため、複数の分析を連続的に行っても高い分析能を得ることができない。
例えば、特許文献2に記載の方法では、電気泳動後のサンプル成分(個々のタンパク質)は、乾燥させることにより泳動槽に保持される。このため、組み合わせが可能な分析手法が制限される。例えば、キャピラリー等電点電気泳動と、質量分析以外の分析(例えば、ゲル電気泳動(SDS−PAGEなど)、クロマトグラフィー、ウエスタンブロッティング、親和結合反応(免疫反応など)を利用したタンパク質の分析)とは組み合わせることができない。
また、分析および分析の準備に多くの手作業が必要であるため、1日で連続的に行える分析の種類は、自然と限られてしまう。タンパク質を分析するためにSDS−PAGEと、ウエスタンブロッティングとを行う場合、通常、タンパク質の検出までに2日程度の時間を要する。また、サンプルの種類が多くなれば、その分作業が増え、より多くの時間を要する。さらに、サンプルの取り違えなど、思わぬミスも起こり得る。
以上に説明したようにサンプルの分析手法の1つとして有用なものは数多くあるが、複数の分析を組み合わせ、かつ連続的に行う場合、(1)分析する回数が増えるに従い所要時間が増大すること、(2)次の分析に用い得るよう首尾よくサンプル成分を回収することが困難な場合があること、(3)分析する回数が増えるに従い操作が煩雑になること、などの問題が生じる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の成分を含む単一のサンプルを効率的に複数回分析し得るサンプル分析方法および分析装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明に係るサンプル分析方法は、複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するために、第1分析媒体中にてサンプルを第1分析に供する第1分析工程;第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および、サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を第2分析に供する第2分析工程、を包含することを特徴としている。
上記回収工程において、サンプル回収部を第1分析媒体に挿入または接触させることによって、第1分析後のサンプル成分をサンプル回収部に回収する。また、第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収し得るため、サンプル回収部を移動させるだけで、第1分析後のサンプル成分を分析結果を維持したまま第2分析に供することができる。
また、各工程を自動化し得る装置を用いれば、ほとんど人の手を介することなく単一のサンプルを連続的に複数回分析することができる。ほとんど人の手を介することがないため、使用者が異なる場合であっても、再現性の高い分析結果を得ることができる。
上記構成を有することにより、単一のサンプルを連続的に複数回分析する分析を効率的に行うことができるという効果を奏する。
本発明に係るサンプル分析方法は、回収後のサンプル成分をサンプル回収部から放出させる放出工程をさらに包含してもよい。
上記構成を有することにより、サンプル成分がサンプル回収部に維持された状態では分析を行うことができないような分析であっても、第2分析として採用し得る。
本発明に係るサンプル分析方法は、第1分析媒体およびサンプル回収部に電極を設ける工程をさらに包含することが好ましい。
本発明に係るサンプル分析方法が上記工程を包含することにより、サンプル回収工程において第1分析媒体とサンプル回収部との間に電圧を印加することができるため、電荷を有する第1分析後のサンプル成分を効率的に回収することができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、第1分析媒体は液体であることが好ましい。
上記構成を有することにより、第1分析媒体からサンプル回収部に第1分析後のサンプル成分を容易に回収することができる。
本発明に係るサンプル分析方法は、回収工程を行う際に上記液体を蒸発させる蒸発工程をさらに包含してもよい。
第1分析媒体を蒸発させることによって、第1分析後のサンプルが濃縮され、効率良くサンプルの回収を行うことができる。
本発明に係るサンプル分析方法は、第1分析に供するために、サンプルを前処理する第1サンプル処理工程をさらに包含することが好ましい。第1サンプル前処理工程は、第1分析媒体からのサンプル回収を容易にするための試薬などを用いてサンプルを前処理する工程であってもよく、また、第1分析を行うための好適な条件をサンプルに付与する試薬などを用いてサンプルを処理する工程であってもよい。
上記構成を有することにより、サンプル回収を効率化することができ、また、さまざまな分析手法を第1分析として採用することができる。
本発明に係るサンプル分析方法は、第2分析に供するために、上記回収後のサンプル成分を前処理する第2サンプル処理工程をさらに包含することが好ましい。第2サンプル前処理工程は、第2分析を行うために好適な条件を付与するための試薬などを用いてサンプルを処理する工程であってもよい。
上記構成を有することにより、さまざまな分析手法を第2分析として採用することができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は金属から構成されていることが好ましい。
上記構成を有することにより、サンプル回収部を電極として用いることができるので、電荷を有するサンプルを効率よく回収することができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は吸水性材料から構成されていても、当該材料が付着していてもよい。
上記構成を有することにより、液体に含まれるサンプル成分をサンプル回収部に吸収することができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は静電特性を有する材料から構成されていても、静電特性が付与されていてもよい。
上記構成を有することにより、静電特性(電荷など)を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は親水性材料または疎水性材料から構成されていても、親水性または疎水性が付与されていてもよい。
上記構成を有することにより、親水性または疎水性のサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する物質から構成されていても、当該物質が付着していてもよい。
上記構成を有することにより、サンプル回収部に対して親和性を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部には、官能基が付与されていてもよい。
上記構成を有することにより、官能基と反応性または親和性を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
上記課題を解決するために、本発明に係るサンプル分析装置は、複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するために、第1分析媒体を保持する第1分析部;第1分析後のサンプル回収後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態で回収するサンプル回収部;およびサンプル回収部にて回収したサンプル回収後のサンプル成分を分析する第2分析部、を備えていることを特徴とする。
上記構成を有することにより、第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収し得るため、サンプル回収部を移動させるだけで、第1分析後のサンプルを第2分析に供することができる。第2分析に供するとは、サンプル回収部を第2分析部に挿入または接触させることであってもよく、回収後のサンプルをサンプル回収部から取り出して第2分析部に供給するのであってもよい。
また、各構成を、例えば、コンピューターなどに接続して自動制御を行えば、ほとんど人の手を介することなく単一のサンプルを連続的に複数回分析することができる。ほとんど人の手を介することがないため、使用者が異なる場合であっても、再現性の高い分析結果を得ることができる。
よって、本発明に係るサンプル分析方法と同様の効果を奏する。
本発明に係るサンプル分析装置は、第1分析媒体および上記サンプル回収部が電圧印加手段に接続されていることが好ましい。
上記構成を有することにより、第1分析媒体とサンプル回収部との間に電圧を印加することができるため、電荷を有する第1分析後のサンプルを効率的に回収することができる。
本発明に係るサンプル分析装置は、第1分析媒体の温度を調節する温度調節手段をさらに備えていてもよい。
例えば、上記温度調節手段が第1分析媒体の温度を上昇させ得るものであれば、液体の分析媒体を蒸発させる手段として用いることができる。よって、第1分析後のサンプルを効率的に回収することができる。
本発明に係るサンプル分析装置は、サンプル回収部を移動させる駆動手段をさらに備えていることが好ましい。
上記構成を有することにより、サンプル分析に必要な操作をさらに自動化することができるため、人の手を介した煩雑な操作を減らすことができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部は金属から構成されていることが好ましい。
上記構成を有することにより、サンプル回収部を電極として用いることができるので、電荷を有するサンプルを回収することができる。
本発明に係るサンプル分析装置は、第1分析部にて分析するために、サンプルを前処理する第1サンプル前処理槽を、さらに備えていてもよい。第1サンプル処理槽は、第1分析媒体からのサンプル回収を容易にするための試薬などを用いてサンプルを前処理する槽であってもよく、また、第1分析を行うための好適な条件をサンプル成分に付与する試薬などを用いてサンプルを前処理する槽であってもよい。
上記構成を有することにより、サンプル回収を効率化することができ、また、さまざまな分析手法を第1分析として採用することができる。
本発明に係るサンプル分析装置は、第2分析部にて分析するために、サンプルを前処理する第2サンプル前処理槽を、さらに備えていてもよい。第2サンプル前処理槽は、第2分析を行うための好適な条件をサンプル成分に付与する試薬などを用いてサンプルを前処理する槽であってもよい。また、第2サンプル処理槽において、サンプル回収部を用いた第1分析後のサンプル成分の回収を行ってもよい。
上記構成を有することにより、さまざまな分析手法を第2分析として採用することができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部は吸水性材料から構成されていても、当該材料が付着していてもよい。
上記構成を有することにより、液体に含まれるサンプル成分をサンプル回収部に吸収することができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部は静電特性を有する材料から構成されていても、静電特性が付与されていてもよい。
上記構成を有することにより、静電特性(電荷など)を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部は親水性材料または疎水性材料から構成されていても、親水性または疎水性が付与されていてもよい。
上記構成を有することにより、親水性または疎水性のサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部は回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する物質から構成されていても、当該物質が付着していてもよい。
上記構成を有することにより、サンプル回収部に対して親和性を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析装置において、サンプル回収部には、官能基が付着していてもよい。
上記構成を有することにより、官能基との反応性または親和性を有するサンプル成分を、サンプル回収部に結合または吸着させることができる。
本発明に係るサンプル分析方法は、第1分析を液体中で行い、分析したサンプルを固体のサンプル回収部で回収し、固体のサンプル回収部に回収されたサンプルを少なくとも1つ以上の第2分析に使用することを特徴としている。
本構成により、第1分析を液体中で高速に行い、分析後のサンプルを固体のサンプル回収部で回収するため、このサンプルを回収したサンプル回収部を用い第2分析に展開可能である。
本発明に係るサンプル分析方法において、液体中で行う第1分析は電気泳動であることが好ましい。
上記液体中で行う電気泳動は等電点電気泳動であることが好ましい。
電気泳動のモードとして等電点電気泳動を用いることにより、サンプルが非常に狭いバンドに濃縮され、かつ高分解能の分析が可能である。また、その他の電気泳動モードのように時間とともにサンプルが一方の電極に向かって泳動されることがないため、サンプル回収部によるサンプルの回収にシビアなタイミングが必要とされない。
本発明に係るサンプル分析方法において、少なくとも1つ以上の第2分析は、電気泳動、親和結合反応、質量分析、クロマトグラフィーからなる群より選択されることが好ましい。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記第2分析に用いる電気泳動は分子量分画電気泳動であることが好ましい。
本構成により、サンプルの等電点、分子量に従った高分解能の分析(二次元電気泳動)が実現される。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記第2分析に用いる親和結合反応は免疫反応であることが好ましい。
本構成により、サンプルとしてタンパク質を用いた場合、第1分析後、免疫反応による特定タンパク質の検出が可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、第1分析により分析したサンプルを回収するサンプル回収部は、吸水性材料、高分子膜、基板材料からなる群より選択されることが好ましい。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部に用いる吸水性材料は、水性または非水性の液体により膨張可能な乾燥ゲル、ゲル、パルプ材、濾紙からなる群より選択されることが好ましい。
本構成により、第1分析後、液体中に含まれる分析されたサンプルをサンプル回収部に瞬時に回収することが可能であり、分子量分画電気泳動などの第2分析に速やかに移行し得る。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部に用いる高分子膜は、PVDF、ニトロセルロース、ナイロン、テフロン(登録商標)、ザイテックス、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、セルロースアセテート、ラテックスからなる群より選択されることが好ましい。
