JP4733717B2 - 作業機 - Google Patents
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Description
ベルト伝動機構には、ベルトテンションクラッチ(公報内番号:15)を設けていた(特許文献1)。
エンジンの設置高さはエンジンボンネット内での配置構成等の他の要因によって規制を受けるところから、自由に高さを設定できず、その為に、伝動軸を低い位置に設ける必要があった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、機体前部にエンジンを配備し、機体後部側にミッションケースを配備した作業機であって、
前記エンジンと、前後車輪間に位置する作業装置とに亘って作業用伝動装置を架設し、作業用伝動装置をエンジンの下方で前車軸ケースの上方に配置し、前記作業用伝動装置に油圧式クラッチを備え、
前記油圧式クラッチを、前記前車軸ケースの前方側で機体側に固定の前連結体の前面側に連結されたクラッチケースに内装するとともに、そのクラッチケースの前端部に前向きに延出されたボス部を形成し、
前記エンジン側の前部出力軸に取り付けられた出力プーリに伝動ベルトを介して連動される入力プーリを、前記ボス部の外周側に支持させて、エンジン動力が前記入力プーリを介して前記油圧式クラッチに伝達されるように構成してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
ベルトテンション式クラッチを廃止し、油圧式クラッチを採用することにより、ベルトテンション式クラッチの装備に必要であったスペースが不要になるので、エンジン出力軸と作業用伝動装置(油圧式クラッチ)との距離を接近させることができ、作業用伝動装置(油圧式クラッチ)を前車軸ケースの上方に設けることができた。これにより、地面の石や障害物、起立している雑草や刈草等が作業用伝動装置(油圧式クラッチ)に接触し難くなるようにすることができた。
一般に、外部に露出することが多いベルトテンション式クラッチに比べて、油圧式クラッチは作業用伝動装置のケース内に収容することが容易に行えるので、油圧式クラッチ自身の耐久性も十分なものにすることができる。
これによって、クラッチ機構として耐久性の高いものを導入でき、起立している雑草等の影響を受け難いものとすることができた。
請求項2に係る発明の特徴構成は、請求項1に係る発明において、油圧式クラッチからの動力伝達を受けて前記作業装置に出力する作業用動力取出軸を、前後向き姿勢で前車軸ケースのローリング支点位置に配置してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
作業用動力取出軸を前車軸ケースの上方に設けるについて、ローリング支点位置に配置する構成によって、ローリング支点を作業用動力取出軸で兼用化でき、構造の簡素化を図ることができる。
〔草刈り機の構造〕
作業機の一例である乗用型のミッドマウント型芝刈り機について説明する。
この芝刈り機は、乗用型の走行機体1の前車輪11と後車輪12との間に、作業装置としてのモーア2が昇降操作可能に吊り下げ装着されるとともに、機体後部に平行四連式のリンク機構13を介して集草容器6が昇降自在に連結された構造となっている。
後車輪12は、機体フレーム10に固定されたミッションケース14の左右両側から、後方下方へ向けて延出された左右一対の後車軸ケース15の下端部に、左右の後車輪12が各別に片持ち状態で軸支されており、左右の後車軸ケース15同士の間に形成された空間に刈草排出用のダクト16が固定されている。
上記のようにリンク機構13に連結された集草容器6は、走行機体1に装備されているモーア2から風力搬送されてきた刈草を収集するように走行機体1側の刈草搬送用のダクト16に接続される集草位置と、ダクト16から分離された排出位置とにわたって位置移動自在に構成してある。
図2及び図3に示すように、モーア2は、モーアハウジング20内に2枚の回転ブレード21を左右に並列した構造のものであり、左側のブレード21が時計回りに駆動されるのに対して、右側のブレード21が反時計回りに駆動されることで、刈草がブレード21の回転によって発生した搬送風に乗ってモーアハウジング20の後部中央近くに形成した出口20Aから排出されるリアディスチャージ式のモーアに形成されている。出口20Aから排出される刈草は、左右の後車輪12の間に配備されたダクト16を介して集草容器6に導かれるようになっている。
揺動リンク23のうち、後方の揺動リンク23の一部が、機体フレーム10上に配備された運転座席7横の昇降操作レバー25に対して、連結杆26で連動連結されており、昇降操作レバー25での揺動操作により、人為操作力により上げ下げ操作可能に構成されている。
刈刃駆動ケース3は、ブレード軸22を内装する筒軸ケース30と、その筒軸ケース30の上端側同士を連結する接続ケース31とで構成されており、接続ケース31の内部空間に伝動用の平ギヤ40が内装されている。
ギヤボックス32から突出する入力軸35部分に形成されたスプラインとスプライン嵌合する入力用平ギヤ41のボス部41aが、接続ケース31の中間部にボールベアリング44を介して軸支されており、その入力用平ギヤ41と、一方のブレード軸22の軸端にスプライン嵌合した出力用平ギヤ42との間に、奇数個の、つまり一つの中継用平ギヤ43を介装してある。入力用平ギヤ41と、他方のブレード軸22の軸端にスプライン嵌合した出力用平ギヤ42との間には、偶数個の、つまり二つの中継用平ギヤ43を介装してある。
伝動機構4を構成する平ギヤ40は、上記の各平ギヤ41,42,43によって構成されている。このように平ギヤ40からなる伝動機構4を用いて連動連結された左右のブレード21は、夫々の回転軌跡が部分的に重合するように配設されているが、ブレード21同士の衝突は避けられるように、図3に示す如く互いの位相をずらして組み付けてある。