本構成により、サンプルを回収したサンプル回収部を用いて、ウエスタンブロッティング・免疫反応などの親和結合反応を利用した特定タンパク質の検出が可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部に用いる基板材料は、PMMA、ポリエチレン、ポリスチレン、PET、COP、ポリカーボネート、塩ビ、ガラス、ステンレス、DLC、セラミックからなる群より選択されることが好ましい。
本構成により、サンプルを回収したサンプル回収部を用いて、質量分析による解析が可能となる。また、本構成を用いて第1分析により分析した、例えばタンパク質を用いたプロテインチップの作成も可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部は疎水性であるか、または疎水性処理が施されていることが好ましい。
本構成により、第1分析により分析した、例えばタンパク質を効率的にサンプル回収部上に回収し得る。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部に、サンプル回収部にサンプルを固定化するための官能基が設けられていることが好ましい。
本構成により、第1分析により分析した、例えばタンパク質とサンプル回収部上の官能基が反応することでタンパク質をサンプル回収部上に回収し、サンプル回収部をプロテインチップとして用いることが可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプルを回収するサンプル回収部に例えば抗体などの親和結合物質が固定化されていることが好ましい。
本構成により、第1分析により分析した、特定のタンパク質のみをサンプル回収部上に回収することが可能であり、第1分析後の、免疫反応による特定タンパク質の検出が可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、サンプル回収部は、保持基板に固定されていることが好ましい。
本構成により、厚みの薄いもしくは強度の脆いサンプル回収部であっても安定に操作可能となる。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記サンプル回収部は、保持基板の一部に固定されていてもよい。
本構成により、第1分析により分析したサンプルの一部をサンプル回収部により回収し、更なる分析に用いることが可能であり、第1分析をサンプルの分取(前処理)として使用することが可能となる。
本発明に係る分析方法は、第1分析を行う液体中でサンプルの分析を行う工程と、上記サンプル回収部もしくは上記保持基板に固定されたサンプル回収部を、第1分析を行う液体中に挿入し分析されたサンプルを回収する工程と、回収したサンプルを含む上記サンプル回収部もしくは上記保持基板に固定されたサンプル回収部を取り出す工程からなることを特徴としている。
上記分析されたサンプルを回収する工程が、第1分析を行う液体を蒸発させる工程を含むことが好ましい。
本構成により、第1分析により分析されたサンプルをサンプル回収部の材料を問わず、効率的にサンプル回収部に回収することが可能である。
本発明に係る分析方法は、第1分析を行う液体中に電圧を印加することによりサンプルを等電点電気泳動により分析する工程と、上記サンプル回収部もしくは上記保持基板に固定されたサンプル回収部を第1分析を行う液体中に電圧を印加した状態で挿入し分析されたサンプルを回収する工程と、回収したサンプルを含む上記サンプル回収部もしくは上記保持基板に固定されたサンプル回収部を取り出す工程からなることを特徴としている。
本構成により、第1分析は、液体を用いた等電点電気泳動により高速高分析能で達成され、液体中に電圧を印加した状態でサンプル回収部を挿入し分析されたサンプルを回収するため、回収に際し等電点方向の分解能の低下が生じない。
本発明に係るサンプル分析方法において、上記第1分析に等電点電気泳動を用いる場合も、サンプルを回収する工程が第1分析を行う液体を蒸発させる工程を含んでもよい。
本発明に係るサンプル回収器具は、第1分析により液体中でサンプルを分析した後、サンプルを回収する器具であって、サンプル回収器具が吸水性材料、高分子膜、基板材料からなる群より選択されるサンプル回収部により構成されることを特徴としている。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部に用いる吸水性材料は、水性または非水性の液体により膨張可能な乾燥ゲル、ゲル、パルプ材、濾紙であることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部に用いる高分子膜は、PVDF、ニトロセルロース、ナイロン、テフロン(登録商標)、ザイテックス、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、セルロースアセテート、ラテックスからなる群より選択されることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部に用いる基板材料は、PMMA、ポリエチレン、ポリスチレン、PET、COP、ポリカーボネート、塩ビ、ガラス、ステンレス、DLC、セラミックからなる群より選択されることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部は、疎水性を有するもしくは疎水性処理が施されていることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部にサンプルをサンプル回収部に固定化するための官能基が設けられていることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部に例えば抗体などの親和結合物質が固定化されていることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部は、サンプル回収部を固定するための保持基板の少なくとも底全面に固定されていることが好ましい。
本発明に係るサンプル回収器具において、上記サンプル回収器具を構成するサンプル回収部は、サンプル回収部を固定するための保持基板底面の一部に固定されていてもよい。
本発明に係るサンプル分析装置は、上記サンプル回収器具と、第1分析を行う液体を充填し第1分析を行うための第1分析部を有する基板と、上記サンプル回収器具を保持するための保持部と、上記保持部を移動させるための駆動手段からなることを特徴としている。
本構成により、第1分析後のサンプル回収の自動化が可能となり、分析の高効率化、再現性向上に繋がる。
本発明に係るサンプル分析装置は、上記第1分析部中の液体の温度調節を行う温度調節手段を備えていることが好ましい。
本構成により、第1分析中の温度調節による安定した分析および、サンプル回収時の加熱による液体の蒸発が可能となり、サンプルの回収がサンプル回収部材料を問わず高効率で可能となる。
本発明に係るサンプル分析装置は、上記第1分析部中で電気泳動を行うための電圧印加手段を備えていることが好ましい。
本発明に係るサンプル分析装置は、第1分析部を有する基板上の第1分析部に電極が形成されている、または、第1分析部に電極を挿入する機構を備えていることが好ましい。
本発明に係るサンプル分析装置において、上記サンプル分析装置を構成する基板上の第1分析部に親水性処理が施されていることが好ましい。
本構成により、例えばタンパク質などのサンプルが第1分析部に吸着せず、上記サンプル回収器具に効率的に回収可能である。
本発明に係るサンプル分析装置において、上記サンプル分析装置を構成する基板上の第1分析部の幅および深さが1〜5000μmであることが好ましい。
本構成により、分析に用いるサンプルが微量でよい、電気泳動における発熱が効率的に除去される、サンプル回収時の加熱による液体の蒸発が高効率に行い得るという効果がある。
本発明に係るサンプル分析装置において、上記第1分析を行うための液体の液量が、上記第1分析部内において、流路底面から1〜1000μmの厚さ範囲であることが好ましい。
本構成により、サンプル回収が瞬時に、またサンプル回収時の加熱による液体の蒸発およびサンプルの回収が高効率で行い得る。
本発明に係るサンプル分析装置において、上記サンプル分析装置を構成する基板上に、第1分析を行うための第1分析部と、第2分析を行うためのおよび/もしくは第2分析を行うために必要な処理を行うための少なくとも1つ以上の槽が形成されていることが好ましい。
本構成により、第1分析後の第2分析が迅速かつ自動で行い得、また、装置全体の小型化に繋がる。
本発明を用いれば、分析終了後のサンプル成分を、分析結果を維持したまま次の分析に供することができる。よって、複数回のサンプル分析に要する時間を短縮し得る。また、複数回のサンプル分析に要する操作を減少し得る。さらに、分析結果の精度を向上させ得る。つまり、本発明を用いれば、単一のサンプルの連続的な複数回の分析を効率的に行うことができる。
また、本発明を用いれば、液体を用いた第1分析後のサンプルを、容易に第2分析に用いることができる。特に、1次元目に等電点電気泳動を用いる2次元電気泳動の高速化が可能となる。また、キャピラリー電気泳動と他の分析方法とを容易に組み合わせることが可能となる。
〔1:サンプル分析方法〕
本発明に係るサンプル分析方法は、複数の成分を含むサンプルを複数回分析するサンプル分析方法であって、第1分析媒体中にてサンプルを第1分析に供する第1分析工程;第1分析後のサンプルをサンプル回収部に回収する回収工程;および回収後のサンプルを第2分析に供する第2分析工程を包含することを特徴としている。
用語「サンプル」は、当該分野において標本、調製物と同義で用いられ、本明細書中で使用される場合、「生物学的サンプル」またはその等価物が意図される。「生物学的サンプル」は、供給源としての生物材料(例えば、個体、体液、細胞株、組織培養物もしくは組織切片)から得られる、任意の調製物が意図される。生物学的サンプルとしては、体液(例えば、血液、唾液、歯垢、血清、血漿、尿、滑液、および随液)および組織供給源が挙げられる。好ましい生物学的サンプルは、被験体サンプルである。好ましい被験体サンプルは、被験体から得た皮膚病変部、喀痰、咽頭粘液、鼻腔粘液、膿、または分泌物である。本明細書中で使用される場合、用語「組織サンプル」は、組織供給源より得られた生物学的サンプルが意図される。哺乳動物から組織生検および体液を得るための方法は当該分野で周知である。本明細書中で使用される場合、用語「サンプル」としては、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプル以外に、上記生物学的サンプルおよび上記組織サンプルより抽出したタンパク質サンプル、ゲノムDNAサンプルおよび/または総RNAサンプルも挙げられる。また、「サンプル」を構成する種々の因子が、「成分」または「サンプル成分」として本明細書中で使用される。なお、必要に応じて、サンプル成分を含む画分を総称してサンプルという。
本明細書中で使用される場合、用語「サンプル分析」は、サンプルに含まれる成分(サンプル成分)を定性的および/または定量的に識別することが意図され、個々の成分を分析しても複数の成分を分析してもよい。なお、「サンプル分析」は「サンプル分離」を包含し、「サンプル成分の分析」と置換可能に使用される。
用語「サンプル回収」とは、サンプル成分がサンプル回収部に物理的に取り込まれること、あるいは、サンプル成分とサンプル回収部とが結合または吸着することによってサンプル成分がサンプル回収部に保持されることを意図している。
サンプル成分がサンプル回収部に物理的に取り込まれることとは、例えば、サンプル成分が溶解または拡散している液体を、サンプル回収部が吸収することなどが挙げられる。この場合、サンプル回収部は、水性または非水性の液体を吸収し得る吸水性材料から構成されていても、当該材料が付着していてもよい。吸水性材料としては、乾燥ゲル、ゲル、パルプ材、濾紙、スポンジおよび綿などが挙げられ、このうち、乾燥ゲルをサンプル回収部として用いることが好ましい。
サンプル回収部の材料として、従来公知の様々なゲルを好適に用いることができる。ゲルの材料としては、アクリルアミド、N,N’−ジメチルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、アガロース、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ポリN−アクリロイルアミノエトキシエタノール、ポリN−アクリロイルアミノプロパノールなどが挙げられる。
また、サンプル成分とサンプル回収部とが結合または吸着する原理としては、サンプル成分が有する電荷、疎水性、親水性、特定物質との反応性およびこれらの組み合わせなどが挙げられる。サンプル回収部は、サンプル成分が有する特性に合わせて選択した材料から構成されてもよく、当該材料が付着したものであってもよく、首尾よくサンプル成分を回収し得る性質を付与されていてもよい。
例えば、電荷を有するサンプル成分を回収する場合、サンプル回収部は、電荷などの静電特性を有する材料から構成されていても、電荷などの静電特性が付与されていてもよい。このとき、サンプル成分とサンプル回収部とは、イオン結合、水素結合などの静電気的結合により結合する。電荷などの静電特性を有する材料としては、PVDF(Polyvinylidene Difluoride)、ニトロセルロース、ナイロン、テフロン(登録商標)、ザイテックス、ポリプロピレン、ポリ四フッ化エチレン、セルロースアセテートおよびラテックスなどから構成される高分子膜が挙げられ、このうち、PVDFまたはニトロセルロースから構成される高分子膜を、サンプル回収部として用いることが好ましい。
また、例えば、疎水性のサンプル成分を回収する場合、サンプル回収部は、疎水性材料から構成されていても、疎水性が付与されていてもよい。このとき、サンプル成分とサンプル回収部とは、疎水結合などの化学的結合により結合する。疎水性材料としては、上述した材料から構成される上記高分子膜、ならびにガラス、石英、PMMA(Polymethylmethacrylate)、PDMS(polydimethylsiloxane)、ポリエチレン、ポリスチレン、PET(polyethylene terephthalate)、COP(cyclic olefin polymer)、ポリカーボネート、塩化ビニル、ステンレス、DLC(Diamond like carbon)およびセラミックなどの基板材料が挙げられ、このうち、PVDFまたはニトロセルロースから構成される高分子膜、あるいは、ガラス、石英、PMMAまたはPDMSなどから構成される基板材料を、サンプル回収部として用いることが好ましい。
また、疎水性を付与する方法としては、疎水性溶液の塗布(例えば、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、オクタデシルトリメトキシシランなどのシランカップリング剤による処理)、プラズマ重合を用いた疎水性膜の付与(HDMSを用いたプラズマ処理)などが挙げられる。
また、親水性のサンプル成分を回収する場合、サンプル回収部は、親水性材料から構成されていても、親水性が付与されていてもよい。親水性材料としては、セルロースから構成される高分子膜などが挙げられる。
サンプル回収部に対する親水性の付与または親水性材料の付着の方法としては、親水性溶液の塗布、酸(例えば、硫酸など)を用いた処理、プラズマ重合(例えば、酸素存在下での大気圧プラズマ処理など)を用いた親水性膜の付与(例えば、酸素プラズマ処理を用いてメチル基を親水性のカルボキシル基に変換することなど)、および共有結合を用いた親水性の付与などが挙げられる。
親水性溶液としては、非イオン性界面活性剤(例えば、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルエトキシレート、Nonylphenol ethoxylate、PEG(polyethylenglycol)、Tween−20など)およびリン脂質(例えば、ホスホリルコリンなど)が挙げられる。
また、共有結合を用いた親水性の付与するための方法としては、例えば、以下の工程を包含する方法が挙げられる:NaOH、HClなどを用いてサンプル回収部を洗浄する工程;洗浄したサンプル回収部を3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(3−methacryloxypropyltrimethoxysilane)で処理する工程(これにより、サンプル回収部に2重結合が形成される);ならびに2重結合が形成されたサンプル回収部を、ジメチルアクリルアミド(dimethylacrylamide)、TEMEDおよびAPSで処理する工程(これにより、サンプル回収部上に形成された2重結合を介して、サンプル回収部と、上記ジメチルアクリルアミドとが重合する)。
なお、サンプル回収部に対する親水性の付与または親水性材料の付着の方法は、従来公知の方法から、サンプル回収部を構成している材料に合わせて適宜選択すればよい。また、上記の方法に限らず採用可能な従来公知の方法を採用してもよい。
また、例えば、特定物質との反応性(親和性)を有するサンプル成分を回収する場合、サンプル回収部は、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料から構成されていても、当該材料が付着されていてもよい。このとき、サンプル成分とサンプル回収部とは、イオン結合、水素結合、抗原抗体反応による結合、および、相補的な配列を有する核酸2分子の塩基対形成など、選択した材料に従い、さまざまな原理にて結合する。回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料としては、抗体、核酸、レクチン等が挙げられ、このうち、抗体を回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料として用いることが好ましい。抗体の種類としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、核酸リガンド、および、モレキュラーインプリント法を用いて作製された人工ポリペプチドなどが挙げられる。抗体が認識する抗原としては、特定の構造を有するタンパク質およびペプチドなどであり、特定の構造とは、(1)タンパク質またはペプチドの3次元構造、(2)リン酸基による被修飾部位、ならびに(3)糖鎖による被修飾部位などである。
また、例えば、サンプル回収部は金属から構成されていてもよい。この場合、サンプル成分とサンプル回収部とは、サンプル成分が有する官能基と金属との吸着、イオン結合などの静電気的結合によって吸着または結合する。サンプル回収部に用い得る金属としては、金および白金などが挙げられ、ZrOなどの金属酸化物も同様に用いることができる。
また、例えば、サンプル回収部に官能基を付与することによって、疎水性、親水性、および特定物質との反応性などをサンプル回収部に付与してもよい。サンプル回収部に付与する官能基として、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル基(NHSエステル)、エポキシ基、カルボニルジイミダゾール基、イソチオシアネート基、スルホニルクロリド基マレイミド基、ヨードアセトアミド基、ジスルフィド基、およびアルキル基などが挙げられる。
サンプル回収部に官能基を付与する方法として、以下の6つの方法が挙げられる:(1)サンプル回収部をピラニア溶液(過酸化水素水および濃硫酸の混合溶液)を用いて洗浄し、アミノプロピルトリエトキシシランを用いてアミノ基を付与する方法;(2)(1)の方法にてサンプル回収部に付与したアミノ基と、アミノ基反応サイト(NHSエステルなど)および所望の官能基を含む試薬(例えば、PIERCE社のクロスリンカー試薬(NHS−PEG−Maleimide)など)とを反応させる方法;(3)所望の官能基を含むシランカップリング剤(例えば、ダウコーニング社のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど)でサンプル回収部を処理する方法;(4)大気圧プラズマ処理を用いてサンプル回収部にカルボキシル基を形成する方法;(5)(4)の方法にてサンプル回収部に付与したカルボキシル基と、カルボキシル基反応サイト(アミノ基など)および所望の官能基を含む試薬(例えば、PIERCE社の1−Ethyl−3−[3−Dimethylaminopropyl]carbodiimide Hydrochlorideなど)とを反応させる方法;ならびに(6)グラフト重合を用いて所望の官能基を付与する方法。
また、サンプル回収部に、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料を付着させる方法として、以下の3つの方法が挙げられる:(7)(1)〜(6)の方法を用いて付与した官能基と、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料を有する材料と、を結合させる方法;(8)(1)〜(6)の方法を用いて付与したカルボキシル基またはアミノ基と、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有するタンパク質と、をペプチド結合させる方法;および(9)疎水性材料から構成したサンプル回収部と、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料と、を疎水結合によって結合させる方法。
なお、(1)〜(9)の方法は、サンプル回収部として用いる材料に応じて適宜選択すればよい。また、サンプル回収部に官能基を付与する方法、または回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する材料を付着させる方法としては、(1)〜(9)の方法に限定されず従来公知の採用可能な方法を用いてもよい。
用語「サンプル分析」とは、サンプル成分が有する性質(例えば、質量、電荷、疎水性、親水性、特定物質との反応性など)に従い、サンプル成分を分離または検出することによって、サンプル中に含まれる成分の詳細な情報を得ることを意図している。また、サンプル分析は任意の媒体中にて行われ得、サンプル分析の手法として当該分野において従来公知の手法を採用し得る。
本発明に係るサンプル分析方法の第1分析工程は、液体の分析媒体にて行われることが好ましい。例えば、分析媒体に液体を用いる手法として、キャピラリー等電点電気泳動、ゾーン電気泳動、等速電気泳動、ミセル動電クロマトグラフィーなどが挙げられるが、なかでも、キャピラリー等電点電気泳動を第1分析の手法として採用することが好ましい。
キャピラリー等電点電気泳動は、サンプル成分(例えば、タンパク質)が有する電荷に従って、分析媒体である液体にてサンプル成分を濃縮および分離することができる分析手法である。
分析媒体は、キャピラリー(泳動槽)においてpH勾配を形成し得る液体であればよく、例えば、等電点が少しずつ異なる両性電解質(ampholyte)の混合溶液などを用いることができる。分析媒体の抵抗が大きくなると、サンプル分離に要する時間が長くなるため、上記両性電解質は、分子量の小さい物質であることが好ましい。
上記両性電解質の混合溶液と、サンプルとを混合した液体に500V/cm程度の電圧を印加することによって、およそ1〜10分程度でサンプル成分はpH勾配における等電点に等しい位置に濃縮および分離される。ここで、分析媒体の蒸発を抑制するために、サンプル回収部を蓋として用いて、分析媒体を密閉してもよい。また、サンプル成分はpH勾配における等電点に等しい位置に濃縮および分離されるので、電圧印加時間がどれほど長くても、サンプル成分の分離パターンが変化することはない。よって、サンプル成分があるパターンに分離された後であれば、サンプル成分を回収する(サンプル分析部を分析媒体に挿入する)タイミングを自由に選択することができる。また、サンプル回収部として吸水性材料を用いる場合、サンプル成分の分離中にサンプル回収部を分析媒体中に挿入してもよい。このとき、サンプル回収部としてはIPG(immobilized pH gradient)ゲルを用いることが好ましい。
また、電圧を印加した状態でサンプル回収工程を行うことができるので、サンプル成分の核酸によって分離パターンを乱すことなくサンプル成分を回収することができる。
第1分析を液体の分析媒体にて行う場合、サンプル回収工程を行う際に分析媒体を蒸発させる蒸発工程をさらに包含していることが好ましい。分析媒体を蒸発させながらサンプル回収工程を行うことによって、サンプル回収部は分析媒体に含まれるサンプル成分のほぼ全てと接触しかつ回収することができる。また、分析媒体が蒸発することによってサンプルが濃縮され、サンプル回収効率が向上する。
本発明に係るサンプル分析方法の第1分析工程は、固体の分析媒体にて行われてもよい。固体の分析媒体を用いるサンプル分析手法としては、SDS−PAGEなどの分子量分画電気泳動、濾紙を分析媒体に用いるクロマトグラフィーなどが挙げられる。
固体の分析媒体からのサンプル成分の回収は、固体の分析媒体にサンプル回収部を接触させることによって行われる。分析媒体として固体を用いる場合、サンプル回収部および分析媒体に電極を設けることが好ましい。これより、静電特性を有するサンプル成分、または静電特性を付与されたサンプル成分を効率よく回収することができる。なお、サンプル回収部が金属から構成されている場合、サンプル回収部を電極として用いることができる。
本発明のサンプル分析方法は、第1分析に供するために、サンプルを前処理する第1サンプル前処理工程をさらに包含することが好ましい。サンプルの前処理とは、例えば、第1分析媒体からのサンプル成分の回収を容易にするための試薬などを用いてサンプルを前処理することを意図している。サンプルを前処理する試薬としては、サンプル回収部による第1分析媒体からのサンプル成分の回収を容易にするための試薬であればよく、例えば、第1分析に供するサンプルに静電特性、疎水性、親水性および特定物質との反応性を付与し得る試薬などが挙げられる。また、サンプルを前処理する試薬としては、第1分析を行うための好適な条件をサンプル成分に付与する試薬であってもよい。
本発明のサンプル分析方法は、第2分析に供するために、回収後のサンプル成分を前処理する第2サンプル前処理工程をさらに包含することが好ましい。回収後のサンプル成分の前処理は、回収後のサンプル成分を試薬で処理する工程であってもよい。回収後のサンプル成分を前処理する試薬としては、第2分析を行うために好適な条件を付与するための試薬であってもよい。
本発明のサンプル分析方法の第2分析の手法としては、当該分野において従来公知の手法を採用し得る。例えば、電気泳動を用いたサンプルの分離、親和結合反応を用いたサンプルの検出または分離、質量解析、クロマトグラフィーおよび放射性同位元素を用いたサンプル成分の検出などを挙げることができる。
以上のように、本発明のサンプル分析方法は、回収すべきサンプル成分および第1分析媒体に応じて、サンプル回収部の材料を選択することによって、第1分析後のサンプル成分を容易に回収することができ、回収したサンプル成分を第2分析に供することができる。従って、多種類の成分からなるサンプルを、連続的に複数回分析することが可能である。
〔2:サンプル分析装置〕
上述した本発明に係るサンプル分析方法を実行するための装置の実施形態を、図面を参照して以下に説明する。なお、本項において用いる用語については、上述した「1:サンプル分析方法」の項を、必要に応じて参照のこと。
〔2−1:サンプル分析装置の第1の実施形態〕
本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態について、図1を参照して以下に説明する。本実施形態に係るサンプル分析装置10は、2次元電気泳動の1次元目の分析から2次元目の分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うための装置であり、その全体構成が図1(a)に示されている。
本実施形態に係るサンプル分析装置10は、第1分析部2aにて液体中での等電点電気泳動を行った後にサンプル回収部11によって回収したサンプル成分を第2分析部3aでのSDS−PAGEによってさらに分析する。すなわち、本実施形態では、第1分析媒体は液体である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るサンプル分析装置10は、第1分析終了後のサンプル成分を回収して第2分析に供するために、サンプル回収部11および保持部12からなるサンプル回収器具1を備えている。なお、本実施形態において、サンプル回収部11は、サンプル成分を物理的に取り込む態様として、吸水性材料である乾燥ゲルを採用している。
本実施形態に係るサンプル分析装置10は、第1分析部2aおよび第2分析部3aをさらに備えている。第1分析部2aは、液体中で等電点電気泳動を行うために、第1分析媒体を充填するための第1泳動槽21;陽極用溶液のリザーバ22;および陰極用溶液のリザーバ23、を備えている。なお、第1泳動槽21は、キャピラリー電気泳動を実現し得る細さを有している。第2分析部3aは、第1分析終了後のサンプル成分についてのSDS−PAGEを行うための分離ゲルを配置する第2泳動槽31;陽極用溶液のリザーバ32;および陰極用溶液のリザーバ33、を備えている。なお、図中には示していないが、第2泳動槽31の上部には、蓋が形成されていてもよい。
図示するように、第1分析部2aおよび第2分析部3aは2次元電気泳動用基板4aに形成されており、2次元電気泳動用基板4aはプレート7上に配置されている。また、プレート7には、サンプル回収器具を駆動するための駆動手段5が配置されており、駆動手段5は垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる。なお、サンプル回収器具1は、駆動手段5に接続された支持体6に接着されているので、図1(a)におけるX方向およびZ方向に移動可能である。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、以下の記すように、2次元電気泳動の1次元目の分析から2次元目の分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