各平ギヤ41,42,43の夫々は、そのボス部41a,42a,43aと歯部41b,42b,43bとが厚肉に形成されているものの、その中間のハブ部分は薄肉に形成されている。
中継用平ギヤ43の枢支軸45は、夫々、上端部が最大径で、ベアリングに軸支される軸中間部がそれよりも小径で、その下端側はベアリングの内径よりも小径に形成してあって、上方から抜き差しするように構成されている。
このように、刈刃駆動ケース3は、その全体が組み立てられた状態でモーアデッキ20Bにボルト止めすればよいので、組み立ての際の作業性がよい。
後車輪チェーン伝動機構48は、後車軸ケース15の後車輪チェーンケース部15B内に装備してある。
油圧ポンプ37Aの入力側には、冷却ファン66を設けてあり、この冷却ファン66を油圧ポンプ37Aへの伝動軸36に取付けて、伝動軸36と一体回転ささせるように構成してある。
油圧モータ37Bの出力軸37bで前車輪11側に向けて延出した部分には、走行ブレーキ73が設けてある。
中継軸71には大小二つのギヤ部71a、71bを一体形成しており、前車輪出力軸72にクラッチギヤ72Aをスライド回転自在に取付け、中継軸71の小ギヤ部71bとクラッチギヤ72Aとを咬合離間可能に構成して、前車輪11へのクラッチ機構を構成している。これによって、駆動力を前車輪11に伝達して、4輪駆動を可能にし、かつ、前車輪11への駆動力を断って2輪駆動形態に切り換え可能に構成してある。
後車軸46の左右両端に後サイド軸46A、46Aを相対回転自在に連結するとともに、後車軸46と後サイド軸46Aとの接続部位にサイドクラッチ機構47を設けてある。このように、サイドクラッチ機構47によって、サイドブレーキを併用する場合に比べて穏やかな旋回が可能であり、圃面を荒らすことが少ない。
つまり、後車軸46の軸端に出力側の部材としてクラッチボディ47Aを取り付けるとともに、後サイド軸46Aにクラッチケース47Bを装着し、クラッチボディ47Aとクラッチケース47Bとの間に摩擦多板47Cを配置して、サイドクラッチ機構47を構成してある。
従来は、図示してはいないが、クラッチボディとクラッチケースとを互いに離間する方向に付勢バネによって付勢するとともに、クラッチボディに対してカム機構を作用させて、付勢バネ力に抗して、クラッチボディとクラッチケースとを互いに近接する方向に、駆動する構成を採っていた。
そうすると、耐久性において操作系が十分ない虞れがあり、かつ、クラッチ容量を増大するにも困難を伴うことがあった。
これに対して、本願発明においては、油圧式の摩擦多板サイドクラッチ機構47を採用したので、耐久性においてもクラッチ容量としても十分なものを提供することができた。
クラッチボディ68には、押圧ピストン70が収納してあり、この押圧ピストン70は復帰バネ71によって、摩擦多板69から離間する状態に付勢され、作動油の油圧を受けて摩擦多板69に押圧作用するように構成してある。
摩擦多板69が押圧ピストン70によって押圧されると、入力クラッチ体67からクラッチボディ68に動力伝達が行われる。
一方、クラッチボディ68は、クラッチボディ68の内向き面68Aと作業用動力取出軸52の外周面との間でスプライン嵌合されて、出力伝達可能に構成してある。
以上のような構成によって、エンジン動力は、ベルト伝動機構51を介して油圧式摩擦多板クラッチ54に伝達され、油圧式摩擦多板クラッチ54から作業用動力取出軸52に出力される。
つまり、機体フレーム6より前ブラケット(図示せず)と後ブラケット79とを立ち下げ、前ブラケットと前連結体76とを連結固定し、後ブラケット79と後連結体77の取付フランジ部77Aとを連結固定している。
以上のような構成によって、作業用動力取出軸52、油圧式摩擦多板クラッチ54、前後連結体76、77を機体フレーム6に取付支持することができる。
筒状ボス75Aを後連結体77の筒状部77Aに外嵌して、後連結体77に対して、筒状ボス75A及び前車軸ケース75を作業用動力取出軸52の軸線X周りでローリング作動可能に構成してある。
また、ベルト伝動機構51を前車軸ケース75より上方に位置させることができるので、地上高を十分に採った位置に配置でき、ベルトに草等が接触する機会を抑制でき、ベルト損傷等を回避しやすくなった。
次に、本発明の別の実施形態を列記する。
5 エンジン
11 前車輪
12 後車輪
52 作業用動力取出軸
54 油圧式摩擦多板クラッチ(油圧式クラッチ)
75 前車軸ケース
A 作業用伝動装置
X ローリング支点
Claims (2)
- 機体前部にエンジンを配備し、機体後部側にミッションケースを配備した作業機であって、
前記エンジンと、前後車輪間に位置する作業装置とに亘って作業用伝動装置を架設し、作業用伝動装置をエンジンの下方で前車軸ケースの上方に配置し、前記作業用伝動装置に油圧式クラッチを備え、
前記油圧式クラッチを、前記前車軸ケースの前方側で機体側に固定の前連結体の前面側に連結されたクラッチケースに内装するとともに、そのクラッチケースの前端部に前向きに延出されたボス部を形成し、
前記エンジン側の前部出力軸に取り付けられた出力プーリに伝動ベルトを介して連動される入力プーリを、前記ボス部の外周側に支持させて、エンジン動力が前記入力プーリを介して前記油圧式クラッチに伝達されるように構成してある作業機。 - 油圧式クラッチからの動力伝達を受けて前記作業装置に出力する作業用動力取出軸を、前後向き姿勢で前車軸ケースのローリング支点位置に配置してある請求項1記載の作業機。
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