先ず、分析すべきサンプルを分析媒体とともに第1泳動槽21に充填する。第1泳動槽21は、液体等電点電気泳動を用いてサンプル成分を分離するための槽である。第1泳動槽21の両端には、2つのリザーバ22および23が形成されており、リザーバ22および23にはそれぞれ陽極用の溶液(例えば、リン酸溶液)および陰極用の溶液(例えば、水酸化ナトリウム溶液)が充填されている。また、陽極液および陰極液は互いに異なるリザーバに充填されている。第1泳動槽21において電気泳動を行うために、電極が、2つのリザーバ22および23に挿入されて、それぞれのリザーバ内に充填された溶液と接触する。なお、電極はリザーバに固定されていても着脱可能であってもよい。また、第1泳動槽21の分析媒体に対して電圧を首尾よく印加することができればよく、電極としては従来公知のさまざまな材料を用いることができる。
リザーバ22および23に挿入した電極に電圧を印加することにより、サンプル成分は、サンプル成分の電荷に従って第1泳動槽21中を移動し、分離される(第1分析)。
第1分析の後に、支持体6が、駆動手段5の水平方向駆動ステージ52によって第1分析部2aの直上まで図1(a)におけるX方向に搬送された後、垂直方向駆動ステージ51により図1(a)におけるZ方向に下降して、サンプル回収器具1のサンプル回収部11が第1泳動槽21の第1分析媒体に接触する。第1泳動槽21の第1分析媒体に接触したサンプル回収部11は、第1泳動槽21の第1分析媒体にて分析終了したサンプル成分を分析媒体とともに回収(吸収)する。そして、支持体6が、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図1(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、サンプル回収部11が、第2泳動槽31に配置された分離ゲルに接する。
第2泳動槽31は、SDS−PAGEを用いてサンプル成分を分離するための槽である。第2泳動槽31の両端には、2つのリザーバ32および33が形成されており、リザーバ32および33にはそれぞれ電気泳動用の電解液(例えば、Tris、Glysine、SDSからなる溶液)が充填されている。第2泳動槽31において電気泳動を行うために、電極が、2つのリザーバ32および33に挿入されて、それぞれのリザーバ内に充填された溶液と接触する。なお、電極はリザーバに固定されていても着脱可能であってもよい。また、第2泳動槽31の分離ゲルに対して電圧を首尾よく印加することができればよく、電極としては従来公知のさまざまな材料を用いることができる。
リザーバ32および33に挿入した電極に電圧を印加することにより、分離ゲルに接したサンプル回収部11に含まれているサンプル成分は、第1分析の結果を維持したまま、サンプル成分の電荷に従って分離ゲル中を移動し、分離される(第2分析)。
なお、第1分析と第2分析との間に、サンプル回収部11に回収されたサンプル成分への電荷付加、およびサンプル成分の還元を行うための緩衝液(SDSおよびDTT(Dithiothreitol)を含む溶液)を含有したサンプル処理槽41を配置すれば、第2分析の効率をさらに向上することができる。
また、第1分析の終了後にサンプル回収を行う態様を示したが、第1分析が完全に終了していない状態(すなわち、第1分析の電圧を印加した状態)でサンプル回収部を分析媒体に接触させてサンプル成分の回収を行うことがより好ましい。この場合、サンプル回収部と分析媒体が接した部位のみのサンプル成分を、サンプル回収部に回収することができる。さらに、第1分析において高速に分離を行った上で、サンプル回収部11(IPGゲル)においてより高精度にサンプル成分を分離することができるので、短い時間で高精度な等電点電気泳動を行うことができる。
本実施形態に係るサンプル分析装置の各構成部材のバリエーションを以下に説明する。
(サンプル回収器具1)
サンプル回収器具1のバリエーションを図6に示す。図6(a)に示すように、サンプル回収部11は、保持部12の底面の全面に保持されていることが好ましいが、必要に応じてサンプル回収部11の大きさを変えてもよい。第1分析後のサンプルの特定の画分だけを回収する場合、図6(b)に示すように、サンプル回収部11は保持部12の一部に保持されていればよい。また、例えば、図6(c)に示すように、複数のサンプル回収部11が保持部12に保持されている構成であってもよい。
本実施形態において、タンパク質をサンプル成分として用い、液体を第1分析媒体として用いているため、吸水性材料である乾燥ゲルをサンプル回収部11として用いている。サンプル回収部11の材料は、上述したように、サンプル成分および分析媒体の性質に合わせて適宜変更すればよい。
具体的には、分析すべきサンプル成分がタンパク質である場合の他の例として、タンパク質が静電特性および/または疎水性を有していることから、サンプル回収部11を静電特性および/または疎水性を有する材料から構成すればよい。また、例えば、分析すべきサンプル成分が核酸である場合、核酸が静電特性および疎水性を有していることから、サンプル回収部11を静電特性および/または疎水性を有する材料から構成すればよい。また、例えば、分析すべきサンプル成分が脂質である場合、脂質が疎水性であることから、サンプル回収部11を疎水性材料から構成すればよい。また、例えば、回収すべきサンプル成分が糖である場合、糖が親水性であることから、サンプル回収部11を親水性材料から構成すればよい。なお、以上の4つの例において、サンプル回収部11にサンプル成分の性質に合わせた材料の付着、または性質の付与を行うのであってもよい。
サンプル成分と強固に結合し得る官能基をサンプル回収部11に付着させた場合、第1分析後のサンプル成分は、第1分析の分析結果を維持した状態でサンプル回収部11と強固に結合する。従って、タンパク質と強固に結合したサンプル回収部11はプロテインチップとして、核酸と強固に結合したサンプル回収部11はDNAチップとして用いることができる。
また、サンプル回収部11および第1分析媒体は、電圧印加手段に接続されていてもよい。これにより、サンプル回収部11は、液体以外の分析媒体からも分析後のサンプル成分を首尾よく回収することができる。ここで、サンプル回収部11が金属から構成されている場合、サンプル回収部11が電極として機能する。
また、保持部12は、例えば、PMMA、ポリエチレン、PETおよびガラスなどから構成されている。第1分析として電圧印加を要する分析を選択した場合、保持部12は、絶縁性材料から構成されていることが好ましい。
なお、サンプル回収器具1は、サンプル回収部11のみを有する構成であってもよい。しかし、(1)サンプル回収部が柔らかい材質であっても取り扱いが容易であること、および(2)電圧を印加した状態の第1分析部2aから安全にサンプル成分の回収を行うことができることから、サンプル回収部11を支持体12に接続することによってサンプル回収器具1を形成することが好ましい。
(2次元電気泳動用基板4a)
図1(b)に示す2次元電気泳動用基板4aにおいて、第1分析部2aおよび第2分析部3aは、一つの基板に形成されているが、それぞれが独立した基板に形成されている構成であってもよい。例えば、2次元電気泳動用基板4aの代わりに、第1分析部2aのみが形成された基板と、第2分析部3aのみが形成された基板と、サンプル処理槽41のみが形成された基板とを用いてもよい。また、サンプル処理槽41は、同一基板に第1分析部2aまたは第2分析部3aと一緒に形成されていてもよい。
2次元電気泳動用基板4aは、サンプルを第1分析に供する前にサンプルを前処理するためのサンプル処理槽をさらに備えていてもよい(図示せず)。また、2次元電気泳動用基板4aは、第1分析部2aに充填する分析媒体の温度を調節するための温度調節手段をさらに備えていてもよい(図示せず)。また、2次元電気泳動用基板4aは、第1分析部2aに充填する第1分析媒体と接続する電極をさらに備えていてもよい(図示せず)。
(第1分析部2a)
上述したように、本実施形態に係るサンプル分析装置の第1分析部2aは、液体中で等電点電気泳動を行うために、第1分析媒体を充填するための第1泳動槽21;陽極用溶液のリザーバ22;および陰極用溶液のリザーバ23、を備えている。
第1泳動槽21に充填する分析媒体は、該分析媒体への電圧印加によってpH勾配を形成し得る液体であればよく、例えば、等電点が少しずつ異なる両性電解質(ampholyte)の混合溶液などを用いることができる。
また、第1泳動槽21の表面をアクリルアミド、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、テフロン(登録商標)およびポリビニルアルコールなどを用いて処理することが好ましい。これにより、泳動時に泳動パターンを乱す原因となる電気浸透流を抑制することができる。
第1泳動槽21は、深さおよび幅(図1のX軸方向)1〜5000μmに形成されていることが好ましい。これにより、微量の分析媒体にて分析できるので、微量のサンプルを高分解能にて分析することができる、分析媒体の吸収または蒸発を瞬時に行えるという効果を奏する。
なお、「1:サンプル分析方法」の項にて説明したように、液体の分析媒体にて第1分析を行う場合、分析媒体を蒸発させながらサンプル回収を行うことが好ましい。上述したように、第1分析の電圧を印加した状態でサンプル回収部を分析媒体中に挿入すると、サンプル回収部と分析媒体が接した部位のみのサンプル成分を、サンプル回収部に回収することができる。さらに、分析媒体を蒸発させつつサンプル回収部を徐々に下降させてサンプル回収を行えば、サンプル回収部は分析媒体に含まれるサンプル成分のほとんど全てと接触するので、ほとんど全てのサンプル成分を首尾よく回収することができる。また、分析媒体が蒸発することによってサンプルが濃縮され、サンプル回収効率が向上する。
また、第1泳動槽21は、底から1〜1000μmまで分析媒体が充填されていることが好ましい。これにより、微量の分析媒体にて分析することができるので、微量のサンプルを高分解能にて分析することができる、分析媒体の吸収または蒸発を瞬時に行えることという効果を奏する。
第1泳動槽21に親水性材料または疎水性材料を付着させてもよい。第1分析部2aに親水性材料または疎水性材料を付着させる方法としては、例えば、泳動槽21に、親水性溶液(非イオン性界面活性剤、リン脂質など)または疎水性溶液を塗布する方法、ならびに第1泳動槽21表面にプラズマ重合を用いて親水性膜または疎水性膜を形成する方法などが挙げられる。これにより、(1)親水性材料を付着させた第1泳動槽21において疎水性のサンプル成分を分析する場合、または(2)疎水性材料を付着させた第1分析部2aにおいて親水性のサンプル成分を分析する場合、第1泳動槽21と、サンプル成分との吸着または結合を抑制することができるので、サンプル成分の回収効率を向上させ得る。
以上において、サンプル成分としてタンパク質を用いた第1分析が液体の分析媒体において行われる場合について説明しているが、本発明に係るサンプル分析装置の第1分析は、分析すべきサンプル成分としてタンパク質に限定されるもではなく、また、液体の分析媒体において行う必要はない。よって、本発明に係るサンプル分析装置は、タンパク質のほかに核酸、糖および脂質などの生物学的なサンプルを分析し得る。また、第1分析の手法として、従来公知のさまざまな分析手法を採用し得る。さらに、採用した分析手法に応じて、第1分析部2aの構成を適宜変更すればよい。
(第2分析部3a)
上述したように、本実施形態に係るサンプル分析装置の第2分析部3aは、SDS−PAGEを行うための分離ゲルを配置するための第2泳動槽31;陰極用溶液のリザーバ32;および陽極用溶液のリザーバ33、を備えている。なお、リザーバ32および33は、形成位置を入れ替えてもよい。
第2泳動槽31には、分析媒体として用いる分離ゲルが配置される。上記分離ゲルは、サンプル成分(タンパク質)が有する分子量に従って分離することができるものであればよく、例えば、該分離ゲルとしては、ポリアクリルアミドゲルなどの従来公知の分離ゲルを用いることができる。上記分離ゲルは第2泳動槽31において作製されてもよく、作製済みの分離ゲルを第2泳動槽31に配置してもよい。上記分離ゲルを第2泳動槽において作製する場合、空気を遮断する必要があるため、第2泳動槽31の上部には、上記蓋が形成されていることが好ましく、該蓋と、第2泳動槽31との隙間を埋めるためのスペーサーを設けて空気を遮断することがより好ましい。
陰極用溶液のリザーバ32および陽極用溶液のリザーバ33は、陰極用の溶液および陽極用の溶液が充填され、それぞれに対して1つずつ電極が挿入される。リザーバ32および33に充填される溶液としては、SDS、TrisおよびGlysineから構成される溶液が挙げられるがこれに限定されない。
(サンプル処理槽41)
本実施形態のサンプル処理槽41は、サンプル回収部11にて回収した第1分析(等電点電気泳動)後のサンプル成分を、第2分析(SDS−PAGE)に供するために設けられる。具体的には、サンプル処理槽41において、サンプルの平衡化(SDSを用いたサンプルの処理および還元剤を用いた還元)を行う。例えば、サンプルの平衡化溶液としては、Tris−HCl、Glysine、SDS、DTTからなる溶液が挙げられるがこれに限定されない。
サンプル処理槽41は、第2分析に供するために好適な条件をサンプル成分に付与することができればよい。
また、2次元電気泳動基板4aは、第2分析の前処理を行うサンプル処理槽41とは異なる、第1分析の前処理を行うサンプル処理槽をさらに備えていてもよい。第1分析の前処理を行うサンプル処理槽は、第1分析に供するために好適な条件をサンプル成分に付与するために用いられる。例えば、また、第1分析の前処理を行うサンプル処理槽は、第1分析媒体からのサンプル成分の回収を容易にするようにサンプルを処理する(例えば、サンプル成分に静電特性、親水性および疎水性などを付与する)ための処理槽であってもよい。
(駆動手段5)
図1に示すように、サンプル分析装置10は駆動手段5を備えており、駆動手段5は、サンプル回収器具1をZ軸と平行に移動させる垂直方向駆動ステージ51と、サンプル回収器具1をX軸と平行に移動させる水平方向駆動ステージ52とから構成されている。垂直方向駆動ステージ51は支持体6と接続しており、支持体6は、サンプル回収部11が第1分析部2aと接触し得るようにサンプル回収器具1を固定している。
サンプル分析装置10が駆動手段5を備えていることにより、サンプル回収器具1は所望の位置に搬送され得る。また、装置および部材を直接操作しなくてもよいので安全である。駆動手段5として、例えば、ステッピングモーターステージおよびサーボステージなどを用いることができる。
支持体6は、例えばPMMAおよび金属から構成されていてもよい。また、支持体6を用いてサンプル回収器具1を固定する方法として、真空吸着、鋏固定、静電固定、磁気固定および接着などの方法を採用し得る。支持体6と、サンプル回収器具1とを真空吸着、鋏固定、静電固定または磁気固定によって固定する場合、サンプル回収器具1は着脱可能である。
(その他の好ましい構成)
上述したような、第1分析部2aに充填する分析媒体の温度を調節するための温度調節手段としては、ペルチェ、ヒーターおよび温度測定器などが挙げられ、上記温度調節手段は、複数の装置を組み合わせた構成であってもよい。上記温度調節手段を設ける場所は、分析媒体の温度を調節し得る場所であればどこでもよい。例えば、上記温度調節手段は、図1の2次元電気泳動用基板4aの裏面に第1分析部2aの真下付近に位置するよう形成すればよい。また、上記温度調節手段は、2次元電気泳動用基板4aではなく、プレート7上の第1分析部2aの真下付近に形成されてもよい。
2次元電気泳動用基板4aが上記温度調節手段を備えることによって、液体の分析媒体を蒸発させることができる。これにより、分析媒体中のサンプルを濃縮することができるため、サンプル成分の回収効率を高めることができる。
サンプル分析装置10は電源に接続されていることが好ましい。これにより、第1分析部2a、第2分析部3a、駆動手段5、上記温度調節手段および上記電圧印加手段に電力を供給することができ、自動でサンプル分析を行うことができる。また、サンプル分析装置10は、サンプル分析装置10の分析手順を制御する制御プログラムが組み込まれたコンピューターに接続されていてもよい。これにより、本実施形態のサンプル分析装置10は、以下の動作:
・サンプル成分(タンパク質)を、第1分析部2aにて行われる等電点電気泳動を用いて分離すること;
・分離後のサンプル成分をサンプル回収部11に回収(吸収)すること;
・回収したサンプル成分をサンプル処理槽41にて平衡化すること;
・平衡化したサンプルを第2泳動槽の端面に搬送すること;
・搬送されたサンプルを、第2分析部3aでのSDS−PAGEによって分離すること
を全て自動で行うことができる。サンプル分析装置10における全ての分析手順を自動制御にて行うことができることにより、サンプル分析の安全性および再現性を向上し得る。
第2分析終了後のサンプル成分を解析するためには、以上の動作が終了した後、CBB染色および銀染色などの染色法を用いて、サンプル回収部11に保持されている分析後のタンパク質を染色してもよい。
〔2−2:サンプル分析装置の第2の実施形態〕
本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態について、図2を参照して以下に説明する。本実施形態に係るサンプル分析装置60は、第1の分析(液体中での等電点電気泳動)から第2の分析(ウエスタンブロッティング)に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うための装置であり、その全体構成が図2(a)に示されている。なお、本実施形態において、第1の実施形態と重複する構成には同一の部材番号を付した。
本実施形態に係るサンプル分析装置60は、第1分析部2aにて液体中での等電点電気泳動を行った後にサンプル回収部11によって回収したサンプル成分を第2分析部3bでのウエスタンブロッティングによってさらに分析する。すなわち、本実施形態では、第1分析は液体の分析媒体を用いている。
図2に示すように、本実施形態に係るサンプル分析装置60は、第1分析終了後のサンプル成分を回収して第2分析に供するために、サンプル回収部11および保持部12からなるサンプル回収器具1を備えている。なお、本実施形態において、第2分析にてウエスタンブロッティングを行うために、サンプル回収部11は、サンプル成分の静電特性および疎水性に基づいて吸着(回収)するPVDF膜を採用している。
本実施形態に係るサンプル分析装置60は、第1分析部2aおよび第2分析部3bをさらに備えている。第1分析部2aは、液体中で等電点電気泳動を行うために、第1分析媒体を充填するための第1泳動槽21;陽極用溶液のリザーバ22;および陰極用溶液のリザーバ23、を備えている。なお、リザーバ22および23は、形成位置を入れ替えてもよい。第2分析部3bは、ウエスタンブロッティングを用いて、サンプル回収部11に回収されたサンプル成分を検出するために、回収後のサンプル成分をブロッキングするサンプル処理槽34a;ブロッキング後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34b;サンプル成分と、1次抗体との反応を行うサンプル処理槽34c;1次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34d;1次抗体との反応後のサンプル成分と、2次抗体との反応を行うサンプル処理槽34e;および2次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34f、を備えている。
図示するように、第1分析部2aおよび第2分析部3bは、プレート7上に配置された基板4bに形成されており、基板4bはプレート7上に配置されている。また、基板4bを固定するプレート7には、サンプル回収器具を駆動するための駆動手段5が配置されており、駆動手段5は垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる。なお、サンプル回収器具1は、駆動手段5に接続された支持体6に接着されているので、図2(a)におけるX方向およびZ方向に移動可能である。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、以下に記すように、第1分析から第2分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
第1分析については、第1の実施形態と同様である。第1分析の後に、支持体6が、
駆動手段5の水平方向駆動ステージ52によって第1分析部2aの直上まで図2(a)におけるX方向に搬送された後、垂直方向駆動ステージ51により図2(a)におけるZ方向に下降して、サンプル回収器具1のサンプル回収部11が第1泳動槽21の第1分析媒体に接触する。第1泳動槽21の第1分析媒体に接触したサンプル回収部11は、第1泳動槽21の第1分析媒体にて分析終了したサンプル成分をサンプル成分の静電特性および疎水性に基づいて吸着(回収)する。支持体6が、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図2(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、サンプル回収部11が、第2分析部3b(34a〜34f)へ搬送される。サンプル回収部11が駆動手段5によって第2分析部3bを構成する各槽34a〜34fの間を移動することによりウエスタンブロッティングが行われる(第2分析)。なお、第2分析部3bを構成する各槽34a〜34fは、ウエスタンブロッティングの各工程を実行するための溶液(緩衝液など)が充填されている。各溶液については以下を参照のこと。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、第1の分析(液体中での等電点電気泳動)から第2の分析(ウエスタンブロッティング)に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
また、第1分析の終了後にサンプル回収を行う態様を示したが、第1分析が完全に終了していない状態(すなわち、第1分析の電圧を印加した状態)でサンプル回収部を分析媒体に接触させてサンプル成分の回収を行うことがより好ましい。この場合、サンプル回収部と分析媒体が接した部位のみのサンプル成分を、サンプル回収部に回収することができる。また、第1の実施形態と同様に、分析媒体を蒸発させながらサンプル回収を行うことが好ましい。分析媒体を蒸発させつつサンプル回収部を徐々に下降させてサンプル回収を行えば、サンプル回収部は分析媒体に含まれるサンプル成分のほとんど全てと接触するので、ほとんど全てのサンプル成分を首尾よく回収することができる。また、分析媒体が蒸発することによってサンプルが濃縮され、サンプル回収効率が向上する。
なお、本実施形態に係るサンプル分析装置の構成部材もまた、上述した態様のものに限られず、第1の実施形態と同様に、温度調節手段および電圧印加手段を備えていてもよい(図示せず)。各構成部材のバリエーションを以下に説明する。
(サンプル回収器具1)
図6に示すように、本実施形態におけるサンプル回収部11は、保持部12の底面の全面に保持されている。なお、サンプル回収部11はPVDF膜に限られず、ニトロセルロースなどから構成された膜を用いてもよい。
(基板4b)
図2(b)に示すように、第1分析部2aおよび2分析部3bは、一つの基板4bに形成されているが、それぞれが独立した基板に形成されている構成であってもよい。例えば、基板4bの代わりに、第1分析部2aのみが形成された基板と、第2分析部3bのみが形成された基板とを用いてもよい。
(第2分析部3b)
上述したように、本実施形態に係るサンプル分析装置の第2分析部3bは、ウエスタンブロッティングを用いて、サンプル回収部11に回収されたサンプル成分を検出するために、回収後のサンプル成分をブロッキングするサンプル処理槽34a;ブロッキング後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34b;サンプル成分と、1次抗体との反応を行うサンプル処理槽34c;1次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34d;1次抗体との反応後のサンプル成分と、2次抗体との反応を行うサンプル処理槽34e;および2次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34f、を備えている。
サンプル処理槽34aには、ウシ血清アルブミン(BSA)およびPBST(Phosphate Buffer Saline Tween−20)などから構成されるブロッキング溶液が充填され、サンプル処理槽34cには、検出すべきサンプル成分と特異的に結合する1次抗体を含む溶液が充填され、サンプル処理槽34eには、該1次抗体と特異的に結合し、かつ蛍光などによって標識された2次抗体を含む溶液が充填され、サンプル処理槽34b、dおよびfには、PBSTなどから構成される洗浄液が充填される。
なお、本実施形態において、1次抗体はサンプル回収部11に回収されたサンプル成分と反応させているが、予め1次抗体を転写させ、ブロッキング処理を行ったサンプル回収部11を用いてもよい。この場合、第2分析部3bは4つのサンプル処理槽34から構成されていればよい。また、第1分析後のサンプル成分を回収したサンプル回収部11は、プロテインチップとして用いることができる。
(その他の好ましい構成)
サンプル分析装置60は電源に接続されていることが好ましい。これにより、第1分析部2a、駆動手段5、上記温度調節手段および上記電圧印加手段に電力を供給することができ、自動でサンプル成分の分析を行うことができる。また、サンプル分析装置60は、サンプル分析装置60の分析手順を制御する制御プログラムが組み込まれたコンピューターに接続されていてもよい。これにより、本実施形態のサンプル分析装置60は、以下の動作:
・サンプル成分(タンパク質)を、第1分析部2aにて行われる等電点電気泳動を用いて分離すること;
・分離後のサンプル成分をサンプル回収部11に回収(吸収)すること;
・回収したサンプル成分をサンプル処理槽34aにてブロッキングすること;
・ブロッキングしたサンプル成分をサンプル処理槽34bにて洗浄すること;
・サンプル処理槽34cにて、洗浄したサンプル成分と1次抗体との間で抗原抗体反応を生じさせること;
・1次抗体との反応後のサンプル成分を、サンプル処理槽34dにて洗浄すること;
・サンプル処理槽34eにて、サンプル成分に結合した1次抗体と2次抗体との間で抗原抗体反応を生じさせること;
・2次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄すること
を全て自動で行うことができる。サンプル分析装置60における全ての分析手順を自動制御にて行うことができることにより、サンプル分析の安全性および再現性を向上し得る。
第2分析終了後のサンプル成分を解析するためには、以上の動作が終了した後、上記2次抗体にレーザー光等を照射して、サンプル回収部11に保持されている分析後のタンパク質を励起光に従って検出すればよい。
〔2−3:サンプル分析装置の第3の実施形態〕
本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態について図3を参照して以下に説明する。本実施形態に係るサンプル分析装置70は、第1の分析(SDS−PAGE)から第2の分析(ウエスタンブロッティング)に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うための装置であり、その全体構成が図3(a)に示されている。なお、本実施形態において、第1の実施形態または第2の実施形態と重複する構成には同一の部材番号を付した。
本実施形態に係るサンプル分析装置70は、第1分析部2bにてSDS−PAGEを行った後に第2分析部3bにてウエスタンブロッティングを行う。すなわち、本実施形態では、第1分析は固体の分析媒体(ゲル)を用いている。
図3(a)に示すように、本実施形態に係るサンプル分析装置70は、第1分析終了後のサンプル成分を回収して第2分析に供するために、サンプル回収部11および保持部12からなるサンプル回収器具1を備えている。第1分析媒体8において分析されたサンプル成分をサンプル回収部11によって回収するために、サンプル回収部11は、サンプル成分の静電特性および疎水性に基づいて吸着(回収)するPVDF膜を採用している。また、図3(a)では省略したが、本実施形態に係るサンプル分析装置70は、第1分析終了後の第1分析媒体8を搬送するために、第1分析媒体8および保持部12’からなる分析媒体搬送器具1’を備えている。
図3(a)に示すように、第1分析部2bは、SDS−PAGEによってサンプル成分を分離するために、第1分析媒体8を配置するための泳動槽24;陽極用溶液のリザーバ22;陰極用溶液のリザーバ23;およびサンプルを第1分析媒体8に導入するためのサンプル導入部25、を備えている。第2分析部3bは、ウエスタンブロッティングを用いて、サンプル回収部11に回収されたサンプル成分を検出するために、回収後のサンプル成分をブロッキングするサンプル処理槽34a;ブロッキング後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34b;サンプル成分と、1次抗体との反応を行うサンプル処理槽34c;1次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34d;1次抗体との反応後のサンプル成分と、2次抗体との反応を行うサンプル処理槽34e;および2次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄するサンプル処理槽34f、を備えている。
サンプル成分の静電特性に基づいて第1分析媒体8からサンプル回収部11へサンプル成分を回収するために、本実施形態に係るサンプル分析装置70は、サンプル転写用の緩衝液を充填したサンプル転写槽42、および分析前のサンプル回収器具1を格納しておくための転写膜格納部43をさらに備えている。
図示するように、第1分析部2b、第2分析部3b、サンプル転写槽42および転写膜格納部43は、プレート7上に配置された基板4cに形成されており、基板4cはプレート7上に配置されている。また、プレート7には、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる駆動手段5が配置されている。
なお、駆動手段5(垂直方向駆動ステージ51)に接続された支持体6は、図3(a)におけるX方向およびZ方向に移動可能であり、支持体6と真空吸着により接着し得る分析媒体搬送器具1’およびサンプル回収器具1も同様に、図3(a)におけるX方向およびZ方向に移動可能である。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、以下の記すように、第1分析から第2分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
第1分析部2bの泳動槽24は、SDS−PAGEによってサンプル成分を分離する第1分析媒体8を収納するための槽である。第1分析媒体8および保持部12’からなる分析媒体搬送器具1’を真空吸着した支持体6’が、駆動手段5の水平方向駆動ステージ52によって泳動槽24の直上まで図3(a)におけるX方向に搬送された後、垂直方向駆動ステージ51によって図3(a)におけるZ方向に下降する。その結果、分析媒体搬送器具1’の第1分析媒体8が泳動槽24に収納される。
泳動槽24の両端には、2つのリザーバ22および23が形成されており、リザーバ22および23にはそれぞれ電気泳動用の電解液(例えば、Tris、Glysine、SDSからなる溶液)が充填されている。第1分析部2bにおいてSDS−PAGEを行うために、電極が、2つのリザーバ22および23に挿入されて、それぞれのリザーバ内に充填された溶液と接触する。なお、電極はリザーバに固定されていても着脱可能であってもよい。また、泳動槽24に収納された分析媒体8に対して電圧を首尾よく印加することができればよく、電極としては従来公知のさまざまな材料を用いることができる。
また、サンプルを第1分析媒体8に導入するためのサンプル導入部25は、分析すべきサンプルを第1分析媒体8に首尾よく供給するために、リザーバ23と隣接する泳動槽24端部に形成されている。
分析すべきサンプルをサンプル導入部25に充填し、リザーバ22および23に挿入した電極に電圧を印加することにより、サンプル成分は、サンプル成分の電荷に従って第1泳動槽24中を移動し、分離される(第1分析)。
第1分析の後に、支持体6が、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図3(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、第1分析媒体8をサンプル転写槽42内のサンプル転写用の緩衝液に挿入する。サンプル転写槽42内に形成された固定部に第1分析媒体8を配置した後、真空吸着を開放して分析媒体搬送器具1’と支持体6とを分離する。
次いで、駆動手段5によって転写膜格納部43上方に搬送された支持体6は真空吸着によりサンプル回収器具1を接着する。さらに、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図3(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、支持体6に接着したサンプル回収器具1のサンプル回収部11を、サンプル転写槽42内のサンプル転写用の緩衝液に挿入する。
上述したように、サンプル回収部11にはPVDF膜が採用されているが、図示されるサンプル回収部11の全体がPVDF膜から構成されている必要はなく、支持体6および/または支持体6’が図3(b)におけるX方向へ移動することにより第1分析媒体8と接する面にPVDF膜が配置されていればよい。
サンプル転写槽42には、電圧印加によってサンプル成分が第1分析媒体8からサンプル回収部11へ(図3(b)におけるX方向へ)移動し得るように電極が配置されている。すなわち、第1分析媒体8およびサンプル回収部11を挟んで対向する位置に電極が配置されている。なお、サンプル回収部11側の電極は、サンプル転写槽42ではなくサンプル回収部11自体に設けられていてもよい。その場合は、サンプル回収部11に設けられた電極と第1分析媒体8とによって、図3(b)におけるX方向にてPVDF膜が挟まれる構成を採る。
サンプル転写槽42に配置した電極に電圧を印加することにより、サンプル成分は、サンプル成分の電荷に従って第1分析媒体8から放出され、サンプル回収部11(PVDF膜部分)に転写される(サンプル回収)。
サンプル回収の後に、支持体6が、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図3(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、サンプル回収部11が、第2分析部3b(34a〜34f)へ搬送される。サンプル回収部11が駆動手段5によって第2分析部3bを構成する各槽34a〜34fの間を移動することによりウエスタンブロッティングが行われる(第2分析)。なお、第2分析部3bを構成する各槽34a〜34fは、ウエスタンブロッティングの各工程を実行するための溶液(緩衝液など)が充填されている。各溶液については以下を参照のこと。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、第1の分析(SDS−PAGE)から第2の分析(ウエスタンブロッティング)に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
なお、本実施形態に係るサンプル分析装置の構成部材もまた、上述した態様のものに限られず、第1の実施形態と同様に、温度調節手段および電圧印加手段を備えていてもよい(図示せず)。各構成部材のバリエーションを以下に説明する。
(分析媒体搬送器具1’)
上述したように、分析媒体搬送器具1’は第1分析媒体8および保持部12’からなる。第1分析媒体8は保持部12’と接着していても着脱可能であってもよい。着脱可能である場合は、真空吸着機構を利用すればよく、保持部12’の第1分析媒体8との接着面が、凹凸のない平面に処理してあること、真空吸着のために設ける吸引穴を有していることが好ましい。なお、真空吸着に必要な手段として当該分野において公知のものが保持部12’に連結されていれば、第1分析媒体8と保持部12’との真空吸着は首尾よく行われる。
なお、上記真空吸着機構は、サンプル回収器具1におけるサンプル回収器具11と保持体12との接着や、支持体6とサンプル回収器具1との接着、支持体6’と分析媒体搬送器具1’との接着にも適用可能であることを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
(駆動手段5および支持体6)
本実施形態について、垂直方向駆動ステージ51および単一の支持体6が、真空吸着を利用して、サンプル回収器具1と分析媒体搬送器具1’とを交互に搬送する態様を用いて説明してきたが、垂直方向駆動ステージ51および単一の支持体6は複数あっても構わない。
真空吸着を用いない場合は、図4(a)に示すような、サンプル回収器具1および分析媒体搬送器具1’の各々に独立して接着する支持体6および6’を用いればよい。この構成を用いれば、サンプル転写槽42内に第1分析媒体8を配置するための固定部を形成する必要がない。また、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52によって、サンプル回収器具1および分析媒体搬送器具1’を容易に密着させることができる。
(基板4c)
図3(b)に示すように、第1分析部2b、2分析部3b、サンプル転写槽42および転写膜格納槽43は一つの基板4cに形成されていてもよいが、それぞれが独立した基板に形成されている構成であってもよい。
(第1分析部2b)
図3(b)に示すように、第1分析部2bは、SDS−PAGEを用いて、サンプル成分を分離するために必要な以下の構成を備えている:分離ゲルを配置するための泳動槽24;陽極用溶液のリザーバ22;陰極用溶液のリザーバ23;およびサンプルを分離ゲルに導入するためのサンプル導入部25。なお、本実施形態において、陰極用溶液のリザーバ23がサンプル導入部25を兼ねていてもよい。
(サンプル転写槽42)
上述したように、サンプル転写槽42は、第1分析後のサンプル成分を、第1分析の分析媒体(分離ゲル)8から、サンプル回収部11のPVDF膜に転写するために利用する槽である。よって、サンプル分析装置70では、サンプル転写槽42において第1分析後のサンプル成分の回収を行う。
図3(b)に示すように、サンプル転写槽42は、第1分析部2bと第2分析部3bとの間に形成されているが、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52によって支持体6’を第1分析部2bから搬送し得るような位置に形成されていればよい。
図示しないが、サンプル転写槽42内の緩衝液中において、電極と第1分析媒体との間および/またはPVDF膜と電極との間には濾紙が配置されていてもよい。サンプル転写槽42に配置される電極は、サンプル転写槽42内に予め形成されていても、サンプル分析時に配置されてもよい。サンプル転写用の緩衝液としては、一般に、Tris、Glysineおよびメタノールから構成される緩衝液が使用されるが、これに限定されない。
(その他の好ましい構成)
サンプル分析装置70は、電源に接続されていることが好ましい。これにより、第1分析部2a、駆動手段5、サンプル転写部42に電力を供給することができ、自動でサンプル成分の分析を行うことができる。また、サンプル分析装置70は、サンプル分析装置70の分析手順を制御する制御プログラムが組み込まれたコンピューターに接続されていてもよい。これにより、本実施形態のサンプル分析装置70は、以下の動作:
・サンプル成分(タンパク質)を、第1分析部2bにて行われるSDS−PAGEを用いて、サンプル成分が有する分子量に従って分離すること;
・分離後のサンプル成分を、サンプル転写槽42においてサンプル回収部11に回収(転写)すること;
・回収されたサンプル成分をサンプル処理槽34aにてブロッキングすること;
・ブロッキングされたサンプル成分をサンプル処理槽34bにて洗浄すること;
・サンプル処理槽34cにて、洗浄されたサンプル成分と1次抗体との間で抗原抗体反応を生じさせること;
・1次抗体との反応後のサンプル成分を、サンプル処理槽34dにて洗浄すること;
・サンプル処理槽34eにて、サンプル成分に結合した1次抗体と2次抗体との間で抗原抗体反応を生じさせること;
・2次抗体との反応後のサンプル成分を洗浄すること
を全て自動で行うことができる。サンプル分析装置70における全ての分析手順を自動制御にて行うことができることにより、サンプル分析の安全性および再現性を向上し得る。
なお、分析すべきサンプル成分としてDNAまたはRNAを用い、第1分析媒体、検出試薬およびサンプル回収部11を適宜変更することにより、サザンブロッティングまたはノザンブロッティングを自動で行うことができる。
〔2−4:サンプル分析装置の第4の実施形態〕
本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態について図5を参照して以下に説明する。本実施形態に係るサンプル分析装置80は、第1の分析(液体中での等電点電気泳動)から第2の分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うための装置であり、その要部構成が図5(a)に示されている。なお、本実施形態において、第1〜3の実施形態と重複する構成には同一の部材番号を付した。
本実施形態に係るサンプル分析装置80は、第1分析部2aにて液体中での等電点電気泳動を行った後にサンプル回収部11によって回収したサンプル成分を第2分析部の供給口3cに充填された緩衝液中に抽出する。すなわち、本実施形態では、第1分析は液体の分析媒体を用いている。
図5(a)に示すように、本実施形態に係るサンプル分析装置80は、第1分析終了後のサンプル成分を回収して第2分析に供するために、サンプル回収部11および保持部12からなるサンプル回収器具1を備えている。なお、本実施形態において、サンプル回収部11は、サンプル成分を物理的に取り込む態様として、吸水性材料である乾燥ゲルを採用している。
本実施形態に係るサンプル分析装置80は、第1分析部2aおよび第2分析部の供給口3cをさらに備えている。第1分析部2aは、液体中で等電点電気泳動を行うために、第1分析媒体を充填するための第1泳動槽21;陽極用溶液のリザーバ22;および陰極用溶液のリザーバ23、を備えている。なお、第1泳動槽21は、キャピラリー電気泳動を実現し得る細さを有している。第2分析部の供給口3cは、第1分析終了後のサンプル成分についてのさらなる分析を行うためのサンプル注入口でもあり、複数のサンプル処理槽35を備えている。なお、図中には示していないが、サンプル処理槽35の各々から第2分析部本体(図示せず)へ液体サンプルを移送するためのチューブがそれぞれのサンプル処理槽に接続されている。
図示するように、第1分析部2aおよび第2分析部の供給口3cは基板4d上に形成されており、基板4dはプレート7上に配置されている。また、プレート7には、サンプル回収器具を駆動するための駆動手段5が配置されており、駆動手段5は垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる。なお、サンプル回収器具1は、駆動手段5に接続された支持体6に接着されているので、図5(a)におけるX方向およびZ方向に移動可能である。
上記構成を有することにより、本実施形態に係るサンプル分析装置を用いれば、以下の記すように、第1の分析から第2の分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うことができる。
第1分析については、第1の実施形態と同様である。第1分析の後に、支持体6が、
駆動手段5の水平方向駆動ステージ52によって第1分析部2aの直上まで図5(a)におけるX方向に搬送された後、垂直方向駆動ステージ51により図5(a)におけるZ方向に下降して、サンプル回収器具1のサンプル回収部11が第1泳動槽21の第1分析媒体に接触する。第1泳動槽21の第1分析媒体に接触したサンプル回収部11は、第1泳動槽21の第1分析媒体にて分析終了したサンプル成分を分析媒体とともに回収(吸収)する。そして、支持体6が、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52により図5(a)におけるX方向および/またはZ方向に移動し、サンプル回収部11が、第2分離部の供給口3cのサンプル処理槽35に充填された緩衝液に挿入される。
本実施形態におけるサンプル回収器具1は、図6(c)に示すサンプル回収部11および保持部12からなる。サンプル回収部11がかような構成を有することにより、第1分析終了後のサンプル成分を所望の画分ごとに異なる(同一でもよい)第2分析に別々に供することができる。
サンプル処理槽35は、第1分析終了後のサンプル成分を放出(抽出)させる処理槽であるとともに、第2分析に供するためのサンプル注入口でもある。サンプル処理槽35内には、適用する第2分析に好ましい緩衝液が充填されている。サンプル処理槽35にて首尾よくサンプルを抽出するためには、サンプル処理槽35に挿入されたサンプル回収部11を激しく振盪させたり、加温したり、緩衝液の浸透圧の差を利用したりすることができる。また、サンプル成分が静電特性を有する場合は、サンプル処理槽35内に電圧を印加することによりサンプル回収部11よりサンプル成分を緩衝液中に溶出することができる。なお、電圧を印加するために設ける電極の位置、種類などを、本明細書を読んだ当業者は容易に理解する。
サンプル回収部11より抽出されたサンプル成分を含む、サンプル処理槽35内の緩衝液は、サンプル処理槽35に接続されたチューブを介して第2分析部の本体へ移送され、分析される(第2分析)。
本実施形態における第2分析部としては、液体サンプルを分析する態様のものであれば、当該分野において公知の種々の分析(例えば、質量分析、クロマトグラフィーなど)が適用される。
本実施形態に係るサンプル分析装置の各構成部材のバリエーションを以下に説明する。
(基板4dおよびサンプル処理槽35)
サンプル成分が親和性結合によりサンプル回収部11と結合している場合、サンプル成分と、サンプル回収部11とが解離するような条件(例えば、低pH条件など)を有するように抽出緩衝液の組成を適宜変更すればよい。
第1分析部2aと、第2分析部3cとの間に、サンプル抽出槽35と同様の構成を有する複数のサンプル処理槽を一組以上形成してもよい。上記サンプル処理槽に、プロテアーゼおよびブロモシアンなどを充填することによって、回収したサンプル成分(タンパク質)のペプチド化を行ってもよい。また、本実施形態の第1分析が等電点電気泳動あることから、上記サンプル処理槽において、サンプルをSDSなどの電荷を有する界面活性剤で処理することによって、サンプル成分に電荷を付与してもよい。
(その他の好ましい構成)
サンプル分析装置80は、電源に接続されていることが好ましい。これにより、第1分析部2a、駆動手段5、複数のサンプル抽出部35に電力を供給することができ、自動でサンプル成分の分析を行うことができる。また、サンプル分析装置80は、サンプル分析装置80の分析手順を制御する制御プログラムが組み込まれたコンピューターに接続されていてもよい。これにより、本実施形態のサンプル分析装置80は、以下の動作:
・第1分析部2aにて行われる等電点電気泳動を用いて、サンプル成分(タンパク質)を、サンプル成分が有する電荷に従って分離すること;
・分離後のサンプル成分をサンプル回収部11に回収すること;
・回収されたサンプル成分を、第1分析の結果を維持した状態で複数のサンプル抽出槽35に抽出すること
を全て自動で行うことができる。サンプル分析装置80における全ての分析手順を自動制御にて行うことができることにより、サンプル分析の安全性および再現性を向上し得る。
サンプル分析装置80を用いれば、第1分析終了後のサンプル成分についての所望の画分のそれぞれを混合させることなく効率的に第2分析に供することができる。
〔2−5:サンプル分析装置の第5の実施形態〕
本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態について、図7を参照して以下に説明する。本実施形態に係るサンプル分析装置は、第1の分析から第2の分析に至るまでの全工程を一装置内にて連続的に行うための装置であり、その第1分析部の構成が図7(a)・(b)に示されている。なお、本実施形態の説明では、第1分析部のバリエーションを示すにとどめるが、本明細書を読んだ当業者は、引き続く第2分析の態様を容易に理解する。
なお、第1分析に用いる分析媒体は、液体でも固体でもよく、固体の場合は、第3の実施形態のようなゲルに限定されず、絶縁性でなければ(電解質を含んでいれば)電圧印加と組み合わせて本発明に利用され得、本実施形態における第1分析に用いる第1分析媒体は固体(クロマトグラフィーの担体)である。
(第1分析部2c)
本実施形態における第1分析部2cは、液体クロマトグラフィーを行うための構成を備えており、図7(a)に示すように、担体(表面に官能基が結合したシリカゲル)を充填した担体充填槽261および溶出したサンプル成分を受容する溶出槽262から構成されている。なお、サンプルを担体充填槽261に導入するためのサンプル導入部25は、分析すべきサンプルを担体充填槽261に首尾よく供給するために、担体充填槽261の端部に形成されており、サンプル成分を含む分析溶液(例えば、リン酸バッファーなど)が、チューブを用いてサンプル導入部25と連結されたポンプ(図示せず)から送り出されることによって図中の矢印方向に流動する。また、溶出槽262の端部(図中の矢頭側)にも同様に、チューブを介してポンプ(図示せず)が連結されており、このポンプは溶出槽262に流動してきた分析溶液を吸い上げる。
サンプル導入部25に充填されたサンプルが担体充填槽261にて分析された後、サンプル成分の各々が溶出槽262に溶出される。図7(a)に示す第1分析部2cからサンプルを回収するために、本実施形態のサンプル回収部11は、サンプル成分を物理的に取り込む態様として、吸水性材料である乾燥ゲルを採用している(図示せず)。サンプル回収部11に乾燥ゲルを採用した場合のサンプル回収の態様は、第1の実施形態などを参照のこと。
液体クロマトグラフィーを行うための第1分析部の構成としては、サンプル回収部11の構成に応じて適宜変更され得る。例えば、サンプル回収部11として、サンプル成分の静電特性に基づいて吸着(回収)するPVDF膜を採用した場合は、第1分析部は図7(b)に示す構成を有していればよい。
図7(b)では、溶出槽262の一方の側面に電極263をさらに備え、溶出槽262のもう一方の側面にPVDF膜からなるサンプル回収部11を配置している。この構成において、溶出層262に電圧を印加することにより、溶出層262内に溶出したサンプル成分をサンプル回収部11に転写することができる。サンプル回収部11にPVDF膜を採用した場合のサンプル回収の態様は、第2の実施形態などを参照のこと。
なお、本実施形態におけるサンプル回収部11としては、乾燥ゲルやPVDF膜に限定されず、金および白金などの金属、あるいはZrOなど導電性を有する金属酸化物などから構成されているサンプル回収部もまた、好ましく採用される。かようなサンプル回収部を用いれば、タンパク質(サンプル成分)を、タンパク質が有するチオール基と、サンプル回収部とを吸着させることにより容易に回収することができる。また、かようなサンプル回収部を用いれば、サンプル回収部自体を電極として用いることができるので、電圧印加によるサンプル成分の転写に適している。
本実施形態においては、分析媒体として液体を用いた場合について説明したが、サンプル回収部11を電極として用いて固体の分析媒体からサンプルを回収することができる。
また、本実施形態において、分析媒体である担体には、表面に官能基を結合させたシリカゲルを用いているが、分析するサンプル成分に応じて官能基を適宜変更すればよい。また、採用したクロマトグラフィーの方式(例えば、ゲル濾過、イオン交換、アフィニティー、疎水性相互作用、逆相、脱塩・バッファー交換、およびクロマトフォーカシングなど)に応じて担体を選択すればよく、シリカゲル以外の担体としては、例えば、逆相クロマトグラフィーに用いるC18担体、イオン交換クロマトグラフィーに用いるTBA Chloride担体などを挙げることができる。
分析溶液を流動させるために用いるポンプには、当該分野において公知の種々のポンプ(例えば、シリンジポンプ、ペリスタポンプおよびダイヤフラムポンプなど)を用いることができる。また、第1分析部に送られる分析溶液の量を調節するために、ポンプとサンプル導入部25とを繋ぐチューブにバルブを設けてもよい。
なお、発明を実施するための最良の形態の項においてなした具体的な実施態様および以下の実施例は、あくまでも、本発明の技術内容を明らかにするものであって、そのような具体例にのみ限定して狭義に解釈されるべきものではなく、当業者は、本発明の精神および添付の特許請求の範囲内で変更して実施することができる。
また、本明細書中に記載された特許文献の全てが、本明細書中において参考として援用される。
〔実施例1〕
本発明に係るサンプル回収器具およびサンプルの分析装置を作製し、サンプルとしてタンパク質を用い、第1分析に液体等電点電気泳動を用いて、タンパク質のゲル2次元電気泳動分離を行った。
サンプル回収器具1のサンプル回収部11として、GEヘルスケア社のフィルム付きpH勾配固定化ゲル(乾燥状態)を0.5mm幅、50mm長に切断して用いた。また、保持部12としてPMMAを選定し、0.5mm幅、50mm長、15mm厚に加工し、保持部12の底面と上記pH勾配固定化ゲルのフィルム面を接着することでサンプル回収器具1を作製した。
また、図1に示すような2次元電気泳動用基板4aを、PMMAを加工して作製した。第1泳動槽21は、0.5mm幅、50mm長、1mm厚で、第1泳動槽21の両端に直径2mm、1mm厚の陽極液用リザーバ22および陰極液用リザーバ23を作製した。第1泳動槽21には、リン脂質による表面処理を施した。サンプル処理槽41は1mm幅、50mm長、1mm厚のものを一つ作製した。また、緩衝液槽32・33は10mm幅、50mm長、5mm厚のものを二つ作製し、SDS−PAGE用の陽極液および陰極液用リザーバとした。上記SDS−PAGE用のリザーバ間に、50mm幅、50mm長、1mm厚の第2泳動槽31を作製し、別の基板を蓋として用いて第2泳動槽31を被覆する構成とした。
市販の垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる駆動手段5をプレート7上に組み立て、垂直方向駆動ステージ51にPMMAで作製した支持体6を接続し、支持体6に上記サンプル回収器具1を接着し、上記2次元電気泳動用基板4aをプレート7上に固定することでサンプル分析装置10を作製した。2次元電気泳動用基板4aの第1泳動槽21両端のリザーバ22・23および、SDS−PAGE用のリザーバ32・33に電極を挿入し、各電極を電気泳動用電源に接続し、上記駆動手段5および上記電気泳動用電源をコンピューター接続した。
第1泳動槽21両端の陽極液用リザーバ22にリン酸溶液を、陰極液用リザーバ23に水酸化ナトリウム溶液を充填した後、タンパク質サンプル、両性担体(GEヘルスケア社のAmpholine)、緩衝液からなる分析溶液を第1泳動槽21に充填した。サンプル処理槽41には、SDS、Tris−HCl、DTTからなる平衡化用溶液を充填した。第2泳動槽31には13%アクリルアミドゲルを作製し、両端のリザーバ32・33には、SDS、Tris、Glysineからなる泳動用緩衝液を充填した。
各種溶液を充填した後、上記コンピューター上に作製した制御プログラムによりサンプル分析装置10の自動駆動を行った。以下に制御手順を述べる。
まず、垂直方向駆動ステージ51を駆動し、サンプル回収部11を第1泳動槽21に挿入し、第1泳動槽21に蓋をした。第1泳動槽21の両端のリザーバ22・23に挿入した電極間に電圧を印加して液体等電点電気泳動を行った(2500V)。5分経過した後、電圧を印加した状態で、垂直方向駆動ステージ51を駆動して、サンプル回収部1を分析溶液に挿入した。さらに電圧を印加した状態で5分間分離を行った後、垂直方向駆動ステージ51を駆動しサンプル回収部1を上昇させた後に、電圧印加を停止した。この時、第1泳動槽21中の分析溶液は、サンプル回収部1中に回収された(乾燥ゲルが分析溶液を吸収し膨潤した)ことが目視によって確認された(第1分析およびサンプル回収)。
次に、水平方向駆動ステージ52を駆動し、サンプル成分を含むサンプル回収部1を平衡化用溶液を充填したサンプル処理槽41の上方に搬送した。垂直方向駆動ステージ51を駆動し、サンプル成分を含むサンプル回収部1を平衡化用溶液に浸漬した後、垂直方向駆動ステージ51を上下に駆動(振とう動作)することでサンプルの平衡化を行った(5分)。
平衡化が終了した後、垂直方向駆動ステージ51をおよび水平方向駆動ステージ52を駆動し、サンプル成分を含むサンプル回収部1を、SDS−PAGE用のゲルの端面に搬送した。搬送した後、SDS−PAGE用のリザーバ32・33に挿入した電極間に電圧を印加し、SDS−PAGEによるタンパク質の分子量分離(第2分析)を行った(30mA定電流、20分)。泳動が終了した後に電圧を停止し、垂直方向駆動ステージ51を駆動してサンプル回収部1を上昇させ、ゲル2次元電気泳動を終了した。
終了後、SDS−PAGE用のゲルを取り出し、CBBによる染色を行ったところ、タンパク質が等電点および分子量に従って良好に分離された結果が得られた。すなわち、本発明を用いることにより、タンパク質のゲル2次元電気泳動が高速かつ自動で実行された。
〔実施例2〕
本発明に係るサンプル回収器具1およびサンプル分析装置70を作製し、サンプルとしてHisGポジトープコントロールプロテインを含むマウス肝臓の可溶性画分を用い、第1分析にSDS−PAGEによる分離、第2分析に親和結合反応による分離(ウエスタンブロッティング)を用いた分析を行った。
サンプル回収器具1のサンプル回収部11として、市販のPVDF膜を0.5mm幅、50mm長に切断して用いた。また、保持部12としてPMMAを選定し、0.5mm幅、50mm長、15mm厚に加工し、保持部12の側面と上記PVDF膜の片面を接着することでサンプル回収器具1を作製した。
さらに、分析媒体搬送器具1’の第1分析媒体8として、分離ゲル(アクリルアミドゲル)を0.5mm幅、50mm長に形成した。また、保持部12’としてPMMAを選定し、0.5mm幅、50mm長、15mm厚に加工し、保持部12’の底面と上記分離ゲルの片面を接着することで分析媒体搬送器具1’を作製した。
また、図3(b)に示すような基板4cを、PMMAを加工して作製した。泳動槽24は、0.5mm幅、50mm長、1mm厚で、泳動槽24の両端に直径2mm、1mm厚の陽極液用リザーバ22および陰極液用リザーバ23を作製した。泳動槽24には、リン脂質による表面処理を施した。泳動槽24の陰極液用リザーバ23側端部にサンプル導入部25を形成した。サンプル処理槽3bは1mm幅、50mm長、1mm厚のものを6個(34a〜f)作製した。基板4c上の泳動槽24とサンプル処理槽3bとの間に、サンプル転写用の緩衝液を充填したサンプル転写槽42(5mm幅、50mm長、1mm厚)を形成した。サンプル転写槽42にはサンプル成分の転写に必要な電圧を印加するための電極が設けられている。基板4c上のさらなる部位に、分析前のサンプル回収器具1を格納しておくための転写膜格納部43(1mm幅、50mm長、1mm厚)を形成した。サンプル転写槽42および転写膜格納部43には、転写用緩衝液(トリス、グリシン、メタノールからなる)を充填した。
市販の垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52からなる駆動手段5をプレート7上に組み立て、垂直方向駆動ステージ51にPMMAで作製した支持体6を接続し、支持体6に上記サンプル回収器具1を接着し、上記基板4cをプレート7上に固定することでサンプル分析装置70を作製した。基板4c泳動槽24両端のリザーバ22・23に電極を挿入し、各電極を電気泳動用電源に接続し、上記駆動手段5および上記電気泳動用電源をコンピューター接続した。
泳動槽24両端のリザーバ22および23に電気泳動用の電解液(Tris、Glysine、SDSからなる溶液)を充填した後、サンプル処理槽34aには、1%BSA/PBST(Phosphate Buffer Saline Tween−20)からなるブロッキング溶液を、サンプル処理槽34bには、PBSTからなる洗浄液を充填した。サンプル処理槽34cには、PBSTで調整した一次抗体溶液を、サンプル処理槽34dには、PBSTからなる洗浄液を充填した。サンプル処理槽34eには、PBSTで調整した蛍光標識二次抗体溶液を、サンプル処理槽34fには、PBSTからなる洗浄液を充填した。
各種溶液を充填した後、サンプル回収器具1を転写膜格納部43に予め格納した。サンプル回収器具1は、第1分析終了後に駆動手段5を駆動して支持体6と真空吸着させて搬送する。次いで、上記コンピューター上に作製した制御プログラムによりサンプル分析装置70の自動駆動を行った。以下に制御手順を述べる。
まず、真空吸着によって、分析媒体搬送器具1’を支持体6に吸着させた。垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動して、第1分析媒体8を泳動槽24上方に搬送した。
垂直方向駆動ステージ51を駆動し、分析媒体搬送器具1’を下降させて第1分析媒体8を泳動槽24に収納した。SDS処理を施したタンパク質サンプルをサンプル導入部25に導入した後、泳動槽24の両端のリザーバ22・23に挿入した電極間に電圧を印加した(200V、30分)。これにより、サンプル成分(タンパク質)が第1分析媒体8中を分子量に従って分離された(SDS−PAGE)。SDS−PAGEが終了した時点で、電圧印加を停止した(第1分析)。
垂直方向駆動ステージ51を駆動して分析媒体搬送器具1’を上昇させ、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動して、第1分析媒体8をサンプル転写槽42内に搬送した。サンプル転写槽42内に形成された固定部に第1分析媒体8を配置した後、真空吸着を開放して分析媒体搬送器具1’と支持体6とを分離した。
垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動して、支持体6を、転写膜格納部43の上方の、サンプル回収器具1と支持体6とが接着し得る位置へ搬送した。真空吸着によりサンプル回収器具1と支持体6とを接着した後、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動してサンプル回収器具1を搬送し、サンプル回収部11をサンプル転写槽42内に挿入した。駆動手段を駆動しながら、分析媒体搬送器具1’の第1分析媒体8とサンプル回収器具1のサンプル回収部11とを接着させた。サンプル転写槽42に設けられている電極に電圧を印加して、サンプル成分の転写を行った。
垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動して、サンプル成分が転写されたサンプル回収部11を含むサンプル回収器具1を、サンプル処理槽34aの上方へ搬送した。垂直方向駆動ステージ51を駆動して、サンプル回収部11をブロッキング溶液に浸漬した後、垂直方向駆動ステージ51によってサンプル回収器具1を上下に駆動(振盪動作)することでブロッキング処理(30分)を行った。ブロッキング処理後、垂直方向駆動ステージ51および水平方向駆動ステージ52を駆動し、サンプル回収部11をサンプル処理槽34bへと搬送し、同様に浸漬および振盪することで洗浄操作を行った(10分)。同様の操作をサンプル処理槽34c〜34fについても同様に行うことで、サンプル回収部11中のタンパク質と一次抗体の反応(抗HisG抗体(マウスモノクローナル抗体)を用いて1時間)および洗浄(10分)、一次抗体と蛍光標識二次抗体の反応(Alexa Fluor 488で標識した抗マウスのヤギ抗体を用いて30分)および洗浄(10分)を実行した。全ての操作終了後、垂直方向駆動ステージ51を駆動してサンプル回収器具1を上昇させて、ウエスタンブロッティングを終了した。
ウエスタンブロッティング終了後、フィルターを装着したランプ光源とCCDカメラを備えた光学系を用いて検出を行ったところ、目的タンパク質の存在が確認された。すなわち、本発明のサンプル分析装置を用いることによって、タンパク質のSDS−PAGEを用いた分離、およびウエスタンブロッティングを用いた検出が自動で実行された。
本発明は上述した各実施形態および実施例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明により、ゲル二次元電気泳動の高速化、液体等電点電気泳動を第二の分離に先立った分析(もしくは前処理)として用いることが可能である。また、上記発明は自動化可能なため、高再現性かつハイスループットで分析が可能となり、現在盛んに行われているプロテオーム研究をより発展させることができる。
このような本発明を用いることによって、人の手を介することなく複数の成分からなるサンプルを連続的に複数回の分析に供することができるので、プロテオーム研究をより効率的に進展させることができる。本発明に係るサンプル分析装置を作製および販売することにより市場を活性化することができる。
図1(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る全体構成を示す斜視図である。図1(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。 図2(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る全体構成を示す斜視図である。図2(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。 図3(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る全体構成を示す斜視図である。図3(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。 図4(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す斜視図である。図4(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。 図5(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す斜視図である。図5(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。 図6(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す側面図である。図6(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す側面図である。図6(c)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す側面図である。 図7(a)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。図7(b)は、本発明に係るサンプル分析装置の一実施形態に係る要部構成を示す上面図である。
符号の説明
1 サンプル回収器具
1’ 分析媒体搬送器具
2a 第1分析部
2b 第1分析部
2c 第1分析部
3a 第2分析部
3b 第2分析部
3c 第2分析部の供給口
4a 2次元泳動用基板
4b 基板
4c 基板
4d 基板
5 駆動手段
6 支持体
6’ 支持体
7 プレート
8 第1分析媒体
10 サンプル分析装置
11 サンプル回収部
12 保持部
12’ 保持部
21 第1泳動槽
22 リザーバ
23 リザーバ
24 泳動槽
25 サンプル導入部
31 第2泳動槽
32 リザーバ
33 リザーバ
34 サンプル処理槽
35 サンプル抽出槽
41 サンプル処理槽(サンプル前処理槽)
42 サンプル転写槽(サンプル前処理槽)
43 転写膜格納部
51 垂直方向駆動ステージ
51’ 垂直方向駆動ステージ
52 水平方向駆動ステージ
60 サンプル分析装置
70 サンプル分析装置
80 サンプル分析装置
261 担体充填槽
262 溶出槽
263 電極

Claims (22)

  1. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部が、金属から構成されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  2. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部が、静電特性を有する材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  3. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部が、親水性材料または疎水性材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  4. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部が、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する物質から構成されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  5. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部には、官能基が付与されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  6. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析方法であって、
    液体の第1分析媒体中にてサンプルを電気泳動による第1分析に供する第1分析工程;
    第1分析後のサンプル成分を、分析結果を維持した状態でサンプル回収部に回収する回収工程;および
    サンプル成分を回収した後のサンプル回収部を電気泳動による第2分析に供する第2分析工程
    を包含し、
    前記サンプル回収部が、吸水性材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析方法。
  7. 回収後のサンプル成分を前記サンプル回収部から放出させる放出工程をさらに包含することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のサンプル分析方法。
  8. 第1分析媒体および前記サンプル回収部に電極を設ける工程をさらに包含することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のサンプル分析方法。
  9. 前記回収工程を行う際に前記液体を蒸発させる蒸発工程をさらに包含することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のサンプル分析方法。
  10. 第1分析に供するために、サンプルを前処理する第1サンプル前処理工程をさらに包含することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のサンプル分析方法。
  11. 第2分析に供するために、前記回収後のサンプル成分を前処理する第2サンプル前処理工程をさらに包含することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のサンプル分析方法。
  12. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部が、静電特性を有する材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  13. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部が、親水性材料または疎水性材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  14. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部が、回収すべきサンプル成分に対して親和性を有する物質から構成されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  15. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部が、金属から構成されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  16. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部には、官能基が付与されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  17. 複数の成分を含む単一のサンプルを連続的に複数回分析するサンプル分析装置であって、
    液体の第1分析媒体を保持し、電気泳動によるサンプルの第1分析を行う第1分析部;
    第1分析後のサンプル成分を回収するサンプル回収部;および
    サンプル回収部にて回収したサンプル成分を電気泳動により分析する第2分析部
    を備え、
    前記サンプル回収部が、吸水性材料から構成されていることを特徴とするサンプル分析装置。
  18. 第1分析媒体および前記サンプル回収部が電圧印加手段に接続されていることを特徴とする請求項12〜17の何れか1項に記載のサンプル分析装置。
  19. 第1分析媒体の温度を調節する温度調節手段をさらに備えていることを特徴とする請求項12〜17の何れか1項に記載のサンプル分析装置。
  20. 前記サンプル回収部を移動させる駆動手段をさらに備えていることを特徴とする請求項12〜17の何れか1項に記載のサンプル分析装置。
  21. 第1分析部にて分析するために、サンプルを前処理する第1サンプル前処理槽を、さらに備えていることを特徴とする請求項12〜17の何れか1項に記載のサンプル分析装置。
  22. 第2分析部にて分析するために、前記回収後のサンプル成分を前処理する第2サンプル前処理槽を、さらに備えていることを特徴とする請求項12〜17の何れか1項に記載のサンプル分析装置。
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